JPH08340600A - 音響再生装置 - Google Patents

音響再生装置

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JPH08340600A
JPH08340600A JP7170331A JP17033195A JPH08340600A JP H08340600 A JPH08340600 A JP H08340600A JP 7170331 A JP7170331 A JP 7170331A JP 17033195 A JP17033195 A JP 17033195A JP H08340600 A JPH08340600 A JP H08340600A
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surround
characteristic
audio signal
movie
software
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松 正 幸 岩
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 映画ソフトを一般家庭で再生する時に、容易
に聴感上フラットな特性を得る。 【構成】 映画ソフトの再生音声信号は、イコライザ2
8,30で周波数特性が補正される。イコライザ28,
30の振幅特性は、2kHzを起点として高域に向かい
直線的に減衰して10kHzで−2dB±1dBとなる
特性が標準特性として設定されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、映画館で再生される
ことを前提として制作された映画ソフトのサウンドトラ
ック音を一般の家庭環境で再生するための音響再生装置
に関し、容易に聴感上フラットな特性を設定し得て、も
ってこれら映画ソフトのサウンドトラック音をより再最
な周波数特性バランスで聴取できるようにしたものであ
る。
【0002】
【従来の技術】映画館で上映される映画のサウンドトラ
ック作り(サウンドデザイン)は、実際の映画館と同等
に作られた専用スタジオ(ダビングステージ)で実際に
音を聞きながら行なわれる。サウンドデザインにおいて
は、実際の映画館で再生した時に、観客が聴感上フラッ
トな周波数特性であると感じられるように音作りするこ
とが要求される。ところが、フラットな特性で収録した
音声信号をそのまま映画館のような広い会場で再生する
と、計測器等による実測ではフラットな特性が得られて
も、聴感上は、高域がより強調されて高域特性が上昇し
たかのように聞こえる現象が生じる。これは、広い会場
では音源が人間から遠くにあり前方からの直接音に加え
て側方からの反射音の比率が増加しかつ全体的に拡散さ
れたような音場となるためである。すなわち、人間の耳
は、その構造上、耳穴にストレートな方向からの音に対
しては高域感度が上昇するため、直接音とほぼ対等の状
態でこの高域感度の高い方向からの反射音が相対的に増
えてくれば、当然高域が耳につくようになるのである。
また、家庭環境で聞く場合には手元にスピーカがあり音
源が近いので、ほとんど直接音が支配的となってしま
い、上述した映画館での再生のような高域上昇はほとん
ど生じない。共通のソース音として利用されることを考
慮すれば、映画館で再生したときと家庭環境で再生した
ときのいずれの場合でも同様に聴取できるようにするた
めの工夫が必要となる。
【0003】そこで手元のスピーカで聞くフラットなソ
ース音と映画館のような広い会場での設備の音を切り替
えて聞いてこれらが同等に聞こえるようにするために、
映画館会場では経験的にハウスカーブと呼ばれる高域の
落ちた特性に補正することが行なわれていた。これがそ
のISO−2969として制定された映画館の音響特性
に関するXカーブ(図2参照)と呼ばれるものである。
このISO−2969に基づいて、ダビングステージお
よび実際の映画館は実測した周波数特性がXカーブとな
るように設計され、そこで音作りされたソフトは、映画
館で再生すれば聴感上フラットな特性(ただし計測器で
実測すればXカーブに従って高域が減衰した特性)が得
られるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】現代の映画館、また同
時に、サウンドデザインされる場所であるダビングステ
ージは、上述したXカーブが制定された頃に比べて、残
響時間が短くなっている。本来、Xカーブは残響時間が
長い、すなわち拡散音場の比率が多い空間では、より多
くの高域周波数での減衰を必要とすることを規定してい
るが、このことは、逆に残響時間が短い空間では高域周
波数の減衰はより少なくすべきことを意味している。し
かし、Xカーブ制定時には現代ほど残響時間の短くなる
ことまではほとんど想定されておらず、その結果、IS
O−2969に基づいたXカーブは、平均的に見ると、
現代の映画館およびサウンドステージにとって高域の落
ちすぎたものとなっている可能性が高い。ただし、映画
館とサウンドステージとはいずれも同様の環境にあり、
また適用されるXカーブも同じものであるため、映画館
における再生に関する限りは、サウンドステージで音作
りされた意図どおりの再生が可能であって、表面的には
何らの問題も生じない。
【0005】しかし、映画館のような拡散音場ではな
い、家庭環境空間での再生時には問題が生じる。すなわ
ち、サウンドステージでは上述のXカーブに基づいて高
域が減衰された状態で、聴感上フラットに聞こえるよう
に音作りがなされるわけであるが、この時このサウンド
ステージにおける拡散音場の比率、すなわち側方反射音
の量は、当該Xカーブで補正しようとする高域上昇を実
現するほどには大きくはなく、この状態で、ソース音を
