JPH08334615A - 偏光分離素子およびその製造方法 - Google Patents

偏光分離素子およびその製造方法

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JPH08334615A
JPH08334615A JP13898695A JP13898695A JPH08334615A JP H08334615 A JPH08334615 A JP H08334615A JP 13898695 A JP13898695 A JP 13898695A JP 13898695 A JP13898695 A JP 13898695A JP H08334615 A JPH08334615 A JP H08334615A
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JP
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liquid crystal
film
polarization separation
crystal molecules
separation element
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Application number
JP13898695A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Hamano
広 浜野
Masaharu Nobori
正治 登
Hiroyuki Fujiwara
博之 藤原
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 新規な偏光分離素子を提供する。 【構成】 液晶分子11aの配向方向aと偏光分離素子
に予定されている光入射面10aの法線方向Pとのなす
角度が所定角度φで液晶分子11aを固定してある液晶
膜11で、偏光分離素子10を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、入射する光を互いに
直交する2つの偏光に分離する偏光分離素子およびその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の偏光分離素子の一例として、方解
石に代表される複屈折性を有する結晶からその光軸に対
し所定の角度で切り出した結晶片を用いたものがある。
また、従来の偏光分離素子の他の例として、例えば文献
I(1994年電子情報通信学会春季大会予稿集C−2
73)に開示のものがある。すなわち、石英基板とこの
基板上に斜め蒸着法により形成されたTa25 膜とか
ら成る構造体で構成された偏光分離素子である。この偏
光分離素子は、方解石を用いたものより大きな偏光分離
角を示す素子になるという。実際、Ta25 を斜め4
5°方向に針状にかつ膜厚が29μmとなるように蒸着
したTa25 膜を用いた場合、3.7μmという偏光
分離幅が得られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、方解石
をはじめとする天然あるいは人工の結晶を用いる偏光分
離素子の場合は、大型の結晶を得るのが困難であるた
め、例えば大型の偏光分離素子を得るのが難しい。ま
た、結晶であるがゆえ劈開等の性質を有するから、偏光
分離素子自体がもろいものとなり易い。また、製造に当
たっては、結晶から結晶片を切り出したり研磨する等の
工程が必要であるため、素子が高価になる。
【0004】一方、斜め蒸着により形成したTa25
膜を用いる偏光分離素子の場合は、偏光分離幅を増加さ
せるためにはTa25 膜をさらに厚い膜厚に形成する
必要があるが、蒸着法ではそれほど厚い膜は形成できな
いし、またできたとしても例えば数十〜数百μmの厚膜
を形成するにはスループットが低くなるという問題があ
る。また、大型の偏光分離素子を製造するためには大規
模な蒸着装置が必要になる。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで、この出願の第一
発明によれば、液晶分子の配向方向と偏光分離素子に予
定されている光入射面の法線方向とのなす角度が所定角
