JPH08333482A - シリカにより強化されたトレッドを有するタイヤ - Google Patents

シリカにより強化されたトレッドを有するタイヤ

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JPH08333482A
JPH08333482A JP8145296A JP14529696A JPH08333482A JP H08333482 A JPH08333482 A JP H08333482A JP 8145296 A JP8145296 A JP 8145296A JP 14529696 A JP14529696 A JP 14529696A JP H08333482 A JPH08333482 A JP H08333482A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 シリカによって強化されたトレッドを有する
タイヤを提供する。 【解決手段】 本発明はシリカによって定量的に強化さ
れたゴムトレッドを有するタイヤに関し、ここでトレッ
ドは基本的な3種のエラストマー、すなわち溶液重合で
製造されたスチレン/ブタジエンコポリマーゴム、シス
1,4ポリブタジエンゴム及び高ビニルポリブタジエン
ゴムから成る。所望によって、この基本的なエラストマ
ー組成物は少量のシス1,4−ポリイソプレン天然ゴム
を含むことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はシリカによって定量的に
(quantitatively)強化されたゴムトレッドを有するタ
イヤに関する。一面において、トレッドは定量のシリカ
またはシリカとカーボンブラクとの組み合わせによって
強化された、基本的な3種のエラストマーを含んで成
る。一面において、トレッドゴムは溶液重合で製造され
たスチレン/ブタジエンコポリマーゴム、シス1,4ポ
リブタジエンゴム及び高ビニルポリブタジエンゴムから
成る基本的な3種のエラストマーを含んで成ることが必
要である。所望によって、この基本的なエラストマー組
成物は少量のシス1,4−ポリイソプレン天然ゴムを含
む。
【0002】
【従来の技術】空気入りゴムタイヤは、種々のゴムのブ
レンドであることができるゴムトレッドであって、典型
的にカーボンブラックによって強化されたもので通常製
造される。
【0003】一面において、ゴムは、望まれるタイヤト
レッド特性、特にころがり抵抗、けん引力及び耐摩耗性
を主としたタイヤトレッド特性のバランスを達成する目
的のために評価され、選択されそしてブレンドされる。
【0004】タイヤ及び特にタイヤトレッドのような用
途を含む、ゴムを利用する種々の用途のために、実質的
な量の強化充填剤を含む硫黄硬化ゴムが利用される。カ
ーボンブラックはそのような目的のために慣用され、そ
して硫黄硬化ゴムのために通常良好な物理的特性を与え
るか高める。粒状シリカもときどき、特にシリカがカッ
プリング剤と結合して使用されるときにそのような目的
のために使用される。場合によってはシリカとカーボン
ブラックとの組み合わせがタイヤ用トレッドを含む種々
のゴム製品のための強化充填剤に利用される。
【0005】種々のゴム組成物が種々の目的のために製
造されており、そのうちのいくつかはタイヤトレッドを
含み、このトレッドはある程度の1,2−配置(ビニル
含量とも呼ばれる)を含むポリブタジエンを含む。その
ような種々の組成物の代表的なものは、例えば25〜5
0%のそのモノマー単位を1,2位置に含むポリブタジ
エンのタイヤトレッドに関する米国特許第393768
1号のような種々の特許明細書中に教示されているもの
を含む。英国特許第1166832号は、少なくとも5
