JPH083818A - 強化ポリアミド樹脂フィラメント - Google Patents
強化ポリアミド樹脂フィラメントInfo
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- JPH083818A JPH083818A JP15945494A JP15945494A JPH083818A JP H083818 A JPH083818 A JP H083818A JP 15945494 A JP15945494 A JP 15945494A JP 15945494 A JP15945494 A JP 15945494A JP H083818 A JPH083818 A JP H083818A
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- nylon
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 優れた強度・弾性率を有し、熱収縮率・熱水
収縮率が小さく、かつ生産性良く製造することのできる
強化ポリアミド樹脂フィラメントを提供する。 【構成】 ポリアミド 100重量部と膨潤性フッ素雲母系
鉱物0.01〜20重量部とからなる強化ポリアミド樹脂で構
成されているフィラメント。
収縮率が小さく、かつ生産性良く製造することのできる
強化ポリアミド樹脂フィラメントを提供する。 【構成】 ポリアミド 100重量部と膨潤性フッ素雲母系
鉱物0.01〜20重量部とからなる強化ポリアミド樹脂で構
成されているフィラメント。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、強化ポリアミド樹脂か
らなる優れた強度・弾性率を有し、かつ乾熱収縮率・熱
水収縮率が小さいフィラメントに関するものである。
らなる優れた強度・弾性率を有し、かつ乾熱収縮率・熱
水収縮率が小さいフィラメントに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ナイロン6やナイロン66に代表される
ポリアミドは工業的に生産されている極めて有用なポリ
アミドであり、それらからなるフィラメントは産業用・
衣料用繊維として幅広く利用されている。しかし、例え
ば、ナイロン6の場合、高強力を利用してタイヤコード
用フィラメントとして使用されているが、必ずしも満足
できるものではなく、なかでも、乾熱収縮率や熱水収縮
率が大きいなど寸法安定性に劣るという欠点を有してい
た。
ポリアミドは工業的に生産されている極めて有用なポリ
アミドであり、それらからなるフィラメントは産業用・
衣料用繊維として幅広く利用されている。しかし、例え
ば、ナイロン6の場合、高強力を利用してタイヤコード
用フィラメントとして使用されているが、必ずしも満足
できるものではなく、なかでも、乾熱収縮率や熱水収縮
率が大きいなど寸法安定性に劣るという欠点を有してい
た。
【0003】このような脂肪族ポリアミドからなるフィ
ラメントの欠点を改良する試みとして、特開平3− 813
64号公報には、ポリアミドとモンモリロナイトに代表さ
れる層状珪酸塩で強化したポリアミド樹脂からなるフィ
ラメントが提案されている。この発明は、ポリアミド鎖
が層状珪酸塩の層間に侵入し、ポリアミド中に珪酸塩が
微細に均一分散した組成物からなるフィラメントとする
ことによってこれらの欠点を改良しようとするものであ
る。
ラメントの欠点を改良する試みとして、特開平3− 813
64号公報には、ポリアミドとモンモリロナイトに代表さ
れる層状珪酸塩で強化したポリアミド樹脂からなるフィ
ラメントが提案されている。この発明は、ポリアミド鎖
が層状珪酸塩の層間に侵入し、ポリアミド中に珪酸塩が
微細に均一分散した組成物からなるフィラメントとする
ことによってこれらの欠点を改良しようとするものであ
る。
【0004】しかし、このような目的でモンモリロナイ
トを用いる場合、上記の公報に記載されているように、
ポリアミドあるいはポリアミドを形成するモノマーにモ
ンモリロナイトを配合する前に、これをアミノ酸等の膨
潤化剤と接触させることによってモンモリロナイトの層
間距離を拡げるための処理が不可欠であった。そのため
コストが上昇し、生産性に劣るという問題点があった。
トを用いる場合、上記の公報に記載されているように、
ポリアミドあるいはポリアミドを形成するモノマーにモ
ンモリロナイトを配合する前に、これをアミノ酸等の膨
潤化剤と接触させることによってモンモリロナイトの層
間距離を拡げるための処理が不可欠であった。そのため
