JPH0839772A - 水圧転写印刷装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【構成】水圧転写印刷装置において、原画１０の各原点
についていくつかの基本色調の高低を光学的に読み取り
これを電気信号に変換するスキャナ装置５と、該電気信
号に基いて転写フィルム１の、前記各原点に対応する各
画素についての色調信号を作成しこれを転写フィルム１
の給送と連係して出力するコンピュータ制御装置６と、
いくつかの基本色調のインクを各々吐出可能な印刷ヘッ
ド９を転写フィルム１の給送路ｍに備えかつ前記色調信
号に従ってインクジェット記録を給送される転写フィル
ム１に対して行なうインクジェット記録装置７と、その
後接着剤を転写フィルム１の表面に被覆するコーティン
グ装置８を備えて成る。 【効果】原画のデザインに対応する模様を有する転写フ
ィルムを転写印刷の現場で即座に作成でき、その模様の
転写製品を直ちに生産できる。原画の変更だけで任意の
模様の転写フィルムを作成でき、転写製品の意匠変更が
容易である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、水圧転写印刷装置、よ
り詳しくは、該印刷技術のフレキシビリティ（柔軟性）
が改良された水圧転写印刷装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、水圧転写印刷とは、水面に浮か
べた転写フィルム上の模様を被転写体に転写して印刷を
為す技術であり、この技術に用いる印刷装置は、普通、
転写フィルム（通常、ポリビニルアルコール主体のフィ
ルム）をその供給ローラより繰り出しそして転写槽内の
水面に浮かべて送り出す一方、その上方で被転写体をコ
ンベアにより移送しながら、その被転写面を転写フィル
ムの上から水中に押し入れることにより、転写フィルム
上の模様を被転写体に転写するという構成より成るもの
である。かかる印刷法は、三次元曲面への印刷が正確で
かつ容易であるという特徴を有することから、近年、様
々な用途において各種の立体製品の表面印刷に利用され
ており、そして、この印刷技術を改良するためのいくつ
かの提案も従来よりなされている（特公昭60-50597号公
報、特開昭57-45090号公報、特開昭58-31754号公報、特
開平4-119850号公報、特開平4-122647号公報など）。

【０００３】しかしながら、この種の印刷法において
は、転写フィルムとしては、従来、水溶性樹脂フィルム
の表面に予め（転写印刷に用いる以前に）印刷により所
定の模様、例えば木目模様、銘石（大理石等）模様など
が形成されたものが長い間使用されてきた。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ところで、今、消費者
の嗜向が多様化および分散化し、しかもその嗜向の変化
が激しく、定まった大きな需要が見込みにくいという社
会的、経済的状況にあることから、製品の生産設備にあ
っては、一の装置で以てより多くの品種およびより広範
な規格の製品を生産現場において即座に対応して、即ち
その場で速やかに設計変更して、生産することができる
という性能、所謂フレキシビリティが高い設備であるこ
とが、設備の稼働能率の向上および生産費用の低減を図
るためにも要求されている。

【０００５】しかるに、上述したように従来利用されて
きた転写フィルムは一定の模様を有する既成の樹脂フィ
ルムであるため、新たな表面模様の転写印刷製品を作る
場合には、その新模様の転写フィルムを別の生産設備で
製造することからあるいはそれを生産業者に新たに発注
して購入することから始めなければならず、また、転写
フィルムは大規模な長尺量産品であり一度に大量に生産
されるため、その表面デザインの変更は生産コストの面
からたびたび行なうことができないという制限もある。
従って、従来の水圧転写印刷の設備は、フレキシビリテ
ィの向上という要求に十分に応えることができないもの
であった。

【０００６】本発明は、かかる事情の下なされたもので
あって、その目的とするところは、水圧転写印刷の現場
にて速やかに設計変更することができ、これにより、任
意の模様（デザイン）を有する多種多様な転写印刷製品
を即座に対応して生産することができるところの、フレ
キシビリティが大変高い水圧転写印刷装置を提供するこ
とにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、水圧転写印刷
を為すとき、原画のデザインを光学的に読み取り、そし
て光電変換の後、読み取られた色調信号に従って、イン
クジェット記録を給送される転写フィルムに対して、こ
れが転写槽の水面上に送られる以前の段階で行ない、続
いて接着剤の被覆を行なうことにより、原画のデザイン
に対応した印刷模様を有する転写フィルムをその場で即
座に作成することができるようにしたものである。