度で液晶分子を固定してある液晶膜で、偏光分離素子を
構成することを特徴とする。
【0006】また、この出願の第二発明によれば、液晶
分子の配向方向と偏光分離素子に予定されている光入射
面の法線方向とのなす角度が所定の角度で液晶分子を固
定してある液晶膜で構成された偏光分離素子を製造する
方法として、紫外線を照射することにより硬化する性質
を有した液晶(以下、「紫外線硬化型液晶」と略称する
こともある。)の層を形成する工程と、該層に対し液晶
分子の配向方向を偏光分離素子に予定されている光入射
面の法線方向に対し所定の角度にし得る外部エネルギー
を印加しかつその状態で該層を硬化させ得る量の紫外線
を照射する工程とを含む方法を主張する。
【0007】もちろんこれら第一および第二発明におい
ていう液晶膜は、外部からの電場の印加或は磁場の印加
がない状態において上記固定がなされている液晶膜をい
うものとする。また、これら第一及び第二発明において
いう液晶膜で構成するとは、上記液晶膜そのものを偏光
分離素子として用いる場合、またこの液晶膜を例えば支
持体などの他の要素と共に用いる場合、また、この液晶
膜を所定の形状に加工して用いる場合などを含む。
【0008】
【作用】第一発明の構成によれば、液晶表示装置の技術
からして液晶分子が所定の配向方向で固定されている液
晶膜であって例えば対角10インチ以上の大型の液晶膜
も得られる。しかも、該液晶膜の厚膜化も容易である。
また、液晶表示装置ではスイッチング素子や個々の画素
を規定する電極などを作る必要があるが、本発明で用い
る液晶膜の場合はその必要がないので液晶膜の作製自体
も簡易である。
【0009】また、第二発明の構成によれば、紫外線硬
化型液晶の層に例えば電場若しくは磁場などの外部エネ
ルギーを印加する際の強度を調整することで液晶分子の
配向方向を所定の方向に調整できる。そしてこの状態で
紫外線を照射すると紫外線硬化型液晶の層は硬化するの
で液晶分子はその配向方向が偏光分離素子に予定されて
いる光入射面の法線方向に対し所定の角度となった状態
で固定されるから、第一発明でいう液晶膜が容易に得ら
れる。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照してこの出願の各発明の実
施例について説明する。ただし、説明に用いる各図はこ
れらの発明を理解出来る程度に概略的に示してある。ま
た、説明に用いる各図において同様な構成成分について
は同一の番号を付し、その重複する説明を省略すること
もある。
【0011】1.第一発明の第1の実施例 第一発明である偏光分離素子の第1の実施例について説
明する。図1はこの第1の実施例の偏光分離素子10の
構造を模式的に示した断面図である。
【0012】第一発明では、液晶分子11aの配向方向
aと偏光分離素子10に予定されている光入射面10a
の法線方向Pとのなす角度が所定角度φで液晶分子11
を固定してある液晶膜11で、偏光分離素子10を構成
する。そして、この第1の実施例では、この液晶膜11
を、紫外線を照射することにより硬化する性質を有した
液晶をその液晶分子11aの配向方向aが上記光入射面
10aに対し所定の配向角度φをもった状態で硬化させ
た膜で、構成してある。
【0013】ここで、用いる紫外線硬化型液晶はネマテ
ィック型が好ましい。液晶分子の長軸を上記法線に対し
所定角度となるように液晶分子を制御し易いからであ
る。このようなものは種々あるが、例えば、下記の
(a)〜(d)で示される各液晶はこの発明で用いて好
適な紫外線硬化型液晶の例といえる。(a)式で示され
るものはジシクロヘキサン系の一例、(b)式で示され
るものはフェニルシクロヘキサン系の一例、(c)式で
示されるものはトラン系の一例、(d)式で示されるも
のはシアノビフェニル系の一例である。いずれのもの
も、液晶性モノアクリレート液晶である。
【0014】
【化1】
【0015】上記(a)〜(d)式で示される各物質は
それぞれ単独で紫外線硬化特性を示すし、また、これら
の2種以上を混合したものも紫外線硬化特性を示す。例
えば、(a)式で示されるものおよび(b)式で示され
るものを50重量%ずつ混合したもの、(a)式で示さ
れるものを33.3重量%、(b)式で示されるものを
33.3重量%および(c)式で示されるものを33.
