JPH10170402A - 光学部材検査装置及び光学部材検査方法 - Google Patents

光学部材検査装置及び光学部材検査方法

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JPH10170402A
JPH10170402A JP32738696A JP32738696A JPH10170402A JP H10170402 A JPH10170402 A JP H10170402A JP 32738696 A JP32738696 A JP 32738696A JP 32738696 A JP32738696 A JP 32738696A JP H10170402 A JPH10170402 A JP H10170402A
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JP
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optical member
image
defect
finder
lens
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Application number
JP32738696A
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English (en)
Inventor
Toshihiro Nakayama
利宏 中山
Hiroyuki Suzuki
啓之 鈴木
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Pentax Corp
Original Assignee
Asahi Kogaku Kogyo Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ファインダー中において物体の像に近接して
配置される面の良否判定を他の位置に比して厳しく行う
ことができる光学部材検査装置及び光学部材検査方法を
提供する。 【解決手段】ファインダーの完成時点においては、ポロ
プリズムPの第1面P1上には対物レンズによる物体の
実像が形成される。検査時においては、ポロプリズムP
の第1面P1は、撮影レンズLに対向するように配置さ
れ、第5面P5から照明光が導入される。この時ポロプ
リズムP内の各位置における照明光の角度範囲は、その
位置から第5面P5を見たときの立体角の範囲に制限さ
れる。従って、欠陥が第1面P1上にある場合には、欠
陥によって散乱した散乱光が撮影レンズLに入る可能性
が最も低く、欠陥がコントラストの高い暗部として映し
込まれる。また、欠陥の位置が第1面P1から離れるの
に従って、欠陥によって散乱した散乱光が撮影レンズL
に入る可能性が高くなり、欠陥のコントラストが低くな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、カメラ等のファイ
ンダーを構成する光学部材の欠陥を検出するための光学
部材検査装置及び光学部材検査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ファインダーの一形式として、光路中に
配置した視野枠の近傍において一旦物体の実像を結ばせ
るとともに、この物体の実像を接眼レンズによって拡大
した状態で観察者に観察させるものがある。このような
形式のファインダーは、実像式ファインダーとして、一
眼レフカメラ,一部のコンパクトカメラ,ビデオカメ
ラ,等に用いられている。また、距離連動式カメラのレ
ンジファインダーでは、測距側光学系の光路中において
物体の実像を結ばせた後に、逆ガリレオ式ファインダー
による物体の虚像に重ねてこの物体の実像を観察者に観
察させる構成となっている。また、ビデオカメラの電子
式ファインダーでは、液晶パネル上の映像を接眼レンズ
によって拡大した状態で観察者に観察させる構成になっ
ている。
【0003】図8は、このようなファインダーのうち、
コンパクトカメラ又はビデオカメラに用いられる実像式
ファインダーの構成を示している。図8において、物体
からの光は、対物レンズ群L1,L2によって収束され
つつ、光軸Aに沿って進行する。そして、直角プリズム
Mによって左右を反転された後に、ポロプリズムPの第
