JPH08338986A - カラー液晶表示素子 - Google Patents
カラー液晶表示素子Info
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- JPH08338986A JPH08338986A JP7146502A JP14650295A JPH08338986A JP H08338986 A JPH08338986 A JP H08338986A JP 7146502 A JP7146502 A JP 7146502A JP 14650295 A JP14650295 A JP 14650295A JP H08338986 A JPH08338986 A JP H08338986A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】カラーフィルタの膜剥れを防止する。
【構成】カラー液晶表示素子P1 の製造工程において、
カラーフィルタ5,…や緩衝膜20や下基板1に熱が加
えられると、これらは熱膨張する。そして、カラーフィ
ルタ5,…の下部(緩衝膜20に接している部分)は緩
衝膜20によって引っ張られ、緩衝膜20の下部(下基
板1に接している部分)は該基板1によって引っ張ら
れ、カラーフィルタ5,…の下部等には熱応力が発生す
る。しかし、緩衝膜20の線膨張係数aと、基板の線膨
張係数bと、カラーフィルタの線膨張係数cとの間に
は、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|<5
×10-6なる関係が成立するため、前記熱応力も小さな
ものとなる。
カラーフィルタ5,…や緩衝膜20や下基板1に熱が加
えられると、これらは熱膨張する。そして、カラーフィ
ルタ5,…の下部(緩衝膜20に接している部分)は緩
衝膜20によって引っ張られ、緩衝膜20の下部(下基
板1に接している部分)は該基板1によって引っ張ら
れ、カラーフィルタ5,…の下部等には熱応力が発生す
る。しかし、緩衝膜20の線膨張係数aと、基板の線膨
張係数bと、カラーフィルタの線膨張係数cとの間に
は、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|<5
×10-6なる関係が成立するため、前記熱応力も小さな
ものとなる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶を利用して種々の
カラー表示を行なうカラー液晶表示素子に関する。
カラー表示を行なうカラー液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、液晶を利用して種々の情報を
表示する液晶表示素子が様々な分野で用いられている
が、近年は、特にカラー表示を可能とした液晶表示素子
(以下、”カラー液晶表示素子”とする)が注目されて
いる。ここで、カラー液晶表示素子の一例を、図1に沿
って説明する。
表示する液晶表示素子が様々な分野で用いられている
が、近年は、特にカラー表示を可能とした液晶表示素子
(以下、”カラー液晶表示素子”とする)が注目されて
いる。ここで、カラー液晶表示素子の一例を、図1に沿
って説明する。
【0003】カラー液晶表示素子Pは、図1に示すよう
に、微小な間隙を保って相対向するように配置された上
下2枚のガラス基板1,2を備えており、下側のガラス
基板1(以下、“下基板1”とする)の表面には、一定
の間隙を開けて、多数の遮光層3,…が形成されてい
る。また、これらの間隙部分の下基板上には多数のカラ
ーフィルタ5,…が接着されており、これらの遮光層
3,…及びカラーフィルタ5,…を覆うようにカラーフ
ィルタ保護膜6が形成されている。さらに、このカラー
フィルタ保護膜6の表面には、帯状の透明電極7,…が
多数形成されており、またさらに、これらの透明電極
7,…を覆うようにして液晶配向膜9が形成されてい
る。一方、上側のガラス基板2(以下、“上基板2”と
する)の下面(表面)には、帯状の透明電極10,…が
多数形成されており、これらの透明電極10,…を覆う
ようにして液晶配向膜11が形成されている。なお、こ
れらの液晶配向膜9,11には、それぞれラビング処理
