JPH08335728A - 圧電トランス - Google Patents

圧電トランス

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JPH08335728A
JPH08335728A JP7142282A JP14228295A JPH08335728A JP H08335728 A JPH08335728 A JP H08335728A JP 7142282 A JP7142282 A JP 7142282A JP 14228295 A JP14228295 A JP 14228295A JP H08335728 A JPH08335728 A JP H08335728A
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JP
Japan
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piezoelectric
ratio
width
vibrator
electrode
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JP7142282A
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English (en)
Inventor
Katsunori Kumasaka
克典 熊坂
Yuji Ono
裕司 小野
Yukifumi Katsuno
超史 勝野
Yoshiaki Fuda
良明 布田
Tetsuo Yoshida
哲男 吉田
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Tokin Corp
Original Assignee
Tokin Corp
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Publication date
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  • Piezo-Electric Or Mechanical Vibrators, Or Delay Or Filter Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 入力と出力間を直流的に絶縁構造とすること
で安全性に優れ,かつ両側面の振動の節の点で,振動子
の支持とリード端子の取り出し,高信頼性を実現できる
入出力に圧電横効果を用いた圧電トランスを提供するこ
と。 【構成】 一つの圧電トランスは,圧電性セラミック矩
形板の長さ方向の1波長共振モードを利用し,圧電性セ
ラミック矩形板の幅寸法に対する長さ寸法の比が3.5
以上である。もう一つの圧電トランスは,圧電性セラミ
ック矩形板の長さ方向の1.5波長共振モードを利用し
た圧電トランスにおいて,前記圧電性セラミック矩形板
の幅寸法に対する長さ寸法の比が2.3以上である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,圧電性セラミックスを
用いた圧電トランスに関し,特に圧電セラミックス矩形
板の内部と表面に分極用と入出力用の電極を形成し,矩
形板の長さ方向の1波長および1.5波長共振を利用し
た積層一体焼結圧電トランスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近,液晶バックライト用インバータや
回路基板上のDC−DCコンバータ用として圧電トラン
スの研究が盛んに行われている(萩原・鈴木:“圧電ト
ランスインバータによる冷陰極管の点灯と調光”199
4電子情報通信学会講演論文集第212頁〜第213頁
(1994年9月),ほか参照)。圧電トランスは,入
力側に圧電横効果,出力側に圧電縦効果を用いたローゼ
ン型が基本になっているが,入出力に圧電横効果を用い
た圧電トランスについても,その構造が示されている
(土屋:“高圧用磁気変圧器”エレクトロニクス・セラ
ミクス,第65頁〜68頁(1971年,3月)参
照)。さらに,最近になって,100kΩ程度の低い負
荷インピーダンスと整合をとり,効率を高めた対称3次
ローゼン型圧電トランスや入出力に圧電横効果を用いた
