JPH083336A - 木目付き積層管と木目付き積層管用の複合プリプレグおよびそれらの製造方法 - Google Patents

木目付き積層管と木目付き積層管用の複合プリプレグおよびそれらの製造方法

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JPH083336A
JPH083336A JP14472194A JP14472194A JPH083336A JP H083336 A JPH083336 A JP H083336A JP 14472194 A JP14472194 A JP 14472194A JP 14472194 A JP14472194 A JP 14472194A JP H083336 A JPH083336 A JP H083336A
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JP
Japan
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prepreg
resin
impregnated
glass
wood grain
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JP14472194A
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English (en)
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Hidetoshi Shigefuji
秀俊 重藤
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Ryobi Ltd
Original Assignee
Ryobi Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 木目外観および木材の特性を有するゴルフシ
ャフトやビリヤードキュー等の積層管用の複合プリプレ
グを得る。 【構成】 エポキシ樹脂を過分に含浸させたガラスプリ
プレグ2を離型紙3の上へ貼り付け、ガラスプリプレグ
2の上へ、厚さ50μmのスライスシート単体1aを隙
間なく貼り合せる。両面シリコンコーティングした離型
紙4を載置し、0.5kg/cm2の加圧下で80℃で15秒
間加熱する。加圧下で加熱されることにより、ガラスプ
リプレグ2に含浸されたエポキシ樹脂がスライスシート
単体1aに含浸し、スライスシート単体1aとガラスプ
リプレグ2とが一体化され、複合プリプレグAが得られ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、木目付き積層管およ
びその製造方法に関し、特に、作業性に優れた製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】特公昭53−4874号
公報には、以下の様な銘木化粧パイプの製造方法が開示
されている。
【0003】ガラス繊維織布にフェノール樹脂を含浸さ
せて、所望の大きさのフェノール樹脂含浸ガラス繊維織
布を作る。つぎに、天然木を0.25mm〜0.30mm
の厚さの多数のツキ板に加工し、乾燥させた後、フェノ
ール樹脂ワニスに浸漬し、所望の大きさのフェノール樹
脂含浸ツキ板を作る。つぎに、前記フェノール樹脂含浸
ガラス繊維織布を離形剤を介して芯金に巻きつける。こ
の上に、前記フェノール樹脂含浸ツキ板を巻き、セロハ
ンテープを巻き、加熱、加圧することにより、木目を有
する円柱型パイプを得ることができる。
【0004】しかしながら、上記銘木化粧パイプの製造
方法においては、次のような問題点があった。木目を有
する円柱型パイプは外面がツキ板であるので、傷が付き
やすく、また変色するおそれがある。また、ツキ板にフ
ェノール樹脂を含浸させただけのフェノール樹脂含浸ツ
キ板は、べとべとで取扱性が悪く、さらに、芯金に巻き
つける時に割れるおそれがある。この割れの問題につい
ては、パイプの肉厚を薄くする為に、前記ツキ板の厚み