フラットな特性で再生すると、サウンドステージにおけ
る聴感上は高域が未だ少ないように聞こえるため、音作
りの段階でこれがフラットに聞こえるように高域が持ち
上げられる。この結果、制作されたサウンドトラック音
は、本来のフラットな特性に比べて高域がより強調され
たものになってしまうのである。このようなサウンドト
ラック音を一般の家庭環境で再生すると、その高域の強
調分がほぼそのまま現れてしまい、不自然なものとな
る。
【0006】この発明は、前記従来の技術における問題
点を解決して、映画館で再生されることを前提として制
作された映画ソフトのサウンドトラック音を一般の家庭
環境で再生する時に、容易に聴感上フラットな特性を設
定し得て、もってこれら映画ソフトのサウンドトラック
音をより最適な周波数特性バランスで聴取できるように
した音響再生装置を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
映画館で再生されることを前提として制作された映画ソ
フトの再生音声信号が入力される入力端子と、この入力
端子からの映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補
正するための専用の等価回路であって、その振幅特性が
2kHzを起点として高域に向かい直線的に減衰して1
0kHzで−2dB±1dBとなるような等価特性を有
する等価フィルタ手段とを具備してなるものである。
【0008】請求項2記載の発明は、映画館で再生され
ることを前提として制作された映画ソフトの再生音声信
号またはその他の映像もしくは音響ソフトの再生音声信
号が入力される入力端子と、前記映画ソフトの再生音声
信号の周波数特性を補正するための専用の等価回路であ
って、振幅特性が2kHzを起点として高域に向かい直
線的に減衰して10kHzで−2dB±1dBとなるよ
うな特性を有する等価フィルタ手段と、映画ソフトの再
生を指示する映画ソフト再生指示操作手段と、この映画
ソフト再生指示操作手段によって映画ソフトの再生が指
示された時は前記入力される再生音声信号に対し前記等
価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタによる周波
数特性の補正を行なうように初期設定するとともに、映
画ソフトの再生が指示されていない時は前記等価フィル
タ手段を介挿しないで当該周波数特性の補正を行なわな
いように初期設定する制御手段とを具備してなるもので
ある。
【0009】請求項3記載の発明は、映画館で再生され
ることを前提として制作されかつサラウンドエンコード
された映画ソフトの再生音声信号またはその他の映像も
しくは音響ソフトの再生音声信号が入力される入力端子
と、前記映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補正
するための専用の等価回路であって、振幅特性が2kH
zを起点として高域に向かい直線的に減衰して10kH
zで−2dB±1dBとなるような特性を有する等価フ
ィルタ手段と前記入力された再生音声信号をサラウンド
デコードするサラウンドデコーダと、サラウンドデコー
ドを指示するサラウンドデコード指示操作手段と、この
サラウンドデコード指示操作手段によってサラウンドデ
コードが指示された時は前記入力される再生音声信号に
対し前記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタ
による周波数特性の補正を行なうように初期設定すると
ともに、サラウンドデコードが指示されていない時は前
記等価フィルタ手段を介挿しないで当該周波数特性の補
正を行なわないように初期設定する制御手段とを具備し
てなるものである。
【0010】請求項4記載の発明は、映画館で再生され
ることを前提として制作されかつサラウンドエンコード
された映画ソフトの再生音声信号またはその他の映像も
しくは音響ソフトの再生音声信号が入力される入力端子
と、前記映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補正
するための専用の等価回路であって、振幅特性が2kH
zを起点として高域に向かい直線的に減衰して10kH
zで−2dB±1dBとなるような特性を有する等価フ
ィルタ手段と前記入力された再生音声信号をサラウンド
デコードするサラウンドデコーダと、前記入力された再
生音声信号がサラウンドエンコーダされた信号か否か検
出するサラウンドエンコードソフト検出手段と、このサ
ラウンドエンコードソフト検出手段によってサラウンド
エンコード信号の入力が検出された時は当該入力信号に
対し前記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタ
による周波数特性の補正を行なうように初期設定すると
ともに、サラウンドエンコード信号の入力が検出されて
いない時は当該入力信号に対し前記等価フィルタ手段を
介挿しないで当該周波数特性の補正を行なわないように
初期設定する制御手段とを具備してなるものである。
【0011】請求項5記載の発明は、前記等価フィルタ
手段による周波数特性の補正を前記サラウンドデコーダ
によるサラウンドデコード処理の前に行なうものであ
る。
【0012】請求項6記載の発明は、前記等価フィルタ
手段は、振幅特性が2kHzを起点として高域に向かい
直線的に減衰して10kHzで−2dB±1dBとなる
特性が中心設定値として規定され、この中心設定値を上
下して前記減衰量が所定量だけユーザ操作で可変に構成
されてなるものである。
【0013】
【作用】発明者の実験によれば、Xカーブを用いて制作
された映画をテレビジョン再生用に変換した映画ソフト
について、請求項1記載の発明のように、振幅特性が2
kHzを起点として高域に向かい直線的に減衰して、1