新しい構造の圧電トランスも報告されている(広瀬,菅
野:“入出力に圧電横効果を利用するセラミック・トラ
ンス”信学技報,US93−96,第15頁〜第22頁
(1994.2)参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一般に,圧電トランス
において,昇圧比を大きくするためには,入力側に対す
る出力側の制動容量の比を大きくし,効率を高くするた
めには,2次側の制動容量のインピーダンスを負荷イン
ピーダンスに合わせる必要がある。
【0004】また,Qmを大きくすることによって,さ
らに昇圧比と効率を向上出来る。この条件を同時に満足
し,設計自由度を増やすために,高Qm材を用いて,入
力側に内部電極層を含む積層構造とする方法が考えられ
る。
【0005】積層構造の圧電振動子としては,既に積層
型の圧電アクチュエータが実用化されているが,アクチ
ュエータは主に変位を利用するため,圧電材料としては
圧電d定数が大きく,Qmの値が100以下材料が使用
されている。これに対してQmの値が1000以上の材
料を用いた積層一体焼結振動子の報告は,ほとんど見出
されていない。
【0006】そこで,本発明の技術的課題は入力と出力
間を直流的に絶縁構造とすることで安全性に優れ,かつ
両側面の振動の節の点で,振動子の支持とリード端子の
取り出し,高信頼性を実現できる入出力に圧電横効果を
用いた圧電トランスを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは,PZT系
の高Qm材料を用いて振動子を作成し,積層数および焼
結温度を変化させた場合の評価結果に基づき,また積層
型の圧電振動子では,従来の方法による振動子の評価が
困難であるため,内部電極の厚さや電極パターンの影響
を考慮した積層型の振動子の評価方法についても考察
し,さらに積層一体焼結型圧電トランスを設計,作成
し,従来のプレス焼結法による単層の圧電トランスと比
較して,効率を低下せず,非常に大きい昇圧比が得られ
たことを見出だし,本発明を成すに至ったものである。
【0008】本発明によれば,圧電性セラミック矩形板
の長さ方向の1波長共振モードを利用した圧電トランス
において,前記圧電性セラミック矩形板の幅寸法に対す
る長さ寸法の比が3.5以上であることを特徴とする圧
電トランスが得られる。
【0009】また,本発明によれば,圧電性セラミック
矩形板の長さ方向の1.5波長共振モードを利用した圧
電トランスにおいて,前記圧電性セラミック矩形板の幅
寸法に対する長さ寸法の比が2.3以上であることを特
徴とする圧電トランスが得られる。
【0010】
【実施例】以下,本発明の実施例について,図面を参照
して説明する。
【0011】まず,本発明の実施例に係る圧電トランス
に用いられる振動子の構造および製造プロセスについて
説明する。
【0012】高QmのPZT系セラミック仮焼粉末を用
いて厚膜グリーンシートを作成し,このグリーンシート
上に振動子矩形板の側面に形成する外部電極と接続でき
るように,銀−パラジウム系ペーストを用いて内部電極
パターンを形成し,トータル厚みが同一になるようにグ
リーンシート厚みを調整して,図1に示したような1
(単層),3,5,7,9層の矩形状積層体とした。し
かる後に,この積層体を大気中1100℃で焼結し,内
部電極が表面に露出した矩形板の側面部に外部電極を焼
き付け,温度150℃で電界強度1kV/mmので分極
処理し,積層型の圧電振動子とした。作成した振動子の
寸法は長さ42×幅12×厚さ1.5mmである。
【0013】次に,本発明の実施例における積層一体焼
結振動子の焼結状態について説明する。
【0014】内部電極に用いた銀−パラジウムは,セラ
ミックスの焼結反応を促進することが一般に知られてい
る。図2(a)に,200℃プレス焼結体,図2(b)
に1100℃焼結の積層体の内部電極間,図2(c)に
内部電極積層部でない位置(c)のセラミック粒子の走
査型電子顕微鏡写真をそれぞれ示した。
【0015】図2(a)に示す1200℃焼結体の結晶
粒径は約4μmで,図2(b)に示す1100℃焼結の
結晶粒径は約5μmである。これは,内部電極の焼結促
進の効果で図2(b)に示すものが図2(a)に示すも
のより大きく成長しているものと思われる。また,粉末
