JPH08334433A - 光学部材検査装置 - Google Patents

光学部材検査装置

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JPH08334433A
JPH08334433A JP16482695A JP16482695A JPH08334433A JP H08334433 A JPH08334433 A JP H08334433A JP 16482695 A JP16482695 A JP 16482695A JP 16482695 A JP16482695 A JP 16482695A JP H08334433 A JPH08334433 A JP H08334433A
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利宏 中山
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正人 原
Masayuki Sugiura
正之 杉浦
Atsushi Kida
敦 木田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 客観的な基準に基づいて光学部材の良否を判
断することができる光学部材検査装置およびその方法の
提供を目的とする。 【構成】 光源10から発した光束を拡散透過率が異な
る周辺領域と中心領域とを有する拡散手段20により拡
散させて被検レンズ1を透過させ、この被検レンズをC
CDカメラ30により撮影する。画像処理装置40は、
画像出力に基づいて被検レンズの欠陥を判定し、被検レ
ンズ1の情報をモニタディスプレイ50に表示する。光
源10は、移動手段60によって撮影手段の光軸方向X
に沿って移動可能であり、移動により被検レンズに入射
する中心領域からの光束と周辺領域からの光束とのバラ
ンスを調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、主としてプラスチッ
ク製の透明な光学部材を検査する装置に関し、特に画像
処理技術を用いた装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、カメラの撮影レンズ系やファイン
ダーには、軽量化、低コスト化を図るため、プラスチッ
ク製の光学部材が多く利用される傾向がある。
【0003】プラスチック製の光学部材には、射出成形
の際に型に残って炭化したプラスチック等のゴミが内部
に入り込む可能性があると共に、ガラス製の光学部材と
比較して材質が柔らかいためにキズが付きやすく、製品
として組み立てる前の検査が重要となる。
【0004】従来、レンズ、プリズム等の光学部材の検
査は、熟練者が光学部材を強い光で照明しながら行う目
視検査に依存していた。
【0005】検査は、対象の光学部材が製品として使用
するに足る性能を満たしているか否か、すなわち良品と
して利用できるか不良品として廃棄されるかを判断する
ことを目的とする。
【0006】ゴミが混入した場合にはそのゴミの大き
さ、光軸方向の深さ、光軸からの距離等の要素が判断材
料となる。一方、キズが付いた場合には、キズの大き
さ、いずれの面にキズが付いているか、ゴミの光軸から
の距離等の要素が判断材料となる。
【0007】良品、不良品の判断に際して、ゴミが混入
した場合とキズが付いた場合とでは判断基準が異なり、
例えば同じ大きさでもゴミであれば許容されるがキズで
あれば許容されないといった場合があるため、検査者は
発生している不良がゴミであるかキズであるかの性状判
定を行いつつ、それぞれの不良の程度から良品、不良品
を判別する必要がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の検査方法では、良否判別の多くを検査者の主観
的な判断に負っているため、検査者が違う場合はもとよ
り、同一の検査者であっても体調等の違いにより判別基
準が変化する可能性があり、判断の均一性を保つことが
困難である。
【0009】
【発明の目的】この発明は、上述した従来技術の課題に
鑑みてなされたものであり、客観的な基準に基づいて光
学部材の良否を判断することができる光学部材検査装置
の提供を目的とし、さらに、被検物の状態に応じて欠陥
