JPH08337049A - インクジェット用記録媒体及び同媒体を用いた記録方法 - Google Patents

インクジェット用記録媒体及び同媒体を用いた記録方法

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JPH08337049A
JPH08337049A JP7148581A JP14858195A JPH08337049A JP H08337049 A JPH08337049 A JP H08337049A JP 7148581 A JP7148581 A JP 7148581A JP 14858195 A JP14858195 A JP 14858195A JP H08337049 A JPH08337049 A JP H08337049A
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JP7148581A
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Takehiko Oi
毅彦 大井
Toshiya Yuasa
俊哉 湯浅
Kyo Miura
協 三浦
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 少なくとも一種のキレート化剤を含有する基
材と該基材上に設けられた顔料を含むインク受理層から
なるインクジェット用記録媒体。 【効果】 画像濃度が高く、裏抜け、コックリング等が
少なく、重色部での滲み出しを著しく減少させたコート
タイプのインクジェット用記録媒体を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、インクを液滴として飛
翔させ記録するインクジェット記録方式に用いられるイ
ンクジェット用記録媒体に関し、更に詳しくは、インク
の吸収性に優れ、記録された画像の濃度や鮮明性が高
く、コックリングの少ないインクジェット用記録媒体に
関するものである。又、該インクジェット用記録媒体を
用いて記録するインクジェット記録方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録方式は、種々の作動
原理によりインクの微小液滴を飛翔させて紙などの記録
媒体に付着させ、画像、文字などの記録を行うものであ
り、高速、低騒音、多色化が容易、記録パターンの融通
性が高い、現像−定着が不要等の特徴があり、文字を含
め各種図形及びカラー画像等の記録装置に、またその他
種々の用途において急速に普及している。又、多色イン
クジェット方式により形成される画像は、製版方式によ
る多色印刷やカラー写真方式による印画と比較しても遜
色のない記録を得ることが可能である。更に、作成部数
の少ない用途においては、製版方式やカラー写真方式よ
りも安価であることから、フルカラー画像記録分野にま
で広く応用されつつある。
【0003】このインクジェット記録方式で使用される
記録媒体としては、通常の印刷や筆記に用いられる上質
紙やコーテッド紙を使うべく、インクの組成や装置構成
の面から努力が為されてきた。しかし、装置の高速化、
高精細化或いはフルカラー化等インクジェット記録装置
の性能の向上や用途の拡大に伴い、記録媒体に対しても
より高度な特性が要求されるようになってきた。すなわ
ち、当該記録媒体としては、印字ドットの濃度が高く、
色調が明るく鮮やかであること、インクの吸収が速く、
印字ドットを重ねた場合にもインクが流れ出したり滲ん
だりしないこと、印字ドットの横方向への拡散が必要以
上に大きくなく、且つ周辺がなめらかで印字がぼやけな
いことなどが要求される。
【0004】このような要求に対応するため、インクジ
ェット用記録媒体の形態として、いわゆる上質紙、ボン
ド紙等に代表される支持体中にもインク吸収されるタイ
プと、上質紙等の紙、合成紙、合成樹脂フィルム等の支
持体上にインク受理層を設けたコートタイプの大きく分
けて二種類の媒体が検討されてきた。
【0005】このうち、コートタイプのものについて
は、上記の要求を満たすべく、以下に挙げるようないく
つかの提案が為されている。例えば、支持体表面にシリ
カ系顔料を主成分としたインク受理層となる空隙層を設
けて、インクの吸収性を向上させる工夫が為されてきた
(特開昭52−9074号公報、同58−72496号
公報等)。このインク受理層によってインク吸収性を上
げ、高い印字ドット濃度やインク滲みのない印字ドット
を得るために、特開昭55−51583号公報及び特開
昭56−157号公報には、インク受理層中の顔料とし
て非晶質シリカ粉末を配合する提案がある。又、色彩性
や鮮明性は、インク中の染料のインク受理層における分
布状態にあることに着目し、染料成分を吸着する特定の
薬剤を用いる提案も為されている(特開昭55−144
172号公報)。
【0006】上記のような提案の為されてきたコートタ
イプのインクジェット用記録媒体は、大別すると、1〜
10g/m2程度の低塗工量のインクジェット記録媒
体、10〜20g/m2程度の中塗工量のインクジェッ
ト記録媒体、20g/m2以上の高塗工量のインクジェ