プレス体は1100℃では焼結が進まずポーラスである
が,図2(c)に示す内部電極積層体の内部電極の影響
の少ないもの結晶粒径は3μmで,図2(a)より小さ
いが,図2(c)の部分はポーラスとはならずに十分に
緻密に焼結されているのが観察される。これは焼結時の
内部電極の雰囲気の影響と考えられる。したがって,内
部電極が存在する積層体を用いることにより,粉末プレ
ス体より低温焼結が可能であるということがわかる。
【0016】図3に積層数と焼結体密度の関係を示し
た。図2から明らかなごとく,1100℃積層一体焼結
体の密度は1200℃プレス成形体とほぼ一致してお
り,同じセラミック材料において約100℃の低温焼結
が実現出来た。また,内部電極の密度はセラミックスの
密度より大きいので,積層数が多くなると徐々に焼結体
密度も大きくなる傾向にある。振動子中の内部電極の占
める割合の増加による密度の上昇と,前述の内部電極に
よる焼結促進の複合効果が原因と考えられる。
【0017】次に,本発明の実施例によるトランス用積
層型圧電振動子の評価について説明する。
【0018】(電気機械結合係数の評価)圧電体の材料
特性は,一般に振動子を固有の振動モードにて励振した
場合で,さらに他のモードの影響が少ない状態にのみイ
ンピーダンス特性から求められることが可能である。し
かし,積層型の圧電振動子については,内部電極の厚さ
や電極パターンなどが一定でないために評価方法が統一
されていない。また一般の圧電トランスに用いられる振
動子は,幅に対する波長の比が3〜5倍の矩形板である
ため,この振動子を実際に駆動するλモードや3λ/2
モードで振動子特性を測定する場合には,波長に対して
幅寸法が大きくなり,必要とする長さ振動モードに対し
て余分な幅振動モードの影響が無視出来なくなることが
予想される。
【0019】ここでは,振動子矩形板の幅に対する波長
の比が3〜5倍の積層一体型圧電トランスにおいて,特
に材料定数の中で電極形状や振動子形状の影響を受けや
すい電気機械結合係数に着目し,振動子定数から電気機
械結合係数k31を直接求める方法について考察するため
に,以下のような実験を行った。
【0020】はじめに振動子上に形成した表面電極にお
ける形状依存性を考察するために,全面電極振動子k31
の計算式に,図4のような全面電極を有する振動子矩形
板をλ/2モードで,さらに図5のような振動子矩形板
のおよそ半分に部分電極を有するり振動子矩形板をλモ
ードで駆動し,電極長比α,電極幅比βとした場合の結
合係数k61の補正を行った。図4のような振動子矩形板
をλ/2モード駆動した場合の計算式を数1式〜数8式
に示す。ここで振動子矩形板の厚みはtである。
【0021】
【数1】
【0022】
【数2】
【0023】
【数3】
【0024】
【数4】
【0025】
【数5】
【0026】
【数6】
【0027】
【数7】
【0028】
【数8】
【0029】同様に,図5のような振動子矩形板をλモ
ード駆動した場合の計算式を下記数9式に示す。
【0030】
【数9】
【0031】実際に補正式を確認するために,L=42
mm,W=10mm,t=1.0mmの振動子矩形板の
表裏面に電極長比α=0.36,電極幅比β=0.80
の表面電極を形成した後,振動子定数の測定を行った。
このときの容量比γは24.6であり,これらα,β,
γの値を上記数9式に係合係数k31の0.37と比べて
かなり小さい値となっている。これは,振動子矩形板の
形状が影響しているものと考えられるので,次に振動子
の幅により影響を調べた。
【0032】振動子の波長による幅寸法の影響を調べる
ために,図4のような全面電極を有する振動子矩形板を
λ/2モードで,さらに図5のような振動子矩形板のお
よそ半分に部分電極を有する振動子矩形板をλモードで
駆動し,単板振動子の波長と幅寸法の比を変化した場合
の結合係数k31をそれぞれ数8式,数9式のα,βは各
々1にした数10式,数11式により求めた。このとき
振動子矩形板の寸法は長さ42×幅12×厚さ1.5m
mから,同一素子の幅方向に切断して測定した。
【0033】
【数10】
【0034】
【数11】
【0035】図6から明らかなように全面電極,部分電
極の両方の場合において,波長:幅寸法=10:1以上
のときに,他の振動モードの影響がなくなることが分か
