JPH0833952B2 - 自動販売機の断熱内扉装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は自動販売機の断熱内扉装置に関する。

（ロ）従来の技術 従来、庫内に複数の商品収納棚を並設し、この庫内を
冷却あるいは加温して、商品収納棚に収納された商品を
冷却状態あるいは加温状態にて販売するようにした自動
販売機では、庫内前面の開口を開閉する断熱内扉を設
け、前面扉内に設けた貨幣選別装置等のメンテナンス時
における前面扉の開放時に、庫内の冷気あるいは暖気の
流出を防止するようになっており、例えば特開昭61−21
1795号公報に示されている。

（ハ）発明が解決しようとする問題点 かかる従来技術における断熱内扉は、第８図に示すよ
うに１枚扉によって形成されているため、前面扉（18）
により開扉範囲を制限され易く、前面扉（18）を90度以
上に大きく開けなければ断熱内扉（20）は庫内（２）を
大きく開けることができず、断熱内扉（20）の軸支側に
おける商品の補給作業あるいは商品収納棚の着脱及び庫
内の点検作業等が出来にくい問題があった。

本発明は上記のようなことから、断熱内扉を前面扉の
開扉状態にあまり影響されることなく開扉でき、かつ庫
内前面開口の任意位置を開放することのできる自動販売
機の断熱内扉装置を提供するものである。

（ニ）問題点を解決するための手段 本発明は、庫内に複数の商品収納棚を並設するととも
に、庫内前面の開口に該開口を開閉する断熱内扉を設け
た自動販売機において、前記開口の上下部に開口幅の略
全幅に亘って延在設置した上下一対のレール部材と、外
側端部の上下部に突設した支持部材を上下のレール部材
にそれぞれ移動自在に係合させるとともに、相対向する
内側端部をヒンジ部材によって回動自在に連結して上下
一対のレール部材間に装着し前記開口を開閉する左右一
対の断熱内扉とを備え、該左右一対の断熱内扉は連結部
を前方へ突出させて折曲することで前記開口を開放する
とともに、該開扉時にレール部材上を左右方向に移動自
在にしたものである。

（ホ）作用 ヒンジ部材によって連結された左右一対の断熱内扉
を、その連結部を前方へ引出し突出させて折曲すると、
上下のレール部材に支持部材を移動自在に係合支持され
た断熱内扉の両外側端部は、互いに近接状態となって庫
内前面の開口を開放する。そしてこの開放状態にて断熱
内扉は上下のレール部材に支持案内されて左右方向へ移
動することができる。一方、前方へ突出した連結部を後
退させて左右一対の断熱内扉を略一直線状態にすること
で庫内前面の開口を閉塞する。

（ヘ）実施例 第１図乃至第７図は本発明の実施例を示すものであ
る。（１）は自動販売機本体で、庫内（２）には上下方
向に延在して、収納した商品を下端から送出するように
した商品収納棚（３）を、左右方向に複数並設してい
る。また、庫内（２）は図示しない冷却装置あるいは加
温装置により冷却または加温され、商品収納棚（３）に
収納した商品を冷却あるいは加温して販売できるように
なっている。

庫内（２）前面の開口（４）の上下部には、この開口
（４）の上下縁部に沿って開口（４）の幅と略全幅に亘
って延在するレール部材（５）（６）が対向して設けら
れる。この上下のレール部材（５）（６）は、相対向す
る面にそれぞれレール部材（５）（６）の略全長に亘っ
て延在する案内溝（７）を設け、該案内溝（７）内に左
右一対の断熱内扉（８）（９）の支持部材（10）を挿入
して移動自在に支持するものである。

左右一対の断熱内扉（８）（９）は、相対向する内側
端部（8A）（9A）をヒンジ部材（11）によって回動自在
に連結し、外側端部（8B）（9B）の上下部にはそれぞれ
上下方向に突出する支持部材（10）を設けるとともに、
この各支持部材（10）には樹脂材にて形成したカラー部
材（12）を装着している。そして、断熱内扉（８）
（９）の上端に突設された支持部材（10）は上部のレー
ル部材（５）の案内溝（７）へ挿入し、また断熱内扉
（８）（９）の下端に突設した支持部材（10）は下部の
レール部材（６）の案内溝（７）へ挿入し、第５図に示
すようにカラー部材（12）を介して案内溝（７）に摺動
移動自在に支持されている。

上下のレール部材（５）（６）間に装着した左右一対
の断熱内扉（８）（９）は、断熱内扉（９）の内側端部
（9A）前面に設けた把手（13）を前方へ引寄せ、ヒンジ
部材（11）にて連結された連結部を前方へ突出して折曲
すると、外側端部（8B）（9B）が互いに近寄るように移
動して開口（４）を開放し、また、断熱内扉（８）
（９）を第２図に示すように左右方向に略一直線状態と
すると、断熱内扉（８）（９）の後面の端縁が開口
（４）の周縁に設けたパッキン（14）に圧接して、開口
（４）を密閉するようになっている。

また、左右一対の断熱内扉（８）（９）を連結するヒ
ンジ部材（11）は、回動支点となる支軸（11A）を、第
２図に示すように左右の支持部材（10）（10）を結ぶ一
点鎖線（Ａ）よりも後方、即ち庫内（２）側に位置する
ように設けられており、断熱内扉（８）（９）の開扉時
に、断熱内扉（８）（９）自体が閉扉状態を保持する自
閉力を生じるようになっている。