0%のそのモノマー単位を1,2−位置に含む「高ビニ
ル」ブタジエンゴムのタイヤトレッドに関する。米国特
許第4192366号は「中ビニル」ポリブタジエンの
組成物及びその天然ゴムとのブレンドに関し、ここでそ
のような組成物はあるカーボンブラックを含むことが要
求される。米国特許第3978165号は、(a)「中
ビニル」ポリブタジエン、(b)ポリブタジエン及び
(c)ブタジエン/スチレンゴムから成る、タイヤトレ
ッドに有用であると教示される組成物に関する。ドイツ
DE番号2936−72はポリイソプレンゴム及び所望
によりシスポリブタジエンまたはスチレン/ブタジエン
ゴムと混合された、35〜70%の1,2−単位を含む
ポリブタジエンの混合物に関する。米国特許第3827
991号、4220564号及び4224197号は少
なくとも70%の1,2配置を含有するポリブタジエン
と種々の他のゴムとの組み合わせに関する。米国特許第
4192366号は、過剰の硫黄で硬化された、シス−
ポリイソプレンゴムと中ビニルポリブタジエンゴムとの
ブレンドのトレッドを有するタイヤに関する。米国特許
第4530959号は中ビニルポリブタジエン、シス
1,4−ポリイソプレンゴム及びスチレン/ブタジエン
コポリマーゴムから成るトレッドを有するタイヤに関
し、ここで中ビニルポリブタジエンゴムは、米国特許第
4230841号の教示に従って、ブタジエンを極性調
節剤及ジビニルベンゼンの存在下に重合することによっ
て製造できる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】通常、もしシリカがカ
ップリング剤なしで使用されるとカーボンブラックはシ
リカよりもより効果的なゴムタイヤ用強化充填剤である
と見なされるということを認識することが重要である。
【0007】実際に、少なくともカーボンブラックとの
比較では、もしシリカがカップラーなしで使用されるな
ら、シリカをタイヤトレッドを含むほとんどの目的のた
めのゴム用強化充填剤ならしめるためのシリカ粒子とゴ
ムエラストマーとの間の物理的及び/または化学的結合
が欠如しているかまたは少なくとも不十分な程度である
傾向がある。そのような欠点を克服するために種々の処
理及び手順が工夫されているが、シリカ表面及びゴムエ
ラストマー分子双方と反応できる化合物、すなわちその
ような技術分野においてカップリング剤またはカップラ
ーとして一般に公知の化合物がしばしば使用される。例
えば、そのようなカップリング剤はシリカ粒子と予備混
合若しくは予備反応されることができ、またはゴム/シ
リカ加工若しくは混合段階の間にゴム混合物に添加され
得る。もしカップリング剤及びシリカがゴム/シリカ混
合または加工段階の間にゴム混合物に別々に添加される
のなら、カップリング剤は次にその場でシリカと結合す
ると考えられる。
【0008】詳細には、そのようなカップリング剤は一
般に、シリカ表面と反応可能な構成成分または部分(シ
ラン部)及びゴム特に炭素−炭素二重結合または不飽和
を含む硫黄加硫性ゴムと反応可能な構成成分または部分
とを含むシランから成る。この方法で、カップラーはシ
リカとゴムとの間の連結橋として働き、そしてそれによ
ってシリカのゴム強化の面を高める。
【0009】一面において、カップリング剤のシランは
明らかにシリカ表面への結合を、多分加水分解を通じて
形成し、そしてカップリング剤のゴム活性成分はゴム自
体と結合する。通常カップラーのゴム反応性の成分は温
度に感受性であり、そしてゴム/シリカ/カップリング
剤混合段階に続く最後のそしてより高い温度の硫黄加硫
段階の間、したがって、カップリング剤のシラン基がシ
リカと結合した後にゴムと結合する傾向にある。しか
し、カップラーの典型的な熱感受性に部分的に起因し
