JP3709503B2 - 原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材 - Google Patents

原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の目的】
【産業上の利用分野】
本発明は射出成形により成形される成形基材に対し、木目模様、大理石模様等の原材模様の転写パターンを印刷することで原材の雰囲気を醸し出すようにした加飾成形品並びにその製造方法と、前記成形基材に対し、その表面に塗装または直接トップコートを施すことによって形成される加飾成形品と、その中間生成物である成形基材に関するものである。
【0002】
【発明の背景】
射出成形等により成形基材を成形する場合、例えば軽量化、物性改善等の理由で成形原料を発泡化させる場合がある。しかし成形原料を発泡化すると、成形後の成形基材表面にシルバーストリークと呼ばれる筋状の流れ模様が生ずることがある。このような場合、従来は欠陥品として処理し、このような流れ模様が形成された成形基材に対し濃色のベースコートを施したり、濃色にし、あるいは図柄を工夫することでこのような流れ模様を目立たなくする転写パターンを選択し、これを印刷したり塗装を施し、更にトップコートとしては視認性の悪いツヤ消し、または半光沢タイプのものを採用する等の措置が講じられていた。
【0003】
一方、このような成形基材のように複雑な曲面や平面が連続して成る対象物に原材模様等の図柄を印刷する技術として曲面印刷技術がある。このものは原材模様等の転写パターンがあらかじめ担持シート上に塗工された転写フィルムを使用し、この転写フィルムを転写液上に浮遊させた状態で、前記成形基材を一定深さ転写液中に沈降させることによって生ずる液圧を利用して前記成形基材表面に転写パターンを転写するというものである。
【0004】
このような曲面印刷技術は、塗装技術では考えられなかった成形基材への原材模様の転写を可能にさせるものであり、この点において従来にない画期的な境地を切り開くものである。しかし近時の更なる要求はこれにとどまることなく、より原材に近付けた表現が望まれている。
【0005】
そのため、すでに特願平4−343147号「液圧転写印刷品並びにその製造方法」なる出願がなされているものであって、このものは転写パターンの違う二つの転写層を積層することで上記従来の曲面印刷技術のみでは達成できなかった奥行方向の深み感というものを発現し得るようにするというものである。しかしこの手法による場合には、転写操作を二度繰り返さねばならず、生産効率という点では改良の余地が残されていた。
【0006】
また成形基材自体においても原材に近付いた表現を追求しようという試みも行われている。このものは成形原料である合成樹脂原料中に木粉を添加し、これにより木材に近似した色合い、香り、あるいは木質様の肌触りを得ようというものであった。しかし実際の木材には板目模様や杢(紋理)と呼ばれる放射組織が複雑に交錯した木材特有の模様等が存在し、単に木粉を合成樹脂原料中に添加するだけではこれらの模様を表現することはできない。
【0007】
この他、上記板目模様を表現することを目的とし、合成樹脂原料中に着色顔料を混合し、このものを押出成形により成形することで上記板目模様に近似する模様を表出するという試みが行われている。しかしながら実際の木材が有する板目模様には部分的に照り、あるいは影として現れる微妙な色ないしは感覚上の変化が存在し、単に着色顔料を合成樹脂原料中に混合するだけでは、このような微妙な色ないしは感覚上の変化までは表現できず、この点において改良の余地が残されていた。
【0008】
また合成樹脂原料中に着色顔料を混合したものを用い、射出成形により上記押出成形によって得られたのと同等の板目模様あるいは別個の原材模様が表現できないかという提示に基づく試みも一部では行われているが、着色顔料と合成樹脂原料とを混合し、単に成形型内に注入するだけでは、前記原材模様に近似するほどの模様の形成は得られず、これらの混合原料に方向性のある、あるいは不均一な流れを生じさせる何らかの工夫の提示が望まれていた。この他、このような成形基材を利用するとともに、塗装技術の改良を試みることによって何らかの原材に近付いた表現、そして新たな加飾表現が得られないかという点についてもその可能性がかねてより検討されており、解決策の提示が望まれていた。
【0009】
【開発を試みた技術的事項】
本発明はこのような背景を考慮してなされたものであって、前記成形基材表面に現れる流れ模様を欠陥として見るのではなく、原材に近付いた表現の一部として利用できるのではないかという着眼に立ち、成形と加飾の両側面の構成を見直し、これによって、より一層原材に近付いた表現の実現及び新たな加飾表現の提示、そして生産効率の達成を可能にする加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材の開発を試みたものである。
【0010】
【発明の構成】
【目的達成の手段】
すなわち請求項1記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、射出成形により成形される成形基材に対し、その表面に転写パターンを印刷することによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に転写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれか、もしくはこのうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが設けられている原材模様の付された転写パターンを印刷することにより形成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴として成るものである。
【0011】
また請求項2記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記要件に加え、前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴として成るものである。
【0012】
更にまた請求項3記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記要件に加え、前記木粉の一部または全部には合成樹脂原料の色との対比において、濃淡差の現れる適宜の着色が施されていることを特徴として成るものである。
【0013】
更にまた請求項4記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記要件に加え、前記木粉には光輝性顔料が打ち込み添加されていることを特徴として成るものである。
【0014】
更にまた請求項5記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記要件に加え、前記印刷した転写パターンの表面には光沢を有する透明または有色透明のトップコートが形成され、更にこのトップコート表面は精密仕上面であることを特徴として成るものである。
【0015】
