JPH08337978A - 布帛の転写加工方法 - Google Patents

布帛の転写加工方法

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JPH08337978A
JPH08337978A JP7169177A JP16917795A JPH08337978A JP H08337978 A JPH08337978 A JP H08337978A JP 7169177 A JP7169177 A JP 7169177A JP 16917795 A JP16917795 A JP 16917795A JP H08337978 A JPH08337978 A JP H08337978A
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cloth
transfer
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pattern
toner
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JP7169177A
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Tadao Yamaoka
只夫 山岡
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KOTO KK
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    • D06PDYEING OR PRINTING TEXTILES; DYEING LEATHER, FURS OR SOLID MACROMOLECULAR SUBSTANCES IN ANY FORM
    • D06P5/00Other features in dyeing or printing textiles, or dyeing leather, furs, or solid macromolecular substances in any form
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    • DTEXTILES; PAPER
    • D06TREATMENT OF TEXTILES OR THE LIKE; LAUNDERING; FLEXIBLE MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ボカシや濃淡を正確に現出でき、かつ、同一
の布帛に対し、複数の転写箔で部分的に区分けして転写
加工することを可能にする。 【構成】 転写箔を転写する織物等の布帛3の転写対象
面に、原図体4の意匠模様を、トナーを使用する複写機
1で複写する。前記工程で布帛に複写された複写意匠模
様のうち、任意の部位を澱粉質製の糊等を素材とする水
脱離性の薄膜層で覆う。この処理工程後の布帛3Aに対
し、前記複写された複写意匠模様のトナーをバインダー
として、ホットスタンピング法により転写箔5を転写す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、布帛に転写箔をホット
スタンピング法により転写する転写加工方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ホットスタンピング法により、織
物に転写箔を転写加工する場合、たとえば、アクリル・
ホットメルト樹脂、エチレン酢酸ビニル・ホットメルト
樹脂、アクリル系樹脂、特殊ウレタン樹脂、アクリル・
ナイロン樹脂、アクリル・ポリエステル樹脂等の樹脂を
バインダー(接着剤)として用いる方法が一般に知られ
ている。
【0003】この従来法は、たとえば、織物を捺染後、
或いは捺染する工程で、転写箔の転写加工を施す部分に
上述したような樹脂を用いてスクリーン法やロール法等
により任意の図柄等を印捺し、所要の処理を行った後、
織物の印捺加工面上に転写箔を重ね合わせ、ホットスタ
ンピング機(ロール型やフラット型等)で加熱・加圧し
て前記樹脂によるバインダーに転写箔の転写膜を転写加
工するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記従来法
は、次のような問題点を有している。スクリーンや彫
刻ロール等を準備する必要がある。ボカシや濃淡を出
すことができないと共に、繊細な線模様等を現出させる
ことが困難である。バインダーの部分が多少盛り上が
