JPH0839610A - 原材表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材 - Google Patents

原材表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材

Info

Publication number
JPH0839610A
JPH0839610A JP15103995A JP15103995A JPH0839610A JP H0839610 A JPH0839610 A JP H0839610A JP 15103995 A JP15103995 A JP 15103995A JP 15103995 A JP15103995 A JP 15103995A JP H0839610 A JPH0839610 A JP H0839610A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
raw material
molding
molded product
pattern
transfer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP15103995A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3709503B2 (ja
Inventor
Takeshi Niwa
武 丹羽
Tsutomu Yoshida
勉 吉田
Naoyuki Sato
直行 佐藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Misawa Homes Co Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Cubic Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Cubic Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Misawa Homes Co Ltd, Idemitsu Petrochemical Co Ltd, Cubic Co Ltd filed Critical Misawa Homes Co Ltd
Priority to JP15103995A priority Critical patent/JP3709503B2/ja
Publication of JPH0839610A publication Critical patent/JPH0839610A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3709503B2 publication Critical patent/JP3709503B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Decoration By Transfer Pictures (AREA)
  • Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 少ない工程でより原材に近付けた表現及び新
たな加飾表現を成形品に施す。 【構成】 本発明の原材表現を施した加飾成形品1は、
木粉Wを添加して成る合成樹脂を発泡化することにより
裏面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、
少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された転写パ
ターン3を印刷することにより成っていることを特徴と
する。また本発明の原材表現を施した加飾成形品の製造
方法は、成形工程と加飾工程とによって構成され、この
うち成形工程は木粉Wの添加された成形原料を斑(まだ
ら)状に分布させた状態で成形することを特徴とし、他
方、加飾工程には転写フィルムFに隠蔽部露見処理を施
し、この転写フィルムFを液圧により成形基材2に転写
する転写印刷工程を設けたことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】本発明は射出成形により成形され
る成形基材に対し、木目模様、大理石模様等の原材模様
の転写パターンを印刷することで原材の雰囲気を醸し出
すようにした加飾成形品並びにその製造方法と、前記成
形基材に対し、その表面に塗装または直接トップコート
を施すことによって形成される加飾成形品と、その中間
生成物である成形基材に関するものである。
【0002】
【発明の背景】射出成形等により成形基材を成形する場
合、例えば軽量化、物性改善等の理由で成形原料を発泡
化させる場合がある。しかし成形原料を発泡化すると、
成形後の成形基材表面にシルバーストリークと呼ばれる
筋状の流れ模様が生ずることがある。このような場合、
従来は欠陥品として処理し、このような流れ模様が形成
された成形基材に対し濃色のベースコートを施したり、
濃色にし、あるいは図柄を工夫することでこのような流
れ模様を目立たなくする転写パターンを選択し、これを
印刷したり塗装を施し、更にトップコートとしては視認
性の悪いツヤ消し、または半光沢タイプのものを採用す
る等の措置が講じられていた。
【0003】一方、このような成形基材のように複雑な
曲面や平面が連続して成る対象物に原材模様等の図柄を
印刷する技術として曲面印刷技術がある。このものは原
材模様等の転写パターンがあらかじめ担持シート上に塗
工された転写フィルムを使用し、この転写フィルムを転
写液上に浮遊させた状態で、前記成形基材を一定深さ転
写液中に沈降させることによって生ずる液圧を利用して
前記成形基材表面に転写パターンを転写するというもの
である。
【0004】このような曲面印刷技術は、塗装技術では
考えられなかった成形基材への原材模様の転写を可能に
させるものであり、この点において従来にない画期的な
境地を切り開くものである。しかし近時の更なる要求は
これにとどまることなく、より原材に近付けた表現が望
まれている。
【0005】そのため、すでに特願平4−343147
号「液圧転写印刷品並びにその製造方法」なる出願がな
されているものであって、このものは転写パターンの違
う二つの転写層を積層することで上記従来の曲面印刷技
術のみでは達成できなかった奥行方向の深み感というも
のを発現し得るようにするというものである。しかしこ
の手法による場合には、転写操作を二度繰り返さねばな
らず、生産効率という点では改良の余地が残されてい
た。
【0006】また成形基材自体においても原材表現を追
求しようという試みも行われている。このものは成形原
料である合成樹脂原料中に木粉を添加し、これにより木
材に近似した色合い、香り、あるいは木質様の肌触りを
得ようというものであった。しかし実際の木材には板目
模様や杢(紋理)と呼ばれる放射組織が複雑に交錯した
木材特有の模様等が存在し、単に木粉を合成樹脂原料中
に添加するだけではこれらの模様を表現することはでき
ない。
【0007】この他、上記板目模様を表現することを目
的とし、合成樹脂原料中に着色顔料を混合し、このもの
を押出成形により成形することで上記板目模様に近似す
る模様を表出するという試みが行われている。しかしな
がら実際の木材が有する板目模様には部分的に照り、あ
るいは影として現れる微妙な色ないしは感覚上の変化が
存在し、単に着色顔料を合成樹脂原料中に混合するだけ
では、このような微妙な色ないしは感覚上の変化までは
表現できず、この点において改良の余地が残されてい
た。
【0008】また合成樹脂原料中に着色顔料を混合した
ものを用い、射出成形により上記押出成形によって得ら
れたのと同等の板目模様あるいは別個の原材模様が表現
できないかという提示に基づく試みも一部では行われて
いるが、着色顔料と合成樹脂原料とを混合し、単に成形
型内に注入するだけでは、前記原材模様に近似するほど
の模様の形成は得られず、これらの混合原料に方向性の
ある、あるいは不均一な流れを生じさせる何らかの工夫
の提示が望まれていた。この他、このような成形基材を
利用するとともに、塗装技術の改良を試みることによっ
て何らかの原材表現、そして新たな加飾表現が得られな
いかという点についてもその可能性がかねてより検討さ
れており、解決策の提示が望まれていた。
【0009】
【開発を試みた技術的事項】本発明はこのような背景を
考慮してなされたものであって、前記成形基材表面に現
れる流れ模様を欠陥として見るのではなく、原材表現の
一部として利用できるのではないかという着眼に立ち、
成形と加飾の両側面の構成を見直し、これによって、よ
り一層の原材表現の実現及び新たな加飾表現の提示、そ
して生産効率の達成を可能にする加飾成形品並びにその
製造方法並びに成形基材の開発を試みたものである。
【0010】
【発明の構成】
【目的達成の手段】すなわち請求項1記載の原材表現を
施した加飾成形品は、射出成形により成形される成形基
材に対し、その表面に転写パターンを印刷することによ
って形成される加飾成形品において、前記加飾成形品
は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を
形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に転
写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化し
た部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれ
か、もしくはこのうち二種の組み合わせ、またはこれら
すべてが設けられている原材模様の付された転写パター
ンを印刷することにより形成されるとともに、前記成形
基材には木粉が添加されることを特徴として成るもので
ある。
【0011】また請求項2記載の原材表現を施した加飾
成形品は、前記要件に加え、前記合成樹脂原料は、濃淡
差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無
着色原料と着色原料との組み合わせにより構成されてい
ることを特徴として成るものである。