更にまた請求項6記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、成形基材に対し、その表面に転写パターンを印刷することによって加飾成形品を製造する方法において、前記方法は成形工程と加飾工程とによって構成され、このうち成形工程は合成樹脂原料に木粉を添加して成る成形原料を加熱、溶融し、液状とするとともに、これら成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入し、これを硬化することにより成っており、他方、加飾工程にはこのようにして成形された成形基材を隠蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材模様の付された転写フィルムの浮遊する転写液中に没入させ、これに伴う液圧により前記成形基材表面に転写パターンを転写する転写印刷工程が設けられていることを特徴として成るものである。
【0016】
更にまた請求項7記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記請求項6記載の要件に加え、前記成形基材は射出成形により成形されることを特徴として成るものである。
【0017】
更にまた請求項8記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記請求項7記載の要件に加え、前記成形工程では射出成形機を用い、射出成形機のホッパ内に合成樹脂原料に木粉を添加して成る成形原料を投入し、射出成形機のシリンダ内で加熱、溶融し、液状とするとともに、シリンダ内のスクリューにてこれら成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させるようにしたことを特徴として成るものである。
【0018】
更にまた請求項9記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記請求項6、7または8記載の要件に加え、前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴として成るものである。
【0019】
更にまた請求項10記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記請求項6、7、8または9記載の要件に加え、前記加飾工程は、前記転写印刷工程のほか、印刷後の成形品の表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成するトップコート形成工程と、更にバフ仕上げによりトップコート表面を精密仕上げする精密仕上工程とを有していることを特徴として成るものである。
【0020】
更にまた請求項11記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、射出成形により成形される成形基材に対し、その表面に塗装を施すことによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴として成るものである。
【0021】
更にまた請求項12記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、射出成形により成形される成形基材に対し、その表面にトップコートを施すことによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、直接その表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴として成るものである。
【0022】
更にまた請求項13記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、射出成形により成形される合成樹脂成形品において、前記合成樹脂成形品は木粉が添加された合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様が形成されるとともに、この木粉には光輝性顔料が打ち込み添加されていることを特徴として成るものである。
【0023】
更にまた請求項14記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、前記請求項13記載の要件に加え、前記合成樹脂成形品は濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成される合成樹脂原料より成っており、なお且つこれらを斑(まだら)状に分布させた状態で発泡化させて成ることを特徴として成るものである。
【0024】
更にまた請求項15記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、前記請求項13または14記載の要件に加え、前記合成樹脂成形品にはグラスファイバーが添加されていることを特徴として成るものである。
そしてこれら各請求項記載の発明の構成を手段として前記目的を達成しようとするものである。
【0025】
【発明の作用】
すなわち請求項1記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、その一部に転写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれか、もしくは、このうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが設けられている原材模様の付された転写パターンを印刷することにより形成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されるという構成をとっている。これにより成形基材表面に現れる流れ模様が転写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分において、外部から認識できるようになり、転写パターンにより表現されている平面的な原材模様と相まって奥行方向の深み感も発現し得るようになり、より原材に近付いた表現が達成されるほか、木粉の(発泡化)含有水分の影響により、あるいは木粉自体の形状が表面に露出して存在することにより、より一層流れ模様が演出され、強調的に形成できるようになる。またこれに加えて木材に類した色合いや風合いというものを加飾成形品に付与することが可能となる。
【0026】
また請求項2記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品または請求項9記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記合成樹脂原料を濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成している。これにより成形基材表面に現れる流れ模様は部分的に濃く現れたり、薄く現れたりし、流れ模様がより顕著にあるいは弱められた形で認識されるようになる。
【0027】
更にまた請求項3記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記木粉の一部または全部に対し合成樹脂原料の色との対比において濃淡差の現れる適宜の着色を施すという構成をとっている。これにより前記請求項2記載の発明と同様、成形基材表面に現れる流れ模様に濃淡差が生じ、流れ模様がより顕著にあるいは弱められた形で認識されるようになる。
【0028】
更にまた請求項4記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記木粉に光輝性顔料を打ち込み添加するという構成をとる。これにより前記木粉の作用に加え、光輝性顔料の持つ照り感というものが加飾成形品に現れるようになり、より原材に近付いた表現が達成される。
【0029】