る。すなわち,全面電極をλ/2モードで駆動した場合
は,長さ:幅=5:1以上であり,部分電極をλモード
で駆動した場合は,長さ:幅=10:1以上の時に他の
モードの影響が少ない結合係数k31を求めることが可能
であることがわかる。さらに寸法が長さ42×幅10×
厚み1.0(幅に対する波長の比が4.2)振動子にお
いて,電極形状の補正を電極長比α=0.36,電極幅
比β=0.80として,数9式により求めた結合係数k
31は0.33と,図6のα,βを各々1として求めた結
果が非常に良く一致していることから,数8式,及び数
9式の妥当性を明らかにできた。
【0036】ここまでをまとめると,実際に圧電トラン
スとして用いられるような電極形状が複雑で,幅に対す
る波長の比が3〜5倍の振動子矩形板において,振動子
定数から電気機械結合係数k31を直接求める方法とし
て,表面の電極形状による補正と振動子の形状による幅
モードの補正を行うことにより,振動子定数から直接電
気機械結合係数k31を求めることが出来る補正方法を提
案し,その妥当性を示した。
【0037】さらに,本補正法を用いることにより,素
子寸法が長さ42×幅12×厚さ1.5mm(幅に対す
る波長の比が3.5)の圧電トランス用振動子では,電
極形状(α=0.36,β=0.80)と振動子形状に
よる補正(0.37/0.81)を行うことにより,振
動子定数から直接電気機械結合係数k310.37を求め
ることが出来た。
【0038】下記表1は,図6の曲線21に示される圧
電性セラミック矩形板の長さ方向の1波長共振モードを
利用し,圧電性セラミックの幅寸法に対する長さ寸法の
比が3.5以上であるものの特性と,図6の曲線22に
示される圧電性セラミック矩形板の長さ方向の1.5波
長共振モードを利用し,圧電性セラミック矩形板の幅寸
法に対する長さ寸法の比が2.3以上である圧電トラン
ス特性を示している。
【0039】
【表1】
【0040】最後に積層一体型振動子における特性の影
響を考察するために,上下にセラミックダミー層と内部
電極層を有する積層振動子において,図6のような内部
構造モデルを仮定した。ここでセラミック層tを,上下
ダミー層t1 と電極層t2 を圧電不活性層と仮定し,全
体がセラミック層の容量比γを下記数12式とした場合
に,圧電不活性層を考慮した容量比γ′の下記数13式
とした場合から,簡易的に求めて下記数14式に示し
た。ここで,電極層t2 はセラミック層と比べて非常に
薄いため,圧電活性層と圧電不活性層はωr,L,W,
ρ,Aは変化しないものと仮定している。
【0041】
【数12】
【0042】
【数13】
【0043】
【数14】
【0044】図1の積層一体焼結振動子を用いた場合の
積層数に対する電気機械結合係数k31の変化を図8に示
す。図8から明らかなごとく,電極形状,振動子形状,
積層による不活性層を考慮することにより,積層型一体
焼結振動子の振動子定数から直接電気機械結合係数k31
を求めることが出来た。また,積層数の増加に伴い,k
31の値は減少しているのは,セラミックスと比較してロ
スの多い内部電極層が増加する以外に,内部電極による
焼結促進状態の変化が影響しているためと考えられる。
【0045】積層数のQmの値は減少しているのは,同
様の傾向があるが,上記数14式からの計算値以上に大
きく減少しているのは,電極とセラミックスの複合的な
効果の影響があると考えられる。
【0046】(機械的品質係数のQmの評価)図1の積
層一体焼結振動子を用いた場合の積層数に対する機械的
品質係数Qmの変化を図9に示す。図9から明らかなよ
うに,1〜9層の積層一体焼結振動子において,Qmが
1500以上と非常に大きな値を得ることが出来た。こ
れは,圧電トランス用振動子として十分評価可能な値で
ある。
【0047】(トランス用積層一体焼結振動子の評価の
まとめ)圧電トランスに用いる積層一体焼結振動子にお
ける材料定数の評価方法の中で,特に振動子形状,電極
形状,圧電不活性層の影響を受けやすい電気機械結合係
数に着目し,表面電極形状による影響,振動子形状
による影響,内部電極による影響の夫々を考慮した補
正方法を提案し,その妥当性を示した。また本補正式を
用いることにより,圧電トランスに用いる幅に対する長
さが3〜5倍程度の振動子矩形板から直接電気機械結合
係数k31を評価できることを明らかにした。