を薄くした場合に特に問題となる。
【0005】この考察は、上記のような問題点を解決
し、傷、変色のおそれがなく、作業性のよい木目付き積
層管および木目付き積層管用の複合プリプレグおよびそ
れらの製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1の木目付き積層
管用の複合プリプレグの製造方法においては、天然木を
30μm 〜100μm の厚さにスライスし、これを乾燥
させたスライスシート単体を準備するとともに、ガラス
プリプレグへ熱硬化性樹脂を過分に含浸させた樹脂含浸
ガラスプリプレグを準備し、前記スライスシート単体を
複数枚重ならないように、前記樹脂含浸ガラスプリプレ
グ上に置くことにより、貼り合せプリプレグを形成し、
前記貼り合わせプリプレグの表裏両面を離型紙で覆い、
前記樹脂含浸ガラスプリプレグに含浸された熱硬化性樹
脂が前記各スライスシート単体へ含浸するように、加圧
下にて加熱し、前記離型紙を除去することにより、木目
付き積層管用の複合プリプレグを得ること、を特徴とす
る。
【0007】請求項2の木目付き積層管の製造方法にお
いては、請求項1の製造方法により製造した木目付き積
層管用の複合プリプレグを、前記樹脂含浸ガラスプリプ
レグ面を外側にして芯金に巻きつけることにより木目付
き積層管を得ることを特徴とする。
【0008】請求項3の木目付き積層管の製造方法にお
いては、前記複合プリプレグの内層として、高強度また
は高弾性の有機繊維の内層、または無機繊維および熱硬
化性樹脂で構成した高強度あるいは高弾性の内層を有す
ることを特徴とする。
【0009】請求項4の木目付き積層管用の複合プリプ
レグにおいては、 A)熱硬化された樹脂が空間に充填された硬化樹脂ガラ
スプリプレグ、 B)以下のb1)〜b3)の特徴を有するスライスシート単体
集合部、 b1)天然木を30μm〜100μmの厚みにスライスして形成し
たスライスシート単体から構成されており、 b2)前記硬化樹脂ガラスプリプレグの上に位置し、 b3)熱硬化された樹脂が空間に充填されており、この樹
脂と前記硬化樹脂ガラスプリプレグに充填された樹脂に
よって、前記硬化樹脂ガラスプリプレグと一体化されて
いる、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項5の木目付き積層管においては、請
求項4の木目付き積層管用の複合プリプレグを、前記硬
化樹脂ガラスプリプレグ面を外側にして芯金に巻きつけ
て形成したことを特徴とする。
【0011】
【作用】請求項1の木目付き積層管用の複合プリプレグ
の製造方法においては、熱硬化性樹脂を過分に含浸させ
た樹脂含浸ガラスプリプレグ上へ、前記スライスシート
単体を重ならないように置き、前記樹脂含浸ガラスプリ
プレグに含浸された熱硬化性樹脂が前記各スライスシー
ト単体へ含浸するように、加圧下にて加熱する。このよ
うに、前記スライスシート単体には予め熱硬化性樹脂を
含浸させないことにより、前記スライスシート単体の取
扱が容易である。また、製造された木目付き積層管用の
複合プリプレグについては、前記スライスシート単体と
前記ガラスプリプレグとが一体化されているので、芯金
に巻きつける時にスライスシート単体が割れるおそれが
ない。
【0012】請求項2の木目付き積層管の製造方法にお
いては、請求項1の製造方法により製造した木目付き積
層管用の複合プリプレグを、前記樹脂含浸ガラスプリプ
レグ面を外側にして芯金に巻きつけることにより木目付
き積層管を得ている。このように、前記ガラスプリプレ
グ面を外側にすることにより、前記ガラスプリプレグ面
を保護膜として機能させることができる。なお、前記ガ
ラスプリプレグは透明であるので、木目が外観上に表れ
る。
【0013】請求項3の木目付き積層管の製造方法にお
いては、前記複合プリプレグの内層として、高強度また
は高弾性の有機繊維の内層、または無機繊維および熱硬
化性樹脂で構成した高強度あるいは高弾性の内層を有す
る。したがって、より高強度または高弾性の木目付き積
層管を得ることができる。
【0014】請求項4の木目付き積層管用の複合プリプ