4重量%というように1:1:1で混合したもの、
(b)式で示されるものおよび(c)式で示されるもの
を50重量%ずつ混合したもの、(b)式で示されるも
のを40重量%、(c)式で示されるものを40重量%
および(a)式で示されるものを20重量%というよう
に2:2:1で混合したもの等は、紫外線硬化特性を示
す。このように種々の紫外線硬化型液晶を混合して用い
かつ組成比(混合比)を変化させることにより、屈折率
や誘電率の異方性などの特性を変化させることが出来
る。例えば、上記(b)式で示されるものと(c)式で
示されるものとを50重量%ずつ混合したものは室温で
ネマティック相を示し、屈折率の異方性Δnが0.15
程度を示す。
【0016】ところで、液晶膜11を製造する際の液晶
分子の配向方向の調整を紫外線硬化型液晶の未硬化状態
の膜に外部エネルギーとしての電場を印加することで行
なうとした場合(詳細は後の製造方法の項で述べ
る。)、液晶分子11aの配向方向aと偏光分離素子1
0に予定されている光入射面10aの法線方向Pとのな
す角度は、配向膜(詳細は後の製造方法の項で述べ
る。)と液晶との界面における液晶分子のこの界面に対
する角度すなわちプレチルト角θ(図3(A)参照)か
ら、この液晶膜11の厚さ方向(法線方向)中央部での
角度φm の間で連続的に分布する。そして、液晶膜11
の厚さ方向での座標をz、液晶膜製造時に印加した電界
をEとした場合、上記連続的に分布するであろう角度
は、φ(z,E)と表せる。そこで、この発明でいう所
定角度φがこのφ(z,E)に対しどういう関係かが問
題となるが、例えば、この液晶膜11の厚さ方向(法線
方向)中央部近傍でのφ(z,E)をいくつにするかで
決めれば良い。
【0017】この第1の実施例の偏光分離素子10に対
し上記法線方向zに沿って入射した自然光Lは、2つの
偏光方向の成分Ex およびEy に分離される。そして、
図1中に示したx軸方向の偏光成分Ex はそのまま透過
し、y軸方向の偏光成分Eyは距離Sすなわち偏光分離
幅Sだけ変位する。そして、この偏光分離幅Sは、座標
zにおける液晶分子11aの配向方向aが偏光分離素子
10に予定されている光入射面10aの法線方向Pに対
してとる角度φ(z,E)と、その座標近傍における液
晶膜11の微小厚さdzとによって求められ単位分離幅
dSを、厚さDで積分して求められる。すなわち、単位
分離幅dSは下記の(1)式で与えられ、分離幅Sは下
記の(2)式で表せる。ただし、ne 、n0 は、角度φ
(z,E)がz方向いずれにおいても90°(一定)と
した場合の、液晶分子11aの長軸方向の屈折率ne
短軸方向の屈折率no である(図2参照)。
【0018】
【数1】
【0019】ここで、簡単のため、角度φ(z,E)が
z方向いずれも近似的に等しいと仮定した場合、上記
(1)、(2)式から求められる分離幅Sは、例えば文
献(応用物理学会光学懇談会編集「結晶光学」,197
5,p.198)に開示の下記の(3)式と等しくな
り、偏光分離幅Sは求められる。
【0020】
【数2】
【0021】そこで、紫外線硬化型液晶として上記
(b)式で示されるものと(c)式で示されるものとを
50重量%ずつ混合したものを用いる例で、かつ、その
e 、no がne =1.632、no =1.541であ
る例で、かつ、角度φ(z,E)がz方向いずれにおい
ても近似的に45°(一定)とした例で、然も、液晶膜
11の厚さDが100μmでの、偏光分離幅Sを上記
(3)式から求める。すると、液晶膜11の膜厚100
μmあたりの偏光分離幅Sは、5.74μmになる。現
状の技術では400μmの厚さ程度までの液晶膜は形成
出来ると考えられるので、この実施例の偏光分離素子
は、従来の複屈折結晶を用いた偏光分離素子と同等の性
能の偏光分離素子となり得ることが分かる。なお、従
来、紫外線硬化型の液晶を用いた位相差フィルムが提案
されている。しかし、この位相差フィルムの場合は、通
常の液晶表示素子の屈折率異方をキャンセルする用途で
用いるため、液晶層の厚さは液晶表示素子程度であり、
例えば10μm以下である。これに対し本発明による偏
光分離素子では、偏光を分離させるために、液晶分子の
光軸方向の角度を重視しかつある程度の厚さ例えば少な
くとも100μmの厚さを有する。