ット記録媒体がある。特に、パルプ繊維及び填料主体の
支持体としては、ステキヒトサイズ度が0秒〜数10秒
の基材がインク吸着量に応じて塗工量との様々な組み合
わせで塗工されている形態が考えられる。特にカラー記
録の場合、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各
単色記録だけではなく、これらの色を重ねて重色記録さ
れ、インクの付着量が極めて大きくなるため、低塗工量
のインクジェット記録媒体の場合、インク受理層で吸収
しきれないために基材にも付着インクの一部を吸収させ
ることが必要となる。
【0007】この問題を解決するためには、特公平3−
26665号公報に記載されているように、坪量60g
/m2基準のステキヒトサイズ度が4秒以下の基紙上
に、微粒シリカと水溶性バインダーとを含む塗工層を設
けたインクジェット記録用紙、特開昭59−38087
号公報に記載されている、サイズ度が0乃至10秒であ
る基材上に、インク吸収層を設けたインクジェット記録
材、或いは特開昭59−95186号公報に記載の、ス
テキヒトサイズ度0〜5秒の原紙にポリビニルピロリド
ン等を含浸させたインクジェット記録用紙の例がある。
【0008】しかし、低サイズ度の基材を用いた場合、
インクの吸収性はよいものの、インクが基材に深く浸透
して、裏抜けやコックリング等の問題が生じる。印字後
の媒体表面にコックリングが存在すると、画像再現性に
優れてはいても感覚的に評価される美観の低下がある。
このコックリングは、浸透してきたインクによって、基
材中の木材パルプの伸縮に起因して凹凸が発生すること
である。従って、基材中へのインクの浸透を防止するこ
とがコックリングを回避する対策となるが、そのために
はインク受理層で多量のインクを吸収しなければなら
ず、インク受理層の塗工量の増大となる。
【0009】しかしながら、インク受理層の塗工量を増
やさずに、インクの浸透を抑えることは、インク受理層
や基材の空隙量を減らすことと同意であり、その結果、
インク受理層や基材の空隙量が減ることによって、イン
ク受理層や基材へのインクの浸透が遅れ、インクが未乾
燥となり、インクを重ねてドット印字される重色部で
は、ドット周辺にインクが溢れたり、インクジェット記
録装置内での媒体搬送中に、搬送装置周辺の機器と接触
して、ドットが擦れ、地汚れと呼ばれるドットの擦れ汚
れが発生する。この擦れ汚れが広範囲に発生すると、非
画線部が汚れて美観を損ねるばかりか、極めて狭い範囲
でも、隣合うドット同士が接触し合い、ドットの肥大化
に伴う、鮮明性の低下や混色による色彩性の悪化が生じ
て、画像の再現性が大きく劣ることになる。
【0010】又、記録後の記録画像が水に濡れた場合に
も、滲み出して記録紙が汚れたり、消色しないことが要
望され、更に、光やオゾンガス、酸化性ガス等への曝露
で変色や腿色が進み難い記録用紙が要求されている。
【0011】これらの問題を解決するために、従来から
いくつかの提案が成されてきた。例えば、特開昭52−
53012号公報には、低サイズ度の原紙に表面加工用
の塗料を湿潤させてなるインクジェット記録用紙が、
又、特開昭53−49113号公報には、尿素−ホルマ
リン樹脂粉末を内添したシートに水溶性高分子を含浸さ
せたインクジェット記録用紙が開示されている。特開昭
55−5830号公報には、支持体表面にインク吸収性
の塗工層を設けたインクジェット記録用紙が、特開昭5
5−5183号公報及び特開昭56−157号公報に
は、被覆層中の顔料として非晶質シリカを使った例が、
更に特開昭55−11829号方法には、インク吸収速
度の異なる二層構造を使った塗抹紙の例がそれぞれ開示
されている。
【0012】又、耐水性を改良する目的では、カチオン
性染料定着剤を使用した例が数多く開示されており、一
例を挙げると、特開昭60−1389号公報、同52−
238783号公報、同64−9776号公報、同64
−77572号公報等がある。更に、耐光性を改良する
目的としても多くの提案が成されている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ものはいずれも満足のいくものとは言い難く、更なる改
良が望まれていた。本発明は、このような状況に鑑み、
画像濃度が高く、裏抜け、コックリング等が少なく、重
色部での滲み出しを著しく減少させたコートタイプのイ
ンクジェット用記録媒体を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、インクジ
ェット用記録媒体について、種々の検討を重ねた結果、
基材と該基材上に設けられた顔料を含むインク受理層か
らなる記録媒体において、前記基材中に少なくとも一種
のキレート化剤を含有することが有用であることを見い
出した。
【0015】本発明のインクジェット用記録媒体の基材
中に含まれるキレート化剤の量は、基材の坪量80g/m2
基準で、1×10-5mol/m2〜5×10-3mol/m2、好まし
くは1×10-4mol/m2〜2×10-3mol/m2であり、基材
の坪量に比例してキレート化剤の適正量の範囲は変化す
る。上記の坪量では、添加量が1×10-5mol/m2未満で
