JPH08333193A - 半導体結晶の製造方法およびその製造装置 - Google Patents

半導体結晶の製造方法およびその製造装置

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JPH08333193A
JPH08333193A JP14078295A JP14078295A JPH08333193A JP H08333193 A JPH08333193 A JP H08333193A JP 14078295 A JP14078295 A JP 14078295A JP 14078295 A JP14078295 A JP 14078295A JP H08333193 A JPH08333193 A JP H08333193A
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JP
Japan
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temperature
crystal
semiconductor
liquid
substrate
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Pending
Application number
JP14078295A
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English (en)
Inventor
Hiroaki Kinoshita
浩彰 木下
Hidenori Mine
英規 峯
Yoshi Tabata
嘉 田畑
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Mitsubishi Cable Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Cable Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 複雑で大がかりな新しい装置を必要とせず、
従来の温度差法に比べて、結晶の同一層内での厚みの変
動を抑制でき、かつ、従来の徐冷法に比べて、結晶が成
長する方向での組成比の変動を抑制でき、より厚い結晶
層を成長させることができる半導体結晶の製造方法およ
び製造装置を提供すること。 【構成】 半導体の結晶成長に用いられるスライドボー
トAの液溜め1a、1b、1c内に、結晶成長させるこ
とを意図する半導体材料の溶融液2a、2b、2cを保
持し、液溜め内の溶融液の液面側の温度が基板側の温度
よりも高くなるように、局部的な加熱手段5a、5b、
5cを用いて温度差を設け、溶融液の高温側には半導体
材料を供給し、前記温度差を一定に維持しながら、スラ
イドボート全体の温度を徐冷法に従って時間的に降下さ
せ、基板4上に半導体の結晶を成長させることを特徴と
する半導体結晶の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体結晶の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】液相エピタキシーの一つとして、スライ
ドボート法が知られている。スライドボートは、液溜め
(「溶液溜め」「融液溜め」とも呼ばれる)を有する上
部と、基板ホルダとなる下部とに分かれた構造となって
いる。溶液溜めには底がなく、基板ホルダに保持された
基板面が底になっている。溶液溜めには結晶成長を目的
とする半導体原料の溶融液が入れられ、その底面である
基板面に固相の結晶が成長する。このときの成長方法と
しては、冷却法の一つである徐冷法と、温度差法とがよ
く知られている。
【0003】徐冷法は、半導体原料の溶融液を時間の経
過に伴い一定の割合で温度を降下させ、該半導体の結晶
を基板上に析出させる成長法である。また、温度差法
は、溶融液の上下に温度差を設け、溶融液の上部に溶質
を過飽和状態に保つように一定温度下で配置し、下部の
基板に結晶を成長させる方法である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】徐冷法は、成長した結
晶の同一層内での厚みのばらつきが少ないという長所が
あるが、一回の冷却工程では厚い結晶層は得られないと