1面P1上に形成された視野枠Fの内側に、物体の実像
を一旦結像する。その後、この光は、発散しつつポロプ
リズムP内部を進行し、第2面P2,第3面P3,第4面
4の順で内面反射された後に、第5面P5を通って外部
へ出射する。そして、接眼レンズL3によって屈折され
た後に、観察者の瞳に入射し、観察者の網膜上に物体及
び視野枠Fの実像を結像するのである。
【0004】このようなファインダーを構成する各光学
部材は、夫々、その内部において光路長を有しているの
で、その光路の全域にわたって欠陥(汚れ,ゴミ,キ
ズ,クラック,気泡,等)の有無が検査されなければな
らない。例えば、図8におけるポロプリズムPの場合に
は、内部全域における気泡やゴミの混入,入射面(第1
面P1),反射面(第2面P2〜第4面P4),及び出射
面(第5面P5)における汚れやゴミの付着,キズ等の
有無が、夫々検査される必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来においては、この
ような光学部材における光路長の全域(表面及び内部)
にわたる検査は、熟練者の目視による官能検査でなされ
ていた。
【0006】しかしながら、人間の目による官能検査で
は、良品と不良品との客観的な判定基準を規定したり、
その判定基準と検査結果との定量的比較をすることがで
きない問題があった。その結果、複数の検査者がいる場
合、検査者毎に良否判定基準がばらついてしまうので、
検査を合格した個々の製品の品質相互間にバラツキを生
じてしまっていた。また、同一人が検査する場合であっ
ても、慣れが生じるにつれて良否判定基準が厳しくなる
傾向があり、良品を不良品と判定してしまうことが多々
あった。。
【0007】なお、ファインダーは、観察者によって接
眼レンズ側から覗かれるものであり、観察者は、物体の
実像(ビデオカメラの電子式ファインダーの場合には液
晶パネル上の画像)に目の焦点を合わせて観察する。従
って、物体の像(映像)に近接して配置される面の欠陥
は、観察者がファインダーを覗いた時の見かけに及ぼす
影響が大きいので厳しく良否判定する必要がある。一
方、その面から離れた位置における欠陥については、そ
の面からの距離が大きくなるにつれて、観察者がファイ
ンダーを覗いた時の見かけに及ぼす影響が少なくなるの
で、良否判定を緩やかにするのが合理的である。
【0008】本発明は、このような点に鑑みてなされた
ものであり、ファインダーに含まれる光路長を有する光
学部材を撮像して得た映像に基づいて良否判定を行う光
学部材検査装置及び光学部材検査方法であって、ファイ
ンダー中において物体の像に近接して配置される面の欠
陥を他の位置における欠陥よりも強調して良否判定用の
画像中に映し込み、これによって、ファインダー中にお
いて物体の像に近接して配置される面の良否判定を他の
位置に比して厳しく行うことができる光学部材検査装置
及び光学部材検査方法の提供を、課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、以下の構成を採用した。即ち、請求項1
記載の発明は、接眼レンズを介して物体の像を観察者に
観察させるファインダーに含まれる光学部材を検査する
光学部材検査装置において、前記ファインダー内では前
記物体の像に近接して配置される前記光学部材の第1の
面に対向して配置される撮影レンズと、前記ファインダ
ーの光路上において前記第1の面とは反対側に位置する
前記光学部材の第2の面から、前記光路に沿って前記光
学部材に照明光を導入する照明手段と、前記撮影レンズ
によって形成される前記第1の面の像を撮像する撮像手
段と、この撮像手段によって撮像された画像中における
前記光学部材の欠陥を示す部位を数値化する数値化手段
と、この数値化手段によって数値化された数値が所定の
判定基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを備え
たことを特徴とする。
【0010】請求項1記載の発明によると、照明手段に
よって、照明光が第2の面から光学部材内に導入され
る。この照明光は、光路に沿って光学部材内を進んで、
第1の面に入射する。従って、第1の面に入射する照明
光の角度は、この第1の面中の一点から第2の面を見た
ときの立体角の範囲に限られる。従って、この照明光が
第1の面上の欠陥に当たって散乱した場合、散乱光が撮
影レンズに入射する可能性は低いので、撮像素子によっ