更にまた請求項5記載の、原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、前記印刷した転写パターンの表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成し、更にこのトップコート表面を精密仕上面とする構成をとる。これにより成形基材表面に現れる流れ模様が明瞭に認識できるようになり、その光沢により流れ模様を際立たせる。
【0030】
更にまた請求項6または7記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程と加飾工程とによって構成され、このうち成形工程では木粉を添加した成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入し、他方、加飾工程ではこのようにして成形される成形基材に対し隠蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材模様の付された転写パターンを転写する転写印刷工程を設けるといった構成をとる。これにより成形後の成形基材表面に現れる色は一様なものとはならず、斑(まだら)状に現れるようになり、これが成形基材表面に現れる流れ模様と相乗的に作用し、より原材に近付いた表現が達成される。
【0031】
更にまた請求項8記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程において射出成形機を用いるという構成をとる。これにより成形原料の加熱、溶融、斑(まだら)状分布混合、発泡の一連の作業が円滑に効率良く行われるようになる。
【0032】
更にまた請求項10記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、加飾工程を転写印刷工程とトップコート形成工程と精密仕上工程とにより構成している。これにより前記成形工程によってもたらされる流れ模様の形成と転写印刷工程によってもたらされる原材模様、そして流れ模様の露見処理とによって奏せられる原材に近付いた表現が更に助長される。
【0033】
更にまた請求項11記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されるという構成をとっている。これにより成形基材表面に現れる流れ模様が隠蔽部露見処理の施された部位において、外部から認識できるようになり、塗料の色彩と前記流れ模様との組み合わせによって新たな加飾表現が達成されるほか、流れ模様がより明瞭に形成されるようになる。
【0034】
更にまた請求項12記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、直接その表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されるという構成をとっている。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模様がより顕著に現れるようになり、この流れ模様のみによっても、ある程度原材に近付いた表現が達成されるようになる。従ってこのような成形基材の表面に視認性の良いトップコートを直接形成しただけでも看者の要求に充分応え得る加飾表現が達成される。
【0035】
更にまた請求項13記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、木粉が添加された合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成するととともに、木粉に光輝性 顔料を打ち込み添加するという構成をとる。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模様がより顕著に現れるようになり、原材模様を認識させる加飾表現が達成され、また光輝性顔料の持つ照り感というものが成形基材に現れるようになり、より原材に近付いた表現が達成される。
【0036】
更にまた請求項14記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料、または着色原料と無着色原料とを斑(まだら)状に分布させた状態で発泡化させることによって成形されている。これにより成形基材表面には流れ模様が形成されるとともに、合成樹脂原料に濃淡差を設けたことにより、その流れ模様の存在が助長される。
【0037】
更にまた請求項15記載の原材に近付いた表現を施した成形基材は、グラスファイバーを添加することにより構成されている。これにより成形基材の機械的強度が増大し、成形基材の軽量化、薄肉化が可能となる。
【0038】
【実施例】
以下図面に基づいて本発明の原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材について具体的に説明する。なお以下の説明では原材の一例として木材を適用し、最初に木材表現を施した本発明の加飾成形品の構成について、本発明の成形基材の構成と共に説明し、次いでその製造方法について言及する。
【0039】
図1中、符号1に示すものが本発明の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の一実施例を示すものであって、このものは射出成形により成形される本発明の成形基材2に対し、原材模様(本実施例では木材模様となる)の付された転写パターン3を印刷し、あるいは塗装を施すことによって基本的に構成される。なお図示の実施例にあっては、成形基材2に対し上記転写パターン3を印刷したものを示し、このものに対し、更にトップコート4を形成し、このトップコート4の表面4aを精密仕上げすることにより構成されたものを図示する。
【0040】
まず本発明の成形基材2は、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂をはじめとする各種の合成樹脂を発泡化し、成形基材2の内部に独立気泡や連続気泡を形成させて成るものである。またこのような成形基材2には木粉Wが添加されるものであって、本実施例では、松、檜、杉等の針葉樹の廃材や切屑(切粉を含む)を微粉化し、更にこれを乾燥させることにより成る木粉Wを一例として使用している。なお本発明で使用する木粉Wの大きさとしては、一例として5μm〜120μm程度のものを想定している。
【0041】
なお木粉Wとしては、このような針葉樹のほか、広葉樹の廃材や切屑(切粉を含む)を原料として使用することも可能であり、更に後述する転写パターン3の原材模様に対応する樹種を選択し、その樹木の木粉Wを使用するようにすることも可能である。
【0042】
更に前記合成樹脂原料Pは単色の着色原料のみにより構成することも可能であるが、濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせによって構成することも可能である。因みに単色の着色原料のみにより構成する場合には、転写パターン3の原材模様と合致する色彩としたり、転写パターン3の原材模様を引き立たせる色彩を選択する。また二種以上の着色原料等を使用し、濃淡差を表現したい場合には成形基材2の表面に現れる後述する流れ模様2aを部分的により強調したり、弱めたりするように使用したり、例えば転写パターン3の原材模様が図10に示すような板目模様である場合には心材部と辺材部とで色彩が変わるように使用することも可能である。因みに濃淡差の現れる二種原料の組み合わせの態様としては、木粉Wは一般に肌色を呈するため、無垢の合成樹脂原料P(以下ベースレジンという)に木粉Wを練り込んだだけでも、その木粉練り込み済みの合成樹脂原料P(以下マスターバッチという)も淡肌色となり、このマスターバッチと別途のベースレジンとの組み合わせだけでも、濃淡差の現れる二種原料の組み合わせとなる。もちろんこの組み合わせのほか、前記ベースレジンに着色顔料を練り込んだ(着色顔料添加の)着色目的のマスターバッチ、あるいは前記木粉添加目的のマスターバッチ製造の際に同時に着色顔料も練り込んだ(木粉添加及び着色目的の)マスターバッチとの組み合わせ等、種々の態様がある。