って硬さが残り、そのため、たとえば和服用の反物生地
のように柔らかい織物などを加工対象物とする場合に
は、転写加工部分がゴワゴワした感触になる嫌いがあ
る。
【0005】本発明は前記のような実情に鑑みてなされ
たもので、従来法について上述した問題点を全て解消
し、加えて同一の布帛に対し、複数の転写箔を複数工程
によって段階的に転写することを可能にした新規な転写
加工方法を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成するた
め、本発明者は鋭意研究した結果、トナーを使用する複
写機で布帛に複写した複写意匠模様を形成するトナーが
バインダー(接着剤)として機能することを見出し、本
発明を完成したものである。即ち、本発明に係る布帛の
転写加工方法は、布帛の転写対象面に、トナーを使用す
る複写機で任意の意匠模様を複写する工程と、この工程
により複写された複写意匠模様のうちの任意の部位を水
脱離性の薄膜層で覆う工程と、この工程後の前記布帛に
対し、前記複写意匠模様のトナーをバインダーとして、
ホットスタンピング法により転写箔を転写する工程、と
を含むことを特徴とするものである。請求項2記載の発
明は、請求項1記載の布帛の転写加工方法において、前
記水脱離性の薄膜層を、前記布帛に塗布して施した糊層
で形成したことを特徴とするものである。
【0007】本発明において、「意匠模様」とは、動植
物その他の各種の図柄や模様、或いはアルファベット,
文字,記号等を含む広い概念のものとする。また、加工
対象物の「布帛」とは、織物,編物,不織布,繊維シー
ト等を含む概念とする。
【0008】本発明の加工対象物である布帛を構成する
繊維の素材としては、絹,綿,麻,毛等の天然繊維、ポ
リエステル,アクリル,アクリル系,ナイロン,ビニロ
ン,ポリプロピレン,ポリクラール等の合成繊維、アセ
テート,プロミックス等の半合成繊維、レーヨン,キュ
プラ等の再生繊維、炭素繊維等の無機繊維等が例示でき
る。前記布帛は染色していないものは勿論、全面或いは
部分的に染色したものであってもよい。
【0009】本発明に使用する転写箔は、樹脂フィルム
や紙等のベースフィルム上に転写膜を形成したもので、
その種類は特に制限はなく、金属蒸着転写箔,金属粉顔
料転写箔,顔料転写箔,虹彩転写箔,柄転写箔,クリヤ
ー転写箔等、公知の全ての転写箔が使用できる。
【0010】本発明に使用する複写機は、トナーを使用
するものであれば機種や型式に限定はないが、反物生地
等のように長尺の布帛の場合には、大型図面等の複写用
として開発された複写機を採用するのが好ましい。大型
図面用の複写機としては、たとえば、富士ゼロックス
(株)社製の5080型や同社製のBrain Tec
h 8180型等が挙げられる。前記の大型複写機は、
原稿及び複写紙を機体の前方から供給して両者を連続的
に移送しながら複写し、原稿及び複写した複写紙をとも
に機体の後方から送出させる機能を有している。また、
前記BrainTech 8180型の複写機は、黒と
赤の二色のトナーを使用し、モード設定により原稿上の
各色(赤,青,黄,黒,その他)ごとに黒で再現する
か、赤で再現するかを指定できる機能を有している。
【0011】本発明に使用するホットスタンピング機
は、熱と圧を加えて加工対象物に転写箔を転写するもの
で、ロール型やフラット型等、公知の任意の型式のホッ
トスタンピング機を採用できるものであるが、長尺の加
工対象物の場合には、ロール型を採用するのが良い。
【0012】本発明において布帛に施す水脱離性の薄膜
層は、水洗い等で洗浄することにより、容易に布帛から
洗い落とせる材質であれば特に限定されないが、たとえ
ば、米や生麸等の澱粉質製の糊や合成糊などを布帛に塗
布して糊層を形成する方法などが簡便な手段として例示
できる。
【0013】
【作用】本発明によれば、図案紙,写真,その他任意の
原図体に施されている意匠模様を複写機で布帛に直接複
写するものであるから、自然のボカシ模様や濃淡、或い
は繊細な線模様等も正確に現出することが可能になる。
そして、前記複写後の布帛を所定温度に加熱すると、複
写意匠模様を形成しているトナーが上述した従来の樹脂
バインダーと同様に接着剤として作用する。
【0014】そこで、布帛の意匠模様を複写した面に転
写箔を重ね合わせ、ホットスタンピング法によって、常
法どうり所定の温度及び圧力で加熱・加圧することによ
り、転写箔の転写膜がトナーの複写意匠模様どうりに転
写されることになる。したがって、ボカシや濃淡、或い
は繊細な線模様等も正確に現出される。また、トナーを
バインダーとするものであるから、従来方法のようなゴ
