JPH0834746B2 - インク組成物 - Google Patents

インク組成物

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JPH0834746B2
JPH0834746B2 JP61291388A JP29138886A JPH0834746B2 JP H0834746 B2 JPH0834746 B2 JP H0834746B2 JP 61291388 A JP61291388 A JP 61291388A JP 29138886 A JP29138886 A JP 29138886A JP H0834746 B2 JPH0834746 B2 JP H0834746B2
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    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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    • C09D11/00Inks
    • C09D11/30Inkjet printing inks
    • C09D11/38Inkjet printing inks characterised by non-macromolecular additives other than solvents, pigments or dyes

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はインクジェット・プリンタ等に用いられるイ
ンク組成物に関し、特に酸性の水性インク組成物に関す
るものである。
〔従来技術とその問題点〕
従来より、インクジェット・プリンタ等に水性インク
を使用することは周知であった。このようなインク組成
物は比較的安価であり、製造が容易であった。代表的に
は、このインク組成物は水と、通常、ジエチレングリコ
ール等のグリコール・エーテルと染料とから成る。一般
に、上述の水とグリコール・エーテルとは、通常、同じ
比率で混在し、例えば、フッド・ブラック2(food bla
ck2)は、所望の印刷濃度により、全組成物の約6%以
内で混在する。
しかしながら、水性インク組成物に関係する重大の問
題として、このインク組成物は、或る期間を過ぎると固
まる傾向があり、最後には印刷時にインク滴を発射する
プリンタ機構のオリフィス(orifice)を詰まらせてし
まう場合があった。このオリフィスが閉塞する(crusti
ng over)問題はインク溶媒(ベヒクル,vehicle)から
水が蒸発し、続いてこの水が失われた結果として実質的
に不溶性となった染料が沈澱することから生ずる。ま
た、水素指摘、pHがおよそ7より低くなれば、すなわ
ち、インク組成物が酸性になれば、アニオン染料が沈澱
する傾向が生ずる。つまり、pHが低くなればこのような
染料が沈澱する可能性が大きくなる。
閉塞の問題を解決するため、幾つかの試みがなされ
た。吸湿剤を加え、空気中の水蒸気分子と吸着する性質
を用いて、インク組成物の水が蒸発する割合を減少させ
た。このような吸湿剤の例として水溶性重合体、アルカ
ノールアミン、アミド、および多価アルコールがある。
これらの吸湿剤により幾分の改善は実現したが、閉塞
問題における総合的解決は未だ達成されていない。更
に、酸性の水性インク組成物中にこれらのアニオン染料
(酸性染料)の沈澱物を防ぐ方法は明らかに知られてい
なかった。
〔発明の目的〕
本発明の目的は、上述の閉塞問題を最小化するインク
組成物を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、水の蒸発が最小化されたイ
ンクジェット・プリンタ用の水性インク組成物を提供す
ることにある。
本発明の他の目的は、ベヒクルに対する染料の溶解度
が増加されたインクジェット・プリンタ用の水性インク
組成物を提供することにある。
本発明の他の目的は、酸性媒体に対するアニオン染料
の溶解度が増加されたインクジェット・プリンタ用の水
性インク組成物を提供することにある。
〔発明の概要〕
本願発明に係るインク組成物は、(a)約5から95%
の水とこれと平衡を保つ少なくとも1種類のグリコール