て、ある程度の化合または結合は、加硫段階以前の初期
のゴム/シリカ/カップラー混合段階中にカップリング
剤のゴム−反応性成分とゴムとの間に起こり得る。
【0010】カップラーのゴム−反応性基成分は、例え
ばメルカプト、アミノ、ビニル、エポキシ、及び硫黄基
のような1以上の基でありことができ、好ましくは硫黄
またはメルカプト部分そしてさらに好ましくは硫黄であ
る。
【0011】例えばビス−(3−トリエトキシシリルプ
ロピル)テトラスルフィド(例えば米国特許第3873
489号)の如きポリスルフィド成分または構造を含む
シランカップリング剤のような、多くのカップリング剤
がシリカとゴムとの結合に使用されるために教示されて
いる。
【0012】シリカ強化タイヤトレッドのために、米国
特許第4519430号は、溶液または乳化SBR、並
びに所望によってポリブタジエンゴム及び/またはポリ
イソプレンゴムをシリカとカーボンブラックとの混合物
と共に含み、シリカがシリカ/カーボンブラック強化充
填剤の主成分として要求される、シリカに富んだタイヤ
トレッドを開示する。米国特許第5,227,425号
は、例えば、その過半量がシリカである充填剤を含む溶
液重合により製造されたSBRから成るタイヤトレッド
用の硫黄加硫可能なゴム組成物を開示する。EPO出願
第447066号はシリカ及びシランカップリング剤並
びに有機アルカリ金属開始剤で製造されたポリブタジエ
ンまたはスチレン/ブタジエンコポリマーから成るゴム
から成り、さらに他の特定のゴムを含むタイヤトレッド
用のゴム組成物を開示する。
【0013】本明細書中において使用され慣用される用
語「phr」は「ゴム100重量部当たりのそれぞれの
材料の部数」を意味する。
【0014】「配合ゴム」、「ゴムコンパウンド」及び
「ゴム組成物」のような用語は、種々のゴム配合成分と
混合されたゴムを一般的に意味する。このような用語は
(特にタイヤについての)ゴム混合技術における当業者
に周知である。
【0015】「加硫された」、「加硫」、「硬化され
た」及び「硬化」は、使用される場合には、ゴムの加硫
を示すために交換可能に使用され、このような用語はゴ
ム加硫技術分野における当業者に周知である。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に従い、ゴム10
0重量部基準で (A)(i)溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーゴム約15〜約40phr、替わりに好ま
しくは約15〜約25phr、(ii)(a)シス1,
4ポリブタジエンゴム約10〜約30phr、替わりに
約15〜約25phrと(b)約50〜約90、替わり
に約55〜約75重量%のビニル含量を有する高ビニル
ポリブタジエンゴム約30〜約60、替わりに約40〜
約60phrから本質的に成る、2種のジエンに基づく
エラスマー約85〜約60、替わりに約85〜約75p
hrから成るエラストマー; (B)粒状シリカ、好ましくは沈降シリカ約55〜約9
0、替わりに約60〜約85phr; (C)前記シリカの表面と反応性のシラン部分及び前記
エラストマーと相互作用する硫黄部分を有し、シリカの
カップラーに対する重量比が約7/1〜約15/1であ
る少なくとも1種のシリカカップラー、並びに (D)カーボンブラック約0〜約50、替わりに約5〜
約25phr、ただし、もしカーボンブラックが使用さ
れるならシリカのカーボンブラックに対する重量比が少
なくとも2/1、替わりに少なくとも4/1であり、そ
してしばしば好ましくは少なくとも10/1であり、も
しカーボンブラックが使用されるならシリカ及びカーボ
ンブラックの全量が約40〜約110、替わりに約60