コストが上昇し、生産性に劣るという問題点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、優れた強度
・弾性率を有し、乾熱収縮率・熱水収縮率が小さく、か
つ生産性良く製造することのできる強化ポリアミド樹脂
フィラメントを提供しようとするものである。
・弾性率を有し、乾熱収縮率・熱水収縮率が小さく、か
つ生産性良く製造することのできる強化ポリアミド樹脂
フィラメントを提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意研究の結果、ポリアミドに膨潤
性フッ素雲母系鉱物を特定量配合した強化ポリアミド樹
脂を紡糸することにより、この目的が達成されることを
見出し、本発明に到達した。
題を解決するために鋭意研究の結果、ポリアミドに膨潤
性フッ素雲母系鉱物を特定量配合した強化ポリアミド樹
脂を紡糸することにより、この目的が達成されることを
見出し、本発明に到達した。
【0007】すなわち、本発明は、ポリアミド 100重量
部と膨潤性フッ素雲母系鉱物0.01〜20重量部とからなる
強化ポリアミド樹脂で構成されていることを特徴とする
強化ポリアミド樹脂フィラメントを要旨とするものであ
る。
部と膨潤性フッ素雲母系鉱物0.01〜20重量部とからなる
強化ポリアミド樹脂で構成されていることを特徴とする
強化ポリアミド樹脂フィラメントを要旨とするものであ
る。
【0008】以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】本発明におけるポリアミドの好ましいもの
としては、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイロン6/66、ナ
イロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/
6T、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデ
カミド、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキ
シル)メタンドデカミド、ポリメタキシリレンアジパミ
ド、ナイロン11T、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロ
テレフタルアミド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタンテレ/イソフタレート及びビス(3ーメチルー4
ーアミノシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジア
ミン/I/T共重合体などが挙げられ、2種以上併用し
てもよい。なお、Iはイソフタル酸成分、Tはテレフタ
ル酸成分を表す。
としては、ナイロン6、ナイロン46、ナイロン66、
ナイロン610、ナイロン612、ナイロン116、ナイロン
11、ナイロン12、ナイロン6I、ナイロン6/66、ナ
イロン6T/6I、ナイロン6/6T、ナイロン66/
6T、ポリトリメチルヘキサメチレンテレフタルアミ
ド、ポリビス(4−アミノシクロヘキシル)メタンドデ
カミド、ポリビス(3−メチル−4−アミノシクロヘキ
シル)メタンドデカミド、ポリメタキシリレンアジパミ
ド、ナイロン11T、ポリウンデカメチレンヘキサヒドロ
テレフタルアミド、ビス(4−アミノシクロヘキシル)
メタンテレ/イソフタレート及びビス(3ーメチルー4
ーアミノシクロヘキシル)メタン/ヘキサメチレンジア
ミン/I/T共重合体などが挙げられ、2種以上併用し
てもよい。なお、Iはイソフタル酸成分、Tはテレフタ
ル酸成分を表す。
【0010】これらのうち、特に好ましいものは、ナイ
ロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12及
びこれらの共重合又は混合ポリアミドである。
ロン6、ナイロン66、ナイロン46、ナイロン12及
びこれらの共重合又は混合ポリアミドである。
【0011】本発明で用いられるポリアミドは、公知の
溶融重合法もしくは溶融重合と固相重合とを併用した方
法で製造される。ポリアミドの相対粘度は特に制限され
ないが、溶媒としてフェノールとテトラクロルエタンと
の重量比60/40の混合物を用い、温度25℃、濃度1g/
dlの条件で求めた相対粘度で 1.5〜5.0 の範囲のものが
好ましい。相対粘度があまり小さいものでは、高強度の
フィラメントが得られず、大きすぎると紡糸性が急速に
低下するので好ましくない。
溶融重合法もしくは溶融重合と固相重合とを併用した方