【0012】更にまた請求項3記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記要件に加え、前記木粉の一部または
全部には合成樹脂原料の色との対比において、濃淡差の
現れる適宜の着色が施されていることを特徴として成る
ものである。
【0013】更にまた請求項4記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記要件に加え、前記木粉には光輝性顔
料が打ち込み添加されていることを特徴として成るもの
である。
【0014】更にまた請求項5記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記要件に加え、前記印刷した転写パタ
ーンの表面には光沢を有する透明または有色透明のトッ
プコートが形成され、更にこのトップコート表面は精密
仕上面であることを特徴として成るものである。
【0015】更にまた請求項6記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、成形基材に対し、その表面に
転写パターンを印刷することによって加飾成形品を製造
する方法において、前記方法は成形工程と加飾工程とに
よって構成され、このうち成形工程は合成樹脂原料に木
粉を添加して成る成形原料を加熱、溶融し、液状とする
とともに、これら成形原料が斑(まだら)状に分布する
ように軽く混合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入
し、これを硬化することにより成っており、他方、加飾
工程にはこのようにして成形された成形基材を隠蔽部露
見処理が少なくともその一部に施された原材模様の付さ
れた転写フィルムの浮遊する転写液中に没入させ、これ
に伴う液圧により前記成形基材表面に転写パターンを転
写する転写印刷工程が設けられていることを特徴として
成るものである。
【0016】更にまた請求項7記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、前記請求項6記載の要件に加
え、前記成形基材は射出成形により成形されることを特
徴として成るものである。
【0017】更にまた請求項8記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、前記請求項7記載の要件に加
え、前記成形工程では射出成形機を用い、射出成形機の
ホッパ内に合成樹脂原料に木粉を添加して成る成形原料
を投入し、射出成形機のシリンダ内で加熱、溶融し、液
状とするとともに、シリンダ内のスクリューにてこれら
成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合し
つつ及び発泡化させるようにしたことを特徴として成る
ものである。
【0018】更にまた請求項9記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、前記請求項6、7または8記
載の要件に加え、前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる
二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と
着色原料との組み合わせにより構成されていることを特
徴として成るものである。
【0019】更にまた請求項10記載の原材表現を施し
た加飾成形品の製造方法は、前記請求項6、7、8また
は9記載の要件に加え、前記加飾工程は、前記転写印刷
工程のほか、印刷後の成形品の表面に光沢を有する透明
または有色透明のトップコートを形成するトップコート
形成工程と、更にバフ仕上げによりトップコート表面を
精密仕上げする精密仕上工程とを有していることを特徴
として成るものである。
【0020】更にまた請求項11記載の原材表現を施し
た加飾成形品は、射出成形により成形される成形基材に
対し、その表面に塗装を施すことによって形成される加
飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡
化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基
材に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施さ
れた塗膜を形成することによって構成されるとともに、
前記成形基材には木粉が添加されることを特徴として成
るものである。
【0021】更にまた請求項12記載の原材表現を施し
た加飾成形品は、射出成形により成形される成形基材に
対し、その表面にトップコートを施すことによって形成
される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹
脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成
る成形基材に対し、直接その表面に光沢を有する透明ま
たは有色透明のトップコートを形成することによって構
成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加される
ことを特徴として成るものである。
【0022】更にまた請求項13記載の原材表現を施し
た成形基材は、射出成形により成形される合成樹脂成形
品において、前記合成樹脂成形品は木粉が添加された合
成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様が形成さ
れていることを特徴として成るものである。
【0023】更にまた請求項14記載の原材表現を施し
た成形基材は、前記請求項13記載の要件に加え、前記
木粉には光輝性顔料が打ち込み添加されていることを特
徴として成るものである。
【0024】更にまた請求項15記載の原材表現を施し
た成形基材は、前記請求項13または14記載の要件に
加え、前記合成樹脂成形品は濃淡差の現れる二種以上の
着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料と
の組み合わせにより構成される合成樹脂原料より成って
おり、なお且つこれらを斑(まだら)状に分布させた状
態で発泡化させて成ることを特徴として成るものであ
る。
【0025】更にまた請求項16記載の原材表現を施し
た成形基材は、前記請求項13、14または15記載の
要件に加え、前記合成樹脂成形品にはグラスファイバー
が添加されていることを特徴として成るものである。そ
してこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記
目的を達成しようとするものである。
【0026】
【発明の作用】すなわち請求項1記載の原材表現を施し
た加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面
に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、その一部に
転写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化
した部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれ
か、もしくは、このうち二種の組み合わせ、またはこれ
らすべてが設けられている原材模様の付された転写パタ
ーンを印刷することにより形成されるとともに、前記成
形基材には木粉が添加されるという構成をとっている。
これにより成形基材表面に現れる流れ模様が転写インク
の未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、
転写インクの彩色を淡彩化した部分において、外部から
認識できるようになり、転写パターンにより表現されて
いる平面的な原材模様と相まって奥行方向の深み感も発
現し得るようになり、より原材に近付いた表現が達成さ
れるほか、木粉の(発泡化)含有水分の影響により、あ
るいは木粉自体の形状が表面に露出して存在することに
より、より一層流れ模様が演出され、強調的に形成でき
るようになる。またこれに加えて木材に類した色合いや
風合いというものを加飾成形品に付与することが可能と
なる。
【0027】また請求項2記載の原材表現を施した加飾
成形品または請求項9記載の原材表現を施した加飾成形
品の製造方法は、前記合成樹脂原料を濃淡差の現れる二
種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着
色原料との組み合わせにより構成している。これにより
成形基材表面に現れる流れ模様は部分的に濃く現れた
り、薄く現れたりし、流れ模様がより顕著にあるいは弱
められた形で認識されるようになる。
【0028】更にまた請求項3記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記木粉の一部または全部に対し合成樹
脂原料の色との対比において濃淡差の現れる適宜の着色
を施すという構成をとっている。これにより前記請求項
2記載の発明と同様、成形基材表面に現れる流れ模様に
濃淡差が生じ、流れ模様がより顕著にあるいは弱められ
た形で認識されるようになる。
【0029】更にまた請求項4記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記木粉に光輝性顔料を打ち込み添加す
るという構成をとる。これにより前記木粉の作用に加
え、光輝性顔料の持つ照り感というものが加飾成形品に
現れるようになり、より原材に近付いた表現が達成され
る。
【0030】更にまた請求項5記載の原材表現を施した
加飾成形品は、前記印刷した転写パターンの表面に光沢
を有する透明または有色透明のトップコートを形成し、
更にこのトップコート表面を精密仕上面とする構成をと
る。これにより成形基材表面に現れる流れ模様が明瞭に
認識できるようになり、その光沢により流れ模様を際立
たせる。
【0031】更にまた請求項6または7記載の原材表現
を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程と加飾工程
とによって構成され、このうち成形工程では木粉を添加
