JPH08334529A - 加速度センサ - Google Patents

加速度センサ

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JPH08334529A
JPH08334529A JP16677695A JP16677695A JPH08334529A JP H08334529 A JPH08334529 A JP H08334529A JP 16677695 A JP16677695 A JP 16677695A JP 16677695 A JP16677695 A JP 16677695A JP H08334529 A JPH08334529 A JP H08334529A
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JP
Japan
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acceleration
rotor
rotational position
container
acceleration sensor
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JP16677695A
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Shuichi Tanaka
修一 田中
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加速度をより正確に検出する。 【構成】 加速度センサ10は、中空環状の容器12
と、容器12に封入された磁性流体14と、磁性流体1
4内に浮遊状態で保持され磁極が90度間隔に着磁され
た回転子16と、回転子16を所定回転数で回転させる
回転機構18と、容器12の環中心に設置された加速度
検出用ホール素子20および22と、容器12の環中心
から偏心して設置された回転検出用ホール素子24とを
備える。加速度検出用ホール素子20,22は、加速度
が作用していないときには、製造誤差に基づくゼロ点で
の誤差をドリフト量として出力する。ドリフト量は、回
転子16の1回転を周期とし、その後半の波形は、前半
の波形と大きさが同じで符号が異なるものとなる。この
結果、加速度検出用ホール素子20,22から回転子1
6の半回転分ずれて検出される値を加算することによ
り、ドリフト量を打ち消すことができ、より正確に加速
度を検出することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加速度センサに関し、
詳しくは、容器内の磁性流体に浮遊状態で置かれた磁石
の容器内における位置に基づいて、この磁石に作用する
加速度を検出する加速度センサに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の加速度センサとしては、
容器に封入された磁性流体内に磁石を浮遊状態で置き、
磁気に基づいて磁石の位置を検出し、この検出した位置
に基づいて磁石に作用する加速度を検出するものが提案
されている(特開平4−344467号公報や特開平2
−90061号公報等)。これらのセンサでは、環状ま
たは円板状に形成され径方向に90度間隔に着磁された
磁石を、容器内の磁性流体に浮遊状態となるよう設置さ
れている。また、この磁石の容器内の位置を検出するた
めに、磁石の各着磁箇所に対峙する位置に、磁気感応素
子であるホール素子がそれぞれ設置されている。そし
て、磁石が容器内で回転してホール素子に対する磁石の
着磁箇所の位置が変化せず、ホール素子と磁石とが常に
対峙するよう磁石の回転を防止する回転防止手段が設け
られている。
【0003】こうした加速度センサでは、加速度が作用
した際の磁石の容器内の位置を検出し、この位置に基づ
いて加速度を検出するが、これは次の理由による。磁性
流体内に磁石を浮遊させると、磁石の着磁箇所には磁性
流体が密集する。この磁性流体が密集した箇所を容器の
壁面に押しつけようとする押圧力を磁石に加えると、磁
性流体は、磁石を壁面から遠ざけようとするばねのよう
に働いて、磁石に押圧力と反対側の反発力を作用させ
