JPH08332534A - 金属二重管の製造方法及び装置 - Google Patents
金属二重管の製造方法及び装置Info
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- JPH08332534A JPH08332534A JP14031295A JP14031295A JPH08332534A JP H08332534 A JPH08332534 A JP H08332534A JP 14031295 A JP14031295 A JP 14031295A JP 14031295 A JP14031295 A JP 14031295A JP H08332534 A JPH08332534 A JP H08332534A
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Abstract
且つ内管の管軸方向への縮小変形をフリーな状態で生じ
させて、充分な界面密着性を有する金属二重管を安定し
て得ることの出来る方法及びそのための装置を提供す
る。 【構成】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管を内
管12及び外管14として用い、内管内側からの液圧の
印加による液圧拡管によって両管を圧着せしめて、二重
管を製造するに際して、外管14の管端よりも内管12
を所定長さ突出せしめて、該外管14の管端側部位を機
械的に固定する一方、前記内管12の管端側部位の外周
に、外部からのシール圧液の供給によって該内管12の
外周面に密着して液圧シールを可能とした管端液圧シー
ル装置20を設け、拡管圧力よりも常に高い圧力のシー
ル圧液を供給して、前記内管12の外周面に対する液圧
シールを行ないつつ、液圧拡管にて、該内管12と該外
管14とを圧着せしめるようにした。
Description
に係り、特に火力や原子力等の発電プラント、化学工場
等のプラントにおける海水使用熱交換器に使用される二
重管構造の伝熱管として有用な金属二重管の液圧拡管に
よる製造方法及び製造装置に関するものである。
し、相互に密着させて、二重管を製造する方法として
は、両管の熱膨張差を利用した方法、抽伸法、圧力流体
(圧力水)による拡管法等が知られている。なかでも、
銅合金管と薄肉チタン管とを構成材料とした場合のよう
に、両管の変形抵抗が大きく異なり且つ伝熱管として良
好な伝熱性能を示す二重管を製造する場合にあっては、
二重管の界面において良好な密着性を得るために、常温
或いは高温の圧力水による液圧拡管法の採用が、好適と
なる。
の製造に際しては、構成される内管と外管の弾塑性変形
特性の違いを利用して、両管が圧着せしめられることと
なるところから、内管の弾性限(=耐力/ヤング率)
は、外管のそれに比較して低くする必要がある。そし
て、その条件を満たす外管と内管とを嵌合せしめた後、
内管内側から液圧を加えて拡管せしめ、そして液圧を除
去することにより、両管の弾塑性変形量の違いとその状
態の維持によって、二重管の良好な密着状態が実現され
ることとなるのである。
1において液圧拡管法による内張概念図として示される
ところからも容易に理解し得るところである。即ち、図
1において、破線は、内管(外径:Do )及び外管(内
径:Di )の単独に対して所定の液圧を管内面側から加
え、そして除去せしめたときの径変化を示し、また実線
は、外管内に内管を挿入した状態で内管内側から液圧を
付加、そして除去したときの外管内径、更には内管外径
の変化を示しており、そこでは、拡管後の外管内径(=
内管外径):Dは、外管の単独に対して所定の液圧を管
内面側から付加せしめ、そして除去したときの外管内
径:Di ′よりも大きくなり、また内管の単独に対して
所定の液圧を管内面側から付加せしめ、そして除去した
ときの内管外径Do ′よりも小さくなるところから、外
管内面に対して内管外面が圧着状態となり、以て二重管
を構成する内管と外管との間の良好な密着状態が効果的
に実現されることとなるのである。
て、外管に比較して弾性限の低い内管は、その円周方向
の変形に追随して、管軸方向には縮小変形が生じること
となるが、それら両管の良好な密着状態を得るために
は、そのような管軸方向の縮小変形をフリーな状態で生
じさせる必要がある。また、拡管圧力が最大値として2
