JPH083900B2 - 磁気記録媒体の製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体の製造方法

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JPH083900B2
JPH083900B2 JP26050788A JP26050788A JPH083900B2 JP H083900 B2 JPH083900 B2 JP H083900B2 JP 26050788 A JP26050788 A JP 26050788A JP 26050788 A JP26050788 A JP 26050788A JP H083900 B2 JPH083900 B2 JP H083900B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は非磁性支持体上に強磁性粉末を結合剤に分散
してなる磁性層を設けた磁気記録媒体の製造方法に関
し、特に走行性、耐久性に優れ、かつ電磁変換特性の良
好なる磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
〔従来の技術〕
磁気記録媒体は、録音用テープ、ビデオテープ、コン
ピューターテープあるいはフロッピーデスクなどとして
広く用いられている。磁気記録媒体は、基本的には、強
磁性粉末が結合剤(バインダ)中に分散された磁性層が
非磁性支持体上に積層された構造からなる。
基本的に、磁気記録媒体は、電磁変換特性、走行耐久
性および走行性能などの諸特性において高いレベルにあ
ることが必要とされる。殊に、最近の8ミリビデオテー
プレコーダーなどの普及に伴ない、ビデオテープは、ビ
デオ出力が高く、そして原画再生能力が優れていること
など特に電磁変換特性が優れているものであることが要
求されている。
磁気記録媒体の電磁変換特性を向上させる方法には種
々の改良方法があるが、磁気記録物質である強磁性粉末
の特性を改良する方法が直接的であり、かつ効果的であ
る。従って、強磁性粉末は、高密度記録が可能なように
次第に微粉末化され、さらに強磁性粉末の素材も、酸化
鉄からコバルトなどの異種金属で変性した酸化鉄へと移
行しており、さらに最近では鉄、ニッケル、コバルトの
ような強磁性の金属あるいはこれらを含む合金が使用さ
れるようになってきている。
このようにして改良された強磁性粉末を用いることに
より、本質的には電磁変換特性の良好な磁気記録媒体を
得ることが可能であるが、実際には強磁性粉末の改良に
対応するように電磁変換特性が向上した磁気記録媒体を
製造することが難しい。これは、強磁性粉末が微粉末に
なるに従って結合剤への分散性が低下する傾向があり、
また強磁性粉末の特性として、たとえばγ−酸化鉄、コ
バルト被着γ−酸化鉄、強磁性金属微粉末の順に分散性
が低下する傾向があるので、強磁性粉末を改良すること
により逆に磁性層における強磁性粉末の分散状態は悪く
なるとの事態を生ずることがあり、従って強磁性粉末の
優れた特性が充分に発揮されないことに起因する。
強磁性微粉末の分散性の向上をはかるため特公昭58−
41565、特開昭57−44227、特開昭59−30235、特開昭60
−238306、特開昭60−238309、同60−238371などの各公
報には、-SO3M、-OSO3M1、-PO3M2、-OPO3M2、−COOMな
どの極性基を含む結合剤あるいはこれらの極性基とエポ
キシ環とを併せ持つ結合剤を用いることが開示されてい
る。これらの結合剤は強磁性微粉末への吸着力が高く、
従来用いていた結合剤に比べ良好な分散性の得られるも
のである。しかしこれらの良好な結合剤を選んでも、高
密度記録のために強磁性微粉末の粒子サイズを微細にす
ればするほど分散が困難になり、これらの高分散性結合
剤の性能を発揮させる技術開発が待ち望まれていた。
強磁性微粉末の分散状態を改善するために磁性塗料を
調製する際の混練分散を長時間行なう方法もあるが、混
練分散時には強磁性微粉末に相当の剪断力が作用するの
で、強磁性微粉末の特性が損なわれることがあり、さら
に磁気記録媒体の製造に長時間を要するようになること
は作業効率上も問題がある。
また、特定の結合剤、例えば水溶性カルボン酸樹脂
(特公昭57−42888号)やポリビニルブチラール(特開
昭59−165237)を用いて混練し、次に他の結合剤や溶剤