る。いま、磁石を磁性流体内に浮遊状態でおき、磁石の
着磁箇所近傍に容器の壁面あるいは容器に突出部材を設
け、磁石に加速度を加えると、磁石には、その質量に加
速度を乗じた力(物体力)が働いて、加速度ベクトルの
方向に移動する。この磁石の移動に対しては、着磁箇所
に密集した磁性流体により磁石を容器の壁面あるいは突
出部材から遠ざける反発力が働くから、磁石は、この反
発力と物体力とが釣り合う位置で静止する。磁性流体に
よる反発力は、予め壁面あるいは突出部材からの距離と
の関係を求めておくことができるから、この釣り合いの
位置、即ち磁石の位置を検出すれば、反発力と釣り合う
物体力を求めることができ、磁石に作用する加速度を求
めることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
加速度センサでは、磁石の各磁極の温度特性が完全に同
一でない場合等には、温度変化に伴って各磁極の磁力が
変化してしまい、磁石に加速度が作用していなくても微
小な加速度を検出し、出力値のゼロ点をドリフトさせ、
加速度を正確に検出することができないといった問題が
あった。こうした問題は、各磁極を完全に同一となるよ
う着磁すれば解決するが、完全に同一に着磁するのは製
造誤差等により困難である。
【0005】また、こうしたセンサでは、磁石の着磁箇
所とホール素子とが対峙するよう磁石の回転を防止する
回転防止手段が設けられており、磁性流体は攪拌されな
いから、長年の使用により磁性流体の分布が一様でなく
なり、磁性流体による反発力が変化して加速度を正確に
検出することができない場合を生じるという問題もあっ
た。
【0006】本発明の加速度センサは、こうした問題を
解決し、加速度をより正確に検出することを目的とし、
次の構成を採った。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の加速度センサ
は、磁性流体と共に容器に回転可能に収納され、回転軸
まわりに回転対称に配置された磁極を有する回転子と、
該回転子を前記磁性流体内に浮遊状態で回転させる回転
手段と、該回転させられた回転子の前記容器内における
回転位置を検出する回転位置検出手段と、該検出された
回転位置に基づいて前記回転子に作用する加速度を演算
する演算手段とを備えたことを要旨とする。
【0008】ここで、前記加速度センサにおいて、前記
回転位置検出手段は、前記回転子に配置された磁極から
の磁気に基づいて前記回転位置を検出する手段である構
成とすることもできる(請求項2)。また、前記加速度
センサにおいて、前記容器は中空の環状に形成されてお
り、前記回転子は環状に形成されており、前記回転位置
検出手段は前記容器の環中心に配置された構成とするこ
ともできる(請求項3)。
【0009】こうした加速度センサにおいて、前記演算
手段は、前記回転位置検出手段により検出された回転位
置を前記回転子が所定角度回転するまで保持する保持手
段と、該保持手段により保持された回転位置と前記回転
位置検出手段により検出された回転位置とに基づいて前
記加速度を演算する加速度演算手段とを備えた構成とす
ることもできる(請求項4)。この演算手段が保持手段
と加速度演算手段とを備えた加速度センサにおいて、前
記回転子は回転軸に対称に配置された磁極を有し、前記
保持手段における前記所定角度は180度である構成と
することもできる(請求項5)。
【0010】
【作用】以上のように構成された本発明の加速度センサ
は、回転手段が、磁性流体と共に容器に回転可能に収納
され回転軸まわりに回転対称に配置された磁極を有する
回転子を、磁性流体内に浮遊状態で回転させる。回転位
置検出手段は、この回転させられた回転子の容器内にお
ける回転位置を検出し、演算手段は、この検出された回
転位置に基づいて回転子に作用する加速度を演算する。
【0011】請求項2記載の加速度センサは、回転位置
検出手段が、回転子に配置された磁極からの磁気に基づ
いて回転子の容器内における回転位置を検出する。
【0012】請求項3記載の加速度センサは、中空の環
状に形成された容器の環中心に配置された回転位置検出
手段が、環状に形成された回転子の容器内における回転
位置を検出する。
【0013】請求項4記載の加速度センサは、演算手段