0〜40MPaと、非常に高いことから、内管の液圧シ
ールには充分な液密性を維持させる必要がある。この内
管の液圧シールが不充分であると、液圧拡管の際に外管
と内管との界面に圧液が浸透し、それら両管の界面にお
いて良好な密着状態が得られず、製造された二重管は、
伝熱管等として満足する性能を示さなくなるのである。
記の密着状態を達成させるべく、図2に概略的に示され
ているように、内管2の外側に外挿せしめた外管4を上
下のクランプ6a、6bにて挟圧固定せしめる一方、外
管4の管端より突出せしめられた内管2の部位に対して
は、液圧ヘッド8に設けられた二重のOリング10、1
0にて、液圧シールが形成されているのである。即ち、
そこでは、液圧ヘッド8を通じて供給される圧液にて、
拡管圧力が内管2の内側から加えられることとなるが、
そのような内管2と液圧ヘッド8との間の液圧シール
が、二重に配置されたOリング10、10にて実現され
ているのである。
10を用いた内管2の液圧シール構造にあっては、高い
液密性を得ることが困難であって、例えば、ロット間の
バラツキや溶接管のように管周の1ヵ所に溶接ビード等
の僅かな突出部が存在すること等によって生じる内管外
径の僅かな寸法差異により、Oリング10の液圧シール
が不充分となるのであり、そのために、二重管界面に圧
液が浸入して、二重管界面の密着性が不充分となる場合
が多く惹起されているのである。また、二重に配置した
Oリング10、10間に位置する内管2部分の外径が、
拡管液圧によって拡大せしめられ、その結果として、内
管2の管軸方向への縮小変形が阻害されたり、或いは縮
小変形の際に、Oリング10を損傷せしめ、液圧シール
が不充分となることによって、二重管界面の密着性が更
に不充分となる場合が惹起されるようになるのである。
景にして為されたものであって、その課題とするところ
は、内管に対する液圧シールを高い液密状態に維持し、
且つ内管の管軸方向への縮小変形をフリーな状態で生じ
させて、充分な界面密着性を有する金属二重管を安定し
て得ることの出来る方法、及びそのための製造装置を提
供することにある。
するために、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管を
外管及び内管として用い、該外管に対する該内管の嵌合
の後、内管内側からの液圧の印加による液圧拡管によっ
て両管を圧着せしめて、金属二重管を製造するに際し
て、前記外管の管端よりも前記内管を所定長さ突出せし
めて、該外管の管端側部位を機械的に固定する一方、該
外管より突出せしめてなる前記内管の管端側部位の外周
に、外部からの圧液の供給によって該内管の外周面に密
着して液圧シールを可能とした管端液圧シール手段を設
け、該管端液圧シール手段に対して拡管圧力よりも常に
高い圧力の圧液を外部より供給して、前記内管の外周面
に対する液圧シールを行ないつつ、液圧拡管にて該外管
と該内管とを圧着せしめるようにしたことを特徴とする
金属二重管の製造方法を、その要旨とするものである。
造方法において、管端液圧シール手段に外部から供給さ
れる圧力の拡管圧力に対する増加分は、通常、0.3M
Pa〜4MPaの範囲内とされることとなる。
造方法に用いられる装置として、弾塑性変形特性の異な
る2種類の金属管を外管及び内管として用い、該外管に
対して該内管を嵌合せしめた状態下において、内管内側
からの液圧の印加による液圧拡管によって、両管を圧着
せしめて、金属二重管を製造するようにした装置にし
て、前記外管の管端側部位を機械的に固定する外管固定
手段と、該外管の管端よりも所定長さ突出せしめられた
前記内管の管端側部位の外周に設けられた、外部からの
圧液の供給によって該内管の外周面に密着して液圧シー
ルを可能とした管端液圧シール手段とを含み、且つ該管
端液圧シール手段が、外部からの圧液の供給によって内
周部が縮径変形して前記内管の外周面に線接触若しくは
面接触により密着が可能な形状を有し且つ拘束された変
形領域内において使用圧液にて弾性変形する材質で形成
された円環形状のシール部材と、該シール部材を、該内
管の管軸方向における変形を阻止しつつ、その内周部が
縮径変形し得るように保持し、該シール部材に対する外
部からの圧液の供給を許容する金属製ブロック体からな
る固定部材とから構成されていることを特徴とする金属
二重管の製造装置を、その要旨とするものである。