【０００８】明確には、本発明による水圧転写印刷装置
は、転写フィルムを供給源より給送し転写槽内の水面上
に浮かべて送り出すとともに、被転写体を該転写フィル
ムの上から水中に押し入れることにより、転写フィルム
上の印刷模様を被転写体の表面に転写する水圧転写印刷
装置において、原画における各原点についていくつかの
基本色調の高低を光学的に読み取り、これを電気信号に
変換するスキャナ装置と、該スキャナ装置と接続され、
同装置からの信号に基づいて、転写フィルムにおける前
記各原点に対応する各画素についての色調信号を作成
し、これを転写フィルムの給送と連係して出力するコン
ピュータ制御装置と、前記いくつかの基本色調のインク
を各々吐出可能な印刷ヘッドを前記転写フィルムの給送
路において、例えば該転写フィルムの幅方向に走査可能
にまたは同幅全体にわたって備え、かつ、前記コンピュ
ータ制御装置と接続され、同装置からの色調信号に従っ
て前記印刷ヘッドよりインクジェット記録を該転写フィ
ルムに対して行なうインクジェット記録装置と、接着剤
を、インクジェット記録された転写フィルムの表面に被
覆するコーティング装置とを備えて成ることを特徴とす
るものである。

【０００９】本発明の水圧転写印刷装置の各要素を以下
に説明すると、スキャナ装置は、光源からの光を原画
（転写フィルムに印刷しようとする模様（デザイン）が
形成されている。）に当て、その反射または透過光を、
ミラー等を介して、光電変換素子で受けることにより、
原画における各原点についていくつかの基本色調（黄、
赤、青、黒等）の高低を光学的に読み取り、これを電気
信号に変換するものである。この場合の基本色調として
は本来任意であるが、一般に、Ｙ、Ｍ、ＣおよびＢＫの
４色調の組合せが採用される。本発明におけるスキャナ
装置は、上記の機能を発揮するものならば、いかなる方
式のスキャナ装置でもよいが、通常、ドットジェネレー
タ方式のダイレクトスキャナが使用される。また、この
装置は、シリアル走査型スキャナ装置でも、平面走査型
スキャナ装置でもよい。前者の型式の装置の場合には、
原画を固定しその状態で回転させるドラムが用いられ、
また後者の型式の装置の場合には、原画と平行に平面走
査する走査ヘッドが用いられる。光源としては、ハロゲ
ンランプ等が使用され、また、光電変換素子としては、
ホトダイオード、ホトトランジスタ、ＥＬ素子等が使用
され得る。

【００１０】本発明におけるコンピュータ制御装置は、
上記のスキャナ装置と接続されるとともに、転写フィル
ムにおける各画素の位置および大きさ等を記憶する画素
記憶装置を内蔵するかまたは外部の該装置と接続されて
おり、また、転写フィルムの給送装置（コンベア等）と
も、該フィルムの給送に連係して作動するように接続さ
れている。この制御装置は、スキャナ装置から入力され
た電気信号に基づいて、デジタル処理により、転写フィ
ルムにおける原画の各原点に対応する各画素についての
色調信号を作成し、これを転写フィルムの給送と連係し
て、後記のインクジェット記録装置に出力するものであ
る。

【００１１】本発明におけるインクジェット記録装置
は、一般的なインクジェット記録装置であるが、印刷ヘ
ッドを、転写槽内の水面上に送られる以前の転写フィル
ムの給送路に備えている。印刷ヘッドは、圧電変換素子
の働きによって、上記の４色組合せのような、いくつか
の基本色調のインクを各々、吐出可能な構造を有し、小
型ヘッドであって転写フィルムの幅方向に走査可能に備
えられるかまたはフィルム幅に相当する大きさのヘッド
であって同幅全体にわたって備えられる。また、本イン
クジェット記録装置は、上記のコンピュータ制御装置と
接続されており、同装置からの色調信号に従って、印刷
ヘッドよりインクジェット記録を給送される転写フィル
ムに対して行なう。本発明においては、インクジェット
記録装置の型式、構造等は、特に限定されず、連続噴射
型インクジェット記録装置も、間欠噴射型インクジェッ
ト記録装置（特にスリットジェット型の装置）も、ある
いは、オンデマンド型インクジェット記録装置（とりわ
けバブルジェト型の装置、またスパークジェット型の装
置）も利用することができる。

【００１２】さらに本発明におけるコーティング装置
は、水圧転写を確実にするために、接着剤により、イン
クジェット記録された転写フィルムをその表面全体に被
覆する装置であって、インクジェット記録装置の印刷ヘ
ッドより下流側に（もっとも、転写槽内の水面上に送ら
れる以前の給送路に）設けられる。使用できるコーティ
ング装置としては、噴霧コーティング装置、カーテンコ
ーティング装置などが挙げられる。