【0022】また、この発明の偏光分離素子を複数(n
枚)積層した場合の偏光分離幅Sは、n枚の各偏光分
離素子の個々の偏光分離幅をS1、S2、・・・、S
k、・・・、Sn(ただし、全部または一部が同じでも
良い。)とした場合、S =S1+S2+・・・+S
k+・・・+Snというように、用いた偏光分離素子の
それぞれの偏光分離幅の総和で与えられる。したがっ
て、上記実施例で得られた偏光分離素子10の偏光分離
幅がSkであるが要請される偏光分離幅がSzである場
合は、この発明に係る偏光分離素子を複数枚用意してこ
れらを積層するのが良い(後の第2実施例において同
じ。)。
【0023】2.第二発明の実施例 次に、上記第1の実施例の偏光分離素子を製造する例に
より、第二発明(偏光分離素子の製造方法の発明)の実
施例を説明する。この説明を図3および図4に示した工
程図を参照して行なう。なお、これら図は、製造工程中
の主な工程での試料の様子を図1に対応する断面図によ
って示したものである。なお、この実施例では、紫外線
硬化型液晶として上記(b)式で示されるものと(c)
式で示されるものとを50重量%ずつ混合したものを用
いる例を考える。
【0024】この第二発明では、先ず、紫外線を照射す
ることにより硬化する性質を有した液晶の層を形成す
る。これをこの実施例では以下の様に行なう。
【0025】はじめに、ガラス基板21上に透明電極2
3および配向膜25をこの順で形成する。このような基
板を2枚用意する。ただし、ガラス基板21、透明電極
23および配向膜25それぞれは、紫外線透過性を有す
るものを用いる。以下、これら2枚の基板を第1の基板
27a,第2の基板27bと称することにする。次に、
第1及び第2の基板27a,27bそれぞれの配向膜2
5にラビング処理等の配向処理を施す。この配向処理
は、プレチルト角(配向膜25とこれらに接する液晶分
子11aとのなす角度θ(図3(A)参照)が大きくな
る様に(例えば0°<θ<45°のうち、できるだけ高
く)するのが望ましい。また、この配向膜と後に形成さ
れる液晶膜との剥離を容易にするため、配向膜25の材
質を選択したり、或は、配向膜25の表面を例えば適当
な薬品で処理する。次に、第1の基板27aおよび第2
の基板27bを、配向膜25におけるラビング方向が反
平行となるように、かつ、配向膜25が対向するよう
に、然も、所定間隔Dをもって、対向させる。所定間隔
Dの確保は、例えば好適なスペーサを用い行なえる。こ
のように対向させた第1及び第2の基板27a,27b
間には、液晶膜11を得るために紫外線硬化型液晶を一
時充填するので、次は、第1及び第2の基板27a,2
7bを対向させて得られた構造体の縁部を何らかの方
法、特に後に第1および第2の基板の解体が容易な方法
例えばテープやワックス等でシールする。そして、第1
及び第2の基板27a,27b間に紫外線硬化型液晶を
充填する。これにより、第1及び第2の基板27a,2
7b間に、紫外線を照射することにより硬化する性質を
有した液晶の層11xが形成出来る(図3(A)参
照)。なお、紫外線硬化型液晶を充填する際は、光重合
開始剤(例えばチバガイギー(Ciba-Geigy)社製IRG−
651等)を適当量例えばこれに限られないが0.5重
量%程度添加するのが良い。
【0026】次に、この層11xに対し液晶分子の配向
方向を偏光分離素子に予定されている光入射面の法線方
向P(図1参照)に対し所定の角度にし得る外部エネル
ギーを印加しかつその状態で該膜を硬化させ得る量の紫
外線を照射する。この処理をこの実施例では次のように
行う。まず、外部エネルギーの印加をこの実施例では、
第1及び第2の基板27a,27bに設けた透明電極2
3間に電圧印加手段29を用い電界Eを印加することで
行なう。これにより、液晶分子11aは、その配向方向
aが偏光分離素子に予定されている光入射面(ここで
は、第1、第2基板面)の法線方向Pに対しある角度す
なわち上記したφ(z,E)をもって、配向する(図3
(B))。もちろん、所定角度φを満たすφ(z,E)
となるよう電界Eを印加する。次に、このように電界を
印加した状態の試料に対し、例えば、強度が0.8mW
/cm2 の紫外線31を例えば500秒間照射する(図
4(A))。この紫外線照射により上記液晶の層11x
