JPH083650A - 金属帯の熱処理方法 - Google Patents

金属帯の熱処理方法

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JPH083650A
JPH083650A JP13904394A JP13904394A JPH083650A JP H083650 A JPH083650 A JP H083650A JP 13904394 A JP13904394 A JP 13904394A JP 13904394 A JP13904394 A JP 13904394A JP H083650 A JPH083650 A JP H083650A
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JP
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roll
gas
metal strip
heat treatment
temperature
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JP13904394A
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Yutaka Suzukawa
豊 鈴川
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、熱処理の加熱ロール、冷却ロー
ル、搬送ロールなど各種ロールの金属帯幅方向の温度差
をなくしたり、加熱、冷却時の金属帯(鋼帯等)の熱変
形による加熱、冷却むらの軽減を図るための熱処理方法
を提供することを目的とする。 【構成】 熱処理装置内の一以上のロール2に対し、金
属帯1の通過部分を残して隔壁3を設けてロール室を形
成し、前記ロール室内の少なくとも一方の側壁に一か所
以上の開口7を設けて、この開口から加圧した温度調整
用ガスを一定の周波数で間欠的に供給することを特徴と
する金属帯の熱処理方法。本発明により、ロールの温度
差変形が減少し、ロールの適性な凸クラウンが維持で
き、炉内での金属帯の蛇行や破断回数が減少して、製品
の品質向上のみならず生産性の向上にも寄与する効果が
ある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、熱処理の加熱ロール、
冷却ロール、搬送ロールなど各種ロールの金属帯幅方向
の温度差をなくしたり、加熱、冷却時の金属帯(鋼帯
等)の熱変形による加熱、冷却むらの軽減を図るための
熱処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼帯を、多数の搬送ロールに掛渡しつつ
搬送する竪型連続熱処理炉においては、鋼帯が搬送パス
ライン中心からはずれる蛇行を防止する目的で、搬送ロ
ール中央部のロール径が両端部より大きい凸クラウンを
付けた搬送ロールが用いられ、ベルト車における蛇行防
止と同じ原理により、個々の搬送ロールに蛇行防止機能
を持たせている。
【0003】しかし、搬送ロールの凸クラウンが大きす
ぎると、鋼帯に働く蛇行修正力が過大になり、鋼帯幅方
向に圧縮応力が発生し、鋼帯に面外変形が生じる。面外
変形が生じた状態で鋼帯が搬送ロールに巻きつくと、搬
送ロール上で鋼帯が座屈してしわが生じ、製品としての
価値がそこなわれるばかりか、座屈が甚だしい場合に
は、これが原因で鋼帯が破断し設備の操業停止に至るな
ど大きなトラブルを引き起こすことがある。従って、従
来は搬送ロールの凸クラウンを蛇行が発生しない最小
量、たとえば搬送ロール中央部のロール径と両端部のロ
ール径の差を0.2 〜2.0mm 、にして操業が行われてき
た。
【0004】竪型連続熱処理炉の加熱帯では、鋼帯を所
定の温度、例えば 650℃〜 850℃、まで加熱するため
に、ラジアントチューブ等の加熱装置を多数配置して雰
囲気ガス温度が 600℃〜 900℃に加熱された炉内を、炉
内上下に配置された搬送ロール間に鋼帯を掛け渡して上
下に搬送させながら、鋼帯を徐々に加熱する方法が用い
られる。このとき、常温の鋼帯が導入される加熱炉入り
側では、鋼帯の温度と炉内ガス温度との差が非常に大き
くなる。加熱炉内、特に、熱のたまりやすい天井部にあ
って、炉の入り側に設置された搬送ロールは、高温の雰
囲気ガスにより加熱されるのに対して、まだ十分に加熱
