JPH08333257A - 塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製品及び塩酸プロカテロール水溶液製剤 - Google Patents

塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製品及び塩酸プロカテロール水溶液製剤

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JPH08333257A
JPH08333257A JP8082442A JP8244296A JPH08333257A JP H08333257 A JPH08333257 A JP H08333257A JP 8082442 A JP8082442 A JP 8082442A JP 8244296 A JP8244296 A JP 8244296A JP H08333257 A JPH08333257 A JP H08333257A
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JP
Japan
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aqueous solution
procaterol hydrochloride
solution preparation
procaterol
sodium
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Application number
JP8082442A
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English (en)
Inventor
Yuzo Kimura
勇三 木村
Shinichi Ishikawa
眞一 石川
Masabumi Toda
正文 戸田
Takakuni Matsuda
貴邦 松田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Otsuka Pharmaceutical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、塩酸プロカテロール水溶液製剤に
長期保存安定性等を付与することを目的とする。 【解決手段】 本発明は、水溶液中における塩酸プロカ
テロールの酸化反応による分解が防止された塩酸プロカ
テロール水溶液製剤収容製品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は塩酸プロカテロール
水溶液製剤及び塩酸プロカテロール水溶液製剤を収容し
た製品に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来よりプロカテロー
ル製剤として各種の製剤形態のものが知られているが、
低濃度の塩酸プロカテロールは水溶液中では不安定であ
り、長期保存安定性に乏しいという欠点を有している。
また、低濃度の塩酸プロカテロールは、投与後、涙液や
鼻汁により流され易いという欠点を有している。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明の一つの目的は、
低濃度の塩酸プロカテロール水溶液製剤に長期保存安定
性を付与することにある。
【0004】本発明の他の一つの目的は、塩酸プロカテ
ロール水溶液製剤を眼等に投与する時に、作用効果の持
続性を付与することにある。
【0005】本発明者は低濃度の塩酸プロカテロール水
溶液製剤に長期保存安定性を付与すべく鋭意研究を重ね
た結果、低濃度の塩酸プロカテロールの水溶液中での分
解は水溶液中での塩酸プロカテロールの酸化反応による
こと及び無酸素下では該酸化反応が進行しないことを初
めて見い出した。本発明は、かかる知見に基づき完成さ
れたものである。
【0006】本発明によれば、水溶液中における塩酸プ
ロカテロールの酸化反応による分解が防止された塩酸プ
ロカテロール水溶液製剤収容製品が提供される。
【0007】水溶液中における塩酸プロカテロールの酸
化反応による分解防止は、例えば塩酸プロカテロール水
溶液製剤を無酸素環境下に維持することにより達成され
る。
【0008】無酸素環境は、ガラス容器内を窒素置換し
た後、密封することにより達成されるが、点眼剤の容器
として最も汎用されているプラスチック容器はガス透過
性が大きく、窒素置換しても無酸素環境を維持できるも
のではない。そこで本発明では、塩酸プロカテロール水
溶液製剤をプラスチック容器に収容し、更に該容器をガ
スバリアー性包装材で包装するのがよい。
【0009】本発明者の研究によれば、塩酸プロカテロ
ール水溶液を充填し、密閉したプラスチック製の点眼容
器を、ガス透過性のないフィルムを用いて製袋した袋又
は瓶に酸素吸収剤と共に入れてシールすることにより、
長期保存安定性に優れた塩酸プロカテロール水溶液製剤
が得られることを見い出した。また、プラスチック容器
とガスバリアー性包装剤の空間を脱気後窒素ガス又は二
酸化炭素ガスで封入することによっても、長期保存安定
性に優れた塩酸プロカテロール水溶液製剤が得られるこ
とを見い出した。
【0010】従って、本発明の塩酸プロカテロール水溶
液製剤収容製品の好ましい一実施態様は、塩酸プロカテ