0kHzで−2dB±1dB(±1dBは誤差の許容範
囲)となる特性を有する等価フィルタ手段で周波数特性
を補正して、一般的な家庭の部屋が有する音響条件の下
で再生したところ、ソフト自身が持っている高域が強調
された特性が緩和されて、ほとんどの映画ソフトについ
て聴感上フラットな特性が得られた。したがって、請求
項1記載の発明によれば、映画ソフトのサウンドトラッ
ク音を一般の家庭環境で最適な周波数特性バランスで聴
取することができる。
【0014】請求項2記載の発明によれば、映画ソフト
の再生を指示する映画ソフト再生指示操作手段を設け、
この映画ソフト再生指示操作手段によって映画ソフトの
再生を指示した時は、入力される再生音声信号に対し前
記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタによる
周波数特性の補正を行なうように初期設定するととも
に、映画ソフトの再生が指示されていない時は前記等価
フィルタ手段を介挿しないで当該周波数特性の補正を行
なわないように初期設定するようにしたので、音響再生
装置の本体やリモコン送信機等に映画ソフト再生指示操
作手段を設けておけば、映画ソフトを再生するか、映画
ソフト以外の再生をするかに応じてユーザーがこの映画
ソフト再生指示操作手段を操作することにより、等価特
性を付与するかどうかを任意に設定することができる。
【0015】請求項3記載の発明によれば、サラウンド
エンコードされた映画ソフトを再生する時に、サラウン
ドデコードを指示する操作に連動して等価フィルタ手段
を介挿して周波数特性の補正を行なうようにしたので、
等価フィルタの介挿、非介挿を別途指示操作する場合に
比べて操作が容易化される。
【0016】請求項4記載の発明によれば、入力信号が
サラウンドエンコードされた信号か否かを自動検出し
て、等価フィルタの介挿、非介挿を制御するようにした
ので、等価フィルタの介挿、非介挿の切換えを自動化す
ることができる。
【0017】ところで、等価フィルタ手段の補正特性が
急俊な変化を含む場合には、位相回転が大きくなるた
め、周波数特性の補正後にサラウンドデコードしたので
は、サラウンドデコードが正しく行なえなくなる。この
ため、そのような場合にはサラウンドデコード後(すな
わち、信号チャンネル数が増加した後)でなければ周波
数特性の補正を行なえなくなり、等価フィルタ手段の規
模がその分だけ大きくなる。これに対し、この発明で用
いる補正特性は、2kHzを起点として、直線的な減衰
して、10kHzで−2dB±1dBとなる穏やかな変
化に設定されているので、位相回転が少なく、特性補正
した後であってもサラウンドデコーダを正しく働かせる
ことができる。したがって、請求項5の発明のように、
等価フィルタ手段をサラウンドデコード前(すなわち、
信号チャンネル数が増加する前)に配置することがで
き、等価フィルタ手段の規模が小さくてすむ。
【0018】また、同じXカーブを用いてサウンドデザ
インを行なった場合でも、使用したサウンドステージ
(スタジオ)の特性あるいは再生する部屋の特性によっ
ては上記補正特性では聴感上フラットな特性が得られな
い場合が起こり得る。そこで、請求項6記載の発明で
は、等価フィルタ手段を、振幅特性が2kHzを起点と
して高域に向かい直線的に減衰して10kHzで−2d
B±1dBとなる特性を中心設定値として規定し、この
中心設定値を上下して前記減衰量が所定量だけユーザ操
作で可変に構成したので、サウンドステージの特性や再
生する部屋の特性の違いによらず、ほとんどの映画ソフ
トについて家庭内で聴感上フラットな特性で再生するこ
とができる。
【0019】
【実施例】
(実施例1)この発明の一実施例を図1に示す。部屋1
0内には、受聴位置12の前方左、中央、右にメインス
ピーカとしてL,C,R各チャンネルのスピーカ14,
16,18が配設されている。また、受聴位置12の前
方左右および後方左右に音場制御用スピーカとしてF
L,FR,RL,RR各チャンネルのスピーカ20,2
2,24,26が配設されている。
【0020】音響再生装置27において、入力端子2
8,30には、2チャンネル信号として、通常の2チャ
ンネルステレオ信号L,Rあるいはサラウンドエンコー
ド(例えばドルビープロロジックサラウンド(商標)方
式でエンコード)された2チャンネル信号LT ,RT
入力される。この入力信号は、等価フィルタ手段を構成
するイコライザ32,33で必要に応じて周波数特性が
補正された後、サラウンドデコーダ34に入力される。
サラウンドデコーダ34は、制御手段36の指令によ
り、サラウンドエンコード信号入力LT ,RT に対し、
T ,RT ,LT +RT ,LT −RT の間でレベルの優
劣を判定し、その結果に応じて各チャンネルの優劣を判
定し、その結果に応じて各チャンネルをレベル制御し、
マトリクス回路を介してメイン信号L,C,Rとサラウ
ンド信号Sの4チャンネル信号にデコードする。通常の
2チャンネルステレオ信号入力L,Rに対しては、サラ
ウンドデコーダ34は、制御手段36の指令により、サ
ラウンドデコード処理せずに、入力L,Rをそのまま
L,Rの出力端子から出力する。
【0021】サラウンドデコーダ34から出力される信
号のうちメイン信号L,C,Rは、メイン音場信号を作
成するためにメイン信号合成手段40である重みづけで
加算合成される。この加算合成では、L,C,R各チャ
ンネル信号に重みづけとして任意の極性と利得を与える
ことができる。すなわち、L,C,Rをそれぞれ+1,
+1,+1の利得をもって加算すればL+C+Rとな
り、+1,+1,−1の利得をもって加算すればL+C
−Rとなり、+1,0,+1の利得をもって加算すれば
L+Rとなり、+1,0,−1の利得をもって加算すれ
ばL−Rとなる。この利得は+1〜0〜−1の範囲にお
いて自由な値に設定することができる。