あると、十分な効果が得られず、又、5×10-3mol/m2
よりも多くしても、それ以上の効果の向上は認められな
い。
【0016】キレート化剤の添加時期は、インク受理層
を設ける以前であれば、特に限定されず、抄紙前のパル
プスラリー中に添加しても良いし、抄紙後に含浸させて
も良い。更に言えば、抄紙前の場合、パルプの叩解前、
叩解中及び叩解後のいずれであっても良い。又、抄紙後
の場合、含浸させる方法は、サイズプレス、ゲートロー
ルコーター、ブレードメタリングサイズプレス、エアー
ナイフコーター、カーテンコーター等の塗工機を用い
て、従来公知の方法のいずれであっても良い。
【0017】本発明に用いられる一種以上のキレート化
剤は、金属イオンに対してキレート効果があるものであ
れば特に限定されるものではないが、例えば、エチレン
ジアミン四酢酸(EDTA)、N−ヒドロキシエチル−
エチレンジアミン−N,N',N'−三酢酸(HEEDT
A)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ニト
リロ三酢酸(NTA)、トランス−1,2−シクロヘキ
サンジアミン−N,N,N',N'−四酢酸(CyDT
A)、N−(2−ヒドロキシエチル)−イミノ二酢酸
(HIDA)、3,6−ジオキサ−1,8−オクタジア
ミン−N,N,N',N'−四酢酸(GEDTA)、エチ
レンジアミン−N,N'−二酢酸(EDDA)、トリエ
チレンテトラミン六酢酸等のアミノポリカルボン酸、1
−ヒドロキシエチリデン−1,1'−ジホスホン酸等の
有機ホスホン酸、アミノトリス(メチレンスルホン
酸)、エチレンジアミン−N,N',N'−テトラメチレ
ンホスホン酸等のアミノホスホン酸、ホスホノカルボン
酸等の酸及びその塩が好ましい。
【0018】基材に用いられるパルプは、化学木材パル
プ、機械木材パルプを主体とするものであるが、有機繊
維、例えば合成繊維、及び/または無機繊維、例えばガ
ラス繊維を含んでいても良い。又、本発明における基材
は、添加剤として、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カル
シウム、カオリン、タルク、クレー、硫酸カルシウム、
硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭
酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ
土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シ
リカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、擬ベー
マイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼ
オライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウム、水酸
化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレン系プラ
スチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメン
ト、ポリエチレン、マイクロカプセルのような有機顔料
等の填料、カルボン酸塩、スルホン酸塩、硫酸エステル
塩、リン酸エステル塩等の陰イオン界面活性剤、脂肪族
アミン塩、脂肪族第4級アンモニウム塩、芳香族第4級
アンモニウム塩、複素環第4級アンモニウム塩等の陽イ
オン界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテ
ル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマ
ー等のエーテル型、ポリオキシエチレングリセリン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル等のエーテルエステル型、ポリエチレングリコール
脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂
肪酸エステル等のエステル型、ポリオキシエチレン脂肪
酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン等の含窒
素型といったノニオン界面活性剤、ベタイン、アミノカ
ルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の両性界面活性剤等
の界面活性剤、ロジン、アルキルケテンダイマー、アル
ケニルコハク酸等のサイズ剤、ポリアクリルアミド系ポ
リマー、澱粉等の紙力増強剤、尿素樹脂、メラミン樹脂
ポリアミド・ポリアミン・エピクロルヒドリン樹脂等の
湿潤紙力増強剤、硫酸バンド、カチオン性高分子電解質
等の定着剤、染料、蛍光増白剤、消泡剤、歩留まり向上
剤、濾水性向上剤、スライムコントロール剤等を選択し
て内添することができる。
【0019】基材上に設けるインク受理層は、塗布量が
10g/m2以下が好ましく、更に好ましくは5g/m2