法で製造される。ポリアミドの相対粘度は特に制限され
ないが、溶媒としてフェノールとテトラクロルエタンと
の重量比60/40の混合物を用い、温度25℃、濃度1g/
dlの条件で求めた相対粘度で 1.5〜5.0 の範囲のものが
好ましい。相対粘度があまり小さいものでは、高強度の
フィラメントが得られず、大きすぎると紡糸性が急速に
低下するので好ましくない。
【0012】本発明で用いられる膨潤性のフッ素雲母系
鉱物は次式で示される。 αMF・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 ここで、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、 0.1≦α≦2、2≦β
≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b
=1である。
鉱物は次式で示される。 αMF・β(aMgF2・bMgO)・γSiO2 ここで、Mはナトリウム又はリチウムを表し、α、β、
γ、a及びbは各々係数を表し、 0.1≦α≦2、2≦β
≦3.5 、3≦γ≦4、0≦a≦1、0≦b≦1、a+b
=1である。
【0013】このようなフッ素雲母系鉱物は、タルクと
ナトリウム及び/又はリチウムの珪フッ化物もしくはフ
ッ化物との混合物を加熱処理することにより得られる。
その具体的方法としては、特開平2−149415号公報に開
示された方法がある。すなわち、タルクを出発物質とし
て用い、これにナトリウムイオン及び/又はリチウムイ
オンをインターカレーションしてフッ素雲母系鉱物を得
る方法である。この方法では、タルクに珪フッ化物もし
くはフッ化物を混合し、磁性ルツボ内で 700〜1200℃で
短時間加熱処理することによってフッ素雲母が得られ
る。本発明で用いる膨潤性のフッ素雲母系鉱物は特にこ
の方法で製造されたものが好ましい。
ナトリウム及び/又はリチウムの珪フッ化物もしくはフ
ッ化物との混合物を加熱処理することにより得られる。
その具体的方法としては、特開平2−149415号公報に開
示された方法がある。すなわち、タルクを出発物質とし
て用い、これにナトリウムイオン及び/又はリチウムイ
オンをインターカレーションしてフッ素雲母系鉱物を得
る方法である。この方法では、タルクに珪フッ化物もし
くはフッ化物を混合し、磁性ルツボ内で 700〜1200℃で
短時間加熱処理することによってフッ素雲母が得られ
る。本発明で用いる膨潤性のフッ素雲母系鉱物は特にこ
の方法で製造されたものが好ましい。
【0014】膨潤性のフッ素雲母系鉱物を得るために
は、珪フッ化物もしくはフッ化物のアルカリ金属は、ナ
トリウム又はリチウムとすることが必要である。これら
のアルカリ金属は単独で用いてもよいし併用してもよ
い。アルカリ金属のうち、カリウムの場合には膨潤性の
フッ素雲母系鉱物が得られないので好ましくないが、ナ
トリウム又はリチウムと併用し、かつ限定された量であ
れば膨潤性を調節する目的で用いることも可能である。
は、珪フッ化物もしくはフッ化物のアルカリ金属は、ナ
トリウム又はリチウムとすることが必要である。これら
のアルカリ金属は単独で用いてもよいし併用してもよ
い。アルカリ金属のうち、カリウムの場合には膨潤性の
フッ素雲母系鉱物が得られないので好ましくないが、ナ
トリウム又はリチウムと併用し、かつ限定された量であ
れば膨潤性を調節する目的で用いることも可能である。
【0015】タルクと混合する珪フッ化物もしくはフッ
化物の量は、混合物全体の10〜35重量%とすることが好
ましく、この範囲を外れると膨潤性フッ素雲母系鉱物の
生成率が低下する。
化物の量は、混合物全体の10〜35重量%とすることが好
ましく、この範囲を外れると膨潤性フッ素雲母系鉱物の
生成率が低下する。
【0016】また、膨潤性フッ素雲母系鉱物を製造する
工程において、アルミナを少量配合し、生成する膨潤性
フッ素雲母系鉱物の膨潤性を調節することも可能であ
る。本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母がアミノカル
ボン酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子あるいは陽
イオンを層間に吸収することにより、層間距離が拡が
り、あるいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子となる
特性を意味し、前記の式で表されるフッ素雲母系鉱物は
このような膨潤性を示すものである。
工程において、アルミナを少量配合し、生成する膨潤性
フッ素雲母系鉱物の膨潤性を調節することも可能であ