・エーテルから成るベヒクルと、(b)該ベヒクル溶液
の約10%以内の量で混在する染料と、(c)アルカノー
ル・アンモニウム化合物(alkanol ammonium compoun
d)と陽イオンアミド化合物(cationic amide compoun
d)を含む基である陽イオン化合物を含み、染料の有す
る少なくとも1個の負電荷をもつ官能基に対して該陽イ
オン化合物の1分子が少なくとも存在せしめる酸性のイ
ンク組成物である。特に記載しない限り、組成率は重量
で表わす。
尚、本願発明と同日に提出した「インク組成物の製造
方法」には、本発明記載のインク組成物の製造方法につ
いて詳述している。
〔発明の実施例〕
本発明に係るインク組成物は水性ベヒクルと染料とを
含む。吸湿性可溶性陽イオンをインク組成物に加えるこ
とによって、インク組成物中の水の蒸発を減少させ、水
性系ベヒクル、特に酸性媒体への染料の溶解度を増大さ
せる。インク組成物のpHは酸性領域、すなわちおよそ7
より低く保つ。
インク組成物のベヒクルは水と少なくとも一種類のグ
リコール・エーテルが含まれる。このグリコール・エー
テルは、好ましくは、H〔0(CnH2n)〕m−OHで表わ
され、ここでnは1から3までの整数、mは1から4ま
での整数である。本発明の実施に好適なグリコール・エ
ーテルの例としては、ジエチレングリコール、トリエチ
レングリコール、およびポリエチレングリコール等があ
る。水はベヒクル総量に対し、約5から95%の範囲の量
で存在し、グリコール・エーテル或いは、エーテルで平
衡(balance)が保たれる。ベヒクルは約50%の水とグ
リコール・エーテルとから成ることが好ましい。
このベヒクルに最大約10%の染料、好ましくはアニオ
ン染料(時には酸性染料と呼ばれることがある)を加え
る。加える染料の量は以下の選択条件における関数であ
り、ベヒクルに対する染料の溶解度(これにより染料濃
度の上限が決まる)と所望の印刷時におけるインク濃度
(これにより染料濃度の下限、一般に約0.5%である、
が決まる)とによって大幅に変る。この時点におけるイ
ンク組成物の約6%が染料で構成されることが好まし
い。
本願発明に適合する染料は、一分子当たり少なくとも
一つの負電荷を持つ官能基を有する有機分子である。ス
ルホン酸塩(SO3 -)基は本発明の実施により特に効果的
であるので、このような基を有する染料が望ましい。こ
の観点から便利な染料は、一分子当たり4つのスルホン
酸塩基を有するフッド・ブラック(FB2)である。スル
ホン酸塩基の負電荷は最も一般的には陽性のナトリウム
イオン(Na+)が混在することにより中和される。以下
に詳述するように、酸性媒体におけるアニオン染料の溶
解度は本発明を用いることによって、大きくなるので、
他のアニオン染料も使用することもできる。
ここに開示したインク組成物に利用できる他のアニオ
ン染料の例としては、ダイレクト・レッド9(direct r
ed 9)、ダイレクト・レッド227(direct red 227)、
アシド・ウェロー23(acid yellow 23)、ダイレクト・
イェロー86(direct yellow 86)、アシド・ブルー9
(acid blue 9)、ダイレクト・ブルー86(direct blue
86)、およびアシド・ブルー185(acid blue 185)が
ある。このようなアニオン染料はすべてスルホ酸塩の官
能基を含んでおり、本発明のようにしない場合は酸性媒
体に溶けず、pHが下がるにつれて沈澱する傾向がある。
本発明に係るインク組成物はアルカノール・アンモニ
ウム化合物(alkanol ammonium)陽イオンアミド化合物
(cationic amide)の群から選択した陽イオン化合物を
含む。アルカノール・アンモニウム陽イオンは一般式、
NH+RR′R″で表わされ、ここで置換基R,R′およびR″
のうち少なくとも一つは1個から5個までの炭素原子を
含む炭素鎖を備え、その炭素鎖の少なくとも一つの炭素
原子と結合するアルコール基(−OH)を有する。1つあ
るいはそれ以上の置換基が、アルカノール基でない時
は、置換基はアルキル基を含んでよい。陰イオンは一般
に塩化物(Cl-)であるが、他の陰イオンもアルカノー
ル・アンモニウム化合物を生成するのに使用してよい。
実際、逆浸透膜を通して効果的に輸送できるかぎり、ど