の抽出に最適な照明光が得られるような装置の提供を目
的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明にかかる光学部
材検査装置は、上記の目的を達成させるため、光源から
の光束を拡散透過率が低い中心領域と拡散透過率が高い
周辺領域とを有する拡散手段により拡散させて被検物に
入射させ、被検物を透過した光束が達する位置に設けら
れた撮影手段により被検物を撮影して被検物の欠陥を検
査するよう構成すると共に、光源を、拡散手段に対して
撮影手段の光軸方向に移動可能に構成したことを特徴と
する。
【0011】拡散手段の拡散透過率に上記のような分布
を持たせることにより、被検物には中心領域から射出し
た光と、周辺領域からの光軸に対して斜めに射出した光
とが入射するが、被検物の像は主として低輝度の中心領
域からの光により形成され、斜めに入射した周辺領域か
らの光は結像には関与しない。
【0012】そして、被検物に光を吸収する黒ゴミのよ
うな欠陥が存在すると、この欠陥に相当する部分は撮影
手段に到達する光量が減少するため、撮影画像内で周囲
の部品領域より低輝度の領域として現れる。一方、被検
物に光を散乱させるキズのような欠陥が存在すると、こ
の欠陥に相当する部分では中心領域からの低輝度の光は
散乱して減衰するものの、周辺領域からの高輝度の光が
散乱されて撮影手段に到達するため結果的に像面上での
欠陥部分の光量は増加し、撮影画像内で周囲の部品領域
より高輝度の領域として現れる。
【0013】したがって、一回の撮影で吸収性欠陥と散
乱性欠陥との性状の異なる欠陥を部品領域のベース輝度
より輝度が低い領域、高い領域として同時に検出でき
る。
【0014】また、光源が所定の開き角で発散する光を
拡散手段に向けて投光する場合、移動手段によって光源
を光軸方向に移動させることにより、吸収性の欠陥と散
乱性の欠陥とに対する抽出力のバランスを調整すること
が可能である。
【0015】すなわち、光源と拡散手段との距離が小さ
くなると、光源からの光束の拡散手段上での投光範囲が
小さくなるため、中心領域への入射光が増加し、周辺領
域への入射光が減少する。これにより、中心領域からの
光により形成される部品領域のベース輝度が高くなるた
め、ベース輝度と吸収性欠陥の輝度との差が大きくな
り、吸収性欠陥に対する抽出力が高くなる。
【0016】他方、光源と拡散手段との距離が大きくな
ると、光源からの光束の拡散手段上での投光範囲が大き
くなるため、中心領域への入射光が減少し、周辺領域へ
の入射光が増加する。これにより、ベース輝度が低くな
ると共に、散乱性欠陥で反射される周辺領域からの光束
が増加して散乱性欠陥の輝度は高くなるため、ベース輝
度と散乱性欠陥の輝度との差が大きくなり、散乱性欠陥
に対する抽出力が大きくなる。
【0017】従来の一般的な光学測定装置では、上記の
抽出力の調整のような被検物の状態変化への対処は、一
般にフィルタを選択的に光路に挿入することにより、あ
るいは、撮像後の画像変換処理により行なわれる。ただ
し、フィルターを用いる手法では調整が段階的となり、
連続的な調整は不可能である。また、画像変換処理を用
いる手法では、処理が複雑で画像処理装置にかかる負荷
が高くなり、設定に時間がかかるという問題がある。
【0018】これに対してこの発明の装置では、拡散透
過率が異なる2つの領域を有する拡散手段を用いたこと
により、この拡散手段に対して光源を移動させるのみで
抽出力の調整が可能となり、画像処理装置側の設定を変
更することなく、抽出力のバランスを連続的に調整でき
る。
【0019】拡散手段は、撮影手段の光軸に対してほぼ
垂直な平板状の部材として設けられる。拡散手段は、1
枚の拡散板の中央に、これより面積が小さい他の拡散板
を重ね合わせることにより構成することができ、あるい
は拡散透過率に分布を有する1枚の拡散板として構成す
ることもできる。
【0020】また、拡散手段の中心領域は、この中心領
域から垂直に射出した光束の範囲が被検物にほぼ一致す
るよう設定することが望ましい。これにより、撮影画像
において部品領域の像は低輝度の中心領域からの光束に
より形成され、背景領域の像は高輝度の周辺領域からの
光束により形成されるため、部品領域と背景領域とを輝
度の異なる領域として明確に区別することができる。し