て撮像された映像中では、この欠陥は、コントラストの
高い暗部として写り込むこととなる。なお、光学部材内
部に欠陥がある場合、この欠陥の位置が第1の面から離
れるに従って、この欠陥に当たる照明光の角度範囲が大
きくなり、散乱光が撮影レンズに入射する可能性が高く
なってくる。従って、撮像素子によって撮像された画像
中では、欠陥の位置が第1の面から離れるに従って、欠
陥を示す暗部のコントラストが低くなる。その結果、画
像中に表れている欠陥を数値化手段によって数値化し
て、数値化した数値が所定の判定基準値を超えたか否か
を判定手段によって判定すれば、ファインダー中におい
て物体の像に近接して配置される面の良否判定を他の位
置に比して厳しく行うことができる。
【0011】請求項2記載の発明は、請求項1の光学部
材がプリズムであることで、特定したものである。請求
項3記載の発明は、請求項2の第1の面には、前記ファ
インダー内において、このファインダーに含まれる対物
レンズによって物体の実像が結像されることで、特定し
たものである。
【0012】請求項4記載の発明は、請求項1の数値化
手段が、前記光学部材の欠陥を示す部位の面積と輝度と
に基づいて前記数値を算出することで、特定したもので
ある。
【0013】請求項5記載の発明は、請求項1の数値化
手段が、前記光学部材の欠陥を示す部位の面積と輝度と
を乗算することによって前記数値を算出することで、特
定したものである。
【0014】請求項6記載の発明は、接眼レンズを介し
て物体の像を観察者に観察させるファインダーに含まれ
る光学部材を、撮影レンズとこの撮影レンズによって形
成された像を撮像する撮像手段とを有する検査装置によ
って検査する光学部材検査方法において、前記ファイン
ダー内では前記物体の像に近接して配置される前記光学
部材の第1の面を前記撮影レンズに向けた状態で、この
光学部材を前記撮影レンズの光軸上に配置し、前記ファ
インダーの光路上において前記第1の面とは反対側に位
置する前記光学部材の第2の面から、前記光路に沿って
前記光学部材に照明光を導入し、前記撮影レンズによっ
て形成された像を前記撮像手段によって撮像し、前記撮
像手段によって撮像された画像中の前記光学部材の欠陥
を示す部位を数値化し、数値化された数値が所定の判定
基準値を超えたか否かを判定することを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、図面に基づいて、本発明の
実施の形態を説明する。この実施形態は、本発明による
光学部材検査装置及び光学部材検査方法を、接眼レンズ
L3を介して物体の像を観察者に観察させる図8に示さ
れるファインダに含まれている光学部材であるポロプリ
ズムPの検査に適する様に、構成したものである。 <光学部材検査装置の構成>図1は、本実施形態による
光学部材検査装置の概略側視図である。図1に示すよう
に、この光学部材検査装置の基台1の一端縁近傍には、
支柱2が立てられている。そして、この支柱2の先端近
傍における側面には、ステー3を介して、レンズ鏡筒4
が固定されておいる。そして、このレンズ鏡筒4におけ
る基台1とは反対側の開口端には、撮像手段としての撮
像素子(CCDエリアセンサ)5aを内蔵したテレビカ
メラ5が取り付けられている。
【0016】上述のレンズ鏡筒4には、全体として正レ
ンズ群からなり且つ撮像素子5aの表面上に像を形成す
る撮影レンズLが内蔵されている。この撮影レンズLの
光軸は、支柱2の軸方向と平行な方向を向き、撮像素子
5aの中心を通っている。また、撮影レンズLは、図示
せぬ焦点調節機構によってその光軸に沿って移動するこ
とによって、撮像素子5aの表面に対するピント位置
(撮像素子5aの表面と共役になる位置)を調整するこ
とができる。また、この撮影レンズL内には、絞り値を
自由に設定できる絞り11が設けられている。
【0017】一方、基台1上面における撮影レンズLの
光軸の延長線上には、検査対象光学部材を固定するため
のサンプル保持台6が配置されている。検査対象光学部
材としてのポロプリズムPは、ファインダー完成時にお
いて対物レンズ群L1,L2による物体の実像が結像さ
れる第1面P1(ファインダー内では物体の像に近接し
て配置される光学部材の第1の面)を撮影レンズLに対
向させた状態で、サンプル保持台6上に固定される。よ
り詳しく述べると、ポロプリズムPの第1面P 1は、そ