ワゴワした感触は生じない。
【0015】ところで、複写意匠模様に転写箔を転写す
ると、この意匠模様を形成しているトナーは転写膜で覆
われるため、その上から別の転写箔を転写することはで
きなくなる。したがって、意匠模様を複写した布帛に対
し、そのままの状態で転写加工すると、複写意匠模様の
全域にわたって転写膜が転写されることになるため、同
一の布帛に対し、複数の転写箔で段階的に転写加工する
ことはできない。そのため、本発明は、布帛に意匠模様
を複写した後、この複写された複写意匠模様のうちの任
意の部位、即ち、当回の工程ではなく、次回又はそれ以
降の工程で転写箔の転写を所望する部位を水脱離性の薄
膜層で覆う工程を採用し、段階的な転写加工を可能とし
たものである。
【0016】即ち、複写意匠模様のうちの任意の部位を
水脱離性の薄膜層で被覆した後、この布帛に転写箔を重
ね合わせ、上述したようにホットスタンピング法によっ
て転写加工すると、前記薄膜層で覆われていない部位の
複写意匠模様の面だけに転写箔が転写される。そこで、
この転写加工後の布帛を水洗い等で洗浄して水脱離性の
薄膜層を洗い落として乾燥後、上述と同様に、次回又は
それ以降の工程で転写箔を転写する部位を水脱離性の薄
膜層で覆う。そして、この布帛に転写箔を重ね合わせて
上述と同様に転写加工すると、複写意匠模様のうち、当
回の工程で転写加工を希望する部位だけに転写箔が転写
される。この工程を繰り返すことにより、同一の布帛の
複写意匠模様に対し、複数の転写加工が可能になる。
【0017】
【実施例】以下、図示の実施例を参照して本発明をさら
に詳細に説明する。図1は、本発明に係る布帛の転写加
工方法により転写加工している状態の1実施例の概略を
示す説明図、図2は、この実施例方法により転写加工す
る布帛の一部を示す平面図、図3は、同上方法の実施に
使用する原図体の一部を示す平面図、図4は、同上原図
体の意匠模様を同上布帛に複写した状態を示す平面図、
図5は、この実施例方法の実施に使用するプラスチック
フィルムの一部を示す平面図、図6は、同上フィルムを
布帛に重ね合わせた状態を示す側面図、図7は、同上フ
ィルムを布帛の複写意匠模様に合わせ、部分的に選択し
て切り取る工程を示す説明図、図8は、同上布帛の複写
意匠模様のうち、選択した部位に水脱離性の薄膜層を形
成する工程を示す説明図、図9は、同上布帛の複写意匠
模様に転写箔を転写する工程を示す説明図である。
【0018】これら図1〜図9において、1はトナーを
使用する複写機、2はホットスタンピング機、3は布
帛、4は原図体、5は転写箔、6は水脱離性の薄膜層を
示す。
【0019】前記複写機1は、布帛3に応じ、市販の任
意の機種や型式のものを採用するもので、この実施例で
は、たとえば、富士ゼロックス(株)社製の5080型
等の大型図面用の複写機が開示されている。この複写機
1は原図体4及び布帛3を機体11の前方から供給して
両者を連続的に移送しながら複写し、原図体及び複写し
た布帛を一緒に機体11の後方から送出する機能を有し
ている。図1において、12は複写機1の前方側に配置
したガイド台、13,14はガイドロールを示すもので
ある。
【0020】前記ホットスタンピング機2は、複写機1
と同様に、布帛3に応じ、ロール型やフラット型等、公
知の型式のものを採用するもので、この実施例では、ロ
ール型が開示されている。このスタンピング機2は、加
熱ヒータ21を備えた加熱ロール22と、このロール2
2と対設した押圧ロール23を有し、ロール22の温
度、両ロール22,23の回転周速度、即ち、布帛3の
移送速度、両ロール22,23による加圧度を設定(た
とえば、温度150〜180°C,速度10〜20m/
分,加圧度2.5〜3.5t)し、布帛3に転写箔5を重ね
合わせて両ロール22,23間を通過させることにより
転写箔5の転写膜を布帛3に転写するものである。な
お、前記した温度、速度及び加圧度は、前記した範囲に
限定するものではなく、布帛に応じて任意に調整し、設
定するものである。図1Bにおいて、24はガイドロー
ル、25は転写箔の巻取りロールを示す。
【0021】加工対象物としての布帛3は、織物,編
物,不織布,繊維シート等であるが、たとえば、和服用
の反物生地等の織物を採用する場合には、これを常法に
より精練・漂白処理した後、複写する。
【0022】反物生地等の織物は、精練処理して乾燥す
ると、きわめて柔らかくなる。そのため、この織物のま
まで複写機に供給すると、送り等の安定性が悪く、模様
等にずれが生じて正確に複写できない場合がある。その
ため、反物生地等の場合には、所望に応じ、複写工程の