たがって、部品領域を背景領域から分離する際の境界の
判別が容易となる。
【0021】さらに、拡散手段の中心領域と周辺領域と
は、共に被検物の平面形状と相似形とすることが望まし
い。上記のように中心領域から垂直に射出した光束の範
囲を被検物にほぼ一致させるためには、中心領域を被検
物と相似形にする必要がある。また、周辺領域について
は、被検物と相似形にすることにより、周辺領域から被
検物に斜めに入射する光の強度分布を一様にすることが
でき、欠陥の方向性によらずに検出精度を均一にするこ
とができる。
【0022】
【実施例】以下、この発明にかかる光学部材検査装置の
実施例を説明する。実施例の装置は、プラスチック製の
光学部材を検査対象とする。まず、図1にしたがってこ
の発明にかかる光学部材検査装置の光学系の原理につい
て説明する。
【0023】装置の光学系は、所定の開き角θで発散す
る光を投光する光源10と、この光源10から発した光
束を拡散させる第1、第2の拡散板21,22から構成
される拡散手段20と、拡散手段20を透過して被検物
である正レンズ1を透過した光束、および被検レンズ1
の周囲を通過した光束を取り込んで撮影する撮影手段と
してのCCDカメラ30とを備える。光源10は、移動
手段60によって撮影手段の光軸方向Xに沿って移動可
能とされている。
【0024】光源10および被検レンズ1は、CCDカ
メラ30の光軸上に配置されている。CCDカメラ30
は、撮影レンズ31とCCDセンサ32とから構成さ
れ、被検レンズ1の厚さ方向の中心付近をピント面Pと
するよう調整されている。すなわち、ピント面PとCC
Dセンサ32の受像面とは撮影レンズ31を介して光学
的に共役であり、ピント面P上の被検レンズ1の像は、
CCDセンサ上の符号Oで示す範囲に形成される。
【0025】CCDカメラ30の画像出力は、被検レン
ズの欠陥を判定する判定手段を備える画像処理装置40
において処理され、測定された被検レンズ1の情報が表
示手段であるモニタディスプレイ50に表示される。
【0026】第1、第2の拡散板21,22は、共に被
検レンズ1の平面形状とほぼ相似形状であり、第2の拡
散板22の方が第1の拡散板21より面積が小さい。こ
れらの拡散板21,22は、光軸がそれぞれの中心を通
るように、光軸に対して垂直に設けられている。また、
これらの拡散板は、同一、あるいは互いに異なる拡散透
過率を有しており、したがって拡散手段20を全体とし
て考えると、第1、第2の拡散板が重なる中心領域は拡
散透過率が低く、重ならない周辺領域は拡散透過率が相
対的に高くなる。
【0027】第2の拡散板22のサイズは、第2の拡散
板22から垂直に射出する光の範囲が被検レンズ1にほ
ぼ一致するよう定められている。これにより、中心領域
からの垂直射出成分は全て被検レンズ1に入射し、第1
の拡散板21を垂直に透過して第2の拡散板22を通ら
ない成分、すなわち周辺領域からの垂直射出成分は被検
レンズ1に入射しない。また、第1拡散板21の平面形
状を被検物の形状と相似に形成するのは、周辺領域から
の斜射出成分を被検物にあらゆる方向から均一に入射さ
せるためである。
【0028】図2は、被検レンズと拡散板21,22と
の平面形状の例を示す。図2(A-1)に示されるように被
検レンズが平面形状が矩形であるファインダー用レンズ
1aである場合には、第1、第2の拡散板21a,22
aの平面形状は図2(A-2)に示す通りの矩形とすること
が望ましい。また、図2(B-1)に示されるように被検レ
ンズが一般的な円形レンズ1bである場合には、各拡散
板21b,22bの平面形状は図2(B-2)に示される通
りの円形とすることが望ましい。なお、図2中の符号R
は、多数個取り金型により成形されたプラスチックレン
ズのランナ、符号Gはゲートを示す。
【0029】上記の構成で撮影された画像には、図3に
示されるように、周辺領域21の輝度の高い成分により
主として形成される高輝度の背景領域Bと、中心領域2
2の輝度の低い成分により主として形成される被検レン
ズの像(部品領域)Sとが含まれる。
【0030】中心領域22の形状と被検レンズ1の平面
形状とを相似形とすることにより、上記のように画像内
で被検レンズが配置された部品領域と背景領域との輝度
を明瞭に区分することができ、対象領域の分離処理がき
わめて容易となる。