【0022】L,C,R各チャンネルの利得の設定例に
ついて説明する。映画再生の場合についていうと、前方
に定位する音には3種類の分類ができる。すなわち、中
央に定位する人の台詞、様々な特殊な音響効果音、背景
に流す音楽の3種類である。これら前方定位音はL,
C,Rの3チャンネルに含まれる。このうち特に人の台
詞を画面から奥まらない位置に明確に定位させて、音楽
とか効果音は画面の奥の方へ広がらせたいという場合に
は、例えばL,C,Rの利得を+1,0,+1または+
1,0,−1に設定して、メイン信号合成手段30から
L+RまたはL−Rを出力する。また、70mm上映館の
雰囲気を味わうには、例えばメイン音場信号を作成する
反射音パラメータは、フロントスクリーン音場としてフ
ロントスクリーン側(すなわち受聴位置の前方)に定位
して、効果音や音楽がスクリーンの奥に広がる比較的タ
イトな音場を与える反射音パラメータが適しており、そ
の場合はL,C,Rの利得を例えば+1,+0.55〜
0.6,+1に設定するのが望ましい。
【0023】L,C,Rの係数設定は、制御手段36か
らの指令に基づいて行なわれる。映画ソフトの場合の設
定例は上記のとおりであるが、再現しようとする音場モ
ードに応じて様々な係数値の組合せをメモリに予め用意
しておき、リスナの音場モード選択操作に応じていずれ
かを読み出してメイン信号合成手段40に設定すること
により、音像を様々にコントロールして最適な効果を設
定でき、格段に自由な音響効果を設計することができ
る。
【0024】メイン音場信号作成手段42は、反射音パ
ラメータメモリ44から読み出される反射音パラメータ
P1に基づき、メイン信号L,C,Rの合成信号(合成
メイン信号M)について受聴位置12の前方に比較的狭
い第1の音場を与えるものであり、例えば特開昭61−
257099号公報に記載の音場制御処理を行なうもの
である。すなわち、反射音パラメータメモリ44には、
メイン信号L,C,Rの定位方向に適した第1の音場を
与える反射音パラメータP1が記憶されている。反射音
パラメータP1は、部屋10におけるリスナの受聴位置
12の周囲に配した4個の音場制御用スピーカ20,2
2,24,26でこの第1の音場をシミュレートするた
めに、これら各スピーカ20,22,24,26で発す
べき反射音を生成するためのパラメータである。反射音
パラメータP1は、遅れ時間とゲインの組合せで構成さ
れ、実音場での実測またはシミュレートによる仮想音源
分布等から求められる。1つの音場を構成する反射音パ
ラメータの一例を図3に示す。反射音パラメータP1
は、受聴位置12の前方に比較的狭い音場を形成するパ
ラメータであり、例えば70mm上映館の雰囲気を味わう
には、反射音パラメータP1は、フロントスクリーン側
音場として、フロントスクリーン側に定位して、効果音
や音楽がスクリーンの奥に広がる比較的タイトな音場を
形成する反射音パラメータが適している。なお、パラメ
ータメモリ44には、再現しようとする音場種類に応じ
て複数種類の反射音パラメータP1が記憶されており、
リスナによる音場モード選択操作に応じたものが読み出
される。
【0025】畳み込み演算手段46は合成メイン信号M
に反射音パラメータメモリ44から読み出された反射音
パラメータP1をディジタル信号処理で畳み込み演算し
て、各方向の反射音信号FL(前左)、FR(前右)、
RL(後左)、RR(後右)をメイン音場信号Moとし
て作成する。
【0026】一方、サラウンド信号Sはスイッチ47の
接点bを介してサラウンド音場信号作成手段48に入力
される。サラウンド音場信号作成手段48は、反射音パ
ラメータメモリ50から読み出される反射音パラメータ
P2に基づき、サラウンド信号Sについて受聴位置12
を包み込む比較的広い第2の音場を与えるものであり、
前記メイン音場信号作成手段42と同様に構成される。
反射音パラメータP2は、受聴位置12を包み込む比較
的広い音場を形成するパラメータであり、例えば70mm
上映館の雰囲気を味わうには、サラウンド音場として、
受聴位置12を包み込むように定位する広大な音場を形
成する反射音パラメータが適している。なお、反射音パ
ラメータメモリ50にも、再現しようとする音場種類に
応じて複数種類の反射音パラメータP2が記憶されてお
り、リスナによる音場モード選択操作に応じたものが読
み出される。
【0027】畳み込み演算手段52はサラウンド信号S
に各方向の反射音パラメータP2をディジタル信号処理
で畳み込み演算して、各方向の反射音信号FL(前
左)、FR(前右)、RL(後左)、RR(後右)をサ
ラウンド音場信号Soとして作成する。
【0028】メイン音場信号作成手段42およびサラウ
ンド音場信号作成手段48で作成されたメイン音場信号
Moおよびサラウンド音場信号Soは複合音場信号作成
手段54内の加算器56,58,60,62で対応する
チャンネルどうしが加算合成されて、複合音場信号作成
手段60からは各チャンネルの複合音場信号Coが出力
される。
【0029】L,C,R3チャンネルのメイン信号およ
び複合音場信号作成手段54から出力されるFL,F
R,RL,RR各チャンネルの複合音場信号Coは、図
示しないD/A変換器、パワーアンプ等を介して出力さ
れ、各対応するチャンネルのスピーカ14,16,1
8,20,22,24,26に供給されて再生される。
【0030】以上の音場制御により部屋10内に形成さ
れる音場の一例を図4に示す。ソース信号中の会話は、
中央のメインスピーカ(センタスピーカ)16によりス
クリーン64の中央位置に定位する。また、前方の効果
音や音楽は左右のメインスピーカ14,18から発せら
れるとともに、メイン音場信号Moとして音場制御用ス
ピーカ20,22,24,26から発せられて、メイン
音場66を形成する。メイン音場66はスクリーン64