管の製造装置においては、好ましくは、前記シール部材
が径方向外方に開口するU字型の横断面形状をもって前
記内管の外周に位置し、該U字型形状の湾曲内側に前記
外部から供給される圧液が導かれるようになっている一
方、該U字型形状の湾曲底部が該内管外周面に接するよ
うになっている。
造装置にあっては、有利には、前記シール部材が、拡管
液圧に基づくところの管軸方向における変形は拘束する
が、前記外部から供給される圧液による圧力は伝達せし
めて、その内周部の縮径変形を許容する金属製の構造体
を有している。
ば、液圧拡管により二重管を製造するに際して、外部か
らの圧液の供給による加圧によって内管外周に密着して
液圧シールを可能とする管端液圧シール手段を、外管よ
り突出した内管部分に設け、拡管圧力よりも増加させた
高い圧力を、該管端液圧シール手段に対して外部より常
に付加して、内管の液圧シールを行なうことにより、内
管の管端外周液圧シールを実現せしめるものであるとこ
ろから、かかる内管の外面に対する液圧シールを高い液
密状態に効果的に維持せしめ得、また、内管の管軸方向
への縮小変形をフリーな状態で効果的に惹起せしめ得る
のであり、以て充分な界面密着性を有する金属二重管を
安定して製造し得ることとなったのである。
面の高い密着性が確保され得ることにより、その結果と
して、熱交換器用伝熱管として充分な高伝熱性能を有す
る二重管の製造が可能となったのである。
内管に対する管端液圧シール手段に加える液圧の増加速
度に僅かな遅れが生じた場合、拡管液圧の作用によっ
て、シール部材に拡管対象管の管軸方向に縮小変形が生
じ、内管外面へのシール部材の密着が妨げられて、シー
ル不良が生じる恐れがあるが、特に本発明にあっては、
そのような現象を防止するため、管軸方向の変形は拘束
するが、内周部の縮径変形は許容する金属製の構造体を
シール部材に組み込むことにより、シール部材の拡管液
圧による管軸方向の縮小変形を拘束するようにした構成
が、有利に採用されることとなるのである。
によれば、高い液密性で、内管の液圧シールが達成さ
れ、且つ内管の管軸方向への縮小変形もフリーな状態で
生ぜしめることが可能となり、以て充分な界面密着性を
有する二重管を安定して製造し得ることとなったのであ
る。
て、図面に示される代表的な具体例に基づいて、更に詳
細に説明することとする。
れぞれ、目的とする金属二重管を構成する内管及び外管
であり、弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管が用い
られている。そして、それら金属管のうち、弾性限(=
耐力/ヤング率)の低いものが内管12として用いら
れ、また、それよりも弾性限の高いものが外管14とし
て用いられて、図1に示される如き管径変化に従って、
二重管の良好な密着状態が実現され得るようになってい
る。
外管14内に該内管12が挿入せしめられることによっ
て嵌合され、更に該外管14の管端よりも該内管12が
所定長さ突出せしめられているのであり、そして、その
ような内管12及び外管14の管端部位に対して、図3
に示される如きクランプ及びシールが行なわれることと
なるのである。なお、図3では、一方の管端部位に対す
るクランプ及び液圧シールしか示されていないが、他方
の管端部位に対しても、同様なクランプ及び液圧シール
が行なわれるようになっている。
端側部位が、外管固定手段たる上クランプ16aと下ク
ランプ16bとによる挟持によって、従来と同様に、機
械的に固定せしめられ得るようになっている。一方、外
管14より突出せしめられた内管12の管端側部位の外
周には、液圧ヘッド18の先端部に取り付けられた、管
端液圧シール手段としての割型ブロック構造のシール装
置20が配置されている。なお、この割型ブロック構造
のシール装置20に対して、外管固定手段たる上クラン
プ16a及び下クランプ16bが係合、固定せしめられ
るようになっている。
0は、それぞれ貫通孔を有する本体ブロック20aと蓋
体ブロック20bとから構成され、該本体ブロック20
aの貫通孔の周りに形成された段付き部にU字型リング
形状のシール部材22を収容した状態下において、蓋体
ブロック20bが固定ボルト24にて本体ブロック20
aに対して固定せしめられることによって、シール装置
20が構成されている。なお、シール部材22は、図4