【００１３】その他の構成については、この種の従来の
水圧転写印刷装置と同様のものが本発明に適用され得
る。すなわち、本発明にあっても、転写フィルムを供給
源（通常、供給ローラ）より繰り出し、そしてこれを転
写槽の上方へ送り出してその水面上に浮かべる一方、そ
の上方で被転写体をコンベア移送しながら、その被転写
面を転写フィルムの上から水中に押し入れることによ
り、転写フィルム上の印刷模様を被転写体の表面に転写
するという構成の水圧転写印刷装置を使用することがで
きる。なお、本発明の装置を用いて水圧転写された印刷
製品もまた、従来と同様、その後クリア樹脂塗料が印刷
表面に塗装される。そのクリア樹脂塗膜の厚さは、通常
１０ないし５０μ、より好ましくは約２０μである。

【００１４】

【作用】本発明の装置においても、従来の水圧転写印刷
プロセスと同様に、転写フィルムが供給源より給送され
そして転写槽内の水面上に浮かべて送り出され、これと
ともに、被転写体が該転写フィルムの上から水中に押し
入れられることにより、転写フィルム上の印刷模様を被
転写体の表面に転写される。本発明にあっては、かかる
装置運転がなされている過程で、原画をスキャナ装置に
セットすると、このスキャナ装置により、原画における
各原点についていくつかの基本色調の高低が光学的に読
み取られ、続いて電気信号に変換される。そして、コン
ピュータ制御装置により、スキャナ装置からの電気信号
に基づいて、転写フィルムにおける前記各原点に対応す
る各画素についての色調信号が作成され、その後この色
調信号は、転写フィルムの給送と連係して、インクジェ
ット記録装置に出力される。続いて、インクジェット記
録装置により、前記色調信号に従って、印刷ヘッドより
いくつかの基本色調のインクが各々適時適量吐出され、
インクジェット記録が、給送されている転写フィルムに
対してなされる。即ち、原画の各原点における色調が転
写フィルムの該原点に対応する各画素の上に忠実に映し
出される。そしてこれに続いて、コーティング装置によ
り、接着剤が、インクジェット記録された転写フィルム
の表面に被覆される。しかる後、接着剤が被覆された転
写フィルムは、転写槽内に送り出され、そして該転写槽
内の水面上において、従来と同様のプロセスで以て、水
圧転写がなされる。したがって、本発明の装置では、原
画のデザインに対応した印刷模様を有する転写フィルム
が水圧転写印刷の現場で即座に作成され、よって、その
印刷模様を有する転写製品が直ちに生産される。しか
も、原画を適宜変更するだけで、任意の印刷模様を有す
る転写フィルムを作ることができ、転写製品のデザイン
変更が容易である。

【００１５】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。図１は、本実施例の水圧転写印刷装置の全体構成を
示す。この印刷装置は、転写すべき模様（デザイン）を
転写フィルム１（ＰＶＡ主体フィルム、普通 600ｍの長
さ）の表面に形成し、続いてこれを用いて水圧転写印刷
をなす装置であり、大きく分けて、水が満たされている
転写槽２（ａは水面を示す。）と、転写槽２の上方にお
いて、被転写体３０を移送し転写フィルム１の上から水
中に押し入れる転写コンベア３と、そして、転写フィル
ム１を供給ローラ３２より繰り出しそして転写槽２内の
水面に浮かべて送り出す転写フィルム給送装置４とか
ら、構成される。

【００１６】転写槽２は、主槽２１とその後側に位置す
る副槽２２とに分かれており、副槽２２からの回収管は
フィルタ（Ｆ）２３を介してポンプ２４（Ｐ）と接続さ
れ、そしてポンプ２４からの流出管は主槽２１の前側よ
り導入されている。従って、ポンプ２４の運転によっ
て、槽内の水が図１に示すように、主槽２１の側壁を越
えて副槽２２の中へ溢れ出、そして回収されたオーバー
フロー水は、濾過の後、再び主槽２１内へ供給されるよ
うに、常に循環する方式の槽となっており、よって、運
転時には、表面流ｆが槽内の水面ａに形成されるように
なっている。