の奥に広がり、スクリーン64上の映像への奥行き感、
臨場感を増強させる。
【0031】サラウンド音は、サラウンド音場信号So
として音場制御用スピーカ20,22,24,26から
発せられて、メイン音場66とのつながりの良いサラウ
ンド音場68を形成し、受聴位置12にいるリスナを包
み込むような包囲感を与える。以上のようにして、少な
いスピーカ数で70mm上映館等の十分な音場感を味わい
ながら映画ソフト等を鑑賞することができる。
【0032】なお、通常の2チャンネルステレオ信号
L,Rが入力された場合は、サラウンド音場信号作成手
段48の動作はオフされ、メイン音場信号Moのみ作成
することができる。
【0033】制御手段36は、音場モード選択操作手段
70におけるユーザによる音場モードの選択操作に応じ
て、イコライザ32,33のオン(介挿)、オフ(非介
挿)の制御、スイッチ47の切換え制御、メインおよび
サラウンド音場信号作成手段42,48のオン、オフ制
御、反射音パラメータメモリ44,46からの反射音パ
ラメータP1,P2の読出し制御等を行なう。
【0034】音場モード選択操作手段70は、例えば図
5のように押ボタンスイッチ70−1,70−2,……
で構成され、いずれか1つの音場モードを選択できるよ
うに構成されている。ここでは、音場モードとして、映
像を伴わない音楽再生用のHi−Fi音場プログラム
と、映像を伴った音楽再生用のAV音場プログラムが用
意されている。Hi−Fi音場プログラムには、再現し
ようとする音場種類として、HALL(ホール)、CH
URCH(教会)、ROCK CONCERT(ロック
コンサート会場)、JAZZ CLUB(ジャズクラ
ブ)等が用意されている。AV音場プログラムには、テ
レビ放送のドラマやスポーツ中継などの番組に適した音
場を生成するTV THEATER、コンサートビデオ
の再生に適した音場を生成するCONCERT VID
EO、ドルビープロロジックエンコードされている映画
ソフト(レーザビジョンディスク、ビデオCD、ビデオ
テープ等に収録されている。)を70mm上映館の雰囲気
で再生するMOVIE THEATER、ドルビープロ
ロジックエンコードされている映画ソフトをデコードし
て再生するDOLBY PRO LOGIC等が用意さ
れている。
【0035】これら音場プログラムのうち、HALL、
CHURCH、ROCK CONCERT、JAZZ
CLUB、TV THEATER、CONCERT V
IDEOは通常の2チャンネルステレオ入力L,R用の
音場モードを再現するものであり、これらのモードが選
択された時は、イコライザ32,33はオフ(入力信号
を周波数特性補正をせずにそのまま通過)し、サラウン
ドデコーダ34はL,R入力をL,R出力端子からその
まま出力し、サラウンド音場信号作成手段48の動作は
オフする。そして、選択された音場モードの反射音パラ
メータP1が反射音パラメータメモリ44から読み出さ
れて、メイン音場信号Moが作成され、音場制御用スピ
ーカ20,22,24,26から再生される。また、メ
イン信号L,Rはそのままメインスピーカ14,18か
ら再生される。なお、通常の2チャンネルステレオ入力
で音場付与を伴わないモード(音場モード選択操作手段
70のいずれもオフのとき)では、メインおよびサラウ
ンド音場信号作成手段42,48のいずれもオフし、
L,R各チャンネル信号がサラウンドデコーダ34をそ
のまま通過してメインスピーカ14,18で再生され
る。
【0036】MOVIE THEATERを選択するス
イッチ70−7およびDOLBYPRO LOGICを
選択するスイッチ70−8は映画ソフト再生指示操作手
段あるいはサラウンドデコード指示操作手段を構成し、
これらが選択された時は、イコライザ32,33および
サラウンドデコーダ34はオンする。これにより、入力
されるサラウンドエンコード信号LT ,RT は、イコラ
イザ32,33で周波数特性が補正され、サラウンドデ
コーダ34でサラウンドデコードされて、L,C,R,
Sの各チャンネル信号が生成される。そして、MOVI
E THEATERが選択された時は、スイッチ47が
接点b側に接続され、メインおよびサラウンド音場信号
作成手段42,48がオンされ、反射音パラメータメモ
リ44,46から該当する反射音パラメータP1,P2
が読み出されて、メイン音場信号Moおよびサラウンド
音場信号Soが作成され合成されて、音場制御用スピー
カ20,22,24,26から再生される。また、メイ
ン信号L,C,Rがメインスピーカ14,16,18か
ら再生される。
【0037】また、DOLBY PRO LOGICが
選択された時は、スイッチ47が接点a側に接続され、
メインおよびサラウンド音場信号作成手段42,48が
オフされる。これにより、メイン信号L,C,Rがメイ
ンスピーカ14,16,18から再生される。また、サ
ラウンド信号が加算器72,74を介して音場制御用ス
ピーカ24,26から再生される。
【0038】尚、上記の例では、通常の2チャンネルス
テレオ信号L,Rを再生するモード(HALL、CHU
RCH、ROCK CONCERT、JAZZ CLU
B、TV THEATER、CONCERT VIDE
Oの各音場モードおよび音場なしのモード)ではイコラ
イザ32,33の動作をオフ(補正なし)に初期設定
し、サラウンドエンコード信号LT ,RT を再生するモ
ード(MOVIE THEATER,DOLBY PR
O LOGICの各音場モード)ではイコライザ32,
33の動作をオン(補正あり)に初期設定するようにし
たが、2チャンネルステレオ信号L,RがXカーブを用
いて作成されている場合、あるいはサラウンドエンコー
ド信号LT ,RT がXカーブを用いずに作成されている
場合も可能性としては少ないが有り得る。そこで、この
実施例では、図1、図5に示すように、イコライザオン