る。本発明でいう膨潤性とは、フッ素雲母がアミノカル
ボン酸、ナイロン塩、水分子などの極性分子あるいは陽
イオンを層間に吸収することにより、層間距離が拡が
り、あるいはさらに膨潤へき開して、超微細粒子となる
特性を意味し、前記の式で表されるフッ素雲母系鉱物は
このような膨潤性を示すものである。
【0017】膨潤性フッ素雲母系鉱物は、粒径が10μm
以下で、X線粉末法で測定したC軸方向の層厚さが9〜
20Åのものが好ましい。
以下で、X線粉末法で測定したC軸方向の層厚さが9〜
20Åのものが好ましい。
【0018】本発明においては、前記のようなポリアミ
ドに膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有させて強化ポリアミ
ド樹脂とし、これを紡糸してフィラメントとする。
ドに膨潤性フッ素雲母系鉱物を含有させて強化ポリアミ
ド樹脂とし、これを紡糸してフィラメントとする。
【0019】膨潤性フッ素雲母系鉱物の配合量は、ポリ
アミド 100重量部あるいはそれを形成するモノマー量に
対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部とす
ることが必要である。この配合量が少ないとフィラメン
トの強度・弾性率や乾熱収縮率・熱水収縮率を改良する
効果が十分発揮されず、多すぎるとフィラメントの靭性
が低下するので好ましくない。
アミド 100重量部あるいはそれを形成するモノマー量に
対して0.01〜20重量部、好ましくは0.05〜10重量部とす
ることが必要である。この配合量が少ないとフィラメン
トの強度・弾性率や乾熱収縮率・熱水収縮率を改良する
効果が十分発揮されず、多すぎるとフィラメントの靭性
が低下するので好ましくない。
【0020】強化ポリアミド樹脂を製造する最も好まし
い方法は、ポリアミドを製造する際に、モノマー、すな
わち、アミノカルボン酸又はラクタム、ジアミンとジカ
ルボン酸との塩 (ナイロン塩) 又は混合物に、膨潤性の
フッ素雲母系鉱物を添加して重合する方法である。この
方法によれば、膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中
に十分細かく分散した強化ポリアミド樹脂が容易に得ら
れ、本発明の効果が最も顕著に現れる。この場合、膨潤
性フッ素雲母系鉱物は膨潤化処理を前もって行う必要は
なく、そのままモノマーに所定量配合して重合すればよ
い。
い方法は、ポリアミドを製造する際に、モノマー、すな
わち、アミノカルボン酸又はラクタム、ジアミンとジカ
ルボン酸との塩 (ナイロン塩) 又は混合物に、膨潤性の
フッ素雲母系鉱物を添加して重合する方法である。この
方法によれば、膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中
に十分細かく分散した強化ポリアミド樹脂が容易に得ら
れ、本発明の効果が最も顕著に現れる。この場合、膨潤
性フッ素雲母系鉱物は膨潤化処理を前もって行う必要は
なく、そのままモノマーに所定量配合して重合すればよ
い。
【0021】強化ポリアミド樹脂を製造する他の方法と
して、ポリアミドと膨潤性フッ素雲母系鉱物とを溶融混
練する方法があるが、この方法を採用する場合には、2
軸押出機のような混練効果の良い溶融混合装置を用い、
膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分均一に分
散するようにすることが必要である。
して、ポリアミドと膨潤性フッ素雲母系鉱物とを溶融混
練する方法があるが、この方法を採用する場合には、2
軸押出機のような混練効果の良い溶融混合装置を用い、
膨潤性フッ素雲母系鉱物がポリアミド中に十分均一に分
散するようにすることが必要である。
【0022】強化ポリアミド樹脂には、その特性を大き
く損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止
剤、耐候剤、難燃剤、制電剤、可塑剤、その他の配合剤
を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤と
しては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、
ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカ
リ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用す
ることができる。特に銅化合物やアルカリ金属のハロゲ