の中央において撮影レンズLの光軸と直交するように、
サンプル保持台6上に固定される。その結果、撮影レン
ズLの光軸は、ポロプリズムP内において各反射面(第
2面P2,第3面P3,第4面P4)によって夫々折り曲
げられて、第5面P5と直交する。図8に示したよう
に、この第5面P5は第1面P1に対して直交しているの
で、撮影レンズLの光軸は、ポロプリズムPによって最
終的に90度曲げられて、ポロプリズムPの側方に延び
る。このポロプリズムPによって曲げられた光軸は、拡
散板7の中央を貫き、光源10の中心に当たっている。
【0018】この拡散板7は、光源10から出射される
照明光を拡散してポロプリズムPの第5面P5(ファイ
ンダーの光路上において第1の面とは反対側に位置する
光学部材の第2の面)に導入するディフューザであり、
光源1とともに照明手段を構成している。
【0019】なお、テレビカメラ5内の撮像素子5aか
ら出力された画像データは、画像処理装置8に入力され
る。この画像処理装置8は、検査対象光学部材が良品で
あるか不良品であるかの判定を行う数値化手段及び判定
手段としてのプロセッサである。即ち、画像処理装置8
は、撮像素子5aから入力された画像データに対して所
定の画像処理を行い、検査対象光学部材の欠陥の程度を
数値化するとともに、この数値を一定の判定基準値(許
容値)と比較し、この数値が判定基準値内に収まってい
るか超えているかの判定を行う。この画像処理装置8
は、これらの処理を実行するために第1メモリ8a,第
2メモリ8b及び第3メモリ8cを有している。
【0020】表示装置9は、撮像素子5aからの画像デ
ータに基づく画像(撮像素子5aによって撮像された画
像)をそのまま表示するとともに、画像処理装置8によ
る判定結果を表示する。
【0021】次に、撮影レンズLの諸条件について説明
を行う。図2は、図1から基台1,支柱2,ステー3,
及び表示装置9を省略するとともに、撮影レンズLの光
軸を直線化して、この直線化した光軸に沿ってポロプリ
ズムPを展開することによってこのポロプリズムPを四
角柱状の光学部材として表現した光学構成図である。
【0022】図2において、撮影レンズLの撮像素子5
aに対するピント位置は、ポロプリズムPの第1面P1
に合わせられている。従って、この第1面P1上にゴミ
やキズ等の欠陥がある場合には、これら欠陥の像が、撮
像素子5aの表面上に明瞭に形成される。ところで、一
般に、レンズ(正レンズ系)の焦点距離(f)と入射瞳
径(D)とFナンバーとの間には、下記式(1)によっ
て表される関係がある。
【0023】 F=f/D ……(1) 従って、このポロプリズムPが組み込まれるファインダ
ーの接眼レンズL3及び観察者の瞳からなる光学系の物
体側有効Fナンバー(FOA)は、接眼レンズL3の視度
が0ディオプターであれば、下記式(2)によって表さ
れる。
【0024】 FOA=接眼レンズの焦点距離/観察者の瞳径 ……(2) 通常、接眼レンズL3の焦点距離は30mm未満であっ
て、明所での人間の瞳の径は3mm程度であるので、F
OAは下記式(2')の通りとなる。
【0025】 FOA=30/3 =10 ……(2') このように算出される接眼レンズL3及び観察者の瞳か
らなる光学系の物体側有効Fナンバー(FOA)と撮影レ
ンズLの物体側有効Fナンバー(FOB)とが同じであれ
ば、観察者が接眼レンズL3を覗いた時と同じ見え方の
映像が撮像素子5aによって撮像される。但し、実際に
は、人間の眼は無意識のピント調整が可能であるので、
ピント面の前後における或る程度の範囲にピントを合わ
せることができてしまう。また、検査を多少厳しくする
必要もある。
【0026】従って、撮像レンズLの絞り11は、式
(2)によって求められたFOAの値(接眼レンズの焦点
距離/観察者の瞳径)に対応する絞り値以上(式(2')
が成立する前提下においては、10以上)となるよう
に、絞り込まれている。その結果、撮影レンズLの被写
界深度は、観察者が接眼レンズL3を覗いた時の被写界
深度と同じになっている。従って、観察者が接眼レンズ
L3を覗いて物体の実像に目の焦点を合わせた時に見え
る映像が、そのままの見え方で、撮像素子5aによって
撮像される。
【0027】なお、式(1)によると、Fナンバーが一
定である場合には、撮影レンズLの焦点距離(f)は、
この撮影レンズLの入射瞳径(D)に影響を及ぼすこと
