JPH0833495B2 - 容器内に溶融放射性ガラスを鋳造するための装置 - Google Patents

容器内に溶融放射性ガラスを鋳造するための装置

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JPH0833495B2
JPH0833495B2 JP63131310A JP13131088A JPH0833495B2 JP H0833495 B2 JPH0833495 B2 JP H0833495B2 JP 63131310 A JP63131310 A JP 63131310A JP 13131088 A JP13131088 A JP 13131088A JP H0833495 B2 JPH0833495 B2 JP H0833495B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、容器内に溶融放射性ガラスを鋳造するため
の装置に関する。
(従来の技術) 核燃料は、原子炉内で核分裂反応が停止するまで一定時
間中性子でボンバードされ、使用済みとなった燃料成分
中に含有されるウラニウム、プルトニウム及びその他の
核分裂生成物を分離するために再処理される。
この再処理法において、数種類の放射性成分(特に核
分裂生成物)をガラス・マトリクス内に閉じ込めるため
のいわゆる「ガラス固化」という方法が知られている。
具体的には、この方法は、核分裂生成物のガラス・フ
リット及び焼成物を誘導電気炉のるつぼ内で同時に溶融
してガラスを得て、次にこのガラスをステンレススチー
ル製の容器中に鋳造する。
この方法は、極めて放射性の高い生成品を安全に長期
に渡って保存できるという長所があるために利用されて
いる。
この方法による作業は特にガラス固化所(Marcoule N
uclear Center)において広く実施されるとともに、同
工場によって広く紹介されている。
一般に、その設備は一枚の厚板によって分離された二
段構造であり、その上段には電気炉のるつぼが配設さ
れ、その下段には鋳造口の下方において前記るつぼから
縦方向に延出する状態で容器が配設されている。そし
て、前記厚板には開口部が設けられ、これを介して鋳造
が可能に構成されている。
しかしながら、この方法には次のような問題点があっ
た。
即ち、まず第一に、特に鋳造中における放射能の拡散
を防ぐために溶融ガラスを厳重に密封しなけらばならな
い。第二に、放出されうる気体、廃塵及び粒子をすべて
回収しなければならない。そして、第三に、上昇する温
度の影響による容器の膨張を考慮しなければならない
(即ち、空の状態から非常な高温のガラスで満たされた
状態との間でおこる容器にたいする温度上昇の影響)。
更に、上記の第一の問題からは容器の外部の放射能汚
染をも防止しなければならないという問題が生ずる。
(問題点を解決するための手段) 本発明の第一の課題は、上述した先行技術における三
つの問題点を解決することが可能な、放射性ガラスを容
器内で鋳造するための装置を提供することにある。この
課題を達成するために、本発明に係る装置は、この装置
を構成する種々の部材間に固定(材)シール手段が設け
られ、更に、このような固定シール手段が不可能な場合
においては、鋳造中の溶融ガラスの周辺に発生する空気
(気体)流を利用した運動用シール手段が設けられてい
ることを特徴とする。
本発明に係る装置のもう一つの特徴は、前記運動用シ
ール手段によって、容器の頂部が鋳造用開口部に接触し
ていない点にある。
(作用・効果) 以上のように、固定シール手段や運動用シール手段を
用いて放射能の拡散等を防止しながら、溶融放射性ガラ
スを容器内に鋳造することができる。
(実施例) 次に図面を参照しながら、本発明に係る容器内に溶融
放射性ガラスを鋳造するための装置について詳述する。
この装置は、一枚のコンクリート製の厚板によって分
離された二つの互いに上下方向に重なる隔室間で溶融ガ
ラスを移し替えるのに利用される。上部の溶融用隔室1
内にはるつぼ2が設けられ、下部の鋳造用隔室3内には
容器4が設けられ、この中に前記るつぼ2からの溶融放
射性ガラスを開口部6を有する水平のコンクリート製厚
板5を介して一方の隔室1から他方の隔室3へと鋳造す
る。前記るつぼ2、開口部6及び容器4は一つの縦軸心
7を中心にして配設されており、以後この軸心7を鋳造
軸心と呼ぶ。
