JPH08337949A - たて編組織の構造 - Google Patents

たて編組織の構造

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JPH08337949A
JPH08337949A JP14486595A JP14486595A JPH08337949A JP H08337949 A JPH08337949 A JP H08337949A JP 14486595 A JP14486595 A JP 14486595A JP 14486595 A JP14486595 A JP 14486595A JP H08337949 A JPH08337949 A JP H08337949A
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Takayasu Mori
高康 森
Masafumi Nomura
真文 野村
Yoichi Sakai
陽一 酒井
Hitoshi Mizuno
仁 水野
Kunihiro Osawa
邦博 大澤
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KIRIYUU TORIKOTSUTO KK
Inoac Corp
Araco Co Ltd
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ASADAYUU KK
KIRIYUU TORIKOTSUTO KK
Inoue MTP KK
Inoac Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】伸縮性を有するとともに高生産性を有するたて
編組織の構造を提供する。 【構成】フロント糸F及びバック糸Bとの2種類のたて
糸を用いて編成されるたて編の組織であって、この組織
の同一ウェールにおいては、一のたて糸と他のたて糸の
ループを交互に形成し、この組織の同一コースにおいて
は、一のたて糸あるいは他のたて糸のいずれか一方のみ
のループを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、伸縮性を有するたて
編組織の構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、車両シートは、シートカバ
ー、パッド及びフレームにより構成されており、このう
ちシートカバー100は、意匠面側のファブリック材等
の表皮材110、その内側にスラブウレタンフォームか
らなるパッド材120、最下層の裏基布130とから構
成されている。この裏基布130は、シートカバー10
0縫製時の作業性を確保するためのミシン滑り性やシー
トカバー100のパッドへの包着時の作業性を確保する
ためのパッド滑り性の確保、さらには、シートカバー1
00の補強のためにシートカバー100の裏面に付与さ
れているものである。
【0003】加えて、この裏基布130が、表皮材11
0とパッド材120にフレームラミネート等により3層
ラミネート状態で付与されてシートカバー100が製造
される場合には、さらに新たな特性が要求されることに
なる。すなわち、3層ラミネート状態での難燃性を確保
するために、裏基布130には強力な難燃性が要求され
る。また、図6に示すように3層ラミネート状態でシー
トカバー100の表皮材110側を凹状になるようにパ
ッドに包着した際に、表皮材110側に折れシワXを発
生させないように、裏基布130には十分な伸縮性が要
求されることになる。
【0004】そこで、従来は、裏基布130を編成する
糸に難燃処理を施すことにより裏基布130の難燃性を
確保し、伸縮性を有するよこ編の代表的組織である天竺
編で編成することにより裏基布130の伸縮性を確保し
ようとしている。具体的には、難燃処理セルロース系糸
(例えば、レーコット#30等)の天竺編地(例えば、
レーコットS等)や、伸縮性を有するエステルウーリー
加工糸の天竺編地(例えば、ストレッチエステル50d
等)が用いられていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、よこ編
は、図7に示す組織からも明らかなように、横方向及び
縦方向に優れた伸縮性を有するものの、円筒状に編立て
するため、多種類の幅には対応が困難で、しかも編地が
カールしやすく、編目がほぐれ易いという欠点があっ
た。さらに、よこ編みは、一般に編み上げ速度が遅く、
生産性が悪いという欠点があった。また、難燃処理糸を
用いた場合は、糸自体の伸縮性が少ないために編地状態
での伸縮バランスが悪くなる。さらに、伸縮性に優れた
ポリエステルウーリー加工糸を用いた天竺編地では、難
燃剤による編地の処理による伸縮性の減衰や、難燃処理
効果のバラツキ等の問題がある。
【0006】一方、このよこ編に対してたて編の代表的
組織であり、トリコット編機で編まれるハーフ編がある
(図8及び図9参照)。このハーフ編は、フロント糸と
