JPH08339883A - 電磁誘導加熱装置の熱回収装置及び熱回収方法 - Google Patents

電磁誘導加熱装置の熱回収装置及び熱回収方法

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JPH08339883A
JPH08339883A JP16791695A JP16791695A JPH08339883A JP H08339883 A JPH08339883 A JP H08339883A JP 16791695 A JP16791695 A JP 16791695A JP 16791695 A JP16791695 A JP 16791695A JP H08339883 A JPH08339883 A JP H08339883A
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JP
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coil
fluid
heat
electromagnetic induction
frequency current
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JP16791695A
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English (en)
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Taizo Kawamura
泰三 川村
Yoshitaka Uchibori
義隆 内堀
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Omron Corp
Seta Giken KK
Original Assignee
Omron Corp
Seta Giken KK
Omron Tateisi Electronics Co
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Publication date
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  • General Induction Heating (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 化学プラント等のパイプラインに組み込まれ
る電磁誘導加熱装置の熱回収装置であって、熱ロスによ
る熱エネルギーを回収して加熱に再利用できる効率的な
電磁誘導加熱装置の熱回収装置を提供する。 【構成】 流体の通路11に設けられた導電性物質の発
熱体12と、該発熱体12の周囲に設けられたコイル1
3と、該コイル13に接続される高周波電流発生器5
と、を備えた電磁誘導加熱装置に設けられる熱回収装置
にあって、前記コイル13と前記高周波電流発生器5の
両方を同じ媒体を使って冷却し、回収した熱ロスを上記
流体に返す冷却配管64を設けてなる。高周波電流発生
器5は、整流素子を使った整流部22と電力素子を使っ
たインバータ部24を含み、これらに対して熱交換パイ
プ51、熱交換板52,53の如き冷却配管64が施さ
れ、加熱される流体が冷却配管64に流される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液体や気体等の流体に
浸された発熱体を電磁誘導加熱で加熱し、前記流体を直
接的な熱移動で加熱する電磁誘導加熱装置の熱回収装置
及び熱回収方法に関し、特に化学プラントなどにおける
パイプラインへの組み込みなどに適したものに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、化学プラントにおける反応・分
離工程では、蒸留塔が必ず必要である。この蒸留塔は、
蒸留液を構成する液体がそれぞれ持つ沸騰点の温度差に
より、混合している液体を分離する装置である。この蒸
留塔には蒸留液を加熱する装置が付設されている。この
加熱装置としては例えばシーズヒータ方式の如き間接加
熱によるものが採用されている。このシーズヒータ方式
は、電源をシーズヒータに投入して熱媒油を加熱し、熱
交換器で熱媒油と蒸留液との熱交換を行わせる方式であ
る。
【0003】間接加熱によるシーズヒータ方式は、まず
熱媒体をシーズヒータで加熱するために、立ち上がり時
間が長くかかり、加熱装置も大掛かりになり、加熱効率