【0031】ここで、被検レンズ1の表面または内部に
光を吸収する欠陥、例えば光学部材中に含まれる黒いゴ
ミが存在すると、レンズ像を形成する中心領域からの透
過光の一部が吸収されてCCDセンサ32に光が達しな
いため、図4に示されるように中間輝度の部品領域S内
に部品領域より輝度が低い欠陥像DLが発生する。
【0032】また、被検レンズ1の表面に光を散乱させ
る欠陥、例えば光学部材の表面に白いゴミやキズが存在
すると、この欠陥により光が散乱し、欠陥がなければC
CDセンサ32上のレンズ像の範囲Oに達しない周辺領
域からの高輝度の斜射出成分の一部がレンズ像の範囲に
達し、図5に示されるように中間輝度の部品領域S内に
部品領域より輝度が高い欠陥像DHが発生する。
【0033】例えば、あるX軸方向の走査線上に吸収性
の欠陥に基づく低輝度像DLと散乱性の欠陥に基づく高
輝度像DHとが存在する場合、この走査線に沿った画素
列の出力は図6(A)に示すとおりとなる。画像処理装置
40は、2つの閾値SH1,SH2を用いて2値化するこ
とにより、図6(B)(C)に示されるように性状の異なる2
種類の欠陥をそれぞれ独立して抽出することができる。
【0034】レンズの検査をする場合、欠陥の性状、大
きさ、発生位置により良品、不良品を判別する際の判定
基準が相違するため、性状の判定は必要である。実施例
のように一回の検査で欠陥の性状が判断できれば、欠陥
を検出した後にさらにその性状を特性するために検査す
るより検査の手順を簡略化することができる。
【0035】また、移動手段60により光源10を光軸
方向Xに移動させることにより、吸収性の欠陥と散乱性
の欠陥とに対する抽出力のバランスを調整することが可
能である。
【0036】被検物に入射する中心領域からの光束と周
辺領域からの光束との割合は、移動手段60による光源
10の光軸方向Xへの移動により変化する。すなわち、
光源10と拡散手段20との距離が短い場合には、図7
(A)に示されるように光源10からの光束の拡散手段2
0上での投光範囲R1は小さくなるため、中心領域への
入射光量が大きく、周辺領域への入射光量は小さい。
【0037】光源10と拡散手段20との距離が長くな
ると、図7(B),(C)に示されるように光源10からの光
束の拡散手段上での投光範囲R2,R3が次第に大きくな
るため、中心領域への入射光量が減少し、周辺領域への
入射光量が増加する。
【0038】光源10を拡散手段20に近接させると、
被検レンズ1への入射光に占める中心領域からの出射成
分の割合が比較的大きくなるため、ベース輝度が高くな
る。これと同時に、周辺領域の射出成分の割合が比較的
小さくなるため、散乱性の欠陥による高輝度領域の輝度
は低くなる。
【0039】なお、吸収性の欠陥個所においても、その
エッジ部分では光を散乱させる場合があり、周辺領域か
らの入射光量が大きい場合には吸収性欠陥による低輝度
領域の輝度も上昇する傾向にある。周辺領域からの入射
光量が少なければ、このエッジ部分による光束の散乱も
少なく、吸収性欠陥による低輝度領域の輝度はより小さ
くなる。
【0040】したがって、この場合には、図8に示され
るように、吸収性の欠陥部分の低輝度領域とベース輝度
との差が大きくなり、吸収性欠陥に対する検出能力が高
くなる。ただし、散乱性の欠陥による高輝度領域の輝度
とベース輝度との差は小さくなるため、散乱性の欠陥に
対する検出能力は相対的に低くなる。
【0041】他方、光源10を拡散手段20から離す
と、被検レンズ1への入射光に占める周辺領域の射出成
分の割合が比較的大きくなるため、散乱性の欠陥による
高輝度領域の撮影画面内での輝度が高くなる。これと同
時に、中心領域の射出成分の割合が比較的小さくなるた
め、部品領域のベース輝度が低くなる。
【0042】したがって、この場合には、図6(A)に示
されるように光を散乱させる欠陥部分の高輝度領域とベ
ース輝度との差が大きくなり、散乱性欠陥に対する検出
能力が高くなる。ただし、周辺領域からの入射光量が増
加することにより、エッジ部分での光の散乱により吸収
性欠陥による低輝度領域の輝度は大きくなるため、吸収
性の欠陥部分の低輝度領域とベース輝度との差は小さく
なり、吸収性の欠陥に対する検出能力は相対的に低くな
る。
【0043】図9は、照明ユニット120の具体的構成