を加えて分散する方法が提案されているが、十分な分散
効果が得られていない。
そこで、通常の磁気記録媒体の製造方法に大きな変更
を加えることなく上記のような強磁性粉末を有効に分散
させる方法が検討されており、このような方法としては
強磁性微粉末をシランカップリング剤のような表面処理
剤により表面処理された強磁性粉末を用いる方法、およ
び脂肪酸のような強磁性粉末の分散性を向上させる成分
(分散剤)を用いる方法や、ビニル系共重合体とウレタ
ンプレポリマーよりなる系に低分子量エポキシ樹脂を加
えたものを結合剤として用いること(特公昭56−23210
号公報)などが知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし前記のシランカップリング剤を用いて表面処理
した強磁性粉末は、シランカップリング剤により強磁性
粉末の表面が疎水化処理されるので、強磁性粉末粒子の
磁性塗料中における分散状態の安定性は通常は向上する
が、樹脂成分に対する相溶性は逆に低下することがあ
る。従って、最終的に磁性層における強磁性粉末の分散
状態が充分には改善されないことがある。さらに、シラ
ンカップリング剤自体が非常に高価であるので、通常の
磁気記録媒体に用いる強磁性粉末の処理剤としては使用
しにくいとの問題もある。
また、磁気記録媒体の磁性層に潤滑剤として通常含有
されている脂肪酸は、強磁性粉末に対する分散作用を有
している。従って、使用量を調整することにより強磁性
粉末の分散状態を改善することが可能であるが、一般
に、脂肪酸を分散剤として使用する場合には、通常潤滑
剤として磁性層に配合する場合よりも多量に使用しなけ
れば充分な効果を得ることができない。他方、脂肪酸
は、過剰に使用すると結合剤に対して可塑剤として作用
することが知られており、脂肪酸を強磁性粉末の分散剤
として作用させると必然的に結合剤が可塑化するとの問
題がある。
一方、強磁性粉末の分散状態を良くすることにより、
磁気記録媒体の表面の平滑性が良くなり、そのため走行
性が悪くなると言う問題が生じている。たとえば脂肪酸
を多く用いて分散状態を改善することは可能であったが
耐久性や走行性の面で不十分な点があった。
また、上記、特定の結合剤に低分子量のエポキシ樹脂
を加える場合には、エポキシ樹脂を含む結合剤を強磁性
粉末と混練して塗布しているが、結合剤が特定されるば
かりでなく、強磁性粉末について分散性の改良が充分で
なく、混練時間を長くすると前記したように強磁性粉末
の特性が損なわれる等の問題があった。
また、特開昭63−146218号においても結合剤として低
分子エポキシ化合物を含むことが知られているが、特公
昭56−23210号と同様に結合剤の一成分として使用され
ている。
しかし、これらの磁気記録媒体では強磁性粉末の混練
分散は多量の結合剤や溶剤を用いて行なっているため十
分強く練ることができなかった。
そこで本発明者らは粒子サイズの極めて小さい強磁性
粉末を用いて、高度に強磁性粉末を分散させ、極めて電
磁変換特性が良好で、しかも耐久性、走行性が両立する
磁気記録媒体の製造方法を提供しようとするものであ
る。しかも分散に要する時間が短く生産コストの低減し
た磁気記録媒体の製造方法を提供しようとするものであ
る。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、溶剤を用いて強磁性粉末を結合剤と混練す
る工程、得られた混練物に更に残りの結合剤及び/又は
溶剤を加えて分散する工程、得られた磁性塗液の分散液
を非磁性支持体上に塗布、乾燥する工程を有する磁気記
録媒体の製造方法において、前記の混練する工程で結晶
子サイズが350Å以下の強磁性粉末100重量部に対し、グ
リシジル化合物と有機基を介して末端がOH基の側鎖及び
極性基を有する塩化ビニル系共重合体と、更に極性基を
有するポリウレタン樹脂及び/又は溶剤を40〜70重量部
加えて混練し、次に分散する工程で残余の極性基を有す
るポリウレタン樹脂及び/又は溶剤を加えて分散するこ
とを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
すなわち、本発明は、結晶子サイズが350Å以下の微
細な強磁性粉末100重量部に対して、グリシジル化合物
と特定の官能基(有機基を介するOH基と極性基)を有す
る結合剤と溶剤とを合計した量で40〜70重量部用いて混
練して強く練り、次いで残余の結合剤及び/又は溶剤を