前記放射性ガラスはるつぼ2内においては液状であ
り、このるつぼ2の口8を閉じている固形ガラス製のプ
ラグによってこのるつぼ2内に保持されている。前記る
つぼ口8のまわりにはインダクタンスコイル9が設けら
れ、これは必要な場合、前記固形ガラス・プラグを軟化
して、るつぼ2内の溶融ガラスの前記るつぼ口8からの
流出を許容する機能を有している。前記インダクタンス
コイル9は複数の接続部(図示せず)を介して適当なエ
ネルギー源(例えば電気エネルギー)と接続され、これ
により前記インダクタンスコイル9及び固形ガラスの加
熱を可能にしている。
又、前記るつぼ2とコンクリート厚板5とは断熱マッ
ト10により互いに分離されている。
そして、本発明に係る、容器内に溶融放射性ガラスを
鋳造するための装置は前記コンクリート厚板5の下方で
前記開口部6のまわりでこれを貫通する状態に配設され
ている。この鋳造装置は、変形可能案内管11と、移動管
12と、移動ドーム13とから構成され、これら部材はこの
順序で上下方向にそれぞれ配設されている。
次に、本発明に係る容器内に溶融放射性ガラスを鋳造
する装置を構成するこれらの部材について詳述する。
先ず、特に第2図及び第3図において、前記変形可能
案内管11は二つの互いにスライド移動可能な相互貫通ハ
ウジング14、15から構成され、下方のハウジング15が上
方のハウジング14に入り込んでいる。
これら上下ハウジング14、15は、ともに、内壁20、2
1、端壁18、19、及び外壁16、17とからそれぞれ構成さ
れ、これら外壁16、17は例えば縦軸心を有する円筒状に
形成されている。
前記内壁20、21は、略円錐状である。そして、好まし
くは、前記両ハウジング14、15がこの略円錐の頂点に対
して同じ角度を有するとともに、この頂点が前記変形可
能案内管11の下方に位置するように構成される。
前記両ハウジング14、15の外周部は開口部を有してお
り、上ハウジング14の開口部は下向きに形成され、これ
に対して、下ハウジング15の開口部は上向きに形成され
ている。
前述したように、これら両ハウジング14、15の寸法及
び配設位置は、これらハウジングが互いに貫通すること
が可能なように設計されている。
前記上ハウジング14の端壁18は、前記コンクリート厚
板5の下方に固定されている。
一方、前記下ハウジング15の端壁19の外面(底面)22
は部分球状に形成されている。更に、これら両ハウジン
グ14、15は、その互いに面する前記端壁18、19に溶接固
定された金属製ベローズ23に介して互いに接続されてい
る。
これら両ハウジング14、15は、具体的にはロッド24、
25及び26(第4及び第5図参照)であるリンク手段によ
って相対スライド可能に構成されている。即ち、前記ロ
ッド26(矢印27)を引っ張ることにより、前記ロッド24
とロッド25とが互いに近づき、これにより前記軸心7−
7方向における前記変形可能案内管11の高さ(矢印28)
を減少するともに、これと同時に前記金属製ベローズ23
が圧縮されるのである。前記ロッド24はアンカーネジ29
により枢着され、前記ロッド25は、ピン30のまわりで前
記下ハウジング15の円筒状外壁に枢着されている。そし
て、これら三本のロッド24、25、26は、ピン31によって
互いに接続されている。
尚、前記リンク手段に関しては一つしか図示されてい
ないが、前記変形可能案内管11の二つの部分が互いに傾
斜することを防ぐためにはすくなくとも二つのリンク手
段が必要であり、更に好ましくは、四つのリンク手段を
使用することが望ましい。前記両ハウジング14、15の円
筒状縦外壁16、17は、互いに接触することなく相対移動
可能であり、これによって前記ベローズ23を外部からの
ショックから保護している。
次に、前記移動管12について第6図を参照しながら詳
述する。
この移動管12は、主として外壁35、天頂壁34及び内壁
33とから成るエンクロージャ32によって構成されてい
る。そして、前記内壁33は、円筒状に形成され、この円
筒の直径は、前記両ハウジング14、15の内壁を形成する
切頭円錐の最小直径に等しいことが望ましい。前記エン
クロージャ32の内壁33は、前記容器4のネック部に貫入
するべく下方に延出している。一方、前記エンクロージ
ャ32の天頂壁34の外面を構成する天頂面36は、前記鋳造
軸心7のまわりで円対称状に形成された略円錐形状面に
構成され、前記下ハウジング15の底球面22とともにこの