以下である。塗布量が10g/m2より多いと基材中の
キレート化剤の効果が殆どない。
【0020】インク受理層には、公知の白色顔料が一種
以上用いられる。例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭
酸カルシウム、カオリン、タルク、クレー、硫酸カルシ
ウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜
鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケ
イソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非
晶質シリカ、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ、
擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポ
ン、ゼオライト、加水ハロイサイト、炭酸マグネシウ
ム、水酸化マグネシウムのような白色無機顔料、スチレ
ン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチック
ピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセルのような
有機顔料等が挙げられる。上記の中でも、インク受理層
中に主体成分として含有する白色顔料としては、多孔性
無機顔料が好ましく、多孔性合成非晶質シリカ、多孔性
炭酸マグネシウム、多孔性アルミナ、多孔性擬ベーマイ
ト等が挙げられ、特に細孔容積の大きい多孔性アルミ
ナ、多孔性擬ベーマイトが好ましい。更に白色顔料の代
わりに生澱粉粒子、例えば、コーンスターチ、小麦、大
麦、米、馬鈴薯、タピオカ、甘藷、サゴ等の冷水可溶性
がないかあるいは殆どない生澱粉粒子を用いることも可
能である。
【0021】本発明のインク受理層中には、バインダー
を用いることができる。例えば、ポリビニルアルコール
(PVA)、酢酸ビニル、酸化澱粉、エーテル化澱粉、
カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロ
ース等のセルロース誘導体、カゼイン、ゼラチン、大豆
蛋白、シリル変性PVA等の変性PVA、無水マレイン
酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタク
リレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合
体ラテックス、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エ
ステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテ
ックス、或いはこれらの各種重合体のカルボキシル基等
の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテック
ス、メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化合成樹脂系の水
性接着剤、ポリメチルメタクリレート、ポリウレタン樹
脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹
脂系接着剤が挙げられる。これらの中でも、好ましいも
のは水溶性のバインダーである。
【0022】本発明のインク受理層には、界面活性剤を
用いることもできる。例えば、カルボン酸塩、スルホン
酸塩、硫酸エステル塩、リン酸エステル塩等の陰イオン
界面活性剤、脂肪族アミン塩、脂肪族第4級アンモニウ
ム塩、芳香族第4級アンモニウム塩、複素環第4級アン
モニウム塩等の陽イオン界面活性剤、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェ
ニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレ
ンブロックポリマー等のエーテル型、ポリオキシエチレ
ングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソル
ビタン脂肪酸エステル等のエーテルエステル型、ポリエ
チレングリコール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エ
ステル、ショ糖脂肪酸エステル等のエステル型、ポリオ
キシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキ
ルアミン等の含窒素型といったノニオン界面活性剤、ベ
タイン、アミノカルボン酸塩、イミダゾリン誘導体等の
両性界面活性剤が挙げられる。これらの中でも陽イオン
界面活性剤は好ましいものである。
【0023】本発明のインク受理層には、その他の添加
剤として、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡
剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色
顔料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐
剤、防バイ剤、耐水化剤等を適宜配合することができ
る。
【0024】本発明のインクジェット用記録媒体の作製
方法としては、例えば、パルプ繊維を離解してスラリー
とし、キレート化剤と共に必要に応じて填料やサイズ
剤、その他の添加剤を添加して、抄紙機で抄造後、澱粉
の水溶液等をサイズプレスし、乾燥してマシンカレンダ
ーにかけ、基材を得た後、塗工装置やサイズプレス装置
を用いて、少なくとも1層以上のインク受理層を設け
る。
【0025】マシンカレンダーは、使用しても使用しな
くても良いが、次の塗工工程での作業性を考慮すると使
用する方が好ましい。インク受理層の塗工方法として
は、オンマシンコーター、オフマシンコーターのどちら
でも良く、従来公知のエアーナイフコーター、ダイコー
ター、ブレードコーター、ゲートロールコーター、バー
コーター、ろっどコーター、ロールコーター、グラビア
コーター、カーテンコーター等が使用できる。さらに塗
工後、マシンカレンダー、スーパーカレンダー、ソフト
カレンダー等のカレンダー処理を行って仕上げても良
い。
【0026】本発明において、基材のインク受理層の塗
工面とは反対の面にバックコート層を設けても良い。バ
ックコート層の配合は、インク受理層の配合と同一であ
っても又別の配合でも良く、その塗工量、塗工方法等何
等制限されるものではない。
【0027】本発明でいうインクとは、下記の着色剤、
液媒体、その他の添加剤からなる記録液体である。着色
剤としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、反応性
染料或いは食品用色素等の水溶性染料が挙げられる。液
媒体としては、水、及び水溶性の各種有機溶剤、例え
ば、メチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素
数1〜4のアルキルアルコール類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン、ジ
アセトンアルコール等のケトンまたはケトンアルコール
類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
ポリアルキレングリコール類、トリエチレングリコー
ル、ジエチレングリコール等のアルキレン基を2〜6個
有するアルキレングリコール類、グリセリン、トリエチ
レングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール
の低級アルキルエーテル類等が挙げられる。その他の添
加剤としては、例えば、pH調整剤、金属封鎖剤、防カ
ビ剤、粘度調整剤、潤滑剤、界面活性剤、及び防錆剤等
が挙げられる。
【0028】本発明のインクジェット用記録媒体は、イ
ンクジェット記録法による使用に留まらず、記録時に液
状であるインクを使用するどのような記録方式にも使用
することができる。そのような記録方式としては、例え
ば、熱溶融性物質、染顔料などを主成分とする熱溶融性
インクを樹脂フィルム、高密度紙、合成紙などの薄い基
材上に塗布した媒体を、その裏面より加熱し、インクを
溶融させて転写する熱転写記録方式、熱溶融性インクを
加熱溶融して微小液滴化し、飛翔させて記録する固体イ
ンクジェット記録方式、油溶性染料を溶媒に溶解したイ
ンクを用いたインクジェット記録方式、光重合型モノマ
ー及び無色または有色の染顔料を内包したマイクロカプ
セルを用いた感光感圧型ドナーシートを用いる記録方式
などが挙げられる。これらの記録方式の共通点は、記録
時にインクが液状である点にある。液状インクは、硬
化、固化、または定着までに記録媒体のインク受理層の
深さ方向または水平方向に対して浸透または拡散する。
上記の各種記録方式用の記録媒体は、それぞれの方式に
応じた吸収性を必要とするもので、本発明のインクジェ
ット用記録媒体をこれらの記録媒体として使用しても何
等問題はない。
【0029】更に、複写機、プリンター等に広く使用さ
れている電子写真記録方式のトナーを加熱定着する為の
記録媒体として、本発明のインクジェット用記録媒体を
利用しても何等構わない。
【0030】
【作用】基材と該基材上に設けた顔料を含むインク受理
層からなる記録媒体において、基材中にキレート化剤を
少なくとも一種含有させることにより、インクの吸収性
に優れ、記録された画像の濃度や鮮明性が高く、コック
リングの少ないインクジェット用記録媒体が得られる理
由は明かでないが、以下に述べる作用により発現するも
のと推定される。
【0031】即ち、キレート化剤を含む基材上に、顔料
を含むスラリーを塗工すると、基材中に浸透してきた顔
料を取り囲む電気二重層のバランスが、キレート化剤に
よって崩され、基材内部及び基材表面付近にインク吸収
性の高い顔料凝集層が多層塗工では得られないほどの薄
い層として形成され、本来ならばインク受理層で吸収し
きれないインクを、この層が吸収するために、インクの
吸収性に優れ、記録された画像の濃度や鮮明性が高く、