が備える保持手段が、回転位置検出手段により検出され
た回転位置を、回転子が所定角度回転するまで保持し、
加速度演算手段が、この保持手段により保持された回転
位置と、回転位置検出手段により検出された回転位置と
に基づいて回転子に作用する加速度を演算する。この結
果、製造誤差により磁極の温度特性が相違して異なる磁
束密度分布となる場合でも、この異なる磁束密度分布に
よる回転位置への影響を打ち消すことが可能となり、回
転子に作用する加速度のより正確な検出が可能となる。
【0014】請求項5記載の加速度センサは、演算手段
が備える保持手段が、回転位置検出手段により検出され
た回転位置を、回転子が180度回転するまで保持す
る。磁極が回転軸に対称に配置されているから、回転子
が180度回転するまで保持された回転位置と、回転位
置検出手段により検出された回転位置とに基づいて回転
子に作用する加速度を演算することにより、製造誤差に
より磁極の温度特性が相違して異なる磁束密度分布とな
る場合でも、この異なる磁束密度分布による回転位置へ
の影響を打ち消すことが可能となり、回転子に作用する
加速度のより正確な検出が可能となる。
【0015】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の好適な実施例について説
明する。図1は本発明の好適な一実施例である加速度セ
ンサ10の本体の構成の概略を示した断面図、図2は図
1に示した加速度センサ10の本体の2−2線断面図、
図3は加速度センサ10が備える演算回路の概略を例示
するブロック図である。
【0016】加速度センサ10は、図1,図2および図
3に示すように、非磁性体(例えば、エンジニアリング
プラスチック等の樹脂等)により中空の環状に形成され
た容器12と、容器12に封入された磁性流体14と、
磁性流体14内に浮遊状態で保持される回転子16と、
容器12の外円周外側に配置され回転子16を回転させ
る回転機構18と、磁気感応素子である加速度検出用ホ
ール素子20,22と、同じく磁気感応素子である回転
検出用ホール素子24と、演算回路30とを備える。
【0017】磁性流体14は、例えば、イソパラフィン
中にマンガン亜鉛フェライト等の超微粒子を分散させた
ものである。回転子16は、図1に示すように、環状部
材として形成されており、等間隔に4箇所、隣接する磁
極が対極となるよう径方向に着磁されている。したがっ
て、回転子16のこの着磁点に磁性流体14が密集し、
この着磁点が容器12の壁面に押しつけられると、上述
したように、密集した磁性流体14は、ばねのように働
いて、回転子16の変位に抗するよう回転子16に反発
力を作用させる。
【0018】回転機構18は、図示しない電源から電力
の供給を受けて、ブラシレスDCモータの原理により磁
性流体14内に浮遊する回転子16を非接触で図1中矢
印方向に所定回転数(例えば、100rpm)で回転さ
せる。回転機構18としては、例えば、ホールモータや
リングコアモータ等を用いることができる。
【0019】加速度検出用ホール素子20および22
は、容器12の中央部の中心に互いに90度の角度をな
すように、かつ回転子16の回転軸の方向に上下にずら
して設置されている(図2参照)。加速度検出用ホール
素子20は、所定の定電流の供給を受けることにより、
その平面を貫く磁束密度の変化によって電圧を発生させ
る磁気感応素子だから、加速度検出用ホール素子20に
より回転子16の図1中左右方向の位置を検出すること
ができる。また、加速度検出用ホール素子22は、加速
度検出用ホール素子20と同様にして、回転子16の図
1中上下方向の位置を検出することができる。したがっ
て、加速度検出用ホール素子20と加速度検出用ホール
素子22とで検出した回転子16の位置を合成すれば、
図1に示した平面内での回転子16の位置を検出するこ
とができる。なお、加速度検出用ホール素子20および
22は、図示しない導電ラインにより定電流電源に接続
されている。また、加速度検出用ホール素子20および
22は、図示しない導電ラインにより演算回路30(図
3)に接続されている。
【0020】回転検出用ホール素子24は、容器12の
中央部の中心から偏心した位置に、加速度検出用ホール