前の段階で、織物に紙やプラスチックフィルム等の裏打
ち材で裏打ちを施して「コシ」を出し、安定性を良くす
ることもできる。
【0023】また、織物には、糸の撚り方の具合や織込
み方法により、織物の表面に皺「しぼ」と称される凹凸
が現れているものがある。特に、たとえば縮緬,御召,
壁織,縮などの織物には「しぼ」が顕著に現れている。
このような「しぼ」を有する織物を、そのまま複写機に
かけて複写すると、トナーの定着性にバラつきが生じる
等、均一性を欠き、その結果、原図体の意匠模様が正
確、かつ、きれいに複写できない場合がある。そこで、
「しぼ」を有する織物は、所望に応じ、精練処理した
後、複写工程の前の段階で、織物を公知のロールカレン
ダーやP・P加工機などの処理機で押圧処理する。織物
は前記の押圧処理により、表面の「しぼ」は押しつぶさ
れて平坦になり、織物の表面が全体的に平滑面になる。
なお、この「しぼ」を有する織物に対しても、上述した
裏打ち材を施すこともできる。
【0024】原図体4は、複写機1の所定部を通過させ
て布帛3に複写するもので、この原図体4は、紙,プラ
スチックフィルムその他の任意の素材で構成する。原図
体4には、図柄や模様その他の任意の意匠模様41が施
されている。この意匠模様41を原図体4に施す手段と
しては、従来の図案紙と同様に手で書いたり、或いは写
真そのもの又はネガフィルムから転写したり、或いは写
真等を台紙(図示せず)に切り貼りしたものをコピーす
る等、任意の方法を採用できる。
【0025】上記のようにして、原図体4に施した意匠
模様41を布帛3の転写対象面に複写機1で複写し、こ
の複写加工後の布帛3Aに複写されている複写意匠模様
31のうちの任意の部位を水脱離性の薄膜層6で覆い、
次いで、この布帛3Aに対し、前記複写意匠模様31を
形成しているトナーをバインダーとして、ホットスタン
ピング法により転写箔を転写するものである。なお、意
匠模様41の複写は、模様41を原寸大で、或いは複写
機で拡大又は縮小する等、自由に行える。
【0026】前記水脱離性の薄膜層6は、複写意匠模様
31のうち、当回の転写工程で転写箔5を転写させない
部位に施し、所要時に布帛を水洗い等で洗浄して洗い落
とし、複写意匠模様31の面(トナー面)を再び表出し
てバインダーとして機能させるもので、この薄膜層6
は、たとえば、澱粉質製の糊や合成糊などを布帛に塗布
する等により形成できる。
【0027】前記薄膜層6は、所定部の模様31と一致
させるように施すのが好ましく、その手段として、この
実施例では、裏面に接着剤を付着した透明の熱可溶性の
プラスチックフィルム7を複写加工後の布帛3Aの複写
面に重合して接着し、加熱ロッドピン等(図示せず)で
任意部位の模様31に合わせてフィルムを切り取り、こ
の切り取った部位の模様31の面に糊をハケ等で塗布し
て糊層を形成する方法が開示されている。この場合、型
紙友禅で実施されている型紙等を採用して行うことも可
能である。
【0028】そこで、次に複写及び転写加工方法の具体
的1例につき説明する。布帛3を広げてガイド台12上
に載せ、布帛3の先端部を複写機1の前方部の手差し用
の複写紙給紙部に位置決めして挿入し、布帛3の後端側
をガイドロール13から垂れ下げてセットすると共に、
原図体4の先端部を複写機1の原稿紙給紙部に位置決め
して挿入し、原図体4を布帛3の上部側に広げ、原図体
4の後端側をガイドロール14から垂れ下げてセットす
る。この場合、所望に応じて原図体4を載置する支持手
段を適当部に設けたり、また、ガイド台12の上部及び
複写機1の前方部に適当なガイドを設け、布帛3及び原
図体4の横方向に対する動きを規制するように構成して
も良い。また、原図体4及び布帛3の適当部を作業者が
手で支えながら供給するようにしても良い。
【0029】上記のように布帛3及び原図体4をセット
し、これと並行して複写機1の操作部を操作して、複写
機1の複写濃度及びトナーの定着温度を調整する。そし
て、複写機1のスタートスイッチをONにすると、原図
体4及び布帛3は連続的に移送されて意匠模様41が布
帛3に複写され、機体11の後方から送出される。この
工程により、前記複写加工後の布帛3Aには原図体4の
意匠模様41と一致した複写意匠模様31が施される
(図4参照)。
【0030】次に、前記布帛3Aの模様31の面に前記
フィルム7を重ね合わせて接着する(図6,図7a参
照)。なお、この実施例では、説明のため便宜上、前記
工程により複写された複写意匠模様31を円模様部位3
1A、三角模様部位31B及び四角模様部位31Cの三
つの部位に分け、第1の転写工程で部位31A、第2の