コックリングの少ないインクジェット用記録媒体が得ら
れるのではないかと推定される。
【0032】従って、このインク吸収性の高い顔料凝集
層を形成するには、基材のステキヒトサイズ度、透気
度、平滑度などの紙質を示す特性に、適正範囲があるも
のと考えられ、本発明ではこれらを検討した結果、以下
の知見を得た。即ち、ステキヒトサイズ度は、坪量80
g/m2基準で0秒以上70秒以下が好ましく、70秒
より大きいと、インク吸収性の高い顔料凝集層がうまく
形成されないと考えられる。また透気度は、坪量80g
/m2基準で10秒以上40秒以下が好ましく、10秒
より小さいと、インク吸収性の高い顔料凝集層がうまく
形成されず、40秒より大きいと、インク吸収性の高い
顔料凝集層がムラになって形成されると考えられる。平
滑度は、35秒以上300秒以下が好ましく、35秒よ
り小さいと、インク受理層形成に適さず、300秒より
大きいと、インク吸収性の高い顔料凝集層がうまく形成
されないと考えられる。
【0033】又、顔料を含むスラリーのpHを考慮に容
れて、形成されるインクジェット用記録媒体のpHが6
〜9となるようにキレート化剤を選択して用いること
で、記録された画像の鮮明性も高くなると考えられる。
【0034】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明は勿論これらの実施例のみに限定さ
れるものではない。尚、実施例及び比較例に記載した試
験項目の測定方法は以下の通りである。
【0035】(基材評価)パルプフリーネス パルプフリーネスの測定はJIS P 8121に示される方法に
よって行った。灰分量 灰分量の測定は、JIS P 8128に示される方法によって行
った。pH pHの測定は、JIS P 8133(冷水抽出)に示される方法
によって行った。ステキヒトサイズ度 ステキヒトサイズ度の測定は、JIS P 8122に示される方
法によって行った。透気度 透気度の測定は、JIS P 8117に示される方法によって行
った。平滑度 平滑度の測定は、JIS P 8119に示される方法によって行
った。
【0036】(記録評価)インクジェット記録特性は以
下の項目について評価した。尚、評価用記録は、インク
ジェットプリンター(キヤノン(株)製、BJカラープ
リンター:BJC−600)を用いて行った。画像濃度 ブラックのベタ印字部分の記録画像濃度(D0)をマク
ベス濃度計RD−918で測定した。発色性 シアンのベタ印字記録画像の目視評価を行い、色味の良
いものからA,B,Cの三段階で評価した。印字品位 ヘッドの走査方向と平行に幅1ドットの直線を印字し、
25cm離れた距離からの目視による評価を行った。鮮
明な直線として視覚できるものをAとし、より不鮮明に
なるに従って、B,Cとした。画像の耐水性 ベタ印字記録画像を3分間室温の水道水中に浸漬した後
引き揚げ、自然乾燥させた。この乾燥後の記録物の画像
濃度(D1)をマクベス濃度計RD−918で測定し、
このD1を前記画像濃度D0で除した値の百分率(%)を
指標とした。境界滲み イエロー、マゼンタ、シアン各インクの2色混色である
レッド、ブルー、グリーンのベタ印字部が隣接する画像
を形成し、その境界部を25cmはなれた距離からの目
視により評価した。双方のインクが混合し、境界が不明
確であったり、境界が線として認識できないものをC、
より鮮明な線として境界が認識できるに従ってB,Aと
した。コックリング マゼンタとシアン各インクの2色混色であるブルーのベ
タ印字部の紙しわの状態を目視で判定し、良い方から
A,B,Cとした。裏抜け マゼンタとシアン各インクの2色混色であるブルーのベ
タ印字部の記録画像の裏面側からマゼンタの光学濃度を
測定し、その光学濃度が0.25以下であれば○とし、
0.25を越えた場合は×とした。
【0037】実施例1〜18及び比較例1 基材となる紙は、表1に示す抄紙条件で80.0g/m
2の紙を抄造した後、カレンダー装置を用いて平坦化し
た。得られた基材上に、エアーナイフコーターで表2に
示す条件でインク受理層を設けた後、カレンダー装置を
用いて平坦化し、インクジェット用記録媒体を得た。各
実施例及び比較例1で用いたキレート化剤、顔料及びバ
インダーの種類、並びに各評価結果を表3に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
【表3】
【0041】
【表4】
【0042】実施例19 実施例2のインク受理層の塗布量を、15g/m2とし
た以外は同様にしてインクジェット用記録媒体を作製し
た。同様に評価を行なった結果を表4に示す。
【0043】実施例20 実施例2の基材中のサイズ剤の添加量を、0.8重量
%、サイズプレス塗布量を3.5g/m2とした以外は
同様にしてインクジェット用記録媒体を作製した。同様
に評価を行なった結果を表4に示す。
【0044】実施例21 実施例2の基材抄紙後、カレンダー処理を行わない以外
は同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。同様に
評価を行なった結果を表4に示す。