素子20および22と45度の角度をなすよう設置され
ている。この回転検出用ホール素子24も図示しない導
電ラインにより定電流電源および演算回路30に接続さ
れている。
【0021】演算回路30は、図3に示すように、正弦
波信号を同じ周波数のクロック信号にするコンパレータ
32と,入力したクロック信号の周波数を1/2にする
半分周回路34と、入力された信号を反転するインバー
タ36と、所定のタイミングで入力する信号を保持する
第1ホールド回路38および第2ホールド回路39と、
入力した2つ信号を加算し増幅する加算増幅回路40と
を備える。
【0022】コンパレータ32の入力端子および出力端
子は、信号線により回転検出用ホール素子24の出力端
子および半分周回路34の入力端子に接続されており、
コンパレータ32は、回転検出用ホール素子24から出
力される正弦波信号を入力し、同じ周波数のクロック信
号として半分周回路34に出力する。半分周回路34の
出力端子は、信号線により第1ホールド回路38の一方
の入力端子と第2ホールド回路39の一方の入力端子と
に接続されており、半分周回路34は、コンパレータ3
2から入力したクロック信号を1/2の周波数のクロッ
ク信号として第1ホールド回路38および第2ホールド
回路39に出力する。なお、第2ホールド回路39の入
力端子に接続される信号線には、インバータ36が介装
されており、第2ホールド回路39の入力端子には、第
1ホールド回路38の入力端子に入力される信号と反転
した信号が入力される。
【0023】第1ホールド回路38および第2ホールド
回路39には、入力端子がそれぞれ2つあり、他方の入
力端子は、信号線により加速度検出用ホール素子20の
出力端子が接続されている。第1ホールド回路38およ
び第2ホールド回路39は、この他方の入力端子に入力
される加速度検出用ホール素子20からの信号を、一方
の入力端子に入力される信号がLレベルからHレベルに
なったときに保持する。加算増幅回路40の入力端子
は、信号線により第1ホールド回路38の出力端子およ
び第2ホールド回路39の出力端子が接続されており、
加算増幅回路40は、第1ホールド回路38および第2
ホールド回路39からそれぞれ入力した信号を加算し増
幅し、さらに所定値V0を加えて出力する。加算増幅回
路40で加える所定値V0は、ゼロ点の値として設定さ
れるもので、実施例では2.5[V]が設定されてい
る。
【0024】なお、図3の演算回路30には、加速度検
出用ホール素子20についてのみ示したが、加速度検出
用ホール素子22についても同一の構成を採用してい
る。
【0025】次に、こうして構成された加速度センサ1
0の動作について説明する。まず、加速度センサ10に
加速度が作用していないときの様子について説明する。
図4は、加速度センサ10に加速度が作用していないと
きに加速度検出用ホール素子20および演算回路30の
各回路から出力される信号の変化の様子を示すタイミン
グチャートである。加速度センサ10に加速度が作用し
ていないときには、回転子16は、回転機構18により
容器12の環中心、即ちこの中心に設置された加速度検
出用ホール素子20および加速度検出用ホール素子22
の中央を回転軸として所定回転数で回転している。この
とき、回転検出用ホール素子24が回転軸から偏心して
設置されており、回転子16に磁極が90度間隔に着磁
されていることから、回転検出用ホール素子24は、図
4に示すように、回転子16の半回転を1周期とする正
弦波の信号を出力する。この正弦波信号は、コンパレー
タ32により同じ周波数のクロック信号に変換され、半
分周回路34により1/2の周波数のクロック信号(回
転子16の1回転を1周期とするクロック信号)とされ
る。この1/2周波数のクロック信号は、第1ホールド
回路38に入力されると共に、インバータ36により反
転されて第2ホールド回路39に入力される。
【0026】回転子16に同一の磁極が正確に90度間
隔に着磁されており、回転子16が容器12の環中心を
軸として回転していれば、環中心での磁束密度は回転に
よっては変化しないから、容器12の環中心に設置され
た加速度検出用ホール素子20からは磁束密度の変化は
検出されない。したがって、加速度検出用ホール素子2