ロール水溶液製剤がプラスチック容器に収容されてお
り、且つ該容器が脱酸素剤と共にガスバリアー性包装材
で包装されている塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製
品である。
【0011】本発明の塩酸プロカテロール水溶液製剤収
容製品の好ましい他の一つの実施態様は、塩酸プロカテ
ロール水溶液製剤がプラスチック容器に収容され、更に
該容器がガスバリアー性包装材で包装されており、且つ
該容器とガスバリアー性包装剤との空間には窒素ガス及
び/又は二酸化炭素ガスが封入されている塩酸プロカテ
ロール水溶液製剤収容製品である。
【0012】更に本発明者は、塩酸プロカテロール水溶
液製剤に、陰イオン性官能基を有する分子量1万以上の
水溶性高分子、特に硫酸基を有する酸性ムコ多糖類、デ
キストラン硫酸及びこれらの塩類から選ばれた少なくと
も1種の水溶性高分子を配合することにより、該製剤の
効果持続時間を長くできることをも見い出した。
【0013】従って、本発明によれば、陰イオン性官能
基を有する分子量1万以上の水溶性高分子が配合された
塩酸プロカテロール水溶液製剤も亦、提供される。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の塩酸プロカテロール水溶
液製剤収容製品の実施態様を以下に示す。
【0015】(1)水溶液中における塩酸プロカテロー
ルの酸化反応による分解が防止された塩酸プロカテロー
ル水溶液製剤収容製品。
【0016】(2)無酸素環境が維持された上記(1)
に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製品。
【0017】(3)塩酸プロカテロール水溶液製剤がプ
ラスチック容器に収容され、更に該容器がガスバリアー
性包装材で包装されている上記(1)に記載の塩酸プロ
カテロール水溶液製剤収容製品。
【0018】(4)塩酸プロカテロール水溶液製剤がプ
ラスチック容器に収容されており、且つ該容器が脱酸素
剤と共にガスバリアー性包装材で包装されている上記
(3)に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製
品。
【0019】(5)塩酸プロカテロール水溶液製剤が点
眼剤である上記(4)に記載の塩酸プロカテロール水溶
液製剤収容製品。
【0020】(6)塩酸プロカテロール水溶液製剤がプ
ラスチック容器に収容され、更に該容器がガスバリアー
性包装材で包装されており、且つ該容器とガスバリアー
性包装剤との空間には窒素ガス及び/又は二酸化炭素ガ
スが封入されている上記(3)に記載の塩酸プロカテロ
ール水溶液製剤収容製品。
【0021】(7)塩酸プロカテロール水溶液製剤が点
眼剤である上記(6)に記載の塩酸プロカテロール水溶
液製剤収容製品。
【0022】(8)塩酸プロカテロール水溶液製剤が、
陰イオン性官能基を有する分子量1万以上の水溶性高分
子が配合された塩酸プロカテロール水溶液製剤である上
記(1)に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製
品。
【0023】(9)水溶性高分子が、硫酸基を有する酸
性ムコ多糖類、デキストラン硫酸、ポリスチレンスルホ
ン酸及びこれらの塩類から選ばれた少なくとも1種であ
る上記(8)に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収
容製品。
【0024】(10)水溶性高分子が、コンドロイチン
硫酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム及びポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも
1種である上記(8)に記載の塩酸プロカテロール水溶
液製剤収容製品。
【0025】(11)塩酸プロカテロール水溶液製剤
が、陰イオン性官能基を有する分子量1万以上の水溶性
高分子が配合された塩酸プロカテロール水溶液製剤であ
る上記(4)又は(6)に記載の塩酸プロカテロール水
溶液製剤収容製品。
【0026】(12)水溶性高分子が、硫酸基を有する
酸性ムコ多糖類、デキストラン硫酸、ポリスチレンスル
ホン酸及びこれらの塩類から選ばれた少なくとも1種で
ある上記(11)に記載の塩酸プロカテロール水溶液製
剤収容製品。
【0027】(13)水溶性高分子が、コンドロイチン
硫酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム及びポリ
スチレンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも
1種である上記(11)に記載の塩酸プロカテロール水
溶液製剤収容製品。
【0028】(14)水溶性高分子が、コンドロイチン
硫酸ナトリウムである上記(11)に記載の塩酸プロカ
テロール水溶液製剤収容製品。
【0029】(15)塩酸プロカテロール水溶液製剤が
点眼剤である上記(14)に記載の塩酸プロカテロール
水溶液製剤収容製品。
【0030】(16)塩酸プロカテロール水溶液製剤中
に塩酸プロカテロールが1〜1000μg/ml、コン
ドロイチン硫酸ナトリウムが10〜150mg/ml配
合されている上記(15)に記載の塩酸プロカテロール
