JPH083346A - 耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法 - Google Patents

耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法

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JPH083346A
JPH083346A JP6166189A JP16618994A JPH083346A JP H083346 A JPH083346 A JP H083346A JP 6166189 A JP6166189 A JP 6166189A JP 16618994 A JP16618994 A JP 16618994A JP H083346 A JPH083346 A JP H083346A
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JP
Japan
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resin
molded product
bis
phenolic resin
phenol
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JP6166189A
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English (en)
Inventor
Kenji Asami
賢治 浅見
Hiroshi Akimoto
広 秋本
Toshihiko Sasaki
俊彦 佐々木
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Kyocera Chemical Corp
Original Assignee
Toshiba Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 本発明は、(A)次式で示される縮合型フェ
ノールアラルキル樹脂 および(B)フェノール樹脂を必須成分とするフェノー
ル樹脂組成物からなる樹脂成形品の表面に、次の一般式
で示されるポリイミド樹脂 を塗布した後、70〜350 ℃の温度で段階的に徐々に昇温
させて、厚さ0.5 〜500μm のポリイミド樹脂層を形成
する耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法である。 【効果】 本発明の耐熱性フェノール樹脂成形品の製造
方法によれば、アスベストフリーであっても特性バラン
スが良く、特に高温雰囲気下においても優れた特性を有
する耐熱性フェノール樹脂成形品を得ることができ、電
子・電気部品、自動車部品等として好適なものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アスベストフリーであ
っても、優れた高温雰囲気下での機械的特性および電気
的特性を有する耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、フェノール樹脂は、基材、可
塑剤、着色剤、離型剤等と混合・混練し、成形材料とし
て幅広く用いられており、こうして得られたフェノール
樹脂成形材料は、耐熱性、機械的および電気的特性にバ
ランスのとれた材料である。最近、その用途の拡大か
ら、金属代替部品等として特に耐熱性のレベルアップが
必要となってきている。
【0003】このような多くの特性を満足させるフェノ
ール樹脂成形材料には、これまで基材としてアスベスト
が使用されてきた。アスベストは耐熱性、電気特性、機
械的強度に優れており、バランスのとれた特性が得られ
るため、好適な充填剤として用いられた。
【0004】しかし、最近ではアスベストが作業環境を
悪化させ、かつ人体に対して有害であるという理由から
その使用が禁止されている。これらの理由からアスベス
トフリー材料として種々の方法が検討されているが、い
まだ満足すべきものは得られていない。
【0005】一方、最近軽量という時代の流れに沿って
フェノール樹脂成形品の用途拡大から、非常に高温の雰
囲気中で使用される金属代替部品等としても検討される
ようになってきた。金属代替品としての使用上限温度は
年々高くなってきており、最高使用温度350 ℃付近とい
う、フェノール樹脂としては極限に近い温度雰囲気中で
の使用が求められてきている。こうしたことから、従来
のフェノール樹脂成形品では耐え得ることができなかっ
た高温雰囲気下での使用が可能で、しかも特性上バラン
スのとれたフェノール樹脂成形品の開発が要望されてい
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の事情
に鑑みてなされたもので、アスベストフリーであっても
高温雰囲気下での耐熱性、機械的・電気的特性に優れ、
それら特性バランスの良い耐熱性フェノール樹脂成形品