が施されている。そして、これらの上下基板1,2の間
隙には液晶12が挟持されている。
に、微小な間隙を保って相対向するように配置された上
下2枚のガラス基板1,2を備えており、下側のガラス
基板1(以下、“下基板1”とする)の表面には、一定
の間隙を開けて、多数の遮光層3,…が形成されてい
る。また、これらの間隙部分の下基板上には多数のカラ
ーフィルタ5,…が接着されており、これらの遮光層
3,…及びカラーフィルタ5,…を覆うようにカラーフ
ィルタ保護膜6が形成されている。さらに、このカラー
フィルタ保護膜6の表面には、帯状の透明電極7,…が
多数形成されており、またさらに、これらの透明電極
7,…を覆うようにして液晶配向膜9が形成されてい
る。一方、上側のガラス基板2(以下、“上基板2”と
する)の下面(表面)には、帯状の透明電極10,…が
多数形成されており、これらの透明電極10,…を覆う
ようにして液晶配向膜11が形成されている。なお、こ
れらの液晶配向膜9,11には、それぞれラビング処理
が施されている。そして、これらの上下基板1,2の間
隙には液晶12が挟持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述構成の
液晶表示素子Pを製造するに当たり、液晶12は高温の
状態で基板間隙に注入され、カラーフィルタ保護膜6を
形成する際にも熱を伴う。したがって、下基板1やカラ
ーフィルタ5,…等の部材は加熱されてそれぞれ膨張す
る。ここで、一般に、下基板1の線膨張係数(8×10
-6/ ℃程度)とカラーフィルタ5,…の線膨張係数(2
×10-6/ ℃程度)とでは、かなりの差があるため、カ
ラーフィルタ5,…は下基板1によって引っ張られてし
まい、剥れるという問題があった。
液晶表示素子Pを製造するに当たり、液晶12は高温の
状態で基板間隙に注入され、カラーフィルタ保護膜6を
形成する際にも熱を伴う。したがって、下基板1やカラ
ーフィルタ5,…等の部材は加熱されてそれぞれ膨張す
る。ここで、一般に、下基板1の線膨張係数(8×10
-6/ ℃程度)とカラーフィルタ5,…の線膨張係数(2
×10-6/ ℃程度)とでは、かなりの差があるため、カ
ラーフィルタ5,…は下基板1によって引っ張られてし
まい、剥れるという問題があった。
【0005】一方、下基板1として青板ガラスを用いた
場合には、上記加熱に伴ってその含有成分(アルカリ成
分)が溶出するが、このアルカリ成分がカラーフィルタ
5,…と反応してしまい、該カラーフィルタ5,…の界
面密着力を弱めて、該フィルタを剥れ易くしてしまうと
いう問題があった。
場合には、上記加熱に伴ってその含有成分(アルカリ成
分)が溶出するが、このアルカリ成分がカラーフィルタ
5,…と反応してしまい、該カラーフィルタ5,…の界
面密着力を弱めて、該フィルタを剥れ易くしてしまうと
いう問題があった。
【0006】そこで、本発明は、基板とカラーフィルタ
との間に緩衝膜を介装させると共に該緩衝膜の線膨張係
数の値を所定のものにすることにより、熱応力に伴うカ
ラーフィルタの剥れを防止するカラー液晶表示素子を提
供することを目的とするものである。
との間に緩衝膜を介装させると共に該緩衝膜の線膨張係
数の値を所定のものにすることにより、熱応力に伴うカ
ラーフィルタの剥れを防止するカラー液晶表示素子を提
供することを目的とするものである。
【0007】また、本発明は、緩衝膜を、基板とカラー
フィルタとの間、遮光層とカラーフィルタとの間、及び
遮光層と保護膜との間に一体的に介装させることによ
り、熱応力に伴うカラーフィルタの剥れ、及びアルカリ
成分の溶出に伴うカラーフィルタの剥れを防止するカラ
ー液晶表示素子を提供することを目的とするものであ
る。
フィルタとの間、遮光層とカラーフィルタとの間、及び
遮光層と保護膜との間に一体的に介装させることによ
り、熱応力に伴うカラーフィルタの剥れ、及びアルカリ
成分の溶出に伴うカラーフィルタの剥れを防止するカラ
ー液晶表示素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上述事情に鑑
みなされたものであって、基板と、基板上に所定間隙を
開けて形成された多数の遮光層と、これら遮光層の間隙