バック糸との2種類のたて糸から2枚おさに編成される
たてメリヤス組織の一種である。このハーフ編は、図8
及び図9に示すように、2種類のたて糸が形成するルー
プが、互いに他のループを止め合うように編成されるた
め、編み上げ速度が速く、高生産性を有しており、ま
た、たて糸の本数の増減により、多種類の幅に対応が可
能であるとともに、布状態の寸法安定性、ほつれにくさ
に優れているが、伸縮性は天竺編に劣る。
【0007】そこで、本発明は、伸縮性を有するととも
に高生産性を有するたて編組織の構造を提供することを
目的とする。また、本発明は、伸縮性及び難燃性を確保
できる編地を裏基布として有する三層構造の車両用シー
トカバーを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記した技
術的課題を解決するべく、たて編の組織自体に伸縮性を
付与することに着目し、本発明を完成した。すなわち、
請求項1に記載の発明は、フロント糸及びバック糸との
2種類のたて糸を用いて編成されるたて編の組織であっ
て、この組織の同一ウェールにおいては、一のたて糸と
他のたて糸のループを交互に形成し、この組織の同一コ
ースにおいては、一のたて糸あるいは他のたて糸のいず
れか一方のみのループを形成したたて編組織の構造であ
る。
【0009】請求項2に記載の発明は、(a)一のたて
糸が一つのループを作り、(b)この一のたて糸は、少
なくとも1コースを越えた次のコースにおいて、前記
(a)でループを形成したウェールの少なくとも隣りの
あるいはそれ以上離れたウェールで次の一つのループを
作り、(c)さらに、この一のたて糸は、前記(b)と
同一のコース間隔に対応するコースにおいて、前記
(a)でループを形成したウェールでさらに次の一つの
ループを作り、(d)上記(b)と(c)の処理が繰り
返され、一方、(e)他のたて糸が一つのループを作
り、(f)この他のたて糸は、少なくとも1コースを越
えた次のコースにおいて、前記(e)でループを形成し
たウェールから少なくとも1ウェールおいた隣のウェー
ルで次の一つのループを作り、(g)さらに、この他の
たて糸は、前記(f)と同一のコース間隔に対応するコ
ースにおいて、前記(e)でループを形成したウェール
でさらに次の一つのループを作り、(h)上記(f)と
(g)の処理が繰り返されてなる請求項1に記載のたて
編組織の構造である。。
【0010】請求項3に記載の発明は、前記(b)にお
いて、一のたて糸は、1コースを越えた次のコースにお
いて前記(a)でループを形成したウェールの隣のウェ
ールで次の一つのループを作り、前記(f)において、
他のたて糸は、1コースを越えた次のコースにおいて、
前記(e)でループを形成したウェールの1ウェールお
いた隣のウェールで一つのループを作る請求項2に記載
のたて編組織の構造である。
【0011】請求項4に記載の発明は、表皮材とパッド
体と裏基布とを3層ラミネートしてなる車両用シートカ
バーであって、この裏基布は、請求項1ないし3のいず
れかに記載のたて編組織構造を有する車両用シートカバ
ーである。
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
たて編の組織は、たてメリヤスの変化組織の一種であっ
て、2枚おさの組織である。ここに、たてメリヤスと
は、たて方向にループがからみ合って形成されるもの
で、その基本組織は、開き目編、閉じ目編を用いたデン
ビー編である。
【0013】前記フロント糸とバック糸とは、本発明の
組織を構成する2枚おさを形成するための糸をいう。ま
た、前記コースとは、メリヤスのループで、ループ形成
方向に沿ったループをいう。また、前記ウェールとは、
このコースに直角方向に沿ったループをいう。
【0014】請求項2の(b)において、一のたて糸が
隣のウェールで形成する一つのループは、もとのコース
から1コース離れた次のコース、すなわち、もとのコー
スから2コース目において形成されるのが好ましい。一
方、これに対して、(f)において、他のたて糸が、少
なくとも1ウェールおいた次のウェールで形成する一つ
のループは、もとのコースから2コース目において形成
されるのが好ましい。
【0015】このようにそれぞれのたて糸が、コース毎
にループを形成せず、少なくとも1コース置きにループ
を形成するようにすると、同一ウェールにおいては、一
のたて糸と他のたて糸のループが交互に形成されること
になる。
【0016】また、一のたて糸、他のたて糸の、それぞ
れのループを形成するウェール間隔は、裏基布に要求さ
れる伸縮性や剛性等に応じて各種設定することができ
る。したがって、一のたて糸と、他のたて糸のウェール
間隔は、同一でも異なっていても構わない。但し、一の
たて糸は、隣あうウェール間で交互にループが形成さ
れ、他のたて糸は、1ウェールおいた次のウェール間で
交互にループが形成されるのが、好ましい。
【0017】なお、一のたて糸及び他のたて糸のループ