水溶液製剤収容製品。
【0031】本発明の塩酸プロカテロール水溶液製剤の
実施態様を以下に示す。
【0032】(A)塩酸プロカテロール水溶液製剤が、
陰イオン性官能基を有する分子量1万以上の水溶性高分
子が配合された塩酸プロカテロール水溶液製剤。
【0033】(B)水溶性高分子が、硫酸基を有する酸
性ムコ多糖類、デキストラン硫酸、ポリスチレンスルホ
ン酸及びこれらの塩類から選ばれた少なくとも1種であ
る上記(A)に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤。
【0034】(C)水溶性高分子が、コンドロイチン硫
酸ナトリウム、デキストラン硫酸ナトリウム及びポリス
チレンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1
種である上記(A)に記載の塩酸プロカテロール水溶液
製剤。
【0035】(D)水溶性高分子が、コンドロイチン硫
酸ナトリウムである上記(A)に記載の塩酸プロカテロ
ール水溶液製剤。
【0036】(E)塩酸プロカテロール水溶液製剤が点
眼剤である上記(D)に記載の塩酸プロカテロール水溶
液製剤。
【0037】(F)塩酸プロカテロール水溶液製剤中に
塩酸プロカテロールが1〜1000μg/ml、コンド
ロイチン硫酸ナトリウムが10〜150mg/ml配合
されている上記(E)に記載の塩酸プロカテロール水溶
液製剤。
【0038】本発明において、塩酸プロカテロール水溶
液製剤を収容するために用いられる容器は、従来のプラ
スチック容器をいずれも使用することができる。該プラ
スチック容器の材質は、特に限定はなく、従来より知ら
れている各種のプラスチック類、例えばポリエチレン、
ポリプロピレン等のポリオレフィン、これらの共重合
体、ポリ塩化ビニル、エチレン酢酸ビニル共重合体、ポ
リエステル、ナイロン、ポリカーボネート、ポリエチレ
ンテレフタレート等の各種のものであることができ、更
にこれらの同一もしくは異なる2種以上のポリマーの複
合多層構造をとるものであってもよい。上記容器の形
状、大きさ等は通常の塩酸プロカテロール水溶液製剤を
収容できる限り任意であり、特にバッグ状形態やボトル
状形態が一般的であり好ましい。
【0039】本発明において、塩酸プロカテロール水溶
液製剤としては、各種の製剤形態のもの、例えば点眼
剤、吸入液、点鼻液等を、好ましくは点眼剤を挙げるこ
とができる。
【0040】例えば塩酸プロカテロール点眼剤につき詳
述すれば、該点眼剤は、常法に従い製造される。具体的
には、塩酸プロカテロールを有効成分として、これを適
当な基剤と混合し、滅菌処理することにより製造され
る。基剤としては、例えば滅菌精製水が好適に使用され
る。斯かる点眼剤には、更に必要に応じて溶解補助剤、
緩衝剤、抗酸化剤、安定化剤、防腐剤、等張化剤、pH
調節剤、増粘剤等の従来公知の各種添加剤を配合するこ
とができる。溶解補助剤としては、例えばカルボキシメ
チルセルロースナトリウム、ポリオキシエチレンラウリ
ルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等の
ポリオキシエチレングリコールエーテル類、ポリエチレ
ングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール
モノオレエート等のポリエチレングリコール高級脂肪酸
エステル類、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレ
ート、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等が挙げられ
る。緩衝剤としては、例えばリン酸ナトリウム、リン酸
水素ナトリウム、リン酸水素カリウム、硼酸、硼酸ナト
リウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酒石酸、酒石
酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、イプシロンアミ
ノカプロン酸、グルタミン酸ナトリウム等が挙げられ
る。抗酸化剤としては、例えば亜硫酸ナトリウム、ピロ
亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸ナトリウム、チオ亜硫酸ナ
トリウム、アスコルビン酸等が挙げられる。安定化剤と
しては、例えばエデト酸ナトリウム(EDTA)、硫酸
オキシキノリン等が挙げられる。防腐剤としては、例え
ばクロロブタノール、塩化ベンザルコニウム、塩化ベン
ゼトニウム、フェニル水銀塩、チメロサル、フェネチル
アルコール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピ
ルパラベン、ブチルパラベン等が挙げられる。等張化剤
としては、例えば食塩、ブドウ糖、D−マンニトール、
グリセリン等が挙げられる。pH調節剤としては、例え
ば水酸化ナトリウム、塩酸等が挙げられる。また増粘剤
としては、例えばメチルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体及び
ヒドロキシエチルスターチ、メチルスターチ等のデンプ
ン誘導体並びにポリビニルアルコール、ポリビニルピロ
リドン等が挙げられる。
【0041】吸入液や点鼻液も上記塩酸プロカテロール