ハウジング15と前記移動管12との間を密封している。
前記エンクロージャ32の外壁35は、フィルタを介して
吸入装置(図示せず)に接続された管37を有している。
このフィルタ吸入装置は、前記エンクロージャ32内の圧
力を減少させるためのものである。
前記エンクロージャ32の内壁33には複数の穴38が形成
されている。これらの穴38は、前記吸入装置の作用によ
り、前記壁33の内部と前記エンクロージャ32の内部との
間に空気流(気体流)を発生させる機能を有している。
更に、検査管39が、前記エンクロージャ32の外壁35と
内壁33とを貫通して設けられており、これによって適当
な従来式の光学装置を使用すれば鋳造中のガラスを検査
することが可能になっている。尚、この検査管39はガラ
ス板40によって閉鎖可能であるが、このガラス板40は透
明で、好ましくは放射性ガラスから放出される放射能に
耐えるのに適したセリウム・ガラスで形成されている。
上記構成を有するこの移動管12は、第7図に示すよう
に、前記移動ドーム13を使用することにより位置保持さ
れている。
この移動ドーム13は主として二つの互いに重なり合っ
た環状チャンバ41、42から構成されている。
前記環状チャンバ41は、前記移動ドーム13を冷却する
ための水流を受けるためのものである。
一方、もう一つの環状チャンバ42は、その前面(即
ち、前記鋳造軸心7に最も近接した面)に複数の穴を備
えた開口部43を有するとともに、管44をも備えることで
このチャンバ42内への空気の流入を可能にしている。
又、この移動ドーム13を、設置及び取り外し自在にす
るべく、前記コンクリート厚板5の下方で固定されたレ
ール46上を走行する車輪45を備えた装置によって移動さ
せることも可能である。
次に、上述した種々の構成部材を有する本発明に係る
装置の設置及び操作について簡単に説明する。
ここで、この装置の上端部の全体、即ち、前記るつぼ
2、断熱マット10及び前記インダクタンスコイル9は既
に設置済みであり、更に前記変形可能案内管11は既に前
記コンクリート厚板5に固定されているものと仮定す
る。
先ず、前述したリンク手段(24、25、26)を操作し
て、前記変形可能案内管11をその最小の高さの位置に設
定する(第3図参照)。次に、前記移動管12を備えた移
動ドーム13を前記変形可能案内管11の下方に置き、再び
前記リンク手段(24、25、26)を操作して、この変形可
能案内管11をその最大高さ位置に置く、言い替えれば、
この案内管11を前記移動管12の天頂面36と接触させて密
封状態にする。
次に、前記容器4をキャリッジ上に置き、このキャリ
ッジ上でリフト装置により位置決めする。この位置決め
された状態において、前記容器4のネック部47は前記エ
ンクロージャ32の内壁33によって形成された前述した下
方に延出する円筒を取り囲んでいる。
上記説明から明かなように、前記断熱マット10と、前
記変形可能案内管11及び前記移動管12との配置構成とに
よって、前記るつぼ2と前記移動管12との間が完全に密
封されるのである。
更に、前記エンクロージャ32と、前記可動ドーム13内
の前記チャンバ42に接続された空気取入れ管44とに接続
された前記吸入装置により、前記壁33内の体積気流から
空気流(気体流)が発生されるのである。
【図面の簡単な説明】 第1図は本発明に係る装置の鋳造軸心における縦断面
図、 第2図は変形可能案内管を貫通してこの管の延出した状
態を示す縦断面図、 第3図は前記変形可能案内管の後退した状態を示す縦断
面図、 第4図は前記変形可能案内管の底部の半分を示す底面
図、 第5図は前記変形可能案内管の対応側面図、 第6図は移動管の縦断面図、 第7図は移動ドームを変位する装置の縦断面図である。 1……上部隔室、2……るつぼ、3……下部隔室、4…
…容器、5……コンクリート厚板、6……開口部、7…
…鋳造軸心、11……変形可能案内管、12……移動管、13
……移動ドーム、14……上ハウジング、15……下ハウジ
ング、19……端壁、20,21……内壁、23……金属製ベロ
ーズ、32……エンクロージャ、33……内壁、35……外
壁、36……天頂面、37……管、38……穴、39……検査
管、41,42……環状チャンバ、44……管、47……ネック