〜約90phrであるを含んで成るトレッドを有する空
気入りタイヤが提供される。
【0017】一面において、シリカ強化されたタイヤト
レッドゴムのための基本的な3種のゴムエラストマーは
シス1,4−ポリイソプレン天然ゴムをさらに含むこと
ができる。
【0018】本発明のさらに他の面において、基本的な
3種のゴムエラストマーは前記の所望の追加の天然ゴム
を含むか否かにかかわらず、3,4−ポリイソプレンゴ
ム、イソプレン/ブタジエンコポリマーエラストマー、
スチレン/イソプレンコポリマーエラストマー、乳化重
合によって製造されたスチレン/ブタジエンコポリマー
ゴム、スチレン/イソプレン/ブタジエンターポリマー
エラストマー及び約40〜約50%のビニル含量を有す
る中ビニルポリブタジエンゴムから選択される少なくと
も1種のエラストマーの全量約5〜約20phrをさら
に含むことができる。
【0019】前述の高シリカ充填(シリカカップラーを
含む)を、定義されたゴム(これは高ビニルポリブタジ
エンゴムを含むことが必要である)との組み合わせにお
いて含むゴムブレンドは実質的な量のシリカ強化剤を含
むタイヤトレッドの性質を高めるように設計された本発
明の重要な特徴である。
【0020】一面において、高ビニルポリブタジエン
(HVBD)ゴムはけん引力を有意に損失することな
く、トレッド耐摩耗性及びころがり抵抗をかなり促進す
るために有益であると考えられる。
【0021】高ビニルポリブタジエンは、種々のゴム配
合用材料と混合する前に加工の容易性のために油で増量
できる。もし油増量が使用されるなら、通常芳香族また
は芳香族/パラフィン油タイプの通常約15〜約35p
hrのゴム加工油が使用されて、そのエラストマーにつ
いて約40〜約80の範囲のML−4(100℃)粘度
を与える。
【0022】前に指摘したように、少量の中ビニルポリ
ブタジエンゴムを基本的なエラストマー組成物中に加え
ることができる。このような中ビニルポリブタジエン
は、本技術分野で既知のもののような種々の方法によっ
て適切に製造できる。
【0023】しかし、特別のタイプの中ビニルポリブタ
ジエンを場合によって使用することがここで考えられ
る。このような中ビニルポリブタジエンは、米国特許第
4230841号(参照によって本明細書中に組み込ま
れる)に記述のように、1,3−ブタジエンと非常に少
量のジビニルベンゼンとを、本質的に極性の芳香族溶媒
中でアルキルリチウム触媒及び少なくとも1種の極性触
媒調節剤と共に重合することによって製造されるタイプ
のものであり得る。
【0024】ここでシス1,4−ポリブタジエンゴム
は、タイヤのトレッド耐摩耗性、またはトレッドウエア
を高めるために有益であると考えられる。
【0025】このようなシス1,4−ポリブタジエンゴ
ムは、例えば1,3−ブタジエンの有機溶液重合によっ
て製造できる。
【0026】シス1,4−ポリブタジエンゴムは通常、
少なくとも90%のシス1,4−含量を有することを特
徴とすることができる。
【0027】シス1,4−ポリイソプレン天然ゴムはゴ
ム技術における当業者に周知である。
【0028】溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーは、適切な触媒の存在下における有機溶媒
溶液中でのスチレンと1.3−ブタジエンとの共重合に
よって適切に製造できる。そのようなスチレン/ブタジ
エンコポリマーエラストマーの製造はこの技術分野にお
ける当業者に周知である。
【0029】乳化重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーは、適切な触媒及び乳化剤と共に、水性重
合媒質中でスチレンと1.3−ブタジエンとを共重合す
ることによって適切に製造できる。そのようなスチレン