【0043】
またこのことは前記木粉Wについても同様に当て嵌まるものであって、木粉Wの一部または全部に合成樹脂原料Pの色との対比において濃淡差が現れる適宜の着色を施すことも可能である。このほか木粉Wには、光輝性顔料Gを打ち込み添加することも可能であるし、射出成形時の加熱加圧による木粉Wの変色変質を抑制するため、光輝性顔料Gのほかに、あるいは光輝性顔料Gと合わせて酸化チタン等の微小無機顔料を打ち込むようにしてもよい。なお本明細書において「打ち込み添加」とは木粉Wに光輝性顔料Gの一部またはこれと合わせて酸化チタン等の微小無機顔料の一部を埋め込み、担持させた状態のほか、これら両者の一部が接合した状態をも含めた概念として使用するものであるが、更に成形基材2の一原料として、成形基材2に通常の意味において添加して使用する構成とすることも可能である。
【0044】
ここで本発明に適用する光輝性顔料Gについて若干説明すると、このものは、光の多重反射により真珠光沢(perlescence)といわれる優雅な輝きを呈する顔料であり、古くから使用されてきた天然光輝性顔料は魚の鱗から採取されるものであるが、天然品は量産が難しく高価であるので、今や多くの合成品が作られている。
【0045】
そしてこのようにして成る本発明の成形基材2には、その表面に筋状の流れ模様2aが形成されているものであって、この流れ模様2aはシルバーストリーク等と呼ばれる。このシルバーストリーク(銀条)は、成形品の表面に成形原料の流れた方向に沿って銀白色の筋が出る現象を言い、この現象の出る主な原因は乾燥不充分なペレットが混入することによるものである。これは乾燥不充分なペレットを成形原料中に混入すると、水分や揮発分が残ったまま射出成形されることになり、ノズルを出たところでこれらは気化することになる。そしてこの気体を含む成形原料が金型内に注入されると、金型表面と成形原料との完全な密着ができなくなり、その密着不完全部分において成形原料の流れに沿った白い筋が現れることによるものである。
【0046】
この他、射出成形機のシリンダ内で成形原料自体、あるいは可塑剤、安定剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤などが分解して、ガスを発生させる場合があり、この場合にもシルバーストリークは発生するし、エアの混入、異種原料の混合、多量の粉末の混入等によってもシルバーストリークは発生する。なおこのシルバーストリークは、合成樹脂を発泡化して成る成形品に比較的生じやすい現象であり、従来はこのようなシルバーストリークの生じた成形品は欠陥品扱いされることが多かった。
【0047】
そして本発明では成形基材2を発泡化させた合成樹脂により形成することを前提とするものであり、更にこのものに対し木粉W等を添加する場合を開示する。従ってこれらが作用してむしろ意図的にシルバーストリーク、すなわち流れ模様2aを成形基材2の表面に形成しているのである。なお成形原料の粘度、あるいはこれに関連するが、成形原料の温度等を可変することによっても流れ模様2aは生ずる。この場合の流れ模様2aはフローマーク(波状流れ模様)と呼ばれ、ゲートを中心にした縞模様が成形品に現れる現象を言うが、このフローマークを前記シルバーストリークと併用して使用することももちろん可能である。また木粉W等を添加した場合の効果をここで補足すれば(乾燥管理はもちろん行うが、時として)木粉W等に含有する水分が部分的な高発泡に寄与して、流れ模様2aを強調した形で形成したり、流れ模様2aの生じた部位の表面に木粉W等の凹凸の一部ないしは全部が露出して存在し、この木粉W等への光の当たり具合で、流れ模様2aが強調されるような効果が奏されるのである。なお前記マスターバッチを用いて、これを発泡させた場合には、そして特にこのマスターバッチに前記ベースレジン等の濃淡差の現れる原料と組み合わせたものを用いて、これを発泡させたときには、マスターバッチにおける融点は若干なりとも(少なくともベースレジンにおける融点より)高くなっているため、ベースレジンの溶融部との混じり合いも不均一になりやすく、それでいてマスターバッチの溶融部では、木粉Wが合成樹脂原料Pによく分散されて存在するため、この点においても原材に近付いた表現を表出するにあたり、好ましい効果が発揮される。
【0048】
そしてこのようにして表面に流れ模様2aが形成された本発明の成形基材2に対して図示の本発明の加飾成形品1にあっては、以下述べる転写パターン3が印刷される。本発明で使用する転写パターン3は写真製版によるスクリーン印刷により、あらかじめ原材模様を印刷することにより成るものであって、更に本発明の加飾成形品1にあっては、この転写パターン3の少なくともその一部に隠蔽部露見処理が施されていることを特徴とする。
【0049】
すなわち転写パターン3には図2、3に示すように転写インクの未付着部分3a、転写インクの薄膜化部分3b、転写インクの淡彩化部分3cのいずれか一つ、もしくはこのうち二種の適宜の組み合わせ、またはこれらすべてが設けられているものであって、これらが成形基材2の表面に形成される前記流れ模様2aを転写パターン3外部から視認できるようにする隠蔽部露見処理として作用する。
【0050】
因みに転写インクの未付着部分3aとは、原材模様を現す転写パターン3中において転写インクの全く塗工されていない部分のことであり、転写インクの薄膜化部分3bとは、前記転写インクの塗工部分の塗布量を少なくし、その塗布厚を減じて成形基材2の表面に形成される流れ模様2aが視認できるように薄膜化した部分である。更に転写インクの淡彩化部分3cとは前記転写インクの塗工部分の一部を他の塗工部分に比べて薄めとなる転写インクで塗工し、成形基材2の表面に形成される流れ模様2aの視認性を向上させた部分である。
【0051】
そして転写パターン3として表現される原材模様としては、大理石、御影石等の石材模様、オーストリッチ、ワニ皮等の皮革模様、あるいは鼈甲、象牙をイメージさせる模様、この他、以下述べる銘木の板目あるいは杢(紋理)を表現した木材模様等種々の模様が適用できる。以下木材模様を例にとって具体的に説明する。
【0052】
まず板目について言えば、板目には樹幹の構造として縦方向に木繊維、道管、仮道管、そして横方向に放射組織が現れる。また板目では心材部と辺材部とで色彩が微妙に(樹種によっては大きく)異なり、更に天然木にあっては途中に節があったり、虫食い痕や腐りによって変色した部分があったりする。従って板目について原材に近付いた表現を施そうとすれば、これらすべてを忠実に再現することが必要になる。しかしこれらすべてを転写パターン3によって忠実に再現したとしても、実際の原材とは趣が違ったものとなってしまう。
【0053】
これは転写パターン3は、あくまで平面的な模様のみしか表現できず、奥行感や板目表面に現れない照り感というものは、表現できないからである。従って本実施例においては、板目模様のすべてを転写パターン3によって表現するのではなく、前述した隠蔽部露見処理によって前記奥行感や照り感というものを表現し、残る原材模様のみを転写パターン3によって表現するようにするのである。なおこの点については以下述べる杢(紋理)についても同様に言えることである。
【0054】
杢(紋理)は材面となる組織が交錯していたり、放射組織が現れているために光沢を発する部分が点や筋状に存在する場合や年輪が変化に富んだ現れ方、あるいは色の濃淡などで表出される紋様の総称である。代表的な杢を挙げれば以下のとおりである。