も悪くなる傾向があった。そこで、特開平3−9828
6号公報に開示されるように、流体が通過するコラム又
はケースを絶縁体で構成し、このコラム又はケース内に
収納され流体が浸かる積層構造の発熱体を電磁誘導で加
熱する直接加熱の電磁誘導加熱装置をパイプラインに組
み込むことが提案されている。この直接加熱による電磁
誘導加熱装置によると、積層構造の発熱体の略全体を均
一に加熱できるとともに、積層構造によって流体が浸か
る発熱体の伝熱面積を大きくできることなどにより、加
熱装置の加熱効率を90%前後まで向上させることがで
きる。また、加熱装置の小型化と立ち上げ時間の短縮も
同時に達成できる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平3−98286
号公報で提案される電磁誘導加熱装置の加熱効率は極め
て高いものの、それでも10%前後のロスがあり、例え
ば化学プラントのように大容量の加熱装置を用いる場合
には、10%前後のロスも大きなものになるという問題
点があった。
【0005】金属の熱処理に用いられる電磁誘導加熱装
置のコイルには銅管が用いられ、この銅管内に冷却水を
強制的に通水し、発生する銅損を冷却することが行われ
ているが、冷却で回収されたエネルギーを活用したとし
てもこのエネルギーを金属の熱処理に戻すという考えは
ない。また、大容量の電力素子を使ったパワーエレクト
ロニクスの分野では、電力素子が発熱によって過熱状態
になる恐れがあるため、電力素子を空冷又は水冷によっ
て冷却することが行われているが、冷却によって得られ
た熱エネルギーは単に外部に放出されるだけであった。
また、電磁調理器も実用化されているが、発生する熱ロ
スを再利用することは構造上の制約から無理であった。
このように、電磁誘導加熱装置の分野では発生する熱ロ
スを除去しても、その熱エネルギーを元の流体の加熱に
利用するという考えはなかった。
【0006】本発明は上述した問題点を解決するために
なされたものであり、その目的とするところは、化学プ
ラント等のパイプラインに組み込まれる電磁誘導加熱装
置の熱回収装置又は熱回収方法であって、熱ロスによる
熱エネルギーを回収して加熱に再利用できる効率的な電
磁誘導加熱装置の熱回収装置又は熱回収方法を提供する
ことにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明における電磁誘導加熱装置の熱回収装置は、流体の通
路に設けられた導電性物質の発熱体と、該発熱体の周囲
に設けられたコイルと、該コイルに接続される高周波電
流発生器と、を備えた電磁誘導加熱装置に設けられる熱
回収装置であって、加熱前の前記流体の一部を前記通路
の入口部から分けて前記コイルの部分へ導き、コイルの
冷却によって回収した熱ロスを前記入口部の流体に返す
冷却配管を設けてなるものである。
【0008】また、同様の電磁誘導加熱装置に設けられ
る熱回収装置であって、前記コイルと前記高周波電流発
生器の両方を同じ媒体を使って冷却し、回収した熱ロス
を上記流体に返す冷却配管を設けてなるものである。こ
の高周波電流発生器は、整流素子を使った整流部と電力
素子を使ったインバータ部を含み、前記整流部及び前記
インバータ部に対して前記冷却配管が施されている。そ
して、前記媒体が上記流体であって、前記発熱体に入る
前の全部又は一部の前記流体が前記冷却配管に流されて
前記発熱体に熱ロスを返すか、又は、前記媒体が吸収し
た熱ロスを熱交換器を介して前記流体に返すという返し
方がある。また、前記コイルと前記高周波電流発生器と
を近接配置して共通の防爆ケース内に収納した場合に上
記熱回収装置が有効である。
【0009】そして、電磁誘導加熱装置の熱回収装置
は、流体の通路に設けられた導電性物質の発熱体と、該
発熱体の周囲に設けられたコイルと、該コイルに接続さ
れる高周波電流発生器と、を備えた電磁誘導加熱装置の
熱回収方法であって、加熱前の前記流体の一部を前記通
路の入口部から分けて前記コイルの部分へ導き、コイル
の冷却によって回収した熱ロスを前記入口部の流体に返
すものである。また、同様の電磁誘導加熱装置の熱回収
方法であって、前記コイルと前記高周波電流発生器の両
方を同じ媒体を使って冷却し、回収した熱ロスを上記流
体に返すものである。
【0010】
【作用】コイルに生じる熱ロスを加熱前の流体で回収す
るだけではなく、加熱前の流体に返すことで熱ロスの殆
どを再利用する。
【0011】コイルに生じる熱ロスのみならず、高周波
電流発生器で生じる熱ロスを同じ媒体を用いた簡単な配
管系で回収し、回収した熱エネルギーで加熱前の流体を