の製造方法を提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定組成のフ
ェノール樹脂成形品の表面に徐々に乾燥硬化させた特定
厚さのポリイミド樹脂層を設けることによって、上記目
的が達成されることを見いだし、本発明を完成したもの
である。
【0008】即ち、本発明は、(A)次式で示される縮
合型フェノールアラルキル樹脂
【0009】
【化3】 (但し、式中Rは水素原子又はアルキル基を、ZはH
−、−CH2 −又は−CH2 OCH2 −を、x ,y はx
+y ≠ 0であって 0又は 1〜2 の整数を、n は 1以上の
整数を、それぞれ表す)および(B)フェノール樹脂を
必須成分とするフェノール樹脂組成物からなる樹脂成形
品の表面に、次の一般式で示されるポリイミド樹脂
【0010】
【化4】 (但し、式中R1 は4 価の有機酸残基を、R2 はジアミ
ン残基を、n は1 以上の整数をそれぞれ表す)を塗布し
た後、70〜350 ℃の温度で段階的に徐々に昇温させて、
厚さ0.5 〜500μm のポリイミド樹脂層を形成すること
を特徴とする耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法で
ある。
【0011】以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】本発明に用いる樹脂成形品は、(A)縮合
型フェノールアラルキル樹脂と(B)フェノール樹脂と
を必須成分とする樹脂組成物からなるものである。ここ
で用いる(A)縮合型フェノールアラルキル樹脂として
は、前記の一般式化3で示されるものでフェノールアラ
ルキル樹脂とホルマリン又はパラホルムアルデヒドと
を、適宜のモル比に配合し、触媒下で反応して得られる
樹脂及びその縮合物である。この縮合型フェノールアル
キル樹脂の配合割合は、フェノール樹脂組成物全体に対
して 5〜70重量%含有するように配合することが望まし
い。配合割合がこの範囲を外れると流動特性に劣り好ま
しくない。
【0013】また(B)フェノール樹脂としては、フェ
ノール、クレゾール等のフェノール類または糖蜜、リグ
ニン、キシレン、ナフタレン、石油系芳香族炭化水素に
よる変性フェノール類とホルマリン、パラホルム等のア
ルデヒド類とを、適宜のモル比に配合し、触媒下で反応
させたノボラック型フェノール樹脂初期縮合物、又はレ
ゾール型フェノール樹脂初期縮合物とを組み合わせたも
の等が挙げられ、特に制限されるものではない。これら
は単独又は 2種以上混合して使用することができる。
【0014】上述した特定の縮合型フェノールアラルキ
ル樹脂と、フェノール樹脂とを必須成分とするフェノー
ル樹脂組成物を得るが、必要に応じて(フェノール樹脂
がノボラック樹脂の場合)又は所望される場合には(フ
ェノール樹脂がレゾール樹脂の場合)、(B)フェノー
ル樹脂の慣用の硬化剤、例えばヘキサメチレンテトラミ
ンを添加配合することができる。さらに本発明の目的に
反しない限度において、また必要に応じて、充填材、硬
化剤、硬化促進剤、離型材、難燃剤、滑剤、カップリン
グ剤等の添加剤を適宜添加配合することができる。
【0015】このフェノール樹脂組成物をフェノール樹
脂成形材料として製造する場合、通常次のようにして製
造される。前述した特定の縮合型フェノールアラルキル
樹脂、フェノール樹脂、その他の添加剤を加え混合し
て、均一に分散させた後、混練機で加熱混練し、次いで
冷却固化させ、適当な大きさに粉砕して成形材料とす
る。こうして得たフェノール樹脂成形材料を圧縮成形
し、トランスファー成形し或いは射出成形して樹脂成形
品とすることができる。
【0016】本発明でポリイミド樹脂層を形成するポリ
イミド樹脂としては、前記の一般式化4で示されるもの
が使用され、酸成分とジアミン成分の反応によって得ら
れる。これらの酸成分とジアミン成分の組合せは最終硬
化後のポリイミド膜の耐熱性、機械的特性、電気的特性
等を考慮して選択することが望ましい。
【0017】ポリイミド樹脂の酸成分としては、例え
ば、ピロメリット酸、1,2,3,4-ベンゼンテトラカルボン
酸、1,2,3,4-シクロブタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-
シクロペンタンテトラカルボン酸、1,2,4,5-シクロヘキ
サンテトラカルボン酸、 3,3′,4,4′−ビシクロヘキシ
ルテトラカルボン酸、2,3,5-トリカルボキシシクロペン
チル酢酸、3,4-ジカルボキシ-1,2,3,4- テトラヒドロナ
フタレン-1- コハク酸、3,3′,4,4′−ビフェニルテト
ラカルボン酸、 2,3,3′,4′−ビフェニルテトラカルボ
ン酸、 3,3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン
酸、 2,3,3′,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸、
3,3′,4,4′−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸
(4,4 ′- オキシジフタル酸)、 2,3,3′,4′−ビフェ
ニルエーテルテトラカルボン酸、2,2-ビス(3,4-ジカル
ボキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3-ジカルボキ
シフェニル)プロパン、ビス(3,4-ジカルボキシフェニ
ル)メタン、ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)メタ
ン、1,1-ビス(2,3-ジカルボキシフェニル)エタン、
2,2−ビス(3,4-ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオ
ロプロパン、 3,3′,4,4′−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸、 2,3,3′,4′−ジフェニルスルホンテトラ
カルボン酸、2,3,6,7-ナフタレンテトラカルボン酸、1,
4,5,8-ナフタレンテトラカルボン酸、1,2,5,6-ナフタレ
ンテトラカルボン酸、 3,4,9,10-テトラカルボキシペリ
レン、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフェノキシ)フ
ェニル]プロパン、2,2-ビス[4-(3,4-ジカルボキシフ
ェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン等の無水
物又はその低級アルキルエステル等が挙げられ、これら
は単独又は混合して使用することかができる。
【0018】また、ポリイミド樹脂のジアミン成分とし
ては、例えば、 4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、
3,3′,5,5′−テトラメチル-4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン、 3,3′,5,5′−テトラエチル-4,4′−ジアミ
ノジフェニルメタン、 3,3′−ジメチル-5,5′−ジエチ
ル-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、 4,4′−メチレ
ンビス(シクロヘキシルアミン)、 3,3′−ジメチル-
4,4′−ジアミノジシクロヘキシルメタン、 3,3′−ジ
メトキシ-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、 3,3′−
ジエトキシ-4,4′−ジアミノジフェニルメタン、ビス
(3-アミノフェニル)エーテル、ビス(4-アミノフェニ
ル)エーテル、 3,4′−ジアミノジフェニルエーテル、
3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフェニルエ
ーテル、ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]エ
ーテル、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニル
スルホン、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニ
ルスルホン、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルホン、 3,3′−ジエトキシ-4,4′−ジアミノ
ジフェニルスルホン、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミ
ノジフェニルプロパン、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジア
ミノジフェニルプロパン、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−
ジアミノジフェニルプロパン、 3,3′−ジエトキシ-4,
4′−ジアミノジフェニルプロパン、2,2-ビス[4-(4-
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、1,3-ビス(4-
アミノフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-アミノフェニ
ル)プロパン、 4,4′−ジアミノジフェニルスルフィ
ド、 3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノジフェニルスル
フィド、 3,3′−ジエチル-4,4′−ジアミノジフェニル
スルフィド、 3,3′−ジメトキシ-4,4′−ジアミノジフ
ェニルスルフィド、 3,3′−ジエトキシ-4,4′−ジアミ
ノジフェニルスルフィド、 2,2′−ジアミノジエチルス
ルフィド、 2,4′−ジアミノジフェニルスルフィド、m-
フェニレンジアミン、p-フェニレンジアミン、1,3-ビス
(4-アミノフェノキシ)ベンゼン、1,2-ビス(4-アミノ