〔玉杢〕
円環あるいは渦巻状の紋理であり、欅、楠、楓等に現れる。また玉杢のうち玉の小さなものを葡萄杢と言い、これは楠、ヤチダモ等に現れ、装飾材として用いられている。
〔波状杢〕
広葉樹材の縦断面に見られる紋理で柾目面に現れ、楓、マホガニー等に現れる。
〔鳥眼杢〕
木繊維の配列で部分的に捩れたところに発生し、円錐状の窪みが生じているように見えるものをいう。楓類やトネリコ類に見られ、装飾材として貴重とされている。
〔如鱗杢〕
魚鱗(ウロコ)状の紋理であって、欅、ヤチダモ等に現れる。
〔牡丹杢〕
花状の紋理であって、欅、ヤチダモ、桑、ケンボナシ等に現れる。
〔縮(緬)杢〕
トチノキ、楓、ヤチダモ、マホガニー等に現れる。
〔鶉杢〕
屋久杉、神代杉、クロベ等に現れる。
〔虎斑杢〕
放射組織のまだら状斑であって、楢、樫、ミズナラの柾目材等に現れる。
〔その他の杢〕
この他、ブナ等に現れる銀杢、マホガニー、ラワン、トチノキ、柿等に現れるリボン杢、ゼブラウッド、ブラックウォールナット等に現れる縞杢、葡萄杢の一種で欅、タモ、楠等に現れる舞葡萄杢等がある。因みに図1、3、8、9では杢模様を表現した転写パターン3を図示し、図10では板目模様を表現した転写パターン3をそれぞれ図示している。
【0055】
また成形基材2に対して、その表面に塗装を施すことによって本発明の加飾成形品1を形成することも可能である。この場合にあっては、塗膜に対して少なくともその一部に隠蔽部露見処理を施すこととなる。この場合の隠蔽部露見処理としては塗膜の一部に塗料の未付着部分を設けたり、塗膜を薄膜化した部分を設けたり、あるいはクリア系等の塗料を用いることで成形基材2の表面に形成される前記流れ模様2aを塗膜外部から視認できるようにすることを意味する。なお上記塗膜に対して少なくともその一部に隠蔽部露見処理を施すという表現の中にはもちろん塗膜のすべてに隠蔽部露見処理を施したものを包含するものである。
【0056】
更に成形基材2に対して、直接その表面にトップコートを形成することによって本発明の加飾成形品1を形成することも可能である。この場合には成形基材2の表面に現れる流れ模様2aのみによって原材模様を表現することとなり、上記流れ模様2aを顕著に発現させる必要上、木粉Wが添加されることが必須の条件となる。またこの木粉Wには前記図示の実施例と同様、光輝性顔料Gを打ち込み添加することも可能であり、因みにこのようにすれば、前記流れ模様2aに光輝性顔料Gの不均一な光輝が加わって、より一層原材に近付いた表現が達成される。
【0057】
なお成形基材2の主原料となる合成樹脂原料Pの色としては、例えば淡肌色基調であっても発泡剤による密度差と反射角度に更に前記木粉Wを添加した作用が加わって、流れ模様2aが明確に形成され、そのままでも充分原材に近付いた表現が達成されるが、合成樹脂原料Pを濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成すれば、これらの原料の溶融温度差やゲートの位置を工夫することにより、前記木粉W及び発泡剤によって生じた流れ模様2aに更に着色原料を斑(まだら)状に分布させた状態で発泡化させることによって生ずる別途の流れ模様が加わって、前記流れ模様2aの存在が助長される。
【0058】
更に前記図示の実施例について言えることであるが、合成樹脂原料P中に成形基材2の機械的強度を向上させる目的でグラスファイバーを添加することも可能である。なおこのグラスファイバーとしては、例えば数mm以下の短繊維状のものを使用するものであって、このようなグラスファイバーを添加することにより軽量且つ薄肉の成形基材2の成形が可能となるのである。
【0059】
そしてこのような原材模様が表現されている転写パターン3あるいは隠蔽部露見処理の施された塗膜、更には直接成形基材2の表面にはトップコート4を形成することも可能である。トップコート4は成形基材2の表面に印刷された前記転写パターン3または成形基材2の表面に塗工された塗膜、更には成形基材2自体を保護する目的で設けられるものであるが、本発明においては直接ないしは転写パターン3または塗膜に対して形成される隠蔽部露見処理の施された部位から成形基材2の表面に現れる流れ模様2aが視認できるように透明あるいは有色透明のものが使用される。なお有色透明としては、淡色であっても濃色であってもよく、少なくとも前記流れ模様2aが視認できる範囲のものであればよい。
【0060】
またトップコート4は、視認性をできるだけ高め、前記流れ模様2aによってもたらされる深み感、照り感というものをなるべく際立たせるように光沢系のものを選択することが望ましい。そしてこのトップコート4の表面4aは、バフ仕上げ、液体ホーニング仕上げ、ラップ仕上げ等の精密仕上げによりその表面の光沢を向上させる処理を行うことが望ましい。
【0061】
なお一般的にはバフ仕上げが多く用いられ、本発明にあっては、ツヤ出しを目的にしていることから、仕上げバフを用いる。仕上げバフとしてはネル地布を50枚ほど重ねたものを一例として使用するが、これとともにバフ仕上げでは光沢を出す必要から適宜の研磨剤が使用される。
【0062】
次にこのようにして成る本発明の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1の製造方法について説明する。本発明の製造方法は成形工程と加飾工程とによって構成されることから、以下の説明では成形工程と加飾工程とに分けて説明することとする。
【0063】
(I)成形工程
すなわち成形原料を一旦液状とし、これを所定の形状の成形基材2に成形する工程である。原理的には図6(a)に示すように、まず定盤B上に成形型6を載置しておき、一方、図6(b)に示すように合成樹脂原料Pに対して木粉W等を添加して成る成形原料を加熱、溶融し、液状にしておき、更にこれを軽く混合してこれら成形原料が斑(まだら)状に分布した状態としておく。ここで本明細書において使用する「斑(まだら)状」とは、性状の違う二種の物品(成形原料)が一様でなく、それぞれの存在が認識できる程度に存在している状態の総称を意味するものであって、もちろん前記ストリーク状の流れ模様に類した状態として認識されるものをも包含するものである。そして実際の成形にあたっては射出成形機を用い、射出成形機のホッパ内にマスターバッチとベースレジンとを、その他発泡剤等と共に適宜の混合割合にて投入し、射出成形機のシリンダ内に至らせ、これらをシリンダ内のスクリューにてシリンダ先端のノズルに向けて押送する間に加熱、溶融し、適宜の混合状態とするのである。
【0064】
もちろんこのとき、合成樹脂原料Pとしては、例えば木粉添加のマスターバッチの淡肌色と、ベースレジンの白色、あるいは着色顔料添加のマスターバッチ等の濃淡差の違う二種以上の原料が使われることによって、前記斑(まだら)状態はより顕著に創出され、認識されることとなる。なお図6(b)に示す加熱、溶融、混合のプロセスは実際には射出成形機内で行われるものであって、更に発泡化処理もこの射出成形機内ないし後述する成形型6内において行われる。
【0065】
そして図6(c)に示すように、このようにして斑(まだら)状に混合し、発泡化された成形原料を成形型6に注入し、硬化させる。そして図6(d)に示すように硬化後の成形基材2を成形型6から取り出し、バリ等を除去すれば図4に示すように表面に流れ模様2aの形成された本発明の成形基材2が完成する。
なお上記説明では、射出成形により成形基材2を成形する場合を例にとって説明したが、同様の流れ模様2aを形成できるものであれば他の成形手法(一例として押出成形が挙げられる)を採用することももちろん可能である。