を示す断面図である。ケーシング121の下側から図示
せぬ外部光源からの光を伝送する光ファイバー122が
導入されると共に、上側の開口には1枚の板状の拡散手
段20が取り付けられている。すなわち、この例では、
光ファイバー122の射出側端面が二次的な光源として
機能している。また、拡散手段は、この例では板状の第
1の拡散板21の中央部にシート状の第2の拡散板を貼
り付けることにより構成されている。
【0044】光ファイバー122の射出端部は、止めネ
ジ123によりケーシング121に固定されており、こ
の止めネジを緩めることにより、挿入のストロークを変
更することができる。光ファイバーからの光の射出角度
は一定であるため、光ファイバーの挿入ストロークを変
更すると、光源と拡散手段20との距離を変更するのと
同一の効果があり、拡散板の中心領域からの射出光量と
周辺領域からの射出光量との比率を調整することができ
る。この例では、これらの光ファイバー122の移動機
構が移動手段を構成している。
【0045】例えば、光ファイバー122が実線で示す
位置に固定されている際の投光範囲をR2、光ファイバ
ー122の射出端面を拡散板20側に近づけて二点鎖線
で示す位置に固定されている際の投光範囲をR1とすれ
ばR2>R1となる。射出端面が近接するほど投光範囲が
狭くなり、これに伴って被検レンズに入射する光束中の
周辺領域の射出成分の割合が減少し、中心領域からの射
出成分の割合が増加する。
【0046】なお、照明ユニット120のケーシング1
21は、ケーシングの一方側の側面に固定された摺動部
材124を介して図示せぬ本体に設けられたガイドレー
ル110にX方向にスライド可能に取り付けられてい
る。ガイドレール110には、スクリューロッド111
が取り付けられると共に、摺動部材124にはこのスク
リューロッド111に螺合するネジ孔が形成されてい
る。スクリューロッド111の上端に固定されたハンド
ル112をノブ112aを持って回転させることによ
り、照明ユニット120の光軸方向Xに沿った位置を任
意に調整することができる。
【0047】続いて、上記の装置を利用した検査の手順
を図10に示したフローチャートにしたがって説明す
る。図10(A)は実際の検査ループ、(B)は抽出力のバラ
ンスを調整する際の調整ループをそれぞれ示す。検査前
の準備として、検査対象となる光学部材に応じた部品に
関する情報をデータテーブルとしてロードする。また、
情報にしたがって部品形状に適した拡散板を選択すると
共に、撮影倍率を設定する。
【0048】検査の際には、CCDカメラから画像を入
力し(ステップA-1)、輝度の分布に基づいて被検レンズ
の像に対応する部品領域を背景領域から分離する(ステ
ップA-2)。
【0049】分離された部品領域の画像は、動的2値化
処理によりベース輝度より高輝度の散乱性の欠陥と、低
輝度の吸収性の欠陥とに分離され(ステップA-3)、分離
された部品領域内の2値画像から欠陥等の特徴量を抽出
し、抽出された結果に基づいて被検レンズの良否を判定
すると共に結果をモニタディスプレイ50上に表示する
(ステップA-4〜6)。
【0050】続けて検査する部品がある場合には部品を
交換し、ステップ1の部品入力からの処理を繰り返す
(ステップ7,8)。検査部品がなくなると検査を終了す
る。
【0051】調整ループは、検査中に被検レンズの状態
等の変化により欠陥が正確に抽出されなくなった場合
や、吸収性、あるいは散乱性の欠陥のいずれかに対する
判定規準がより厳しくなった場合等に実行され、被検レ
ンズに入射する中心領域からの光束と周辺領域からの光
束とのバランスを調整することにより、結果的に検査装
置の判定規準を変更する。
【0052】調整ループでは、検査ループと同様に被検
物を撮影して2値化し、判定された欠陥を表示させる
(ステップB-1〜6)。そして、検査者が表示された欠陥と
実際の被検レンズの欠陥とを比較して欠陥が正しく抽出
されているか否かを判断する(ステップB-7)。抽出が誤
っている場合には、光源10を移動させ(ステップB-
8)、調整がOKとなるまでて繰返し判定を実行する。
【0053】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、被検物を撮影した画像に基づいて画像処理の手法に