即ち第７図に示すように、上下のレール部材（５）
（６）の案内溝（７）の長さ寸法（Ｂ）を、左右の断熱
内扉（８）（９）の支持部材（10）とヒンジ部材（11）
の支軸（11A）との間隔寸法（C1）と（C2）を合計した
寸法よりも僅かに短く形成し、断熱内扉（８）（９）の
閉扉時に左右の支持部材（10）（10）が、案内溝（７）
の両端を形成する規制部（5A）（6A）によってヒンジ部
材（11）方向へ押圧付勢される状態と成すことにより、
ヒンジ部材（11）にて連結された連結部が後方へ付勢さ
れ、断熱内扉（８）（９）は閉扉状態を保持する自閉力
を生じることができる。

（15）は断熱内扉（９）の内側端部（9A）端面に設け
たパッキンであり、断熱内扉（８）（９）を閉扉したと
きに断熱内扉（８）の内側端部（8A）端面に圧接してシ
ールするようになっている。

また、（16）は両端部に長孔（16A）をそれぞれ設け
た規制部材で、長孔（16A）を通して内側端部（8A）（9
A）上端面にそれぞれ螺着した段付ボルト（17）によっ
て取付けられ、断熱内扉（８）（９）が開扉したとき
に、断熱内扉（８）（９）の外側端部（8B）（9B）の近
寄り移動によるヒンジ部材（11）部分での折曲角度を規
制し、断熱内扉（８）（９）の重なりを防止して外側端
部（8B）（9B）間が所定以上に近接しないようにしてい
る。

（18）は商品展示室及び貨幣選別装置等を内設した前
面扉であり、本体（１）の前面に開閉可能に枢支されて
いるとともに、裏面には断熱内扉（８）（９）の連結部
の上下部に対応してストッパー部材（19）をそれぞれ突
設し、閉扉状態時に断熱内扉（８）（９）の内側端部
（8A）（9A）前面に当接して、該断熱内扉（８）（９）
の閉扉を阻止するようにしている。

従って、かかる構成において庫内（２）の点検あるい
は商品収納棚（３）への商品の補給等を行なう場合は、
先ず前面扉（18）を開いて断熱内扉（８）（９）の前面
を開放する。そして把手（13）に手を掛けて前方へ引寄
せると、左右の断熱内扉（８）（９）はヒンジ部材（1
1）の支軸（11A）を支点に回動し、支軸（11A）を中心
に折曲状態となって、外側端部（8B）（9B）を互いに近
寄る方向に支持部材（10）がカラー部材（12）を介して
案内溝（７）内を摺動移動する。この摺動移動によって
開口（４）が開放され、断熱内扉（８）（９）は規制部
材（16）によって所定角度以上の折曲を防止される。そ
してこの折曲して開扉状態の断熱内扉（８）（９）は、
第４図に示すように左右方向へ案内溝（７）の範囲内を
摺動して移動させることにより、開口（４）の開放位置
を変えることができる。従って、例えば庫内（２）の左
側の商品収納棚（３）へ商品を補給する場合は、開扉し
た断熱内扉（８）（９）を右方へ移動して庫内（２）前
面開口（４）の左側部分を開放し、また右側の商品収納
棚（３）へ商品を補給する場合は、開扉状態の断熱内扉
（８）（９）左右へ移動して開口（４）の右側部分を開
放することができる。

一方、断熱内扉（８）（９）を開扉する場合は、把手
（13）を操作して連結部を後方へ押圧し、左右両側の支
持部材（10）がカラー部材（12）を介して案内溝（７）
の規制部（5A）（6A）に当接させた後に、更に後方へ押
圧付勢すると、支軸（11A）が支持部材（10）（10）を
結ぶ一点鎖線（Ａ）よりも後方へ位置し、断熱内扉
（８）（９）は自閉力を生じて開口（４）を密閉する。
そしてこの後に前面扉（18）を閉止すると、ストッパー
部材（19）が断熱内扉（８）（９）の内側端部（8A）
（9A）前面に当接し、振動等による断熱内扉（８）
（９）の閉扉を防止する。

（ト）発明の効果 本発明は上記したように構成したものであるから、前
面扉を90度以上に開けなくとも庫内前面開口の任意の位
置を開放することができる。従って、他の自動販売機が
並設されているために前面扉を大きく開けられない場合
でも、前面扉の軸支側の庫内も大きく開放でき、商品補
給及び点検等の作業が容易にできる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第７図は本発明の実施例を示すものであり、
第１図は前面扉及び断熱内扉を開いた状態の自動販売機
の斜視図、第２図は閉扉状態の断熱内扉部分の横断平面
図、第３図は同様の一部断面正面図、第４図は開扉状態
の横断平面図、第５図は第３図ほＤ−Ｄ線断面図、第６
図は開扉状態における規制部材部分の斜視図、第７図は
説明図、第８図は従来例を示す自動販売機の横断平面図
である。 （４）……開口、（５）（６）……レール部材、（８）
（９）……断熱内扉、（8A）（9A）……内側端部、（8
B）（9B）……外側端部、（10）支持部材、（11）……
ヒンジ部材。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】庫内に複数の商品収納棚を並設するととも
   に、庫内前面の開口に該開口を開閉する断熱内扉を設け
   た自動販売機において、前記開口の上下部に開口幅の略
   全幅に亘って延在設置した上下一対のレール部材と、外
   側端部の上下部に突設した支持部材を上下のレール部材
   にそれぞれ移動自在に係合させるとともに、相対向する
   内側端部をヒンジ部材によって回動自在に連結して上下
   一対のレール部材間に装着し前記開口を開閉する左右一
   対の断熱内扉とを備え、該左右一対の断熱内扉は連結部
   を前方へ突出させて折曲することで前記開口を開放する
   とともに、該開扉時にレール部材上を左右方向に移動自
   在にしたことを特徴とする自動販売機の断熱内扉装置。