用いて希釈分散することにより分散性と電磁変換特性、
更には耐久性、走行性を改良した磁気記録媒体を提供す
るものである。混練は加圧ニーダーやオープンニーダー
を用いて強練りすることにより行なわれ、分散はサンド
ミル,ボールミル等を用いて希釈分散することにより行
なわれる。
本発明を詳しく説明すると、本発明に用いるグリシジ
ル化合物は、一般に市販されているビスフェノールA型
エポキシ樹脂,グリシジルアミン系エポキシ樹脂,ノボ
ラック型エポキシ樹脂,ビスフェノールF型樹脂,グリ
シジルエステル系樹脂,脂環式エポキシ樹脂,脂肪族型
エポキシ樹脂等であり、又はグリシジルメタクリレート
のモノマー,グリシジルフェニルエーテルでも強磁性粉
末は良好な分散が出来る。好ましくは分子量1000以下、
エポキシ当量は200g/eq以下である。
本発明において使用されるグリジルル化合物の化学構
造を示す。
A.ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピビス型エポキ
シ樹脂ともいう)は下記一般式で示される。
n=0〜3 R=H又はCH3 B.グリシジルアミン系エポキシ樹脂は下記一般式で示さ
れる。
炭素数4〜24の炭化水素 C.ノボラック型エポキシ樹脂は下記一般式で示される。
但しR=H、又はCH3 n=0〜10 D.ビスフェノールF型エポキシ樹脂は下記一般式により
示される。
但し R=H又はCH3 E.グリシジルエステル系樹脂の一般式を下記に示す。
F.レゾルシノールジクリシジルエーテルの一般式を下記
に示す。
前記グリシジール化合物は分子量1000以下のものであ
る。1000以上になると、強磁性粉末分散性の向上の効果
が小さくなり、むしろ添加することによって耐久性が悪
化する傾向にあって好ましくない。またエポキシ当量
は、200(g/eq)以下が好ましい。200以上になると分散
性向上効果が小さくなり、好ましくない。
これらのグリシジル化合物の具体例としては日本油脂
(株)製エピオールA,B,P,OH,M,EH,G−100,SB,TBなど、
東部化成(株)製YH−434,YH434L,YDPN−638,YDCN−701
S、同702S,同703Sなど、シェル(株)製エピコート801,
同802,同807,同815,同825,同828など、チバーガイギー
(株)製GY250,同257,同260など、三菱瓦斯化学(株)
製TETRAD−X,TETRAD−C等である。
磁性層には、上記グリシジル化合物が、強磁性粉末10
0重量部に対して通常0.1〜5重量部の範囲内の含有量で
含まれている。特にその含有量を0.15〜4重量部の範囲
内に設定することにより磁性層表面の光沢度が高くなる
など強磁性粉末の分散状態が良好になる。さらにその含
有量を0.2〜3.5重量部の範囲内に設定することにより電
磁変換特性が著しく改善される。含有量が0.1重量部よ
り少ないと、配合の効果が有効に現れないことがあり、
また5重量部より多く配合しても強磁性粉末の分散状態
がそれ以上向上しないことがある。
本発明で用いる塩化ビニル系共重合体としては、末端
が−OHである下記の一般式(1)〜(3): OCH2CH2CH2 nOH (2) OCH2CH2CH2CH2 nOH (3) 〔但し、nは1〜15の範囲の整数であり、そしてR1
よびR2は水素原子またはアルキル基であって、互いに同
一でも異なっていてもよい〕 から選ばれる少なくとも一種の側鎖および極性基を有す
るものであり、極性基として好ましいものは、-SO3M、-
OSO3M、-PO3M2、-OPO3M2、-CO2Mであり、更に好ましく
は-SO3Mである。これらの極性基の含有量としてはポリ
マー1グラムあたり10-7〜10-3当量程度含むものが好ま
しく、更に好ましくは10-5〜10-4当量である。この範囲
を外れると強磁性粉末の分散性が不良となり、また電磁
変換特性も大幅に低下する。これらの極性基は1種以上
であればよく2種以上あってもよい。
重量平均分子量としては20,000〜100,000好ましくは3
0,000〜80,000である。この範囲を外れると分散性が不
良になったりあるいは耐久性が悪くなったりする。
また、本発明に使用できるポリウレタン系樹脂は、例
えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル
系ポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹
脂等であって、これらの樹脂に極性基が導入されたポリ
ウレタン系樹脂であることが必要である。ポリウレタン
系樹脂の分子量としては、数平均分子量で10000〜10000
0の範囲が好ましく、さらに好ましくは20000〜60000で
ある。
また上記極性基としては、−COOM、-PO3M2、-OPO
3M2、-SO3Mまたは-SO2M(Mは水素原子、アルカリ金属
またはアンモニウムイオン)の内少なくとも一種の極性
基が好ましく、その濃度としては該ポリウレタン系樹脂
中に1×10-6〜1×10-3eq/g(さらに好ましくは1×10
-5〜1×10-4eq/g)の範囲が好ましい。上記極性基濃度
が1×10-6eq/g未満の場合は、強磁性粉末等の分散性が
低下し、1×10-3eq/gを越える場合は有機溶剤に対する
溶解性が低下する。
前記の塩化ビニル系共重合体及びポリウレタン系樹脂
は強磁性粉末を結着する結合剤として作用するものであ
る。
上記塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン系樹脂
の他に、各磁性層形成に使用する結合剤として他の樹脂
も併せて使用することができる。例えば、エチレン・酢
酸ビニル共重合体、ニトロセルロース樹脂などのセルロ
ース誘導体、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹
脂、ポリビニルブチラール樹脂、エポキシ樹脂、フェノ
キシ樹脂である。
これらは、単独でも組み合わせでも使用することがで
きる。
ただし、磁性層に含まれる上記特定の塩化ビニル系共
重合体は、結合剤中に20〜80重量%の範囲で含有されて
いることが好ましく、さらに好ましくは30〜70重量%の
範囲である。また上記特定のポリウレタン系樹脂は、結
合剤中に20〜80重量%の範囲で含有されていることが好
ましく、さらに好ましくは30〜70重量%の範囲である。
また、本発明は磁性塗液にポリイソシアネート化合物
を添加して用いることができる。ポリイソシアネート化
合物としては、通常ポリウレタン系樹脂等の硬化剤成分
として使用されているもののなかから選択される。ポリ
イソシアネート化合物の例としては、トリレンジイソシ
アネート3モルとトリメチロールプロパン1モルとの反
応生成物(例、デスモジュールL−75(バイエル社
製))、キシリレンジイソシアネートあるいはヘキサメ
チレンジイソシアネートなどのジイソシアネート3モル
とトリメチロールプロパン1モルとの反応生成物、ヘキ
サメチレンジイソシアネート3モルのビューレット付加
化合物、トリレンジイソシアネート5モルのイソシアヌ
レート化合物、トリレンジイソシアネート3モルとヘキ
サメチレンジイソシアネート2モルのイソシアヌレート
付加化合物、イソホロンジイソシアネートおよびジフェ
ニルメタンジイソシアネートのポリマーを挙げることが
できる。
磁性層に含まれる上記ポリイソシアネート化合物は、
結合剤中に10〜50重量%の範囲で含有されていることが
好ましく、さらに好ましくは20〜40重量%の範囲であ
る。
また、アクリル酸エステル系のオリゴマーと、モノマ
ーを結合剤としてもちい、放射線照射によって硬化する
結合剤系ももちいることができる。
本発明の磁気記録媒体の磁性層中の全結合剤の含有量
は、通常は強磁性粉末100重量部に対して10〜100重量部
であり、好ましくは20〜40部である。
本発明において、グリシジル化合物及び前記結合剤と
混練されるために用いられる強磁性粉末としては、強磁
性合金粉末、強磁性酸化鉄微粉末、Coドープの強磁性酸
化鉄微粉末、強磁性二酸化クロム微粉末、バリウムフェ
ライトなどが使用できる。強磁性合金粉末、Coドープの
強磁性酸化鉄微粉末、強磁性酸化鉄、二酸化クロムの針
状比は、2/1〜20/1程度、好ましくは5/1以上平均長は、
0.2〜2.0μm程度の範囲が有効である。本発明は強磁性
合金粉末の結晶子サイズとしては350オングストローム
以下のとき特に効果的であり、更に効果的なのは250オ
ングストローム以下である。(結晶子サイズはX線回折
にる)また強磁性合金粉末のpHは8以上のとき効果が大
きい。但し本発明の主旨によりこの結晶子サイズ以上の
場合でも本発明の技術を用いることにより電磁変換特
性、走行性、耐久性などの効果が発現され、上記の結晶
子サイズ以下の時に効果的である。強磁性合金粉末は金