予熱することによって、電磁誘導加熱装置で生じる熱ロ
スの殆どが回収される。耐化学薬品性を考慮する必要が
ない流体の場合、又は、銅又は銅合金製コイルに耐化学
薬品材を挿入、コーティング又はクラッドにした場合に
は、加熱前の流体を直接流すことができる。前記流体に
対する熱交換器を用いると、媒体として普通の流体を使
用できる。また、防爆ケース内に前記コイルと前記高周
波電流発生器とを近接配置すると、過熱状態になりやす
いため、結果的に冷却できるこの熱回収装置が有効であ
る。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図1は熱回収装置の構造図である。
【0013】図1において、熱回収装置50は、コイル
13の外周に巻かれた熱交換パイプ51と、高周波電流
発生器5の整流部22に対して設けられた熱交換板52
と、高周波電流発生器5のインバータ部24に対して設
けられた熱交換板53と、冷却配管64とからなってい
る。この冷却配管64は、入口部61から分かれて熱交
換パイプ51、熱交換板52及び熱交換板53に至る第
1配管62と、熱交換パイプ51、熱交換板52及び熱
交換板53から入口部61に戻る第2配管63とからな
っている。
【0014】コイル13は撚り合わせ銅線のリッツ線で
あり、発熱体12を収納するコラム又はパイプ11の外
周に巻かれている。高周波電流発生器5によってコイル
13に高周波磁界を発生させ、発熱体12に生じた渦電
流で流体を均一に加熱する。入口部61からパイプ11
内に流入する流体は、発熱体12との熱交換で加熱さ
れ、出口部65から吐出される。このコイル13は発熱
体12からの熱伝達によって昇温するとともに、コイル
13を構成する銅の抵抗が大きくなってコイル13自体
が発熱する。そのため、加熱前の流体の一部を第1配管
62から分け、分岐管62aを経てコイル13の外周に
巻かれた熱交換パイプ51に通す。すると、コイル13
が冷却されるとともにコイル13の発熱並びにパイプ1
1外周から放散される熱が熱交換パイプ51内の流体に
吸収される。熱ロスを回収した流体は管路63a及び第
2配管63を経て入口部61に戻されるため、コイル1
3及びパイプ11からの熱ロスが流体の加熱に有効利用
される。
【0015】図2は発熱体12の周囲に配設されるコイ
ル13に対する熱交換パイプ51の種々の形態を示す。
図2(a)は図1と同じものである。この熱交換パイプ
51は流体に対する耐化学薬品性の他、耐熱性、耐圧性
及び非導電性を有する材質で形成される。
【0016】図2(b)はコイル13aが中空銅管で形
成され、自体が熱交換パイプ51aに構成されており、
更に普通の熱交換パイプ51が二重に外周に巻かれたも
のである。この場合、コイル13aの中空部には耐化学
薬品性を備えたパイプを挿入するか、そのような材質の
中空部へのコーティング又はクラッドを施すことが好ま
しい。コイル13a自体で熱交換パイプ51aになって
いるので、コイル13aの発熱が抑えられる。図2
(c)はコイル13bが熱交換パイプ51b兼用の半円
形銅管で形成されており、パイプ11の外周にコイル1
3bが密着し易い構造になっている点が図2(b)と異
なるだけである。
【0017】図2(d)は熱交換パイプ51b兼用のコ
イル13bの内周と外周に、更に熱交換パイプ51c,
51dが巻かれて三重になったものである。パイプ11
の冷却を主として熱交換パイプ51cで行い、コイル1
3bの冷却を主として熱交換パイプ51dで行うという
役割分担になっている。図2(e)はコイル13にリッ
ツ線を使った点が図2(d)と異なるだけであり、図2
(f)はコイル13aに熱交換パイプ51aの中空銅管
を使った点が図2(d)と異なるだけである。このよう
に、コイルの冷却には種々の形態がある。
【0018】図1に戻り、整流器22を構成する整流素
子などの基板を熱伝導性の良好な金属盤54の中に形成
し、このこの金属盤54を吸熱フィン等を備えた熱交換
板(ヒートシンク)52の上に張りつけている。整流素
子の発熱は金属盤54から熱交換板52に伝わる。その
ため、加熱前の流体の一部を第1配管62から分け、分
岐管62bを経て熱交換板52に通す。すると、整流器
22が冷却されるとともに整流器22の発熱が熱交換板
52内の流体に吸収される。熱ロスを回収した流体は管
路63b及び第2配管63を経て入口部61に戻される
ため、整流器22からの熱ロスが流体の加熱に利用され
る。このような熱交換板52と金属盤54の構成の一例
が図3に示される。熱交換板52の入口52aから入っ
た流体は周囲を流れて出口52bに至るようになってい