フェニル)エタン、1,1-ビス(4-アミノフェニル)エタ
ン、ビス(3-アミノフェニル)スルホン、ビス(4-アミ
ノフェニル)スルホン、o-トルイジンスルホン、ビス
[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス
[4-(3-アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、 4,
4′−ジアミノジベンジルスルホキシド、ビス(4-アミ
ノフェニル)ジエチルシラン、ビス(4-アミノフェニ
ル)ジフェニルシラン、ビス(4-アミノフェニル)エチ
ルホスフィンオキシド、ビス(4-アミノフェニル)フェ
ニルホスフィンオキシド、ビス(4-アミノフェニル)−
N−フェニルアミン、ビス(4-アミノフェニル)−N−
メチルアミン、1,2-ジアミノナフタレン、1,4-ジアミノ
ナフタレン、1,5-ジアミノナフタレン、1,6-ジアミノナ
フタレン、1,7-ジアミノナフタレン、1,8-ジアミノナフ
タレン、2,3-ジアミノナフタレン、2,6-ジアミノナフタ
レン、1,4-ジアミノ-2−メチルナフタレン、1,5-ジアミ
ノ-2−メチルナフタレン、1,3-ジアミノ-2−フェニルナ
フタレン、9,9-ビス(4-アミノフェニル)フルオレン、
4,4′−ジアミノビフェニル、 3,3′−ジアミノビフェ
ニル、 3,3′−ジヒドロキシ-4,4′−ジアミノビフェニ
ル、 3,3′−ジクロロ-4,4′−ジアミノビフェニル、
3,3′−ジメチル-4,4′−ジアミノビフェニル、 3,4′
−ジメチル-4,4′−ジアミノビフェニル、 3,3′−ジメ
トキシ-4,4′−ジアミノビフェニル、 4,4′−ビス(4-
アミノフェノキシ)ビフェニル、2,4-ジアミノトルエ
ン、2,5-ジアミノトルエン、2,6-ジアミノトルエン、3,
5-ジアミノトルエン、1,3-ジアミノ−2,5-ジクロロベン
ゼン、1,4-ジアミノ−2,5-ジクロロベンゼン、1-メトキ
シ−2,4-ジアミノベンゼン、1,3-ジアミノ−4,6-ジメチ
ルベンゼン、1,4-ジアミノ-2,5- ジメチルベンゼン、1,
4-ジアミノ-2−メトキシ-5−メチルベンゼン、1,4-ジア
ミノ−2,3,5,6-テトラメチルベンゼン、1,4-ビス(2-メ
トキシ-4−アミノペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(1,1-
ジメチル-5−アミノペンチル)ベンゼン、1,4-ビス(4-
アミノフェノキシ)ベンゼン、3,5-ジアミノ安息香酸、
2,5-ジアミノ安息香酸、o-キシレンジアミン、m-キシレ
ンジアミン、p-キシレンジアミン、9,10-ビス(4-アミ
ノフェニル)アントラセン、 3,3′−ジアミノベンゾフ
ェノン、 4,4′−ジアミノベンゾフェノン、2,6-ジアミ
ノピリジン、3,5-ジアミノピリジン、1,3-ジアミノアダ
マンタン、 3,3′−ジアミノ-1,1,1′−ジアダマンタ
ン、N−(3-アミノフェニル)-4−アミノベンズアミ
ド、 4,4′−ジアミノベンズアニリド、4-アミノフェニ
ル-3−アミノベンゾエート、2,2-ビス(4-アミノフェニ
ル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノフェ
ニル)ヘキサフルオロプロパン、2-(3-アミノフェニ
ル)−2-(4-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロパ
ン、2,2-ビス[4-(4-アミノフェノキシ)フェニル]ヘ
キサフルオロプロパン、2,2-ビス[4-(2-クロロ-4−ア
ミノフェノキシ)フェニル]ヘキサフルオロプロパン、
1,1-ビス(4-アミノフェニル)-1−フェニル-2,2,2−ト
リフルオロエタン、1,1-ビス[4-(4-アミノフェノキ
シ)フェニル]−1-フェニル-2,2,2−トリフルオロエタ
ン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)ヘキサフルオロプロ
パン、1,3-ビス(3-アミノフェニル)デカフルオロプロ
パン、2,2-ビス(3-アミノ-4-ヒドロキシフェニル)ヘ
キサフルオロプロパン、2,2-ビス(3-アミノ-4- メチル
フェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2-ビス(5-アミ
ノ-4- メチルフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,4-
ビス(3-アミノフェニル)ブタ−1-エン-3−イン等が挙
げられ、これらは単独又は 2種以上混合して使用するこ
とができる。
【0019】ポリイミド樹脂は、前述した酸成分と前述
したジアミン成分とを反応させて得られるが、それら酸
成分およびジアミン成分がブロック或いはランダムに含
有されていてもよい。このポリイミド樹脂の前駆体であ
るポリアミック酸は、 0.5g/N−メチル-2−ピロリド
ン100 mlの濃度溶液として、30℃における対数粘度が0.