0からは、図4中破線で示すように値0を出力するはず
である。しかし、完全に同一の磁極を正確に90度間隔
で回転子16に着磁することは困難であるから、回転子
16には、着磁した磁極の温度特性が若干相違したり、
着磁した磁極の磁力に若干の強弱が生じたりするといっ
た製造誤差が生じる。実際には、こうした製造誤差を伴
った回転子16が用いられるから、加速度検出用ホール
素子20からの信号は、図4中実線で示すように値0近
傍をふらつく。
【0027】このふらつき(ゼロ点ドリフト)は、回転
子16の回転に伴って生じる加速度検出用ホール素子2
0に作用する磁束密度の変化であるから、回転子16の
1回転を1周期とする。また、加速度検出用ホール素子
20に作用する磁束密度は、回転子16が半回転するこ
とにより反転するから、ゼロ点ドリフトにおける周期の
後半(図4中、期間T2)は、前半(図4中、期間T
1)と同じ変化でその符号を変えたものとなる。このた
め、ゼロ点ドリフトでは、半周期ずれた点での値は、大
きさが同じで符号が異なる値となる。
【0028】半分周回路34からのクロック信号が回転
子16の1回転を周期とする信号であり、インバータ3
6がこの半分周回路34からのクロック信号を反転する
ものであるから、半分周回路34からのクロック信号の
立ち上がりとインバータ36からのクロック信号の立ち
上がりは、回転子16の半回転分ずれることになる。こ
のため、加速度検出用ホール素子20から出力される信
号のうち、第1ホールド回路38で保持される信号と第
2ホールド回路39で保持される信号も回転子16の半
回転分ずれる。したがって、第1ホールド回路38およ
び第2ホールド回路39では、大きさが同じで符号が異
なる値(バラツキ値)Va,Vb(Va=−Vb)がそ
れぞれに保持される。
【0029】加算増幅回路40では、この大きさが同じ
で符号が異なるバラツキ値Va,Vbを信号として入力
し加算するから、加算増幅回路40からはゼロ点(2.
5[V])の信号が出力されることになる。なお、図4
では、各回路の出力信号の説明のため、第1ホールド回
路38および第2ホールド回路39に初期値である値0
が保持されている状態からバラツキ値Va,Vbを保持
する様子を示し、この保持する様子に連動して加算増幅
回路40からの出力を示したが、その後、加速度センサ
10に加速度が作用しない限り、第1ホールド回路38
および第2ホールド回路39には、回転子16が1回転
する毎に同じ値(バラツキ値Va,Vb)が保持される
から、加算増幅回路40からは、常にゼロ点(2.5
[V])の信号が出力され続ける。
【0030】次に、こうした加速度センサ10に図1中
左右方向の加速度が作用したときの様子について説明す
る。図5は、加速度センサ10に加速度が作用したとき
に加速度検出用ホール素子20および演算回路30の各
回路から出力される信号の変化の様子を示すタイミング
チャートである。加速度センサ10に加速度(値α)が
作用すると、回転子16にはF=mα(mは回転子16
の質量)なる物体力が作用するから、回転子16は、こ
の力により容器12の壁面に押しつけられる。こうした
回転子16の容器12への押しつけに対して、磁性流体
14は、ばねのように働いて、回転子16に容器12へ
の押しつけに抗する反発力を作用させるから、回転子1
6は、これらの力が釣り合う位置までその回転軸の位置
を変位させて回転を続ける。
【0031】このように回転子16の回転軸の位置が変
わると、回転子16の回転に伴って加速度検出用ホール
素子20を貫く磁束密度が変化するから、加速度検出用
ホール素子20からは正弦波に近い信号が出力される。
このとき製造誤差のない回転子16であれば、加速度検
出用ホール素子20からは、図5中の破線のように、回
転子16の半回転(期間T3および期間T4)を周期と
する正弦波の信号が出力されるが、実際には、製造誤差
を伴った回転子16が用いられるから、図5中の実線で
示す波形となる。この波形は、図5中の破線の波形に、
加速度が作用していないときに加速度検出用ホール素子
20から出力される波形(図5中の加速度0Gの実線の
波形)を加算したものとして現わされるから、第1ホー
ルド回路38および第2ホールド回路39で保持される