した成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混
合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入し、他方、加
飾工程ではこのようにして成形される成形基材に対し隠
蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材模様
の付された転写パターンを転写する転写印刷工程を設け
るといった構成をとる。これにより成形後の成形基材表
面に現れる色は一様なものとはならず、斑(まだら)状
に現れるようになり、これが成形基材表面に現れる流れ
模様と相乗的に作用し、より原材に近付いた表現が達成
される。
【0032】更にまた請求項8記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、成形工程において射出成形機
を用いるという構成をとる。これにより成形原料の加
熱、溶融、斑(まだら)状分布混合、発泡の一連の作業
が円滑に効率良く行われるようになる。
【0033】更にまた請求項10記載の原材表現を施し
た加飾成形品の製造方法は、加飾工程を転写印刷工程と
トップコート形成工程と精密仕上工程とにより構成して
いる。これにより前記成形工程によってもたらされる流
れ模様の形成と転写印刷工程によってもたらされる原材
模様、そして流れ模様の露見処理とによって奏せられる
原材表現が更に助長される。
【0034】更にまた請求項11記載の原材表現を施し
た加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面
に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくとも
その一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形成するこ
とによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉
が添加されるという構成をとっている。これにより成形
基材表面に現れる流れ模様が隠蔽部露見処理の施された
部位において、外部から認識できるようになり、塗料の
色彩と前記流れ模様との組み合わせによって新たな加飾
表現が達成されるほか、流れ模様がより明瞭に形成され
るようになる。
【0035】更にまた請求項12記載の原材表現を施し
た加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面
に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、直接その表
面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを
形成することによって構成されるとともに、前記成形基
材には木粉が添加されるという構成をとっている。これ
により合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模様がより
顕著に現れるようになり、この流れ模様のみによって
も、ある程度の原材表現が達成されるようになる。従っ
てこのような成形基材の表面に視認性の良いトップコー
トを直接形成しただけでも看者の要求に充分応え得る加
飾表現が達成される。
【0036】更にまた請求項13記載の原材表現を施し
た成形基材は、木粉が添加された合成樹脂を発泡化する
ことにより表面に流れ模様を形成するという構成をと
る。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模
様がより顕著に現れるようになり、原材模様を認識させ
る加飾表現が達成される。
【0037】更にまた請求項14記載の原材表現を施し
た成形基材は、前記木粉に光輝性顔料を打ち込み添加す
るという構成をとる。これにより前記木粉の作用に加
え、光輝性顔料の持つ照り感というものが成形基材に現
れるようになり、より原材に近付いた表現が達成され
る。
【0038】更にまた請求項15記載の原材表現を施し
た成形基材は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料、ま
たは着色原料と無着色原料とを斑(まだら)状に分布さ
せた状態で発泡化させることによって成形されている。
これにより成形基材表面には流れ模様が形成されるとと
もに、合成樹脂原料に濃淡差を設けたことにより、その
流れ模様の存在が助長される。
【0039】更にまた請求項16記載の原材表現を施し
た成形基材は、グラスファイバーを添加することにより
構成されている。これにより成形基材の機械的強度が増
大し、成形基材の軽量化、薄肉化が可能となる。
【0040】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の原材表現を施し
た加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材につい
て具体的に説明する。なお以下の説明では原材の一例と
して木材を適用し、最初に木材表現を施した本発明の加
飾成形品の構成について、本発明の成形基材の構成と共
に説明し、次いでその製造方法について言及する。
【0041】図1中、符号1に示すものが本発明の原材
表現を施した加飾成形品の一実施例を示すものであっ
て、このものは射出成形により成形される本発明の成形
基材2に対し、原材模様(本実施例では木材模様とな
る)の付された転写パターン3を印刷し、あるいは塗装
を施すことによって基本的に構成される。なお図示の実
施例にあっては、成形基材2に対し上記転写パターン3
を印刷したものを示し、このものに対し、更にトップコ
ート4を形成し、このトップコート4の表面4aを精密
仕上げすることにより構成されたものを図示する。
【0042】まず本発明の成形基材2は、ABS樹脂、
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビ
ニル樹脂をはじめとする各種の合成樹脂を発泡化し、成
形基材2の内部に独立気泡や連続気泡を形成させて成る
ものである。またこのような成形基材2には木粉Wが添
加されるものであって、本実施例では、松、檜、杉等の
針葉樹の廃材や切屑(切粉を含む)を微粉化し、更にこ
れを乾燥させることにより成る木粉Wを一例として使用
している。なお本発明で使用する木粉Wの大きさとして
は、一例として5μm〜120μm程度のものを想定し
ている。
【0043】なお木粉Wとしては、このような針葉樹の
ほか、広葉樹の廃材や切屑(切粉を含む)を原料として
使用することも可能であり、更に後述する転写パターン
3の原材模様に対応する樹種を選択し、その樹木の木粉
Wを使用するようにすることも可能である。
【0044】更に前記合成樹脂原料Pは単色の着色原料
のみにより構成することも可能であるが、濃淡差の現れ
る二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料
と着色原料との組み合わせによって構成することも可能
である。因みに単色の着色原料のみにより構成する場合
には、転写パターン3の原材模様と合致する色彩とした
り、転写パターン3の原材模様を引き立たせる色彩を選
択する。また二種以上の着色原料等を使用し、濃淡差を
表現したい場合には成形基材2の表面に現れる後述する
流れ模様2aを部分的により強調したり、弱めたりする
ように使用したり、例えば転写パターン3の原材模様が
図10に示すような板目模様である場合には心材部と辺
材部とで色彩が変わるように使用することも可能であ
る。因みに濃淡差の現れる二種原料の組み合わせの態様
としては、木粉Wは一般に肌色を呈するため、無垢の合
成樹脂原料P(以下ベースレジンという)に木粉Wを練
り込んだだけでも、その木粉練り込み済みの合成樹脂原
料P(以下マスターバッチという)も淡肌色となり、こ
のマスターバッチと別途のベースレジンとの組み合わせ
だけでも、濃淡差の現れる二種原料の組み合わせとな
る。もちろんこの組み合わせのほか、前記ベースレジン
に着色顔料を練り込んだ(着色顔料添加の)着色目的の
マスターバッチ、あるいは前記木粉添加目的のマスター
バッチ製造の際に同時に着色顔料も練り込んだ(木粉添
加及び着色目的の)マスターバッチとの組み合わせ等、
種々の態様がある。
【0045】またこのことは前記木粉Wについても同様
に当て嵌まるものであって、木粉Wの一部または全部に
合成樹脂原料Pの色との対比において濃淡差が現れる適
宜の着色を施すことも可能である。このほか木粉Wに
は、光輝性顔料Gを打ち込み添加することも可能である
し、射出成形時の加熱加圧による木粉Wの変色変質を抑
制するため、光輝性顔料Gのほかに、あるいは光輝性顔
料Gと合わせて酸化チタン等の微小無機顔料を打ち込む
ようにしてもよい。なお本明細書において「打ち込み添
加」とは木粉Wに光輝性顔料Gの一部またはこれと合わ
せて酸化チタン等の微小無機顔料の一部を埋め込み、担
持させた状態のほか、これら両者の一部が接合した状態
をも含めた概念として使用するものであるが、更に成形
基材2の一原料として、成形基材2に通常の意味におい
て添加して使用する構成とすることも可能である。
【0046】ここで本発明に適用する光輝性顔料Gにつ
いて若干説明すると、このものは、光の多重反射により
真珠光沢(perlescence)といわれる優雅な輝きを呈する
顔料であり、古くから使用されてきた天然光輝性顔料は
魚の鱗から採取されるものであるが、天然品は量産が難
しく高価であるので、今や多くの合成品が作られてい
る。
【0047】そしてこのようにして成る本発明の成形基
材2には、その表面に筋状の流れ模様2aが形成されて
いるものであって、この流れ模様2aはシルバーストリ
ーク等と呼ばれる。このシルバーストリーク(銀条)
は、成形品の表面に成形原料の流れた方向に沿って銀白
色の筋が出る現象を言い、この現象の出る主な原因は乾
燥不充分なペレットが混入することによるものである。
これは乾燥不充分なペレットを成形原料中に混入する
と、水分や揮発分が残ったまま射出成形されることにな
り、ノズルを出たところでこれらは気化することにな
る。そしてこの気体を含む成形原料が金型内に注入され