る。この熱交換板52内の流体通路は、耐化学薬品性を
備えた材質のコーティング又はクラッドを施して形成
し、その他の部分は熱伝導率の良いアルミ等の金属にす
ることができる。
【0019】図1に戻り、インバータ部24を構成する
電力素子などの基板を熱伝導性の良好な金属板55の上
に載せ、この金属板55を吸熱フィン等を備えた熱交換
板(ヒートシンク)53の上に張りつけている。電力素
子の発熱は金属板55から熱交換板53に伝わる。その
ため、加熱前の流体の一部を第1配管62から分け、分
岐管62cを経て熱交換板53に通す。すると、インバ
ータ部24が冷却されるとともにインバータ部24の発
熱が熱交換板53内の流体に吸収される。熱ロスを回収
した流体は管路63c及び第2配管63を経て入口部6
1に戻されるため、インバータ部24からの熱ロスが流
体の加熱に利用される。このような熱交換板53と金属
板55の構成の一例が図4に示される。熱交換板53の
入口53aから入った流体は周囲を流れて出口53bに
至るようになっている。この熱交換板53内の流体通路
は、図3と同様に耐化学薬品性を備えた材質のコーティ
ング又はクラッドを施して形成し、その他の部分は熱伝
導率の良いアルミ等の金属にすることができる。
【0020】また、図1において、第1配管62と第2
配管63との間の入口部61にバルブ等の絞り66を設
けている。この絞り66で第1配管62の圧力を高める
と、ポンプ等を設けなくても、熱交換パイプ51や熱交
換板52,53に所定量の流体を流すことができる。も
ちろん、絞り66を設けず、ポンプで加圧した流体を熱
交換パイプ51や熱交換板52,53に流すようにして
もよい。また、図示例では、第1配管62と第2配管6
3との間に、熱交換パイプ51や熱交換板52,53を
並列に接続したが、これらを直列に接続するものであっ
てもよい。
【0021】さらに、コイル13と高周波電流発生器5
とを近接配置すると、第1配管62、第2配管63及び
これの分岐配管が短くなる。この場合、コイル13と高
周波電流発生器5とを防爆ケース56内に収納し、窒素
封入するとよい。加熱容量が大きい場合にはコイル13
に大電力が流れるため、コイル13の周囲に強力な高周
波磁界が発生する。そのため、コイル13の周囲に配設
される導電性金属に渦電流が発生し、電気的火花が発生
する可能性があるからである。このような防爆ケース5
6を設けると、密閉構造のため内部に熱が籠もりやすく
なるが、上述した熱回収装置によって、内部の冷却が施
される。
【0022】図5は他の熱回収装置を示す図である。図
1のものと異なる点は、入口部61に至る流体の全部
が、コイル13に対する熱交換パイプ51と、整流部2
2に対する熱交換板52と、インバータ部24に対する
熱交換板53に流され、入口部61に戻される点であ
る。加熱される流体の流量と冷却に必要な流量とが拮抗
している場合に有効であり、図1のような絞り等を必要
としない。ただし、図1の場合には、冷却装置として適
切な径の配管を選んで装置内に簡単に取り回せるという
利点がある。
【0023】図6は更に他の熱回収装置を示す図であ
る。図1のものと異なる点は、コイル13に対する熱交
換パイプ51と、整流部22に対する熱交換板52と、
インバータ部24に対する熱交換板53に対する冷却配
管71がクローズに形成され、別途のポンプ72で循環
可能になっており、入口部61と冷却配管71との間に
熱交換器73が設けられた点である。加熱される流体と
冷却に使用する媒体とを分けることによって、冷却に用
いやすい水等の媒体を使うことができる。また、加熱さ
れる流体が気体である場合にも、比熱の違いから冷却媒
体を加熱流体とを分けることが望ましい。
【0024】つぎに、電磁誘導加熱装置の機器構成の詳
細例を図7により説明する。図7において、1は電磁誘
導加熱装置の本体、2は温度制御部、3は位相シフト制
御部、5は高周波電流発生器である。
【0025】高周波電流発生器5は、交流電源21に対
する整流部22と、非平滑フィルタ23と、インバータ
部24とからなっている。インバータ部24の出力電力
と周波数は、位相シフト制御部3によって制御され、商
用の交流電源21を効率的に高周波電流に変換して電気
エネルギーが有効利用される。
【0026】温度制御部2は、例えばファジー+オート
チューニング2自由度PID温度制御器で構成され、出
力電圧制御信号を位相シフト制御部3に出力する。ここ
で出力制御のための温度センサ17がパイプ11の出口
に設けられているため、高周波電流発生器5やコイル1