ン化物が最も効果的である。これらの配合剤は一般に溶
融混練時あるいは重合時に加えられる。
く損なわない限りにおいて、顔料、熱安定剤、酸化防止
剤、耐候剤、難燃剤、制電剤、可塑剤、その他の配合剤
を添加することも可能である。熱安定剤や酸化防止剤と
しては、例えばヒンダードフェノール類、リン化合物、
ヒンダードアミン類、イオウ化合物、銅化合物、アルカ
リ金属のハロゲン化物あるいはこれらの混合物を使用す
ることができる。特に銅化合物やアルカリ金属のハロゲ
ン化物が最も効果的である。これらの配合剤は一般に溶
融混練時あるいは重合時に加えられる。
【0023】本発明のフィラメントは、上記のような強
化ポリアミド樹脂を常法によって、溶融紡糸、延伸し、
必要に応じて熱セットする方法で製造することができ
る。
化ポリアミド樹脂を常法によって、溶融紡糸、延伸し、
必要に応じて熱セットする方法で製造することができ
る。
【0024】フィラメントの形状は、モノフィラメン
ト、マルチフィラメントのいずれでもよく、断面形状も
円形・中空・星形など異形断面であってもよい。
ト、マルチフィラメントのいずれでもよく、断面形状も
円形・中空・星形など異形断面であってもよい。
【0025】本発明のフィラメントは、優れた強度・弾
性率を有し、かつ乾熱収縮率・熱水収縮率が小さいもの
であり、これらの特性が要求される産業資材用、特にタ
イヤコード・ベルト・ホース用補強糸・フィルター用糸
・ブラシ用ブリッスル・釣り糸・漁網・縫糸・人工芝・
ロープ・ザイルなどに好適である。
性率を有し、かつ乾熱収縮率・熱水収縮率が小さいもの
であり、これらの特性が要求される産業資材用、特にタ
イヤコード・ベルト・ホース用補強糸・フィルター用糸
・ブラシ用ブリッスル・釣り糸・漁網・縫糸・人工芝・
ロープ・ザイルなどに好適である。
【0026】なお、本発明のフィラメントは、一般のポ
リアミドと同様に酸性染料などを用いて容易に染色する
ことができ、染色して使用される用途にも好適である。
リアミドと同様に酸性染料などを用いて容易に染色する
ことができ、染色して使用される用途にも好適である。
【0027】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、フィラメントの特性値の測定は、JIS
L 1013「化学繊維フィラメント糸試験法」に従って行っ
た。この際、湿潤条件は20℃の水中に3時間の浸漬と
し、乾熱収縮率は 150℃で測定し、収縮率の測定はいず
れもB法(フィラメント法)によって行った。
説明する。なお、フィラメントの特性値の測定は、JIS
L 1013「化学繊維フィラメント糸試験法」に従って行っ
た。この際、湿潤条件は20℃の水中に3時間の浸漬と
し、乾熱収縮率は 150℃で測定し、収縮率の測定はいず
れもB法(フィラメント法)によって行った。
【0028】参考例(膨潤性フッ素雲母系鉱物の調製) ボールミルにより平均粒径が2μm となるように粉砕し
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μm の表1に示す
珪フッ化物あるいはアルミナを全量の20重量%となるよ
うに混合し、これを磁性ルツボに入れ、電気炉で1時間
800℃に保持し、M−1からM−3のフッ素雲母を合成
した。生成したフッ素雲母の平均粒径は 1.8μm であ
り、また、X線粉末法で測定した結果、M−1からM−
3は、原料タルクのC軸方向の厚さ 9.2Åに対応するピ
ークは消失し、膨潤性フッ素雲母の生成を示す12〜16Å
に対応するピークが認められた。
たタルクに対し、平均粒径が同じく2μm の表1に示す
珪フッ化物あるいはアルミナを全量の20重量%となるよ
うに混合し、これを磁性ルツボに入れ、電気炉で1時間
800℃に保持し、M−1からM−3のフッ素雲母を合成
した。生成したフッ素雲母の平均粒径は 1.8μm であ
り、また、X線粉末法で測定した結果、M−1からM−
3は、原料タルクのC軸方向の厚さ 9.2Åに対応するピ
ークは消失し、膨潤性フッ素雲母の生成を示す12〜16Å
に対応するピークが認められた。
【0029】
【表1】
【0030】実施例1〜3 ε−カプロラクタム10kgに対して、2kgの水とM−1、
M−2又はM−3をそれぞれ70g配合し、これを内容量
30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら 250℃に加熱
して徐々に水蒸気を放出しつつ、4kg/cm2 から15kg/
cm2 の圧力まで昇圧した。その後、2kg/cm2 の圧力ま
で放圧し、 260℃で3時間重合した。重合の終了した時