2〜 4.0の範囲、より好ましくは 0.3〜 2.0の範囲とす
るのがよい。ポリアミック酸は、酸成分とジアミン成分
とを有機溶媒中で30℃以下、好ましくは20℃以下の反応
温度下に 3〜12時間付加重合反応させて得られる。この
重合反応における有機溶媒として、例えばN,N−ジメ
チルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、
N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセ
トアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N−メチル
-2−ピロリドン、ヘキサメチレンホスホアミド等が挙げ
られ、これらは単独又は 2種以上混合して使用すること
ができる。
【0020】このポリイミド樹脂の前駆体を用いて、樹
脂成形品の表面にポリイミド樹脂層を形成させる方法と
しては、表面にムラがなく均一に形成可能であれば特に
制限はなく、如何なる方法でもよい。例えば塗布する場
合には噴霧器等を用いて均一に行うことが好ましい。ハ
ケ塗り、ロールコート、浸漬等を使用して塗布すること
も可能であり、特性上著しい問題が生じることはない
が、樹脂成形品の表面にムラが生じ易く外観を損なうこ
とになりかねないので十分注意をすることが必要であ
る。またポリイミド樹脂の粘度が高く、噴霧器等による
塗布は困難と判断した場合は、有機溶剤を用いてポリイ
ミド樹脂を溶解希釈して使用することができる。この有
機溶剤としては、ポリイミド樹脂を合成反応させたとき
使用した溶剤を使用することができる。これらの有機溶
剤としては、例えばN,N−ジメチルスルホキシド、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホル
ムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジ
エチルアセトアミド、N−メチル-2−ピロリドン、ヘキ
サメチレンホスホアミド等が挙げられ、これらは単独又
は2種以上混合して使用することができる。この場合の
ポリイミド樹脂の濃度としては、0.5 〜40%に調整する
ことが望ましい。濃度が0.5 %未満では耐熱性に劣る場
合が多く、重ね塗りが必要となり作業性も劣り、また40
%を超えると、粘度が高く作業性に劣り好ましくない。
【0021】ポリイミド樹脂溶液を塗布後の乾燥方法と
しては、70〜350 ℃で段階的に徐々に昇温させる。70℃
未満の低温で初期乾燥を行なった場合、溶剤が揮発しに
くく乾燥するのに時間を要する。また、最初から350 ℃
を超える高温で乾燥させた場合、溶剤が急激に揮発して
皮膜表面にムラが起きやすく、また成形品に悪影響を及
ぼし好ましくない。さらに昇温速度が早すぎる場合も、
成形品表面にムラが起きやすく、成形品に悪影響を起こ
す可能性があり好ましくない。
【0022】フェノール樹脂成形品に形成するポリイミ
ド樹脂層の厚さとしては、0.5 〜500 μm であることが
望ましい。その厚さが0.5 μm 未満では、高温に長時間
放置した被膜に亀裂が生じる可能性があり、また成形品
表面から被膜剥離がでる可能性があるので好ましくな
い。その厚さが500 μm を超えると塗布する場合の作業
性に劣るとともに、表面に塗布ムラが出やすくなり好ま
しくない。
【0023】このようにして特定組成の樹脂成形品の表
面にポリイミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂
成形品を製造することができる。
【0024】
【作用】本発明の耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方
法は、フェノール樹脂成形品の表面に特定のポリイミド
樹脂層を、段階的に徐々に乾燥硬化させ所定厚さに形成
させたことによって、フェノール樹脂の劣化を防止し、
耐熱性、機械的特性、電気的特性を保持させるととも
に、アスベストフリーであっても特性バランスの優れた
フェノール樹脂成形品を得ることができたものである。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によって説明するが、本
発明はこれらの実施例によって限定されるものではな
い。以下の実施例および比較例において「%」とは「重
量%」を意味する。
【0026】ポリイミド樹脂の製造 撹拌機、冷却機および窒素導入間を設けたフラスコに
4,4′−ジアミノジフェニルエーテル20.0 g(0.10 mo