点眼剤の場合と同様にして製剤化される。但し吸入液の
場合、等張化剤を配合する必要はない。
【0042】本発明において、塩酸プロカテロールの効
果持続時間を長くするために用いられる陰イオン性官能
基を有する水溶性高分子としては、従来公知のものを広
く使用でき、例えばヒアルロン酸、コンドロイチン硫
酸、カラゲナン、キチン硫酸、キトサン硫酸、プルラン
硫酸、アルギン酸、カルボキシメチルセルロース、カル
ボキシメチルカードラン、カルボキシメチルデキストラ
ン、カルボキシメチルプルラン、カルボキシメチルキチ
ン、カルボキシメチルキトサン等の陰イオン性官能基を
有する高分子多糖類とその塩、ポリスチレンスルホン
酸、ポリビニル硫酸、ポリアクリル酸、カルボキシビニ
ルポリマー、ポリメタクリル酸等の陰イオン性官能基を
有する合成高分子とその塩等が挙げられる。かかる水溶
性高分子の中でも、硫酸基を有する酸性ムコ多糖類、デ
キストラン硫酸、ポリスチレンスルホン酸及びこれらの
塩類が好適である。具体的には、コンドロイチン硫酸、
ヘパリン、ヘパラン硫酸、ケラタン硫酸、デキストラン
硫酸、ポリスチレンスルホン酸及びこれらの塩類(例え
ばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等)等を例
示できる。これらの中でも、コンドロイチン硫酸、デキ
ストラン硫酸、ポリスチレンスルホン酸及びこれらの塩
類が好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウム、デキス
トラン硫酸ナトリウム及びポリスチレンスルホン酸ナト
リウムがより好ましく、コンドロイチン硫酸ナトリウム
が特に好ましい。本発明では、上記水溶性高分子であっ
て、分子量が1万以上のもの、通常は1万〜300万程
度のものを使用するのがよい。場合によっては、分子量
が1万〜10万程度のものを使用するのがよい。また場
合によっては、分子量が10万〜100万程度のものを
使用するのがよい。
【0043】斯かる水溶性高分子の配合量としては、塩
酸プロカテロール水溶液製剤中に通常10mg/ml以
上、好ましくは10〜150mg/ml、より好ましく
は15〜100mg/ml、特に好ましくは20〜50
mg/mlとするのがよい。
【0044】製剤中に含有させるべき塩酸プロカテロー
ルの量としては、特に限定されるものではないが、通常
0.1〜10000μg/ml、好ましくは1〜100
0μg/ml、より好ましくは5〜500μg/mlで
あり、点眼剤として使用する場合には特に10〜300
μg/mlとするのがよい。
【0045】本発明において利用される脱酸素剤として
は、一般に知られている脱酸素剤、例えば水酸化鉄、酸
化鉄、炭化鉄等の鉄化合物を有効成分とするものを例示
できる。その代表的市販品としては、例えば「エージレ
ス」(三菱瓦斯化学社製)、「モジュラン」(日本化薬
社製)、「セキュール」(日本曹達社製)、「バイタロ
ン」(東亞合成社製)、「タモツ」(王子加工社製)等
を例示できる。これらの脱酸素剤の使用の態様は、これ
を塩酸プロカテロール水溶液製剤収容用プラスチック容
器と、これを外装するためのガスバリアー性包装材との
空間部に存在させる限り特に限定はない。例えば粉末形
態の脱酸素剤の場合は、その必要量を通気性のある小袋
等に入れ、該袋の形態で上記空間部に存在させるのが好
ましい。
【0046】また本発明において、塩酸プロカテロール
水溶液製剤を充填したプラスチック容器を収容するガス
バリアー性包装材としては、ガラス容器を始め、一般に
汎用されている各種の材質のフィルム、シート乃至瓶を
使用できる。その材質としてはより具体的には、例えば
高密度ポリエチレン等のポリエチレン、ポリプロピレン
等のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、
エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂、ポリ塩化ビ
ニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコー
ル、ポリカーボネート、ナイロン等のポリアミド樹脂、
セルロースアセテート、ポリエステル、アルミニウム
箔、ガラス等のガスバリアー素材を少なくとも1種含む
ものを例示できる。本発明のガスバリアー素材には上記
ガスバリアー素材を積層したフィルムが包含され、例え
ばナイロン、エチレン・ビニルアルコール共重合体樹脂
及びポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。更に
本発明のガスバリアー素材は、アルミニウム箔にポリエ
チレン等のプラスチックをラミネートしたもの、プラス
チックフィルムにアルミニウム又は珪酸を蒸着させたも
の等であってもよい。これらガスバリアー素材は好まし
くは25℃,75%RHにおける酸素透過度が1.0m
l/m2・hr・atm以下であるのが好ましい。斯か
る包装材による上記脱酸素剤と塩酸プロカテロール水溶
液製剤を充填したプラスチック容器との包装(封入)
は、常法に従うことができる。
【0047】更に本発明の塩酸プロカテロール水溶液製
剤収容製品は、脱酸素剤を用いないで、プラスチック容
器とガスバリアー性包装剤との空間を脱気後窒素ガス及
び/又は二酸化炭素ガスで封入したものであってもよ