んな陰イオンも好適に利用することができる。このよう
な他の陰イオンの例では硫酸塩(SO4 -2)、硝酸塩(NO3
-)、アセチル(CH3CO2 -)、およびリン酸塩(PO4 -3
等がある。
炭素原子は5個まで許容されるが、これより多く炭素
を含む置換基は染料の可溶化である本願発明の目的を無
効にする傾向がある。更に、与えられた置換基内の各炭
素原子に少なくとも一つのアルコール基を結合させて
も、多価アルコールは低価アルコールより粘性が高いの
で、たとえば、ジオールの方がトリオールより好まし
い。最終インク組成物の粘度は25℃で約50cp以下に保つ
べきである。
本発明の実施に好適なアルカノール・アンモニウム陽
イオンの一例は化学式HN+(C2H5OH)(ここで、R=
R′=R″=C2H5OH)で表わされる、トリエタノールア
ンモニウム陽イオンである。これよりこのトリエタノー
ルアンモニウム陽イオンをTEAH+と呼ぶ。本発明に係る
インク組成物の陽イオン群を例示するこの陽イオンは、
染料のスルホン酸塩基と結合するナトリウム陽イオンを
アルカノール・アンモニウム陽イオンと交換することに
なり染料の可溶特性を増加させる。
本実施例に用いられるアルカノール・アンモニウム化
合物はその吸湿性によりインク組成物の水の損失を減少
させる。更に、アルカノール・アンモニウム化合物は、
アミノ陽イオンのプロトン化によって、染料を酸性媒体
中に可溶状態にさせる。本実施例で好適に用いられるア
ルカノール・アンモニウム陽イオンの他の例としてはジ
エタノール・アンモニウム陽イオンとモノエタノール・
アンモニウム陽イオン等がある。陽イオンアミド化合物
をアルカノール・アンモニウム化合物の代りに使用する
こともできる。陽イオンアミド化合物の一般式は次の通
りである。
R−C(O)−NH3 好適な陽イオンアミド化合物の一例は以下の分子式で
表わされるプロトン化されたホルムアミドである。
HC(O)−NH3 + 以下に詳述するアミド陽イオンとアルカノール・アン
モニウム陽イオンの群を二官能アミド陽イオン(bifunc
tional amide cations)と称する。
インク組成物のpHが上述の二官能陽イオンのプロトン
化を妨げるほど充分高くなると、アニオン染料は、この
陽イオンと十分に結合しなくなってしまう。これにより
陽イオンによる染料の溶解度を向上させる効果が弱ま
る。したがって、インク組成物のpHは約7の値より低く
しておくのが望ましい。上述のインク組成物は、それ以
上考慮することなく、ほとんどの型式のインクジェット
・プリンタに使用するのに適している。ただし、熱イン
クジェット・プリンタについては、以下に述べることを
考慮することが必要である。前述したように、FB2には
4個のスルホン酸塩基の原子団がある。4個のスルホン
酸塩原子団全てに結合する4個のナトリウム陽イオン全
てが、二官能アミド陽イオンと置換されれば、コゲーシ
ョン(Kogation)として知られている現象が起る。コゲ
ーションは、熱インクジェット印刷に特有な新造語であ
り、これは、インクの泡を用紙サブストレートに向って
“発射”する再に使用する高温抵抗器により高温度に加
熱することから染料の分解が生ずる現象のことをいう。
コゲーションは多数の変数によって大幅に変化するが、
その変数の一つにはTEAH+とFB2を用いる陽イオン置換の
度合がある。他の陽イオン、染料とベヒクルおよび他の
操作条件は陽イオン置換に対するコゲーションの依存度
に影響する。
FB2の場合、ほぼ等量のナトリウム陽イオンとトリエ
タノール・アンモニウム陽イオン(TEAH+)において、
コゲーションを、受入れることが可能である。コゲーシ
ョンはNa+イオンとTEAH+イオンの比が0:4のとき最もよ
く見られ、4:0のときはあまり見られない。コゲーショ
ンはTEAH+/FB2系に対して約3:1あるいはそれ以下の比の
とき許容可能であることがわかっている。このように、
染料の分子あたり少なくとも一つのナトリウム陽インオ
ンを二官能アミド陽イオンと置換すべきであるが、分子
あたり四つのナトリウム陽イオン全てを好ましくは、置
換さない方がよい。
本発明に従って製造するインク組成物は逆浸透(限外
ろ過)(reverse osmosis,ultrafilteration)を用いて
製造するのが望ましい。イオン交換方法を利用してもよ