レグにおいては、前記硬化樹脂ガラスプリプレグは熱硬
化された樹脂が空間に充填されており、前記スライスシ
ート単体集合部は、天然木を30μm〜100μmの厚みにス
ライスして形成したスライスシート単体から構成されて
おり、熱硬化された樹脂が空間に充填されており、この
樹脂と前記硬化樹脂ガラスプリプレグに充填された樹脂
によって、前記硬化樹脂ガラスプリプレグと一体化され
ている。このように、前記スライスシート単体を30μm
〜100μmの厚みとすることにより、前記スライスシート
単体には予め熱硬化性樹脂を含浸させなくとも、熱硬化
性樹脂を過分に含浸させた樹脂含浸ガラスプリプレグ上
へ置き、加圧下にて加熱することにより、前記樹脂含浸
ガラスプリプレグに含浸された熱硬化性樹脂を、前記各
スライスシート単体へ含浸させることができる。
【0015】請求項5の木目付き積層管においては、請
求項4の木目付き積層管用の複合プリプレグを、前記硬
化樹脂ガラスプリプレグ面を外側にして芯金に巻きつけ
て形成している。このように、前記ガラスプリプレグ面
を外側にすることにより、前記ガラスプリプレグ面を保
護膜として機能させることができる。なお、前記ガラス
プリプレグは透明であるので、木目が外観上に表れる。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0017】[第1実施例]図2に示すように、カエデ
の角材(120mm×120mm×1000mm)をスライス
して厚さa=50μm、巾b=120mm、長さL=10
00mm(重さ42.5g/m2)のスライスシート単体1a
を製作する。これを80℃で4時間乾燥させ、乾燥させ
たスライスシート単体1aを得る。
【0018】つぎに、ガラスクロス(日東紡、WE05
E 50g/m2 )へエポキシ樹脂を46.5wt% になるよ
う含浸させ、半乾燥させて93.5g/m2の樹脂含浸ガラ
スプリプレグ2を得る。このようにして、熱硬化性樹脂
を多目に含浸させたガラスプリプレグ2が得られる。
【0019】得られたガラスプリプレグ2を、図1に示
すように、両面をシリコンコーティングした離型紙3の
上へ貼り付ける。このガラスプリプレグ2の上面へ前記
スライスシート単体1aを所要枚数、重ならないよう隙
間なく置き、貼り合せプリプレグを得る。
【0020】この貼り合わせプリプレグの上面へ、両面
シリコンコーティングした離型紙4を載置し、0.5kg/
cm2の加圧下で80℃で15秒間加熱する。
【0021】このように、加圧化で加熱されることによ
り、ガラスプリプレグ2に含浸された熱硬化性樹脂であ
るエポキシ樹脂が、前記各スライスシート単体1aに含
浸し、各スライスシート単体1a同志およびガラスプリ
プレグ2とが一体化される。これを−25℃で2時間冷
却した後、離型紙3、4を除去して、複合プリプレグA
が得られる。
【0022】すなわち、複合プリプレグAは、熱硬化さ
れた樹脂が空間に充填された硬化樹脂ガラスプリプレグ
およびスライスシート単体集合部を備えている。このス
ライスシート単体集合部は、熱硬化された樹脂が空間に
充填された複数のスライスシート単体から構成されてい
る。また、この硬化樹脂ガラスプリプレグとこのスライ
スシート単体集合部とは、前記スライスシートに充填さ
れた樹脂と前記硬化樹脂ガラスプリプレグに充填された
樹脂によって、一体化されている。
【0023】得られた複合プリプレグAについて、樹脂
の浸透度を計測する為に、複合プリプレグAからガラス
プリプレグ2を除いたスライスシート単体集合部1の重
量を測定したところ、スライスシート単体集合部1には
エポキシ樹脂が32wt% 含浸しており、また、樹脂の浸
透程度は、ほぼ均一であった。
【0024】また、前記複合プリプレグAの物性を計測
する為に、複合プリプレグAを冷却して、ガラスプリプ
レグ2から分離した前記スライスシート単体集合部1を
20mm×300mmに裁断し、これを横方向5枚×厚み方
向5枚の計25枚重ね合せて、図3に示すように、積層
板Bを形成した。積層板Bの物性を測定した結果、曲げ
弾性率1773kg/mm2、1 層厚さ0.104mm、曲げ強