【0066】
(II)加飾工程
すなわちこのようにして成形された成形基材2の表面により一層原材に近付いた表現を施し、あるいは成形基材2の表面を保護し、光沢を付与することで意匠性を向上させる工程である。加飾工程は一例として、(i)転写印刷工程、(ii)トップコート形成工程、(iii) 精密仕上工程の三つの工程により構成されるが、(i)の転写印刷工程のみにより構成することも可能であるし、前記成形基材2の表面に塗装を施すようにした加飾成形品1にあっては、この転写印刷工程が塗装工程となり、塗装工程のみにより加飾工程を構成することも可能とするものであり、更に成形基材2の表面に直接トップコート4を形成するようにした加飾成形品1にあっては、(ii) のトップコート形成工程のみにより、あるいはこれに(iii) の精密仕上工程を加えた構成とすることも可能である。
【0067】
(i)転写印刷工程
この工程では成形基材2の表面に転写パターン3を転写するに先立って、これに用いる転写フィルムFをまず作成する。本発明で使用する転写フィルムFは、一例として水溶性フィルムから成る担持シート8の片面に転写インクを塗工し、転写パターン3を形成したものである。
【0068】
そしてこのような転写フィルムFを用い、以下のようにして成形基材2の表面に転写パターン3が形成されるのである。すなわち本発明では、一例として液圧転写の手法を用いるものであって、図7に示すような液圧転写装置10により転写パターン3の成形基材2への転写を行う。
【0069】
なお図7は一連の液圧転写ラインを示すものであって、この液圧転写ラインは上述の液圧転写装置10と、その側方に連続的に配置される供給コンベヤ11、連絡コンベヤ12、排出コンベヤ13と、連絡コンベヤ12の上方に設けられ、液圧転写装置10の側方に位置する自動供給装置14及び自動排出装置15とを具えて成る。
【0070】
液圧転写装置10は、転写液Lを貯留する転写槽16と、その上方に位置し被転写体保持装置17を一定間隔ごとに設けた転写コンベヤ18と、転写フィルム供給装置19とを具えて成る。転写フィルム供給装置19は、上記のようにして作成された転写フィルムFがロール状に巻回された原反ロール20と、担持シート8上に印刷された乾燥状態の転写インクに粘着性を持たせ、転写可能状態とする(本明細書においてこのような状態とすることを活性化という)活性剤Sを貯留する溶剤タンク21とを具えて成り、原反ロール20から繰り出された転写フィルムFが、途中溶剤タンク21内の活性剤Sで活性化された後、転写槽16内へ連続供給されるように、適宜送りローラ22が設けられる。また自動供給装置14は複数の把持装置23を具え、この把持装置23により被転写体たる成形基材2をチャックして、上方から転写槽16内へ供給し、転写完了後、これを排出できるようになっている。
【0071】
そしてこのようにして成る液圧転写装置10により成形基材2の表面に転写パターン3を転写するにあたっては、前記原反ロール20から繰り出された転写フィルムFを図9、10に示すように途中、転写インク塗布面側に活性剤Sを塗布した後、転写槽16内の転写液L上に供給する。なおこのとき活性剤S中に前記光輝性顔料Gを含有させておくことも可能である。因みにこのようにすれば図2に示すように光輝性顔料Gが加飾成形品1のより表面側に存在するようになり、これによりもたらされる照り感が更に助長される。そしてこの転写液L上に供給された転写フィルムFは転写液Lと反応することにより膨潤、伸展し、転写槽16内に形成される転写液Lの流れに乗って浮遊しながら下流域へ向けて移動する。
【0072】
そして転写フィルムFの膨潤、転写インクの活性化が充分進み、転写可能状態となったところで、上方から被転写体たる成形基材2を転写フィルムF上に降下させる。そして成形基材2を更に転写液L中に没するように沈降させ、これに伴って生ずる転写液Lの液圧を利用して、成形基材2の表面に転写フィルムF上(厳密には担持シート8上)に塗工されている転写パターン3を転写する。
【0073】
そしてこのように転写パターン3が転写され、加飾の施された成形基材2を転写液L中から引き上げ、洗浄し、付着する担持シート8を完全に除去する。その後、これを乾燥させれば転写印刷工程は完了する。なお上記実施例では、転写フィルムFが転写液L上に着液する前段階において転写インクを活性化するという手法をとっているが、この活性化のタイミングは着液と同時でもよいし、着液後であってもよい。また印刷手法としてはグラビア印刷等、他の印刷手法を採用することも可能である。
【0074】
更に上記転写印刷工程を塗装工程とした場合には、成形基材2の表面を適宜マスキングした状態で塗料を吹き付け、あるいはハケ等により塗工後、マスキングを解除し、塗料の未付着部分を形成したり、塗装を何段階かに分けて行うことにより、あるいは塗装後その一部の塗膜を除去し、塗膜の厚さに差を設け、塗膜を薄膜化した部分を形成したり、クリア系の塗料を使用することで成形基材2の表面に隠蔽部露見処理を施しつつ、所望の塗膜を形成するようにするのである。
【0075】
(ii) トップコート形成工程
このようにして原材模様の施された転写パターン3の印刷された成形基材2及び隠蔽部露見処理の施された塗膜が形成された成形基材2は、この時点で加飾成形品1としても基本的には成立するものであるが、更に前記隠蔽部露見作用を際立たせるため、転写パターン3あるいは塗膜の表面にトップコート4を形成する。
【0076】
トップコート4は、所定の粘度に調合されたトップコート原液を例えばスプレーノズルにより霧状にして、前記転写印刷工程において転写パターン3の印刷された成形基材2に対し噴霧し、これを乾燥、硬化させることにより完成する。
【0077】
(iii)精密仕上工程
そしてこのようにして形成されたトップコート4に対しては、更に精密表面仕上加工が施され、トップコート4の表面粗さを精密仕上面に加工する。これにはバフを使用しての加工方法が一例として採用でき、充分な光沢が感じ取れる所望の表面粗さとなるまでトップコート4の表面は仕上げられていく。そしてこのような一連の加飾処理が施されることにより、本発明の加飾成形品1は完成するのである。なお前述のように成形基材2の表面に形成される流れ模様2aによって意匠性のある充分原材に近付いた表現が得られる場合には、前記(i)の転写印刷工程、あるいは塗装工程を削除し、成形基材2の表面にそのままトップコート4を形成し、このものを加飾成形品1とすることももちろん可能である。
【0078】
【発明の効果】
本発明の原材に近付いた表現を施した加飾成形品並びにその製造方法並びに成形基材は、以上のような構成により成るものであり、このような構成を有することにより以下のような効果が発揮される。
まず請求項1記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、その一部に転写インクの未付着部分3a、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分(転写インクの薄膜化部分3b)、転写インクの彩色を淡彩化した部分(転写インクの淡彩化部分3c)のいずれか、もしくは、このうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが設けられている原材模様の付された転写パターン3を印刷することにより形成されるとともに、前記成形基材2には木粉Wが添加されるという構成をとっている。これにより成形基材2の表面に現れる流れ模様2aが転写インクの未付着部分3a、転写インクの薄膜化部分3b、転写インクの淡彩化部分3cにおいて、外部から認識できるようになり、転写パターン3により表現されている平面的な原材模様と相まって奥行方向の深み感も発現し得るようになり、より原材に近付いた表現が達成されるほか、木粉の(発泡化)含有水分の影響により、あるいは木粉自体の形状が表面に露出して存在することにより、より一層流れ模様が演出され、強調的に形成できるようになる。またこれに加えて木材に類した色合いや風合いというものを加飾成形品に付与することが可能となる。
