JPH08331385A - 放射線画像処理方法 - Google Patents

放射線画像処理方法

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JPH08331385A
JPH08331385A JP7133912A JP13391295A JPH08331385A JP H08331385 A JPH08331385 A JP H08331385A JP 7133912 A JP7133912 A JP 7133912A JP 13391295 A JP13391295 A JP 13391295A JP H08331385 A JPH08331385 A JP H08331385A
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Junko Sato
淳子 佐藤
Sumiya Nagatsuka
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Abstract

(57)【要約】 【目的】病変の有無や関心領域の構造の違い等に影響さ
れて、階調処理条件が不適切に設定されることを防止す
る。 【構成】実際の関心領域内の放射線画像信号に基づき作
成したヒストグラム上で、略中間値となる信号値を出力
基準候補値として決定する。そして、標準的なヒストグ
ラム上での略中間値である基準値と前記出力基準候補値
とを比較して、ヒストグラムの偏りを判別する。ここ
で、前記出力基準候補値を前記基準値に近づける方向に
補正し、前記偏りの影響による出力基準候補値のずれを
修正し、該修正された出力基準値が一定濃度になるよう
に階調処理条件を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は放射線画像処理方法に関
し、詳しくは、各種の変動要因に影響されずに、画像信
号に基づいて適切な画像処理条件を設定し得る放射線画
像処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線画像の処理方法としては、従来、
例えば特公平1−33818号公報に開示されるような
ものがあった。このものは、蓄積性蛍光体材料に記録さ
れている胸部放射線画像情報を読み出して電気信号に変
換し、この電気信号の頻度分布(ヒストグラム)からオ
リジナル画像の心臓部と肺野部との境界信号値と最大
値,最小値とを検出し、これらのデータに基づいて階調
特性を設定する構成である。
【0003】また、特開平5−7578号公報には、放
射線画像信号の解析によって関心領域を決定し、該決定
された関心領域内の画像信号に基づいて画像処理条件を
決定する構成の開示があり、関心領域内の画像信号の累
積ヒストグラムにおいて累積頻度が所定値となる信号
値、或いは、関心領域内の画像信号の最大値,最小値,
中間値,平均値などの統計的データに基づいて階調変換
テーブルを設定している。
【0004】更に、特開昭63−183434号公報及
び特開平4−24263号公報には、照射野絞りを行っ
て撮影された放射線画像の画像信号から照射野領域を検
出し、該検出された照射野領域内の画像信号に基づいて
画像処理条件を決定する構成の開示がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、画像信号の
統計的データに基づいて階調処理等の画像処理条件を決
定する構成とした場合、一般的でない濃度(画像信号)
分布を有する放射線画像では、適切な処理条件を設定で
きない場合があった。例えば、胸部側面画像において
は、病変の有無(病変は一般に放射線写真において白い
陰影として現れる)や患者毎の肺の構造の違いによっ
て、或いは、同患者であっても撮影時のポジショニング
の違いによって、画像信号の分布状態に大きな変動を生
じる。また、胸部側面画像は、胸部正面画像の補足とし
て撮影されることが多いため、診断上重要となる領域が
数多く、然も、最も重要な領域は画像によって異なる。
【0006】従って、画像信号の統計的データに基づい
て関心領域を代表する信号レベルを特定し、これに基づ
いて画像処理条件を決定する構成であると、前記病変の
有無等に影響されて前記統計的データが必ずしも関心領
域を正しく代表することにならない場合があり、診断に
重要な領域を適切な濃度に安定的に仕上げることが困難
であった。
【0007】また、関心領域を検出し、該関心領域内の
画像信号に基づいて画像処理条件を決定する構成の場
合、例えば胸部側面画像にあっては、腕や顎など画像信
号は肺野の画像信号と似通っていて誤認識し易いため、
診断上最も重要な肺野領域を誤認識し、該誤認識された
関心領域に基づいて適切でない画像処理条件が決定され
てしまう惧れがあった。
【0008】本発明は上記問題点に鑑みなされたもので
あり、病変の有無,肺の構造の違い,ポジショニングの
変動等による画像信号分布の変化に影響されずに、診断
に重要な関心領域を適切に仕上げることができる放射線
画像処理方法を提供することを目的とする。また、被写
体内の診断に不必要な部分の画像信号に左右されて、関
心領域が誤認識され、更に、該誤認識された関心領域に
基づいて適切でない画像処理条件が設定されることを防
止できるようにすることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そのため請求項1の発明
にかかる放射線画像処理方法は、被写体各部を透過する
放射線の透過量に対応して形成される放射線画像の画像
信号に階調処理を施す放射線画像処理方法であって、前
記画像信号の解析に基づいて関心領域を特定し、該関心
領域内に含まれる画像信号に基づいて関心領域内の統計
的代表値を検出すると共に、該統計的代表値を前記関心
領域内の画像信号の分布状態に基づいて補正設定し、該
補正設定された統計的代表値を一定の出力濃度とすべく
階調処理条件を決定し、該決定された階調処理条件に従
って前記画像信号に階調処理を施すことを特徴とする。
【0010】ここで、請求項2の発明にかかる放射線画
像処理方法では、前記関心領域内の画像信号分布の偏り
に応じて、前記偏りを相殺する方向に、前記統計的代表
値を補正設定する構成とした。一方、請求項3の発明に
かかる放射線画像処理方法は、被写体各部を透過する放
射線の透過量に対応して形成される放射線画像の画像信
号に階調処理を施す放射線画像処理方法であって、前記
画像信号の解析に基づいて関心領域を特定し、該関心領
域内に含まれる画像信号に基づいて関心領域内の統計的
代表値を検出すると共に、予め記憶された複数の基本階
調処理条件の中から前記関心領域内の画像信号の分布状
態に基づいて1つの基本階調処理条件を選択し、前記統
計的代表値を一定の出力濃度とすべく前記基本階調処理
条件を修正し、該修正された階調処理条件に従って前記
画像信号に階調処理を施すことを特徴とする。
【0011】ここで、請求項4の発明にかかる放射線画
像処理方法では、階調処理後に前記関心領域内の画像信
号が診断上有効な濃度域に最も広く分布する基本階調処
理条件を、前記関心領域内の画像信号分布の偏りに応じ
て選択する構成とした。請求項5の発明にかかる放射線
画像処理方法では、前記統計的代表値として、画像信号
の最大値,最小値,平均値,メジアン値,累積ヒストグ
ラム特性値のうちの少なくとも1つを用いる構成とし
た。
【0012】請求項6の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記統計的代表値として、前記関心領域内の画
像信号の略中間値を用いる構成とした。請求項7の発明
にかかる放射線画像処理方法では、前記関心領域内の画
像信号の累積ヒストグラム特性値に基づいて関心領域内
の画像信号分布の偏りを検出する構成とした。
【0013】請求項8の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記関心領域内の画像信号のヒストグラムと、
予め設定された標準ヒストグラムとの整合性判断によっ
て関心領域内の画像信号分布の偏りを検出する構成とし
た。請求項9の発明にかかる放射線画像処理方法では、
前記関心領域内の画像信号のヒストグラムと、前記予め
設定された標準ヒストグラムとを、画像信号範囲と頻度
のピーク位置との少なくとも一方を一致させるべく位置
合わせした後に整合性を判断する構成とした。
【0014】請求項10の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記関心領域内の画像信号のヒストグラム上の
統計的代表値と、前記標準ヒストグラム上の統計的代表
値との大小比較に基づいて関心領域内の画像信号分布の
偏りを検出する構成とした。請求項11の発明にかかる放
射線画像処理方法では、前記統計的代表値が画像信号範
囲の略中間値であり、前記標準ヒストグラム上の統計的
代表値を境界として区分される低濃度側と高濃度側とで
それぞれに前記整合性を示す指標を算出し、これら整合
性を示す指標の差に基づいて画像信号分布の偏りを検出
する構成とした。
【0015】請求項12の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記整合性を示す指標を、前記標準ヒストグラ
ム上の統計的代表値と画像信号との偏差に、当該画像信
号の頻度と標準ヒストグラム上で対応する頻度との偏差
を乗算した値の合計値とする構成とした。一方、請求項
13の発明にかかる放射線画像処理方法は、被写体各部を
透過する放射線の透過量に対応して形成される放射線画
像の画像信号に画像処理を施す放射線画像処理方法であ
って、被写体内の不要部分に対応する画像信号を取り除
いた後の画像信号に基づいて画像処理条件を決定し、該
決定された画像処理条件に従って前記画像信号に画像処
理を施すことを特徴とする。
【0016】また、請求項14の発明にかかる放射線画像
処理方法は、被写体各部を透過する放射線の透過量に対
応して形成される放射線画像の画像信号に画像処理を施
す放射線画像処理方法であって、被写体内の不要部分に
対応する画像信号を取り除いた後に、画像信号の解析に
より関心領域を決定し、該関心領域内の画像信号に基づ
いて画像処理条件を決定し、該決定された画像処理条件
に従って前記画像信号に画像処理を施すことを特徴とす
る。
【0017】請求項15の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記画像信号の解析によって被写体の輪郭点を
抽出し、輪郭点の軌跡に基づいて不要部分の輪郭点を判
定する構成とした。請求項16の発明にかかる放射線画像
処理方法では、胸部側面画像において、画像上下方向の
略中間のラインから上側の領域において、所定ライン上
で抽出された輪郭点が所定数だけ下のラインで抽出され
た輪郭点よりも外側であるときに、前記所定ライン上の
輪郭点を不要部分の輪郭点として判定する構成とした。
【0018】請求項17の発明にかかる放射線画像処理方
法では、前記不要部分の輪郭点として判定された輪郭点
に代えて、所定数だけ前のライン上での輪郭点と同じ位
置を当該所定ライン上における輪郭点として設定して、
不要部分を取り除く構成とした。請求項18の発明にかか
る放射線画像処理方法では、前記画像信号の累積ヒスト
グラム特性値に基づいて特定される所定信号領域を不要
部分に対応する信号領域とし、該信号領域内に含まれる
画像信号を取り除く構成とした。
【0019】
【作用】請求項1の発明にかかる放射線画像処理方法に
よると、関心領域内の画像信号の統計的代表値を一定の
出力濃度とすべく階調処理条件を設定することで、前記
関心領域が見やすく再現されるようにする。但し、関心
領域内における放射線画像信号の分布状態が、病変の有
無や肺構造の違いなどに影響されて通常とは大きく異な
る特性を示すと、前記統計的代表値が正しく関心領域に
代表しなくなり、適切な階調処理条件の決定が行えなく
なってしまう場合がある。
【0020】そこで、関心領域内の画像信号の分布状態
を画像毎に判定し、該分布状態に基づいて前記統計的代
表値を補正設定した後、この補正設定された統計的代表
値に基づいて階調処理条件を決定するものとした。例え
ば、前記統計的代表値として平均値やメジアン値などの
略中間的な信号値を用いる場合には、分布状態の偏りが
前記代表値に大きく影響するので、これを通常の分布状
態において求められる代表値に近づけるように補正すれ
ば、関心領域内の画像信号の特異な分布状態に影響され
て階調処理条件が不適切となることを回避し得ることに
なる。
【0021】請求項2の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の画像信号の分布状態に通常と
は異なる偏りがあり、該偏りによって統計的代表値が適
正値からずれていると推定される場合に、前記偏りを相
殺する方向、即ち、前記偏りがない場合に統計的代表値
として検出される値に近づく方向に、統計的代表値を補
正設定し、前記偏りの影響を排除する。
【0022】請求項3の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の画像信号の統計的代表値を一
定の出力濃度とすべく階調処理条件を設定することで、
前記関心領域が見やすく再現されるようにするが、請求
項1の発明にかかる装置と同様に、関心領域内での画像
信号分布の特異性によって階調処理条件が不適切になる
ことを回避できるようにしてある。
【0023】具体的には、予め複数の分布パターン毎に
適正な階調処理条件を基本階調処理条件として設定記憶
しておき、実際の関心領域内の画像信号の分布状態に応
じて前記複数の中から1つを選択することで、特異な分
布を示す場合であっても、基本特性として略適正な階調
処理条件が設定されるようにする。そして、統計的代表
値を一定の出力濃度とすべく前記基本階調処理条件を補
正して最終的な階調処理条件を設定することで、画像信
号レベルの変動に対応した階調処理条件とする。
【0024】請求項4の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、階調処理によって関心領域内の画像信号が
診断上有効な濃度域に最も広く分布する基本階調処理条
件を、予め記憶された複数の階調処理条件の中から実際
の信号分布の偏りに応じて選択し、階調処理により濃度
域が狭くなることによる再現性の悪化を回避する。請求
項5の発明にかかる放射線画像処理方法によると、前記
関心領域内の画像信号の統計的代表値を、画像信号の最
大値,最小値,平均値,メジアン値,累積ヒストグラム
特性値のうちの少なくとも1つとし、これらの値が病変
の有無等による信号分布状態の変化に影響されて適正値
からずれた値として検出された場合に、分布状態に応じ
て適正値に近づく方向に補正されるようにした。
【0025】請求項6の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、前記関心領域内の画像信号の統計的代表値
を画像信号の略中間値とすることで、統計的代表値が信
号分布の偏りをより反映するようにした。請求項7の発
明にかかる放射線画像処理方法によると、前記関心領域
内の画像信号の累積ヒストグラムを作成し、該累積ヒス
トグラム特性値に基づいて画像信号分布の偏りを検出す
る。例えば、画像信号の最小値と累積ヒストグラムが50
%となる信号値(累積ヒストグラム特性値)とから、累
積ヒストグラムが20%となる信号値(累積ヒストグラム
特性値)を予測し、該予測値よりも実際値が小さい場合
には、画像信号が低レベル側(低濃度側)に偏っている
ものと判断できる。
【0026】請求項8の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の画像信号に基づき作成したヒ
ストグラムと、撮影部位等に応じて設定されることにな
る標準ヒストグラムとの整合性判断によって画像信号分
布の偏りを検出する。即ち、前記標準ヒストグラムに対
して殆ど差のない場合には偏りがないことになるが、信
号範囲が同じでもピーク位置が異なっていたり、低濃度
側或いは高濃度側に信号範囲の違いがあれば、標準ヒス
トグラムに対して低濃度側又は高濃度側に偏っているこ
とになる。
【0027】請求項9の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の実際の画像信号のヒストグラ
ムと標準ヒストグラムとを、画像信号範囲と頻度のピー
ク位置との少なくとも一方を一致させるべく位置合わせ
した後に整合性を判断する構成とし、画像信号の全体的
なシフト等に影響されて偏りが誤検出されることを回避
する。
【0028】請求項10の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の実際の画像信号において検出
された統計的代表値と、標準ヒストグラム上での統計的
代表値との大小を比較し、実際の統計的代表値が標準に
比して高濃度側にずれているか又は低濃度側にずれてい
るかによって分布状態の偏りを検出する。例えば、統計
的代表値として平均値やメジアン値など略中間的な信号
値を用いる場合には、信号範囲の偏りに影響されて前記
統計的代表値が標準ヒストグラム上の統計的代表値から
ずれることになるため、実際の関心領域内の画像信号に
おける統計的代表値と標準ヒストグラム上の統計的代表
値と偏差から分布状態の偏りを検出できる。
【0029】請求項11の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の統計的代表値として平均値や
メジアン値など略中間的な信号値を用いる場合に、標準
ヒストグラム上の統計的代表値を境界として低濃度側と
高濃度側とに分け、それぞれの濃度域において、標準ヒ
ストグラムと実際の画像信号に対応するヒストグラムと
の整合性を示す指標を演算させる。そして、低濃度側と
高濃度側とのいずれの側で整合性が低いかを、前記指標
値の差に基づいて判断する。
【0030】請求項12の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、標準ヒストグラム上の統計的代表値と関心
領域内の画像信号との偏差に、当該画像信号の頻度と標
準ヒストグラム上で対応する頻度との偏差を乗算した値
を画像信号毎に求めて合計した値を、前記整合性(実質
的には不整合性)を示す指標とする。かかる指標値によ
ると、統計的代表値から離れた信号値ほど標準ヒストグ
ラムに対する頻度の差が偏りとして大きく扱われ、例え
ば標準ヒストグラムでは中間値付近にのみピークを有す
るのに対して、実際の画像信号のヒストグラムが低濃度
側或いは高濃度側にもピークを有するような場合には、
かかるピークの存在する側に偏りを持つものとして判別
されることになる。
【0031】請求項13の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、画像信号に基づいて画像処理条件を決定す
るに当たって、被写体内の不要部分、例えば胸部側面画
像における腕,顎やペースメーカなどに対応する画像信
号を取り除いてから処理条件を決定する構成とし、不要
部分に影響されて処理条件が不適切に設定され、関心領
域の再現性が低下することを回避する。
【0032】請求項14の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、前述のように被写体内の不要部分に対応す
る画像信号を取り除いた後で、関心領域を決定し、該関
心領域内の画像信号に基づいて画像処理条件を決定す
る。即ち、予め不要部分に対応する画像信号を取り除い
ておくことで、関心領域を精度良く特定できるように
し、また、特定した領域内に含まれる異物によって画像
処理条件が不適切になることを回避する。
【0033】請求項15の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、被写体によっては例えば輪郭点の軌跡が下
から上に向けて徐々に内側に変化し、外側への変化は不
要部分の輪郭であると見做せる場合があるので、輪郭点
の軌跡の変化方向に基づいて不要部分を特定してこれを
取り除く構成とした。請求項16の発明にかかる放射線画
像処理方法によると、特に胸部側面放射線画像の上側の
被写体部分においては、腕,顎を除く胴体部分の輪郭
は、一般に上方に向けて徐々に内側に変化して左右の輪
郭点の間隔が狭まる特性を示すので、上記特性に合致す
るか否かを、数ライン下での輪郭点との比較に基づいて
行い、輪郭点の外側への変化が判別されたときには、当
該輪郭点を不要部分(腕や顎)の輪郭点として見做して
不要部分を特定する。
【0034】請求項17の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、上記のようにして数ライン下での輪郭点と
の比較に基づいて不要部分(腕や顎)の輪郭点であると
判定されたときには、数ライン下の輪郭点をそのままス
ライドさせて当該ライン上における輪郭点とすること
で、腕,顎の部分を除く胴体部分の輪郭を抽出できるよ
うにした。
【0035】請求項18の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、例えば画像信号の累積ヒストグラムが所定
値(%)以下の領域(透過線量の少ない領域)に含まれ
る信号値を取り除くことで、金属等の異物が被写体内に
ある場合に、この異物に対応する画像信号に影響されて
画像処理条件が不適切になることを回避する。
【0036】
【実施例】以下に本発明の実施例を説明する。一実施例
を示す図1は、本発明にかかる放射線画像処理方法が適
用される放射線画像情報記録読取装置を示すブロック図
であり、この装置は、医療診断用として人体胸部の放射
線撮影を行うものである。
【0037】ここで、放射線発生源1は、放射線制御装
置2によって制御されて、被写体(人体胸部)Mに向け
て放射線(一般的にはX線)を照射する。記録読取装置
3は、被写体Mを挟んで放射線源1と対向する面に放射
線画像変換パネル4を備えており、この変換パネル4は
放射線源1からの照射放射線量に対する被写体Mの放射
線透過率分布に従ったエネルギーを輝尽性蛍光体層に蓄
積し、そこに被写体Mの潜像を形成する。
【0038】尚、上記システムにおいて、診断に必要な
い部分に放射線が照射されないようにするため等の理由
により、図示しないコリメータなどの構成により撮影時
に放射線の照射野を矩形に絞るようにしてある。前記変
換パネル4は、支持体上に輝尽性蛍光体層を、輝尽性蛍
光体の気相堆積或いは輝尽性蛍光体塗料塗布によって設
けてあり、該輝尽性蛍光体層は環境による悪影響及び損
傷を遮断するために保護部材によって遮蔽若しくは被覆
されている。
【0039】尚、該輝尽性蛍光体材料としては、例え
ば、特開昭61−72091号公報、或いは、特開昭5
9−75200号公報に開示されるような材料が使われ
る。光ビーム発生部(ガスレーザ,固体レーザ,半導体
レーザ等)5は、出射強度が制御された光ビームを発生
し、その光ビームは種々の光学系を経由して走査器6に
到達し、そこで偏向を受け、更に、反射鏡7で光路を偏
向させて、変換パネル4に輝尽励起走査光として導かれ
る。
【0040】集光体8は、輝尽励起光が走査される変換
パネル4に近接して光ファイバ束からなる集光端が位置
され、上記光ビームで走査された変換パネル4からの潜
像エネルギーに比例した発光強度の輝尽発光を受光す
る。9は、集光体8から導入された光から輝尽発光波長
領域の光のみを通過させるフィルタであり、該フィルタ
9を通過した光は、フォトマル10に入射して、その入射
光に対応した電流信号に光電変換される。
【0041】フォトマル10からの出力電流は、電流/電
圧変換器11で電圧信号に変換され、増幅器12で増幅され
た後、A/D変換器13でデジタルデータ(デジタル放射
線画像信号)に変換される。そして、このデジタルデー
タは、画像処理装置14において順次画像処理されて、画
像処理後の画像データがインターフェイス16を介してプ
リンタ17に伝送されるようになっている。
【0042】尚、本実施例では、透過線量が大きく前記
フォトマル10に対する入射光強度が大きいほど前記デジ
タルデータとしての画像信号が大きく設定され、プリン
タ17における出力状態においては、通常の銀塩フィルム
による撮影状態と同様に、透過線量が大きいほど高濃度
に再現されるものとする。15は画像処理装置14における
画像処理を制御するCPUであり、A/D変換器13から
出力されるデジタルの放射線画像信号に対して階調処理
を含む種々の画像処理(例えば周波数処理,拡大,縮
小,移動,回転等)を画像処理装置14において施させ、
診断に適した形としてからプリンタ17に出力させ、プリ
ンタ17でハードコピーが得られるようにする。
【0043】尚、インタフェイス16を介して接続される
のは、CRT等のモニタであっても良く、更に、半導体
記憶装置などの記憶装置(ファイリングシステム)であ
っても良い。18は読取ゲイン調整回路であり、この読取
ゲイン調整回路18により光ビーム発生部5の光ビーム強
度調整、フォトマル用高圧電源19の電源電圧調整による
フォトマル10のゲイン調整、電流/電圧変換器11と増幅
器12のゲイン調整、及びA/D変換器13の入力ダイナミ
ックレンジの調整が行われ、放射線画像信号の読取ゲイ
ンが総合的に調整される。
【0044】尚、放射線画像信号の取得は、上記の輝尽
性蛍光体を用いたものに限定されるものではなく、放射
線ディテクタを用いて直接的に透過線量を電気信号に変
換する構成であったり、また、放射線画像を記録した現
像済みの銀塩フィルムに光を照射したときの透過光を光
電変換して電気信号を得る構成であっても良い。前記画
像処理装置14における階調処理においては、画像毎に図
2のフローチャートに示すような処理を行って階調処理
条件を決定し、該決定された条件に従って放射線画像信
号に階調処理を施すようになっている。
【0045】尚、特開昭58−67240号公報に述べ
られているように、輝尽性蛍光体を用いた放射線画像変
換パネルから放射線画像情報を得る所謂「本読み」に先
立って、低エネルギーの励起光を用いて「先読み」を行
うシステムにおいて、「先読み」によって得られた画像
信号に基づいて階調処理条件を決定し、該決定された処
理条件に従って「本読み」によって得られた画像信号に
階調処理を施すようにしても良い。
【0046】まず、画像信号から被写体内の不要部分に
対応する信号を除去する(S1)。前記不要部分とは、
例えば胸部側面画像における腕や顎の部分であり、ま
た、ペースメーカなどの異物である。不要部分を取り除
くと、次に、全画像領域から被写体の関心領域を決定す
る(S2)。前記関心領域の決定は、画像信号の解析に
よる輪郭抽出によって行われ、例えば胸部側面画像では
肺野が関心領域として決定される。ここで、先に不要部
分の除去が行われているので、関心領域が誤認識される
ことを回避し得る。
【0047】尚、胸部画像におけるペースメーカ等、関
心領域内に不要部分が存在する場合には、前記関心領域
内の不要部分の除去は、関心領域決定後に行う方が効果
的である。上記のようにして不要部分が除かれ、かつ、
関心領域を決定すると、前記関心領域に含まれる画像信
号から階調処理条件を決定するに当たって用いる基準値
の候補(以下、出力基準候補値という)を統計的処理に
よって決定する(S3)。従って、前記出力基準候補値
が、本実施例における統計的代表値に相当する。
【0048】尚、前記関心領域内にペースメーカ等の異
物が含まれる場合であっても、先の不要部分の除去によ
って対応する部分の信号が除かれているので、前記出力
基準候補値の決定に、前記異物が影響することがない。
出力基準候補値が設定されると、画像信号の分布状態
(偏り)に基づいてこの出力基準候補値に補正が施され
(S4)、該補正後の値が最終的な出力濃度基準値とし
て設定される。次いで、前記出力濃度基準値を一定の出
力濃度とすべく階調処理条件が決定される(S5)。
【0049】そして、前記決定された階調処理条件に基
づいてオリジナル画像信号に対して階調処理が施される
(S6)。尚、上記の階調処理条件の決定に用いられる
画像信号は、処理時間を短縮する目的で、オリジナル画
像信号の特性を失わない程度に間引いたものを用いると
良い。間引きピッチは、縦横共に1.4 〜5.6 mm程度
(サンプリングピッチ175 μmの画像で1/8〜1/3
2)が好ましく、更に、2.8 mm程度(サンプリングピ
ッチ175 μmの画像で1/16)がより好ましい。
【0050】更に、本実施例のように照射野絞りが行わ
れる場合には、前記階調処理条件を決定する処理を行う
前に、照射野領域(又は照射野絞り領域)を検出し、該
検出された照射野内の画像信号のみを用いると良い。照
射野領域(照射野絞り領域)の検出は、例えば特開平4
−242636号公報に開示されるような方法によって
行える。この方法は、プロファイル間の差分をとって、
この差分値が急激な変化を示す点を照射野を規定する輪
郭点として認識するものである。
【0051】次に、前記図2のフローチャートに示した
階調処理条件決定の処理内容を詳細に説明する。まず、
不要部分に対応する画像信号の除去に先立って、処理対
象とする放射線画像における撮影部位の認識を行う。撮
影部位の認識は、予め装置に撮影部位を指示するための
ボタンを設けておいて、該ボタンの操作によってオペレ
ータが指示する構成とすることができる。また、撮影管
理システムにID番号毎に記憶されている撮影部位情報
を読み出したり、現像された銀塩フィルムから光電変換
により放射線画像信号を読み取る場合には、前記フィル
ムに記録されている撮影部位情報を読み取ったり、撮影
部位毎にフィルムの種類を変える場合には、フィルムの
種類を判別することで撮影部位を認識できる。また、画
像信号の解析、例えばプロファイル情報等に基づいて、
撮影部位を自動認識させる構成であっても良い。
【0052】次に、被写体輪郭線の抽出を行う。輪郭線
の抽出は、1ライン毎に隣接画素間(或いは数画素お
き)での信号値の差が一定値を越える点を輪郭点として
抽出して行うことができ、また、閾値によって画像信号
を2値化して素抜け領域と被写体領域とに分離して輪郭
線を抽出する構成であっても良い。被写体の輪郭線が抽
出されると、次に該輪郭線で囲まれる被写体内に階調処
理条件の決定に関与させるべきでない不要部分が含まれ
る場合があるので、前記不要部分を取り除く処理を行
う。
【0053】例えば胸部側面画像においては、関心領域
は専ら肺野部分であり、腕や顎の部分の画像信号が階調
処理条件の決定に影響すると、前記関心領域を見やすく
再現させることができなくなってしまう。ここで、胸部
側面放射線画像の腕や顎が含まれる可能性のある上側部
分においては、図3に示すように、腕,顎を除く胴体部
分の輪郭は、一般に上方に向けて徐々に内側に変化して
左右の輪郭点の間隔が狭まる軌跡特性を示すので、抽出
された輪郭線が前記特性に合致するか否かに基づいて不
要部分の存在を推定できる。
【0054】具体的には、画像の上1/2の領域におい
て、注目するライン(図3の横方向の画素列)の輪郭点
が、数ライン(5ライン程度)下のライン上での輪郭点
よりも外側にある場合には、前記注目ラインにおける輪
郭点は、不要部分である腕又は顎の輪郭点であると推定
する。そして、不要部分に対応すると推定された輪郭点
については、前記比較した数ライン下の輪郭点と同じ横
方向位置に輪郭点を更新設定することで、腕や顎などの
不要部分が輪郭線内に含まれないようにする。かかる処
理を、左右の輪郭線についてそれぞれ行い、胸部側面画
像において腕や顎などの不要部分が取り除かれた胴体部
分のみを示す輪郭線を設定させる。
【0055】上記の輪郭線補正によって腕や顎などの不
要部分を取り除いて、前記不要部分が階調処理条件の設
定に悪影響を与えることを回避できるが、胴体内にペー
スメーカなどの異物が存在する場合には、更に、前記ペ
ースメーカの部分に対応する画像信号が階調処理条件の
設定に影響しないように取り除く必要がある。前記ペー
スメーカなどの異物は一般的に透過線量が人体に比して
大幅に小さいので、例えば画像信号の累積ヒストグラム
を作成し、累積頻度が所定値(例えば5〜20%)となる
信号値よりも低い側(透過線量の小さい側)の信号範囲
に含まれる画像信号を前記胴体内に含まれる画像信号か
ら取り除くことで、前記異物に対応する画像信号を取り
除くことができる。尚、前記累積ヒストグラムに基づい
て取り除く信号範囲を特定する代わりに、予め設定され
た画像信号以下を取り除く構成としても良い。
【0056】上記処理により、全画像領域から照射野絞
り領域,不要被写体部分(胸部側面画像における腕や
顎),被写体の異物に対応する画像信号がそれぞれ取り
除かれたことになり、次に関心領域を決定する。胸部側
面画像においては、一般に肺野領域が関心領域である。
肺野領域(関心領域)の検出は、前記抽出された被写体
輪郭線の内側の領域内で、縦横のプロファイル情報に基
づき画像の外側から内側に向かって閾値を越える(透過
線量が所定値を越える)点を検出し、かかる点を肺野の
輪郭点とする(図4参照)。
【0057】前記閾値は予め設定された値であっても良
いし、縦横のプロファイル情報に基づき設定する構成と
しても良い。具体的には、縦横のプロファイル(又はプ
ロジェクション)に基づいて判別される被写体領域内の
最大,最小値に基づき、該最大,最小値で挟まれる信号
範囲内の所定割合位置に対応する信号値を閾値として設
定することが可能である。
【0058】ところで、上記のように関心領域としての
肺野領域を検出するに当たっては、被写体内の輪郭線内
を全て検索範囲とするよりも、前記輪郭線内で検索範囲
を限定すれば、処理時間の短縮を図ることができる。検
索範囲の限定は、例えば胸部側面画像において肺野が含
まれないと予測される上下端それぞれから所定ライン数
だけの範囲を検索範囲から除外することで行える。
【0059】また、被写体輪郭線内でライン毎に画像信
号の平均値を求め、注目ラインの平均値とそれよりも所
定ライン数(例えば10ライン)だけ内側のラインにおけ
る平均値とを比較し、前記平均値の差が最大となるライ
ンを検索範囲の上下方向における境界として設定するこ
とで、検索範囲を限定できる。これは、前記ライン毎の
平均値が、肺野を横切るラインと肺野を横切らないライ
ンとの間で大きな差が生じることを利用して、肺野領域
を概略的に検出するものである。
【0060】一方、肺野輪郭点の検索を、検索精度が損
なわれない範囲で適当な画素間隔で行う構成とすること
によっても、処理時間の短縮が図れる。具体的には、前
述のように予め間引きされた画像において、縦方向は10
画素おき、横方向は5画素おき程度の間隔で輪郭点を検
索させることが好ましい。上記のようにして関心領域で
ある肺野領域の輪郭点を結んだ領域を所望の関心領域と
する(図4参照)。
【0061】また、検索された輪郭点のうちで最も外側
に位置する上下左右の輪郭点を通る直線で囲まれる矩形
領域を関心領域としても良い(図4に示す矩形領域)。
但し、この場合も、被写体輪郭線で囲まれる範囲外の部
分は除外する。関心領域が決定されると、関心領域内に
含まれる画像信号について、平均値やメジアン値などの
略中間値を示す統計的代表値を、関心領域を代表する信
号として出力基準候補値にセットする。本実施例では、
上記のように平均値やメジアン値などの略中間値となる
統計的代表値を出力基準候補値とするが、この他、最大
・最小値,累積ヒストグラム特性値を用いることも可能
である。
【0062】出力基準候補値が決定されると、関心領域
における画像信号の分布状態に応じて前記出力基準候補
値を補正設定し、該補正結果を最終的な出力濃度基準値
とする。具体的には、分布が高濃度側或いは低濃度側に
偏っている場合に、該偏り度合いに応じて偏りを相殺す
る方向に、換言すれば、偏りがないとした場合の画像信
号の略中間値に近づく方向に、出力基準候補値を補正す
る。かかる出力基準候補値の補正処理については後に詳
細に説明する。
【0063】画像信号の分布状態に基づき出力濃度基準
値が補正設定されると、該出力濃度基準値が診断し易い
濃度範囲の中間濃度(一定の出力濃度)になるように、
胸部側面画像用階調変換テーブルを横軸方向(画像信号
を横軸、出力濃度を縦軸にした場合)に平行移動する。
前記階調変換テーブルは、撮影部位毎、又は、同じ撮影
部位でも撮影患者のタイプ(体型や肺野内の構造など)
毎に適切な特性を持ったものを予め複数記憶しておい
て、前記撮影部位の認識結果、更には、患者の体型や肺
野内の構造に応じて対応する基本特性を読み出し、これ
を前記出力濃度基準値に基づいて修正する。
【0064】出力濃度基準値に基づいて当該画像固有の
階調変換テーブルが設定されると、該階調変換テーブル
に基づいてオリジナルの画像全体を階調処理する。ここ
で、前記出力基準候補値の補正による出力濃度基準値の
設定について詳細に説明する。本実施例のように胸部側
面画像において肺野領域を関心領域とする場合、通常の
場合、関心領域内の画像信号の分布が図5のヒストグラ
ムに示すように1つのピークに対して上下に略均等な信
号分布特性を示すのに対し、関心領域内に異物や病変
(一般に正常部位よりも透過線量が低下する)が存在す
ると、図6に示すように、低濃度側にもピークをもつ分
布状態となる。ここで、前記異物が殆ど放射線を透過し
ない材質であれば、低濃度側の信号を取り除く前述の処
理によって、図6に示すように前記低濃度側にピークを
発生させる特異な分布状態になることを回避し得るが、
一般的な病変程度の透過率のものである場合には、異物
に対応する画像信号のみを取り除くことができず、結果
的に、図6に示すような分布状態から出力基準候補値が
決定されることになる。
【0065】そして、図6に示すような関心領域での信
号分布状態では、低濃度側でのピークに影響されて平均
値やメジアン値が、病変や異物がない場合の値(図5参
照)よりも低濃度側にずれた値として決定されることに
なり、階調変換テーブルが関心領域全体を診断し易い状
態で再現させ得る特性に設定されないことになる。ま
た、図6に示すような極端なピークの発生を示さない場
合であっても、関心領域内に病変がある場合や関心領域
内に腹部が含まれてしまった場合などは、図7〜図9に
示すように、関心領域の信号分布状態が低濃度側に偏り
を示すようになる場合があり、この場合も、前記低濃度
側への偏りによって出力基準候補値が所望値よりも低濃
度側にずれた値として決定されることになってしまう。
【0066】更に、肺が特異構造に有する場合などで
は、図7〜図9に示す場合とは逆に高濃度側に偏りを示
すようになる場合があり、また、場合によっては、図10
に示すように、低濃度側及び高濃度側の両方に信号範囲
が広がってピークが曖昧となり、分布状態の僅かな偏り
が出力基準候補値のずれを招くようになる場合もある。
このように、関心領域内の画像信号から出力基準候補値
を決定しても、病変の有無や関心領域の特異構造等によ
っては、分布状態の偏りが発生して、必ずしも関心領域
を診断し易い形で再現できる階調特性を設定させること
ができない。
【0067】そこで、本実施例では、関心領域内の画像
信号から統計的に求めた出力基準候補値(平均値又はメ
ジアン値などの略中間値)を、前記画像信号の分布状態
に応じて補正することで、病変の有無等に影響されずに
適正な階調処理条件を設定できるようにしている。具体
的には、前記出力基準候補値を以下のようにして補正し
て出力濃度基準値を設定する。
【0068】まず、累積ヒストグラムに基づいて分布状
態の偏りを判別し、該判別された偏り度合いに応じて前
記出力基準候補値を補正する実施例を述べる。ここで、
関心領域内の画像信号の最小値をSmin 、最大値をSma
x 、関心領域内の画像信号の累積ヒストグラムにおいて
累積頻度が20%となった信号値をS20、累積頻度が50%
となった信号値をS50、累積頻度が80%となった信号値
をS80とする(図11参照)。
【0069】そして、S20<(S50−Smin )×2/3
+Smin であるときには、低濃度側に偏りがあるものと
判断し、 出力濃度基準値=出力基準候補値+((S50−Smin )
×2/3+Smin −S20) とする。
【0070】また、S80>(Smax −S50)/3+S50
であるときには、高濃度側に偏りがあるものと判断し、 出力濃度基準値=出力基準候補値−(S80−(Smax −
S50)/3+S50)) とする。
【0071】上記偏りの判別は、最小値Smin とS50の
値とに基づいて通常分布状態でS20となる信号値を予測
し、該予測値よりも実際のS20の値が小さい場合には、
信号の分布状態が低濃度側に偏っているものと判断し、
実際のS20の値と前記予測値(=(S50−Smin )×2
/3+Smin )との差分だけ、出力基準候補値を高濃度
側にずらす補正を施して、低濃度側への偏りに影響され
て低濃度側にずれて設定された出力基準候補値を高濃度
側に修正するものである。
【0072】同様に、最大値Smax とS50の値とに基づ
いて通常分布状態でS80となる信号値を予測し、該予測
値よりも実際のS80の値が大きい場合には、信号の分布
状態が高濃度側に偏っているものと判断し、実際のS80
の値と前記予測値(=(Smax −S50)/3+S50)と
の差分だけ、出力基準候補値を低濃度側にずらす補正を
施して、高濃度側への偏りに影響されて高濃度側にずれ
て設定された出力基準候補値を低濃度側に修正するもの
である。
【0073】次に、予め設定された一般的なヒストグラ
ム(標準ヒストグラム)と実際に得られたヒストグラム
との整合性に基づいて偏りを判別し、該判別された偏り
度合いに応じて前記出力基準候補値を補正する実施例を
述べる。予め設定されたヒストグラムと、実際に得られ
た関心領域内の画像信号に基づき作成したヒストグラム
とを比較する場合には、信号範囲の全体的なシフト等が
あると、ヒストグラム形状としては略一致する場合であ
っても、分布に偏りがあると誤判定されることになって
しまうので、整合性を判断する前に、一般的なヒストグ
ラムと実際の画像信号に対応するヒストグラムとの位置
合わせを行う。
【0074】前記位置合わせは、一般的なヒストグラム
における幅と、実際の画像信号に対応するヒストグラム
の幅とが略同じである場合には、ヒストグラムの信号範
囲(幅及び位置)を合わせるようにする。また、幅が同
程度でない場合には、頻度が最大となる信号値(ピーク
位置)を合わせるようにすると良い。
【0075】位置合わせが終了すると、整合性の判断に
基づいて画像信号分布の偏りの有無を判別する。かかる
判別は、前記出力基準候補値と同じ統計的代表値(平均
値又はメジアン値)を一般的なヒストグラム上から求
め、これと出力基準候補値との大小関係を判別して行わ
れる(図12参照)。
【0076】即ち、一般的ヒストグラムから求めた基準
値と、前記出力基準候補値とが略同じである場合、換言
すれば、画像信号の略中間値が充分に近い場合には、画
像信号の分布に偏りはないと判断される。また、一般的
ヒストグラムから求めた基準値よりも前記出力基準候補
値が小さい場合には、低濃度側に偏りがあるものと判断
される。更に、一般的ヒストグラムから求めた基準値よ
りも前記出力基準候補値が大きい場合には、高濃度側に
偏りがあるものと判断される。
【0077】そして、前記出力基準候補値の補正による
出力濃度基準値の設定は、 出力濃度基準値=基準候補値+(一般的ヒストグラム上
の基準値−基準候補値)×A% として行われ、一般的なヒストグラム上から求められる
基準値に近づける方向に実際の基準値が補正設定され
る。前記A%は、50〜100 %とすることが好ましい。
【0078】上記のように、基準値でヒストグラム特性
を代表させて一般的なヒストグラムと実際の画像信号の
ヒストグラムとの整合性を判断する代わりに、ヒストグ
ラムの全範囲に渡って整合性を判断して偏りを判別する
構成とすることもできる。例えば、一般的ヒストグラム
と実際の画像信号のヒストグラムとの間における各信号
レベル単位における不整合度を、 不整合度=|一般的ヒストグラムから求めた基準値−信
号値|×(実際の頻度−一般的ヒストグラム上での頻
度) として各信号レベル毎に演算させる構成とし、該不整合
度の合計を、一般的ヒストグラム上の基準値を境界とし
た高濃度側と低濃度側とでそれぞれに算出させ、これら
を一般的ヒストグラムと実際の画像信号のヒストグラム
との不整合性を示す指標とする。
【0079】そして、低濃度側で求められた不整合性を
示す指標と、高濃度側で求められた不整合性を示す指標
とを比較し、両者が略一致している場合には、ヒストグ
ラムの形状が一致していないとしても偏りはないものと
判断し、低濃度側の指標がより大きい場合には低濃度側
に偏りがあるものと判断し、更に、高濃度側の指標がよ
り大きい場合には高濃度側に偏りがあるものと判断す
る。
【0080】ここで、前記出力基準候補値の補正による
出力濃度基準値の設定は、 出力濃度基準値=基準候補値+(低濃度側での不整合性
−高濃度側での不整合性)/関心領域内の画素数×B% として行われ、偏り方向とは逆方向に、即ち、偏りによ
る影響を相殺する方向に出力濃度基準値が補正設定され
る。前記B%は、50〜100 %とすることが好ましい。
【0081】ところで、上記実施例では、関心領域内に
含まれる画像信号の統計的代表値(出力濃度基準値)を
検出し、該統計的代表値を、関心領域内の画像信号の分
布状態(信号分布の偏り)に基づいて補正することで、
前記統計的代表値を用いて設定される階調処理条件が前
記分布状態に適合するようにしたが、統計的代表値を分
布状態(信号分布の偏り)に応じて補正する代わりに、
基本の階調変換条件を前記信号分布状態(信号分布の偏
り)に応じて選択し、更に、関心領域内の統計的代表値
によって前記基本階調処理条件を修正することで、画像
毎に適正化された階調処理条件を設定する構成としても
良い。
【0082】例えば図6〜図10に示すように、代表的な
複数の信号分布パターンを特定し、それぞれの信号分布
パターン毎に適正な階調処理条件(階調変換テーブル)
を予め設定して記憶させておく。そして、実際の関心領
域内の信号分布の偏り(分布状態)を、前述のように累
積ヒストグラム特性値や実際の信号のヒストグラムと標
準ヒストグラムとの比較などを用いて判別して、前記予
め記憶されている基本階調処理条件の中から、実際の信
号分布の偏りに対応するものとして記憶されている階調
処理条件を1つ選択する。尚、かかる選択においては、
階調処理後に関心領域内の画像信号が診断上有効な濃度
域に最も広く分布する基本階調処理条件を選択し、階調
処理により濃度域が狭くなることによる再現性の悪化を
回避することが好ましい。
【0083】上記のようにして、予め複数の信号分布パ
ターン毎に設定された階調処理条件の中から、実際の信
号分布の偏りに対応するものを選択すれば、関心領域内
の画像信号が病変や特異構造等によって標準とは異なる
分布状態を示す場合であっても、適正な階調処理条件を
設定できる。分布状態に応じて基本階調処理条件(基本
階調変換テーブル)を選択した後は、関心領域内の画像
信号の統計的代表値に基づいて前記基本階調処理条件
(基本階調変換テーブル)を前述のように修正(テーブ
ルの平行移動等)することで、画像信号レベルの変動に
対応した階調処理条件として、関心領域を一定の濃度で
再生させることができる。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように請求項1の発明にか
かる放射線画像処理方法によると、病変の有無や肺構造
の違いなどに影響されて、通常とは大きく異なる信号分
布状態を関心領域内の画像信号が示す場合であっても、
画像信号の統計的代表値を信号分布状態に基づいて補正
し、該補正された統計的代表値に基づいて階調処理条件
を決定するようにしたので、関心領域の画像特性に対応
する最適な階調処理条件を施すことができるという効果
がある。
【0085】請求項2の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、関心領域内の画像信号の分布状態に偏りが
あって、統計的代表値が適正値に対して高濃度側又は低
濃度側にずれていると判断される場合に、適正値に近づ
く方向に補正されることになり、偏りの影響で階調処理
条件が不適切になることを回避できるという効果があ
る。
【0086】請求項3の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、病変の有無や肺構造の違いなどに影響され
て、通常とは大きく異なる信号分布状態を関心領域内の
画像信号が示す場合であっても、基本の階調処理条件を
信号分布状態に基づいて複数種の中から選択するように
したので、関心領域の画像特性に対応する最適な階調処
理条件を施すことができるという効果がある。
【0087】請求項4の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、階調処理によって関心領域内の画像信号が
診断上有効な濃度域に最も広く分布する基本階調処理条
件を選択するようにしたので、階調処理により濃度域が
狭くなることによる再現性の悪化を回避できるという効
果がある。請求項5の発明にかかる放射線画像処理方法
によると、画像信号の最大値,最小値,平均値,メジア
ン値,累積ヒストグラム特性値を統計的代表値として、
階調処理条件を決定することで、これらの値を基準とし
た画像信号を見やすく再現でき、然も、前記統計的代表
値が信号分布状態に応じて補正設定されるから、より適
正な濃度での再現が可能であるという効果がある。
【0088】請求項6の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、前記関心領域内の画像信号の統計的代表値
を画像信号の略中間値としたので、統計的代表値が信号
分布の偏りをより反映するようにできるという効果があ
る。請求項7の発明にかかる放射線画像処理方法による
と、関心領域内の画像信号の累積ヒストグラムに基づい
て画像毎の信号分布の偏りを簡便に判別できるという効
果がある。
【0089】請求項8の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、予め設定した標準的なヒストグラム特性と
の対比において、実際の関心領域内の画像信号から作成
したヒストグラムに偏りがあるか否かを判別できるとい
う効果がある。請求項9の発明にかかる放射線画像処理
方法によると、標準的なヒストグラム特性と実際の関心
領域内の画像信号から作成したヒストグラムとの整合性
を、画像信号のシフト等に影響されずに正しく判別でき
るという効果がある。
【0090】請求項10の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、予め設定した標準的なヒストグラム特性と
の対比において、前記標準ヒストグラム上での統計的代
表値と実際の関心領域内の画像信号の統計的代表値とを
比較して、簡便に偏りの有無を判別できるという効果が
ある。請求項11の発明にかかる放射線画像処理方法によ
ると、ヒストグラムの全域に渡って整合性が判断される
ので、画像信号の偏りを高精度に判別できるという効果
がある。
【0091】請求項12の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、低濃度側又は高濃度側に標準状態とは異な
る特異な信号分布があり、かかる特異部分に影響されて
大きく統計的代表値がずれる可能性がある場合に、かか
る分布状態の偏りを適正に判断できるという効果があ
る。請求項13の発明にかかる放射線画像処理方法による
と、画像信号に基づいて画像処理条件を決定するに当た
って、被写体内の不要部分、例えば胸部側面画像におけ
る腕,顎やペースメーカなどに対応する画像信号を取り
除いてから処理条件を決定する構成としたので、前記不
要部分に影響されて処理条件が不適切に設定され、関心
領域の再現性が低下することを回避できるという効果が
ある。
【0092】請求項14の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、例えば胸部側面画像における腕や顎などの
不要部分に対応する画像信号を予め取り除いておくこと
で、関心領域を精度良く特定できるようにし、また、特
定した領域内に含まれる異物によって画像処理条件が不
適切になることを回避できるという効果がある。請求項
15の発明にかかる放射線画像処理方法によると、被写体
における輪郭軌跡の特性に基づいて不要部分を取り除く
ことができるという効果がある。
【0093】請求項16の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、胸部側面放射線画像の上側の被写体部分に
おける輪郭軌跡の特性に基づいて腕や顎などの不要部分
を取り除くことができるという効果がある。請求項17の
発明にかかる放射線画像処理方法によると、胸部側面放
射線画像において、不要な腕,顎の部分を除く胴体部分
の輪郭を抽出できるという効果がある。
【0094】請求項18の発明にかかる放射線画像処理方
法によると、透過線量が極端に低い異物が存在する場合
に、かかる異物に対応する画像信号を取り除くことがで
き、前記異物によって画像処理条件が不適切に設定され
ることを回避できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のシステム構成図。
【図2】実施例における階調処理の流れを示すフローチ
ャート。
【図3】胸部側面画像における不要部分としての腕を示
す図。
【図4】胸部側面画像における関心領域決定の様子を説
明するための図。
【図5】胸部側面画像における関心領域としての肺野内
の画像信号の標準的なヒストグラムを示す線図。
【図6】異物,病変等によって低濃度側にピークを有す
る肺野内画像信号のヒストグラムを示す線図。
【図7】病変,肺の特異構造等によって低濃度側への偏
りをもつ肺野内画像信号のヒストグラムの例を示す線
図。
【図8】病変,肺の特異構造等によって低濃度側への偏
りをもつ肺野内画像信号のヒストグラムの例を示す線
図。
【図9】病変,肺の特異構造等によって低濃度側への偏
りをもつ肺野内画像信号のヒストグラムの例を示す線
図。
【図10】肺の特異構造により広い分布状態を示す肺野内
画像信号のヒストグラムの例を示す線図。
【図11】肺野内画像信号の累積ヒストグラムに基づく偏
り判別の様子を説明するための線図。
【図12】肺野内画像信号の標準ヒストグラム上の基準値
と実際の画像信号に基づく基準値との比較を示す線図。
【符号の説明】
1 放射線発生源 2 放射線制御装置 3 記録読取装置 4 変換パネル 5 光ビーム発生部 6 走査器 7 反射鏡 8 集光体 9 フィルタ 10 フォトマル 11 電流/電圧変換器 12 増幅器 13 A/D変換器 14 画像処理装置 15 CPU 16 インターフェイス 17 プリンタ 18 読取ゲイン調整回路 19 フォトマル用高圧電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/04 H04N 1/04 E

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被写体各部を透過する放射線の透過量に対
    応して形成される放射線画像の画像信号に階調処理を施
    す放射線画像処理方法であって、 前記画像信号の解析に基づいて関心領域を特定し、該関
    心領域内に含まれる画像信号に基づいて関心領域内の統
    計的代表値を検出すると共に、該統計的代表値を前記関
    心領域内の画像信号の分布状態に基づいて補正設定し、
    該補正設定された統計的代表値を一定の出力濃度とすべ
    く階調処理条件を決定し、該決定された階調処理条件に
    従って前記画像信号に階調処理を施すことを特徴とする
    放射線画像処理方法。
  2. 【請求項2】前記関心領域内の画像信号分布の偏りに応
    じて、前記偏りを相殺する方向に、前記統計的代表値を
    補正設定することを特徴とする請求項1記載の放射線画
    像処理方法。
  3. 【請求項3】被写体各部を透過する放射線の透過量に対
    応して形成される放射線画像の画像信号に階調処理を施
    す放射線画像処理方法であって、 前記画像信号の解析に基づいて関心領域を特定し、該関
    心領域内に含まれる画像信号に基づいて関心領域内の統
    計的代表値を検出すると共に、予め記憶された複数の基
    本階調処理条件の中から前記関心領域内の画像信号の分
    布状態に基づいて1つの基本階調処理条件を選択し、前
    記統計的代表値を一定の出力濃度とすべく前記選択した
    基本階調処理条件を修正し、該修正された階調処理条件
    に従って前記画像信号に階調処理を施すことを特徴とす
    る放射線画像処理方法。
  4. 【請求項4】階調処理後に前記関心領域内の画像信号が
    診断上有効な濃度域に最も広く分布する基本階調処理条
    件を、前記関心領域内の画像信号分布の偏りに応じて選
    択することを特徴とする請求項3記載の放射線画像処理
    方法。
  5. 【請求項5】前記統計的代表値が、前記関心領域内の画
    像信号の最大値,最小値,平均値,メジアン値,累積ヒ
    ストグラム特性値のうちの少なくとも1つであることを
    特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の放射線
    画像処理方法。
  6. 【請求項6】前記統計的代表値が、前記関心領域内の画
    像信号の略中間値であることを特徴とする請求項1〜4
    のいずれか1つに記載の放射線画像処理方法。
  7. 【請求項7】前記関心領域内の画像信号の累積ヒストグ
    ラム特性値に基づいて関心領域内の画像信号分布の偏り
    を検出することを特徴とする請求項2又は4に記載の放
    射線画像処理方法。
  8. 【請求項8】前記関心領域内の画像信号のヒストグラム
    と、予め設定された標準ヒストグラムとの整合性判断に
    よって関心領域内の画像信号分布の偏りを検出すること
    を特徴とする請求項2又は4に記載の放射線画像処理方
    法。
  9. 【請求項9】前記関心領域内の画像信号のヒストグラム
    と、前記予め設定された標準ヒストグラムとを、画像信
    号範囲と頻度のピーク位置との少なくとも一方を一致さ
    せるべく位置合わせした後に整合性を判断することを特
    徴とする請求項8記載の放射線画像処理方法。
  10. 【請求項10】前記関心領域内の画像信号のヒストグラム
    上の統計的代表値と、前記標準ヒストグラム上の統計的
    代表値との大小比較に基づいて関心領域内の画像信号分
    布の偏りを検出することを特徴とする請求項8又は9に
    記載の放射線画像処理方法。
  11. 【請求項11】前記統計的代表値が画像信号範囲の略中間
    値であり、前記標準ヒストグラム上の統計的代表値を境
    界として区分される低濃度側と高濃度側とでそれぞれに
    前記整合性を示す指標を算出し、これら整合性を示す指
    標の差に基づいて画像信号分布の偏りを検出することを
    特徴とする請求項8又は9に記載の放射線画像処理方
    法。
  12. 【請求項12】前記整合性を示す指標が、前記標準ヒスト
    グラム上の統計的代表値と画像信号との偏差に、当該画
    像信号の頻度と標準ヒストグラム上で対応する頻度との
    偏差を乗算した値の合計値であることを特徴とする請求
    項11記載の放射線画像処理方法。
  13. 【請求項13】被写体各部を透過する放射線の透過量に対
    応して形成される放射線画像の画像信号に画像処理を施
    す放射線画像処理方法であって、 被写体内の不要部分に対応する画像信号を取り除いた後
    の画像信号に基づいて画像処理条件を決定し、該決定さ
    れた画像処理条件に従って前記画像信号に画像処理を施
    すことを特徴とする放射線画像処理方法。
  14. 【請求項14】被写体各部を透過する放射線の透過量に対
    応して形成される放射線画像の画像信号に画像処理を施
    す放射線画像処理方法であって、 被写体内の不要部分に対応する画像信号を取り除いた後
    に、画像信号の解析により関心領域を決定し、該関心領
    域内の画像信号に基づいて画像処理条件を決定し、該決
    定された画像処理条件に従って前記画像信号に画像処理
    を施すことを特徴とする放射線画像処理方法。
  15. 【請求項15】前記画像信号の解析によって被写体の輪郭
    点を抽出し、輪郭点の軌跡に基づいて不要部分の輪郭点
    を判定することを特徴とする請求項13又は14に記載の放
    射線画像処理方法。
  16. 【請求項16】胸部側面画像において、画像上下方向の略
    中間のラインから上側の領域において、所定ライン上で
    抽出された輪郭点が所定数だけ下のラインで抽出された
    輪郭点よりも外側であるときに、前記所定ライン上の輪
    郭点を不要部分の輪郭点として判定することを特徴とす
    る請求項15記載の放射線画像処理方法。
  17. 【請求項17】前記不要部分の輪郭点として判定された輪
    郭点に代えて、所定数だけ前のライン上での輪郭点と同
    じ位置を当該所定ライン上における輪郭点として設定し
    て、不要部分を取り除くことを特徴とする請求項16記載
    の放射線画像処理方法。
  18. 【請求項18】前記画像信号の累積ヒストグラム特性値に
    基づいて特定される所定信号領域を不要部分に対応する
    信号領域とし、該信号領域内に含まれる画像信号を取り
    除くことを特徴とする請求項13又は14に記載の放射線画
    像処理方法。
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