ると、金型表面と成形原料との完全な密着ができなくな
り、その密着不完全部分において成形原料の流れに沿っ
た白い筋が現れることによるものである。
【0048】この他、射出成形機のシリンダ内で成形原
料自体、あるいは可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電
防止剤などが分解して、ガスを発生させる場合があり、
この場合にもシルバーストリークは発生するし、エアの
混入、異種原料の混合、多量の粉末の混入等によっても
シルバーストリークは発生する。なおこのシルバースト
リークは、合成樹脂を発泡化して成る成形品に比較的生
じやすい現象であり、従来はこのようなシルバーストリ
ークの生じた成形品は欠陥品扱いされることが多かっ
た。
【0049】そして本発明では成形基材2を発泡化させ
た合成樹脂により形成することを前提とするものであ
り、更にこのものに対し木粉W等を添加する場合を開示
する。従ってこれらが作用してむしろ意図的にシルバー
ストリーク、すなわち流れ模様2aを成形基材2の表面
に形成しているのである。なお成形原料の粘度、あるい
はこれに関連するが、成形原料の温度等を可変すること
によっても流れ模様2aは生ずる。この場合の流れ模様
2aはフローマーク(波状流れ模様)と呼ばれ、ゲート
を中心にした縞模様が成形品に現れる現象を言うが、こ
のフローマークを前記シルバーストリークと併用して使
用することももちろん可能である。また木粉W等を添加
した場合の効果をここで補足すれば(乾燥管理はもちろ
ん行うが、時として)木粉W等に含有する水分が部分的
な高発泡に寄与して、流れ模様2aを強調した形で形成
したり、流れ模様2aの生じた部位の表面に木粉W等の
凹凸の一部ないしは全部が露出して存在し、この木粉W
等への光の当たり具合で、流れ模様2aが強調されるよ
うな効果が奏されるのである。なお前記マスターバッチ
を用いて、これを発泡させた場合には、そして特にこの
マスターバッチに前記ベースレジン等の濃淡差の現れる
原料と組み合わせたものを用いて、これを発泡させたと
きには、マスターバッチにおける融点は若干なりとも
(少なくともベースレジンにおける融点より)高くなっ
ているため、ベースレジンの溶融部との混じり合いも不
均一になりやすく、それでいてマスターバッチの溶融部
では、木粉Wが合成樹脂原料Pによく分散されて存在す
るため、この点においても原材表現を表出するにあた
り、好ましい効果が発揮される。
【0050】そしてこのようにして表面に流れ模様2a
が形成された本発明の成形基材2に対して図示の本発明
の加飾成形品1にあっては、以下述べる転写パターン3
が印刷される。本発明で使用する転写パターン3は写真
製版によるスクリーン印刷により、あらかじめ原材模様
を印刷することにより成るものであって、更に本発明の
加飾成形品1にあっては、この転写パターン3の少なく
ともその一部に隠蔽部露見処理が施されていることを特
徴とする。
【0051】すなわち転写パターン3には図2、3に示
すように転写インクの未付着部分3a、転写インクの薄
膜化部分3b、転写インクの淡彩化部分3cのいずれか
一つ、もしくはこのうち二種の適宜の組み合わせ、また
はこれらすべてが設けられているものであって、これら
が成形基材2の表面に形成される前記流れ模様2aを転
写パターン3外部から視認できるようにする隠蔽部露見
処理として作用する。
【0052】因みに転写インクの未付着部分3aとは、
原材模様を現す転写パターン3中において転写インクの
全く塗工されていない部分のことであり、転写インクの
薄膜化部分3bとは、前記転写インクの塗工部分の塗布
量を少なくし、その塗布厚を減じて成形基材2の表面に
形成される流れ模様2aが視認できるように薄膜化した
部分である。更に転写インクの淡彩化部分3cとは前記
転写インクの塗工部分の一部を他の塗工部分に比べて薄
めとなる転写インクで塗工し、成形基材2の表面に形成
される流れ模様2aの視認性を向上させた部分である。
【0053】そして転写パターン3として表現される原
材模様としては、大理石、御影石等の石材模様、オース
トリッチ、ワニ皮等の皮革模様、あるいは鼈甲、象牙を
イメージさせる模様、この他、以下述べる銘木の板目あ
るいは杢(紋理)を表現した木材模様等種々の模様が適
用できる。以下木材模様を例にとって具体的に説明す
る。
【0054】まず板目について言えば、板目には樹幹の
構造として縦方向に木繊維、道管、仮道管、そして横方
向に放射組織が現れる。また板目では心材部と辺材部と
で色彩が微妙に(樹種によっては大きく)異なり、更に
天然木にあっては途中に節があったり、虫食い痕や腐り
によって変色した部分があったりする。従って板目につ
いて原材表現を施そうとすれば、これらすべてを忠実に
再現することが必要になる。しかしこれらすべてを転写
パターン3によって忠実に再現したとしても、実際の原
材とは趣が違ったものとなってしまう。
【0055】これは転写パターン3は、あくまで平面的
な模様のみしか表現できず、奥行感や板目表面に現れな
い照り感というものは、表現できないからである。従っ
て本実施例においては、板目模様のすべてを転写パター
ン3によって表現するのではなく、前述した隠蔽部露見
処理によって前記奥行感や照り感というものを表現し、
残る原材模様のみを転写パターン3によって表現するよ
うにするのである。なおこの点については以下述べる杢
(紋理)についても同様に言えることである。
【0056】杢(紋理)は材面となる組織が交錯してい
たり、放射組織が現れているために光沢を発する部分が
点や筋状に存在する場合や年輪が変化に富んだ現れ方、
あるいは色の濃淡などで表出される紋様の総称である。
代表的な杢を挙げれば以下のとおりである。 〔玉杢〕円環あるいは渦巻状の紋理であり、欅、楠、楓
等に現れる。また玉杢のうち玉の小さなものを葡萄杢と
言い、これは楠、ヤチダモ等に現れ、装飾材として用い
られている。 〔波状杢〕広葉樹材の縦断面に見られる紋理で柾目面に
現れ、楓、マホガニー等に現れる。 〔鳥眼杢〕木繊維の配列で部分的に捩れたところに発生
し、円錐状の窪みが生じているように見えるものをい
う。楓類やトネリコ類に見られ、装飾材として貴重とさ
れている。 〔如鱗杢〕魚鱗(ウロコ)状の紋理であって、欅、ヤチ
ダモ等に現れる。 〔牡丹杢〕花状の紋理であって、欅、ヤチダモ、桑、ケ
ンボナシ等に現れる。 〔縮(緬)杢〕トチノキ、楓、ヤチダモ、マホガニー等
に現れる。 〔鶉杢〕屋久杉、神代杉、クロベ等に現れる。 〔虎斑杢〕放射組織のまだら状斑であって、楢、樫、ミ
ズナラの柾目材等に現れる。 〔その他の杢〕この他、ブナ等に現れる銀杢、マホガニ
ー、ラワン、トチノキ、柿等に現れるリボン杢、ゼブラ
ウッド、ブラックウォールナット等に現れる縞杢、葡萄
杢の一種で欅、タモ、楠等に現れる舞葡萄杢等がある。
因みに図1、3、8、9では杢模様を表現した転写パタ
ーン3を図示し、図10では板目模様を表現した転写パ
ターン3をそれぞれ図示している。
【0057】また成形基材2に対して、その表面に塗装
を施すことによって本発明の加飾成形品1を形成するこ
とも可能である。この場合にあっては、塗膜に対して少
なくともその一部に隠蔽部露見処理を施すこととなる。
この場合の隠蔽部露見処理としては塗膜の一部に塗料の
未付着部分を設けたり、塗膜を薄膜化した部分を設けた
り、あるいはクリア系等の塗料を用いることで成形基材
2の表面に形成される前記流れ模様2aを塗膜外部から
視認できるようにすることを意味する。なお上記塗膜に
対して少なくともその一部に隠蔽部露見処理を施すとい
う表現の中にはもちろん塗膜のすべてに隠蔽部露見処理
を施したものを包含するものである。
【0058】更に成形基材2に対して、直接その表面に
トップコートを形成することによって本発明の加飾成形
品1を形成することも可能である。この場合には成形基
材2の表面に現れる流れ模様2aのみによって原材模様
を表現することとなり、上記流れ模様2aを顕著に発現
させる必要上、木粉Wが添加されることが必須の条件と
なる。またこの木粉Wには前記図示の実施例と同様、光
輝性顔料Gを打ち込み添加することも可能であり、因み
にこのようにすれば、前記流れ模様2aに光輝性顔料G
の不均一な光輝が加わって、より一層の原材表現が達成
される。
【0059】なお成形基材2の主原料となる合成樹脂原
料Pの色としては、例えば淡肌色基調であっても発泡剤
による密度差と反射角度に更に前記木粉Wを添加した作
用が加わって、流れ模様2aが明確に形成され、そのま
までも充分な原材表現が達成されるが、合成樹脂原料P
を濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、ま
たは無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成す
れば、これらの原料の溶融温度差やゲートの位置を工夫
することにより、前記木粉W及び発泡剤によって生じた
流れ模様2aに更に着色原料を斑(まだら)状に分布さ
せた状態で発泡化させることによって生ずる別途の流れ
模様が加わって、前記流れ模様2aの存在が助長され
る。
【0060】更に前記図示の実施例について言えること
であるが、合成樹脂原料P中に成形基材2の機械的強度
を向上させる目的でグラスファイバーを添加することも
可能である。なおこのグラスファイバーとしては、例え
ば数mm以下の短繊維状のものを使用するものであっ
て、このようなグラスファイバーを添加することにより
軽量且つ薄肉の成形基材2の成形が可能となるのであ
る。
【0061】そしてこのような原材模様が表現されてい
る転写パターン3あるいは隠蔽部露見処理の施された塗
膜、更には直接成形基材2の表面にはトップコート4を
形成することも可能である。トップコート4は成形基材
2の表面に印刷された前記転写パターン3または成形基
材2の表面に塗工された塗膜、更には成形基材2自体を
保護する目的で設けられるものであるが、本発明におい
ては直接ないしは転写パターン3または塗膜に対して形
成される隠蔽部露見処理の施された部位から成形基材2
の表面に現れる流れ模様2aが視認できるように透明あ
るいは有色透明のものが使用される。なお有色透明とし
ては、淡色であっても濃色であってもよく、少なくとも
前記流れ模様2aが視認できる範囲のものであればよ