l)とN−メチル−2-ピロリドン167 g を投入し、室温
で窒素雰囲気下にピロメリット酸二無水物21.8 g(0.10
mol)を溶液温度の上昇に注意しながら分割して加え、
室温で10時間攪拌してポリアミック酸を製造した。こり
ポリアミック酸の一部をメタノールで再沈澱し、得た白
色のポリアミック酸をN−メチル−2-ピロリドンで溶解
し0.5g/100ml 濃度とし、30℃の対数粘度を測定したと
ころ、1.6 dl/g であった。
【0027】実施例1 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂10%、レゾール
型フェノール樹脂20%、ガラス繊維60%、その他の添加
剤10%を常温で混合し、さらに90〜110 ℃で混練冷却し
た後、粉砕してフェノール樹脂成形材をつくり、それを
用いて圧縮成形および射出成形で170 ℃に加熱した金型
中で成形硬化させて樹脂成形品を得た。次いで、7 %ポ
リイミド樹脂溶液を噴霧器で成形品に均一に3 回塗布
し、恒温槽に入れ70℃で1 時間、150 ℃で2 時間次いで
300 ℃で1 時間、段階的に徐々に乾燥硬化させ厚さ50μ
m のポリイミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂
成形品を製造した。
【0028】実施例2 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂20%、レゾール
型フェノール樹脂10%、ガラス繊維60%、その他の添加
剤10%を常温で混合し、さらに90〜110 ℃で混練冷却し
た後、粉砕してフェノール樹脂成形材をつくり、それを
用いて圧縮成形および射出成形で170 ℃に加熱した金型
中で成形硬化させて樹脂成形品を得た。次に、7 %ポリ
イミド樹脂溶液を噴霧器で成形品に均一に3 回塗布し、
恒温槽に入れ70℃で1 時間、150 ℃で2 時間次いで300
℃で2 時間、段階的に徐々に乾燥硬化させ厚さ50μm の
ポリイミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂成形
品を製造した。
【0029】実施例3 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂20%、ノボラッ
ク型フェノール樹脂10%、ヘキサメチレンテトラミン1.
5 %、ガラス繊維60%、その他の添加剤8.5 %を常温で
混合し、さらに90〜110 ℃で混練冷却した後、粉砕して
フェノール樹脂成形材をつくり、それを用いて圧縮成形
および射出成形で170 ℃に加熱した金型中で成形硬化さ
せて樹脂成形品を得た。次に、7 %ポリイミド樹脂溶液
を噴霧器で成形品に均一に3 回塗布し、恒温槽に入れ90
℃で1 時間、180 ℃で2 時間、250 ℃で2 時間次いで30
0 ℃で1 時間、段階的に徐々に乾燥硬化させ厚さ50μm
のポリイミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂成
形品を製造した。
【0030】実施例4 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂25%、レゾール
型フェノール樹脂 5%、ガラス繊維60%、その他の添加
剤10%を常温で混合し、さらに90〜110 ℃で混練冷却し
た後、粉砕してフェノール樹脂成形材をつくり、それを
用いて圧縮成形および射出成形で170 ℃に加熱した金型
中で成形硬化させて樹脂成形品を得た。次に、7 %ポリ
イミド樹脂溶液を噴霧器で成形品に均一に3 回塗布し、
恒温槽に入れ70℃から昇温速度を1 ℃/分で300 ℃まで
昇温し、300 ℃で1 時間乾燥硬化させ厚さ50μm のポリ
イミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂成形品を
製造した。
【0031】比較例1 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂30%、ガラス繊
維60%、その他の添加剤10%を常温で混合し、さらに90
〜110 ℃で混練冷却した後、粉砕してフェノール樹脂成
形材をつくり、それを用いて圧縮成形および射出成形で
170 ℃に加熱した金型中で成形硬化させて樹脂成形品を
得た。次いで、ポリイミド樹脂溶液を噴霧器で成形品に
均一に塗布し、恒温槽に入れ50℃で8 時間乾燥硬化させ
て、ポリイミド樹脂層を形成した耐熱性フェノール樹脂
