JPH083353A - 合成紙およびその製造方法 - Google Patents

合成紙およびその製造方法

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JPH083353A
JPH083353A JP16488394A JP16488394A JPH083353A JP H083353 A JPH083353 A JP H083353A JP 16488394 A JP16488394 A JP 16488394A JP 16488394 A JP16488394 A JP 16488394A JP H083353 A JPH083353 A JP H083353A
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JP
Japan
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stretching
paper
film
layer
polypropylene
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Application number
JP16488394A
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English (en)
Inventor
Tetsuro Nogata
鉄郎 野方
Masahiko Futaki
真佐彦 二木
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Tonen Chemical Corp
Original Assignee
Tonen Sekiyu Kagaku KK
Tonen Chemical Corp
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Publication date
Application filed by Tonen Sekiyu Kagaku KK, Tonen Chemical Corp filed Critical Tonen Sekiyu Kagaku KK
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Abstract

(57)【要約】 【目的】β晶核剤を添加して表面を粗面化した多孔膜単
層ポリプロピレンフイルムは、表面の空孔率が十分でな
い為に印刷に際しカールが生じ、印刷表面の凹凸が激し
いものになり、又、その延伸フイルムでは、弾性率およ
び強度が不充分で、印刷時に伸び、印刷ずれが生じ、印
刷や製本作業において支障を来す。 【構成】β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシート
を20〜150℃で少なくとも一方向に延伸してなるポ
リプロピレン多孔性フイルムよりなる紙化層を、基材層
の合成樹脂製フイルムもしくはその延伸フイルムの少な
くとも片面に有してなる合成紙。 【効果】印刷性、弾性率および強度に優れた合成紙を得
ることができ、印刷に際しカールが生じたり、印刷表面
の凹凸が激しくなることを防ぎ、印刷ずれが生ぜず、印
刷や製本作業において十分な強度を確保でき、フイラー
を含まない為に多孔化に際しての延伸時のフイルムの破
れなどがなく薄膜化が可能で、高強度化のものが得ら
れ、フイラーの脱落による紙粉トラブルがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、合成紙およびその製造
方法に関し、特に、印刷性、弾性率および強度に優れる
合成紙を得る技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、合成紙を製造するのに、例えば、
外部紙化法と内部紙化法とがあり、前者は、溶媒に分散
された白色ピグメント層を合成樹脂製フイルムに塗布
後、当該白色ピグメント層の溶媒を洗浄溶媒で洗浄し、
次いで、当該洗浄溶媒を乾燥させる方法である。一方、
後者は、ポリオレフインにフイラーを添加してなる原反
シートを縦延伸後、当該縦延伸されたシートに、ポリオ
レフインとフイラーの混合物をラミネート後、横延伸す
る方法である(特開昭50−116561号公報)。
【0003】しかし、前者の方法は、溶媒除去に長時間