【0048】次に本発明の実施例に係る入出力に圧電効
果を用いた圧電トランスについて説明する。
【0049】(各種圧電トランスの構造)圧電トランス
は,図10のような入力側に圧電横効果,出力側に圧電
縦効果を用いたローゼン型が一般的となっているが,最
近になって,負荷とのインピーダンス整合をとり,効率
を高めた図11のような対称3次ローゼン型圧電トラン
スも報告されている(田上ほか:“圧電トランス式イン
バータ開発”NEC技報,vol47,No.10,第
106−第110頁(1994年)参照)。
【0050】これらの中で我々は,入力−出力間を絶縁
構造とすることで安全性に優れ,かつ両側面の振動の節
の点で,振動子の支持とリード端子の取り出し,高信頼
性を実現できる図12のような入出力に圧電横効果を用
いた厚み幅横効果型の圧電トランスの検討を行った。
【0051】図10及び図11に示すタイプは入力側に
圧電横効果,出力側に圧電縦効果を用い,図12のタイ
プは入出力側に圧電横効果を用いた構造である。また,
図10のタイプは出力側の電極の取り出しが振動節点と
することが困難であるが,図11,図12のタイプは振
動節点から安定に取り出せるため,高信頼性を実現でき
る。
【0052】さらに図10,図11のタイプは入力−出
力間が直流的に絶縁されていないが,図12のタイプは
入力−出力間で直流的な絶縁がなされており,安全面に
優れ,独自の回路構成が可能となる。
【0053】次に,昇圧比と効率の負荷抵抗依存性につ
いて説明する。
【0054】一般に圧電トランスにおいて,昇圧比を大
きくするためには,入力側に対する出力側の制動容量の
比を大きくし,効率を高くするためには,2次側の制動
容量のインピーダンスを負荷インピーダンスに合わせる
必要がある。またQmを大きくすることによって,さら
に昇圧比と効率を向上出来る。ここで下記数15,数1
6式で表される。
【0055】
【数15】
【0056】
【数16】
【0057】また,図10〜図12のタイプの圧電トラ
ンスにおいて,長さ42×幅12×厚さ1.5mmの同
一寸法の振動子矩形板を用いた場合のシミュレーション
結果を示す。図11は昇圧比の負荷抵抗依存性であり,
図13は効率の負荷抵抗依存性である。
【0058】図13,図14から明らかなように,1M
Q以上の負荷抵抗に対し昇圧比は,100倍以上と大き
いが,効率の低下する。また100kΩ程度の負荷抵抗
に対しては,効率は90%以上を示すが,昇圧比は高々
数10倍程度しかなく,圧電トランスの特長である高昇
圧比が得られない。即ち,十分な昇圧比と効率を同時に
満足し,設計自由度を増やすために,高Qm材を用い
て,入力側に内部電極層を含む積層構造とする方法が考
えられる。入出力部に圧電横効果を用いた厚み−幅横効
果型圧電トランスを積層した場合のシミュレーションに
よる昇圧比の変化を図15に,効率の変化を図16に夫
々示す。数10kΩ程度の負荷抵抗に対しても,効率を
低下せず,昇圧比を十分大きく出来ることがわかる。
【0059】次に,本発明の実施例に係る圧電トランス
の特性について説明する。
【0060】入出力部に圧電横効果を用いた厚み−幅横
効果型圧電トランスの試作結果を図16に示す。ここで
振動子矩形板を寸法は長さ42×幅12×高さ1.5m
mであり,積層数は5層である。図16から明らかなよ
うに負荷抵抗に容量(25pF)を並列に負荷した場合
にシミュレーションと実測値が良く一致することがわか
る。このことから測定系の浮遊容量が圧電トランスの特
性に大きく影響していることがわかる。
【0061】以上説明したように,本発明の実施例にお
いては,積層一体焼結により内部電極を10層含む,4
×12×1.6の高Qm材を用いた振動子を作製し,Q
m=1500,k31=0.35の値が得られた。
【0062】また,単板全面電極振動子と,圧電トラン
ス用部分電極振動子の特性を比較し,さらに積層型振動
子に拡張することにより,圧電トランス用一体焼結型振
動子による材料特性の評価法を確立し,この方法により
得られた特性を用いて行ったシミュレーション結果と実
測値が良く一致することを確かめた。
【0063】さらに,安全性,信頼性に優れた入力側厚
み−横効果,出力側を幅−横効果とした積層一体焼結型
圧電トランスを設計,作成し,従来のプレス焼結法によ