されていない鋼帯と接触する搬送ロール中央部では、鋼
帯によって冷却され、搬送ロールに数百℃の大きな温度
差が生じることが多い。
【0005】前述のように、搬送ロールには蛇行防止の
目的で凸クラウンが付与してあり、凸クラウンの大きさ
は、鋼帯の座屈防止の目的から0.5mm 〜2.0mm と極めて
小さく製作されている。一般に、搬送ロールは耐高温の
金属材料で製作されており、線膨張係数は1.5 ×10-5
℃程度である。また、その径は1m程度であるから、搬送
ロール中央部が鋼帯によって冷却され 100℃の温度差が
発生した場合の熱膨張差は1.5mm にもなり、初期の凸ク
ラウン量を相殺する値となる。このような場合には、搬
送ロールの蛇行修正機構が働かなくなりパスラインに沿
って安定搬送することが困難となる。
【0006】このような現象に対処するため、従来は、
例えば、搬送ロールの温度差変形をあらかじめ加味して
凸クラウンを設計する方法も試みられてきた。しかし、
通常の竪型連続焼鈍炉では搬送する鋼帯の幅が概略 500
mm〜1800mmの範囲で変化するため、鋼帯の幅によって温
度差変形の発生状況が異なり、すべての鋼帯の幅に対し
て、座屈を生じず、かつ温度差変形によっても相殺され
ない凸クラウン形状を設計することはできなかったのが
現状である。
【0007】上記問題を解決するために、以下の様な方
法が開示されている。特開昭62−253734号公報
には、鋼帯搬送ロールの両端部に向けて冷却ガスを吹き
付けて搬送ロールの温度差変形を防止しようとする方法
が開示されている。
【0008】特開昭62−256922号公報には、搬
送ロールを受容するロール室内に、鋼帯の温度に対応し
た気体を吹込むようにしたものが開示されている。
【0009】特開昭63−38532号公報には、温度
計を内蔵した鋼帯搬送ロールを受容するロール室内に、
搬送ロールの温度分布に対応した加熱、冷却を行うため
のガス吹込みノズルを設置したものが開示されている。
【0010】特開平2−277727号公報には、搬送
ロールを受容するロール室内壁面の輻射率を0.3以下
の材料で製作して、ロール室壁から搬送ロールへの輻射
伝熱を低減する方法が開示されている。
【0011】特開平4−293734号公報には、複数
の搬送ロールを受容する箱型ロール室内に、新雰囲気ガ
スの一部を吹込んで、ロール室の温度を低下させて搬送
ロールの温度差変形を低減する方法が開示されている。
【0012】一方、本発明者の同僚らは、すでに、実開
昭58−105464号公報において、搬送ロール端部
に冷却ガスを搬送ロールの上面から吹き付けて、温度差
変形を防止する方法を提示している。図3はこのような
従来技術の実施例を示した図である。図3において、1
は鋼帯、2は搬送ロール、15は冷却ガスヘッダ、16
はノズル、17は輻射伝熱抑止板である。この方法では
図3に示すように、搬送ロール2の冷却すべき部分を、
上側から逆U字型の冷却ガスヘッダ15で覆い、冷却ガ
スヘッダに多数配置したノズル16から搬送ロール上面
のほぼ半周にわたってガスを噴出させるものである。さ
らに、炉内からの輻射伝熱量を低減する目的で可動式の
輻射伝熱抑止板17を設置して冷却効果を高めている。
【0013】一方、熱処理のための加熱(予熱)、冷却
の主たる手段あるいは補助手段としてロールに接触又は
巻きかけて加熱又は冷却する熱処理方法がある。これら
の加熱、冷却の補助手段あるいはこれらのロールとの金
属帯の熱変形による局部的接触の不均一による加熱又は
冷却の不均一の矯正、あるいは高温又は常温、低温の金
属帯によるロールの熱変形、ロールが配設されている炉
内の雰囲気温度によるロール端部(金属帯のない部分)
の冷却又は加熱によるロールの熱変形の低減をする技術
であり、例えば、ガスジェットノズルなどで、金属帯又
はロールを加熱又は冷却するものが主体である。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
技術には以下の様な問題点があった。特開昭62−25
3734号公報に記載される技術では、その構造図によ
るとロール室が設置されていないため、高温の炉内雰囲
気ガスが鋼帯に随伴して搬送ロール近傍に流れ込むた
め、搬送ロールの温度分布を一定に保つためには大量の
ガスを吹き付けることが必要で、運転費の上昇を招く問
題があった。また応答性が悪いという問題もあった。
【0015】特開昭62−256922号公報に記載さ