値VA,VB(保持されるタイミングで加速度検出用ホ
ール素子20から出力される信号の値)は、次式(1)
および(2)で示すように、図5中の破線での出力値で
ある真値VGにバラツキ値Va,Vbを加えたものとな
る。なお、回転検出用ホール素子24が加速度検出用ホ
ール素子20と45度の角度をなすよう設置されている
から、半分周回路34からのクロック信号の立ち上がり
及びインバータ36からのクロック信号の立ち上がりの
タイミングは、加速度検出用ホール素子20からの出力
が極大値を示すときになる。
【0032】VA=VG+Va …(1) VB=VG+Vb …(2)
【0033】加算増幅回路40からの出力値Vout
は、次式(3)に示すように、値VAと値VBとを加算
して増幅したものに所定値V0を加えたものであるか
ら、バラツキ値Va,Vbは打ち消され、真値VGの2
倍の値が増幅され、これに所定値V0が加えられたもの
となる。ここで、式(3)中の係数aは増幅率であり、
例えば、図6の出力特性を示すグラフに示すように、ゼ
ロ点として所定値V0に2.5[V]が設定されたとき
に、加速度センサ10に1.5Gの加速度が作用したと
きには4.5[V]を出力し、−1.5Gの加速度が作
用したときには0.5[V]を出力するよう設定され
る。
【0034】 Vout=a(VA+VB)+V0 =a(2VG+Va+Vb)+V0 =a・2VG+V0 …(3)
【0035】なお、図5では、各回路の出力信号の説明
のため、加速度センサ10に加速度が作用していない状
態、即ち第1ホールド回路38および第2ホールド回路
39にバラツキ値Va,Vbが保持されている状態か
ら、加速度センサ10に加速度(値α)が作用したとき
に第1ホールド回路38および第2ホールド回路39が
それぞれ値VA,VBを保持する様子を示すと共に、こ
の保持する様子に連動して加算増幅回路40からの出力
を示したが、その後、加速度センサ10に同じ加速度
(値α)が作用している限り、第1ホールド回路38お
よび第2ホールド回路39には、回転子16が1回転す
る毎に同じ値VA,VBが保持されるから、加算増幅回
路40からは、同じ加速度が出力され続ける。
【0036】以上、加速度センサ10に図1中左右方向
の加速度が作用した際に加速度検出用ホール素子20に
より検出される信号に対する動作について説明したが、
前述したように、加速度検出用ホール素子22には加速
度検出用ホール素子20に接続された演算回路30と同
一の構成の演算回路が接続されており、この演算回路は
演算回路30と同様に動作するから、加速度センサ10
に図1中上下方向の加速度が作用すれば、この加速度を
同様に検出することができる。
【0037】従って、演算回路30により演算された図
1中左右方向の加速度(Gx)と、加速度検出用ホール
素子22に接続された図示しない演算回路により演算さ
れた図1中上下方向の加速度(Gy)とを合成すれば、
加速度センサ10に作用する図1平面の任意の方向の加
速度を検出することができる。なお、任意の方向の加速
度の大きさをGxy、図1中上下方向からの偏角(時計
回りを正)をθとすると、加速度の大きさGxyおよび
偏角θは次式(5)および式(6)で表わされる。
【0038】
【数1】
【0039】以上説明した実施例の加速度センサ10に
よれば、加速度が作用したときに回転子16に作用する
物体力と磁性流体14により生じる反発力との釣り合い
の位置まで変位した回転子16の位置を、回転子16の
回転に伴って変化する磁束密度に基づいて、加速度セン
サ10に作用する加速度を検出することができる。
【0040】また、磁極を90度間隔に回転子16に着
磁し、回転子16を所定回転数で回転させたので、磁極
の温度特性の相違等の製造誤差により生じるゼロ点ドリ
フトの周期を回転子16の1回転とし、その半周期の後
半の波形を前半の波形と同一の波形で符号を反転させた
ものにすることができる。この結果、回転子16の回転
が半回転ずれたタイミングで第1ホールド回路38およ
び第2ホールド回路39により保持される加速度検出用
ホール素子20からの出力値である値VAと値VBとを
加算することにより、ゼロ点ドリフトを打ち消すことが
でき、より正確に加速度を検出することができる。