/ブタジエンコポリマーエラストマーの製造は本技術分
野における当業者に周知である。
【0030】溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーエラストマー及び乳化重合で製造されたス
チレン/ブタジエンコポリマーエラストマーが種々のエ
ラストマー用途のための異なる性質を有することは、こ
のような代表的な技術分野における当業者に周知である
ことが理解される。
【0031】本発明を実施する上で、溶液重合で製造さ
れたスチレン/ブタジエンコポリマーエラストマー、並
びに少なくとも2種のブタジエンに基づくゴム、すなわ
ちシス1,4−ポリブタジエンゴム及び高ビニルポリブ
タジエンゴムのバランスのとれたゴムブレンドが提供さ
れ、これは定量的なシリカ強化剤に依存し、次にこの強
化剤はこのゴムブレンドのためのシリカの強化効果のた
めのシリカカップラーに依存する。
【0032】他の面において、 そのような硫黄加硫さ
れたゴムトレッドはカーボンブラックをも含むことがで
き、シリカのカーボンブラックに対する重量比は少なく
とも約2/1、好ましくは少なくとも約4/1であり、
いくつかの用途のためには少なくとも10/1である。
【0033】ゴム配合用途において使用される、通常採
用されるケイ酸質顔料は本発明のシリカとして使用でき
る。ケイ酸質顔料は熱分解法及び沈降ケイ酸質顔料(シ
リカ)を含むが、沈降シリカが好ましい。
【0034】本発明において好ましくは使用されるケイ
酸質顔料は、例えばケイ酸ナトリウムの如き可溶性シリ
ケートの酸性化によって得られるもののような沈降シリ
カである。
【0035】窒素ガスを使用して測定されたシリカのB
ET表面積は好ましくは約100〜約250、さらに好
ましくは約120〜約200m2/gである。表面積の
測定のBET法はJournal of the Am
erican Chemical Society,第
60巻、304頁(1930年)に記述されている。
【0036】また、シリカは典型的に約100〜約40
0、通常は約150〜約300の範囲のジブチルフタレ
ート(DBP)吸収値を有する。
【0037】種々の商業的に入手できるシリカ、例え
ば、例示のためのみであり限定ではなく210、243
等の名称のHi−Silの商標でPPG Indust
riesから商業的に入手できるシリカ、Zeosil
1165MPの名称でRhone−Poulencか
ら入手できるシリカ、VN2及びVN3等の名称でDe
gussa AGから入手できるシリカ、例えばZeo
pol 8745としてのJ.M.Huberからのシ
リカなどが本発明において使用のために考慮し得る。
【0038】トレッドゴムのゴム組成物は、例えば種々
の硫黄加硫可能な成分ゴムを、例えば硫黄、活性剤、遅
延剤及び促進剤のような硬化助剤、油のような加工添加
剤、粘着付与樹脂を含む樹脂、シリカ、並びに可塑剤、
充填剤、顔料、脂肪酸、二酸化亜鉛、ワックス、抗酸化
剤及びオゾン亀裂防止剤、しゃく解剤及び例えばカーボ
ンブラックのような強化材のような種々の慣用される添
加材料と混合するような、ゴム配合技術分野において一
般に知られた方法によって配合されるだろうことは本技
術分野の当業者によって容易に理解される。本技術分野
における当業者に既知のように、硫黄加硫可能及び硫黄
加硫された材料(ゴム)の予定された用途に依存して、
上記の添加物は選択されそして慣用的な量で普通に使用
される。
【0039】もし使用されるなら、本発明の目的のため
のカーボンブラックの典型的な添加は本明細書中におい
て前述した。もし使用されるなら粘着付与樹脂の量は約
0.5〜約10phr、通常約1〜約5phrを構成す
る。加工助剤の典型的な量は約1〜約50phrを構成