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−76697(JP,A) 特開 昭61−114199(JP,A) 特開 昭57−148300(JP,A) 特開 平1−86099(JP,A) 特開 昭53−17572(JP,A) 特開 昭56−55899(JP,A) 特開 昭57−2000(JP,A) 特開 昭57−88037(JP,A)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部隔室(1)内に位置するるつぼ(2)
    と、下部隔室(3)内で前記るつぼ(2)の下方に位置
    する容器(4)とを有する溶融放射性ガラスを鋳造する
    装置であって、 前記溶融ガラスが前記両隔室(1,3)を互いに分離する
    コンクリート厚板(5)に形成された開口部(6)から
    鋳造軸心(7)まわりで下方に流されるように構成さ
    れ、 前記装置が、相互スライド可能に配設された二つの上下
    ハウジング(14,15)から成る変形可能案内管(11)を
    有し、これらハウジング(14,15)の内壁(20,21)の下
    部形状は略円錐状に形成されるとともに、前記上ハウジ
    ング(14)が前記コンクリート厚板(5)の下方で固定
    され、前記下ハウジング(15)が部分球状の端壁(19)
    を有し、これら二つのハウジング(14,15)が金属製ベ
    ローズ(23)によって互いに接続され、 更に、前記装置が、エンクロージャ(32)から成る移動
    管(12)を有し、この移動管(12)が、前記容器(4)
    のネック部(47)に貫通可能に下方に延出する内壁(3
    3)と、前記下ハウジング(15)の球状端壁(19)に合
    った略円錐状表面として形成された天頂面(36)とを備
    え、前記エンクロージャ(32)の内壁(33)が複数の穴
    (38)によって貫通され、 更に、このエンクロージャ(32)の外壁(35)が吸入装
    置に接続された管(37)を有し、前記変形可能案内管
    (11)と前記移動管(12)とがこの順序で上下方向に連
    続して設けられていることを特徴とする容器内に溶融放
    射性ガラスを鋳造するための装置。
  2. 【請求項2】前記移動管(12)が、互いに重なり合った
    二つの環状チャンバ(41,42)から構成された移動ドー
    ム(13)に取り付けられ、前記チャンバの一方(41)が
    冷却水を受けるように構成され、前記他方のチャンバ
    (42)がその前面に複数の穴を有するとともに、空気供
    給用の管(44)を備えていることを特徴とする請求項1
    に記載の容器内に溶融放射性ガラスを鋳造するための装
    置。
  3. 【請求項3】前記移動管(12)のエンクロージャ(32)
    が、前記移動管(12)内の空間において鋳造中のガラス
    を見ることができる検査管(39)を有することを特徴と
    する請求項1又は2に記載の容器内に溶融放射性ガラス
    を鋳造するための装置。
JP63131310A 1987-05-27 1988-05-27 容器内に溶融放射性ガラスを鋳造するための装置 Expired - Lifetime JPH0833495B2 (ja)

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Application Number Priority Date Filing Date Title
FR8707497 1987-05-27
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Publication Number Publication Date
JPS643597A JPS643597A (en) 1989-01-09
JPH0833495B2 true JPH0833495B2 (ja) 1996-03-29

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JP (1) JPH0833495B2 (ja)
CN (1) CN1018218B (ja)
DE (1) DE3817712C2 (ja)
FR (1) FR2616000B1 (ja)

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