【００１７】転写コンベア３は、２本のチェーン２５、
２５を並行に配置した構成のチェーンコンベアであっ
て、各チェーン２５を３個のプーリ２６・・間に張設
し、そしていくつかのホルダー２７・・を両チェーン２
５、２５間に取り付けてなり、モータ２８の運転によっ
て、これと接続するプーリ２６が回転し、次いでチェー
ン２５、２５が回り動き、これとともにホルダー２７・
・が移送されるようになっている。ホルダー２７は、被
転写体３０が搭載された枠形治具２９を掛け外し可能に
吊持しうる構造となっている。このコンベア３には、ホ
ルダー２７が下降する個所とその後ホルダー２７が上昇
する個所とがあり、前者は着荷の位置でありそして後者
は脱荷の位置である。

【００１８】転写フィルム給送装置４は、図１に示すよ
うに、装置チャンバ３１の中に、長さ約６００ｍの転写
フィルム１が巻かれた供給ローラ３２と、供給ローラ３
２より繰り出された転写フィルム１に対して当接、離間
するように進退動可能に備えられた除電ローラ３３と、
該転写フィルム１に対して必要なテンションを与えるテ
ンションローラ３４と、そして、転写フィルム１を転写
槽２の上方へ送り出されるように引っ張る送りコンベア
３５等を備えてなり、運転時には、転写フィルム１が、
供給ローラ３２より繰り出され、必要なテンションを保
ちながら給送され、そして、転写槽２の上方へ送り出さ
れるようになっている。

【００１９】本実施例では、転写フィルム給送装置４と
関連して、さらにスキャナ装置５、コンピュータ制御装
置６、インクジェット記録装置７およびコーティング装
置８が備えられている。

【００２０】図２に示すように、スキャナ装置５は、ド
ットジェネレータ方式のダイレクトスキャナであり、透
明な原画１０を固定しその状態で回転させるドラム１１
と、光をドラム１１上の原画１０に裏面より当てる光源
（ハロゲンランプ）１２と、ミラー１３を介して原画１
０からの光を受ける光電変換素子（ホトダイオード）１
４よりなり、原画１０における各原点についていくつか
の基本色調（Ｙ、Ｍ、Ｃ、ＢＫの４色調）の高低を光学
的に読み取り、そしてこれを電気信号に変換する。

【００２１】コンピュータ制御装置６は、スキャナ装置
５の他、転写フィルム１における各画素の位置および領
域等を記憶する画素記憶装置１５と接続されており、ま
た、転写フィルム１の給送を制御する給送制御装置１６
とも接続されている。制御装置６は、記憶装置１５に記
憶された画素情報をベースとして、スキャナ装置５から
入力された電気信号に基づいて、デジタル処理により、
転写フィルム１における原画の各原点に対応する各画素
についての色調信号を作成し、これを転写フィルムの給
送と連係して、インクジェット記録装置７に出力する。

【００２２】インクジェット記録装置７は、オンデマン
ド型インクジェット記録装置（とりわけバブルジェト型
の装置）であって、印刷ヘッド９をチャンバ３１内の転
写フィルム１の給送路ｍ（転写槽２１内の水面上に送ら
れる以前の給送路）に備えてなる。印刷ヘッドとして
は、図２において、Ａとして示すような、無端ベルト１
８を用いた走査機構により転写フィルム１の幅ｗ方向に
走査（±ｐ）可能な小型の印刷ヘッド９ａであってもよ
く、またＢとして示すような、転写フィルム１の幅ｗ全
体にわたって設けられた大型の印刷ヘッド９ｂであって
もよい。いずれの印刷ヘッドも、圧電変換素子の働きに
よって、上記の４色調のインクを各々、吐出可能な構造
を有する。インクジェット記録装置７は、コンピュータ
制御装置６と接続されており、この装置６からの色調信
号に従って、印刷ヘッド９よりインクジェット記録を給
送される転写フィルム１に対して行なう。

【００２３】コーティング装置８は、チャンバ３１内の
印刷ヘッド９より下流側の給送路ｍに設けられ、タンク
２０内の接着剤を、インクジェット記録された転写フィ
ルム１の表面に被覆する。噴霧コーティング装置でもカ
ーテンコーティング装置でもよい。

【００２４】而して、水圧転写印刷は、従来のプロセス
と同様に、フィルム給送装置４の運転によって、転写フ
ィルム１を転写槽２内へ連続的に供給し水面ａ上に浮か
べて送り出すとともに、転写コンベア３を運転し、まず
ホルダー２７が下降する個所において被転写体３０をホ
ルダー２７に着荷し、次いでこれを移送しながら、その
被転写面を転写フィルム１の上方から水中に押し入れる
ことにより、転写フィルム１上の印刷模様を被転写体３
０の表面に転写し、その後、ホルダー２７が上昇する個
所において被転写体３０をホルダー２７より脱荷すると
いう手順により行なわれる。しかる後、水圧転写印刷さ
れた製品は、クリア樹脂の塗装が行なわれ、厚さ１０な
いし５０μ、より好ましくは約２０μの透明樹脂塗膜が
製品の印刷表面に形成される。