を必要とし、コストが高くなるなどの欠点がある。ま
た、後者の方法は、外部の空孔率が低い為に、印刷性が
悪く、外部の空孔率を高めようとすると、フイラーの脱
落による紙粉トラブルが発生するという欠点があり、ま
た、この方法では、フイラーを含む為に、延伸時にフイ
ルムが破れたりするなど薄膜化が困難で、また、高強度
化のものが得られないなどという欠点もある。
【0004】一方、β晶核剤をポリプロピレンに添加す
ることにより、表面が粗面化された印刷用紙等として使
用できるフイルムを得ようとする提案がなされている
(特開昭63−199742号公報、特開昭61−28
1105号公報、特開平5−255551号公報、特開
平5−262936号公報、特開平6−64038号公
報)。しかし、当該β晶核剤を添加して表面を粗面化し
た単層フイルムでは、表面の空孔率が十分でない為、印
刷に際し、カールが生じたり、印刷表面の凹凸が激しい
ものになる。また、β晶核剤を添加し延伸を行うことで
得られた多孔膜単層フイルムでは、弾性率および強度が
不充分で、弾性率が低い為に、印刷機に当該フイルムよ
りなる合成紙を掛けた時に、伸びが生じ、印刷ずれの原
因となり、また、強度が低い為に、印刷や製本作業にお
いて支障を来す事がある。
【0005】
【発明が解決しょうとする課題】本発明は、かかる従来
技術の有する欠点を解消することのできる技術を提供す
ることを目的としたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、次記した多層
構造の合成紙およびその製造方法に係るものである。 (1)β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシートを
20〜150℃で少なくとも一方向に延伸してなるポリ
プロピレン多孔性フイルムよりなる紙化層を、基材層の
合成樹脂製フイルムもしくはその延伸フイルムの少なく
とも片面に有してなることを特徴とする合成紙。 (2)β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシートを
20〜150℃で少なくとも一方向に延伸してなるポリ
プロピレン多孔性フイルムを、合成樹脂製フイルムもし
くはその延伸フイルムの少なくとも片面に積層すること
を特徴とする上記した合成紙の製造方法。 (3)β晶比率が0.6以上のポリプロピレン層と合成
樹脂層とからなる多層シートを20〜150℃で少なく
とも一方向に延伸することを特徴とする上記した合成紙
の製造方法。
【0007】上記紙化層を構成するのに使用されるポリ
プロピレンシートまたはポリプロピレン層の材料となる
ポリプロピレン(PP)としては、ホモポリプロピレン
またはプロピレンとエチレンもしくはαーオレフイン例
えば1ーブテン、1ーペンテン、1ーヘキセン、4ーメ
チルー1ーペンテン、1ーオクテン等との共重合体があ
げられる。当該共重合体は、ランダム共重合体でもブロ
ック共重合体でもよい。当該ポリプロピレンには、結晶
性プロピレン共重合体を使用することが好ましい。当該
ポリプロピレンとして、例えば三塩化チタン、四塩化チ
タン等の遷移金属化合物触媒成分またはそれらを塩化マ
グネシウム等のハロゲン化マグネシウムを主成分とする
担体に担持させてなる触媒成分とトリエチルアルミニウ
ム、ジエチルアルミニウムクロリド等有機アルミニウム
化合物とを組み合わせてなる触媒系を用いて調製された
ポリプロピレンを使用することが好ましい。
【0008】また、紙化層を構成するのに使用されるポ
リプロピレンシートまたはポリプロピレン層は、β晶比
率(以下、K値という)が0.6以上、望ましくは0.
8以上のものである。このような高K値のものは、例え
ばポリプロピレンを溶融してシート状に成形した後、8
0〜145℃望ましくは100〜140℃で5分以上、
望ましくは10分以上保持し結晶化することにより得ら
れるが、ポリプロピレンにβ晶核剤を添加した組成物を
用いることにより、上記保持時間を大幅に短縮すること
ができるとともに、K値を高めることができ、延いて
は、物性に優れた合成紙とすることができるので望まし
い。
【0009】上記β晶核剤としては、安息香酸ナトリウ
ム、1.2−ヒドロキシステアリン酸カリウム、コハク
酸マグネシウム、フタル酸マグネシウムなどカルボン酸
のアルカリまたはアルカリ土類金属塩、二もしくは三塩
基カルボン酸のジまたはトリエステル類、ベンゼンスル