度23kg/mm2、比重1.31であった。(重量136g/m
2) このように、複合プリプレグAにおいては、過分に樹脂
を含浸させたガラスプリプレグ2と天然木の極薄スライ
スシートとを貼り合せ、加熱、加圧している。これによ
り、スライスシート単体1aに樹脂の浸透を容易に行な
え得るだけでなく、樹脂がスライスシート単体1a内部
の気泡の除去に有効に働く。
【0025】さらに、もしスライスシート単体1aに樹
脂の浸透が不充分であっても、後述するように、積層管
成型時に更に加熱および加圧を長時間(エポキシ樹脂の
場合、130℃で2時間)行うことにより、スライスシ
ート単体1a内部に残存する気泡は逃げ、樹脂はさらに
スライスシート単体1aの内部へ浸透する。すなわち、
樹脂が他の繊維との密着性を向上させるよう機能する。
【0026】また、複合プリプレグAにおいては、ガラ
スプリプレグ2と一体化されたスライスシート単体1a
を有しているので、天然木が本来有する弾性率1000
〜1500kg/mm2にほぼ近似した物性が得られる。な
お、この物性は、ガラスの比率の増加や、クロスの経
糸、緯糸の比率を変えることによって任意に変えること
ができる。
【0027】[第2実施例]図4に示すように、先径
d’=φ4.88mm、元径d=φ10.88mm 、有効長
さl=920mm の芯金6を準備する。前記複合プリプ
レグA(図2参照)を、先端巾c’=303mm 、元巾
c=586mm 、長さl=920mm に裁断する。裁断し
た複合プリプレグを、そのガラス面が外側になるように
芯金6に巻きつけ、500kg 、30℃の条件下で加
熱、加圧しながら捲着する。
【0028】この外周へ、厚さ40μm 、巾15mmのポ
リプロピレンテープ(図示せず)を張力6Kgで捲き付け
た後、130℃で2時間加熱し、硬化させる。つぎに、
通常の方法により芯金6を分離し、前記ポリプロピレン
テープを除去し、両端を研削する。これを布パフで研磨
し、ポリウレタン樹脂で塗装する。このようにして、図
5に示すような、先径D’=φ8mm、元径D=φ14m
m、長さl=920mm、重量58gの積層管Eが得られ
る。なお、図6は、図5のVI−VI線断面図である。
【0029】これにパターヘッド及びグリップ(ともに
図示せず)を装着し、ゴルフボールを試打したところ、
柔かなタッチで、かつフィーリングが良く、振動減衰性
の良いゴルフシャフトを得ることができた。
【0030】[第3実施例]この実施例は、高強度また
は高弾性の有機繊維の内層を有する実施例である。図7
に示すように、先径φ5mm、元径φ12.8mm、有効長
さ1120mmの芯金6を準備し、この芯金6に炭素繊維
プリプレグ(東レ、3052−15)を±45°に裁断
したシートを3層捲着して第1内層7を層成する。この
第1内層7の外周へ、前記炭素繊維プリプレグ(東レ、
3052−15)を軸線に対し0°になるように裁断し
たシートを3層捲着して、第2内層8を層成する。この
第2内層8へ、前記複合プリプレグAを重ね合せ代を含
んだ1 .1 層分に裁断し、そのガラス面が外側になるよ
うに捲着し、以下前述の第2実施例と同様の工程を経
て、ゴルフシャフトFが得られる。
【0031】このゴルフシャフトFは、先径φ8.5mm
、元径φ15.2mm、長さ1120mmであった。又、天
然木の模様Mが入った美麗な外観を有していた。
【0032】[第4実施例]この実施例は、無機繊維お
よび熱硬化性樹脂で構成した高強度あるいは高弾性の内
層を有する実施例である。図8に示すように、先径φ1
1.14mm 、元径φ17.68mm 、有効長さ704mm
の芯金61を準備し、この芯金61に、ガラスプリプレ
グ(日東紡WP24Dにエポキシ樹脂を32wt%含浸さ
せたもの)を、先端巾172mm 、元巾476mm 、長さ
703mm に裁断して捲着し、内層17を層成する。こ
の内層17の外周へ、前記複合プリプレグAを、先端巾
123mm、元巾199mm、長さ703mm に裁断(3層
分相当)し、そのガラス面が外側になるように捲着し、
以下、第2実施例と同様の工程によって積層管Gを得
る。
【0033】この積層管Gに、図9に示すように、タッ