いう欠点がある。また、結晶成長させるべき半導体が多
元混晶の化合物半導体であって、その中に偏析係数の大
きな元素が存在する場合には、結晶が成長する方向にお
いて組成比が変動するという問題もある。また、温度差
法は、原料の継続的な供給によって厚い結晶層が得られ
るという長所があるが、基板面の温度分布に敏感である
ために、成長した結晶の同一層内での厚みのばらつきが
大きく、特に、中央部が厚く、外周縁部が薄くなるとい
う問題がある。また、この方法では、温度差を一定に維
持するため、複雑で大がかりな装置を必要とする。
【0005】本発明の目的は、複雑で大がかりな新しい
装置を必要とせず、従来の温度差法に比べて、結晶の同
一層内での厚みの変動を抑制でき、かつ、従来の徐冷法
に比べて、結晶が成長する方向での組成比の変動を抑制
でき、より厚い結晶層を成長させることができる半導体
結晶の製造方法を提供することである。また、本発明の
他の目的は、上記本発明による製造方法に従い結晶を成
長させることが可能であって、しかも、従来の結晶成長
装置を利用し、少ない付帯設備の付与で安価に得られる
製造装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体結晶の製
造方法は、次の特徴を有するものである。 (1)半導体の結晶成長に用いられるスライドボートの
液溜め内に、結晶成長させることを意図する半導体材料
の溶融液を保持し、液溜め内の溶融液の液面側の温度が
基板側の温度よりも高くなるように温度差を設け、溶融
液の高温側には半導体材料を供給し、前記温度差を一定
に維持しながら、スライドボート全体の温度を徐冷法に
従って時間的に降下させ、基板上に半導体の結晶を成長
させることを特徴とする半導体結晶の製造方法。 (2)温度差を設けるときの液面から基板に至る温度の
平均の変化率が、0.2℃/cm〜2℃/cmである上
記(1)記載の半導体結晶の製造方法。 (3)温度差が、液溜め内の溶融液の液面を液面上から
加熱することによって設けられたものである上記(1)
記載の半導体結晶の製造方法。
【0007】また、本発明の半導体結晶の製造装置は、
次の特徴を有するものである。 (4)徐冷法に基づく結晶成長が可能な温度制御手段を
有するスライドボートを有し、該スライドボートの液溜
め内に保持された溶融液の液面側の温度が基板側の温度
よりも常に高くなるように維持し得る局部的な加熱手段
が、液面上となる位置に設けられたものであることを特
徴とする半導体結晶の製造装置。
【0008】
【作用】本発明の半導体結晶の製造方法は、スライドボ
ートを用いた方法でありながら、結晶を成長させるに際
し、下記の温度制御および材料の供給を同時に行な
っていることが重要な特徴である。 溶液溜め内の溶融液としては、基板側の温度が液面側
の温度よりも低くなるように温度差を設け、高温側に材
料を供給する。 上記の温度差を一定に維持しながら、スライドボー
ト全体としては、温度を、徐冷法に従って時間の経過と
共に特定の降下率で一様に降下させる。即ち、溶液溜め
内の溶融液の高温側も低温側も同じ降下率で一様に降下
させるということである。上記の特徴を同時に満足
することによって、溶液全体の温度降下により、過飽和
となった溶液から基板への結晶の析出に加えて、高温側
から低温側への溶質の拡散による析出も加わり、徐冷法
のみの場合よりも厚膜化が可能となる。このような温度
差の作用によって、厚い結晶層が得られないという徐冷
法の欠点が緩和される。さらには、温度差法の特徴であ
るところの、結晶成長方向の組成比の変動を抑制しえる
作用が得られる。しかも、徐冷法の長所である結晶層の
厚みの均一性が損なわれることはない。即ち、結晶層を
従来の徐冷法よりも厚く成長させるとができ、しかも、
結晶層の厚みは均一となり、同一層内での厚みのばらつ
きが抑制できるようになる。
【0009】また、本発明の半導体結晶の製造装置は、
従来のスライドボートを母体とすることによって、装置
の複雑化を回避し、従来の設備の利用を可能としてい
る。
【0010】
【実施例】以下、本発明による半導体結晶の製造装置の
具体的な例を挙げ、同時に本発明による半導体結晶の製
造方法をより具体的に説明する。本実施例は、3槽型の
カーボンボートを使用し、活性層を導電型の異なるクラ
ッド層で挟んだ、ダブルヘテロ接合による3層の結晶層
を基板上にエピタキシャル成長させた例である。図1