いが、このような方法はかなりの労力が費やされ、そし
て、ナトリウムイオンとイオン交換を行うために極めて
膨大な量の二官能アミド陽イオを必要とする。
簡潔に述べれば、本願発明の好適な実施例では、塩酸
HCl等により提供される酸性媒質中で、二官能アミン陽
イオンと塩化物アニオン(TEAH+Cl-)が含まれるアニオ
ン染料の溶液を生成し、そして、逆浸透をおこなうこと
により、過剰のナトリウム・イオンと塩化物イオンが逆
浸透装置の重合体膜を通過する。周知のように、膜を通
過する材料を「透過物」(permeate)と言い、後に残る
ものを「濃縮物」(concentrate)と言う。濃縮物は逆
浸透膜を通して反復循環させ染料分子のナトリウム陽イ
オンを二官能アミン陽イオンと置換する。必要に応じて
水を添加する。水に溶解する染料の溶液は、FB2のよう
な市販の染料は不純物として塩化ナトリウムや硫酸ナト
リウムを含んでいることにより、ナトリウム陽イオンの
濃度が減少するようにあらかじめ逆浸透方法を考慮して
もよい。
前述のインク組成物に用いる逆浸透方法では、伸縮物
は染料陰イオン/ナトリウム陽イオン、二官能アミン
(たとえば、トリエタノール・アンモニウム陽イオン/
塩化物陰イオン)、ナトリウム陽イオン/塩化物陰イオ
ン、および水を含んでいるが、浸透物は主としてナトリ
ウム、イオンと塩化物イオン、水と濃縮物にあらかじめ
含有されていた微少量の他イオンを含んでいる。逆浸透
方法は染料の濃度が濃縮物に1以上のグリコール・エー
テルを加えれば、上述のように、所望のインク組成物
(水、グリコール・エーテル、染料および二官能アミ
ド)に生成されるまで続ける。次にpHを、たとえば塩
酸,HCl等を用いてさらに酸性に、あるいは,たとえば水
酸化ナトリウム,NaOH等を用いてよりアルカリ性になる
ように適度に調節する。ただし、いずれにしても、先に
説明したように、pHは約7より低く保っておく。
逆浸透方法では、圧力を加えて不必要なものを膜を通
して追い出す。この膜は代表的には、Osmonics社製の
(ミネソタ州、ホプキンス(Hopkins))Super 50」等
の酢酸セルローズ等の重合体か、あるいは、De−Sal社
製の(カリフォルニヤ州エスコンディド(Escondido)
G−50等のポリスルホン等である。
印加する圧力は約1.38×105から約1.38×106Pa(1psi
=6.8947×103Pa)またはそれ以上の範囲である。ただ
し、圧力が高ければ効率も高くなるが(少なくとも一つ
のナトリウム陽イオンを少なくするとも一つの二官能ア
ミド陽イオンと置換させる処理の終了時に残留する染料
の量を測定することによって決定される)より高い圧力
は、また、染料分子をも分子フィルタを通過させる傾向
がある。このように、圧力は所望の染料保持効率と必要
な処理時間とによって変えることができる。これらを考
慮することによって、染料がFB2で、二官能アミドがト
リエタノール・アンモニウム陽イオンであるとき約4.14
×105から約5.52×105Paまでの範囲の圧力を利用するこ
とが望ましい。
逆浸透方法では、最初の装入は、市販のFB2に不純物
として入っているごく微少量のナトリウム含有化合物の
存在によるナトリウム陽イオン,Na+を最小化するためFB
2等の染料と水とから構成される。逆浸透処理は少なく
とも約1時間、好ましくは約3時間行なわれる。上述の
圧力変数がここで効力をあらわすので、時間と圧力とは
染料と所要効率とによって決まることになる。
二官能アミド陽イオン、たとえば、TEAH+を次に添加
してpHを約7より低くし、望ましくは約3にする。TEAH
+の比は前述したことに基く。これらの考察と矛盾しな
い好適な開始時の比はNa+濃度の約1.25から1.5倍であ
る。必要に応じて水を時々追加し、処理過程で失われた
分を補う。再び、前述の圧力と時間との考え方がここで
も同様に効力をあらわす。一般には、時間は約15から20
時間である。
塩化物のアルカノール・アンモニウム群と組合せて使
用するには適切な陰イオンであり、塩酸はpHを下げるた
めに用いるのに好適である。最後に、染料を逆浸透処理
で濃縮する。染料の濃度は、グリコールを加えることに
よって、インク中の染料の所望最終濃度を得る。濃縮処
理の所要時間は通常約1時間未満である。
逆浸透処理から組成物を取り出してから、上述するよ