/オフ切換スイッチ77を設けて、音場モード選択操作
手段70によりいずれかの音場モードを選択してイコラ
イザ32,33のオン、オフ状態を初期設定した後、イ
コライザオン/オフ切換スイッチ77を押すことにより
オン、オフ状態を反転できるようにしている。反転後も
イコライザオン/オフ切換スイッチ77を再度押すこと
により初期設定状態に戻すことができる。また、反転後
音場モード選択操作手段70のいずれかのキーを操作す
れば、反転状態が解除されて当該選択操作された音場モ
ードについて定められたイコライザ32,33の初期設
定状態が実現される。
【0039】次に、イコライザ32,33について説明
する。イコライザ32,33はハイカットフィルタで構
成され、その振幅特性は2kHzを起点として高域に向
かい直線的に減衰して10kHzで−2dB±1dB
(±1dBは誤差の範囲)となる特性が標準の特性とし
て設定されている。また、同じXカーブを用いてサウン
ドデザインを行なっても、使用したサウンドステージの
特性あるいは再生する部屋の特性によってはこの標準特
性では聴感上フラットな特性が得られない場合もあり得
るので、図1の実施例では、補正特性設定値可変操作手
段76を設けて、イコライザ32,33の特性の減衰勾
配をユーザが変更できるようにしている。
【0040】イコライザ32,33の具体例を図6に示
す。イコライザ32,33は抵抗とコンデンサを組み合
わせたハイカットフィルタで構成され、減衰の勾配がス
イッチS1〜S4の切換えにより下記表1のように可変
設定される。
【0041】 ( 表 1 ) 10kHz減衰量 S1 S2 S3 S4 0 オフ オフ オフ オフ −1 オン オフ オフ オフ −2(標準) オン オン オフ オフ −3 オン オン オン オフ −4 オン オン オン オン
【0042】図6のイコライザ32,33の振幅特性を
図7に示す。これによれば、イコライザ32,33の振
幅特性は、2kHzを起点として高域に向かい直線的に
減衰して10kHzで−1,−2,−3,−4dBのい
ずれかに減衰する特性に設定される。10kHzで−2
dBに減衰する特性が標準特性である。なお、イコライ
ザ32,33の位相特性は図7に示すようになり、位相
回転が少ないので、周波数特性を補正した後にサラウン
ドデコーダ34に入力しているにもかかわらず、サラウ
ンドデコードを正しく行なうことができる。
【0043】ところで、図6のイコライザ32,33に
おけるスイッチS1〜S4の切換えは、補正特性設定値
可変操作手段76の操作に基づき、図1の制御手段36
の指令によって実現される。補正特性設定値可変操作手
段76の具体例を図8に示す。これはロータリスイッチ
84で構成されたもので、−1,−2,−3,−4dB
の切換位置を有し、−2dBが標準特性であることが示
されている。補正特性設定値可変操作手段76の他の例
を図9に示す。これは、押ボタンスイッチでアップ操作
子78とダウン操作子80を構成したもので、表示器8
2を具えている。音場モード選択操作手段70(図5)
でMOVIE THEATERあるいはDOLBY P
RP LOGICが選択操作されると−2dBに初期設
定され、表示器82は−2dBを表示する。この状態か
らアップスイッチ78を押すと−1dBに変更され、ダ
ウンスイッチ80を押すと−3dB(1度押した場
合)、−4dB(2度押した場合)に変更される。MO
VIE THEATER,DOLBY PRP LOG
IC以外のモードが選択されたときは、0dBに固定設
定され、表示器82も0dBを表示する(ただし、イコ
ライザオン/オフ切換スイッチ77でイコライザオンに
切換えられた時は、設定変更が可能となり、表示器82
も該当する値を表示する。)。
【0044】尚、この実施例では、音場モード選択操作
手段70のMOVIE THEATER選択キー70−
7およびDOLBY PRP LOGIC選択キー70
−8(図5)に映画ソフト再生指示操作手段あるいはサ
ラウンドエンコード指示操作手段としての機能を持たせ
たが、図10に示すように、映画ソフトを指示するキー
71を別途設けて、これを押すことにより映画ソフト再
生指示操作をするようにしてもよい。
【0045】(実施例2)この発明の他の実施例を図1
1に示す。これは、ドルビーAC‐3(商標)方式の信
号を入力とするもので、サラウンドエンコードソフトを
検出して、等価フィルタ手段のオン(介挿)、オフ(非
介挿)を自動で制御するようにしたものである。ドルビ
ーAC‐3方式のエンコード信号はシリアルディジタル
信号で構成され、入力端子86から入力されてAC‐3
デコーダ88でデコードされる。ドルビーAC‐3方式
の信号には各種のモードがあり、下記表2に示すチャン
ネルでそれぞれ構成される。なお、モード名で前の数字
はメインチャンネル数を示し、後の数字はサラウンドチ
ャンネル数を示す。
【0046】( 表 2 )モード名 チャンネル 3/2モード L,C,R,SL,SR 3/1モード L,C,R,S 2/2モード L,R,SL,SR 2/1モード L,R,S 2/0モード L,R
【0047】上記各モードのうち、3/1,2/1モー
ドはサラウンドチャンネルがモノラルであり、AC‐3
デコーダ88のサラウンド出力チャンネルSL,SRか
らは同一のサラウンド信号が出力される。また、2/
2,2/1,2/0モードはメイン出力がL,R2チャ
ンネルであり、AC‐3デコーダ88のセンタ出力Cか
らは信号は出力されない。また、2/0モードはサラウ
ンドチャンネル無しであり、AC‐3デコーダ88のサ
ラウンド出力チャンネルSL,SRからは信号は出力さ
れない。なお、これらのモード種類は、AC‐3方式の
信号に含まれるチャンネル情報で判別される。
【0048】AC‐3デコーダ88の各チャンネルL,
C,R,SL,SRの出力信号は、等価フィルタ手段を