点で反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化
後、切断してペレットとした。得られたペレットを95℃
の熱水で処理して精練し、乾燥した。得られたフッ素雲
母含有ナイロン6樹脂ペレットをそれぞれA−1、A−
2、A−3とする。ペレットA−1、A−2、A−3の
相対粘度は、それぞれ2.60、2.61、2.60であった。これ
らのペレットをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給
し、紡糸温度 260℃で、8ホールの紡糸口金を用いて溶
融紡糸した。紡出糸条を水冷した後、第1ローラで引き
取り、第1ローラと第2ローラとの間で 150℃のオーブ
ン中を通しながら 3.3倍に延伸し、さらに第2ローラと
第3ローラとの間で 210℃のオーブン中を通しながら
1.6倍に延伸し、最後に第3ローラと第4ローラとの間
で 220℃のオーブン中を通しながらで定長で熱セット
し、8本のモノフィラメントに分割して巻き取った。得
られたモノフィラメントの性能を評価した結果を表2に
示す。
M−2又はM−3をそれぞれ70g配合し、これを内容量
30リットルの反応缶に入れ、攪拌しながら 250℃に加熱
して徐々に水蒸気を放出しつつ、4kg/cm2 から15kg/
cm2 の圧力まで昇圧した。その後、2kg/cm2 の圧力ま
で放圧し、 260℃で3時間重合した。重合の終了した時
点で反応生成物をストランド状に払い出し、冷却、固化
後、切断してペレットとした。得られたペレットを95℃
の熱水で処理して精練し、乾燥した。得られたフッ素雲
母含有ナイロン6樹脂ペレットをそれぞれA−1、A−
2、A−3とする。ペレットA−1、A−2、A−3の
相対粘度は、それぞれ2.60、2.61、2.60であった。これ
らのペレットをエクストルーダー型溶融紡糸機に供給
し、紡糸温度 260℃で、8ホールの紡糸口金を用いて溶
融紡糸した。紡出糸条を水冷した後、第1ローラで引き
取り、第1ローラと第2ローラとの間で 150℃のオーブ
ン中を通しながら 3.3倍に延伸し、さらに第2ローラと
第3ローラとの間で 210℃のオーブン中を通しながら
1.6倍に延伸し、最後に第3ローラと第4ローラとの間
で 220℃のオーブン中を通しながらで定長で熱セット
し、8本のモノフィラメントに分割して巻き取った。得
られたモノフィラメントの性能を評価した結果を表2に
示す。
【0031】実施例4〜5 M−1、M−2をそれぞれ 135g配合した他は実施例1
〜3と同様にしてペレットを得た。得られたフッ素雲母
含有ナイロン6樹脂ペレットをそれぞれA−4、A−5
とする。A−4、A−5の相対粘度は、いずれも2.57で
あった。以下、実施例1〜3と同様にして性能評価を行
った結果を表2に示す。
〜3と同様にしてペレットを得た。得られたフッ素雲母
含有ナイロン6樹脂ペレットをそれぞれA−4、A−5
とする。A−4、A−5の相対粘度は、いずれも2.57で
あった。以下、実施例1〜3と同様にして性能評価を行
った結果を表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】実施例6〜8 ナイロン66塩10kgに対して、3kgの水とM−1、M−
2又はM−3をそれぞれ70g配合し、これを内容量30リ
ットルの反応缶に入れ、 230℃で攪拌しながら、内圧が
18kg/cm2 になるまで加熱した。その圧力に到達後、徐
々に水蒸気を放出しつつ、加熱しその圧力を保持した。
280℃に達した時点で常圧まで放圧し、さらに2時間重
合を行った。重合が終了した時点で反応生成物をストラ
ンド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットと
し、乾燥した。得られたフッ素雲母含有ナイロン66樹
脂ペレットをそれぞれA−6、A−7、A−8とする。
ペレットA−6、A−7、A−8の相対粘度は、それぞ
れ2.70、2.71、2.70であった。これらのペレットを用い
て、紡糸温度、延伸温度及び熱セット温度を実施例1〜
3の条件に対してそれぞれ20℃高い温度とした他は同様
にして所定のモノフィラメントを得た。以下、実施例1
〜3と同様にして性能評価を行った結果を表3に示す。
2又はM−3をそれぞれ70g配合し、これを内容量30リ
ットルの反応缶に入れ、 230℃で攪拌しながら、内圧が
18kg/cm2 になるまで加熱した。その圧力に到達後、徐
々に水蒸気を放出しつつ、加熱しその圧力を保持した。
280℃に達した時点で常圧まで放圧し、さらに2時間重
合を行った。重合が終了した時点で反応生成物をストラ