プ、先円、ジョイント、バット金具を装着して、総重量
540g、全長1480mmのビリヤードキューHが得ら
れる。なお、図9のX−X断面を図10に示す。ビリヤ
ードキューHは、圧縮歪み、曲げ撓み、振動減衰性等の
物性をクリヤーし、フィーリングが良く、外観も美麗
で、曲り、反りのないビリヤードキューであった。
【0034】なお、先端径φ18.21mm 、元径φ2
6.62mm 、長さ730mmの芯金(図示せず)へ、上記
ガラスプリプレグ(日東紡WP24Dにエポキシ樹脂を
32wt% 含浸させたもの)を先端巾360mm 、元巾8
42mm 、長さ730mm に裁断して捲着し、内層を層成
し、この内層の外周へ、前述の複合プリプレグAを先端
巾225mm、元巾327mm、長さ730mm に裁断(3
層分相当)し、そのガラス面が外側となるように捲着
し、以下、ビリヤードキューHと同様の工程を経て、他
のビリヤードキューを得ることもできる。
【0035】[他の応用例]このように、本発明にかか
る木目付き積層管および木目付き積層管用の複合プリプ
レグにおいては、乾燥したスライスシート単体1aの内
部に、熱硬化性樹脂が充分に浸透する。したがって、木
材が有する吸水、吸湿、乾燥による曲り、反り、割れ、
変色等を防止することができるとともに、木材の有する
弾性率、強度、振動減衰性等の特性を発揮できる。さら
に美麗なる天然木目の外観を得られるので、例えば外
観、打球感等のフィーリングが要求されるゴルフシャフ
トやビリヤードキュー等の外、広範囲に活用できる。
【0036】また、高強度または高弾性の有機繊維の内
層、または無機繊維および熱硬化性樹脂で構成した高強
度あるいは高弾性の内層に、その外層として、複合プリ
プレグAを捲着してなるものでは、各スライスシート単
体1aへの樹脂浸透が不充分であっても、成型時の加
圧、加熱によって、内部の気泡は逃げ、樹脂はさらに各
スライスシート単体1a内部へ浸透し、他の繊維との密
着性が向上する。したがって、美麗な天然木目の外観を
有するだけでなく気泡のない、強度的にも優れた木目付
き積層管を得ることができる。
【0037】さらに、内層の高強度、高弾性繊維、マト
リックスとも接着性の高い材料であり、その投入比率に
よっては、天然木に近似した弾性率、振動減衰性、圧縮
弾性率が得られ、外観上は天然木そのままのものが得ら
れる。さらに、天然木の曲り、反り、割れ、変色等も防
止できる。
【0038】また、この木目付き積層管用の複合プリプ
レグAにおいては、ガラスプリプレグ2へ過分に樹脂を
含浸し、これを天然木のスライスシート単体1aと貼り
合せ、これを加圧、加熱して構成したことにより、スラ
イスシート単体1aの内部に樹脂が浸透した美麗な天然
木目模様を有する。したがって、木目付き積層管の基材
に用いて好適であり、しかも簡単な工程で製作すること
ができる。
【0039】さらに、複合プリプレグAにおいては、天
然木が本来有する弾性率にほぼ近似した物性が得られ、
しかも、この物性は、ガラスの比率の増加や、クロスの
経糸、緯糸の比率を変えることによって任意に変えるこ
とができる。また前記ガラス面を研磨代とすることもで
きる。
【0040】なお、本実施例においては、熱硬化性樹脂
を過分に含浸させるプリプレグとしてガラスプリプレグ
を用いたが、特にこれに限られることなく、成型後、透
明になる材料であれば、ガラスの外にセラミックス、超
高分子ポリエチレン等のどのようなものであってもよ
い。
【0041】また、本実施例においては、熱硬化性樹脂
としてエポキシ樹脂を用いたが、熱硬化性を有する樹脂
であればどのようなものであってもよく、例えば、メラ
ミン樹脂、フェノール樹脂、炭素系樹脂等の他の熱硬化
性樹脂を用いてもよい。
【0042】なお、本実施例においては、高強度または
高弾性を有する無機繊維および熱硬化性樹脂で構成され
た内層として、日東紡WP24Dにエポキシ樹脂32wt
%含浸させたガラスプリプレグを用いたが、これに限ら
れることなく、高強度または高弾性を有する無機繊維お
よび熱硬化性樹脂で構成された内層を有するものであれ
ばどのようなものであってもよい。
【0043】また、本実施例においては、高強度または