は硬化するので、液晶分子11aが、その配向方向aを
上記法線方向Pに対し角度φ(z,E)に配向したまま
高分子化し固定化された、液晶膜11が得られる。
【0027】次に、この試料に対しアニール処理を行な
うのが良い。上記硬化により屈折率差Δnがやや小さく
なったのをこのアニール処理によりいくらか回復できる
からである。このアニール処理はこれに限られないが、
例えば不活性ガス雰囲気において例えば150℃の温度
で例えば20分の熱処理で行なえる。
【0028】その後、第1及び第2の基板27a,27
bを液晶膜11から外すと、図1に示した実施例の偏光
分離素子10が得られる。もちろん、第1及び第2の基
板27a,27bをつけた状態のものも偏光分離素子と
して用いる場合があっても良い。
【0029】なお、第1及び第2の基板27a,27b
の間隔DをDより広いD+αとするようにして液晶の層
11xを所望の厚さより厚く形成し、次に、上記の紫外
線照射により硬化した液晶膜11を得、そして、この膜
の表裏を前記所望の厚さDとなるまで除去するようにし
ても良い。こうすると、配向膜の影響の少ない液晶膜が
得られると考えられ、また、液晶膜の作製時に電界の作
用をより受けた液晶膜部分(第1及び第2の基板27
a,27bの間の中央部分を主とする部分)を使用出来
る。液晶膜を所望の厚さDまで除去する方法は特に限ら
れないが、典型的には研磨により除去するのが良い。
【0030】3.第一発明の第2の実施例 上述の偏光分離素子の第1の実施例では、この発明に係
る液晶膜11を、紫外線を照射することにより硬化する
性質を有した液晶を所定通り硬化させた膜で、構成し
た。しかし、この液晶膜11は、熱履歴を与えることで
液晶分子の配向方向が固定される性質を有した液晶に、
液晶分子が所定の配向角度φとなるように熱履歴を与え
た液晶膜で構成しても良い。この場合も、配向方向が固
定された液晶膜から成る偏光分離素子が得られるからで
ある。このような液晶としては種々のものがある。例え
ば高分子の側鎖に低分子液晶を導入した側鎖型高分子液
晶は、液晶性を有する側鎖部分をガラス転移により、固
定化できる。例えばポリアクリレート系ホモポリマーの
一種である下記(e)式で示される物質は、ガラス転移
点温度が31.2℃であり液晶相ではネマチック相を示
す。したがって、ネマチック相において平行配向させた
上でそれに電界を印加することにより、所定の配向角度
φとなるように液晶分子を配向させることができ、か
つ、それをそのままガラス転移点以下に冷却することに
よって配向の凍結が可能である。
【0031】
【化2】
【0032】この第2の実施例の偏光分離素子の理解を
深めるためにその製造方法の一例について以下に説明す
る。この説明を図3および図4を参照して行なう。
【0033】はじめに、ガラス基板21上に透明電極2
3および配向膜25をこの順で形成する。このような基
板を2枚用意する。以下、これら2枚の基板を第1の基
板27a,第2の基板27bと称することにする。次
に、第1及び第2の基板27a,27bそれぞれの配向
膜25にラビング処理等の配向処理を施す。この配向処
理は、プレチルト角(配向膜25とこれらに接する液晶
分子11aとのなす角度θ(図3(A)参照))が大き
くなる様に(例えば0°<θ<45°のうち、できるだ
け高く)するのが望ましい。次に、第1の基板27aお
よび第2の基板27bを、配向膜25におけるラビング
方向が反平行となるように、かつ、配向膜25が対向す
るように、然も、所定間隔Dをもって、対向させる。所
定間隔Dの確保は、例えば好適なスペーサを用い行なえ
る。第1及び第2の基板27a,27bを対向させて得
られた構造体の縁部を何らかの方法でシールする。そし
て、第1及び第2の基板27a,27b間に高分子液晶
をネマチック相で充填する。これにより、第1及び第2
の基板27a,27b間に、熱履歴により硬化する性質
を有した液晶の層が形成出来る(図3(A)参照。ただ
し、液晶相は紫外線硬化型のものではない。)。
【0034】次に、この液晶層に対し液晶分子の配向方
向を偏光分離素子に予定されている光入射面の法線方向
P(図1参照)に対し所定の角度にし得る外部エネルギ
ーを印加しかつその状態で該膜をガラス転移させるため
に冷却する。この処理をこの実施例では次のように行