い。脱気は常法、例えば真空包装機を用いて行なうこと
ができる。
【0048】本発明の塩酸プロカテロール水溶液製剤の
用途は、従来より塩酸プロカテロールの用途として知ら
れているもの全てであり、上記製剤は、例えば気管支拡
張剤、末梢血管拡張剤、抗高血圧剤、緑内障治療剤、抗
アレルギー剤、眼の炎症及び/又は創傷の予防及び治療
剤等として好適に使用され得る。
【0049】
【発明の効果】本発明の塩酸プロカテロール水溶液製剤
収容製品により提供される塩酸プロカテロール水溶液製
剤は、長期保存安定性に優れたものである。また上記特
定の水溶性高分子を配合した塩酸プロカテロール水溶液
製剤は、効果持続性に優れたものである。
【0050】
【実施例】以下、本発明を更に詳しく説明するために実
施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限定されるも
のではない。
【0051】処方例1 1ml中 塩酸プロカテロール 0.003mg 濃グリセリン 24.8mg 無水クエン酸 0.422mg クエン酸ナトリウム 0.824mg エデト酸ナトリウム 0.1mg 10%塩化ベンザルコニウム 1μl 水酸化ナトリウム 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して点眼剤を調製した。この点眼
剤のpHは5.0であった。
【0052】処方例2 1ml中 塩酸プロカテロール 0.001mg 濃グリセリン 24.8mg 無水クエン酸 0.422mg クエン酸ナトリウム 0.824mg エデト酸ナトリウム 0.1mg 10%塩化ベンザルコニウム 1μl 水酸化ナトリウム 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して点眼剤を調製した。この点眼
剤のpHは5.0であった。
【0053】処方例3 処方例1において塩酸プロカテロールの配合量を0.0
1mgとする以外は、処方例1と同様にして水溶液製剤
を調製した。
【0054】処方例4 1ml中 塩酸プロカテロール 0.01mg 濃グリセリン 25mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 10mg メチルパラベン 0.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。この
水溶液製剤のpHは5.0であった。
【0055】処方例5 処方例1において塩酸プロカテロールの配合量を0.0
1mgとし、塩化ベンザルコニウムの代りにメチルパラ
ベンを0.5mg配合する以外は、処方例1と同様にし
て水溶液製剤を調製した。
【0056】処方例6 1ml中 塩酸プロカテロール 0.01mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 10mg 塩化ナトリウム 5.5mg クロロブタノール 3.5mg 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0057】処方例7 1ml中 塩酸プロカテロール 0.1mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 10mg 塩化ナトリウム 5.5mg クロロブタノール 3.5mg 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0058】処方例8 1ml中 塩酸プロカテロール 0.1mg デキストラン硫酸ナトリウム 50mg 濃グリセリン 18mg クロロブタノール 3mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0059】処方例9 1ml中 塩酸プロカテロール 0.001mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 30mg 濃グリセリン 18mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0060】処方例10 1ml中 塩酸プロカテロール 0.01mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 50mg 濃グリセリン 14mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0061】処方例11 1ml中 塩酸プロカテロール 0.1mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 100mg 濃グリセリン 4mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0062】処方例12 1ml中 塩酸プロカテロール 0.001mg デキストラン硫酸ナトリウム 30mg 濃グリセリン 20mg クエン酸 0.4mg クエン酸3ナトリウム2水和物 0.26mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0063】処方例13 1ml中 塩酸プロカテロール 0.01mg デキストラン硫酸ナトリウム 50mg 濃グリセリン 18mg クエン酸 0.4mg クエン酸3ナトリウム2水和物 0.26mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0064】処方例14 1ml中 塩酸プロカテロール 0.1mg デキストラン硫酸ナトリウム 100mg 濃グリセリン 13mg クエン酸 0.4mg クエン酸3ナトリウム2水和物 0.26mg クロロブタノール 3.5mg pH調節剤 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。