ホン酸ナトリウム等の芳香族スルホン酸化合物、フタロ
シアニンブル−等のフタロシアニン系あるいはキナクリ
ドン等の顔料等の他、(1)脂肪族、脂環式または芳香
族の二塩基酸系ジアミド(2)脂肪族、脂環式または芳
香族のアミノ酸系ジアミドおよび(3)有機二塩基酸で
ある成分Aと周期律表第IIA族金属の酸化物、水酸化
物または塩である成分Bとからなるもの等が挙げられる
が、特に、上記(1)〜(3)の核剤を用いると、容易
に高K値のポリプロピレンシートとすることができるの
で望ましい。
【0010】上記(1)および(2)の二塩基酸系ジア
ミド、アミノ酸系ジアミドとしては、次の化1で示され
る一般式(1)のアミド系化合物、または、次の化3で
示される一般式(4)のアミド系化合物が例示される。
【0011】
【化1】 但し、一般式(1)中のR1は、炭素数1〜28の飽和
あるいは不飽和の脂肪族、脂環式または芳香族のジカル
ボン酸残基を表し、R2、R3は同一または異なる、炭素
数3〜18のシクロアルキル基、シクロアルケニル基、
次の化2の式(2)で示される基または化2の式(3)
で示される基を表す。
【0012】
【化2】 但し、式中のR4、R6は水素原子、炭素数1〜12の直
鎖状あるいは分岐鎖状のアルキル基、シクロアルキル基
またはフェニル基を示し、R5、R7は結合、炭素数1〜
4の直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキレン基を示す。
【0013】
【化3】 但し、一般式(4)中のR8は、炭素数1〜28の飽和
あるいは不飽和の脂肪族、脂環式または芳香族のアミノ
酸残基を表し、R9、R10は同一または異なる、炭素数
3〜18のシクロアルキル基、シクロアルケニル基、次
の化4の式(5)で示される基または化4の式(6)で
示される基を表す。
【0014】
【化4】 但し、式中のR11、R13は水素原子、炭素数1〜12の
直鎖状あるいは分岐鎖状のアルキル基、アルケニル基、
シクロアルキル基またはフェニル基を示し、R12、R14
は結合、炭素数1〜4の直鎖状あるいは分岐鎖状のアル
キレン基を示す。上記一般式(1)のジアミド系化合物
は、所定の脂肪族、脂環式または芳香族のジカルボン酸
と所定の脂環式または芳香族のモノアミンとをアミド化
することにより得ることができ、また、一般式(4)の
ジアミド系化合物は、所定の脂肪族、脂環式または芳香
族のアミノ酸とモノカルボン酸およびモノアミンとをア
ミド化することにより得ることができる。
【0015】上記一般式(1)のジアミド系化合物の具
体例としては、アジピン酸ジアニリド、スペリン酸ジア
ニリド、N,N´−ジシクロヘキシルテレフタルアミ
ド、N,N´−ジシクロヘキシル−1,4−シクロヘキ
サンジカルボキシアミド、N,N´−ジシクロヘキシル
−2,6−ナフタレンジカルボキシアミド、N,N´−
ジシクロヘキシル−4,4´−ビフェニルジカルボキシ
アミド、N,N´−ビス(p−メチルフェニル)ヘキサ
ンジアミド、N,N´−ビス(p−エチルフェニル)ヘ
キサンジアミド、N,N´−ビス(4−シクロヘキシル
フェニル)ヘキサンジアミド等が挙げられる。上記一般
式(4)のジアミド系化合物の具体例としては、p−
(N−シクロヘキサンカルボニルアミノ)安息香酸シク
ロヘキシルアミド、δ−(N−ベンゾイルアミノ)−n
−吉草酸アニリド等が挙げられる。前記(3)のβ晶核
剤の成分Aの有機二塩基酸としては、ピメリン酸、アゼ
ライン酸、オルトフタル酸、テレフタル酸、イソフタル
酸等が挙げられる。成分Bは周期律表第IIA族金属例
えばMg,Ca、Sr,Ba等の金属の酸化物、水酸化
物または酸塩である。酸塩としては、無機酸または有機
酸の塩、例えば炭酸塩、ステアリン酸塩等から選ばれ
る。成分Aと成分Bの混合割合は、B/A(重量比)で
0.01〜100である。
【0016】上記β晶核剤の添加量は、β晶核剤の種類
等により適宜変更可能であるが、通常、ポリプロピレン
100重量部に対し、0.0001〜5重量部程度、好
ましくは0.001〜1重量部、より好ましくは0.0
05〜0.05重量部である。0.0001重量部未満
では、β晶が生成しにくく、5重量部を超えて添加して
も効果上の有為差が認められず、経済的にも不利であ
る。
【0017】β晶核剤は、予めプロピレンの重合時に添
加してもよいし、また、別途製造されたポリプロピレン