成形品を製造した。
【0032】比較例2 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂20%、レゾール
型フェノール樹脂10%、ガラス繊維60%、その他の添加
剤10%を常温で混合し、さらに90〜110 ℃で混練冷却し
た後、粉砕してフェノール樹脂成形材料をつくり、それ
を用いて圧縮成形および射出成形で170 ℃に加熱した金
型中で成形硬化させてフェノール樹脂成形品を得た。次
いでポリイミド樹脂溶液を噴霧器で均一に塗布し、恒温
槽に入れ400 ℃で2 時間乾燥硬化させて、ポリイミド樹
脂層を形成した耐熱性フェノール樹脂成形品を製造し
た。
【0033】比較例3 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂30%、ガラス繊
維60%、その他の添加剤10%を常温で混合し、さらに90
〜110 ℃で混練冷却した後、粉砕してフェノール樹脂成
形材をつくり、それを用いて圧縮成形および射出成形で
170 ℃に加熱した金型中で成形硬化させて樹脂成形品を
得た。次いでポリイミド樹脂溶液を噴霧器で均一に塗布
し、恒温槽に入れ70℃で0.5 時間、400 ℃で0.5 時間乾
燥硬化させて、ポリイミド樹脂層を形成した耐熱性フェ
ノール樹脂成形品を製造した。
【0034】比較例4 化3の縮合型フェノールアラルキル樹脂30%、ガラス繊
維60%、その他の添加剤10%を常温で混合し、さらに90
〜110 ℃で混練冷却した後、粉砕してフェノール樹脂成
形材をつくり、それを用いて圧縮成形および射出成形で
170 ℃に加熱した金型中で成形硬化させて樹脂成形品を
得た。次ぎにポリイミド樹脂溶液を噴霧器で均一に塗布
し、恒温槽に入れ70℃から昇温速度20℃/分で300 ℃ま
で昇温し、300 ℃で2 時間乾燥硬化させ、600 μm のポ
リイミド樹脂層を形成して耐熱性フェノール樹脂成形品
を製造した。
【0035】実施例1〜4及び比較例1〜4で製造した
フェノール樹脂成形品について、機械的特性、電気的特
性、加熱後の外観、加熱処理後の機械的特性の試験を行
ったのでその結果を表1に示したが、本発明は高温雰囲
気中においても優れた特性を維持し、その他の特性にも
優れ、かつバランスのとれたもので、本発明の効果を確
認することができた。
【0036】
【表1】
【0037】
【発明の効果】以上の説明および表1から明らかなよう
に、本発明の耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法に
よれば、アスベストフリーであっても、耐熱性、機械的
・電気的特性および外観に優れて特性バランスが良く、
特に高温雰囲気下においても優れた特性を有する耐熱性
フェノール樹脂成形品を得ることができ、それは電子・
電気部品、自動車部品等として好適なものである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)次の一般式で示される縮合型フェ
    ノールアラルキル樹脂 【化1】 (但し、式中Rは水素原子又はアルキル基を、ZはH
    −、−CH2 −又は−CH2 OCH2 −を、x ,y はx
    +y ≠ 0であって 0又は 1〜2 の整数を、n は 1以上の
    整数を、それぞれ表す)および(B)フェノール樹脂を
    必須成分とするフェノール樹脂組成物からなる樹脂成形
    品の表面に、次の一般式で示されるポリイミド樹脂 【化2】 (但し、式中R1 は4 価の有機酸残基を、R2 はジアミ
    ン残基を、n は1 以上の整数をそれぞれ表す)を塗布し
    た後、70〜350 ℃の温度で段階的に徐々に昇温させて、
    厚さ0.5 〜500μm のポリイミド樹脂層を形成すること
    を特徴とする耐熱性フェノール樹脂成形品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007031638A (ja) * 2005-07-29 2007-02-08 Ube Ind Ltd 硬化性に優れたフェノール樹脂組成物及びこれらの硬化物

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP4618037B2 (ja) * 2005-07-29 2011-01-26 宇部興産株式会社 硬化性に優れたフェノール樹脂組成物及びこれらの硬化物

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