する。そのような加工助剤は例えば芳香族、ナフテン
系、及び/またはパラフィン系加工油を含む。抗酸化剤
の典型的な量は約1〜約5phrを構成する。代表的な
抗酸化剤は例えばジフェニル−p−フェニレンジアミン
及び例えばVanderbilt Rubber Ha
ndbook(1978年)の344〜346頁に開示
されるような他のものであり得る。オゾン亀裂防止剤の
典型的な量は約1〜5phrを構成する。ステアリン酸
を含むことができる脂肪酸の典型的な量は約0. 5〜約
3phrを構成する。二酸化亜鉛の典型的な量は約2〜
約5phrを構成する。ワックスの典型的な量は約1〜
約5phrを構成する。しばしばマイクロクリスタリン
ワックスが使用される。しゃく解剤の典型的な量は約
0. 1〜約1phrを構成する。典型的なしゃく解剤は
例えばペンタクロロチオフェノール及びジベンザミドジ
フェニルジスルフィドであり得る。
【0040】加硫は硫黄加硫剤の存在下に行われる。適
切な硫黄加硫剤の例は元素硫黄(遊離硫黄)または硫黄
付与加硫剤で、例えばアミンジスルフィド、高分子ポリ
スルフィド、または硫黄オレフィン付加物を含む。好ま
しくは、硫黄加硫剤は元素硫黄である。本技術分野の当
業者に既知のように、硫黄加硫剤は約0. 5〜約4ph
rの範囲の量で使用され、約0.5〜約2. 5の範がと
きどき好ましい。
【0041】促進剤は加硫のために要求される時間及び
/または温度を制御するため並びに加硫物の特性を改善
するために使用される。遅延剤も加硫速度を制御するた
めに使用される。一態様において、単一の促進剤系、す
なわち一次促進剤が使用され得る。慣用的に及び好まし
くは、一次促進剤が約0. 5〜約4、替わりに約1.2
〜約2.0phrの範囲の全量で用いられる。他の態様
において、一次及び/または二次促進剤の組み合わせが
使用されることができ、二次促進剤は約0. 05〜約3
phrの量で例えば加硫物の特性を活性化しそして改善
するために使用され得る。これらの促進剤の組み合わせ
は最終特性上に相乗効果を生ずると期待され、どちらか
の促進剤単独の使用によって生じたものよりもいくらか
良好である。さらに、普通の加工温度においては影響さ
れないが、通常の加硫温度においては満足な硬化を生ず
る遅効性促進剤も使用され得る。本発明において使用さ
れ得る適切なタイプの促進剤はアミン類、ジスルフィド
類、グアニジン類、チオウレア類、チアゾール類、チウ
ラム類、スルフェンアミド類、ジチオカルバメート類及
びキサンテート類である。好ましくは一次促進剤はスル
フェンアミドである。もし二次促進剤が使用されるな
ら、二次促進剤は好ましくはグアニジン、ジチオカルバ
メートまたはチウラム化合物である。硫黄加硫剤及び促
進剤の存在と相対量は、カップリング剤との組み合わせ
における強化充填剤としてのシリカの使用にさらに第一
に関する本発明の一面であるとはみなされない。
【0042】上記の添加剤の存在と相対量は、シリカ及
びシリカカップラーとの組み合わせにおけるタイヤトレ
ッド中のゴムの特定のブレンドの利用にさらに第一に関
する本発明の一面とはみなされない。
【0043】タイヤは本技術分野における当業者に容易
に明らかな種々の方法によって構築され、付形され、成
形されそして硬化されることができる。
【0044】本発明は次の実施例の参照によってより良
く理解され得る。実施例において部及び百分率は他に示
さない限り重量による。
【0045】
【実施例I】溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーゴム並びにシス1,4−ポリブタジエンゴ
ム及び高ビニルポリブタジエンのブレンドのゴム組成物
(配合ゴム)を製造し、そして本明細書中で試料Bと呼
ぶ。