に添加混合する方法でもよい。また、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、光安定剤、帯電防止剤、防曇剤、アンチブロ
ツキング剤、滑剤、顔料、染料等を適宜必要に応じて添
加してもよい。
【0018】前記紙化層を構成するポリプロピレン多孔
性フイルムは、上記のようにして得られたβ晶比率が
0.6以上のポリプロピレンシートを、20〜150℃
で少なくとも一方向に延伸してなる。延伸は、20〜1
50℃、好ましくは60〜100℃で行う。当該延伸温
度が、20℃未満では、延伸が円滑に行えず、強度に優
れ、微細な多数の連続孔を有するポリプロピレン多孔性
フイルムが得られにくい。また、当該延伸温度が、15
0℃を超えると、β晶が消滅してしまい、延伸によりボ
イドが発生せずに微細な多数の連続孔を有するポリプロ
ピレン多孔性フイルムを得にくい。延伸は、一軸延伸で
も二軸延伸でもよい。一軸延伸方向は縦方向でも、横方
向でもよく、また、二軸延伸は、逐次式でも同時式でも
よく、延伸方向の順序は問わない。延伸倍率は、一軸延
伸の場合、面積倍率で1.2〜15倍が望ましい。二軸
延伸では面積倍率が1.4〜50倍となるようにするの
が望ましい。
【0019】基材層の合成樹脂製フイルムもしくはその
延伸フイルムを構成する合成樹脂としては、ポリプロピ
レン、ポリエチレン等のポリオレフィンの他にポリエス
テル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド等が
挙げられる。これらのうちでは、ポリプロピレン(P
P)が好ましい。当該ポリプロピレンフイルムもしくは
その延伸フイルムとしては、前記紙化層で述べたような
ポリプロピレンフイルムもしくは該ポリプロピレンシー
トを延伸してなるポリプロピレン延伸フイルムが例とし
て挙げることができる。ポリプロピレンが好ましいの
は、紙化層と基材層との接着性の面で好ましいこと、延
伸フイルムとする際の廃棄物の回収面での有利さからで
あり、特に、後で述べるような、紙化層と基材層の貼合
(積層)に押出積層が適用でき、積層後に延伸を行うよ
うな場合に、積層後の延伸にも有利だからである。
【0020】次に、本発明の合成紙の製造方法について
説明する。その製法の一例は、一旦、前記のようにして
β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシートを20〜
150℃で少なくとも一方向に延伸してポリプロピレン
多孔性フイルムを得、これを紙化層として、当該紙化層
と基材層とを貼合(積層)する方法である。当該紙化層
は、当該基材層の片面あるいは両面に貼合(積層)され
る。当該貼合(積層)は、接着剤による貼合、接着性樹
脂による熱ラミネーション、押出積層等の方法が可能で
ある。本発明の合成紙は、β晶比率が0.6以上のポリ
プロピレン層と合成樹脂層とからなる多層シートを20
〜150℃で少なくとも一方向に延伸してなるものも包
含し、このような製造方法により本発明の合成紙を得る
ことができる。特に、基材層にポリプロピレンフイルム
もしくはポリプロピレン延伸フイルムを用いる時には、
押出積層が可能で、例えば、多種多層シート成形機を用
い多層押出してβ晶比率が0.6以上のポリプロピレン
層よりなる紙化層と合成樹脂層よりなる基材層とを積層
した多層シートを得、これを20〜150℃で少なくと
も一方向に延伸すればよい。当該多層シートの上記延伸
は、前述した方法と同様に行えばよい。この場合の延伸
も、20〜150℃、好ましくは60〜100℃で行
う。当該延伸温度が、20℃未満では、延伸が円滑に行
えず、強度に優れ、微細な多数の連続孔を有する合成紙
が得られにくい。また、当該延伸温度が、150℃を超
えると、β晶が消滅してしまい、延伸によりボイドが発
生せずに微細な多数の連続孔を有する合成紙を得にく
い。本発明においては、紙化層や基材層の接着面や合成
紙の印刷面に適宜コロナ処理を施してもよい。
【0021】
【実施例】以下、本発明を実施例で詳細に説明する。な
お、実施例におけるK値は次の式1に示すX線回析によ
る測定方法に準拠して行った。
【0022】
【式1】
【0023】但し、式中の は、強いβピークの高さ(300)で、H110、H040
よびH130は、それぞれα形の3つの強いピーク高さ
(110)、(040)、(130)である。
【0024】また、実施例における物性値の測定方法は