い。
【0062】またトップコート4は、視認性をできるだ
け高め、前記流れ模様2aによってもたらされる深み
感、照り感というものをなるべく際立たせるように光沢
系のものを選択することが望ましい。そしてこのトップ
コート4の表面4aは、バフ仕上げ、液体ホーニング仕
上げ、ラップ仕上げ等の精密仕上げによりその表面の光
沢を向上させる処理を行うことが望ましい。
【0063】なお一般的にはバフ仕上げが多く用いら
れ、本発明にあっては、ツヤ出しを目的にしていること
から、仕上げバフを用いる。仕上げバフとしてはネル地
布を50枚ほど重ねたものを一例として使用するが、こ
れとともにバフ仕上げでは光沢を出す必要から適宜の研
磨剤が使用される。
【0064】次にこのようにして成る本発明の原材表現
を施した加飾成形品1の製造方法について説明する。本
発明の製造方法は成形工程と加飾工程とによって構成さ
れることから、以下の説明では成形工程と加飾工程とに
分けて説明することとする。
【0065】(I)成形工程 すなわち成形原料を一旦液状とし、これを所定の形状の
成形基材2に成形する工程である。原理的には図6
(a)に示すように、まず定盤B上に成形型6を載置し
ておき、一方、図6(b)に示すように合成樹脂原料P
に対して木粉W等を添加して成る成形原料を加熱、溶融
し、液状にしておき、更にこれを軽く混合してこれら成
形原料が斑(まだら)状に分布した状態としておく。こ
こで本明細書において使用する「斑(まだら)状」と
は、性状の違う二種の物品(成形原料)が一様でなく、
それぞれの存在が認識できる程度に存在している状態の
総称を意味するものであって、もちろん前記ストリーク
状の流れ模様に類した状態として認識されるものをも包
含するものである。そして実際の成形にあたっては射出
成形機を用い、射出成形機のホッパ内にマスターバッチ
とベースレジンとを、その他発泡剤等と共に適宜の混合
割合にて投入し、射出成形機のシリンダ内に至らせ、こ
れらをシリンダ内のスクリューにてシリンダ先端のノズ
ルに向けて押送する間に加熱、溶融し、適宜の混合状態
とするのである。
【0066】もちろんこのとき、合成樹脂原料Pとして
は、例えば木粉添加のマスターバッチの淡肌色と、ベー
スレジンの白色、あるいは着色顔料添加のマスターバッ
チ等の濃淡差の違う二種以上の原料が使われることによ
って、前記斑(まだら)状態はより顕著に創出され、認
識されることとなる。なお図6(b)に示す加熱、溶
融、混合のプロセスは実際には射出成形機内で行われる
ものであって、更に発泡化処理もこの射出成形機内ない
し後述する成形型6内において行われる。
【0067】そして図6(c)に示すように、このよう
にして斑(まだら)状に混合し、発泡化された成形原料
を成形型6に注入し、硬化させる。そして図6(d)に
示すように硬化後の成形基材2を成形型6から取り出
し、バリ等を除去すれば図4に示すように表面に流れ模
様2aの形成された本発明の成形基材2が完成する。な
お上記説明では、射出成形により成形基材2を成形する
場合を例にとって説明したが、同様の流れ模様2aを形
成できるものであれば他の成形手法(一例として押出成
形が挙げられる)を採用することももちろん可能であ
る。
【0068】(II)加飾工程 すなわちこのようにして成形された成形基材2の表面に
より一層の原材表現を施し、あるいは成形基材2の表面
を保護し、光沢を付与することで意匠性を向上させる工
程である。加飾工程は一例として、(i)転写印刷工
程、(ii)トップコート形成工程、(iii) 精密仕上工程の
三つの工程により構成されるが、(i)の転写印刷工程
のみにより構成することも可能であるし、前記成形基材
2の表面に塗装を施すようにした加飾成形品1にあって
は、この転写印刷工程が塗装工程となり、塗装工程のみ
により加飾工程を構成することも可能とするものであ
り、更に成形基材2の表面に直接トップコート4を形成
するようにした加飾成形品1にあっては、(ii) のトッ
プコート形成工程のみにより、あるいはこれに(iii) の
精密仕上工程を加えた構成とすることも可能である。
【0069】(i)転写印刷工程 この工程では成形基材2の表面に転写パターン3を転写
するに先立って、これに用いる転写フィルムFをまず作
成する。本発明で使用する転写フィルムFは、一例とし
て水溶性フィルムから成る担持シート8の片面に転写イ
ンクを塗工し、転写パターン3を形成したものである。
【0070】そしてこのような転写フィルムFを用い、
以下のようにして成形基材2の表面に転写パターン3が
形成されるのである。すなわち本発明では、一例として
液圧転写の手法を用いるものであって、図7に示すよう
な液圧転写装置10により転写パターン3の成形基材2
への転写を行う。
【0071】なお図7は一連の液圧転写ラインを示すも
のであって、この液圧転写ラインは上述の液圧転写装置
10と、その側方に連続的に配置される供給コンベヤ1
1、連絡コンベヤ12、排出コンベヤ13と、連絡コン
ベヤ12の上方に設けられ、液圧転写装置10の側方に
位置する自動供給装置14及び自動排出装置15とを具
えて成る。
【0072】液圧転写装置10は、転写液Lを貯留する
転写槽16と、その上方に位置し被転写体保持装置17
を一定間隔ごとに設けた転写コンベヤ18と、転写フィ
ルム供給装置19とを具えて成る。転写フィルム供給装
置19は、上記のようにして作成された転写フィルムF
がロール状に巻回された原反ロール20と、担持シート
8上に印刷された乾燥状態の転写インクに粘着性を持た
せ、転写可能状態とする(本明細書においてこのような
状態とすることを活性化という)活性剤Sを貯留する溶
剤タンク21とを具えて成り、原反ロール20から繰り
出された転写フィルムFが、途中溶剤タンク21内の活
性剤Sで活性化された後、転写槽16内へ連続供給され
るように、適宜送りローラ22が設けられる。また自動
供給装置14は複数の把持装置23を具え、この把持装
置23により被転写体たる成形基材2をチャックして、
上方から転写槽16内へ供給し、転写完了後、これを排
出できるようになっている。
【0073】そしてこのようにして成る液圧転写装置1
0により成形基材2の表面に転写パターン3を転写する
にあたっては、前記原反ロール20から繰り出された転
写フィルムFを図9、10に示すように途中、転写イン
ク塗布面側に活性剤Sを塗布した後、転写槽16内の転
写液L上に供給する。なおこのとき活性剤S中に前記光
輝性顔料Gを含有させておくことも可能である。因みに
このようにすれば図2に示すように光輝性顔料Gが加飾
成形品1のより表面側に存在するようになり、これによ
りもたらされる照り感が更に助長される。そしてこの転
写液L上に供給された転写フィルムFは転写液Lと反応
することにより膨潤、伸展し、転写槽16内に形成され
る転写液Lの流れに乗って浮遊しながら下流域へ向けて
移動する。
【0074】そして転写フィルムFの膨潤、転写インク
の活性化が充分進み、転写可能状態となったところで、
上方から被転写体たる成形基材2を転写フィルムF上に
降下させる。そして成形基材2を更に転写液L中に没す
るように沈降させ、これに伴って生ずる転写液Lの液圧
を利用して、成形基材2の表面に転写フィルムF上(厳
密には担持シート8上)に塗工されている転写パターン
3を転写する。
【0075】そしてこのように転写パターン3が転写さ
れ、加飾の施された成形基材2を転写液L中から引き上
げ、洗浄し、付着する担持シート8を完全に除去する。
その後、これを乾燥させれば転写印刷工程は完了する。
なお上記実施例では、転写フィルムFが転写液L上に着
液する前段階において転写インクを活性化するという手
法をとっているが、この活性化のタイミングは着液と同
時でもよいし、着液後であってもよい。また印刷手法と
してはグラビア印刷等、他の印刷手法を採用することも
可能である。
【0076】更に上記転写印刷工程を塗装工程とした場
合には、成形基材2の表面を適宜マスキングした状態で
塗料を吹き付け、あるいはハケ等により塗工後、マスキ
ングを解除し、塗料の未付着部分を形成したり、塗装を
何段階かに分けて行うことにより、あるいは塗装後その
一部の塗膜を除去し、塗膜の厚さに差を設け、塗膜を薄
膜化した部分を形成したり、クリア系の塗料を使用する
ことで成形基材2の表面に隠蔽部露見処理を施しつつ、
所望の塗膜を形成するようにするのである。
【0077】(ii) トップコート形成工程 このようにして原材模様の施された転写パターン3の印
刷された成形基材2及び隠蔽部露見処理の施された塗膜
が形成された成形基材2は、この時点で加飾成形品1と
しても基本的には成立するものであるが、更に前記隠蔽
部露見作用を際立たせるため、転写パターン3あるいは
塗膜の表面にトップコート4を形成する。
【0078】トップコート4は、所定の粘度に調合され
たトップコート原液を例えばスプレーノズルにより霧状
にして、前記転写印刷工程において転写パターン3の印
刷された成形基材2に対し噴霧し、これを乾燥、硬化さ
せることにより完成する。
【0079】(iii)精密仕上工程 そしてこのようにして形成されたトップコート4に対し
ては、更に精密表面仕上加工が施され、トップコート4
の表面粗さを精密仕上面に加工する。これにはバフを使
用しての加工方法が一例として採用でき、充分な光沢が
感じ取れる所望の表面粗さとなるまでトップコート4の
表面は仕上げられていく。そしてこのような一連の加飾
処理が施されることにより、本発明の加飾成形品1は完
成するのである。なお前述のように成形基材2の表面に
形成される流れ模様2aによって意匠性のある充分な原
材表現が得られる場合には、前記(i)の転写印刷工
程、あるいは塗装工程を削除し、成形基材2の表面にそ
のままトップコート4を形成し、このものを加飾成形品
1とすることももちろん可能である。
【0080】
【発明の効果】本発明の原材表現を施した加飾成形品並
びにその製造方法並びに成形基材は、以上のような構成
により成るものであり、このような構成を有することに
より以下のような効果が発揮される。まず請求項1記載
の原材表現を施した加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化
することにより表面に流れ模様2aを形成して成る成形