うに、所望のグリコールを組成物に加えて本願発明に係
る組成物を生成する。必要に応じてインク組成物のpHが
約7より低くなるようにpHを調節する。上述の処理は、
全て、室温で便利に操作される。
実施例 染料をNa4 +塩から〔(EtOH)3NH〕4 +塩へ染料フッド
・ブラック2FB2の転化を以下のように行なった。
Na+イオンの、(EtOH)3NH+で表わされるトリエタノ
ール・アンモニウム陽イオンとの現場交換(in−situ e
xchange)は、Osmonic600M.W.逆浸透膜を用いて行っ
た。脱イオン水の6%FB2溶液からNa+Cl-塩を除去したN
a+およびCl-イオンの濃度を観察し、イオン濃度がこれ
らイオンと染料のモル比が約2:1になるまで続けた。こ
の処理の所要時間は約1時間であった。
この時点で、染料は、約50%の対イオンがNa+とな
り、残りがH+という構成であることは明らかである。こ
の染料構造の確認はNa+イオン専有の電極を用いてNa+
オンと染料との化学量論比を比較して行った。モル比が
約2:1になると、化学量論的に過剰のトリエタノール・
アンモニウム化合物をさらに加え、〔(EtOH)3NH〕
と染料の比を約5:1とした。この付加に続き、溶液のpH
をHClを用いて約3に調節した。
KH=8×10-9に基づき、〔(EtOH)3NH〕と(EtO
H)3Nの比は以下の式より約105:1に計算された。
((EtOH)3Nは、トリエタノールアミンであり、以下、
TEAで示す。) Kb=1.25×10-6=〔OH-〕〔TEAH+〕/〔TEA〕 KH=8.00×10-9=(〔H+〕〔TEA〕/〔TEAH+〕) ×(〔TEAH+〕/〔TEA〕) =〔H+〕/8.00×10-9 前述の方法は、トリエタノール・アンモニウム化合物
の全てをイオン化し、対イオンとして利用できることを
保証した。このトリエタノール・アンモニウク化合物の
付加の直後にNa+とCl-イオン濃度が共に増加された。Cl
-イオン濃度の増加はTEAH+Cl-の存在あるいはpHの調整
に用いられるHClの付加によるものである。Na+イオン濃
度の増加は、染料と結合していたNa+イオンが〔(EtO
H)3NH〕とFB2陰イオンとの競争イオン結合(competi
tive ionic exchange)により「遊離」したことと考え
られる。逆浸透処理はこれらイオンと染料のモル比が再
度2:1になるまで行った。
しかしながら、第1の精製段階に反して、この第2の
精製段階では〔(EtOH)3NH〕によるNa+イオンの陽イ
オン交換のため、Na+とCl-イオンのオフセット濃度を低
くした。この方法は、実質上すべてのNa+イオンを除去
する十分な分離が行われるまで所望の回数だけ繰返すこ
とができる。実際的には、時間制約の経済学から繰返し
数が抑制される。本実施例では、Na+イオンとFB2のモル
比が1:1.4,Cl-イオンとFB2のモル比が1:333になたとき
逆浸透方法を終了した。
続いて、置換された塗料を含む溶液から、染料濃度が
分光器(visible spectroscopy)等を用いて12重量%に
なるまで、水を抽出した。(これは、逆浸透方法を用い
て濃縮物から水を連続して抽出することにより行っ
た。)等量(重量)のジエチレングリコールDEGを濃縮
溶液に加え、最終的な置換染料濃度を6%にするととも
に50%DEG−50%水のベヒクルを得た。
表1には、前述にしたがって、ナトリウム・イオンを
TEAH+(トリエタノールアンモニウム陽イオン)と様々
な度合に置換された種々の濃度のFB2(フードブラック
2)染料と数種類のベヒクルのインクに関するコゲーシ
ョンと閉塞のデータが示されている。表1では、濃度は
モル濃度で示されているが、例えば、Na+ 4FB2染料のモ
ル濃度が0.073は6%の濃度と等しい。実験で生成した
すべてのインクのpHは、約6と7のあいだに維持した。
4個のスルホン酸基に結合している4つのトリエタノ
ール・アンモニウム陽イオンを有するフドーブラック2
(TEAH+ 4FB2)は、4個のスルホン酸基に結合している
ナトリウム・イオンを有するもの(Na+ 4FB2)と比べ
て、オリフィスの閉塞に関して優れた改善がみられる。
一般に、オリフィスの閉塞の実験結果から、極性の低い
陽イオンがNa+と置換しやすい傾向が示されている。事
実、モノエターノルアンモニウム陽イオンとトリエタノ