次の通りである。 (1)厚み;断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で測
定。 (2)空孔率;50x50mmのサンプルの質量、厚み
を測定し、下記の式により算出。 (1ー(質量/密度)/(5x5x厚み))x100(%) PPの密度;0.9、フィラーの密度;2.7 尚、密度は、サンプルを溶融後プレス成形を行うことで
求めた。 (3)印刷性: (イ)カール コロナ処理を施した評価用サンプルにオフセット印刷機
で市販の乾燥型オフセットインキであるニューベストワ
ンプロセス墨M(東華色素(株)製)を用いて移転量が
1g/m2となるように全面に印刷を施した。そして、
その印刷物を12cm×5cmの大きさに切断して平坦
な机上にて1日放置した後、その印刷物のカールの高さ
(mm)を図1に示すようにして測定した。 (ロ)表面の凹凸 コロナ処理を施した評価用サンプルにオフセット印刷機
で市販の乾燥型オフセットインキであるニューベストワ
ンプロセス墨M(東華色素(株)製)を用いて移転量が
1g/m2となるように、また、同一インキで一松模様
(1cm×1cm)となるように、部分的に印刷を施し
た。そして、印刷された部分と印刷されていない部分と
で出来るフィルムの凹凸を感応試験で評価した。凸凹の
ないものを、凸凹の激しいものを×、その中間を△とし
た。 (4)引張強さ(kg/cm2);ASTM D882
の引張破断強度(MDおよびTD方向)。 (5)引張弾性率(kg/cm2);ASTM D88
2に準拠(MDおよびTD方向)。
【0025】実施例1〜3 紙化層 (1)紙化層の原反シート成形 下記に示した組成の原料を混練した後、シート成形機に
てTダイから押出し、溶融樹脂をロール温度110℃、
雰囲気温度110℃で約30秒間保持して結晶化させ、
シートを得た。尚、得られた原反シートのK値を表1に
示した。 PP/β晶核剤=100/0.04 PP:ホモポリプロピレン(MFR=3g/10分) β晶核剤:N,N´ージシクロヘキシルー2,6ーナフ
タレンジカルボキシアミド (2)紙化層の延伸 上記シートを表1に示した温度に加熱した後、表1に示
した延伸方向、延伸倍率に延伸した。 基材層 基材層に、次の2種類の合成樹脂フィルムを使用した。 市販のOPPフィルム(延伸PPフィルム、東洋紡製
商品名パイレンフィルム OT P2002) PSフィルム:三菱モンサント化成(株)製 商品名サ
ントクリア ラミネート 基材層(厚み50μm)の両面にコロナ処理を施し、両
面に下記の接着剤を塗布した後、接着面にコロナ処理を
施した紙化層(厚み25μm、空孔率40%)を両面に
積層し、70℃で30秒間乾燥した。尚、乾燥後の接着
層の厚みは各々5μmであった。 接着剤:酢酸エチル/主剤/硬化剤の混合物 主剤;武田製薬社製、商品名タケラック A−310 硬化剤;武田製薬社製、商品名タケネート A−3
【0026】上記実施例1〜3における製造条件を表1
に、また、上記実施例1〜3で得られた製品について前
記測定方法に従い物性を測定した結果を表4に示す。
【0027】実施例4 基材層 (1)基材層の原反シート成形 ランダムPP(MFR=9g/10分、エチレン含有量
=3.6wt%)をシート成形機にてTダイから押出
し、溶融樹脂をロール温度40℃、雰囲気温度20℃で
結晶させ、シートを得た。 (2)基材層の延伸 表2に示した温度に加熱した後、表2に示した延伸方
向、延伸倍率に延伸した。 紙化層の原反シート成形、ラミネート PP/β晶核剤(実施例1に同じ)を混練した後、シー
ト成形機にてTダイから押出し、溶融樹脂を110℃に
加熱された基材層の両面に積層し、ロール温度110
℃、雰囲気温度110℃で約30秒間保持して結晶化さ
せた。尚、得られた原反シートの表層のK値を表2に示
した。 延伸 表2に示した温度に加熱した後、表2に示した延伸方
向、延伸倍率に延伸した。
【0028】実施例5 基材層 (1)原反シートの形成 PP/β晶核剤(実施例1に同じ)の混合物およびラン
ダムPP(MFR=9g/10分、エチレン含有量=
3.6wt%)を2種3層シート押出機にてTダイから
押出し、溶融樹脂をロール温度110℃、雰囲気温度1
10℃で約30秒間保持して結晶化させ、両面がPP/
β晶核剤の混合物からなる多層シートを得た。 (2)延伸 表2に示した温度に加熱した後、表2に示した延伸方
向、延伸倍率に延伸した。