基材2に対し、その一部に転写インクの未付着部分3
a、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分(転写インク
の薄膜化部分3b)、転写インクの彩色を淡彩化した部
分(転写インクの淡彩化部分3c)のいずれか、もしく
は、このうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが
設けられている原材模様の付された転写パターン3を印
刷することにより形成されるとともに、前記成形基材2
には木粉Wが添加されるという構成をとっている。これ
により成形基材2の表面に現れる流れ模様2aが転写イ
ンクの未付着部分3a、転写インクの薄膜化部分3b、
転写インクの淡彩化部分3cにおいて、外部から認識で
きるようになり、転写パターン3により表現されている
平面的な原材模様と相まって奥行方向の深み感も発現し
得るようになり、より原材に近付いた表現が達成される
ほか、木粉の(発泡化)含有水分の影響により、あるい
は木粉自体の形状が表面に露出して存在することによ
り、より一層流れ模様が演出され、強調的に形成できる
ようになる。またこれに加えて木材に類した色合いや風
合いというものを加飾成形品に付与することが可能とな
る。
【0081】また請求項2記載の原材表現を施した加飾
成形品1または請求項9記載の原材表現を施した加飾成
形品の製造方法は、前記合成樹脂原料Pを濃淡差の現れ
る二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料
と着色原料との組み合わせにより構成している。これに
より成形基材2の表面に現れる流れ模様2aは部分的に
濃く現れたり、薄く現れたりし、流れ模様2aがより顕
著にあるいは弱められた形で認識されるようになる。
【0082】更にまた請求項3記載の原材表現を施した
加飾成形品1は、前記木粉Wの一部または全部を合成樹
脂原料Pの色との対比において濃淡差の現れる適宜の着
色に施すという構成をとっている。これにより前記請求
項2記載の発明と同様、成形基材2の表面に現れる流れ
模様2aに濃淡差が生じ、流れ模様2aがより顕著にあ
るいは弱められた形で認識されるようになる。
【0083】更にまた請求項4記載の原材表現を施した
加飾成形品1は、前記木粉Wに光輝性顔料Gを打ち込み
添加するという構成をとる。これにより前記木粉Wの作
用に加え、光輝性顔料Gの持つ照り感というものが加飾
成形品1に現れるようになり、より原材に近付いた表現
が達成される。
【0084】更にまた請求項5記載の原材表現を施した
加飾成形品1は、前記印刷した転写パターン3の表面に
光沢を有する透明または有色透明のトップコート4を形
成し、更にこのトップコート4の表面を精密仕上面とす
る構成をとる。これにより成形基材2の表面に現れる流
れ模様2aが明瞭に認識できるようになり、その光沢に
より流れ模様2aを際立たせる。
【0085】更にまた請求項6または7記載の原材表現
を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程と加飾工程
とによって構成され、このうち成形工程では木粉を添加
した成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混
合しつつ及び発泡化させつつ成形型6に注入し、他方、
加飾工程ではこのようにして成形される成形基材2に対
し隠蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材
模様の付された転写パターン3を転写する転写印刷工程
を設けるといった構成をとる。これにより成形後の成形
基材2の表面に現れる色は一様なものとはならず、斑
(まだら)状に現れるようになり、これが成形基材2の
表面に現れる流れ模様2aと相乗的に作用し、より原材
に近付いた表現が達成される。
【0086】更にまた請求項8記載の原材表現を施した
加飾成形品の製造方法は、成形工程において射出成形機
を用いるという構成をとる。これにより成形原料の加
熱、溶融、斑(まだら)状分布混合、発泡の一連の作業
が円滑に効率良く行われるようになる。
【0087】更にまた請求項10記載の原材表現を施し
た加飾成形品の製造方法は、加飾工程を転写印刷工程と
トップコート形成工程と精密仕上工程とにより構成して
いる。これにより前記成形工程によってもたらされる流
れ模様2aの形成と転写印刷工程によってもたらされる
原材模様、そして流れ模様2aの露見処理とによって奏
せられる原材表現が更に助長される。
【0088】更にまた請求項11記載の原材表現を施し
た加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化することにより表
面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、少
なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形
成することによって構成されるとともに、前記成形基材
2には木粉Wが添加されるという構成をとっている。こ
れにより成形基材2表面に現れる流れ模様が隠蔽部露見
処理の施された部位において、外部から認識できるよう
になり、塗料の色彩と前記流れ模様2aとの組み合わせ
によって新たな加飾表現が達成されるほか、流れ模様2
aがより明瞭に形成されるようになる。
【0089】更にまた請求項12記載の原材表現を施し
た加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化することにより表
面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、直
接その表面に光沢を有する透明または有色透明のトップ
コート4を形成することによって構成されるとともに、
前記成形基材2には木粉Wが添加されるという構成をと
っている。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる
流れ模様2aがより顕著に現れるようになり、この流れ
模様2aのみによっても、ある程度の原材表現が達成さ
れるようになる。従ってこのような成形基材2の表面に
視認性の良いトップコート4を直接形成しただけでも看
者の要求に充分応え得る加飾表現が達成される。
【0090】更にまた請求項13記載の原材表現を施し
た成形基材2は、木粉Wが添加された合成樹脂を発泡化
することにより表面に流れ模様2aを形成するという構
成をとる。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる
流れ模様2aがより顕著に現れるようになり、原材模様
を認識させる加飾表現が達成される。
【0091】更にまた請求項14記載の原材表現を施し
た成形基材2は、前記木粉Wに光輝性顔料Gを打ち込み
添加するという構成をとる。これにより前記木粉Wの作
用に加え、光輝性顔料Gの持つ照り感というものが成形
基材2に現れるようになり、より原材に近付いた表現が
達成される。
【0092】更にまた請求項15記載の原材表現を施し
た成形基材2は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料、
または着色原料と無着色原料とを斑(まだら)状に分布
させた状態で発泡化させることによって成形されてい
る。これにより成形基材2表面には流れ模様2aが形成
されるとともに、合成樹脂原料Pに濃淡差を設けたこと
により、その流れ模様2aの存在が助長される。
【0093】更にまた請求項16記載の原材表現を施し
た成形基材2は、グラスファイバーを添加することによ
り構成されている。これにより成形基材2の機械的強度
が増大し、成形基材2の軽量化、薄肉化が可能となる。
そしてこれら各請求項記載の効果が相乗的に作用するこ
とによって、より原材に近付いた原材表現及び従来にな
い新たな加飾表現を加飾成形品1に表現することが可能
となり、加えて成形基材2の表面に転写パターン3を印
刷する場合には、転写印刷工程における転写回数の減少
により生産効率の向上が図られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原材表現を施した加飾成形品の一実施
例を一部破断するとともに、更にその一部を拡大して示
す斜視図である。
【図2】同上加飾成形品の積層状態を示す骨格的縦断面
図である。
【図3】同上分解斜視図である。
【図4】本発明の成形基材を一部破断するとともに更に
その一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】成形された本発明の成形基材を成形型から取り
出す様子を示す斜視図である。
【図6】本発明の成形基材の成形の様子を段階的に示す
説明図である。
【図7】液圧転写ラインの構成を示す側面図である。
【図8】隠蔽部露見処理の施された転写フィルムの原反
ロールから転写フィルムが繰り出される様子を示す斜視
図である。
【図9】同上転写フィルムを用いての液圧転写の様子を
示す斜視図である。
【図10】同上他の原材模様が現された転写フィルムを
用いての液圧転写の様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 加飾成形品 2 成形基材 2a 流れ模様 3 転写パターン 3a 転写インクの未付着部分 3b 転写インクの薄膜化部分 3c 転写インクの淡彩化部分 4 トップコート 4a 表面 6 成形型 8 担持シート 10 液圧転写装置 11 供給コンベヤ 12 連絡コンベヤ 13 排出コンベヤ 14 自動供給装置 15 自動排出装置 16 転写槽 17 被転写体保持装置 18 転写コンベヤ 19 転写フィルム供給装置 20 原反ロール 21 溶剤タンク 22 送りローラ 23 把持装置 B 定盤 F 転写フィルム G 光輝性顔料 L 転写液 P 合成樹脂原料 S 活性剤 W 木粉
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉田 勉 東京都杉並区高井戸東2丁目4番5号 ミ サワホーム株式会社内 (72)発明者 佐藤 直行 東京都港区芝5丁目6番1号 出光石油化 学株式会社内