は、本発明による半導体結晶の製造装置の一実施例を模
式的に示す図である。同図において、Aはスライドボー
トであって、徐冷法に基づく結晶成長が可能な温度制御
手段(図示せず)を有するものである。このスライドボ
ートは、3槽の液溜め1a、1b、1cを有する型のも
のであって、基板ホルダー3をスライドさせることによ
って、3槽の液溜め1a、1b、1c内に各々保持され
た半導体材料の溶融液2a、2b、2cを、基板4上に
単結晶として順次積層して成長させることができる。本
発明による半導体結晶の製造方法に従って、液溜め内の
溶融液の液面側の温度を、基板側の温度よりも高く維持
するために、各溶融液の液面上には局部的な加熱手段5
a、5b、5cが設けられている。本実施例では、この
加熱手段として電気ヒータを用いた。
【0011】本発明に用いられるスライドボートは、徐
冷法に基づく結晶成長に利用可能なものであれば、どの
ようなものであってもよい。また、複数の結晶層を積層
して形成するために必要な数だけ液溜めを設けることも
公知の通りでよい。また、例えば、温度制御手段として
スライドボートを収容する電気炉や、該炉内の雰囲気形
成手段としての排気システムやガスフローシステム等、
徐冷法に従って結晶成長させるために、スライドボート
に付帯する装置も、公知のものを利用してもよい。
【0012】液溜め内の溶融液に温度差を設けるための
方法や手段は限定されず、全体の温度制御に対して液面
側を局部的に加熱する方法や、全体の温度分布を上下に
2分する方法、逆に基板側を冷却する方法であってもよ
い。これらの方法のなかでも、本実施例の様に液面を局
部的に加熱する方法が、簡単な装置で、意図した温度差
が形成できて好ましい。液面を好ましく加熱する手段と
しては、液溜めに材料を溶融させたときに、液面より上
となる位置にヒーターを配置し、液面を加熱する構成が
好ましい加熱手段として挙げられる。
【0013】液溜め内の溶融液の温度差は、高温側から
低温側へ向かって温度が降下する部分において、温度の
降下率が0.2℃/cm〜2℃/cm程度が好ましく、
特に0.5℃/cm〜1℃/cm程度では良好な結果が
得られている。また、溶融液の液面側から基板側へ向か
うときの温度の降下率は上記の通りであるが、液面側と
基板側との間の実際の温度差は、溶融液溜めの深さにも
よるが、概ね1℃〜10℃程度が好ましい温度差であ
る。
【0014】液溜め内の溶融液の高温側に材料を供給す
る方法としては、例えば、材料をセッティングする際に
予め飽和量の数倍の材料を入れておく等が挙げられる。
【0015】本発明が結晶成長の対象とする半導体は特
に限定されないが、本発明の製造方法が、結晶の成長方
向の組成比の変動を従来の徐冷法に比べてより安定させ
得るという点から、多元混晶を対象とすることが好まし
く、中でも偏析の顕著なAlを含む化合物半導体に対し
て、本発明は特に有用となる。また、本発明は、通常の
徐冷法よりも厚膜のものを容易に形成することができる
等の理由によって、目的の結晶を成長させた後に基板を
除去することが必要な構造のLED等には特に有用とな
る。例えば、GaAlAs系の赤色LEDでは、基板上
に発光層等をエピタキシャル成長させた後、基板による
光吸収を防止するために該基板を除去する場合があり、
発光層等を相当の厚さに成長させておかないとチップの
取扱いが不便になるが、このような場合に、厚膜のもの
を容易に形成することができる本発明の特徴が有用とな
るのである。
【0016】徐冷法を行なう場合の、スライドボート全
体の経時的な温度の降下率は、0.2℃/分〜2℃/分
程度が好ましい値であるが、目的に応じて自由に変更し
てよく、公知の降下直線、降下曲線を参照してもよい。
【0017】〔製造実験〕上記実施例に示した装置を用
いて、ダブルヘテロ接合による3層の結晶層を基板上に
エピタキシャル成長させ、得られた半導体結晶の品質を
確認した。製造の対象とした各層の材料は、次の通りで
ある。 クラッド層(n型);Al0.70Ga0.30As、 活性層 (p型);Al0.35Ga0.65As、 クラッド層(p型);Al0.70Ga0.30As、 基板 (p型);GaAs。 図1に示す液溜め1a、1b、1cは、各々順に、p型
クラッド層、活性層、n型クラッド層に対応するもので
ある。各液溜め1a、1b、1cに仕込んだ材料の構成
を表1に示す。なお、それぞれの材料は、飽和量の1.