【0029】上記実施例4および5における製造条件を
表2に、また、上記実施例4および5で得られた製品に
ついて前記測定方法に従い物性を測定した結果を表4に
示す。
【0030】比較例1 シート成形 下記に示した組成の原料を混練した後、シート成形機に
てTダイから押出し、溶融樹脂をロール温度40℃、雰
囲気温度20℃で結晶化させ、シートを得た。 PP/フィラー=60/40 PP:ホモポリプロピレン(MFR=3g/10分) フィラー:白石カルシウム社製 商品名POフィラー
15OB 縦延伸 130℃に加熱した後、4倍に縦延伸を行った。 ラミネート と同一組成の原料を混練した後、シート成形機にてT
ダイから押出し、溶融樹脂をの延伸フィルム(内層)
の両面に積層した。 横延伸 145℃に加熱した後、7倍に横延伸を行った。
【0031】比較例2 原反シート成形 PP/β晶核剤の混合物(実施例1に同じ)を混練した
後、シート成形機にてTダイから押出し、溶融樹脂をロ
ール温度110℃、雰囲気温度110℃で約30秒間保
持して結晶化させ、シートを得た。 延伸 上記シートを80℃に加熱した後、4倍に縦延伸を行っ
た。
【0032】比較例3 原反シート成形 比較例2と同様に成形した。 延伸 上記シートを100℃に加熱した後、縦横共に3倍に同
時2軸延伸を行った。
【0033】上記比較例1〜3における製造条件を表3
に、また、上記比較例1〜3で得られた製品について前
記測定方法に従い物性を測定した結果を表4に示す。
【0034】比較例4 市販のOPP(東洋紡製 パイレンフィルム OT P
2002)について前記測定方法に従い物性を測定した
結果を表4に示す。
【0035】
【表1】
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】
【表4】
【0039】
【発明の効果】以上本発明によれば、印刷性、弾性率お
よび強度に優れる、紙化層と基材層とからなる合成紙を
得ることができ、従来のβ晶核剤を添加して表面を粗面
化した単層フイルムでは、印刷に際し、カールが生じた
り、印刷表面の凹凸が激しくなってしまう。また、β晶
核剤を添加し延伸を行うことで得られた多孔膜単層フイ
ルムでは、弾性率および強度が不充分で、弾性率が低い
為に、印刷機に当該フイルムよりなる合成紙を掛けた時
に、伸びが生じ、印刷ずれの原因となり、また、強度が
低い為に、印刷や製本作業において支障を来す事があっ
たが、印刷性、弾性率および強度に優れた合成紙を得る
ことができた。また、本発明の合成紙は、フイラーを含
まない為、従来のようなフイラーを含ませて多孔化する
場合の延伸時のフイルムの破れなどがなく薄膜化が可能
で、高強度化のものが得られる。また、フイラーの脱落
による紙粉トラブルが皆無である。さらに、従来の溶媒
に分散された白色ピグメント層を合成樹脂製フイルムに
塗布後、当該白色ピグメント層の溶媒を洗浄溶媒で洗浄
し、次いで、当該溶媒を乾燥させる方法では、溶媒除去
に長時間を必要とし、コストが高くなるなどの欠点があ
ったが、本発明によれば、当該欠点がなく、性能に優れ
た合成紙が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例の印刷物のカール高さの測定方法
を表す斜視図である。
【符号の説明】
1 印刷物 2 平板 h カール高さ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシ
    ートを20〜150℃で少なくとも一方向に延伸してな
    るポリプロピレン多孔性フイルムよりなる紙化層を、基
    材層の合成樹脂製フイルムもしくはその延伸フイルムの
    少なくとも片面に有してなることを特徴とする合成紙。
  2. 【請求項2】β晶比率が0.6以上のポリプロピレンシ
    ートを20〜150℃で少なくとも一方向に延伸してな
    るポリプロピレン多孔性フイルムを、合成樹脂製フイル
    ムもしくはその延伸フイルムの少なくとも片面に積層す
    ることを特徴とする合成紙の製造方法。
  3. 【請求項3】β晶比率が0.6以上のポリプロピレン層
    と合成樹脂層とからなる多層シートを20〜150℃で
    少なくとも一方向に延伸することを特徴とする合成紙の
    製造方法。
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