う。まず、外部エネルギーの印加をこの実施例では、第
1及び第2の基板27a,27bに設けた透明電極23
間に電圧印加手段29を用い電界Eを印加することで行
なう。これにより、液晶分子11aは、その配向方向a
が偏光分離素子に予定されている光入射面(ここでは、
第1、第2基板面)の法線方向Pに対しある角度すなわ
ち上記したφ(z,E)をもって、配向する(図3
(B))。もちろん、所定角度φを満たすφ(z,E)
となるよう電界Eを印加する。次に、このように電界を
印加した状態の試料を、十分ゆっくりした冷却速度で冷
却することにより上記液晶の層は硬化するので、液晶分
子11aが、その配向方向aを上記法線方向Pに対し角
度φ(z,E)に配向したまま高分子化し固定化され
た、液晶膜が得られる。
【0035】
【発明の効果】上述した説明から明らかなように、この
出願の第一発明によれば、液晶分子の配向方向と偏光分
離素子に予定されている光入射面の法線方向とのなす角
度が所定の角度で液晶分子を固定してある液晶膜で偏光
分離素子を構成する。このため液晶表示装置の実績から
して大型の液晶膜が得られるので、大型の偏光分離素子
が得られる。さらに、方解石等で問題となる劈開等に起
因するもろさは生じない。さらに、液晶膜自体の作製で
は結晶から結晶片を切り出したり研磨する等の処理や長
時間の蒸着も不要とできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施例の説明図である。
【図2】第1の実施例の説明図である。
【図3】製造方法の実施例の説明に供する工程図であ
る。
【図4】製造方法の実施例の説明に供する図3に続く工
程図である。
【符号の説明】
10:第1の実施例の偏光分離素子 10a:偏光分離素子に予定されている光入射面 P:光入射面の法線方向 11:液晶膜(紫外線硬化型液晶を硬化させた膜) 11a:液晶分子 D:液晶膜の厚さ a:液晶分子の配向方向 φ:所定角度 S:偏光分離幅

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液晶分子の配向方向と偏光分離素子に予
    定されている光入射面の法線方向とのなす角度が所定角
    度で液晶分子を固定してある液晶膜で、構成したことを
    特徴とする偏光分離素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の偏光分離素子におい
    て、 前記液晶膜が、紫外線を照射することにより硬化する性
    質を有した液晶を硬化させた膜であることを特徴とする
    偏光分離素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の偏光分離素子におい
    て、 前記液晶膜が、熱履歴を与えることで液晶分子の配向方
    向が固定される性質を有した液晶に熱履歴を与えた膜で
    あること特徴とする偏光分離素子。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3に記載の偏光分離素子にお
    いて、 前記液晶膜を要請される偏光分離幅に応じた数だけ積層
    してあることを特徴とする偏光分離素子。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2に記載の偏光分離素子を
    製造するに当たり、 紫外線を照射することにより硬化する性質を有した液晶
    の層を形成する工程と、 該層に対し液晶分子の配向方向を偏光分離素子に予定さ
    れている光入射面の法線方向に対し所定の角度にし得る
    外部エネルギーを印加しかつその状態で該層を硬化させ
    得る量の紫外線を照射する工程とを含むことを特徴とす
    る偏光分離素子の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の偏光分離素子の製造方
    法において、 前記液晶の層を所望の厚さより厚く形成し、 該厚く形成した層に紫外線を照射した後該層の表裏を前
    記所望の厚さとなるまで除去することを特徴とする偏光
    分離素子の製造方法。
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