転写工程で部位31B、第3の転写工程で部位31Cに
対してそれぞれ転写加工を施す例を挙げて説明する。
【0031】そこで、まづ、図7bに示すように、前記
模様31のうち、三角模様部位31Bと四角模様部位3
1Cの模様に合わせて前記フィルム7を切り取り、この
切り取った部分71、即ち、部位31B,31Cの模様
面にハケ等で糊を塗布して適当に乾燥後、フィルム7を
布帛3Aから剥離する。この工程により、布帛3Aの複
写意匠模様31のうち、部位31Bと31Cの模様面
は、図8に示すように糊層による水脱離性の薄膜層6で
覆われる。
【0032】次いで、前記処理工程後の布帛3Aの複写
意匠模様31の面に、任意の転写箔5、たとえば金色の
転写箔5を重ね合わせ、ホットスタンピング機2(温
度,速度,加圧度は設定してある)の両ロール22,2
3間を通過させることにより、複写意匠模様のトナーを
バインダーとして、転写箔5の転写膜が布帛3Aの円模
様部位31Aだけに転写される。この工程により、布帛
3Aには、図9aに示すように、円模様部位31Aの模
様と一致した金色の箔づけによる意匠模様51Aが施さ
れる(第1の転写加工)。
【0033】次に、前記第1の転写加工後の布帛3Aを
水洗いして前記薄膜層6を洗い落として乾燥した後、布
帛3Aの模様31の面に前記フィルム7(新しいフィル
ム7)を重ね合わせ接着し、図7Cに示すように、前記
模様31のうち、四角模様部位31Cの模様に合わせて
フィルム7を切り取り、この切り取った部分71、即
ち、部位31Cの模様面に前記と同様に糊を塗布して四
角模様部位31Cの模様面を糊層による薄膜層6で覆
う。そして、この処理工程後、前記と同様にフィルム7
を剥離し、この布帛3Aの模様31の面に、任意の転写
箔5、たとえば銀色の転写箔5を重ね合わせ、前記と同
様にホットスタンピング機2の両ロール22,23間を
通過させることにより、複写意匠模様のトナーをバイン
ダーとして、転写箔5の転写膜が布帛3Aの三角模様部
位31Bだけに転写される。この工程により、布帛3A
には、図9bに示すように、三角模様部位31Bの模様
と一致した銀色の箔づけによる意匠模様51Bが施され
(第2の転写加工)、したがって、この第2と前記第1
の転写加工により、布帛3Aには金色と銀色に区分けし
た転写加工が施される。
【0034】次に、前記第2の転写加工後の布帛3Aを
水洗いして前記薄膜層6を洗い落として乾燥した後、こ
の布帛3Aの模様31の面に、任意の転写箔5、たとえ
ば青色の転写箔5を重ね合わせ、前記と同様にホットス
タンピング機にかけることにより、複写意匠模様のトナ
ーをバインダーとして、転写箔5の転写膜が布帛3Aの
四角模様部位31Cだけに転写される。この工程によ
り、布帛3Aには、図9Cに示すように、四角模様部位
31Cの模様と一致した青色の箔づけによる意匠模様5
1Cが施され(第3の転写加工)、したがって、前記第
3と前記第1及び第2の転写加工により、布帛3Aに
は、金,銀及び青色の三色に整然と区分けした転写加工
が施される。このように、本発明方法は、複写意匠模様
31のうち、次回又はそれ以降の工程で転写箔を転写す
る部位を薄膜層6で覆い、同一の布帛の複写意匠模様3
1に対し、複数の転写箔を複数の転写工程で段階的に転
写加工するものであり、転写工程の回数は自由に増減可
能である。
【0035】なお、前記の複写工程の前処理として、布
帛3の転写対象面にトナーの定着性をよくする公知の定
着安定剤を塗布する等により添着することも可能であ
る。また、転写箔の転写加工後の製品に毛筆等で色挿し
て仕上げることも自由である。
【0036】ところで、既に述べたように、布帛3が和
服用の反物生地等のように柔らかい織物の場合、或いは
「しぼ」を有する織物の場合には、織物を常法により精
練処理した後、複写工程の前の段階で、織物に裏打ち材
で裏打ちを施したり、或いは、ロールカレンダー等の処
理機で押圧処理する。裏打ちを施す場合には、この裏打
ち材は、たとえば、上述した第1の転写加工後、織物
(布帛3A)を水洗いする段階で剥離する。
【0037】なお、ホットスタンピング機としてフラッ
ト型を採用する場合には、常法により、たとえば、温度
130〜150°C、加圧度0.25〜0.45kg/cm
2 、加圧時間3〜5秒程度の条件下で上述と同様に水脱
離性の薄膜層6を施した後、この布帛3Aに転写箔5を
段階的に転写加工すればよい。
【0038】次に本発明の方法により実験した例を示
す。なお、下記の実施例は、その一部を例示したもので
あって、本発明を限定するものではない。
【0039】実施例1 複写機の機種:富士ゼロックス(株)社製の5080型