に配置された多数のカラーフィルタと、これらの遮光層
及びカラーフィルタを覆うように形成された保護膜と、
を備えたカラー液晶表示素子において、前記基板と前記
カラーフィルタとの間に介装された緩衝膜を備え、か
つ、該緩衝膜の線膨張係数をaとし、前記基板の線膨張
係数をbとし、前記カラーフィルタの線膨張係数をcと
した場合に、|a−b|<5×10-6、 及び |a−
c|<5×10-6が成立する、ことを特徴とする。この
場合、前記緩衝膜が、前記遮光層と前記カラーフィルタ
との間、及び前記遮光層と前記保護膜との間に一体的に
介装されてなる、ようにすると好ましい。また、前記緩
衝膜が、SiO2 又はTa2 O5 である、ようにすると
好ましい。さらに、前記緩衝膜の厚さが、100Å以上
1000Å未満である、ようにすると好ましい。
みなされたものであって、基板と、基板上に所定間隙を
開けて形成された多数の遮光層と、これら遮光層の間隙
に配置された多数のカラーフィルタと、これらの遮光層
及びカラーフィルタを覆うように形成された保護膜と、
を備えたカラー液晶表示素子において、前記基板と前記
カラーフィルタとの間に介装された緩衝膜を備え、か
つ、該緩衝膜の線膨張係数をaとし、前記基板の線膨張
係数をbとし、前記カラーフィルタの線膨張係数をcと
した場合に、|a−b|<5×10-6、 及び |a−
c|<5×10-6が成立する、ことを特徴とする。この
場合、前記緩衝膜が、前記遮光層と前記カラーフィルタ
との間、及び前記遮光層と前記保護膜との間に一体的に
介装されてなる、ようにすると好ましい。また、前記緩
衝膜が、SiO2 又はTa2 O5 である、ようにすると
好ましい。さらに、前記緩衝膜の厚さが、100Å以上
1000Å未満である、ようにすると好ましい。
【0009】
【作用】以上構成に基づき、カラー液晶表示素子の製造
工程において、カラーフィルタや緩衝膜や基板に熱が加
えられると、これらは熱膨張する。そして、カラーフィ
ルタの下部(緩衝膜に接している部分)は緩衝膜によっ
て引っ張られ、緩衝膜の下部(基板に接している部分)
は該基板によって引っ張られ、カラーフィルタの下部等
には熱応力が発生する。しかし、緩衝膜の線膨張係数a
と、基板の線膨張係数bと、カラーフィルタの線膨張係
数cとの間には、|a−b|<5×10-6、 及び |
a−c|<5×10-6なる関係が成立するため、前記熱
応力も小さなものとなる。
工程において、カラーフィルタや緩衝膜や基板に熱が加
えられると、これらは熱膨張する。そして、カラーフィ
ルタの下部(緩衝膜に接している部分)は緩衝膜によっ
て引っ張られ、緩衝膜の下部(基板に接している部分)
は該基板によって引っ張られ、カラーフィルタの下部等
には熱応力が発生する。しかし、緩衝膜の線膨張係数a
と、基板の線膨張係数bと、カラーフィルタの線膨張係
数cとの間には、|a−b|<5×10-6、 及び |
a−c|<5×10-6なる関係が成立するため、前記熱
応力も小さなものとなる。
【0010】
【実施例】以下、図面に沿って、本発明の一実施例につ
いて、図2に沿って説明する。なお、図1に示すものと
同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
いて、図2に沿って説明する。なお、図1に示すものと
同一部分は同一符号を付して説明を省略する。
【0011】本実施例に係るカラー液晶表示素子P1 は
緩衝膜20を備えている。この緩衝膜20は、図2に示
すように、下基板1とカラーフィルタ5,…との間、遮
光層3,…とカラーフィルタ5,…との間、さらには遮
光層3,…とカラーフィルタ保護膜6との間に一体的に
介装されている。つまり、緩衝膜20は、下基板1、遮
光層3,…、カラーフィルタ5,…及びカラーフィルタ
保護膜6のすべてに接するように構成されている。ま
た、本実施例においては、緩衝膜20は、線膨張係数が
6×10-6/℃のSiO2 によって構成されており、そ
の厚さを300Åとしている。さらに、本実施例におい
ては、下基板1の線膨張係数は8×10-6/℃であり、
遮光層3,…の線膨張係数は7.5×10-6/℃であ
り、カラーフィルタ5,…の線膨張係数は2×10-6/