は、開き目、閉じ目のいずれでもよい。ただし、ループ
が開き目の場合には、編み地が緩くなる傾向があるとと
もに、このために、編み上げ速度を上げることができな
い。したがって、生産性及び編み地の安定化の点からは
閉じ目のループが好ましい。
【0018】
【作用】請求項1ないし3に記載の発明においては、2
枚おさのたてメリヤス組織において、一のたて糸と、他
のたて糸のループが重複することがない。したがって、
ループ同志が互いの糸を拘束することがない。また、た
てメリヤス組織を採用したので、高生産性であり、編地
の巾に自由度が大きい。
【0019】請求項2に記載の発明においては、一のた
て糸により、隣あうウェール間で交互にループが形成さ
れ、他のたて糸により、1ウェールおいた次のウェール
間で交互にループが形成される。2種類のたて糸が、異
なるウェール間隔でループを形成する。
【0020】請求項3に記載の発明においては、一のた
て糸により、1コース置きでしかも隣あうウェール間で
交互にループが形成され、他のたて糸により、1コース
置きで1ウェールおいた次のウェール間で交互にループ
が形成される。2種類のたて糸により、互いのループが
重複しないように、同じコース間隔、異なるウェール間
隔でループが形成され、しかも互いのループが形成され
る。
【0021】請求項4に記載の発明によれば、かかる裏
基布と、表皮材、パッド材と3層ラミネート状態とする
ことより、表皮材側を凹状とした際に、外周側にある裏
基布は、表皮材側にシワの原因となる応力を生じさせな
いように十分に伸長される。
【0022】
【発明の効果】請求項1ないし3に記載のたて編組織の
構造によれば、糸自体の伸縮性にかかわらず、縦方向及
び横方向の十分な伸縮性を確保できる。したがって、編
地に要求されるその他の特性を付与できる糸を選択する
ことができ、編地に要求される特性を容易に達成するこ
とができるようになる。また、たてメリヤス組織である
ため、高生産性であり、幅や糸の選択の自由度が向上さ
れる。
【0023】請求項4に記載の車両用シートカバーによ
れば、裏基布の組織構造に伸縮性があるため、裏基布を
引き延ばすような力が作用した際に、低応力で伸長さ
れ、表皮材側にシワ等を発生させないようにすることが
できる。また、糸自体の伸縮性に頼らなくても裏基布の
伸縮性を確保できる。このため、難燃処理糸で裏基布を
編成すれば、車両用シートカバーに難燃性を付与するこ
とができるようになる。
【0024】
【実施例】以下、本発明を具現化した実施例につき、図
1ないし4に基づいて具体的に説明する。 (実施例1)図1には、本実施例のたて編組織の編地2
の拡大図が示されている。この編地2は、ポリアミド系
樹脂糸であるナイロン20d(デニール)を、トリコッ
ト編機を用いて、2組のたて糸であるフロント糸Fとバ
ック糸Bから2列の編針によって2枚おさに編成されて
いる。なお、本実施例においていうデニールとは、合成
繊維なとのフィラメントや繊維の太さを表すのに用いる
単位であり、9000メートルの長さの繊維の重量
(g)で表すものであり、以下の式で算出される。 デニール(d)=繊維の重量(kg)/ 繊維の長さ(km)×90
00
【0025】この編み地の編成方法について、図2の組
織図に基づいて説明する。まず、フロント糸Fがコース
B、ウェールgの位置で一つのループを形成すると、次
のコースCにおいては、このフロント糸Fはループを形
成しない。そして、フロント糸Fは、コースBで形成し
たループが閉じ目を形成するように案内され、2コース
目のコースDにおいて、図2の左方向に2ウェール目の
ウェールeで次のループを形成する。
【0026】さらに次のコースEにおいては、このフロ
ント糸Fは先と同様にループを形成せず、閉じ目を形成
するように案内されるとともに、コースFにおいて、第
1のループを形成したもとのウェールgに戻って、第3
のループを形成する。このようにフロント糸Fにより、
1コース置き、1ウェール置きにループ(閉じ目)の形
成が次々に行われ、2枚おさのうちの1枚が編成されて
いく。なお、各ループの形成にあたっては、バック糸B
のループにフロント糸Fを引っかけるようにして形成さ
れる。
【0027】次に、バック糸Bは、コースA、ウェール
bにおいて一つのループを形成すると、次のコースBに
おいてはループは形成しない。そして、バック糸Bは、
コースAで形成したループが閉じ目を形成するように案
内されるとともに、コースCにおいて、左隣のウェール
aにおいて次のループを形成する。
【0028】さらに、次のコースDにおいては、このバ
ック糸Bは、先と同様にループを形成せず、コースCで
形成したループが閉じ目となるように案内され、コース
Eにおいて、第1のループを形成したもとのウェールb
に戻って、第3のループが形成される。このようにバッ
ク糸Bにより、1コース置き、となり合うウェール間で
ループ(閉じ目)の形成が次々に行われ、2枚おさのう
ちの1枚が編成されていく。