ンド状に払い出し、冷却、固化後、切断してペレットと
し、乾燥した。得られたフッ素雲母含有ナイロン66樹
脂ペレットをそれぞれA−6、A−7、A−8とする。
ペレットA−6、A−7、A−8の相対粘度は、それぞ
れ2.70、2.71、2.70であった。これらのペレットを用い
て、紡糸温度、延伸温度及び熱セット温度を実施例1〜
3の条件に対してそれぞれ20℃高い温度とした他は同様
にして所定のモノフィラメントを得た。以下、実施例1
〜3と同様にして性能評価を行った結果を表3に示す。
【0034】比較例1 市販の非強化ナイロン6樹脂(ユニチカ社製、A1030BR
L 、相対粘度 2.6)を用いて実施例1〜3と同様にして
所定のモノフィラメントを得た。以下、実施例1〜3と
同様にして性能評価を行った結果を表3に示す。 比較例2 市販の非強化ナイロン66樹脂(ICI社製、A100 、
相対粘度2.71)を用いて実施例6〜8と同様にして所定
のモノフィラメントを得た。以下、実施例1〜3と同様
にして性能評価を行った結果を表3に示す。
L 、相対粘度 2.6)を用いて実施例1〜3と同様にして
所定のモノフィラメントを得た。以下、実施例1〜3と
同様にして性能評価を行った結果を表3に示す。 比較例2 市販の非強化ナイロン66樹脂(ICI社製、A100 、
相対粘度2.71)を用いて実施例6〜8と同様にして所定
のモノフィラメントを得た。以下、実施例1〜3と同様
にして性能評価を行った結果を表3に示す。
【0035】
【表3】
【0036】
【発明の効果】本発明においては、ポリアミドの強化材
として膨潤性フッ素雲母系鉱物を用いるので、従来のモ
ンモリロナイトなどのように、ポリアミドあるいはポリ
アミドを形成するモノマーに配合する前に、これをアミ
ノ酸等の膨潤化剤と接触させる工程が不要であり、特に
膨潤性フッ素雲母系鉱物をポリアミドを形成するモノマ
ーに配合するとこれがポリアミド中に十分細かく分散し
た強化ポリアミド樹脂が容易に得られる。そして、本発
明によれば、優れた強度・弾性率を有し、熱収縮率・熱
水収縮率が小さく、かつ生産性良く製造することのでき
る強化ポリアミド樹脂フィラメントが提供される。
として膨潤性フッ素雲母系鉱物を用いるので、従来のモ
ンモリロナイトなどのように、ポリアミドあるいはポリ
アミドを形成するモノマーに配合する前に、これをアミ
ノ酸等の膨潤化剤と接触させる工程が不要であり、特に
膨潤性フッ素雲母系鉱物をポリアミドを形成するモノマ
ーに配合するとこれがポリアミド中に十分細かく分散し
た強化ポリアミド樹脂が容易に得られる。そして、本発
明によれば、優れた強度・弾性率を有し、熱収縮率・熱
水収縮率が小さく、かつ生産性良く製造することのでき
る強化ポリアミド樹脂フィラメントが提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片平 新一郎 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 吉田 泉 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内
Claims (3)
- 【請求項1】 ポリアミド 100重量部と膨潤性フッ素雲
母系鉱物0.01〜20重量部とからなる強化ポリアミド樹脂
で構成されていることを特徴とする強化ポリアミド樹脂
フィラメント。 - 【請求項2】 膨潤性フッ素雲母系鉱物が、タルクとナ
トリウム及び/又はリチウムの珪フッ化物もしくはフッ
化物との混合物を加熱して得られたものである請求項1
記載のフィラメント。 - 【請求項3】 ポリアミドがナイロン6、ナイロン6
6、ナイロン46及びナイロン12から選ばれたもので
ある請求項1又は2記載のフィラメント。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15945494A JPH083818A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 強化ポリアミド樹脂フィラメント |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP15945494A JPH083818A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 強化ポリアミド樹脂フィラメント |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083818A true JPH083818A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15694120