【0046】溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
ンコポリマーゴム、シス1,4−ポリブタジエンゴム、
イソプレン/ブタジエンコポリマーゴム及びシス1,4
−ポリイソプレンゴムから成る対照ゴム組成物を製造
し、そして本明細書中で試料Aと呼ぶ。
【0047】ゴム組成物を数段階、すなわち4つの逐次
ノンプロダクティブ段階(硬化剤なし)及び最終のプロ
ダクティブ段階(基本的に硬化剤用)において成分を混
合することによって製造し、次に、生じた組成物を上昇
した温度及び圧力の条件下において硬化した。
【0048】ノンプロダクティブ混合段階のために、最
終のプロダクティブ混合段階において混合(添加)でき
る促進剤、硫黄硬化剤、酸化亜鉛及び抗酸化剤を除い
て、試料Aについて最初のノンプロダクティブ段階にお
いて全ての成分{約20〜約50%の強化充填剤(シリ
カまたはカーボンブラック)、及び(強化充填剤に)比
例する量のカップラー及び加工油を除く:これらは第2
のノンプロダクティブ混合段階において添加できる}を
加え、試料Bについては全てのノンプロダクティブ成分
を第1混合段階で加えた。
【0049】成分を各々のノンプロダクティブ混合段階
で約5分間約165℃の温度へ混合したが、約145℃
の温度へ約3分間混合した第4混合段階は除かれる。す
べてバンバリー型ゴムミキサー中で行った。生じたゴム
組成物(混合物)へ次に、プロダクティブ混合段階にお
いて、残りの成分をバンバリー型ミキサー中で約2分
間、約110℃の温度へ添加した。このゴムを次に約1
50℃の温度で約18分間加硫した。
【0050】ゴム組成物は表1に示す成分から成ってい
た。
【0051】
【表1】
【0052】1)グッドイヤータイヤアンドラバーカン
パニーから入手できる、Tg約−42℃、結合スチレン
約10%を有する、溶液重合で製造されたスチレン/ブ
タジエンコポリマーゴム 2)グッドイヤータイヤアンドラバーカンパニーからB
udene(登録商標)1207として入手できる、シ
ス1,4−含量約96%のシス1, 4−ポリブタジエン
ゴム 3)グッドイヤータイヤアンドラバーカンパニーから入
手できる、ビニル含量約65重量%及びシス1,4−含
量約16%の高ビニル含量ポリブタジエンゴム 4)シス1,4−ポリイソプレン天然ゴム 5)グッドイヤータイヤアンドラバーカンパニーから入
手できる、イソプレン含量約50%及びTg約−44℃
のイソプレン/ブタジエンコポリマー 6)J.M.Huber CompanyからのZeo
pol 8745として入手できるシリカ 7)DegussaからX50Sとして、テトラスルフ
ィドとN330カーボンブラックとの50/50ブレン
ドとして(したがって、50%活性と考えられる)商業
的に入手できるビス−3−(トリエトキシシリルプロピ
ル)テトラスルフィド(50%活性) 8及び9)それぞれジアリールパラフェニレンジアミン
及びジヒドロトリメチルキノリン型のもの
【0053】これらのゴム組成物の性質は、試料Aに比
較して、本発明のトレッド組成物を代表する試料Bにつ
いての良好なタイヤトレッドころがり抵抗及びトレッド
耐摩耗性を予測するものである。
【0054】ある代表的な態様と詳細を本発明の例証の
目的のために示したが、本発明の精神と範囲から逸脱す
ることなく種々の変更と改良がなされ得ることは本技術
分野の当業者にとって明白であろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/06 KCX C08L 9/06 KCX (71)出願人 590002976 1144 East Market Stre et,Akron,Ohio 44316− 0001,U.S.A.