属分が75wt%以上であり、金属分の80wt%以上が強磁性
金属(即ち、Fe,Co,Ni,Fe−Ni,Co−Ni,Fe−Co−Ni)の
粒子である。
混練、分散、磁性塗液の塗布に用いる有機溶剤として
は、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチル
ケトン、シクロヘキサノン等のケトン系;酢酸メチル、
酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、酢酸グリコール
モノエチルエーテル等のエステル系;エチルエーテル、
グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエ
ーテル系;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族
炭化水素;メチレンクロライド、エチレンクロライド、
四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、
ジクロルベンゼンなどの塩素化炭化水素等が選択して使
用できる。
前記した強磁性粉末、グリシジル化合物、結合剤など
を混練して本発明の製造方法を行なうに当っては、強磁
性粉末を一定量取り、ニーダー(例えば、加圧ニーダ
ー、オープンニーダー)に入れる。これに前記したグリ
シジル化合物と塩化ビニル系共重合体とポリウレタン樹
脂と、場合によっては他の結合剤を、強磁性粉末100重
量部に対して結合剤と溶剤を合せた量が40〜70重量部に
なるように調整して添加し、混練する。混練は上記加圧
ニーダーやオープンニーダーを用いてずり応力が30〜50
0kg/cm2の力で行なう。結合剤と溶剤の量が40重量部未
満では溶剤が少な過ぎて混練ができない。70重量部より
多いと溶剤が多過ぎて強練りができない。溶剤しとて
は、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シ
クロヘキサノン等のケトン系や酢酸エチル、酢酸メチル
などのエステル系、トルエン、キシレンなどの芳香族炭
化水素が好ましい。特にシクロヘキサノンが好ましい。
この混練工程では磁性塗料(混練物)は固い石状になる
が、次の分散工程において残余の結合剤や溶剤を加える
ことによって塗布できるような濃度まで希釈、分散す
る。
また、本発明の磁性塗液には、さらに、研磨剤、分散
剤、帯電防止剤、防錆剤等の添加剤を加えてもよい。使
用される研磨剤は、モース硬度が5以上、好ましくは8
以上であれば特に制限はない。モース硬度が5以上の研
磨剤の例としては、Al2O3(モース硬度9)、TiO(同
6)、TiO2(同6.5)、SiO2(同7)、SnO2(同6.5)、
Cr2O3(同9)およびα−Fe2O3(同5.5)を挙げること
ができ、これらを単独あるいは混合して用いることがで
きる。とくに好ましいのはモース硬度が8以上の研磨剤
である。モース硬度が5よりも低い研磨剤を用いた場合
には、磁性層から研磨剤が脱落しやすく、またヘッドの
研磨作用も殆どないため、ヘッド目詰まりを発生しやす
く、また走行耐久性も乏しくなる。研磨剤の含有量は、
通常、強磁性粉末100重量部に対して0.1〜20重量部の範
囲であり、好ましくは1〜15重量部の範囲である。帯電
防止剤としては、カーボンブラック(特に、平均粒径が
10〜300nm(ナノメートル;10-9)のもの)などを含有
させることが望ましい。
磁性塗液を塗布する支持体の素材としては、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレン2,6−ナフタレート
などのポリエステル類;ポリエチレン、ポリプロピレン
などのポリオレフィン類、セルローストリアセテートな
どのセルロース誘導体、ポリカーボネート、ポリイミ
ド、ポリアミドイミドなどプラスチック、その他に用途
に応じてアルミニウム、銅、錫、亜鉛又はこれらを含む
非磁性合金などの非磁性金属類、アルミニウムなどの金
属を蒸着したプラスチック類も使用できる。支持体の厚
みは3〜100μ、磁気テープとしては好ましくは3〜20
μ、磁気ディスクとしては20〜100μが通常使用される
範囲である。
また非磁性支持体の形態はフィルム、テープ、シー
ト、ディスク、カード、ドラムなどいずれでもよく、形
態に応じて種々の材料が必要に応じて選択される。
また本発明の支持体は帯電防止、転写防止、ワウフラ