℃であり、カラーフィルタ保護膜6の線膨張係数は9×
10-6/℃である。つまり、本実施例においては、緩衝
膜20の線膨張係数をaとし、下基板1の線膨張係数を
bとし、カラーフィルタ5,…の線膨張係数をcとした
場合に、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|
<5×10-6が成立するようになっている。
緩衝膜20を備えている。この緩衝膜20は、図2に示
すように、下基板1とカラーフィルタ5,…との間、遮
光層3,…とカラーフィルタ5,…との間、さらには遮
光層3,…とカラーフィルタ保護膜6との間に一体的に
介装されている。つまり、緩衝膜20は、下基板1、遮
光層3,…、カラーフィルタ5,…及びカラーフィルタ
保護膜6のすべてに接するように構成されている。ま
た、本実施例においては、緩衝膜20は、線膨張係数が
6×10-6/℃のSiO2 によって構成されており、そ
の厚さを300Åとしている。さらに、本実施例におい
ては、下基板1の線膨張係数は8×10-6/℃であり、
遮光層3,…の線膨張係数は7.5×10-6/℃であ
り、カラーフィルタ5,…の線膨張係数は2×10-6/
℃であり、カラーフィルタ保護膜6の線膨張係数は9×
10-6/℃である。つまり、本実施例においては、緩衝
膜20の線膨張係数をaとし、下基板1の線膨張係数を
bとし、カラーフィルタ5,…の線膨張係数をcとした
場合に、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|
<5×10-6が成立するようになっている。
【0012】なお、遮光層3,…は、下基板1の表面に
Crを成膜し、かつフォトリソ工程によってパターニン
グすることにより形成しており、カラーフィルタ5,…
の形成には、感光性のカラーレジスト材料(富士ハン
ト、CMF)を使用している。また、緩衝膜20は、ス
パッタリングによって形成されており、カラーフィルタ
保護膜6には有機シロキサン系の保護膜が用いられてい
る。
Crを成膜し、かつフォトリソ工程によってパターニン
グすることにより形成しており、カラーフィルタ5,…
の形成には、感光性のカラーレジスト材料(富士ハン
ト、CMF)を使用している。また、緩衝膜20は、ス
パッタリングによって形成されており、カラーフィルタ
保護膜6には有機シロキサン系の保護膜が用いられてい
る。
【0013】次に、本実施例の作用について説明する。
【0014】いま、液晶表示素子の製造工程(例えば、
液晶を注入する工程)にてカラーフィルタ5,…や緩衝
膜20や下基板1などが加熱されると、これらのカラー
フィルタ5,…等は熱膨張する。ここで、カラーフィル
タ5,…の線膨張係数は2×10-6/℃であり、緩衝膜
20の線膨張係数は6×10-6/℃であり、下基板1の
線膨張係数は8×10-6/℃であるため、これら三者の
関係においては、 カラーフィルタ5,… < 緩衝膜20 < 下基板1 の順に膨張率が大きくなる。そして、緩衝膜20の下部
(下基板1に接している部分)は下基板1によって引っ
張られ、カラーフィルタ5,…の下部(緩衝膜20に接
している部分)は緩衝膜20によって引っ張られる。こ
のため、これら緩衝膜20の下部、及びカラーフィルタ
5,…の下部には熱応力が発生する。しかし、隣り合う
部材相互の線膨張係数の差、すなわち、カラーフィルタ
5,…の線膨張係数と緩衝膜20の線膨張係数との差、
及び緩衝膜20の線膨張係数と下基板1の線膨張係数と
の差は、いずれも5×10-6/℃未満で小さいため、上
述した熱応力も小さいものとなる。
液晶を注入する工程)にてカラーフィルタ5,…や緩衝
膜20や下基板1などが加熱されると、これらのカラー
フィルタ5,…等は熱膨張する。ここで、カラーフィル
タ5,…の線膨張係数は2×10-6/℃であり、緩衝膜
20の線膨張係数は6×10-6/℃であり、下基板1の
線膨張係数は8×10-6/℃であるため、これら三者の
関係においては、 カラーフィルタ5,… < 緩衝膜20 < 下基板1 の順に膨張率が大きくなる。そして、緩衝膜20の下部
(下基板1に接している部分)は下基板1によって引っ
張られ、カラーフィルタ5,…の下部(緩衝膜20に接