に拡大して示されているように、径方向外方に開口する
U字型の横断面形状をもって、内管12の外周に位置す
るようなU字型リング形状乃至は船底型リング形状を呈
している。そして、そのようなシール部材22が、シー
ル装置20内に収容保持せしめられることにより、その
U字形状の内側空所23にて、リング状の圧液室26が
液密状態において形成され、更にこの圧液室26に対し
て、圧液供給口28を通じて、外部から所定の圧液が供
給されるようになっている。
ール装置20にセットしたシール部材22の内部に形成
される圧液室26に対して、外部から所定の圧液が供給
せしめられると、シール部材22は、本体ブロック20
aと蓋体ブロック20bとによって、管軸方向(図にお
いて左右方向)の変形が拘束されつつ、そのU字の湾曲
底部が縮径変形して、内管12の外周面に線接触若しく
は面接触により密着せしめられて、所望の液圧シールを
形成することとなるのである。このように、シール部材
22は、外部からの圧液の供給による加圧によって変形
して、内管12管端の高液密性を維持し、更に拡管対象
管の液圧拡管加工前後の装脱着も容易ならしめるため
に、かかるシール部材22は、適用圧力範囲内におい
て、弾性変形特性を示す材質よりなることが望ましく、
特に硬質ゴム等のシール材質が好適に採用されることと
なる。
体ブロック20aと蓋体ブロック20bとは、外部から
の加圧によって惹起される、該シール部材22の内管管
軸方向における変形を阻止しつつ、該シール部材22の
内周部が縮径変形し得るように支持するものであって、
シール部材22に対して印加液圧を伝達可能な構造とさ
れている。特に、それらブロック20a、20bには、
シール部材22による良好な液密性維持のため、シール
部材22自体の管軸方向の移動を阻止し得るようなシー
ル部材保持構造が必要であって、更にはシール部材22
の耐久性維持のため、その過剰な変形を防止し且つシー
ル部材22の変形をシール対象の内管外周部に極力限定
するために、シール部材22の変形を管軸方向において
一定範囲に拘束し得るような構造とされているのであ
る。
4の管端側部位を支持させた状態下において、液圧拡管
せしめるに際しては、シール装置20への外部からの圧
液の供給によってシール部材22を変形させ、内管12
の外周面に線接触若しくは面接触させて圧着せしめるこ
とによって、液圧シールを実現させる一方、液圧ヘッド
18を通じて、従来と同様に圧液が供給されることによ
り、拡管圧力が内管12の内側に作用せしめられ、以て
目的とする拡管が行なわれることとなる。
圧シールの液密性を維持するために、シール装置20に
対する圧液供給による印加圧力は、拡管圧力よりも常に
高い圧力とされ、それによって、拡管圧力に抗して、内
管12の外周面とシール装置20におけるシール部材2
2との間の密着による有効な液圧シールが保持され得る
ようになっているのである。そして、そのような外部か
らの圧液供給によるシール部材22への印加圧力(シー
ル液圧)の拡管圧力に対する増加分:dPは、適宜に選
定されることとなるが、一般に、0.3MPa以上、4
MPa以下の範囲内とされる。かかる増加分:dPが
0.3MPa未満の場合には、シール装置20による内
管12外面の液密性の維持が不充分となるのであり、ま
た4MPaを越えるようになると、内管12の管軸方向
への縮小変形の抵抗となったり、或いはシール液圧によ
り内管12が変形して、液密性の維持が不可能となり、
良好な界面密着性を有する二重管を安定して得ることが
困難となる等の問題を惹起する。
の増加速度に対して、シール装置20に加えられる外部
からの圧液の供給による液圧の増加速度に僅かな遅れが
生じても、シール部材22が、拡管液圧の作用によっ
て、拡管対象管たる内管12の管軸方向に縮小変形せし
められるようになるのであり、そしてそれによって、内
管12外面へのシール部材22の密着が妨げられて、液
圧シール不良が惹起されるところから、本発明にあって
は、特に有利には、拡管液圧に基づくところの管軸方向
におけるシール部材22の変形は拘束するが、外部から
供給される圧液による圧力はシール部材22に伝達せし
めて、その内周部の縮径変形を許容する金属製の構造体
が、シール部材22に組み込まれることとなる。
22の管軸方向への縮小変形を防止するために、拡管液
圧の作用によって該シール部材22に変形を生じさせな