【0065】処方例15 1ml中 塩酸プロカテロール 0.01mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 30mg クロロブタノール 2mg 塩化ベンザルコニウム 0.023mg 塩化ナトリウム 6mg 塩酸(pH調節剤) 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。この
水溶性製剤のpHは4.7〜5.0であった。また浸透
圧比は1.0であった。
【0066】処方例16 1ml中 塩酸プロカテロール 0.03mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 30mg クロロブタノール 2mg 塩化ベンザルコニウム 0.023mg 塩化ナトリウム 6mg 塩酸(pH調節剤) 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。この
水溶性製剤のpHは4.7〜5.0であった。また浸透
圧比は1.0であった。
【0067】処方例17 1ml中 塩酸プロカテロール 0.1mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 30mg クロロブタノール 2mg 塩化ベンザルコニウム 0.023mg 塩化ナトリウム 6mg 塩酸(pH調節剤) 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。この
水溶性製剤のpHは4.7〜5.0であった。また浸透
圧比は1.0であった。
【0068】処方例18 1ml中 塩酸プロカテロール 0.3mg コンドロイチン硫酸ナトリウム 30mg クロロブタノール 2mg 塩化ベンザルコニウム 0.023mg 塩化ナトリウム 6mg 塩酸(pH調節剤) 適量 注射用水 適量 上記各成分を注射用水に溶解し、適当なフィルターペー
パーを用いて滅菌濾過して水溶液製剤を調製した。この
水溶性製剤のpHは4.7〜5.0であった。また浸透
圧比は1.0であった。
【0069】処方例19 コンドロイチン硫酸ナトリウムの配合量を10mgとす
る以外は、処方例15と同様にして水溶液製剤を製造し
た。
【0070】処方例20 コンドロイチン硫酸ナトリウムの配合量を10mgとす
る以外は、処方例16と同様にして水溶液製剤を製造し
た。
【0071】処方例21 コンドロイチン硫酸ナトリウムの配合量を10mgとす
る以外は、処方例17と同様にして水溶液製剤を製造し
た。
【0072】処方例22 コンドロイチン硫酸ナトリウムの配合量を10mgとす
る以外は、処方例18と同様にして水溶液製剤を製造し
た。
【0073】製造例1 上記処方例1又は処方例2で得た点眼剤5mlをそれぞ
れ点眼容器(ボトル:無色ポリエチレン製、ノズル:無
色ポリエチレン製、キャップ:無色ポリプロピレン製、
いずれも大成化工製)に充填し、次にこの容器を脱酸素
剤(エージレス)及び酸素検知薬(エージレスアイ)と
共にガスバリアー性フィルムで2次包装して、本発明品
を得た。
【0074】ガスバリアー性フィルムとして次の2種類
のフィルムを用いた。
【0075】(i)酸素バリアーフィルム;構成:延伸
ナイロン66 15μ/ナイロン−エチレン・ビニルア
ルコール共重合体15μ/ポリエチレン15μ,酸素透
過性:20℃65%RH=0.8ml/m224Hr,
25℃65%RH=1.2ml/m224Hr。
【0076】(ii)水蒸気・酸素バリアーフィルム;構
成:ポリエチレンテレフタレート12μ/ポリビニルア
ルコールに酸化珪素を蒸着したフィルム12μ/直鎖状
低密度ポリエチレン50μ,酸素透過性:20℃65%
RH=0.1ml/m224Hr,25℃65%RH=
0.1ml/m224Hr。
【0077】処方例1の点眼剤が充填された点眼容器を
ガスバリアー性フィルムとして酸素バリアーフィルムを
用いて包装して得た2次包装品を以下「本発明品A」と
いう。処方例1の点眼剤が充填された点眼容器をガスバ
リアー性フィルムとして水蒸気・酸素バリアーフィルム
を用いて包装して得た2次包装品を以下「本発明品B」
という。処方例2の点眼剤が充填された点眼容器をガス
バリアー性フィルムとして酸素バリアーフィルムを用い
て包装して得た2次包装品を以下「本発明品C」とい
う。処方例2の点眼剤が充填された点眼容器をガスバリ
アー性フィルムとして水蒸気・酸素バリアーフィルムを
用いて包装して得た2次包装品を以下「本発明品D」と
いう。
【0078】2次包装品中の酸素濃度はエージレスアイ
により検知した。エージレスアイは酸素濃度が0.1%
以下になるとピンクに変化し、0.5%以上になるとブ
ルーに着色する。上記本発明品A〜D中のエージレスア
イは、いずれも3日以内にピンクに変色した。
【0079】製造例2 上記処方例1又は処方例2で得た点眼剤5mlをそれぞ