3の損失を考慮した出力の制御が可能である。
【0027】整流部22は、4個の整流素子D11〜D
14を用いた公知のものである。この整流部22によっ
て、交流電源21からの正負の電流が、図示のように正
だけの電流に変換される。
【0028】高周波インバータ部24は、4個のスイッ
チング素子Q1〜Q4を用いたものであり、Q1とQ2
とを直列に接続したものと、Q3とQ4とを直列に接続
したものを並列に接続してなっている。このスイッチン
グ素子Q1〜Q4はスイッチS1〜S4とダイオードD
1〜D4とを並列に接続した回路で表され、SIT(S
tatic Induction Transisto
r)、B−SIT、MOSFET(Metal−Oxi
de Semiconductor FET)、IGB
T、MCT等の電力素子(半導体パワーデバイス)を用
いて形成される。
【0029】スイッチS1,S4が閉じると、a点から
負荷L1,R1を経てb点に至る回路に電流が流れ、ス
イッチS2,S3が閉じると、b点から負荷L1,R1
を経てa点に至る回路に電流が流れる。すなわち、負荷
L1,R1から見ると、正又は逆に電流が流れたことに
なる。各スイッチS1〜S4はそれぞれ50%弱のデュ
ーディサイクルの電圧パルスで駆動する。スイッチS
1,S2の電圧駆動パルスを基準相パルスとし、スイッ
チS3,S4の電圧駆動パルスを制御相パルスとする。
基準相と制御相との電圧駆動パルスの位相差φを0〜1
80°まで連続的に変化させることにより出力電圧をP
WM(Pulse Width Modulatio
n)によって制御することができ、理論的には出力電力
を0から負荷回路定数とインバータ動作周波数で決まる
最大出力まで連続的に変化させることができる。
【0030】図7に戻り、装置本体1は、流体通路を形
成する非金属パイプ11内に、発熱体12を収納し、パ
イプ11の外周にコイル13を巻き付けたものである。
パイプ11の下側から入る低温流体14は発熱体12内
の流体通路を通過することで混合流体15となって均一
加熱された後、パイプ11の上側の出口から高温流体1
6となって流出する。この高温流体の温度は温度センサ
17で検出され、温度センサ17は温度制御部2に接続
されている。
【0031】図8はパイプ11内に組み込まれる発熱体
12の構造を示してる。ジグザグの山型に折り曲げられ
た第1金属板22と平たい第2金属板21とを交互に積
層し、全体として円筒状の積層体12に形成したもので
ある。この第1金属板22や第2金属板21の材質とし
ては、SUS447J1の如きマルテンサイト系ステン
レスが用いられる。この第1金属板22の山(又は谷)
23は中心軸24に対して角度αだけ傾くように配設さ
れ、第2金属板21を挟んで隣り合う第1金属板22の
山(又は谷)23は交差するように配設されている。そ
して、隣り合う第1金属板22における山(又は谷)2
3の交差点において、第1金属板22と第2金属板21
がスポット溶接で溶着され、電気的に導通可能になって
いる。
【0032】結局、手前側の第2金属板21と第1金属
板22との間には、角度αだけ傾いた第1小流路27が
形成され、次の第2金属板21と第1金属板22との間
には、角度−αだけ傾いた第2小流路28が形成され、
この第1小流路27と第2小流路28は角度2×αで交
差している。また、第1金属板22や第2金属板21の
表面には、流体の乱流を生じさせるための第3小流路と
しての孔26が設けられている。さらに、第1金属板2
2や第2金属板21の表面は平滑ではなく、梨地加工又
はエンボス加工によって微小な凹凸が施されている。こ
の凹凸は山(又は谷)23の高さに比較して無視できる
程度に小さい。
【0033】積層体12に高周波磁界を作用させると、
第1金属板22と第2金属板21の全体に渦電流が生
じ、積層体12が発熱する。このときの温度分布は、図
示のように第1金属板22と第2金属板21の長手方向
に延びた目玉型となり、周辺部より中心部の方が発熱
し、中央部を流れようとする流体の加熱に有利になって
いる。
【0034】また、積層体12内には交差する第1小流
路27と第2小流路28が形成され、周辺と中央との拡
散が行われ、加えて第3小通路を形成する孔26の存在
によって、第1小流路27と第2小流路28間の厚み方
向の拡散も行われる。したがって、これらの小流路2
7,28,26によって積層体12の全体にわたる流体
のマクロ的な分散、放散、揮散が生じる。加えて、表面
の微小な凹凸によってミクロ的な拡散、放散、揮散も生
じる。その結果、積層体12を通過する流体は略均一な
流れになって、第1金属板22及び第2金属板21と流