れる技術では、その構造によると、ロール室形状が箱型
であるため、ロール体積にくらべてロール室容積が2倍
程度になり、余分な空間が大きくなる。従って、高温の
炉内雰囲気ガスが鋼帯の搬送に伴ってロール室内に流れ
込んで、ロール室隅によどみやすくなるため、搬送ロー
ルの温度分布を一定に保つためには大量のガスを吹き込
むことが必要で、運転費の上昇を招く問題があった。ま
た応答性が悪いという問題もあった。
【0016】特開昭63−38532号公報に記載され
る技術の方法は、その構造によればロール室形状が箱型
であり、かつ、複数の搬送ロールを受容する構造である
ため余分な空間が大きく、高温の炉内雰囲気ガスが鋼帯
の搬送に伴ってロール室に流れ込んで澱みやすくなるた
め、搬送ロールの温度分布を制御するためには大量のガ
スを循環することが必要で、運転費の上昇を招く問題が
あった。また応答性が悪いという問題もあった。さら
に、温度計を内蔵した搬送ロールの設備費が高いという
問題もあった。
【0017】特開平2−277727号公報に記載され
る技術での輻射伝熱量は輻射面積にも比例するので、ロ
ール室形状が箱型で伝熱面積が大きい現状の方法では、
大きな効果は期待できない。また、搬送ロールへの炉内
高温ガスからの伝熱に大きな割合を占める対流伝熱量、
および炉内高温ガスからの輻射伝熱量を低減する技術で
ないため大きな効果は期待できない。
【0018】特開平4−293734号公報に記載され
る技術での方法によると、ロール室形状が箱型であり、
かつ、複数の搬送ロールを受容する構造であるため余分
な空間が大きく、高温の炉内雰囲気ガスが鋼帯の搬送に
伴ってロール室に流れ込んで澱みやすくなるため、搬送
ロールの温度分布を制御するためには余分な新雰囲気ガ
スを吹込むことが必要で、運転費の上昇を招く問題があ
った。また応答性が悪いという問題もあった。
【0019】実開昭58−105464号公報に記載さ
れる技術における方法では、冷却ガスヘッダや輻射伝熱
抑止板が可動式であるため、制御範囲は広いものの、構
造が複雑である問題があった。さらに、搬送速度が高速
になると、冷却ガスヘッダと搬送ロールとの間隙に流入
する高温の炉内ガス量が増加し、冷却に必要なガス量が
増加するという問題があった。
【0020】一方、ロールによる加熱又は冷却をする場
合の局部的加熱又は冷却をガスジェットノズルで矯正す
る場合は、設備が大型化し、かつ炉内の金属帯又はロー
ルに近接して設けるため、炉内でトラブルが発生した場
合、破損などの問題があった。
【0021】本発明は、以上のような従来技術の問題点
に鑑み、熱処理の加熱ロール、冷却ロール、搬送ロール
など各種ロールの金属帯幅方向の温度差をなくしたり、
加熱、冷却時の金属帯の熱変形による加熱、冷却むらの
軽減を図るための熱処理方法を提供することを目的とす
る。
【0022】
【課題を解決するための手段】上記課題は以下の手段に
より解決される。 熱処理装置内の1以上のロールに対し、金属帯の通
過部分を残して隔壁を設けてロール室を形成し、前記ロ
ール室内の少なくとも一方の側壁に1か所以上の開口を
設けて、この開口から加圧した温度調整用ガスを一定の
周期で間欠的に供給することを特徴とする金属帯の熱処
理方法。 ロール室内に供給する加圧した温度調整用ガスを、
下記の式で与えられる周波数fで間欠的に供給すること
を特徴とした、に記載の金属帯の熱処理方法。
【0023】f=V/L ただし、 f:温度調整用ガスをロール室に供給する周波数(単位
Hz) V:ロール室内のガス中の音速(単位 m/秒) L:ロール室のロール軸方向の炉壁間距離(単位 m)
【0024】
【作用】本発明は、ロール室内雰囲気ガスと各種ロール
又は金属帯との間の対流熱伝達を、特に、鋼帯の幅方向
端部近傍の温度差が発生しやすい部分について効果的に
向上させることにより、ロール及び金属体の温度むらを
低減するものである。本発明の作用を、更に具体的に、
炉内搬送ロールと鋼帯の場合について図2を用いて説明
する。以下の図において、図3と同一部分には同一符号
を付し、説明を省略する。図2において、4は仕切壁、
6は加熱炉側壁、7は温度調整用ガスを供給するための
開口、13は炉天井である。温度調整用ガスを供給する
ための開口7から、加圧したガスを間欠的に供給する
と、ロール室内に圧力変動が生じる。ここで、ガス供給
周波数(f)を、ロール室内のガス中を伝わる音の速さ
(V)を炉の側壁間距離(L)で除した値と等しくする