【0045】実施例22 実施例3の基材のサイズプレス液中に、水酸化ナトリウ
ムが、得られる記録媒体のpHが8.0となるように添
加されている以外は同様にしてインクジェット用記録媒
体を得た。同様に評価を行なった結果を表4に示す。
【0046】実施例23 実施例2の基材のサイズプレス液中に、水酸化ナトリウ
ムが、得られる記録媒体のpHが11.0となるように
添加されている以外は同様にしてインクジェット用記録
媒体を得た。同様に評価を行なった結果を表4に示す。
【0047】実施例24 実施例2のサイズプレス液中に、オクチルジメチルベン
ジルアンモニウムクロライドが、サイズプレス後2.0
×10-4g/m4となるように添加されている以外は同
様にしてインクジェット用記録媒体を得た。同様に評価
を行なった結果を表4に示す。
【0048】実施例25 実施例2のサイズプレス液中に、1,3−ジベンジル−
2−メチルイミダゾリウムクロライドが、サイズプレス
後2.0×10-4g/m4となるように添加されている
以外は同様にしてインクジェット用記録媒体を得た。同
様に評価を行なった結果を表4に示す。
【0049】実施例26 実施例2のサイズプレス液中に、ドデシルピリジニウム
クロライドが、サイズプレス後2.0×10-4g/m4
となるように添加されている以外は同様にしてインクジ
ェット用記録媒体を得た。同様に評価を行なった結果を
表4に示す。
【0050】実施例27 実施例2のサイズプレス液中に、ラウリルカルボキシメ
チルヒドロキシエチルイミダゾリウムベタインが、サイ
ズプレス後2.0×10-4g/m4となるように添加さ
れている以外は同様にしてインクジェット用記録媒体を
得た。同様に評価を行なった結果を表4に示す。
【0051】実施例28 実施例2のサイズプレス液中に、ポリオキシエチレンラ
ウリルエーテルが、サイズプレス後2.0×10-4g/
4となるように添加されている以外は同様にしてイン
クジェット用記録媒体を得た。同様に評価を行なった結
果を表4に示す。
【0052】
【表5】
【0053】
【発明の効果】本発明によれば、画像濃度が高く、裏抜
け、コックリング等が少なく、重色部での滲み出しを著
しく減少させたコートタイプのインクジェット用記録媒
体を提供できる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材と該基材上に設けられた顔料を含む
    インク受理層からなる記録媒体において、前記基材中に
    少なくとも一種のキレート化剤を含有することを特徴と
    するインクジェット用記録媒体。
  2. 【請求項2】 前記インク受理層の塗布量が10g/c
    2以下であることを特徴とする請求項1のインクジェ
    ット用記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録媒体のpHが6以上9以下であるこ
    とを特徴とする請求項1のインクジェット用記録媒体。
  4. 【請求項4】 前記基材のステキヒトサイズ度が、坪量
    80g/m2基準で0秒以上70秒以下であることを特
    徴とする請求項1のインクジェット用記録媒体。
  5. 【請求項5】 前記基材の透気度が、坪量80g/m2
    基準で10秒以上40秒以下であることを特徴とする請
    求項1のインクジェット用記録媒体。
  6. 【請求項6】 前記基材の平滑度が、35秒以上300
    秒以下であることを特徴とする請求項1のインクジェッ
    ト用記録媒体。
  7. 【請求項7】 前記基材が更に界面活性剤を含有するこ
    とを特徴とする請求項1のインクジェット用記録媒体。
  8. 【請求項8】 前記基材が、パルプとキレート化剤を含
    む水性スラリーから抄造されていることを特徴とする請
    求項1のインクジェット用記録媒体。
  9. 【請求項9】 前記基材が、パルプを含む水性スラリー
    から抄造された後、キレート化剤を含浸させたことを特
    徴とする請求項1のインクジェット用記録媒体。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至9のいずれかに記載のイ
    ンクジェット用記録媒体を用いて記録することを特徴と
    するインクジェット記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1426194A2 (en) 2002-12-06 2004-06-09 Fuji Photo Film Co., Ltd. Ink jet recording medium and ink jet recording method
US7919176B2 (en) * 2002-04-10 2011-04-05 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Ink-jet media porous coatings with chemically attached active ligands

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