い、剛性のある金属体とする必要があり、また、当然の
ことながら、シール部材22に径方向の縮径変形を生じ
させるために、シール部材22への外部供給圧液の圧力
の伝達が可能な構造とする必要がある。具体的には、そ
のような金属製構造体は、円環形状のシール部材22に
対応して、外部から供給される液圧が作用する面に位置
するように、リング形状を呈しており、その円周位置の
複数箇所に圧力伝達用の貫通孔を設けた構造とされた
り、或いは金属製のリングを複数個に分割して、シール
部材22の圧液室26を与える凹部(23)に挿入、密
着せしめ、周方向に配置せしめてなる構成が採用された
りする。
体としてのステンレス製リング30の配設例が示されて
いる。そこにおいて、ステンレス製リング30は、シー
ル部材22の圧液室26の内面形状に対応した丸みのあ
るU字形状を呈し、かかる圧液室26の内面に密着して
組み込まれている。そして、このステンレス製リング3
0のU字型形状の湾曲底部には、所定大きさの圧力伝達
用の貫通孔32が周方向に所定の間隔を隔てて設けられ
ており、この貫通孔32を通じて、外部から供給された
圧液の圧力がシール部材22に対して作用せしめられる
ようになっているのである。従って、そのような圧液の
作用により、シール部材22は、その内周部が縮径変形
せしめられることとなるのであり、一方、内管12の管
軸方向からの圧力の作用、換言すれば拡管圧力の作用に
対しては、ステンレス製リング30の存在によって、シ
ール部材22の管軸方向の変形が効果的に阻止せしめら
れ、以て内管12外面へのシール部材22の密着が良好
に保持されることとなるのである。
に具体的に明らかにすることとするが、本発明が、その
ような実施例の記載によって、何等の制約をも受けるも
のでないことは、言うまでもないところである。また、
本発明には、以下の実施例の他にも、更には上記の具体
的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおい
て、当業者の知識に基づいて種々なる変更、修正、改良
等を加え得るものであることが、理解されるべきであ
る。
ミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871)及
び溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH28
W)を構成材料として、外管をアルミニウム黄銅管、内
管をチタン管とした金属二重管を、90℃の温水からな
る圧力水を使用した液圧拡管法により製作した。 構成材料 外 管:アルミニウム黄銅管 外径25.2mm×厚さ1.0mm×長さ13200mm σ0.2 :324N/mm2 内 管:溶接チタン管 外径22.0mm×厚さ0.3mm×長さ13800mm σ0.2 :226N/mm2 製作二重管寸法 外径25.4mm×厚さ1.3mm×長さ12198mm
内管管端の液圧シール装置は、図3に示す構成のものを
用いた。そこで、シール部材22には、硬度:80のU
型リング形状の硬質ゴムが用いられており、このシール
部材22を鋼製の割型ブロック構造のシール装置20内
にセットせしめ、その圧液供給口28から所定圧力の圧
液を外部より導入することにより、そのような圧液によ
る印加液圧がU型リング形状のシール部材22に伝達可
能となっている。また、U型リング形状のシール部材2
2とシール対象である内管(チタン管)12とのクリア
ランスは、2mmとした。この構成においては、外部か
らの印加液圧により、U型リング形状のシール部材22
は、縮径変形、換言すれば円周方向の縮小変形を生じ、
シール対象である内管12の外周面に密着することとな
る。
8mm、更に拡管液圧は最大33MPaとし、そしてシ
ール圧力は、手動式圧力ポンプによって、増加する拡管
液圧に対して、その増加量:dPが0.7〜1.0MP
aの範囲内となるように調節して、拡管した。
外管/内管の界面密着性を、両管の管軸方向引っ張り試
験において測定される圧着面での緊縛力で評価し、また
二重管の伝熱性能を、実熱交換器を模擬した蒸気付加伝
熱測定装置による測定により、製作した二重管と同一寸
法のアルミニウム黄銅単管に対する熱通過率比を求め
て、評価した。
界面の緊縛力は、その20本の全てが35〜50N/c
m2 の範囲内であり、また、熱通過率比は、91〜95