【0029】このようにして、フロント糸Fとバック糸
Bが編まれる際、各コース内においては、いずれか一方
の糸F,Bによって形成するループしか存在しないよう
になっている。すなわち、各コースにはフロント糸F
か、又は、バック糸Bかのいずれかのループしか存在し
ない。また、各ウェールにおいては、フロント糸Fとバ
ック糸Bのループが交互に存在するようになっている。
【0030】この編地2の編成は、図1に示すように、
フロント糸(F)とバック糸(B)の2本の糸が重なり
合うことなく、別々にループを作るため、図1に示す交
点Pにおいて、2本の糸F,Bが互いに干渉することが
ない。したがって、編地2にかかる引っ張り力に対して
低い応力で伸長され、その結果、良好な伸縮性とともに
良好な追従性が達成される。
【0031】また、この編地2においては、フロント糸
F及びバック糸Bはそれぞれたて方向に、1コース置き
にループが形成されている。したがって、それぞれの糸
F、Bに、より高い自由度を与え、たて方向及びよこ方
向により一層の伸縮性を付与することができる。
【0032】このように形成した編地2につき、各種方
向に20%伸長させた場合に編地に生じる応力を測定し
た結果を図3に示す。この図には、対照例として、ナイ
ロントリコット20d(ナイロン20dのハーフ編(た
て編地))、レーコットS(レーコット#30の天竺編
(よこ編地)))、ストレッチエステル50d(ウーリ
ーエステル50Dの天竺編(よこ編地))の応力測定結
果を併せて示す。
【0033】この図3から明らかなように、本実施例の
編み地は、たて・よこ方向、正・逆バイヤス方向におい
ていずれも良好な伸縮性を有していることが明らかであ
った。すなわち、本実施例の編地2は、同じナイロン2
0dを用いたハーフ編地と比較すると、著しい応力低下
が観察されるとともに、伸縮性に優れるストレッチエス
テル50dに近似した伸縮性を有していた。また、レー
コットSに比しても、良好な伸縮性及び伸縮バランスを
有していた。したがって、伸縮性について標準的な糸で
あるナイロン20d用いても、編地の編成により、十分
な伸縮性が得られることが明らかである。
【0034】(実施例2)次に、実施例2について説明
する。実施例2は、実施例1と同様の編成で、使用糸
を、ポリエステル/レーヨン混紡糸40番手と綿糸40
番手(紡績糸)の2本どりとしたものである。この糸
は、燃焼に際して炭化することにより難燃効果を発揮す
るセルロース系糸であるレーヨンを混紡している。な
お、本実施例でいう番手とは、英式番手をいい、1ポン
ド(約450g)の糸の長さが840ヤード(約750
メートル)の何倍であるかで糸の太さを表す単位であ
り、以下の計算式により算出される。 番手=糸の長さ(km)/糸の重さ(kg)×1000×0.
4539/ (840×0.91438)
【0035】本実施例の編地について、各種表皮a 〜f
と組み合わせてフレームラミネートにより3層ラミネー
ト構造体を形成し、ラミネート状態での難燃性につい
て、試験した結果を図4に示す。また、対照として、実
施例1でも用いたレーコットSとナイロントリコット2
0dを用い、同様に試験を行った。なお、各種表皮 a〜
fは、それぞれ、以下の如くであり、パッド材は、ポリ
エーテル系スラブウレタンフォーム(厚み5mm、密度
0.02kg/m3 )を用いた。また、難燃性の試験
は、FMVSS302(米国自動車安全基準)によって
行った。表皮の種類 a たて編ニットファブリック b たて編ニットファブリック c たて編ニットファブリック d 織布 e 織布 f 織布
【0036】図4から明らかなように、実施例2の編地
は、対照例に比較して、安定して6cm/min前後の
燃焼速度を有していた。これは、本実施例の使用糸が、
混紡されているレーヨンが燃焼時に炭化して難燃効果を
発揮するため編地の難燃性が大きくしかも安定している
ことによるものである。これに対し、対照例のナイロン
20dは難燃性が低いため、他のラミネート材の難燃性
の影響が出やすく、その結果、ラミネート状態で燃焼速
度がばらついている。また、レーコットSは、糸自体に
難燃処理を施してあるため、難燃性のバラツキが生じ、
結果としてラミネート状態の燃焼速度にバラツキが生じ
るものと考えられる。
【0037】したがって、本実施例の編地を裏基布とし
て用いて3層ラミネートの車両用シートカバーを形成す
ることにより、表皮材等の種類にかかわらず安定した燃
焼速度が得ることができる。また、裏基布の難燃性を制
御することにより、容易にかつ確実に車両用シートカバ
ーに難燃性を付与することができる。
【0038】なお、本実施例の編地は、実施例1と同様
の伸び特性の試験をしたところ、実施例1と同様の伸び
特性を有することが確認されている。すなわち、たて方
向では1.58N/25mm、よこ方向では0.29N
/25mm、正バイヤス方向では0.91N/25m
m、逆バイヤス方向では0.87N/25mmであっ
た。
【0039】また、本実施例により明らかなように、本