がわかる。そして、この入射瞳径(D)が小さくなりす
ぎると、拡散板7の光軸上部分から発散してポロプリズ
ムPの中心を通って入射瞳に入射する光束量に比べて、
拡散板7の周辺部分から発散してポロプリズムPの側面
近傍を通って入射瞳に入射する光束量が極端に少なくな
ってしまう。その結果、図5に示すように、撮像素子5
aによって撮像される映像中においても、ポロプリズム
Pの第5面P5に対応した領域の周辺部分()が、中
央部分()よりも暗くなってしまう。このような光量
差が許容範囲を超えて大きくなると、画像処理におい
て、この暗い部分が欠陥でないにも拘わらず欠陥である
とみなされてしまう恐れがある。
【0028】このような光量差の発生は、ポロプリズム
Pの第1面P1から出射される光線のうち、少なくと
も、光軸と平行な全ての光線を撮影レンズLの入射瞳に
入射させることにより、欠陥抽出に影響しない程度に抑
えることができる。このようにポロプリズムPの第1面
1から光軸と平行に出射される全ての光線を撮影レン
ズLの入射瞳に入射させるには、撮影レンズLの入射瞳
径(D)をポロプリズムPの第1面P1の対角線長
(d)よりも大きくすれば良い。この関係は、下記式
(3)によって表される。
【0029】 D>d ……(3) 一方、式(1)において、Fを物体側有効Fナンバー
(FO),fを物体から主点までの距離a(但し、a>
0)と置き換えると、下記式(4)が得られる。
【0030】 FO=a/D D=a/FO ……(4) 従って、式(4)を式(3)に代入することによって、
下記式(5)が得られる。
【0031】 a/FO>d a>d・FO ……(5) また、主点から像までの距離をb(但し、b>0)とす
ると、焦点距離f及び像倍率Mとの関係は、下記式
(6),(7)によって示される。
【0032】 b/a=M ……(6) 1/a+1/b=1/f ……(7) これら式(6)及び式(7)から焦点距離fを解くと、
式(8)の通りになる。
【0033】 f=a(M/(M+1)) ……(8) 式(8)に式(5)を代入すると、下記式(9)が得ら
れる。 f>d・FO・(M/(M+1)) >ポロプリズムPの第1面P1の対角線長・ 接眼レンズL3の焦点距離/観察者の瞳径・ (M/(M+1)) ……(9) この式(9)に従って、撮像レンズLの焦点距離(f)
が設定されているので、光軸と平行な全ての光線が撮像
レンズLの入射瞳に入射する。なお、Mは、撮像素子5
aの受光面の大きさに基づいて設定される。
【0034】なお、図3に示される補正レンズ12は、
瞳の位置合わせのために挿入されている。次に、以上の
ような構成の光学系によって、第1面P1上の欠陥を画
像データ中に強調して映し込むとともに、それ以外の位
置における欠陥を第1面P1からの距離が遠くなるに従
って弱くなるように映し込むための原理を、図2を参照
して、説明する。
【0035】図2において、ポロプリズムPの内面(光
路と平行な内面)における内反射を無視すれば、拡散板
7の各部位から発散した光のうち、ポロプリズムPの第
5面P5から入射して第1面P1上の一点に達する光の角
度の範囲は、この一点から第5面P5を見たときの立体
角内に限られる。従って、このポロプリズムPにおいて
は第5面P5から第1面P1までの距離が十分長く確保さ
れていることから、この角度の範囲は非常に狭く、第1
面P1上の一点に入射する光は撮影レンズLの光軸に対
して平行に近くなっている。よって、第1面P1上に欠
陥があった場合、この欠陥に当たった光が散乱しても、
その散乱光の大部分が第5面P5の方へ戻ってしまうの
で、散乱光が撮影レンズLの入射瞳へ入射する可能性は
殆どない。従って、撮像素子5aによって撮像された画
像データ(映像)中においては、第1面P1上の欠陥
は、完全な陰となり、周囲の明部に比してコントラスト
の高い暗部として写り込むのである。
【0036】一方、第2面P2上の一点に達する光の角
度の範囲は、この一点から第5面P5を見たときの立体
角内であり、第1面P1上の一点に達する光の角度の範
囲よりも若干大きくなっている。よって、第2面P2
に欠陥があった場合、この欠陥に当たった光が散乱し、
散乱光の一部が撮影レンズLの入射瞳へ入射する可能性
は、第1面P1上の欠陥の場合よりも高くなっている。
従って、撮像素子5aによって撮像された画像データ
(映像)中においては、第2面P2上の欠陥は、第1面