構成するイコライザ91〜95に入力される。イコライ
ザ91〜95は例えば前記図6のようにそれぞれ構成さ
れ、その振幅特性は2kHzを起点として高域に向かい
直線的に減衰して10kHzで−2dB±1dB(±1
dBは誤差の範囲)となる特性が標準特性として設定さ
れている。ユーザによる補正特性設定値可変操作手段7
6の切換操作によって減衰の勾配を前記図7のように切
り換えることができる。
【0049】サラウンドエンコードソフト検出手段96
は、入力信号に含まれるチャンネル信号から、入力信号
がサラウンドエンコードされた信号か否かを検出する。
すなわち、チャンネル情報が2/0モード(表2)を示
す時は非サラウンドエンコード入力(通常の2チャンネ
ルステレオ入力)と判断し、それ以外のモード(3/
2,3/1,2/2,2/1の各モード)を示す時はサ
ラウンドエンコード入力と判断する。制御手段36は、
サラウンドエンコード入力のときはイコライザ91〜9
5をオンし、非サラウンドエンコード入力のときはイコ
ライザをオフする。これにより、イコライザ91〜95
のオン(介挿)、オフ(非介挿)が自動化される。
【0050】なお、この発明は、オーディオ用アンプと
して独立した機器として構成するほか、レーザビジョン
ディスクプレーヤ、ビデオCDプレーヤ、ビデオテープ
レコーダ等映像再生装置の内部に構成することもできる
(入力端子は機器の内部に構成される等価フィルタ手段
あるいはサラウンドデコーダの入力部分に相当す
る。)。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、映画ソフトの再生音声信号を、振幅特性が
2kHzを起点として高域に向かい直線的に減衰して、
10kHzで−2dB±1dB(±1dBは誤差の許容
範囲)となる特性を有する等価フィルタ手段で周波数特
性を補正したので、映画ソフトのサウンドトラック音を
一般の家庭環境で最適な周波数特性バランスで聴取する
ことができる。
【0052】請求項2記載の発明によれば、映画ソフト
の再生を指示する映画ソフト再生指示操作手段を設け、
この映画ソフト再生指示操作手段によって映画ソフトの
再生を指示した時は、入力される再生音声信号に対し前
記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタによる
周波数特性の補正を行なうように初期設定するととも
に、映画ソフトの再生が指示されていない時は前記等価
フィルタ手段を介挿しないで当該周波数特性の補正を行
なわないように初期設定するようにしたので、音響再生
装置の本体やリモコン送信機等に映画ソフト再生指示操
作手段を設けておけば、映画ソフトを再生するか、映画
ソフト以外の再生をするかに応じてユーザーがこの映画
ソフト再生指示操作手段を操作することにより、等価特
性を付与するかどうかを任意に設定することができる。
【0053】請求項3記載の発明によれば、サラウンド
エンコードされた映画ソフトを再生する時に、サラウン
ドデコードを指示する操作に連動して等価フィルタ手段
を介挿して周波数特性の補正を行なうようにしたので、
等価フィルタの介挿、非介挿を別途指示操作する場合に
比べて操作が容易化される。
【0054】請求項4記載の発明によれば、入力信号が
サラウンドエンコードされた信号か否かを自動検出し
て、等価フィルタの介挿、非介挿を制御するようにした
ので、等価フィルタの介挿、非介挿の切換えを自動化す
ることができる。
【0055】また、この発明で用いる補正特性は、2k
Hzを起点として、直線的な減衰して、10kHzで−
2dB±1dBとなる穏やかな変化に設定されているの
で、位相回転が少なく、特性補正した後であってもサラ
ウンドデコーダを正しく働かせることができる。したが
って、請求項5の発明のように、等価フィルタ手段をサ
ラウンドデコード前(すなわち、信号チャンネル数が増
加する前)に配置することができ、フィルタ手段の規模
が小さくてすむ。
【0056】また、同じXカーブを用いてサウンドデザ
インを行なった場合でも、使用したサウンドステージ
(スタジオ)の特性あるいは再生する部屋の特性によっ
ては上記補正特性では聴感上フラットな特性が得られな
い場合が起こり得る。そこで、請求項6記載の発明で
は、等価フィルタ手段を、振幅特性が2kHzを起点と
して高域に向かい直線的に減衰して10kHzで−2d
B±1dBとなる特性を中心設定値として規定し、この
中心設定値を上下して前記減衰量が所定量だけユーザ操
作で可変に構成したので、サウンドステージの特性や再
生する部屋の特性の違いによらず、ほとんどの映画ソフ
トについて家庭内で聴感上フラットな特性で再生するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の一実施例を示すブロック図であ
る。
【図2】 標準的なXカーブを示す図である。
【図3】 図1の反射音パラメータメモリ44に記憶さ
れている反射音パラメータP1の一例を示す図である。
【図4】 図1の部屋10に形成される音場の一例を示
す平面図である。
【図5】 図1の音場モード選択操作手段70の具体例
を示す図である。
【図6】 図1のイコライザ32,33の具体例を示す
回路図である。
【図7】 図1のイコライザ32,33の周波数特性図
である。
【図8】 図1の補正特性設定値可変操作手段76の具
体例を示す図である。
【図9】 図1の補正特性設定値可変操作手段76の他
の具体例を示す図である。
【図10】 映画ソフト再生指示操作手段の他の構成例
を示す図である。
【図11】 この発明の他の実施例を示すブロック図で
ある。
【符号の説明】
27 音響再生装置 28,30,86 入力端子 32,33,91〜95 イコライザ(等価フィルタ手
段) 34,88 サラウンドデコーダ 36 制御手段 71 映画ソフト再生指示キー(映画ソフト再生指示操