より被検物の欠陥を検出することができるため、光学部
材の客観的で安定した評価が可能となる。また、光軸に
近い中心領域と周辺領域とで拡散透過率が異なる拡散手
段を用いることにより、一回の撮影で光学部材に含まれ
る性状の異なる2種類の欠陥を同時に検出することがで
きる。
【0054】さらに、光源を拡散手段に対して光軸方向
に移動させることにより、被検物に入射する中心領域か
らの光束と周辺領域からの光束とのバランスを調整する
ことができ、吸収性の欠陥と散乱性の欠陥とに対する抽
出力のバランスを調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例にかかる光学部材検査装置
を示す光学系の概略と処理系のブロックとを含む説明図
である。
【図2】 図1の装置における被検物の形状と拡散手段
の形状とを対比して示す説明図である。
【図3】 図1の装置により撮影される被検レンズに欠
陥がない場合の画像を示す説明図である。
【図4】 図1の装置により撮影される被検レンズに吸
収性の欠陥がある場合の画像を示す説明図である。
【図5】 図1の装置により撮影される被検レンズに散
乱性の欠陥がある場合の画像を示す説明図である。
【図6】 周辺領域から被検レンズに入射する光束の割
合が比較的大きい場合の画像の1走査線上の輝度分布の
例を示し、(A)が原画像信号、(B)が低輝度成分を2値化
した信号、(C)が高輝度成分を2値化した信号である。
【図7】 光源と拡散手段との距離の変化に伴う拡散手
段上での光束の投光範囲の変化を示す説明図である。
【図8】 周辺領域から被検レンズに入射する光束の割
合が比較的少ない場合の画像の1走査線上の輝度分布を
示す原画像信号の説明図である。
【図9】 照明ユニットの具体的構成を示す断面図であ
る。
【図10】 (A)は図1の装置の検査処理全体を示すフ
ローチャート、(B)はその調整の手順を示すフローチャ
ートである。
【符号の説明】
1 被検レンズ 10 光源 20 拡散手段 21 第1の拡散板 22 第2の拡散板 30 CCDカメラ 31 撮影レンズ 32 CCDセンサ 40 画像処理装置 50 モニタディスプレイ 60 移動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木田 敦 東京都板橋区前野町2丁目36番9号 旭光 学工業株式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光源と、 拡散透過率の高い周辺領域と拡散透過率の低い中心領域
    とを有し、前記光源から発した光束を拡散させる拡散手
    段と、 該拡散手段を透過して被検物である光学部材を透過した
    光束を受光する位置に設けられ、前記被検物を撮影する
    撮影手段と、 該撮影手段から出力される画像信号に基づいて前記被検
    物の欠陥を判定する判定手段と、 前記光源を前記拡散手段に対して前記撮影手段の光軸方
    向に移動させる移動手段とを備えることを特徴とする光
    学部材検査装置。
  2. 【請求項2】前記光源は、所定の開き角で発散する光を
    前記拡散手段に向けて投光することを特徴とする請求項
    1に記載の光学部材検査装置。
  3. 【請求項3】前記拡散手段は、前記撮影手段の光軸とほ
    ぼ垂直に配置された一様な拡散透過率を有する第1、第
    2の拡散板を備え、該第2の拡散板は、前記中心領域を
    規定するよう前記第1の拡散板の中央部に配置されてい
    ることを特徴とする請求項1に記載の光学部材検査装
    置。
  4. 【請求項4】前記拡散手段の中心領域は、該中心領域か
    ら垂直に射出した光束の範囲が前記被検物にほぼ一致す
    るよう設定されていることを特徴とする請求項1に記載
    の光学部材検査装置。
  5. 【請求項5】前記拡散手段の各領域は、前記被検物の平
    面形状と相似形であることを特徴とする請求項4に記載
    の光学部材検査装置。
  6. 【請求項6】前記光源は、外部光源からの光を伝送する
    光ファイバーの射出側端面であることを特徴とする請求
    項1に記載の光学部材検査装置。
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