している部分)は緩衝膜20によって引っ張られる。こ
のため、これら緩衝膜20の下部、及びカラーフィルタ
5,…の下部には熱応力が発生する。しかし、隣り合う
部材相互の線膨張係数の差、すなわち、カラーフィルタ
5,…の線膨張係数と緩衝膜20の線膨張係数との差、
及び緩衝膜20の線膨張係数と下基板1の線膨張係数と
の差は、いずれも5×10-6/℃未満で小さいため、上
述した熱応力も小さいものとなる。
【0015】また、緩衝膜20は、一体的に形成されて
下基板1とカラーフィルタ5,…との間に介装されてい
る。したがって、下基板1が青板ガラスの場合であって
も、その含有成分(アルカリ成分)のカラーフィルタ
5,…への付着が防止される。
下基板1とカラーフィルタ5,…との間に介装されてい
る。したがって、下基板1が青板ガラスの場合であって
も、その含有成分(アルカリ成分)のカラーフィルタ
5,…への付着が防止される。
【0016】次に、本実施例の効果について説明する。
【0017】本実施例によれば、緩衝膜20やカラーフ
ィルタ5,…に発生する熱応力は上述のように小さいも
のであるため、また、アルカリ成分のカラーフィルタ
5,…への付着が防止されるため、カラーフィルタ5,
…が緩衝膜20から剥れたりすることがない。なお、本
発明者は、緩衝膜20がある液晶表示素子と、緩衝膜の
ない液晶表示素子とについて、その製造課程における膜
剥れの有無を確認した(表1参照)。これにより、カラ
ーフィルタ5,…の剥離が緩衝膜20によって防止され
ていることが分かる。
ィルタ5,…に発生する熱応力は上述のように小さいも
のであるため、また、アルカリ成分のカラーフィルタ
5,…への付着が防止されるため、カラーフィルタ5,
…が緩衝膜20から剥れたりすることがない。なお、本
発明者は、緩衝膜20がある液晶表示素子と、緩衝膜の
ない液晶表示素子とについて、その製造課程における膜
剥れの有無を確認した(表1参照)。これにより、カラ
ーフィルタ5,…の剥離が緩衝膜20によって防止され
ていることが分かる。
【0018】
【表1】 なお、○;膜剥れ有り X;膜剥れ無し なお、上述実施例においては緩衝膜20の厚さを300
Åとしたが、本発明者は実験により100Å以上100
0Å未満であれば良いことを確認している。以下、その
実験の内容について表2に沿って説明する。すなわち、
本発明者は、SiO2 緩衝膜20の厚さが50Å、10
0Å、300Å、1000Å、2000Å、及び緩衝膜
なしの7種類の液晶表示素子を製作し、その製造過程に
おける膜剥れの有無を確認した。それによると、緩衝膜
20の厚さが50Åの場合には製造工程初期に膜剥れが
発生し、緩衝膜20の厚さが1000Å及び2000Å
の場合には製造工程終期にて膜剥れが発生した。そし
て、緩衝膜20の厚さが100Å及び300Åの場合に
は、膜剥れは全く発生しなかった。これより、緩衝膜2
0の厚さが100Å以上1000Å未満の場合には膜剥
れが発生しないことが理解できる。
Åとしたが、本発明者は実験により100Å以上100
0Å未満であれば良いことを確認している。以下、その
実験の内容について表2に沿って説明する。すなわち、
本発明者は、SiO2 緩衝膜20の厚さが50Å、10
0Å、300Å、1000Å、2000Å、及び緩衝膜
なしの7種類の液晶表示素子を製作し、その製造過程に
おける膜剥れの有無を確認した。それによると、緩衝膜
20の厚さが50Åの場合には製造工程初期に膜剥れが
発生し、緩衝膜20の厚さが1000Å及び2000Å
の場合には製造工程終期にて膜剥れが発生した。そし
て、緩衝膜20の厚さが100Å及び300Åの場合に
は、膜剥れは全く発生しなかった。これより、緩衝膜2
0の厚さが100Å以上1000Å未満の場合には膜剥
れが発生しないことが理解できる。
【0019】
【表2】 なお、○;膜剥れ有り X;膜剥れ無し また、上述実施例においては緩衝膜20の材質をSiO
2 としたが、本発明者は実験によりTa2 O5 であって
も良いことを確認している。以下、その実験の内容につ
いて表3に沿って説明する。すなわち、本発明者は、緩
衝膜20の材質をSiO2 、Ta2 O5 、SiC、Ti
O2 及びAl2 O3 とした5種類の液晶表示素子を製作