作手段) 70−7,70−8 音場モード(MOVIE THE
ATER,DOLBYPRO LOGIC)選択操作手
段(映画ソフト再生指示操作手段、サラウンドエンコー
ド指示操作手段) 96 サラウンドエンコードソフト検出手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 1/00 H04S 1/00 G 7/00 Z 7/00 G10K 15/00 M

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】映画館で再生されることを前提として制作
    された映画ソフトの再生音声信号が入力される入力端子
    と、 この入力端子からの映画ソフトの再生音声信号の周波数
    特性を補正するための専用の等価回路であって、その振
    幅特性が2kHzを起点として高域に向かい直線的に減
    衰して10kHzで−2dB±1dBとなるような等価
    特性を有する等価フィルタ手段とを具備してなる音響再
    生装置。
  2. 【請求項2】映画館で再生されることを前提として制作
    された映画ソフトの再生音声信号またはその他の映像も
    しくは音響ソフトの再生音声信号が入力される入力端子
    と、 前記映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補正する
    ための専用の等価回路であって、振幅特性が2kHzを
    起点として高域に向かい直線的に減衰して10kHzで
    −2dB±1dBとなるような特性を有する等価フィル
    タ手段と、 映画ソフトの再生を指示する映画ソフト再生指示操作手
    段と、 この映画ソフト再生指示操作手段によって映画ソフトの
    再生が指示された時は前記入力される再生音声信号に対
    し前記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィルタに
    よる周波数特性の補正を行なうように初期設定するとと
    もに、映画ソフトの再生が指示されていない時は前記等
    価フィルタ手段を介挿しないで当該周波数特性の補正を
    行なわないように初期設定する制御手段とを具備してな
    る音響再生装置。
  3. 【請求項3】映画館で再生されることを前提として制作
    されかつサラウンドエンコードされた映画ソフトの再生
    音声信号またはその他の映像もしくは音響ソフトの再生
    音声信号が入力される入力端子と、 前記映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補正する
    ための専用の等価回路であって、振幅特性が2kHzを
    起点として高域に向かい直線的に減衰して10kHzで
    −2dB±1dBとなるような特性を有する等価フィル
    タ手段と、 前記入力された再生音声信号をサラウンドデコードする
    サラウンドデコーダと、 サラウンドデコードを指示するサラウンドデコード指示
    操作手段と、 このサラウンドデコード指示操作手段によってサラウン
    ドデコードが指示された時は前記入力される再生音声信
    号に対し前記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フィ
    ルタによる周波数特性の補正を行なうように初期設定す
    るとともに、サラウンドデコードが指示されていない時
    は前記等価フィルタ手段を介挿しないで当該周波数特性
    の補正を行なわないように初期設定する制御手段とを具
    備してなる音響再生装置。
  4. 【請求項4】映画館で再生されることを前提として制作
    されかつサラウンドエンコードされた映画ソフトの再生
    音声信号またはその他の映像もしくは音響ソフトの再生
    音声信号が入力される入力端子と、 前記映画ソフトの再生音声信号の周波数特性を補正する
    ための専用の等価回路であって、振幅特性が2kHzを
    起点として高域に向かい直線的に減衰して10kHzで
    −2dB±1dBとなるような特性を有する等価フィル
    タ手段と前記入力された再生音声信号をサラウンドデコ
    ードするサラウンドデコーダと、 前記入力された再生音声信号がサラウンドエンコーダさ
    れた信号か否か検出するサラウンドエンコードソフト検
    出手段と、 このサラウンドエンコードソフト検出手段によってサラ
    ウンドエンコード信号の入力が検出された時は当該入力
    信号に対し前記等価フィルタ手段を介挿して当該等価フ
    ィルタによる周波数特性の補正を行なうように初期設定
    するとともに、サラウンドエンコード信号の入力が検出
    されていない時は当該入力信号に対し前記等価フィルタ
    手段を介挿しないで当該周波数特性の補正を行なわない
    ように初期設定する制御手段とを具備してなる音響再生
    装置。
  5. 【請求項5】前記等価フィルタ手段による周波数特性の
    補正を前記サラウンドデコーダによるサラウンドデコー
    ド処理の前に行なう請求項3または4記載の音響再生装
    置。
  6. 【請求項6】前記等価フィルタ手段は、振幅特性が2k
    Hzを起点として高域に向かい直線的に減衰して10k
    Hzで−2dB±1dBとなる特性が中心設定値として
    規定され、この中心設定値を上下して前記減衰量が所定
    量だけユーザ操作で可変に構成されてなる請求項1ない
    し5のいずれかに記載の音響再生装置。
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