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP15945494A Pending JPH083818A (ja) | 1994-06-17 | 1994-06-17 | 強化ポリアミド樹脂フィラメント |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083818A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6414382B1 (en) | 1997-01-23 | 2002-07-02 | Seiko Epson Corporation | Film carrier tape, semiconductor assembly, semiconductor device and method of manufacturing the same, mounted board, and electronic instrument |
US6871374B2 (en) | 2000-10-02 | 2005-03-29 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Low friction toothbrush |
JPWO2006087983A1 (ja) * | 2005-02-21 | 2008-07-03 | 株式会社クラレ | 難燃性ポリビニルアルコール系繊維 |
US9370571B2 (en) | 2011-05-19 | 2016-06-21 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Aqueous acrylamide solution, stabilizer for aqueous acrylamide solution, and stabilization method for aqueous acrylamide solution |
CN108048941A (zh) * | 2017-12-15 | 2018-05-18 | 太和县丝榞绳网有限公司 | 一种用于绳网编织的尼龙线的制备方法 |
CN110528099A (zh) * | 2019-09-05 | 2019-12-03 | 义乌市申凯线业有限公司 | 一种聚酰胺纤维缝包线及其生产方法 |
-
1994
- 1994-06-17 JP JP15945494A patent/JPH083818A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6414382B1 (en) | 1997-01-23 | 2002-07-02 | Seiko Epson Corporation | Film carrier tape, semiconductor assembly, semiconductor device and method of manufacturing the same, mounted board, and electronic instrument |
US6871374B2 (en) | 2000-10-02 | 2005-03-29 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Low friction toothbrush |
JPWO2006087983A1 (ja) * | 2005-02-21 | 2008-07-03 | 株式会社クラレ | 難燃性ポリビニルアルコール系繊維 |
US9370571B2 (en) | 2011-05-19 | 2016-06-21 | Mitsubishi Rayon Co., Ltd. | Aqueous acrylamide solution, stabilizer for aqueous acrylamide solution, and stabilization method for aqueous acrylamide solution |
CN108048941A (zh) * | 2017-12-15 | 2018-05-18 | 太和县丝榞绳网有限公司 | 一种用于绳网编织的尼龙线的制备方法 |
CN110528099A (zh) * | 2019-09-05 | 2019-12-03 | 义乌市申凯线业有限公司 | 一种聚酰胺纤维缝包线及其生产方法 |
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