し(緩衝膜の厚さはいずれも100Å)、その製造過程
における膜剥れの有無を確認した。それによると、緩衝
膜20の材質がSiC、TiO2及びAl2 O3 の場合
にはいずれも膜剥れが発生していたが、SiO2 やTa
2O5 とした場合には膜剥れの発生は確認されなかっ
た。ここで、Ta2 O5 の線膨張係数は4×10-6/℃
であることから、緩衝膜20の線膨張係数をaとし、下
基板1の線膨張係数をbとし、カラーフィルタ5,…の
線膨張係数をcとした場合に、|a−b|<5×1
0-6、 及び |a−c|<5×10-6が成立している
ことが理解できる。また、SiC及びTiO2 の線膨張
係数はいずれも0.5×10-6/℃であり、Al2 O3
の線膨張係数は1×10-6/℃であり、これらの場合に
は、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|<5
×10-6が成立していないことが理解できる。
2 としたが、本発明者は実験によりTa2 O5 であって
も良いことを確認している。以下、その実験の内容につ
いて表3に沿って説明する。すなわち、本発明者は、緩
衝膜20の材質をSiO2 、Ta2 O5 、SiC、Ti
O2 及びAl2 O3 とした5種類の液晶表示素子を製作
し(緩衝膜の厚さはいずれも100Å)、その製造過程
における膜剥れの有無を確認した。それによると、緩衝
膜20の材質がSiC、TiO2及びAl2 O3 の場合
にはいずれも膜剥れが発生していたが、SiO2 やTa
2O5 とした場合には膜剥れの発生は確認されなかっ
た。ここで、Ta2 O5 の線膨張係数は4×10-6/℃
であることから、緩衝膜20の線膨張係数をaとし、下
基板1の線膨張係数をbとし、カラーフィルタ5,…の
線膨張係数をcとした場合に、|a−b|<5×1
0-6、 及び |a−c|<5×10-6が成立している
ことが理解できる。また、SiC及びTiO2 の線膨張
係数はいずれも0.5×10-6/℃であり、Al2 O3
の線膨張係数は1×10-6/℃であり、これらの場合に
は、|a−b|<5×10-6、 及び |a−c|<5
×10-6が成立していないことが理解できる。
【0020】なお、緩衝膜20の厚さは、材質がSiO
2 、Ta2 O5 のいずれかの場合でも100Å以上10
00Å未満が適切であることを、本発明者は実験により
確認している。
2 、Ta2 O5 のいずれかの場合でも100Å以上10
00Å未満が適切であることを、本発明者は実験により
確認している。
【0021】また、線膨張係数が上式を満足する限り、
緩衝膜20の材質はSiO2 やTa2 O5 に限るもので
はない。
緩衝膜20の材質はSiO2 やTa2 O5 に限るもので
はない。
【0022】
【表3】 なお、○;膜剥れ有り X;膜剥れ無し
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
基板とカラーフィルタとの間に緩衝膜を介装させると共
に該緩衝膜の線膨張係数の値を所定のものにしたため、
熱応力に伴うカラーフィルタの剥れが防止される。
基板とカラーフィルタとの間に緩衝膜を介装させると共
に該緩衝膜の線膨張係数の値を所定のものにしたため、
熱応力に伴うカラーフィルタの剥れが防止される。
【0024】また、緩衝膜を、基板とカラーフィルタと
の間、遮光層とカラーフィルタとの間、及び遮光層と保
護膜との間に一体的に介装させた場合には、熱応力に伴
うカラーフィルタの剥れ、及びアルカリ成分の溶出に伴
うカラーフィルタの剥れを共に防止できる。
の間、遮光層とカラーフィルタとの間、及び遮光層と保
護膜との間に一体的に介装させた場合には、熱応力に伴
うカラーフィルタの剥れ、及びアルカリ成分の溶出に伴
うカラーフィルタの剥れを共に防止できる。
【図1】カラー液晶表示素子の構造を説明するための断
面図。
面図。
【図2】本発明の一実施例に係るカラー液晶表示素子の
構造を説明するための部分拡大断面図。
構造を説明するための部分拡大断面図。
1 下基板(基板) 3,… 遮光膜(遮光層) 5,… カラーフィルタ 6 カラーフィルタ保護膜(保護膜) 20 緩衝膜 P1 カラー液晶表示素子
Claims (4)