ッター防止、磁気記録媒体の強度向上、バック面のマッ
ト化等の目的で、磁性層を設けた側の反対の面(バック
面)にいわゆるバックコートがなされていてもよい。
〔作用〕
混練工程において、結晶子サイズが350Å以下の微粒
子の強磁性粉末100重量部に対して、グリシジル化合物
と有機基を介して末端OH基と極性基を有する塩化ビニル
系共重合体などは溶剤と合計しても40〜70重量部という
少量で混練りができ、分散性がよく、走行性、耐久性の
よいものが得られる。これは、OH基が比較的極性の小さ
い基であって、イソシアネートとの架橋密度をあげ、走
行性、耐久性をあげることに寄与するが、これのみでは
分散性は十分でないから、これからだけでは上記の効果
を生ずる理由を十分説明できないものであって、その作
用機構は不明であるが、グリシジル化合物が分散性向上
と強練りの補助剤的な役割りをするためと考えられる。
〔実施例〕
次に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本
発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例
中の「部」の表示は「重量部」を示すものとする。
実施例1 磁性層用塗布液 強磁性合金粉末(A) 100部 (組成:Fe:92wt%、Ni:8wt% HC:1500 0e、針状比:10/1、pH8.3 結晶子サイズ250Å 塩化ビニル系共重合体(A) 12部 (Mn=25000、 -OPO(OH)2:6×10-5eq/g、 -O(CH2CH2O)7H:6×10-4eq/g) ポリウレタン樹脂(A) 8部 (Mn=30000、-SO3Na:8×10-5eq/g) エポキシ樹脂(A) ノボラック型エポキシ樹脂 1.5部 エポキシ当量180g/eq メチルエチルケトン 30部 上記原料をオープンニーダーに入れ粉砕し混練する。
次いで カーボンブラック 2部 α−Al2O3 2部 メチルエチルケトン 200部 上記塗料の各成分をサンドミルを用いて120分間混練
分散させた。得られた分散液に ステアリン酸 2部 ポリイソシアネート(固型分) 6部 (コロネートL、日本ポリウレタン(株)製) ブチルステアレート 2部 メチルエチルケトン 50部 を加え、さらに20分間撹はん混合したあと、1μmの平
均孔径を有するフィルタを用いてろ過し、磁性塗料を調
製した。得られた磁性塗料を乾燥後の厚さが3.0μmに
なるように、厚さ10μmのポリエチレンテレフタレート
支持体の表面にリバースロールを用いて塗布した。
磁性塗料が塗布された非磁性支持体を、磁性塗料が未
乾燥の状態で3000ガウスの磁石で磁場配向を行ない、さ
らに乾燥後、スーパーカレンダー処理を行なった後8mm
幅にスリットして、8mmビデオテープを製造した。
実施例2 実施例1において、強磁性微粉末(A)を強磁性微粉
末(B)(組成Fe92wt%、Ni8wt%。、Hc1500 0e針状比
8/1、pH9.2、結晶子サイズ200Å)とした以外は同様に
して8mmビデオ用テープを製造した。
実施例3 実施例1において、ポリウレタン樹脂(A)をホリウ
レタン樹脂(B)(Mn=30,000、−COOH 8×10-5eq/g)
とした以外は同様にして8ミリビデオ用テープを製造し
た。
実施例4 実施例1において、塩化ビニル系共重合体(A)を塩
化ビニル系共重合体(B)(Mn=25,000、−COOH 7×10
-5eq/g、OCH2CH2O8H 7×10-4eq/g)とした以外は
同様にして8ミリビデオテープを製造した。
実施例5 実施例1において、塩化ビニル系共重合体(A)を塩
化ビニル系共重合体(C)(Mn=40,000、-SO3Na 6×10
-5eq/g、OCH2CH2O7H 7×10-4eq/g)とした以外に
同様にして8ミリビデオ用テープを製造した。
実施例6 実施例1において、ポリウレタン樹脂(A)をポリウ
レタン樹脂(C)(Mn=25,000、-OPO(OH)2 8×10-5eq/
g)とした以外は同様にして8ミリビデオテープを製造
した。
実施例7 実施例1において、エポキシ樹脂(A)をエポキシ樹
脂(B)(アミン型エポキシ、エポキシ当量110g/eq)
とした以外は同様にして8ミリビデオ用テープを製造し
た。
比較例1 実施例1において、塩化ビニル系共重合体(A)を塩
化ビニル系共重合体(D)(塩化ビニル酢酸ビニル共重