%の値を示した。このことより、本実施例で得られた二
重管は、緊縛力、伝熱性能とも、熱交換器用伝熱管とし
て充分な性能を有していることを認めた。
いて、図2に示される従来法により、20本の二重管を
製作した。また、液圧拡管時の拡管量及び拡管液圧は、
上記の実施例1と同様である。
る緊縛力は0.3〜53N/cm2の範囲で、大きくば
らつき、また二重管と同一寸法のアルミニウム黄銅単管
に対する熱通過率比は、次のように分類された。 熱通過率比(%) 本 数(本) 50未満 3 50以上 70未満 2 70以上 85未満 1 85以上 90未満 3 90以上 11 合 計 20 本
通過率比は85%以上であるが、ここでは、その値に満
たない本数は全体の30%に及んでいる。従って、図2
に示される如き従来法では、安定した二重管の製造を望
むことが無理であることが認められるのである。
ミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871)及
び溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH35
W)を構成材料として、外管をチタン管、内管をアルミ
ニウム黄銅管とした金属二重管を、90℃の温水からな
る圧力水を使用した液圧拡管法により製作した。 構成材料 外 管:溶接チタン管 外径24.7mm×厚さ0.3mm×長さ19500mm σ0.2 :396N/mm2 内 管:アルミニウム黄銅管 外径23.8mm×厚さ0.95mm×長さ20000mm σ0.2 :202N/mm2 製作二重管寸法 外径25.4mm×厚さ1.25mm×長さ18295mm
ル部材22を除き、実施例1と同様である。シール部材
22のみ、内管12の外周面に接する内周面が平坦面と
された船底型リング形状の硬質ゴム(硬度80)を用い
た。拡管液圧は、最大36MPaとし、シール圧力は、
手動式圧力ポンプによって、増加する拡管液圧に対し、
その増加量:dPが0.3〜3MPaの範囲内の所定の
値となるように調節して、拡管を行なった。
いて、外管/内管の界面密着性を、両管の管軸方向引っ
張り試験において測定される圧着面での緊縛力で評価
し、また二重管の伝熱性能は、実熱交換器を模擬した蒸
気付加伝熱測定装置による測定により、製作した二重管
と同一寸法のアルミニウム黄銅単管(25.4mmφ×
1.25mmt )に対する熱通過率比を求めて、評価し
た。その結果を、下記表1に示す。
実施例で得られた二重管は、実施例1のものと同様に、
緊縛力、伝熱性能ともに、熱交換器用伝熱管として充分
な性能を示すものであることが認められる。
ミニウム黄銅管(JIS−H3300−C6871)及
び溶接薄肉チタン管(JIS−H4631−TTH28
W)を構成材料として、外管をアルミニウム黄銅管、内
管をチタン管とした金属二重管を、80℃の温水からな
る圧力水を使用した液圧拡管法により製作した。 構成材料 外 管:アルミニウム黄銅管 外径37.7mm×厚さ0.95mm×長さ24400mm σ0.2 :324N/mm2 内 管:溶接チタン管 外径34.8mm×厚さ0.3mm×長さ25000mm σ0.2 :226N/mm2 製作二重管寸法 外径38.1mm×厚さ1.25mm×長さ23000mm
シール装置(20)は、図5に示される構成を採用し
た。即ち、硬度80の船底型リング形状の硬質ゴムから
なるシール部材22を用い、そして該シール部材22の
管軸方向への縮小変形を防止するために、該シール部材
22の圧液室26を形成する凹部(23)にステンレス
製リング30を密着して、組み込んだ。なお、ステンレ
ス製リング30は、シール部材22の凹部(23)に密
着して挿入が可能な寸法とされ、そのリング円周位置の
6ヵ所には、5mmφの貫通孔が設けられており、そし
てそれを半円形の2分割体として、シール部材22の凹
部(23)内に組み込んだ。
込んだシール部材22を鋼製の割型ブロック構造のシー
ル装置20内にセットせしめ、このシール装置20(具
体的には、本体ブロック20a)に設けられた圧液供給
口28を通じて、外部から所定圧力の圧液を、供給せし
めて、その液圧がシール部材22に伝達せしめられ得る
ようになっている。なお、拡管液圧は最大28MPaと
し、シール圧力は、手動式圧力ポンプによって、増加す
る拡管液圧に対し、その増加量(dP)が0.7〜1.