【0041】加えて、回転検出用ホール素子24を加速
度検出用ホール素子20および加速度検出用ホール素子
22と45度の角度をなすよう設置したので、回転検出
用ホール素子24から出力される正弦波の信号をクロッ
ク信号とし周波数を1/2にするだけで、得られた1/
2周波数のクロック信号の立ち上がり及び立ち下がりの
タイミングを、加速度が作用したときに加速度検出用ホ
ール素子20からの出力される波形の極大点とすること
ができる。そして、この極大値に基づいて加速度を求め
るから、加速度をより感度よく検出することができる。
【0042】さらに、回転子16が磁性流体14内で所
定回転数で回転するから、磁性流体14を常に攪拌する
ことができる。この結果、長年使用しても磁性流体14
の密集状態は変化しないから、検出値の経年変化を防止
することができる。
【0043】なお、実施例の加速度センサ10では、半
分周回路34からのクロック信号の立ち上がり及び立ち
下がり(インバータ36からのクロック信号の立ち上が
り)のタイミングで加速度検出用ホール素子20からの
出力値を保持し、これらを加算したが、加速度検出用ホ
ール素子20からの出力値を入力し回転子16が半回転
した後に入力した値を出力する遅延回路を備え、この遅
延回路からの出力値と加速度検出用ホール素子20から
の出力値とを加算する構成としてもよい。
【0044】また、実施例の加速度センサ10では、回
転子16の回転を検出し、1/2周波数のクロック信号
を作るのに回転検出用ホール素子24を設置したが、回
転機構18にDCブラシレスモータの原理を用いる場
合、DCブラスレスモータが通常備える回転検出用のホ
ール素子を回転検出用ホール素子24に代えて用いる構
成としてもよい。
【0045】実施例の加速度センサ10では、回転機構
18にDCブラシレスモータの原理を用いたが、回転子
16を安定して回転させることができるものであれば、
如何なる回転手段であってもかまわない。
【0046】実施例の加速度センサ10では、より正確
な加速度を検出するために回転子16の回転が半回転ず
れたタイミングで加速度検出用ホール素子20からの出
力値を第1ホールド回路38および第2ホールド回路3
9で保持し、これらを加算したが、所定の加速度(例え
ば0.5G)以上の加速度を検出すればよい装置や検出
精度が要求されない装置等の場合、第1ホールド回路3
8により保持した値のみを増幅して加速度を検出する構
成としてもよい。この場合であっても、回転子16が磁
性流体14内で所定回転数で回転して磁性流体14を攪
拌するから、長年の使用により磁性流体14の密集状態
が変化するのを防止することができ、加速度の検出精度
の経年変化(劣化)を防止することができる。
【0047】実施例の加速度センサ10では、回転子1
6に磁極を90度間隔に着磁したが、ゼロ点ドリフトの
周期性が得られればよいので、90度間隔に限られるも
のではない。例えば、磁極の温度特性が異なることによ
るゼロ点ドリフトの回避を目的とする場合には、回転子
16に回転軸まわりに点対称(180度回転対称)とな
るよう磁極を着磁すればよく、磁性流体を攪拌すること
による検出値の経年変化の防止を目的とする場合には、
回転子16に回転軸まわりに回転対称に磁極を着磁すれ
ばよい。
【0048】以上本発明の実施例について説明したが、
本発明はこうした実施例に何等限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々な
る態様で実施し得ることは勿論である。
【0049】
【発明の効果】以上説明したように本発明の加速度セン
サによれば、回転子を磁性流体内に浮遊状態で回転させ
るから、容器内の磁性流体を攪拌することができる。こ
のため、容器内の磁性流体が均一に保持され、磁性流体
が回転子に及ぼす反発力等の経時変化をより小さくする
ことができる。この結果、回転子に作用する加速度をよ
り正確に検出することができる。
【0050】請求項2記載の加速度センサによれば、回
転子に配置された磁極からの磁気に基づいて回転子の容
器内における回転位置を検出することができる。
【0051】請求項3記載の加速度センサによれば、中
空の環状に形成された容器の環中心に回転位置検出手段
を配置し、環状に形成された回転子を用いることによ