ールアンモニウム陽イオンとの間には、実質的な差が見
られた。
溶解度曲線は、水とジエチレングリコールの混合液の
方がトリエタノールアンモニウム陽イオンの溶解度が向
上していることが示されている。このように溶解度の向
上によって、オリフィスの閉塞の改善に寄与しているこ
とが明らかだが、主に陽イオンの水酸化物部分によって
トリエタノールアンモニウム化合物は、相当な量の吸湿
性を提供することに注目されたい。水に対する染料が有
する親和性がかなり高く、これにより、乾燥した染料粉
末は、周囲の相対湿度30%の環境に1時間未満露出させ
ると、タール状になる。
従って、本願発明では、染料の沈澱によってオリフィ
スが詰まることのないインクジェット・プリンタ等に使
用されるインク組成物を提供する。本発明は、アルカノ
ールアンモニウム化合物と陽イオンアミド化合物を含む
基より選ばれる陽イオン化合物を使用し、染料が沈澱す
ることなく、低pHの溶媒内のカチオン染料を含有するイ
ンク組成物を提供する。
以上の説明より、本発明を多くの変更態様とすること
は、当業者によって容易である。本発明の趣旨に外れる
ことのないこれらの変更は、全て、本発明の特許請求の
範囲で遂行できるものである。
〔発明の効果〕
以上詳述する本願発明では、プリンタのオリフェスを
詰まらせる等、凝固することなく、インク組成物中の水
の蒸発損失を減少させ、さらにアニオン染料の酸性媒体
に対する溶解度がアルカノール・アンモニウム陽イオン
またはアミド陽イオンが存在することにより従来より増
大したインク組成物を容易に得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水と少なくとも1種のグリコール・エーテ
    ルからなるベヒクルと、 前記ベヒクルの0.5から10重量%の量で混在する、1分
    子あたり少なくとも1個の負電荷をもつ官能基を有する
    染料とからなるインク組成物であり、 前記染料の負電荷をもつ官能基は、プロトン化されたア
    ルカノールアンモニウム・イオンおよびプロトン化され
    たアミド・イオンからなる群より選ばれた陽イオンとイ
    オン結合しており、pHが7以下に維持されることを特徴
    とするインク組成物。
  2. 【請求項2】前記グリコールエーテルは次の化学式で表
    されるものであることを特徴とする特許請求の範囲第1
    項記載のインク組成物。 H[O(CnH2n)]mOH ここで、nは1から3の整数であり、mは1から4の整
    数である。
  3. 【請求項3】前記グリコールエーテルは、ジエチレング
    リコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリ
    コールからなる群から選ばれたものであることを特徴と
    する特許請求の範囲第2項記載のインク組成物。
  4. 【請求項4】前記染料は少なくとも一つのスルホン酸基
    を含むアニオン染料であることを特徴とする特許請求の
    範囲第1項記載のインク組成物。
  5. 【請求項5】前記プロトン化されたアルカノールアンモ
    ニウム・イオンは次の化学式で表されるものであること
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のインク組成
    物。 HN+PR′R″ ここで、置換基R,R′R″のうち、少なくとも一つが1
    から5個の炭素原子を有する炭素鎖からなり、前記炭素
    原子の少なくともひとつの炭素原子がアルコール基と結
    合しているアルカノール基であり、その他の置換基はア
    ルキル基である。
  6. 【請求項6】前記アルカノールアンモニウム・イオンは
    次の化学式で表されるトリエタノールアンモニウル陽イ
    オンを含むことを特徴とする特許請求の範囲第5項記載
    のインク組成物。 HN+(C2H5OH)
  7. 【請求項7】前記プロトン化されたアミド・イオンは、
    次の化学式で表されるホルムアミド陽イオンを含むこと
    を特徴とする特許請求の範囲第1項記載のインク組成
    物。 HC(O)−NH3+
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