【００２５】本例にあっては、かかるプロセスのうち転
写フィルム１を転写槽２に送り出す以前の段階におい
て、原画１０をスキャナ装置５のドラム１１にセットす
ると、スキャナ装置５により、原画１０における各原点
についてＹ、Ｍ、Ｃ、ＢＫの４つの基本色調の高低が光
学的に読み取られ、続いて、これは光電変換素子１４に
より電気信号に変換される。そして、コンピュータ制御
装置６により、その電気信号に基づいて、転写フィルム
１の各画素（原画１０の各原点に対応する。）について
の色調信号が作成され、その後、作成された色調信号
は、制御装置１６との間で転写フィルム１の給送と連係
して、インクジェット記録装置７に出力される。続い
て、この記録装置７により、前記色調信号に従って、印
刷ヘッド９より上記基本色調のインクが各々適時適量吐
出され、インクジェット記録が、給送されている転写フ
ィルム１に対してなされ、原画１０の各原点における色
調が転写フィルム１の該原点に対応する各画素の上に忠
実に映し出される。その後、コーティング装置８によ
り、接着剤が、インクジェット記録された転写フィルム
１の表面に被覆され、そして被覆された転写フィルム１
は、転写槽２内の水面上に送り出され、水圧転写がなさ
れる。したがって、本実施例の装置を使用すると、原画
のデザインに対応した印刷模様を有する転写フィルム１
が水圧転写印刷の現場で即座に作成されるので、その印
刷模様を有する転写製品を直ちに生産することができ
た。しかも、原画を適宜変更するだけで、任意の印刷模
様を有する転写フィルムを作ることができ、転写製品の
デザイン変更が容易となる。

【００２６】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
原画のデザインに対応した印刷模様を有する転写フィル
ムを水圧転写印刷の現場で即座に作成でき、よって、そ
の印刷模様を有する転写製品を直ちに生産することがで
きるという効果が得られる。特に、本発明によれば、原
画を適宜変更するだけで、任意の印刷模様を有する転写
フィルムを作ることができ、転写製品のデザイン変更が
大変容易であり、従って、転写印刷現場でのデザイン変
更により、多種多様な模様を有する転写印刷製品を即座
に対応して生産することができるという顕著な効果が得
られる。すなわち、本発明により、所謂フレキシビリテ
ィが従来に比して大変向上した水圧転写印刷装置が提供
される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の水圧転写印刷装置を示す全体
図である。

【図２】実施例の水圧転写印刷装置のうち、模様を転写
フィルム上に形成する構成部分を示す図である。

【符号の説明】

１ 転写フィルム ２ 転写槽 ３ 転写コンベア ４ 転写フィルム給送装置 ５ スキャナ装置 ６ コンピュータ制御装置 ７ インクジェット記録装置 ８ コーティング装置 ９ 印刷ヘッド １０ 原紙 １１ 回転ドラム １２ 光源 １３ ミラー １４ 光電変換素子 １５ 画素記憶装置 １６ 給送制御装置 ２０ 接着剤タンク ９ａ、９ｂ 印刷ヘッド ａ 水面 ｍ 転写フィルムの給送路 ｗ 転写フィルムの幅

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 転写フィルムを供給源より給送し転写槽
   内の水面上に浮かべて送り出すとともに、被転写体を該
   転写フィルムの上から水中に押し入れることにより、転
   写フィルム上の印刷模様を被転写体の表面に転写する水
   圧転写印刷装置において、 原画における各原点についていくつかの基本色調の高低
   を光学的に読み取り、これを電気信号に変換するスキャ
   ナ装置と、 該スキャナ装置と接続され、同装置からの信号に基づい
   て、転写フィルムにおける前記各原点に対応する各画素
   についての色調信号を作成し、これを転写フィルムの給
   送と連係して出力するコンピュータ制御装置と、 前記いくつかの基本色調のインクを各々吐出可能な印刷
   ヘッドを前記転写フィルムの給送路に備え、かつ、前記
   コンピュータ制御装置と接続され、同装置からの色調信
   号に従って前記印刷ヘッドよりインクジェット記録を該
   転写フィルムに対して行なうインクジェット記録装置
   と、 接着剤を、インクジェット記録された転写フィルムの表
   面に被覆するコーティング装置とを備えて成る、ことを
   特徴とする水圧転写印刷装置。