5MPaの範囲内となるように調節して、拡管を行なっ
た。
/内管の界面密着性を、両管の管軸方向引っ張り試験に
おいて測定される圧着面での緊縛力で評価し、また二重
管の伝熱性能は、実熱交換器を模擬した蒸気付加伝熱測
定装置による測定により、製作した二重管と同一寸法の
アルミニウム黄銅単管に対する熱通過率比を求めて、評
価した。
縛力は30〜50N/mm2 の範囲であり、またその熱
通過率比は90〜95%を示し、かかる得られた二重管
が、緊縛力、伝熱性能共に、熱交換器用伝熱管として充
分な性能を有していることを認めた。
説明図である。
シール装置の一例を示す断面説明図である。
説明図である。
大して示す断面説明図である。
ール部材をシール装置にセットした状態を示す断面拡大
部分図である。
ランプ 8、18 液圧ヘッド 10 Oリング 20 シール装置 20a 本体ブロック 20b
蓋体ブロック 22 シール部材 24 固定ボルト 23 内側空所(凹部) 26 圧液室 28 圧液供給口 30 ステンレス製リング 32 貫通孔
Claims (5)
- 【請求項1】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管
を外管及び内管として用い、該外管に対する該内管の嵌
合の後、内管内側からの液圧の印加による液圧拡管によ
って両管を圧着せしめて、金属二重管を製造するに際し
て、 前記外管の管端よりも前記内管を所定長さ突出せしめ
て、該外管の管端側部位を機械的に固定する一方、該外
管より突出せしめてなる前記内管の管端側部位の外周
に、外部からの圧液の供給によって該内管の外周面に密
着して液圧シールを可能とした管端液圧シール手段を設
け、該管端液圧シール手段に対して拡管圧力よりも常に
高い圧力の圧液を外部より供給して、前記内管の外周面
に対する液圧シールを行ないつつ、液圧拡管にて該外管
と該内管とを圧着せしめるようにしたことを特徴とする
金属二重管の製造方法。 - 【請求項2】 前記管端液圧シール手段に外部から供給
される圧液が、拡管圧力よりも0.3MPa〜4MPa
だけ高い圧力を有している請求項1記載の金属二重管の
製造方法。 - 【請求項3】 弾塑性変形特性の異なる2種類の金属管
を外管及び内管として用い、該外管に対して該内管を嵌
合せしめた状態下において、内管内側からの液圧の印加
による液圧拡管によって、両管を圧着せしめて、金属二
重管を製造するようにした装置にして、 前記外管の管端側部位を機械的に固定する外管固定手段
と、該外管の管端よりも所定長さ突出せしめられた前記
内管の管端側部位の外周に設けられた、外部からの圧液
の供給によって該内管の外周面に密着して液圧シールを
可能とした管端液圧シール手段とを含み、 且つ該管端液圧シール手段が、外部からの圧液の供給に
よって内周部が縮径変形して前記内管の外周面に線接触
若しくは面接触により密着が可能な形状を有し且つ拘束
された変形領域内において使用圧液にて弾性変形する材
質で形成された円環形状のシール部材と、該シール部材
を、該内管の管軸方向における変形を阻止しつつ、その
内周部が縮径変形し得るように保持し、該シール部材に
対する外部からの圧液の供給を許容する金属製ブロック
体からなる固定部材とから構成されていることを特徴と
する金属二重管の製造装置。 - 【請求項4】 前記シール部材が径方向外方に開口する
U字型の横断面形状をもって前記内管の外周に位置し、
該U字型形状の湾曲内側に前記外部から供給される圧液
が導かれるようになっている一方、該U字型形状の湾曲
底部が該内管外周面に接するようになっている請求項3
記載の金属二重管の製造装置。 - 【請求項5】 前記シール部材が、拡管液圧に基づくと
ころの管軸方向における変形は拘束するが、前記外部か
ら供給される圧液による圧力は伝達せしめて、その内周
部の縮径変形を許容する金属製の構造体を有している請
求項3又は請求項4記載の金属二重管の製造装置。
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JP14031295A JP3688014B2 (ja) | 1995-06-07 | 1995-06-07 | 金属二重管の製造方法及び装置 |
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-
1995
- 1995-06-07 JP JP14031295A patent/JP3688014B2/ja not_active Expired - Fee Related
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