高弾性の有機繊維の内層を有する実施例として、炭素繊
維プリプレグ(東レ、3052−15)の第1内層7お
よび、この外周へ、前記炭素繊維プリプレグを軸線に対
し0°になるように裁断したシートを3層捲着した第2
内層8という2層からなる内層を用いたが、1層または
3層以上であってもよく、また、これに限られることな
く、他の高強度または高弾性の有機繊維、例えば、アラ
ミド繊維、ボロン繊維、チタンなどの各種の金属繊維等
を用いてもよい。
【0044】
【発明の効果】請求項1の木目付き積層管用の複合プリ
プレグの製造方法においては、熱硬化性樹脂を過分に含
浸させた樹脂含浸ガラスプリプレグ上へ、前記スライス
シート単体を重ならないように置き、前記樹脂含浸ガラ
スプリプレグに含浸された熱硬化性樹脂が前記各スライ
スシート単体へ含浸するように、加圧下にて加熱する。
このように、前記スライスシート単体には予め熱硬化性
樹脂を含浸させないことにより、前記スライスシート単
体の取扱が容易である。また、製造された木目付き積層
管用の複合プリプレグについては、前記スライスシート
単体と前記ガラスプリプレグとが一体化されているの
で、芯金に巻きつける時にスライスシート単体が割れる
おそれがない。特に、パイプの肉厚を薄くする為に、前
記スライスシート単体の厚みを薄くした場合に、取扱容
易でかつ割れを確実に防止できる。これにより、作業性
のよい木目付き積層管用の複合プリプレグの製造方法を
提供することができる。
【0045】請求項2の木目付き積層管の製造方法にお
いては、請求項1の製造方法により製造した木目付き積
層管用の複合プリプレグを、前記樹脂含浸ガラスプリプ
レグ面を外側にして芯金に巻きつけることにより木目付
き積層管を得ている。このように、前記ガラスプリプレ
グ面を外側にすることにより、前記ガラスプリプレグ面
を保護膜として機能させることができる。これにより、
傷、変色のおそれがない木目付き積層管の製造方法を提
供することができる。
【0046】請求項3の木目付き積層管の製造方法にお
いては、前記複合プリプレグの内層として、高強度また
は高弾性の有機繊維の内層、または無機繊維および熱硬
化性樹脂で構成した高強度あるいは高弾性の内層を有す
る。したがって、より高強度または高弾性の木目付き積
層管を得ることができる。これにより、傷、変色のおそ
れがなく、かつ高強度または高弾性の木目付き積層管の
製造方法を提供することができる。
【0047】請求項4の木目付き積層管用の複合プリプ
レグにおいては、前記硬化樹脂ガラスプリプレグは熱硬
化された樹脂が空間に充填されており、前記スライスシ
ート単体集合部は、天然木を30μm〜100μmの厚みにス
ライスして形成したスライスシート単体から構成されて
おり、熱硬化された樹脂が空間に充填されており、この
樹脂と前記硬化樹脂ガラスプリプレグに充填された樹脂
によって、前記硬化樹脂ガラスプリプレグと一体化され
ている。このように、前記スライスシート単体を30μm
〜100μmの厚みとすることにより、前記スライスシート
単体には予め熱硬化性樹脂を含浸させなくとも、熱硬化
性樹脂を過分に含浸させた樹脂含浸ガラスプリプレグ上
へ置き、加圧下にて加熱することにより、前記樹脂含浸
ガラスプリプレグに含浸された熱硬化性樹脂を、前記各
スライスシート単体へ含浸させることができる。これに
より、作業性のよい木目付き積層管用の複合プリプレグ
を提供することができる。
【0048】請求項5の木目付き積層管においては、請
求項4の木目付き積層管用の複合プリプレグを、前記硬
化樹脂ガラスプリプレグ面を外側にして芯金に巻きつけ
て形成している。このように、前記ガラスプリプレグ面
を外側にすることにより、前記ガラスプリプレグ面を保
護膜として機能させることができる。これにより、傷、
変色のおそれがない木目付き積層管の製造方法を提供す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る複合プリプレグAの成型工程を示
す斜視図である。
【図2】スライスシート単体1aを示す斜視図である。
【図3】複合プリプレグAの物性を測定する為の積層板