複写機、ホットスタンピング機の型式:ロール型、水脱
離性の薄膜層の素材:澱粉質製の糊、を採用し、天然繊
維,合成・半合成繊維,再生繊維製の織物(白生地)を
上述した条件下で複数の転写箔により複数工程の転写加
工を実施した。
【0040】前記により織物には、それぞれの転写箔で
色分けされた箔づけによる意匠模様が施され、この意匠
模様は、ボカシや濃淡、或いは繊細な線模様等も正確に
現出し、美的感覚の点できわめて優れた転写加工織物が
得られた。また、前記転写された意匠模様の箔は織物に
強固に結着し、繰り返して、こすったりしても剥離する
ことはなかった。
【0041】実施例2 実施例1と同じ機器及び糊を使用し、各種繊維製の織物
(無地染め生地)について実施例1と同じ工程で転写加
工を実施したところ、実施例1と同様の結果が得られ
た。
【0042】実施例1の複写機に代え、富士ゼロックス
(株)社製のBrain Tech8180型複写機
(他の機器及び糊は実施例1と同じ)を使用し、各種繊
維製の織物(白生地)の転写加工面(表面)に上述した
方法で原図体のカラー意匠模様を複写した。
【0043】前記工程により、織物に赤と黒の二色に区
分けされた複写意匠模様が施された。次いで、この織物
に実施例1と同じ工程で転写箔の転写加工を実施した。
この加工処理により、実施例1と同様の成果に加え、次
のような結果が得られた。即ち、これにより織物には、
実施例1と同様に、それぞれの転写箔で色分けされた箔
づけによる意匠模様が施されるが、この実施例方法によ
ると、同一の転写箔による意匠模様であっても、黒色の
トナーによる模様の面と赤色のトナーによる模様の面と
では、箔の色彩及び光沢を異にする転写加工織物が得ら
れた。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、ボカシや濃淡、或いは
繊細な線模様等を正確に現出した、煌びやかで優雅な箔
づけによる意匠模様を施せると共に、同一の布帛に対
し、複数の転写箔を複数工程によって転写することを可
能にした転写加工方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る布帛の転写加工方法により転写加
工している状態の1実施例の概略を示す説明図であっ
て、同Aは複写工程、同Bは転写工程を示す。
【図2】同上実施例方法により転写加工する布帛の一部
を示す平面図。
【図3】同上方法の実施に使用する原図体の一部を示す
平面図。
【図4】同上原図体の意匠模様を同上布帛に複写した状
態を示す平面図。
【図5】同上実施例方法の実施に使用するプラスチック
フィルムの一部を示す平面図。
【図6】同上プラスチックフィルムを布帛に重ね合わせ
た状態を示す側面図。
【図7】同上フィルムを布帛の複写意匠模様に合わせ、
部分的に選択して切り取る工程を示す説明図。
【図8】同上布帛の複写意匠模様のうち、選択した部位
に水脱離性の薄膜層を形成する工程を示す説明図。
【図9】同上布帛の複写意匠模様に転写箔を転写する工
程を示す説明図。
【符号の説明】
1 複写機 2 ホットスタンピング機 3 布帛 3A 複写加工後の布帛 4 原図体 5 転写箔

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 布帛の転写対象面に、トナーを使用する
    複写機で任意の意匠模様を複写する工程と、この工程に
    より複写された複写意匠模様のうちの任意の部位を水脱
    離性の薄膜層で覆う工程と、この工程後の前記布帛に対
    し、前記複写意匠模様のトナーをバインダーとして、ホ
    ットスタンピング法により転写箔を転写する工程、とを
    含むことを特徴とする布帛の転写加工方法。
  2. 【請求項2】 前記水脱離性の薄膜層は、前記布帛に塗
    布して施した糊層で形成されていることを特徴とする請
    求項1記載の布帛の転写加工方法。
JP7169177A 1995-06-12 1995-06-12 布帛の転写加工方法 Pending JPH08337978A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018094725A (ja) * 2016-12-08 2018-06-21 コニカミノルタ株式会社 箔押し装置及び箔押し制御プログラム並びに箔押し制御方法

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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