合体、Mn=30,000、極性基なし)とした以外は同様にし
て8ミリビデオ用テープを製造した。
比較例2 実施例1において、塩化ビニル系共重合体(A)を塩
化ビニル系共重合体(E)(Mn=30,000、-OPO(OH)2 6
×10-5eq/g)とした以外は同様にして8ミリビデオ用テ
ープを製造した。
比較例3 実施例1において、ポリウレタン樹脂(A)をポリウ
レタン樹脂(D)(Mn=25,000、極性基なし)とした以
外は同様にして8ミリビデオ用テープを製造した。
比較例4 実施例1において、エポキシ樹脂(A)を除いた以外
は同様にして8ミリビデオ用テープを製造した。
比較例5 実施例1において、オープンニーダーで混練する工程
を省いた以外は同様にして8ミリビデオ用テープを製造
した。
実施例8 実施例1において、混練工程で用いるメチルエチルケ
トンを45部とした以外は同様にして8ミリビデオ用テー
プを製造した。
比較例6 実施例1において、混練工程で用いるメチルエチルケ
トンを80部とした以外は同様にして8ミリビデオ用テー
プを製造した。
(評価項目) 表面光沢度 標準光沢度計(スガ試験機(株)製)を用いて入射角
45度、反射角45度における磁性層表面の光沢度を測定し
た。なお、表記した値は比較例−1で得られた磁気記録
媒体の磁性層表面の光沢度を100%としたときの値であ
る。
最大残留磁束密度(Bm)及び角型比(SQ) 振動試験磁束計(VSM)(東芝工業(株)製)を用い
て磁場強度(Hm)5kOeにおける磁気特性を測定して求め
た。
C/N比 市販の8mmビデオテープレコーダー(Fujix−8)を用
いて、5MHzの信号を記録し、この信号を再生したときの
5±1MHzの範囲内に発生するノイズを測定し、このノイ
ズに対する再生信号の比を測定した。測定は、NV−870H
D出力レベル測定機(松下電気産業(株)製)を用いて
行なった。なお、表記した値は比較例−1で得られた磁
気記録媒体のC/N比をOdBとしたときの値である。
走行性 得られたビデオテープとステンレスポールとを50gの
張力(T1)で接触(巻きつけ角180°)させて、この条
件下で、ビデオテープを3.3cm/sの速度で走行させるの
に必要な張力(T2)を測定した。この測定値をもとに、
下記計算式によりビデオテープの、摩擦係数μをもとめ
た。
μ=1/π・1n(T2/T1) 尚、摩擦係数のテストは、a.25℃、70%RH、b.40℃、
80%RHの2条件で行なった。
耐久性 上記のEUJIX−8を用いてスチル状態でテストし、再
生出力が記録信号の50%になるまでの時間を測定した。
このときUnloarding機能は解除した。
〔発明の効果〕 本発明では、磁性塗液中の強磁性粉末の分散状態を改
良して、ひいては磁性層中における強磁性粉末の分散状
態を改良して、磁性層の電磁変換特性が向上し、かつ優
れた走行性を有する磁気記録媒体を製造することができ
る。混練工程で用いる塩化ビニル系共重合体の極性基、
ポリウレタン樹の極性基及びグリシジル化合物(代表的
にはエポキシ樹脂)のエポキシ基が混練中における強磁
性粉末の分散を十分に行わせるに効果がある。また、塩
化ビニル系共重合体の側鎖の−OH基は硬化のために添加
されるポリイソシアネートと反応して架橋密度を上げる
ので、磁性層の強度が上がり、走行性などが改善され
る。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶剤を用いて強磁性粉末を結合剤と混練す
    る工程、得られた混練物に更に残りの結合剤及び/又は
    溶剤を加えて分散する工程、得られた磁性塗液の分散液
    を非磁性支持体上に塗布、乾燥する工程を有する磁気記
    録媒体の製造方法において、前記の混練する工程で結晶
    子サイズが350Å以下の強磁性粉末100重量部に対し、グ
    リシジル化合物と、有機基を介して末端がOH基の側鎖及
    び極性基を有する塩化ビニル系共重合体と、更に極性基
    を有するポリウレタン樹脂及び/又は溶剤を40〜70重量
    部加えて混練し、次に分散する工程で残余の極性基を有
    するポリウレタン樹脂及び/又は溶剤を加えて分散する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
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