と(f=V/L)、ロール室内に圧力の定在波が形成さ
れ共鳴音場が生じる。
【0025】図2(A)は、このような共鳴音場が生じ
た場合のロール軸方向のガスの圧力分布を示す図であ
る。ガスの圧力分布は、図における太い実線cと破線d
の間を周波数fで変動する。このとき、(イ)、
(ハ)、(ホ)部分は音場の節となって圧力変動の振幅
が最も大きく、(ロ)、(ニ)部分は音場の腹となって
圧力変動の振幅が最も大きい。
【0026】図2(B)は共鳴音場が生じた場合の圧力
変動に起因するガスの振動振幅分布を示す図である。
(イ)、(ハ)、(ホ)部分は音場の節となって振動振
幅が最も小さく、(ロ)、(ニ)部分は音場の腹となっ
て振動振幅が最も大きい。例えば(ロ)部分では、矢印
に示す方向にガスが周波数fで振動している。ロール室
内にこのような共鳴音場が生じると、(ロ)、(ニ)部
分でのガス振動が促進され温度境界層が薄くなることに
より、図2(C)に示すように、これらの部分でのガス
振動が促進されることにより、鋼帯、搬送ロール、およ
びロール室内ガスとの熱交換が促進され、これらの温度
が近づくことになる。また、ロール室内に供給するガス
の温度を鋼帯の温度にしてやれば、これらの温度はほぼ
鋼帯の温度となり、ロール軸方向の温度偏差が解消され
るのである。すでに述べたように、ロール軸方向の温度
偏差は、鋼帯の幅方向両端部近傍で発生しやすいのであ
るから、本発明のように、鋼帯の幅方向両端部近傍で選
択的に対流伝熱が促進される方法が特に有効である。
【0027】本発明は、ロールによる加熱、冷却の場合
も同様に有効で、ロールおよび又は鋼帯に対して、ロー
ルによる鋼帯の熱変形は鋼帯の端部に多いが、その熱変
形を修正するように端部を加熱又は冷却、あるいは鋼帯
の接していないロール端部を鋼帯の接している部分と同
じように冷却又は加熱するのに効果的である。
【0028】更に好ましくは共鳴音場を形成するには、
ロール室内のガス中の音速を正しく推定する必要があ
り、ロール室内のガスの温度を測定し、測定されたガス
の温度からガス中の音速Vを求めることにより、前記f
=V/Lの式によって、温度調整用ガスをロール室に供
給する周波数fの値が得られ、これより、温度調整用ガ
スの供給を制御すれば、ロール室内に共鳴音場が形成さ
れる。
【0029】また、共鳴音場の形成を直接確認、制御す
る方法として、ロール室内の搬送ロール軸方向の中心部
近傍のガスの圧力変動を測定する手段を有し、測定した
圧力変動が最大となるよう、温度調整用ガスをロール室
に供給する周波数を制御する。これは、本発明では、ロ
ール室内のガスの固有共鳴振動周波数と、ガス供給周波
数との偏差を 1〜2Hz以内に制御しないと共鳴現象を
生じないためであり、具体的には、温度測定値から得ら
れるガス供給周波数で概略値を演算し、その近傍で供給
周波数を変動させて、圧力測定値の振幅が最大になるよ
うにガス供給周波数を微調整する。
【0030】更に、熱処理装置に加熱手段、冷却手段を
配設しない熱処理方法なので、金属帯の破断、設備停止
時の熱変形などもないものである。
【0031】
【実施例】本発明の実施例を図面にもとづいて説明す
る。
【0032】図1は本発明の実施例を示した図である。
以下の図において、図2と同一部分には同一符号を付し
説明を省略する。図1において、3は仕切壁、5は開
口、8はガス供給弁、9はガス供給配管、10はガス温
度計、11は圧力計、12は弁開閉制御演算装置、14
は観察用の覗き窓である。図1(a)において鋼帯1の
搬送方向は図の矢印の通りである。仕切壁3は隣合う搬
送ロールの間に設けられ、仕切壁4は搬送ロールと炉内
部を仕切り、鋼帯1が通過する開口5が開けてある。図
1(b)は図1(a)の矢印方向の断面図である。
【0033】図1において、図には示されていない温度
調整用ガス供給源から、温度調整用ガスとして非酸化性
ガスが、ガス供給配管9に供給されると、弁開閉制御演
算装置12が、ガス温度計10や圧力計11からの信号
を受けて、高速で開閉可能なガス供給弁8の開閉動作周
期を演算し制御する。このようにして非酸化性のガスが
一定の周期で間欠的に供給され、ロール室内に共鳴音場
が形成されて、鋼帯の幅方向両端部近傍での対流伝熱が
促進される。
【0034】本実施例においては、鋼帯1の温度は約 5
00℃で、炉内雰囲気ガス温度は約 700℃である。搬送ロ
ール2には凸クラウンが付与されており、その径は約0.