Bを示す斜視図である。
【図4】第2実施例における芯金と複合プリプレグAを
夫々示す平面図である。
【図5】第2実施例における積層管Eの側面図である。
【図6】図5におけるVI−VI線拡大横断面図である。
【図7】第3実施例を一部切欠して示す斜視図である。
【図8】第4実施例を一部切欠して示す斜視図である。
【図9】第4実施例の積層管を用いて作成したビリヤー
ドキューの側面図である。
【図10】図9におけるX−X線拡大横断面図である。
【符号の説明】
1・・・・スライスシート単体集合部 1a・・・スライスシート単体 2・・・・ガラスプリプレグ 7・・・・内層 8・・・・中間層 A・・・・複合プリプレグ B・・・・積層板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然木を30μm 〜100μm の厚さにス
    ライスし、これを乾燥させたスライスシート単体を準備
    するとともに、ガラスプリプレグへ熱硬化性樹脂を過分
    に含浸させた樹脂含浸ガラスプリプレグを準備し、 前記スライスシート単体を複数枚重ならないように、前
    記樹脂含浸ガラスプリプレグ上に置くことにより、貼り
    合せプリプレグを形成し、 前記貼り合わせプリプレグの表裏両面を離型紙で覆い、
    前記樹脂含浸ガラスプリプレグに含浸された熱硬化性樹
    脂が前記各スライスシート単体へ含浸するように、加圧
    下にて加熱し、 前記離型紙を除去することにより、木目付き積層管用の
    複合プリプレグを得ること、 を特徴とする木目付き積層管用の複合プリプレグの製造
    方法。
  2. 【請求項2】請求項1の製造方法により製造した木目付
    き積層管用の複合プリプレグを、前記樹脂含浸ガラスプ
    リプレグ面を外側にして芯金に巻きつけることにより木
    目付き積層管を得ること、 を特徴とする木目付き積層管の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項2の木目付き積層管の製造方法にお
    いて、 前記複合プリプレグの内層として、高強度または高弾性
    の有機繊維の内層、または無機繊維および熱硬化性樹脂
    で構成した高強度あるいは高弾性の内層を有すること、 を特徴とする木目付き積層管の製造方法。
  4. 【請求項4】A)熱硬化された樹脂が空間に充填された
    硬化樹脂ガラスプリプレグ、 B)以下のb1)〜b3)の特徴を有するスライスシート単体
    集合部、 b1)天然木を30μm〜100μmの厚みにスライスして形成し
    たスライスシート単体から構成されており、 b2)前記硬化樹脂ガラスプリプレグの上に位置し、 b3)熱硬化された樹脂が空間に充填されており、この樹
    脂と前記硬化樹脂ガラスプリプレグに充填された樹脂に
    よって、前記硬化樹脂ガラスプリプレグと一体化されて
    いる、 を備えたことを特徴とする木目付き積層管の複合プリプ
    レグ。
  5. 【請求項5】請求項4の木目付き積層管用の複合プリプ
    レグを、前記硬化樹脂ガラスプリプレグ面を外側にして
    芯金に巻きつけて形成したこと、を特徴とする木目付き
    積層管。
JP14472194A 1994-06-27 1994-06-27 木目付き積層管と木目付き積層管用の複合プリプレグおよびそれらの製造方法 Pending JPH083336A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2346563A (en) * 1999-02-09 2000-08-16 Yu Kuo Pin Billiard cues.
US7128659B1 (en) * 2003-10-17 2006-10-31 Ming-Hsien Lee Golf club shaft made of fiber composite material and metal material

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