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム100重量部基準で (A)(i)溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
    ンコポリマーゴム約15〜約40phr、(ii)
    (a)シス1,4ポリブタジエンゴム約10〜約30p
    hrと(b)約50〜約90のビニル含量を有する高ビ
    ニルポリブタジエンゴム約30〜約60phrとから本
    質的に成る、2種のジエンに基づくエラスマー約85〜
    約60phrから成るエラストマー; (B)粒状シリカ約55〜約90phr; (C)シリカの表面と反応性のシラン部分及び前記エラ
    ストマーと相互作用する硫黄部分を有し、シリカのカッ
    プラーに対する重量比が約7/1〜約15/1である少
    なくとも1種のシリカカップラー、並びに (D)カーボンブラック約0〜約50phr、ただし、
    もしカーボンブラックが使用されるならシリカのカーボ
    ンブラックに対する重量比が少なくとも2/1であり、
    もしカーボンブラックが使用されるならシリカ及びカー
    ボンブラックの全量が約40〜約110phrであるを
    含んで成るトレッドを有する空気入りタイヤ。
  2. 【請求項2】 前記シリカが、約100〜約250の範
    囲のBET表面積、約100〜約400の範囲のDBP
    吸収値を有することを特徴とする、請求項1に記載のタ
    イヤ。
  3. 【請求項3】 シリカのカーボンブラックに対する重量
    比が少なくとも10/1である、請求項1に記載のタイ
    ヤ。
  4. 【請求項4】 前記カップラーがビス−3−(トリエト
    キシシリルプロピル)テトラスルフィドである、請求項
    1に記載のタイヤ。
  5. 【請求項5】 前記トレッドがシス1,4−ポリイソプ
    レン天然ゴム約5〜約20phrをさらに含む、請求項
    1に記載のタイヤ。
  6. 【請求項6】 前記トレッドが、シス1,4−ポリイソ
    プレン天然ゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、イソプ
    レン/ブタジエンコポリマーエラストマー、スチレン/
    イソプレンコポリマーエラストマー、乳化重合によって
    製造されたスチレン/ブタジエンコポリマーゴム、スチ
    レン/イソプレン/ブタジエンターポリマーエラストマ
    ー及び約40〜約50%のビニル含量を有する中ビニル
    ポリブタジエンゴムから選択される少なくとも1種のエ
    ラストマー約5〜約20phrをさらに含む、請求項1
    に記載のタイヤ。
  7. 【請求項7】 ゴム100重量部基準で (A)(i)溶液重合で製造されたスチレン/ブタジエ
    ンコポリマーゴム約15〜約30phr、(ii)
    (a)シス1,4ポリブタジエンゴム約15〜約25p
    hrと(b)約55〜約75のビニル含量を有する高ビ
    ニルポリブタジエンゴム約40〜約60phrとから本
    質的に成る、2種のジエンに基づくエラスマー約85〜
    約70phrから成るエラストマー; (B)粒状シリカ約55〜約90phr; (C)シリカの表面と反応性のシラン部分及び前記エラ
    ストマーと相互作用する硫黄部分を有し、シリカのカッ
    プラーに対する重量比が約7/1〜約15/1である少
    なくとも1種のシリカカップラー、並びに (D)カーボンブラック約5〜約25phr、ここでシ
    リカのカーボンブラックに対する重量比が少なくとも2
    /1であり、シリカ及びカーボンブラックの全量が約6
    0〜約110phrであるを含んで成るトレッドを有す
    る空気入りタイヤ。
  8. 【請求項8】 前記シリカが、約100〜約250の範
    囲のBET表面積、約100〜約400の範囲のDBP
    吸収値を有することを特徴とする、請求項7に記載のタ
    イヤ。
  9. 【請求項9】 シリカのカーボンブラックに対する重量
    比が少なくとも10/1である、請求項7に記載のタイ
    ヤ。
  10. 【請求項10】 前記カップラーがビス−3−(トリエ
    トキシシリルプロピル)テトラスルフィドである、請求
    項7に記載のタイヤ。
  11. 【請求項11】 前記トレッドがシス1,4−ポリイソ
    プレン天然ゴム約5〜約20phrをさらに含む、請求
    項7に記載のタイヤ。
  12. 【請求項12】 前記トレッドが、シス1,4−ポリイ
    ソプレン天然ゴム、3,4−ポリイソプレンゴム、イソ
    プレン/ブタジエンコポリマーエラストマー、スチレン
    /イソプレンコポリマーエラストマー、乳化重合によっ
    て製造されたスチレン/ブタジエンコポリマーゴム、ス
    チレン/イソプレン/ブタジエンターポリマーエラスト
    マー及び約40〜約50%のビニル含量を有する中ビニ
    ルポリブタジエンゴムから選択される少なくとも1種の
    エラストマー約5〜約20phrをさらに含む、請求項
    7に記載のタイヤ。
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