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 射出成形により成形される成形基材に対
    し、その表面に転写パターンを印刷することによって形
    成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成
    樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して
    成る成形基材に対し、少なくともその一部に転写インク
    の未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、
    転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれか、もしく
    はこのうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが設
    けられている原材模様の付された転写パターンを印刷す
    ることにより形成されるとともに、前記成形基材には木
    粉が添加されることを特徴とする原材表現を施した加飾
    成形品。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二
    種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着
    色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴
    とする請求項1記載の原材表現を施した加飾成形品。
  3. 【請求項3】 前記木粉の一部または全部には合成樹脂
    原料の色との対比において、濃淡差の現れる適宜の着色
    が施されていることを特徴とする請求項1または2記載
    の原材表現を施した加飾成形品。
  4. 【請求項4】 前記木粉には光輝性顔料が打ち込み添加
    されていることを特徴とする請求項1、2または3記載
    の原材表現を施した加飾成形品。
  5. 【請求項5】 前記印刷した転写パターンの表面には光
    沢を有する透明または有色透明のトップコートが形成さ
    れ、更にこのトップコート表面は精密仕上面であること
    を特徴とする請求項1、2、3または4記載の原材表現
    を施した加飾成形品。
  6. 【請求項6】 成形基材に対し、その表面に転写パター
    ンを印刷することによって加飾成形品を製造する方法に
    おいて、前記方法は成形工程と加飾工程とによって構成
    され、このうち成形工程は合成樹脂原料に木粉を添加し
    て成る成形原料を加熱、溶融し、液状とするとともに、
    これら成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く
    混合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入し、これを
    硬化することにより成っており、他方、加飾工程にはこ
    のようにして成形された成形基材を隠蔽部露見処理が少
    なくともその一部に施された原材模様の付された転写フ
    ィルムの浮遊する転写液中に没入させ、これに伴う液圧
    により前記成形基材表面に転写パターンを転写する転写
    印刷工程が設けられていることを特徴とする原材表現を
    施した加飾成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記成形基材は射出成形により成形され
    ることを特徴とする請求項6記載の原材表現を施した加
    飾成形品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記成形工程では射出成形機を用い、射
    出成形機のホッパ内に合成樹脂原料に木粉を添加して成
    る成形原料を投入し、射出成形機のシリンダ内で加熱、
    溶融し、液状とするとともに、シリンダ内のスクリュー
    にてこれら成形原料が斑(まだら)状に分布するように
    軽く混合しつつ及び発泡化させるようにしたことを特徴
    とする請求項7記載の原料表現を施した加飾成形品の製
    造方法。
  9. 【請求項9】 前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二
    種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着
    色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴
    とする請求項6、7または8記載の原材表現を施した加
    飾成形品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記加飾工程は、前記転写印刷工程の
    ほか、印刷後の成形品の表面に光沢を有する透明または
    有色透明のトップコートを形成するトップコート形成工
    程と、更にバフ仕上げによりトップコート表面を精密仕
    上げする精密仕上工程とを有していることを特徴とする
    請求項6、7、8または9記載の原材表現を施した加飾
    成形品の製造方法。
  11. 【請求項11】 射出成形により成形される成形基材に
    対し、その表面に塗装を施すことによって形成される加
    飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡
    化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基
    材に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施さ
    れた塗膜を形成することによって構成されるとともに、
    前記成形基材には木粉が添加されることを特徴とする原
    材表現を施した加飾成形品。
  12. 【請求項12】 射出成形により成形される成形基材に
    対し、その表面にトップコートを施すことによって形成
    される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹
    脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成
    る成形基材に対し、直接その表面に光沢を有する透明ま
    たは有色透明のトップコートを形成することによって構
    成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加される
    ことを特徴とする原材表現を施した加飾成形品。
  13. 【請求項13】 射出成形により成形される合成樹脂成
    形品において、前記合成樹脂成形品は木粉が添加された
    合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様が形成
    されていることを特徴とする原材表現を施した成形基
    材。
  14. 【請求項14】 前記木粉には光輝性顔料が打ち込み添
    加されていることを特徴とする請求項13記載の原材表
    現を施した成形基材。
  15. 【請求項15】 前記合成樹脂成形品は濃淡差の現れる
    二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と
    着色原料との組み合わせにより構成される合成樹脂原料
    より成っており、なお且つこれらを斑(まだら)状に分
    布させた状態で発泡化させて成ることを特徴とする請求
    項13または14記載の原材表現を施した成形基材。
  16. 【請求項16】 前記合成樹脂成形品にはグラスファイ
    バーが添加されていることを特徴とする請求項13、1
    4または15記載の原材表現を施した成形基材。
JP15103995A 1994-05-27 1995-05-24 原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材 Expired - Fee Related JP3709503B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP15103995A JP3709503B2 (ja) 1994-05-27 1995-05-24 原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP13835894 1994-05-27
JP6-138358 1994-05-27
JP15103995A JP3709503B2 (ja) 1994-05-27 1995-05-24 原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0839610A true JPH0839610A (ja) 1996-02-13
JP3709503B2 JP3709503B2 (ja) 2005-10-26