1上の欠陥よりもコントラストが多少低い暗部として
写り込む。同様にして、画像データ(映像)中における
欠陥のコントラストは、第3面P3,第4面P4,第5面
5の順に低くなってゆく。
【0037】その結果、図9(a)に網掛けで示す第1
面P1から所定距離Xまでの範囲(接眼レンズL3を覗
き込んで目の焦点を第1面P1に合わせた観察者の目の
被写界深度とほぼ一致)では、欠陥(ポロプリズムP内
部の欠陥を含む)は、高いコントラストの暗部として画
像データ(映像)中に写り込む。そして、この範囲を超
えた範囲に位置する欠陥は、第1面P1からの距離に応
じてそのコントラストが低くなった暗部として、この画
像データ(映像)中に写り込むのである。 <画像処理>次に、検査対象光学部材(ポロプリズム)
が良品であるか不良品であるかの判定を行うために画像
処理部8において実行される画像処理の内容を、図4の
フローチャートを用いて説明する。
【0038】この画像処理は、画像処理部4に接続され
た図示せぬ検査開始ボタンが押下されることによりスタ
ートする。そして、スタート後最初S01では、画像処
理部4は、サンプル(検査対象光学部材)のセットを促
す指示を、表示装置9上に表示する。
【0039】次のS02では、画像処理部4は、撮像素
子5aから入力された画像データのうちの一フレーム
を、第1メモリ8a内に取り込む。次のS03では、画
像処理部4は、第1メモリ8aに格納されている画像デ
ータ(撮像画像)から、検査対象領域(ポロプリズムP
の第1面P1に対応する領域)に該当する部分を抽出し
て、二値化処理を行う。この二値化処理においては、画
像処理部4は、抽出した画像データを構成する各画素の
輝度値(0〜255)に対して平滑化処理を行うととも
に平滑化後の各画素の輝度値(0〜255)を一律に所
定量減算して閾値データを作成する。そして、検査対象
領域から抽出した画像データを構成する各画素の輝度値
(0〜255)と閾値データ中の対応する画素の輝度値
(0〜255)とを比較し、前者が後者を下回っている
画素については第2メモリ8bの対応位置に輝度値25
5を書き込み、前者が後者以上である画素については第
2メモリ8bの対応位置に輝度値0を書き込む。この二
値化処理の完了時点において第2メモリ8bに格納され
ている画像データ(二値化画像)は、観察者が見たとき
に気になる程濃い(コントラストが高い)暗部に対応す
る部分のみが白く浮き上がった画像となっている。
【0040】次のS04では、画像処理部4は、第1メ
モリ8aに格納されている撮像画像を反転して、第3メ
モリ8cに格納する。即ち、撮像画像を構成する各画素
の輝度値を255から減じた計算結果を、第3メモリ8
cの対応箇所に書き込むのである。
【0041】次のS05では、画像処理部4は、第2メ
モリ8bに格納されている二値化画像と第3メモリ8c
に格納されている画像データ(反転画像)との論理積を
算出する。即ち、二値化画像を構成する画素の値(8ビ
ットパラレルのデジタル値)及び反転画像を構成する画
素の値(8ビットパラレルのデジタル値)のうちの対応
するもの同士の論理積を算出し、算出結果を第3メモリ
8cに書き込むのである。この論理積算出の結果、第3
メモリ8cに格納されている反転画像のうち、二値化画
像の白い画素[255]の領域に対応する部分のみがそ
のまま抽出され、他の部分の画素の数値は全て0とな
る。
【0042】次のS06では、画像処理部5は、S05
の結果抽出された各領域(二値化抽出物)の面積を、夫
々計測する。次のS07では、画像処理部5は、S05
の結果抽出された各領域(二値化抽出物)の平均輝度
を、夫々算出する。
【0043】次のS08では、画像処理部5は、各領域
(二値化領域)毎にS06にて計測された面積とS07
にて算出された平均輝度とを乗算することによって「評
価値」を算出し、算出した「評価値」に基づいて検査対
象光学部材の良否判定を行う。即ち、所定の閾値を超え
ている「評価値」が一つでもあれば不良品であると判定
し、所定の閾値を超えている「評価値」が一つもなけれ
ば良品であると判定する。
【0044】S08にて不良品であると判定した場合に
は(S09)、画像処理部5は、S10において、「不
良である」旨を表示装置9上に表示する。これに対し
て、S08にて良品であると判定した場合には(S0
9)、画像処理部5は、S11において、「良である」
旨を表示装置9上に表示する。以上により、検査処理が