れ点眼容器(ボトル:無色ポリエチレン製、ノズル:無
色ポリエチレン製、キャップ:無色ポリプロピレン製、
いずれも大成化工製)に充填し、次にこの容器をアルミ
箔又はアルミ蒸着フィルムに入れ、真空包装機にて点眼
容器と二次包装剤との空間を脱気後、窒素ガスで封入し
て、本発明品E及び本発明品Fを得た。
【0080】製造例3 上記製造例1における本発明品Bの製造と同様にして、
処方例3の水溶液製剤を収容する本発明品G、処方例4
の水溶液製剤を収容する本発明品H及び処方例5の水溶
液製剤を収容する本発明品Iを得た。
【0081】製造例4 上記処方例6〜8で得た各水溶液製剤をそれぞれポリ塩
化ビニルの容器に充填し、脱酸素剤(モジュラン)と共
に、アルミニウム箔にポリエチレンをラミネートした包
装材で2次包装して本発明品を得た。
【0082】製造例5 上記処方例9〜11で得た各水溶液製剤をそれぞれポリ
エステルの容器に充填し、脱酸素剤(セキュール)と共
に、エチレン−ビニルアルコール共重合体樹脂を含むガ
スバリアー性フィルムで2次包装して本発明品を得た。
【0083】製造例6 上記処方例12〜14で得た各水溶液製剤をそれぞれエ
チレン−酢酸ビニル共重合体の容器に充填し、次にポリ
アクリロニトリルを含むガスバリアー性フィルムで2次
包装し、空間を脱気後二酸化炭素ガスで封入して本発明
品を得た。
【0084】製造例7 上記処方例15、処方例16又は処方例17で得た点眼
剤5mlをそれぞれ点眼容器(ボトル:無色ポリエチレ
ン製、ノズル:無色ポリエチレン製、キャップ:無色ポ
リプロピレン製、いずれも大成化工製)に充填し、次に
この容器を脱酸素剤(エージレス)と共に、アルミニウ
ム箔にポリエチレンをラミネートした包装材で2次包装
して本発明品を得た。
【0085】処方例15の点眼剤が充填された点眼容器
が包装された2次包装品を以下「本発明品J」という。
処方例16の点眼剤が充填された点眼容器が包装された
2次包装品を以下「本発明品K」という。処方例17の
点眼剤が充填された点眼容器が包装された2次包装品を
以下「本発明品L」という。
【0086】試験例1 本発明品A〜本発明品Dを紙箱に入れ、これらをそれぞ
れ25℃75%RH又は40℃75%RHの室内に放置
し、4週間後、7週間後、12週間後、18週間後及び
24週間後における点眼剤中の塩酸プロカテロールの量
を測定し、塩酸プロカテロールの残存率を常法に従い算
出した。比較のために、処方例1の点眼剤が充填された
点眼容器を紙箱に入れたもの(比較品1)及び処方例2
の点眼剤が充填された点眼容器を紙箱に入れたもの(比
較品2)についても、上記と同様にして塩酸プロカテロ
ールの残存率を求めた。結果を表1及び表2に示す。
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】表1及び表2から次のことが判る。即ち、
表1において、40℃75%RHで24週間保存した比
較品1の塩酸プロカテロール残存率は約10%低下した
が、本発明品A及び本発明品Bの塩酸プロカテロール残
存率は約5%以内の低下に止まった。表2において、2
5℃75%RHで12週間保存した比較品2の塩酸プロ
カテロール残存率は約2%低下したが、本発明品C及び
本発明品Dは24週間保存した場合においても塩酸プロ
カテロール残存率の低下は認められなかった。また40
℃75%RHで12週間保存した比較品2の塩酸プロカ
テロール残存率は約6%低下したが、本発明品C及び本
発明品Dは24週間保存しても塩酸プロカテロール残存
率の低下は5%未満であった。これらの結果から、酸素
除去は塩酸プロカテロールの安定化に大きく寄与するこ
とが確認できた。
【0090】試験例2 本発明品G〜本発明品Iを紙箱に入れ、これらをそれぞ
れ40℃75%RHの室内に放置し、2週間後、4週間
後及び8週間後における水溶液製剤中の塩酸プロカテロ
ールの量を測定し、塩酸プロカテロールの残存率を常法
に従い算出した。比較のために、処方例3〜処方例5の
水溶液製剤が充填されたプラスチック容器を紙箱に入れ
たものについても、上記と同様にして塩酸プロカテロー
ルの残存率を求めた。結果を表3に示す。
【0091】
【表3】
【0092】試験例3 ヒスタミン誘発モルモット結膜炎モデルに対する作用試
験 試験動物として、ハートレイ系雄性モルモット(体重4
40〜570g)を用いた。試験はペントバルビタール
麻酔下(30mg/kg i.p.)で行なった。試験
動物の右眼に試験薬液(処方例6〜8の水溶液製剤)、
左眼に点眼用緩衝液又は生理食塩液を10μl点眼し、
点眼から1時間後、2時間後又は3時間後に2mg/m
lヒスタミン・生理食塩液を左右両眼に10μl点眼し
て結膜炎を誘発させた。無処置群はヒスタミンの代りに
生理食塩水を点眼した。エバンスブルーは、ヒスタミン
点眼の直前に10mg/ml/kgを静脈内に投与し
た。
【0093】ヒスタミン点眼の30分後に、下大静脈よ
り採血し、血漿の620nmにおける吸光度(A620
を測定した。また眼瞼及び結膜を摘出し、1.5mlの
アセトン−0.5%硫酸ナトリウム(7:3、v/v)
を用いてエバンスブルーを2日間抽出した後、620n
mにおける吸光度を測定した。血漿漏出量を次式に従い
算出した。
【0094】
【数1】
【0095】ヒスタミンによる血管透過性亢進を無処置
群の血漿漏出量2.6±0.2μl(MEAN±S.
E.,n=7)に対する増加分で表わし、薬効は左眼
(対照眼)に対する右眼(薬物処理眼)の血管透過性亢
進の抑制率で示した。この抑制率は、次式に従い求め
た。
【0096】
【数2】
【0097】結果を表4に示す。
【0098】
【表4】
【0099】試験例4 ヒスタミン誘発モルモット結膜炎モデルに対する作用試
験 試験動物として、ハートレイ系雄性モルモット(体重4
40〜570g)を用いた。試験はペントバルビタール
麻酔下(30mg/kg i.p.)で行なった。試験
動物の右眼に試験薬液(処方例17の水溶液製剤)、左
眼に点眼用緩衝液又は生理食塩液を10μl点眼し、点
眼から5分後又は3時間後に2mg/mlヒスタミン・
生理食塩液を左右両眼に10μl点眼して結膜炎を誘発
させた。無処置群はヒスタミンの代りに生理食塩水を点
眼した。エバンスブルーは、ヒスタミン点眼の直前に1
0mg/ml/kgを静脈内に投与した。
【0100】以下試験例3と同様にして血漿漏出量を算
出し、血管透過性亢進の抑制率を求めた。
【0101】結果を表5に示す。比較のために、処方例
17の水溶液製剤の代わりに上記処方例1において塩酸
プロカテロールの配合量を0.1mgとする以外は処方
例1と同様にして調製した水溶液製剤(比較品4)を用
いた場合及び生理食塩水(コントロール)を用いた場合
の結果も表5に併せて示す。
【0102】
【表5】
【0103】試験例5 本発明品J〜本発明品Lを紙箱に入れ、これらを40℃
75%RHの室内に放置し、2週間後、4週間後、6週
間後、8週間後及び12週間後における点眼剤中の塩酸
プロカテロールの量を測定し、塩酸プロカテロールの残
存率を常法に従い算出した。比較のために、処方例1
5、処方例16及び処方例17の点眼剤が充填された点
眼容器(ボトル:無色ポリエチレン製、ノズル:無色ポ
リエチレン製、キャップ:無色ポリプロピレン製、いず
れも大成化工製)を紙箱に入れたものについても、上記
と同様にして塩酸プロカテロールの残存率を求めた。結
果を表6に示す。表6において、比較品5は上記点眼容
器に処方例15の点眼剤が充填されたもの、比較品6は
上記点眼容器に処方例16の点眼剤が充填されたもの、
比較品7は上記点眼容器に処方例17の点眼剤が充填さ
れたものである。
【0104】
【表6】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A61K 47/36 A61J 1/00 390S

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶液中における塩酸プロカテロールの
    酸化反応による分解が防止された塩酸プロカテロール水
    溶液製剤収容製品。
  2. 【請求項2】 塩酸プロカテロール水溶液製剤がプラス
    チック容器に収容されており、且つ該容器が脱酸素剤と
    共にガスバリアー性包装材で包装されている請求項1に
    記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製品。
  3. 【請求項3】 塩酸プロカテロール水溶液製剤がプラス
    チック容器に収容され、更に該容器がガスバリアー性包
    装材で包装されており、且つ該容器とガスバリアー性包
    装剤との空間には窒素ガス及び/又は二酸化炭素ガスが
    封入されている請求項1に記載の塩酸プロカテロール水
    溶液製剤収容製品。
  4. 【請求項4】 塩酸プロカテロール水溶液製剤が、陰イ
    オン性官能基を有する分子量1万以上の水溶性高分子が
    配合された塩酸プロカテロール水溶液製剤である請求項
    2又は請求項3に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤
    収容製品。
  5. 【請求項5】 水溶性高分子が、コンドロイチン硫酸ナ
    トリウム、デキストラン硫酸ナトリウム及びポリスチレ
    ンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項4に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤収
    容製品。
  6. 【請求項6】 塩酸プロカテロール水溶液製剤中に塩酸
    プロカテロールが1〜1000μg/ml、コンドロイ
    チン硫酸ナトリウムが10〜150mg/ml配合され
    ている請求項5に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤
    収容製品。
  7. 【請求項7】 塩酸プロカテロール水溶液製剤が、陰イ
    オン性官能基を有する分子量1万以上の水溶性高分子が
    配合された塩酸プロカテロール水溶液製剤。
  8. 【請求項8】 水溶性高分子が、コンドロイチン硫酸ナ
    トリウム、デキストラン硫酸ナトリウム及びポリスチレ
    ンスルホン酸ナトリウムから選ばれた少なくとも1種で
    ある請求項7に記載の塩酸プロカテロール水溶液製剤。
  9. 【請求項9】 塩酸プロカテロール水溶液製剤中に塩酸
    プロカテロールが1〜1000μg/ml、コンドロイ
    チン硫酸ナトリウムが10〜150mg/ml配合され
    ている請求項8に記載の塩酸プロカテロール水溶液製
    剤。
JP8082442A 1995-04-04 1996-04-04 塩酸プロカテロール水溶液製剤収容製品及び塩酸プロカテロール水溶液製剤 Pending JPH08333257A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009528276A (ja) * 2006-02-09 2009-08-06 マクサイト, インコーポレイテッド 安定な製剤ならびにそれらを調製および使用する方法
JP2015523401A (ja) * 2012-08-03 2015-08-13 メステックス・アー・ゲー レシニフェラトキシン溶液
CN114028330A (zh) * 2021-03-22 2022-02-11 南京艾德加生物制药科技有限公司 一种盐酸丙卡特罗口服溶液
CN115097050A (zh) * 2022-07-26 2022-09-23 南京工业大学 一种盐酸丙卡特罗生产设备的清洁验证方法

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