2倍量仕込んだ。Zn、Teはドーパントである。ま
た、表1中の、Ga以外の数字は、1gのGaに対して
どれほどの量であるかを示すものであって、単位は〔m
g/g−Ga〕である。
【0018】
【表1】
【0019】図1に示す、各液溜めのヒータ5a、5
b、5cを用いて液面を加熱し、各液溜め共に、上下の
温度差を1℃/cmとした。各液溜めの温度差を維持し
ながら、液溜め1aから1cへと順に、結晶成長を行っ
た。各液溜めでの結晶成長における徐冷条件は以下の通
りである。 液溜め1a;開始930℃、終了850℃、冷却レート
0.5℃/分。 液溜め1b;開始850℃、終了849℃、冷却レート
0.2℃/分。 液溜め1c;開始849℃、終了780℃、冷却レート
0.5℃/分。
【0020】上記製造実験によって、GaAs基板上に
得られた各結晶層の厚みは、p型クラッド層120μ
m、活性層2μm、n型クラッド層35μmであった。
これらの層の厚みは、いずれも中央部と端部の厚みの差
が少ない、良好なものであった。さらに、各層の組成比
は、従来の徐冷法に比べ、より変化の少ないものであっ
た。
【0021】比較例 各液溜めに温度差を設けなかったこと以外は、上記製造
実験例と同様の結晶成長を行ったところ、得られた各結
晶層の厚みは、p型クラッド層が60μm、活性層が
1.5μm、n型クラッド層が25μmであった。ま
た、各結晶層は、いずれも基板上の中央部が厚く端部が
薄く形成された品質となっていた。
【0022】上記製造実験および比較例の対比から明ら
かなように、本発明の製造方法およびその製造装置によ
って、従来の徐冷法に比べ、より厚く、組成比のばらつ
きが少ない高品質の結晶が得られたことが確認できた。
【0023】
【発明の効果】本発明の半導体結晶の製造方法によっ
て、複雑で大がかりな装置を必要とせず、従来の温度差
法に比べて、結晶の同一層内での厚みの変動を抑制で
き、かつ、従来の徐冷法に比べて、結晶が成長する方向
での組成比の変動を抑制でき、より厚い結晶層を成長さ
せることができるようになった。また、本発明による半
導体結晶の製造装置は、従来の徐冷法に用いられていた
スライドボートの設備一式を利用することが可能であっ
て、各液溜めに対して加熱手段を付加するだけで、安価
に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による半導体結晶の製造装置の一実施例
を模式的に示す図である。
【符号の説明】
A スライドボート 1a〜1c 液溜め 2a〜2c 半導体材料の溶融液 3 基板ホルダー 4 基板 5a〜5c ヒータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体の結晶成長に用いられるスライド
    ボートの液溜め内に、結晶成長させることを意図する半
    導体材料の溶融液を保持し、液溜め内の溶融液の液面側
    の温度が基板側の温度よりも高くなるように温度差を設
    け、溶融液の高温側には半導体材料を供給し、前記温度
    差を一定に維持しながら、スライドボート全体の温度を
    徐冷法に従って時間的に降下させ、基板上に半導体の結
    晶を成長させることを特徴とする半導体結晶の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 温度差を設けるときの液面から基板に至
    る温度の平均の変化率が、0.2℃/cm〜2℃/cm
    である請求項1記載の半導体結晶の製造方法。
  3. 【請求項3】 温度差が、溶融液を液面上から加熱する
    ことによって設けられたものである請求項1記載の半導
    体結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 徐冷法に基づく結晶成長が可能な温度制
    御手段を有するスライドボートを有し、該スライドボー
    トの液溜め内に保持された溶融液の液面側の温度が基板
    側の温度よりも常に高くなるように維持し得る局部的な
    加熱手段が、液面上となる位置に設けられたものである
    ことを特徴とする半導体結晶の製造装置。
JP14078295A 1995-06-07 1995-06-07 半導体結晶の製造方法およびその製造装置 Pending JPH08333193A (ja)

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