終了する。 <光学部材検査装置による検査手順>本実施形態による
光学部材検査装置によって光学部材を検査する時には、
検査者は、検査対象光学部材をサンプル保持台6上に固
定する。この際、その検査対象光学部材の入射面及び出
射面のうち、この検査対象光学部材がファインダーに組
み込まれた状態において対物レンズ群L1,L2による
像の結像位置(電子式ファインダーの場合には液晶パネ
ル)に近接して配置される側の面が、撮影レンズLに対
向される。
【0045】次に、検査者は、この検査対象光学部材が
組み込まれるファインダー中の接眼レンズの焦点距離,
人間の瞳径(3mm),検査対象光学部材の撮影レンズ
Lに対向している面の最大径(対角線長)及び撮像倍率
(M)から、上述の式(9)に基づいて撮影レンズLの
焦点距離(f)を求める。
【0046】次に、検査者は、接眼レンズの焦点距離及
び人間の瞳径(3mm)から、上述の式(2')に基づい
て撮影レンズLの物体側有効Fナンバー(FOB)を決定
する。そして、決定された物体側有効Fナンバー
(FOB)に合わせて絞り11を絞り込む。
【0047】次に、検査者は、表示装置9上に表示され
る検査対象光学部材の映像を見ながらレンズ鏡筒4内の
図示せぬ焦点調節機構を操作し、この検査対象光学部材
がファインダーに組み込まれた状態において対物レンズ
群L1,L2による像の結像位置(電子式ファインダー
の場合には液晶パネル)に近接して配置される面に、撮
像素子5aに対する撮影レンズLのピント位置(又は、
撮影レンズLと補正レンズ12とからなる光学系のピン
ト位置)を合わせる。
【0048】この作業が完了した後に、検査者は、光源
10を点灯させるとともに画像処理部4に接続された図
示せぬ検査開始ボタンを押下して、画像処理をスタート
させる。検査対象光学素子を通過した光を撮影レンズL
が収束することよって形成される画像が、撮像素子5a
によって撮像される(S02)。このようにして撮像さ
れる画像の模式図を、図6に示す。図6において、欠陥
候補1は、像の結像位置により近くなる側の面上におけ
る小さなゴミに対応する暗部であり、欠陥候補2は、像
の結像位置により近くなる側の面上における大きなゴミ
に対応する暗部であり、欠陥候補3は、像の結像位置に
より近くなる側の面からやや離れた面上におけるゴミに
対応する暗部である。
【0049】画像処理部8は、画像データ中における閾
値よりも暗い領域のみを反転・抽出する(S03〜S0
5)。図6の画像に含まれる各暗部(欠陥候補1〜3)
は、その輝度断面を表す図7に示されている様に、何れ
も所定の閾値よりも暗い。従って、これら各欠陥候補1
〜3が、夫々反転・抽出されるのである。
【0050】そして、画像処理部8は、抽出した各領域
(二値化領域)毎に、その領域の面積及び平均輝度を乗
算することによって「評価値」を算出し、所定の基準値
を超えている「評価値」が一つでもあるか否かに基づい
て、検査対象光学部材の良否判定を客観的に行う。その
結果、面積が非常に大きい領域(図6における欠陥候補
2及び欠陥候補3)については、平均輝度の高低に拘わ
らず「評価値」が大きくなるので、検査対象光学部材が
不良品であると判定することができる。また、平均輝度
が非常に高い領域(図6における欠陥候補1及び欠陥候
補2)については、面積の大小に拘わらず「評価値」が
大きくなるので、検査対象光学部材が不良品であると判
定することができる。これに対して、面積が小さく且つ
平均輝度が低い領域については、「評価値」が小さくな
るので、検査対象光学部材が良品であると判定すること
ができる。なお、ある面積及び平均輝度が何れも中頃で
ある領域については、「評価値」と閾値との大小関係如
何に依って、良否が判定されることになる。
【0051】このように、本実施形態の光学部材検査装
置によれば、光路長を有する光学部材の良否を客観的基
準に従って判定することができる。さらに、本実施形態
の光学部材検査装置によれば、図9(b)に示すよう
に、同じ大きさの欠陥であっても、対物レンズ群L1,
L2による像の位置に近いほど、画像データ中でのコン
トラストが高くなる故に厳しく判定され(S08におけ
る乗算結果が大きくなる)、像の位置から遠くなるにつ
れて画像データ中でのコントラストが低くなる故に判定
が甘くなる(S08における乗算結果が小さくなる)。
【0052】
【発明の効果】以上のように構成された本発明の光学部