- 【請求項1】 基板と、基板上に所定間隙を開けて形成
された多数の遮光層と、これら遮光層の間隙に配置され
た多数のカラーフィルタと、これらの遮光層及びカラー
フィルタを覆うように形成された保護膜と、を備えたカ
ラー液晶表示素子において、 前記基板と前記カラーフィルタとの間に介装された緩衝
膜を備え、かつ、 該緩衝膜の線膨張係数をaとし、前記基板の線膨張係数
をbとし、前記カラーフィルタの線膨張係数をcとした
場合に、 |a−b|<5×10-6、 及び |a−c|<5×1
0-6が成立する、 ことを特徴とするカラー液晶表示素子。 - 【請求項2】 前記緩衝膜が、前記遮光層と前記カラー
フィルタとの間、及び前記遮光層と前記保護膜との間に
一体的に介装されてなる、 請求項1記載のカラー液晶表示素子。 - 【請求項3】 前記緩衝膜が、SiO2 又はTa2 O5
である、 ことを特徴とする請求項1又は2記載のカラー液晶表示
素子。 - 【請求項4】 前記緩衝膜の厚さが、100Å以上10
00Å未満である、 ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の
カラー液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7146502A JPH08338986A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | カラー液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7146502A JPH08338986A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | カラー液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08338986A true JPH08338986A (ja) | 1996-12-24 |
Family
ID=15409085
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7146502A Pending JPH08338986A (ja) | 1995-06-13 | 1995-06-13 | カラー液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08338986A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990070839A (ko) * | 1998-02-25 | 1999-09-15 | 윤종용 | 컬러 필터 기판 및 그 제조 방법 |
JP2003014918A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Kyocera Corp | カラーフィルタおよびその製造方法ならびに液晶表示装置 |
-
1995
- 1995-06-13 JP JP7146502A patent/JPH08338986A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR19990070839A (ko) * | 1998-02-25 | 1999-09-15 | 윤종용 | 컬러 필터 기판 및 그 제조 방법 |
JP2003014918A (ja) * | 2001-06-28 | 2003-01-15 | Kyocera Corp | カラーフィルタおよびその製造方法ならびに液晶表示装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040507 |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040713 |
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A521 | Written amendment |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041124 |