Family

ID=26471412

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP15103995A Expired - Fee Related JP3709503B2 (ja) 1994-05-27 1995-05-24 原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3709503B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211530A (ja) * 1999-01-25 2000-08-02 Nippon Plast Co Ltd ステアリングホイ―ルおよびステアリングホイ―ルの製造方法
JP2006224613A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Nishikawa Kasei Co Ltd 装飾体及びその製造方法
JP2008173848A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sakaiya:Kk 加飾性を向上させた合成樹脂成形品の製造方法
JP2019171758A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 株式会社タイカ 水圧転写方法及びこの方法に用いられる活性剤

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000211530A (ja) * 1999-01-25 2000-08-02 Nippon Plast Co Ltd ステアリングホイ―ルおよびステアリングホイ―ルの製造方法
JP2006224613A (ja) * 2005-02-21 2006-08-31 Nishikawa Kasei Co Ltd 装飾体及びその製造方法
JP2008173848A (ja) * 2007-01-18 2008-07-31 Sakaiya:Kk 加飾性を向上させた合成樹脂成形品の製造方法
JP2019171758A (ja) * 2018-03-29 2019-10-10 株式会社タイカ 水圧転写方法及びこの方法に用いられる活性剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP3709503B2 (ja) 2005-10-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2707651B2 (ja) 化粧材
US5916502A (en) Decorated shaped product having source expression applied thereto, method for manufacturing same and shaped base material therefor
RU2346826C2 (ru) Способ переноса рисунка давлением воды и изделие с рисунком, перенесенным давлением воды
JPH10500352A (ja) 物品を被覆するための方法及び装置
FI79977C (fi) Foerfarande foer framstaellning av en moenstrad, faergad yta pao ett foeremaol av i synnerhet trae- eller cellulosamaterial samt en speciellt foer genomfoerande av foerfarandet avsedd faerg.
JPH0839610A (ja) 原材表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材
US2573105A (en) Wood finishing process
US3738854A (en) Process for making decorative boards
US6042895A (en) Method for imprinting woodprints onto blade of fan
JP3482506B2 (ja) 異形凹凸表面を有する加飾施工品並びにその製造方法
RU2672484C1 (ru) Способ получения художественного декоративного покрытия на поверхности плоских пробковых панелей
JP6857382B2 (ja) 切欠き模様付成形品の製法およびそれによって得られる切欠き模様付成形品
JPH07266526A (ja) 化粧板の製造方法
JPH0640198A (ja) 液圧転写品の表面改質方法
JPS5810153B2 (ja) 金属表面に施すプラスチツク化粧仕上げ方法
JPS6064665A (ja) 木目化粧板の製造方法
JPH07266527A (ja) 化粧板とその製造方法
JPS58137472A (ja) 木質化粧板の製造方法
WO2000015400A1 (en) Method for surface treating engineered composite board
IE921277A1 (en) Forming mouldings with simulated wood grain surfaces
JPH0234670B2 (ja) Mokumekeshobannoseizohoho
EA040230B1 (ru) Способ получения художественного декоративного покрытия на поверхности плоских пробковых панелей
JPS5853945B2 (ja) うずくり調化粧板の製造方法
KR19980087872A (ko) 목재의 표면에 다색무늬를 형성하는 방법
JPH0243043A (ja) 化粧材の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040115

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040309

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040510

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20040526

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20040526

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050727

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313115

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080819

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees