JPH08332337A - 繊維状充填層による気体抽出回収方法 - Google Patents
繊維状充填層による気体抽出回収方法Info
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Abstract
による気体の分離回収。 【構成】 抽出すべき特定気体を吸収する物質を細線化
して繊維状のものとし、これを充填して繊維状充填層を
形成し、この充填層に特定気体を含む気体または液体を
通して特定気体を充填層に吸収または吸着させた後、そ
の特定気体を放出させることにより特定気体を抽出回収
する方法。
Description
で多数利用されている吸収、吸着装置において用られる
抽出しようとする特定気体の分離回収に関するものであ
る。特に、本発明は、抽出しようとする特定気体を吸収
または吸着する物質を細線化したものを繊維状充填層と
して使用し、これに特定気体を吸収または吸着させた
後、この充填層を加熱または減圧して特定気体を放出さ
せて回収する特定気体の抽出回収方法に関するものであ
る。本発明は、具体的には水素吸蔵合金による水素の分
離回収において使用される他に、核融合炉からのトリチ
ウムの抽出にも利用される。
おける溶解度の温度依存性や圧力依存性を利用して特定
気体を分離回収する代表的な方法に、気体を吸収、吸着
する物質を球状の粒子として多孔体を形成した粒子充填
層を利用する方法がある。また、熱回収においては、片
面からの高熱流束を除去するために、銅に酸化アルミナ
を少量添加した物質を細線化して多孔体とした充填層
(商品名:GLIDCOPAI−15)を用いた研究が
ある。
た充填層では、吸収、吸着が行われる表面積は大きくな
るが、粒子充填層の流動抵抗が大きいため、流量を大き
くとれない上にポンプ動力が大きくなる欠点があった。
また、球状粒子を用いた充填層では、粒子表面での物質
伝達率が球表面のそれに近く、物質伝達率の向上を見込
めないという短所があった。そのために充填材の体積に
対する表面積を大きくとれても系全体としての吸収、吸
着効率が向上せず、吸収、吸着あるいは放出、脱着に時
間を要する欠点があった。
は、壁近傍での多孔率が高いため、粒子充填層全体の有
効熱伝導率が悪くなり、充填層全体を均一な温度に保つ
ことが困難となるために、特に流れと直角方向に存在す
る吸収、吸着物質中に吸収、吸着、溶解した気体濃度が
不均一となり、結果的に回収効率が低下し、また充填層
を加熱するときの熱入力が大きくなってしまう欠点があ
った。
術の問題点を解決して画期的な気体抽出回収技術を実現
するために、特定気体を吸収または吸着する物質を細線
化して繊維状のものとし、これを繊維状充填層に構成し
て特定気体を抽出回収する方法である。即ち、本発明
は、抽出しようとする特定気体を吸収する物質を細線化
したものを繊維状充填層に形成し、これに特定気体を含
む気体または液体を流して特定気体を充填層に吸収させ
た後、この充填層を周囲から加熱して充填層の温度を上
昇させて充填層に吸収された特定気体を放出させて回収
することにより、抽出しようとする特定気体を抽出回収
する方法である。
体を含む気体または液体を高圧にし、これを繊維状充填
層に流して特定気体を充填層に吸収させた後、この充填
層を低圧に保持することにより特定気体を充填層から放
出させ、これを回収する特定気体を抽出回収する方法で
ある。
定気体を化学反応により吸着する物質を細線化したもの
を繊維状充填層に形成し、この充填層を低温または高圧
とすることによりその表面に特定気体を化学反応により
吸着させた後、充填層を高温または低圧に保持すること
により特定気体を充填層表面から脱着させて回収する特
定気体を抽出回収する方法である。
填層を二重管構造からなる外管部に形成し、その内管部
に抽出しようとする特定気体を含む気体または液体を流
し、内管壁を通して透過する気体を外管部に設けた充填
層に吸収あるいは化学反応により吸着させた後、外管部
を加熱することによって特定気体を充填層から放出さ
せ、これを回収する特定気体を抽出回収する方法であ
る。
に到達した気体が物質内部にまで拡散によって移動する
ので、充填層の表面積だけでなく容積も考慮の対象にな
ってくる。また本発明における吸着については、物質表
面での気体の挙動が重要になり、例えばある気体が物質
表面で反応して異なる物質に変化することによってその
気体を物質表面で捕捉する場合であり、この場合には物
質内部までの拡散は重要ではない。そこで、本発明にお
いては、吸収または吸着の現象が温度依存性が強く、粒
子充填層より繊維状充填層の方が熱伝導性に優れている
点を利用している。
て水素を吸収した後にこれを回収することからなる水素
の抽出方法を具体的な実施例に基づいて説明する。
トリウム含有合金等)を細線化したもの(線径:0.5
mmから3mm程度)を繊維状充填層1(平均多孔率約
0.1−0.4程度)に形成した流路3に、水素を含ん
だ混合気体または液体を流して水素をその吸蔵合金に吸
収させる。
で飽和された吸蔵合金から水素を回収するための気体を
充填層に流し、且つその周囲から充填層を加熱する。充
填層の温度の上昇に伴い水素の溶解度が低下する吸蔵合
金の場合には、水素が回収気体中に放出される。また、
合金中の水素濃度が低下すれば、この充填層を冷却後に
再び水素を含んだ混合気体又は液体を流して水素を充填
層合金に吸収させる。
用いて行う場合には、図3に示されるように、二重管4
の内管6の管壁に透過窓5を設け、その内管と外管7と
の間に繊維状充填層8を設けて水素回収処理を行う。二
重管の外管部に水素を選択的に吸着する水素吸蔵合金
(例えば、バナジウムまたはジルコニウム合金等)から
なる充填層8を設置し、内管内を流れる水素含有流体を
透過窓5を通して外管部に透過させて水素を充填層に吸
収させた後に、充填層を周囲から加熱することによって
水素を放出させ、この放出された水素を回収気体9によ
って分離回収する。
抽出しようとする特定気体を吸着して回収する場合に
は、特定気体を吸着する物質を細線化して繊維状充填層
を形成し、これを図1に示されるような従来の粒子充填
層2を用いた吸着筒の代わりに使用することによって、
特定気体を分離回収する。例えば、ゼオライト系の吸着
剤を充填層にして使用することにより特定気体である二
酸化炭素を吸着させることができる。以上のように、従
来の粒子充填層に代えて、特定気体を吸収または吸着す
る物質を細線化した充填層を使用することによって前記
問題点を解決することができた。
線化方法としては、シース熱電対を製作する方法のよう
に金属又は合金を引っ張りながら加熱冷却を繰り返して
細線状にしてコイル等に巻取りながら製作する。例え
ば、銅のように柔らかい金属を含む合金では0.05m
m程度の線径のものまで製作することができる。本発明
の繊維状充填層に比較的近い形状のものに金属また合金
束子があるが、これを更に細い線径(例えば0.1mm
から1mm)にしたものが本発明においては好適であ
る。
Cu,Mg2Ni等のマグネシウム系、LaNi5などの
希土類金属系、TiFe、TiMn、TiCr2等のチ
タン系、ZrMn2等のジルコニウム系が使用される。
またイットリウム、バナジウム、ジルコニウム等の純物
質も吸蔵物質として使用されるが、熱伝導性の観点から
合金のほうが優れている。CO2の吸着剤として使用さ
れる化合物としてはゼオライトが使用されるが、これに
は多少繊維化に難しい点が残る。
細線化して繊維状充填層とすることにより、充填材の体
積に対する表面積は小さくなるけれども、処理される気
体または液体の流量を大きくとれて物質伝達率が向上す
るので、抽出しょうとする特定気体の吸収、吸着速度が
向上し、また吸収、吸着における系全体の回収率が向上
する。更に、壁近傍の多孔率を低くすることができ、ま
た充填物質間の接触抵抗が少なくなるため、充填層全体
の有効熱伝導率が高くなって、充填層の温度が均一化さ
れるので、その結果、充填物質中に吸収されたあるいは
その表面に吸着されたものの、流れと直角方向における
気体濃度が均一化する。
層に比べて、充填層全体の有効熱伝導率が大きくなるた
め、充填層の温度が均一化され、これに伴い充填層への
加熱入力を低減することができる。
充填率の粒子充填層に比べて、流体の流動抵抗が小さく
なるため、ポンプ動力が低減される。
での粒子充填層に比べて処理される気体の流量が大きく
とれ、物質伝達率も向上するため、吸収、吸着、放出ま
たは脱着に要する時間が短縮される。また充填層温度も
均一化できるので、吸収、吸着物質中の抽出しょうとす
る特定気体濃度が均一化されるために吸収、吸着におけ
る系全体の回収効率が向上する。
である。
Claims (4)
- 【請求項1】 抽出しようとする特定気体を吸収する物
質を細線化したものを充填して繊維状充填層を形成し、
これに特定気体を含む気体または液体を流して特定気体
を充填層に吸収させた後、この充填層を周囲から加熱し
て充填層の温度を上昇させて充填層に吸収された特定気
体を放出させて回収することにより、充填層物質中にお
ける特定気体の溶解度の温度依存性に基づいて低温で特
定気体を吸収し、高温でそれを放出することを特徴とす
る特定気体の抽出回収方法。 - 【請求項2】 抽出しようとする特定気体を含む気体ま
たは液体を高圧にし、これを前記繊維状充填層に流して
特定気体を充填層に吸収させた後、この充填層を低圧に
保持することにより特定気体を充填層から放出させて回
収することを特徴とする請求項1に記載の特定気体の抽
出回収方法。 - 【請求項3】 抽出しようとする特定気体を吸着する物
質を細線化したものを充填して繊維状充填層を形成し、
この充填層を特定気体の存在下で低温または高圧とする
ことによりその表面に特定気体を吸着させた後、充填層
を高温または低圧に保持することにより特定気体を充填
層表面から脱着させて回収することを特徴とする特定気
体の抽出回収方法。 - 【請求項4】 前記繊維状充填層を二重管構造からなる
外管部に形成し、その内管部に抽出しようとする特定気
体を含む気体または液体を流し、内管を通して透過する
気体を外管部に設けた充填層に吸収あるいは吸着させた
後、外管部を加熱することによって特定気体を充填層か
ら放出させて回収することを特徴とする請求項1又は請
求項3に記載の特定気体の抽出回収方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14212095A JP3803833B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 繊維状充填層による特定気体の抽出回収方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14212095A JP3803833B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 繊維状充填層による特定気体の抽出回収方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08332337A true JPH08332337A (ja) | 1996-12-17 |
JP3803833B2 JP3803833B2 (ja) | 2006-08-02 |
Family
ID=15307874
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14212095A Expired - Fee Related JP3803833B2 (ja) | 1995-06-08 | 1995-06-08 | 繊維状充填層による特定気体の抽出回収方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3803833B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009541586A (ja) * | 2006-06-19 | 2009-11-26 | サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ | 水素収着に特に適した不揮発性ゲッター合金 |
-
1995
- 1995-06-08 JP JP14212095A patent/JP3803833B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JP2009541586A (ja) * | 2006-06-19 | 2009-11-26 | サエス ゲッターズ ソチエタ ペル アツィオニ | 水素収着に特に適した不揮発性ゲッター合金 |
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---|---|
JP3803833B2 (ja) | 2006-08-02 |
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