材検査装置及び光学部材検査方法によれば、ファインダ
ーに含まれる光路長を有する光学部材を撮像して得た映
像に基づいて良否判定を行うことができる。しかも、こ
のとき、ファインダー中において物体の像に近接して配
置される面の欠陥を他の位置における欠陥よりも強調し
て良否判定用の映像中に映し込み、これによって、ファ
インダー中において物体の像に近接して配置される面の
良否判定を他の位置に比して厳しく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態による光学部材検査装置
の概略側視図
【図2】 図1における撮影レンズの光軸を直線化して
示した光学構成図
【図3】 図2において補正レンズ12を追加した状態
を示す光学構成図
【図4】 図1の画像処理部8において実行される画像
処理の内容を示すフローチャート
【図5】 周辺光量が低下した状態の画像例を示す模式
【図6】 欠陥がある場合の画像例を示す模式図
【図7】 図6における輝度断面を示す図
【図8】 検査対象光学部材としてのポロプリズムを含
むファインダー光学系の斜視図
【図9】 ポロプリズムの各面の位置,被写界深度,及
び良否判定の厳しさの関係を示す図
【符号の説明】
5a 撮像素子 7 拡散板 10 光源 11 絞り L 撮影レンズ L3 接眼レンズ P ポロプリズム

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】接眼レンズを介して物体の像を観察者に観
    察させるファインダーに含まれる光学部材を検査する光
    学部材検査装置において、 前記ファインダー内では前記物体の像に近接して配置さ
    れる前記光学部材の第1の面に対向して配置される撮影
    レンズと、 前記ファインダーの光路上において前記第1の面とは反
    対側に位置する前記光学部材の第2の面から、前記光路
    に沿って前記光学部材に照明光を導入する照明手段と、 前記撮影レンズによって形成される前記第1の面の像を
    撮像する撮像手段と、 この撮像手段によって撮像された画像中における前記光
    学部材の欠陥を示す部位を数値化する数値化手段と、 この数値化手段によって数値化された数値が所定の判定
    基準値を超えたか否かを判定する判定手段とを備えたこ
    とを特徴とする光学部材検査装置。
  2. 【請求項2】前記光学部材はプリズムであることを特徴
    とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  3. 【請求項3】前記第1の面には、前記ファインダー内に
    おいて、このファインダーに含まれる対物レンズによっ
    て物体の実像が結像されることを特徴とする請求項2記
    載の光学部材検査装置。
  4. 【請求項4】前記数値化手段は、前記光学部材の欠陥を
    示す部位の面積と輝度とに基づいて前記数値を算出する
    ことを特徴とする請求項1記載の光学部材検査装置。
  5. 【請求項5】前記数値化手段は、前記光学部材の欠陥を
    示す部位の面積と輝度とを乗算することによって前記数
    値を算出することを特徴とする請求項1記載の光学部材
    検査装置。
  6. 【請求項6】接眼レンズを介して物体の像を観察者に観
    察させるファインダーに含まれる光学部材を、撮影レン
    ズとこの撮影レンズによって形成された像を撮像する撮
    像手段とを有する検査装置によって検査する光学部材検
    査方法において、 前記ファインダー内では前記物体の像に近接して配置さ
    れる前記光学部材の第1の面を前記撮影レンズに向けた
    状態で、この光学部材を前記撮影レンズの光軸上に配置
    し、 前記ファインダーの光路上において前記第1の面とは反
    対側に位置する前記光学部材の第2の面から、前記光路
    に沿って前記光学部材に照明光を導入し、 前記撮影レンズによって形成された像を前記撮像手段に
    よって撮像し、 前記撮像手段によって撮像された画像中の前記光学部材
    の欠陥を示す部位を数値化し、 数値化された数値が所定の判定基準値を超えたか否かを
    判定することを特徴とする光学部材検査方法。
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