発明の編地構造を車両用シートカバー3層ラミネート構
造体の裏基布に適用することにより、糸質にかかわらず
伸縮性を付与でき、さらに、この結果、難燃性糸の裏基
布への適用を容易に達成することができる。したがっ
て、本発明の編み地構造によれば、現在車両用シートカ
バー3層ラミネート構造体に要求される多様な裏基布特
性ゆえに多様化してしまった裏基布素材を標準化するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例の編地の拡大図である。
【図2】実施例の編地の組織図である。
【図3】実施例1の編地を各方向に20%伸長した場合
に、各方向にかかる収縮応力を示した図である。
【図4】実施例2の編地を裏基布とした3層ラミネート
構造の車両用シートカバーの燃焼速度の試験結果を示す
グラフ図である。
【図5】車両用シートカバーを示す図である。
【図6】3層ラミネート状態の車両用シートカバーにお
いて、表皮材にシワが発生した状態を示す図である。
【図7】よこ編地の拡大図である。
【図8】たて編地(ハーフ編)の拡大図である。
【図9】たて編地(ハーフ編)の組織図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 595084210 桐生トリコット株式会社 群馬県桐生市琴平町11番44号 (72)発明者 森 高康 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 野村 真文 愛知県豊田市吉原町上藤池25番地 アラコ 株式会社内 (72)発明者 酒井 陽一 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株式 会社イノアックコーポレーション内 (72)発明者 水野 仁 愛知県名古屋市北区平安通3丁目4番地の 1 株式会社アサダユウ内 (72)発明者 大澤 邦博 群馬県桐生市琴平町11番44号 桐生トリコ ット株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フロント糸及びバック糸との2種類のたて
    糸を用いて編成されるたて編の組織であって、 この組織の同一ウェールにおいては、一のたて糸と他の
    たて糸のループを交互に形成し、 この組織の同一コースにおいては、一のたて糸あるいは
    他のたて糸のいずれか一方のみのループを形成したたて
    編組織の構造。
  2. 【請求項2】(a)一のたて糸が一つのループを作り、 (b)この一のたて糸は、少なくとも1コースを越えた
    次のコースにおいて、前記(a)でループを形成したウ
    ェールの少なくとも隣りのあるいはそれ以上離れたウェ
    ールで次の一つのループを作り、 (c)さらに、この一のたて糸は、前記(b)と同一の
    コース間隔に対応するコースにおいて、前記(a)でル
    ープを形成したウェールでさらに次の一つのループを作
    り、 (d)上記(b)と(c)の処理が繰り返され、 一方、 (e)他のたて糸が一つのループを作り、 (f)この他のたて糸は、少なくとも1コースを越えた
    次のコースにおいて、前記(e)でループを形成したウ
    ェールから少なくとも1ウェールおいた隣のウェールで
    次の一つのループを作り、 (g)さらに、この他のたて糸は、前記(f)と同一の
    コース間隔に対応するコースにおいて、前記(e)でル
    ープを形成したウェールでさらに次の一つのループを作
    り、 (h)上記(f)と(g)の処理が繰り返されてなる請
    求項1に記載のたて編組織の構造。
  3. 【請求項3】前記(b)において、一のたて糸は、1コ
    ースを越えた次のコースにおいて前記(a)でループを
    形成したウェールの隣のウェールで次の一つのループを
    作り、 前記(f)において、他のたて糸は、1コースを越えた
    次のコースにおいて、前記(e)でループを形成したウ
    ェールの1ウェールおいた隣のウェールで一つのループ
    を作るたて編組織の構造。
  4. 【請求項4】表皮材とパッド体と裏基布とを3層ラミネ
    ートしてなる車両用シートカバーであって、 この裏基布は、請求項1ないし3のいずれかに記載のた
    て編組織構造を有する車両用シートカバー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP6321308B1 (ja) * 2017-11-01 2018-05-09 住江織物株式会社 シート材

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JP6321308B1 (ja) * 2017-11-01 2018-05-09 住江織物株式会社 シート材
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