る単層の圧電トランスと比較して効率の低下が少なく,
非常に大きい昇圧比を得ることが出来た。
【0064】
【発明の効果】以上,説明したように,本発明によれ
ば,効率の低下が少なく非常に大きい昇圧比を得ること
がで出来る圧電トランスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る圧電トランスの振動子の
積層構造を示す図である。
【図2】圧電セラミックスの結晶粒径を比較した結晶構
造を示す図である。
【図3】焼結体密度と積層数との関係を示す図である。
【図4】全面電極を有する振動子矩形板の一例を示す斜
視図である。
【図5】部分電極を有する振動子矩形板の一例を示す斜
視図である。
【図6】本発明の実施例に係る圧電トランスの結合係数
31と波長/幅寸法による変化を示す図である。
【図7】本発明の実施例に係る圧電トランスの振動子の
内部構造モデルを示す斜視図である。
【図8】本発明の実施例に係る圧電トランスの積層一体
焼結振動子のk31特性を示す図である。
【図9】図8の積層一体焼結振動子のQm特性を示す図
である。
【図10】ローゼン型圧電トランスを示す斜視図であ
る。
【図11】対称3次ローゼン型トランスを示す斜視図で
ある。
【図12】厚み幅横効果型圧電トランスを示す斜視図で
ある。
【図13】トランス形状における昇圧比の負荷抵抗依存
性を示す図である。
【図14】トランス形状における効率の負荷抵抗依存性
を示す図である。
【図15】積層数による昇圧比の変化を示す図である。
【図16】積層数による効率変化を示す図である。
【図17】昇圧比におけるシミュレーションと実測値の
比較を示す図である。
【符号の説明】
21 1波長共振モードの圧電トランスの結合係数を
示す曲線 22 1.5波長共振モードの圧電トランスの結合係
数を示す曲線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 布田 良明 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内 (72)発明者 吉田 哲男 宮城県仙台市太白区郡山六丁目7番1号 株式会社トーキン内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電性セラミック矩形板の長さ方向の1
    波長共振モードを利用した圧電トランスにおいて,前記
    圧電性セラミック矩形板の幅寸法に対する長さ寸法の比
    が3.5以上であることを特徴とする圧電トランス。
  2. 【請求項2】 圧電性セラミック矩形板の長さ方向の
    1.5波長共振モードを利用した圧電トランスにおい
    て,前記圧電性セラミック矩形板の幅寸法に対する長さ
    寸法の比が2.3以上であることを特徴とする圧電トラ
    ンス。
JP7142282A 1995-06-08 1995-06-08 圧電トランス Pending JPH08335728A (ja)

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JP7142282A JPH08335728A (ja) 1995-06-08 1995-06-08 圧電トランス

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JP7142282A JPH08335728A (ja) 1995-06-08 1995-06-08 圧電トランス

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JP7142282A Pending JPH08335728A (ja) 1995-06-08 1995-06-08 圧電トランス

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JP (1) JPH08335728A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001223408A (ja) * 1999-11-30 2001-08-17 Kyocera Corp 圧電トランス及びコンバータ

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