り、回転子の容器内における回転位置の変位を容器の環
中心からのズレとして検出することができる。
【0052】請求項4記載の加速度センサによれば、保
持手段により回転子が所定角度回転するまで保持された
回転位置と、回転位置検出手段により検出された回転位
置とに基づいて回転子に作用する加速度を演算するか
ら、製造誤差により磁極の温度特性が相違して異なる磁
束密度分布となる場合でも、この異なる磁束密度分布に
よる回転子の回転位置への影響を打ち消すことができ
る。この結果、回転子に作用する加速度をより正確に検
出することができる。
【0053】請求項5記載の加速度センサによれば、回
転子が180度回転するまで保持された回転位置と、回
転位置検出手段により検出された回転位置とに基づいて
回転子に作用する加速度を演算するから、製造誤差によ
り磁極の温度特性が相違して異なる磁束密度分布となる
場合でも、この異なる磁束密度分布による回転子の回転
位置への影響を打ち消すことができる。この結果、回転
子に作用する加速度をより正確に検出することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好適な一実施例である加速度センサ1
0の構成の概略を示した断面図である。
【図2】図1に示した加速度センサ10の2−2線断面
図である。
【図3】加速度センサ10が備える演算回路の概略を例
示するブロック図である。
【図4】加速度センサ10に加速度が作用していないと
きに加速度検出用ホール素子20および演算回路30の
各回路から出力される信号の変化の様子を示すタイミン
グチャートである。
【図5】加速度センサ10に加速度が作用したときに加
速度検出用ホール素子20および演算回路30の各回路
から出力される信号の変化の様子を示すタイミングチャ
ートである。
【図6】加速度センサ10の出力特性を例示するグラフ
である。
【符号の説明】
10…加速度センサ 12…容器 14…磁性流体 16…回転子 18…回転機構 20,22…加速度検出用ホール素子 24…回転検出用ホール素子 30…演算回路 32…コンパレータ 34…半分周回路 36…インバータ 40…加算増幅回路

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性流体と共に容器に回転可能に収納さ
    れ、回転軸まわりに回転対称に配置された磁極を有する
    回転子と、 該回転子を前記磁性流体内に浮遊状態で回転させる回転
    手段と、 該回転させられた回転子の前記容器内における回転位置
    を検出する回転位置検出手段と、 該検出された回転位置に基づいて前記回転子に作用する
    加速度を演算する演算手段とを備えた加速度センサ。
  2. 【請求項2】 前記回転位置検出手段は、前記回転子に
    配置された磁極からの磁気に基づいて前記回転位置を検
    出する手段である請求項1記載の加速度センサ。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の加速度センサで
    あって、 前記容器は、中空の環状に形成されており、 前記回転子は、環状に形成されており、 前記回転位置検出手段は、前記容器の環中心に配置され
    た加速度センサ。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3いずれか記載の加速度
    センサであって、 前記演算手段は、 前記回転位置検出手段により検出された回転位置を、前
    記回転子が所定角度回転するまで保持する保持手段と、 該保持手段により保持された回転位置と、前記回転位置
    検出手段により検出された回転位置とに基づいて前記加
    速度を演算する加速度演算手段とを備えた加速度セン
    サ。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の加速度センサであって前
    記回転子は、回転軸に対称に配置された磁極を有し、 前記保持手段における前記所定角度は、180度である
    角速度センサ。
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