【0079】
また請求項2記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1または請求項9記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、前記合成樹脂原料Pを濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成している。これにより成形基材2の表面に現れる流れ模様2aは部分的に濃く現れたり、薄く現れたりし、流れ模様2aがより顕著にあるいは弱められた形で認識されるようになる。
【0080】
更にまた請求項3記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、前記木粉Wの一部または全部を合成樹脂原料Pの色との対比において濃淡差の現れる適宜の着色に施すという構成をとっている。これにより前記請求項2記載の発明と同様、成形基材2の表面に現れる流れ模様2aに濃淡差が生じ、流れ模様2aがより顕著にあるいは弱められた形で認識されるようになる。
【0081】
更にまた請求項4記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、前記木粉Wに光輝性顔料Gを打ち込み添加するという構成をとる。これにより前記木粉Wの作用に加え、光輝性顔料Gの持つ照り感というものが加飾成形品1に現れるようになり、より原材に近付いた表現が達成される。
【0082】
更にまた請求項5記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、前記印刷した転写パターン3の表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコート4を形成し、更にこのトップコート4の表面を精密仕上面とする構成をとる。これにより成形基材2の表面に現れる流れ模様2aが明瞭に認識できるようになり、その光沢により流れ模様2aを際立たせる。
【0083】
更にまた請求項6または7記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程と加飾工程とによって構成され、このうち成形工程では木粉を添加した成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させつつ成形型6に注入し、他方、加飾工程ではこのようにして成形される成形基材2に対し隠蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材模様の付された転写パターン3を転写する転写印刷工程を設けるといった構成をとる。これにより成形後の成形基材2の表面に現れる色は一様なものとはならず、斑(まだら)状に現れるようになり、これが成形基材2の表面に現れる流れ模様2aと相乗的に作用し、より原材に近付いた表現が達成される。
【0084】
更にまた請求項8記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、成形工程において射出成形機を用いるという構成をとる。これにより成形原料の加熱、溶融、斑(まだら)状分布混合、発泡の一連の作業が円滑に効率良く行われるようになる。
【0085】
更にまた請求項10記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法は、加飾工程を転写印刷工程とトップコート形成工程と精密仕上工程とにより構成している。これにより前記成形工程によってもたらされる流れ模様2aの形成と転写印刷工程によってもたらされる原材模様、そして流れ模様2aの露見処理とによって奏せられる原材に近付いた表現が更に助長される。
【0086】
更にまた請求項11記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形成することによって構成されるとともに、前記成形基材2には木粉Wが添加されるという構成をとっている。これにより成形基材2表面に現れる流れ模様が隠蔽部露見処理の施された部位において、外部から認識できるようになり、塗料の色彩と前記流れ模様2aとの組み合わせによって新たな加飾表現が達成されるほか、流れ模様2aがより明瞭に形成されるようになる。
【0087】
更にまた請求項12記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品1は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様2aを形成して成る成形基材2に対し、直接その表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコート4を形成することによって構成されるとともに、前記成形基材2には木粉Wが添加されるという構成をとっている。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模様2aがより顕著に現れるようになり、この流れ模様2aのみによっても、ある程度原材に近付いた表現が達成されるようになる。従ってこのような成形基材2の表面に視認性の良いトップコート4を直接形成しただけでも看者の要求に充分応え得る加飾表現が達成される。
【0088】
更にまた請求項13記載の原材に近付いた表現を施した成形基材2は、木粉Wが添加された合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様2aを形成するとともに、木粉Wに光輝性顔料Gを打ち込み添加するという構成をとる。これにより合成樹脂の発泡化に伴って生ずる流れ模様2aがより顕著に現れるようになり、原材模様を認識させる加飾表現が達成され、また光輝性顔料Gの持つ照り感というものが成形基材2に現れるようになり、より原材に近付いた表現が達成される。
【0089】
更にまた請求項14記載の原材に近付いた表現を施した成形基材2は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料、または着色原料と無着色原料とを斑(まだら)状に分布させた状態で発泡化させることによって成形されている。これにより成形基材2表面には流れ模様2aが形成されるとともに、合成樹脂原料Pに濃淡差を設けたことにより、その流れ模様2aの存在が助長される。
【0090】
更にまた請求項15記載の原材に近付いた表現を施した成形基材2は、グラスファイバーを添加することにより構成されている。これにより成形基材2の機械的強度が増大し、成形基材2の軽量化、薄肉化が可能となる。
そしてこれら各請求項記載の効果が相乗的に作用することによって、より原材に近付いた表現及び従来にない新たな加飾表現を加飾成形品1に表現することが可能となり、加えて成形基材2の表面に転写パターン3を印刷する場合には、転写印刷工程における転写回数の減少により生産効率の向上が図られるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の一実施例を一部破断するとともに、更にその一部を拡大して示す斜視図である。
【図2】 同上加飾成形品の積層状態を示す骨格的縦断面図である。