8mである。隣合う搬送ロールとの中間位置に設けられた
仕切壁3、および搬送ロールの炉内側に設けられた仕切
壁4は耐火物で製作されている。仕切壁4に設けられた
開口5の幅は150mm で奥行きは炉幅と同じである。非酸
化性ガスを供給するための開口7は炉の片側の側壁にの
み設置されているが、両側に設置してもよい。非酸化性
ガスは、窒素ガスに水素ガスを混合したもので、炉内ガ
ス成分と同じ成分のものを、図には示していない場所で
製造し、かつ炉内から抽出したガスと混合させて約 500
℃の温度にて、加圧、供給している。ガス温度計10は
搬送ロールの中央上部の炉の天井部に設置されており、
圧力計11は受圧部を水冷構造とし、ガス温度計10と
ほぼ同じ位置に設置されている。なお、本実施例の炉幅
は約2.5mである。
【0035】図4は、図1におけるガス供給弁8の構成
を示す図である。図4において、図1と同一部分には同
一符号を付し説明を省略する。図4において、18はモ
ーター、19は回転円盤、20は穴である。回転数可変
のモーター18に取り付けた回転円盤19に穴20が設
けられ、ガス供給配管9をその前後に近接した構造と
し、全体をシールした構造としている。このような構造
とすることにより、モーターの回転数を変えることによ
り、ガス供給周波数を変えることが可能となる。すなわ
ち、図1に示す弁開閉制御演算装置12が、ガス温度計
10や圧力計11からの信号を受けて、モーター18の
回転数を演算し、制御している。
【0036】本実施例においては、一本の搬送ロールに
対してロール室が設けられているが、複数本の搬送ロー
ルに対して一つのロール室を設けることも可能である。
【0037】本発明を適用したロール室に非酸化性ガス
を一定流量で流し続けた条件で、幅1800mmの鋼帯を400m
/minの速度で通板したところ、覗き窓から、鋼帯の蛇行
が観察された。この状態で、覗き窓から放射温度計を用
いて鋼帯と搬送ロールの温度を測定したところ、鋼帯端
部近傍で60〜80℃の温度差が測定された。そこで、同じ
鋼帯搬送条件を保ちつつ、非酸化性ガスを毎秒 300回の
割合で供給したところ、この温度差が10〜20℃まで減少
することが確認された。なお、平均したガス供給流量は
前者の場合と同じにしてある。また、この場合には、鋼
帯の蛇行も発生していない。さらに、圧力計で測定され
た圧力変動をオシロスコープで観察したところ、圧力変
動の最大振幅は100mm 水柱以上もあり、これは、炉内圧
力 5〜10mm水柱に対して非常に大きな値であり、共鳴音
場が形成されたことを示すものであると理解される。な
お、この時、加熱炉近傍では、300Hz の音が僅かに聞こ
えるが、その大きさは、他の騒音に比べて大きなもので
はない。
【0038】同様に、冷却帯の搬送ロールにも、ロール
による加熱又は冷却の熱処理方法にも、温度調整用ガス
の温度を変えて適用できる。また、鋼帯を主体に述べた
が、あらゆる金属帯に適用できるものである。
【0039】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば熱処理の
各種ロールの温度差変形が減少し、ロールの適性なクラ
ウンが維持でき、あるいは金属帯の不均一加熱、冷却が
軽減でき、それらのために炉内での金属帯の蛇行や破断
回数も減少して、製品の品質向上のみならず生産性の向
上にも寄与する効果がある。更に、加熱手段、冷却手段
を配設しない方法であるので、金属帯の破断、設備停止
時の熱変形も発生しない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す図
【図2】本発明の作用を示す図
【図3】従来技術による実施例を示す図
【図4】本発明におけるガス供給弁の構成を示す図
【符号の説明】
1 鋼帯 2 搬送ロール 3、4 仕切壁 7 開口 8 弁 10 ガス温度計 11 圧力計

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理装置内の1以上のロールに対し、
    金属帯の通過部分を残して隔壁を設けてロール室を形成
    し、前記ロール室内の少なくとも一方の側壁に1か所以
    上の開口を設けて、この開口から加圧した温度調整用ガ
    スを一定の周波数で間欠的に供給することを特徴とする
    金属帯の熱処理方法。
  2. 【請求項2】 ロール室内に供給する加圧した温度調整
    用ガスを、下記の式で与えられる周波数fで間欠的に供
    給することを特徴とした、請求項1に記載の金属帯の熱
    処理方法。 f=V/L ただし、 f:温度調整用ガスをロール室に供給する周波数(単位
    Hz) V:ロール室内のガス中の音速(単位 m/秒) L:ロール室のロール軸方向の炉壁間距離(単位 m)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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