体との均一な接触機会が得られる。
【0035】
【発明の効果】本発明における電磁誘導加熱装置の熱回
収装置及び熱回収方法にあっては、コイルから発生する
熱ロスを加熱前の流体で回収するという点、または、熱
ロスを発生させるコイルと高周波電流発生器の両方を同
じ媒体で冷却し、回収した熱ロスを加熱すべき流体に返
すという点に特徴があり、電磁誘導加熱装置の部品の過
熱が抑えられるだけではなく、回収した熱で流体を予熱
するため、熱ロスの殆どが活用され、簡単な加熱回収装
置でありながら流体加熱の総合効率を97%前後まで高
めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱回収装置の機器構造図である。
【図2】コイルに対する冷却配管の設け方を示す図であ
る。
【図3】整流部に対する熱交換板の設け方を示す上面図
である。
【図4】インバータ部に対する熱交換板の設け方を示す
上面図である。
【図5】本発明の他の熱回収装置の機器構造図である。
【図6】本発明の更に他の熱回収装置の機器構造図であ
る。
【図7】電磁誘導加熱装置の機器構成図である。
【図8】発熱体の構造を示す図である。
【符号の説明】
1 装置本体 5 高周波電流発生器 11 パイプ(流体の通路) 12 発熱体 13 コイル 22 整流部 24 インバータ部 51 熱交換パイプ 52 熱交換板 53 熱交換板 61 入口部 62 第1配管(冷却配管) 63 第2配管(冷却配管) 71 冷却配管 73 熱交換器

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 流体の通路に設けられた導電性物質の発
    熱体と、該発熱体の周囲に設けられたコイルと、該コイ
    ルに接続される高周波電流発生器と、を備えた電磁誘導
    加熱装置に設けられる熱回収装置であって、加熱前の前
    記流体の一部を前記通路の入口部から分けて前記コイル
    の部分へ導き、コイルの冷却によって回収した熱ロスを
    前記入口部の流体に返す冷却配管を設けてなる電磁誘導
    加熱装置の熱回収装置。
  2. 【請求項2】 流体の通路に設けられた導電性物質の発
    熱体と、該発熱体の周囲に設けられたコイルと、該コイ
    ルに接続される高周波電流発生器と、を備えた電磁誘導
    加熱装置に設けられる熱回収装置であって、前記コイル
    と前記高周波電流発生器の両方を同じ媒体を使って冷却
    し、回収した熱ロスを上記流体に返す冷却配管を設けて
    なる電磁誘導加熱装置の熱回収装置。
  3. 【請求項3】 前記高周波電流発生器は、整流素子を使
    った整流部と電力素子を使ったインバータ部を含み、前
    記整流部及び前記インバータ部に対して前記冷却配管が
    施されている請求項2記載の電磁誘導加熱装置の熱回収
    装置。
  4. 【請求項4】 前記媒体が上記流体であって、前記発熱
    体に入る前の全部又は一部の前記流体が前記冷却配管に
    流されて前記発熱体に熱ロスを返す請求項2又は3記載
    の電磁誘導加熱装置の熱回収装置。
  5. 【請求項5】 前記媒体が吸収した熱ロスが熱交換器を
    介して前記流体に返される請求項2記載の電磁誘導加熱
    装置の熱回収装置。
  6. 【請求項6】 前記コイルと前記高周波電流発生器とを
    近接配置して共通の防爆ケース内に収納した請求項2記
    載の電磁誘導加熱装置の熱回収装置。
  7. 【請求項7】 流体の通路に設けられた導電性物質の発
    熱体と、該発熱体の周囲に設けられたコイルと、該コイ
    ルに接続される高周波電流発生器と、を備えた電磁誘導
    加熱装置の熱回収方法であって、加熱前の前記流体の一
    部を前記通路の入口部から分けて前記コイルの部分へ導
    き、コイルの冷却によって回収した熱ロスを前記入口部
    の流体に返すことを特徴とする電磁誘導加熱装置の熱回
    収方法。
  8. 【請求項8】 流体の通路に設けられた導電性物質の発
    熱体と、該発熱体の周囲に設けられたコイルと、該コイ
    ルに接続される高周波電流発生器と、を備えた電磁誘導
    加熱装置の熱回収方法であって、前記コイルと前記高周
    波電流発生器の両方を同じ媒体を使って冷却し、回収し
    た熱ロスを上記流体に返すことを特徴とする電磁誘導加
    熱装置の熱回収方法。
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