【図3】 同上分解斜視図である。
【図4】 本発明の成形基材を一部破断するとともに更にその一部を拡大して示す斜視図である。
【図5】 成形された本発明の成形基材を成形型から取り出す様子を示す斜視図である。
【図6】 本発明の成形基材の成形の様子を段階的に示す説明図である。
【図7】 液圧転写ラインの構成を示す側面図である。
【図8】 隠蔽部露見処理の施された転写フィルムの原反ロールから転写フィルムが繰り出される様子を示す斜視図である。
【図9】 同上転写フィルムを用いての液圧転写の様子を示す斜視図である。
【図10】 同上他の原材模様が現された転写フィルムを用いての液圧転写の様子を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 加飾成形品
2 成形基材
2a 流れ模様
3 転写パターン
3a 転写インクの未付着部分
3b 転写インクの薄膜化部分
3c 転写インクの淡彩化部分
4 トップコート
4a 表面
6 成形型
8 担持シート
10 液圧転写装置
11 供給コンベヤ
12 連絡コンベヤ
13 排出コンベヤ
14 自動供給装置
15 自動排出装置
16 転写槽
17 被転写体保持装置
18 転写コンベヤ
19 転写フィルム供給装置
20 原反ロール
21 溶剤タンク
22 送りローラ
23 把持装置
B 定盤
F 転写フィルム
G 光輝性顔料
L 転写液
P 合成樹脂原料
S 活性剤
W 木粉

Claims (15)

  1. 射出成形により成形される成形基材に対し、その表面に転写パターンを印刷することによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に転写インクの未付着部分、転写インクの塗布厚を薄膜化した部分、転写インクの彩色を淡彩化した部分のいずれか、もしくはこのうち二種の組み合わせ、またはこれらすべてが設けられている原材模様の付された転写パターンを印刷することにより形成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴とする原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  2. 前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項1記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  3. 前記木粉の一部または全部には合成樹脂原料の色との対比において、濃淡差の現れる適宜の着色が施されていることを特徴とする請求項1または2記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  4. 前記木粉には光輝性顔料が打ち込み添加されていることを特徴とする請求項1、2または3記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  5. 前記印刷した転写パターンの表面には光沢を有する透明または有色透明のトップコートが形成され、更にこのトップコート表面は精密仕上面であることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  6. 成形基材に対し、その表面に転写パターンを印刷することによって加飾成形品を製造する方法において、前記方法は成形工程と加飾工程とによって構成され、このうち成形工程は合成樹脂原料に木粉を添加して成る成形原料を加熱、溶融し、液状とするとともに、これら成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させつつ成形型に注入し、これを硬化することにより成っており、他方、加飾工程にはこのようにして成形された成形基材を隠蔽部露見処理が少なくともその一部に施された原材模様の付された転写フィルムの浮遊する転写液中に没入させ、これに伴う液圧により前記成形基材表面に転写パターンを転写する転写印刷工程が設けられていることを特徴とする原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法。
  7. 前記成形基材は射出成形により成形されることを特徴とする請求項6記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法。
  8. 前記成形工程では射出成形機を用い、射出成形機のホッパ内に合成樹脂原料に木粉を添加して成る成形原料を投入し、射出成形機のシリンダ内で加熱、溶融し、液状とするとともに、シリンダ内のスクリューにてこれら成形原料が斑(まだら)状に分布するように軽く混合しつつ及び発泡化させるようにしたことを特徴とする請求項7記載の材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法。
  9. 前記合成樹脂原料は、濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成されていることを特徴とする請求項6、7または8記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法。
  10. 前記加飾工程は、前記転写印刷工程のほか、印刷後の成形品の表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成するトップコート形成工程と、更にバフ仕上げによりトップコート表面を精密仕上げする精密仕上工程とを有していることを特徴とする請求項6、7、8または9記載の原材に近付いた表現を施した加飾成形品の製造方法。
  11. 射出成形により成形される成形基材に対し、その表面に塗装を施すことによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、少なくともその一部に隠蔽部露見処理の施された塗膜を形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴とする原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  12. 射出成形により成形される成形基材に対し、その表面にトップコートを施すことによって形成される加飾成形品において、前記加飾成形品は、合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様を形成して成る成形基材に対し、直接その表面に光沢を有する透明または有色透明のトップコートを形成することによって構成されるとともに、前記成形基材には木粉が添加されることを特徴とする原材に近付いた表現を施した加飾成形品。
  13. 射出成形により成形される合成樹脂成形品において、前記合成樹脂成形品は木粉が添加された合成樹脂を発泡化することにより表面に流れ模様が形成されるとともに、この木粉には光輝性顔料が打ち込み添加されていることを特徴とする原材に近付いた表現を施した成形基材。
  14. 前記合成樹脂成形品は濃淡差の現れる二種以上の着色原料の組み合わせ、または無着色原料と着色原料との組み合わせにより構成される合成樹脂原料より成っており、なお且つこれらを斑(まだら)状に分布させた状態で発泡化させて成ることを特徴とする請求項13記載の原材に近付いた表現を施した成形基材。
  15. 前記合成樹脂成形品にはグラスファイバーが添加されていることを特徴とする請求項13または14記載の原材に近付いた表現を施した成形基材。
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