JP2017056039A - 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置 - Google Patents

画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2017056039A
JP2017056039A JP2015184250A JP2015184250A JP2017056039A JP 2017056039 A JP2017056039 A JP 2017056039A JP 2015184250 A JP2015184250 A JP 2015184250A JP 2015184250 A JP2015184250 A JP 2015184250A JP 2017056039 A JP2017056039 A JP 2017056039A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pixel
lung field
moving average
intersection
profile
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2015184250A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6536316B2 (ja
Inventor
隆大 宮島
Takahiro Miyajima
隆大 宮島
淳也 山本
Junya Yamamoto
淳也 山本
和義 西野
Kazuyoshi Nishino
和義 西野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shimadzu Corp
Original Assignee
Shimadzu Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shimadzu Corp filed Critical Shimadzu Corp
Priority to JP2015184250A priority Critical patent/JP6536316B2/ja
Publication of JP2017056039A publication Critical patent/JP2017056039A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6536316B2 publication Critical patent/JP6536316B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Apparatus For Radiation Diagnosis (AREA)

Abstract

【課題】放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供する。
【解決手段】被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルと、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルとを生成し、画素配列における後端から前端に向かう方向(被検体の肺野側から輪郭側に向かう方向)から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置にある両プロファイルの交点を探索する交点特定部を備えている。
【選択図】図11

Description

本発明は、放射線画像の一部の視認性を向上させる画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置に関する。
図22は、放射線撮影装置で撮影された放射線画像を示している。この様な放射線画像に写り込む被検体の肺野を観察したい場合、肺野のコントラストを調整して、肺野の視認性を向上させるような画像処理が必要となる。
放射線画像には肺野の他、被検体の骨部など様々な被検体の部分が写り込んでいる。被検体の骨部は、放射線を透過させにくいので放射線画像において暗く写り込む。更に、放射線画像に写り込む被検体の輪郭の外側は、被検体が写り込んでいない部分で、空気が写り込んでいる部分となっている。被検体が写り込んでいない部分は放射線を透過させるものがないので放射線画像において明るく写り込む。放射線画像において肺野は被検体の骨部よりも明るく空気が写り込んでいる部分である被検体の輪郭外よりも暗い。
放射線画像の肺野は全体的に濃淡の乏しいグレーで塗りつぶされたように見える。放射線画像に写り込む肺野に位置する画素は、互いに似通った画素値を有しているからである。
肺野の視認性を高めようとして放射線画像全体に対してコントラスト調整を行うと、放射線画像に含まれる骨部および空気が写り込んでいる部分も含めてコントラスト調整がなされてしまう。このようなコントラスト調整により放射線画像全体としての視認性は高くなることはあるかもしれないが、肺野に限って見ればさほど視認性の改善が見られない。コントラスト調整後の肺野は全体的に濃淡の乏しいままである。肺野の濃淡を表現しようにも、低い画素値は、被検体の骨部を表現するのに使われるし、高い画素値は、空気が写り込んでいる部分を表現するのに使われ、肺野は残った中庸的な画素値で表現せざるを得ないからである。
したがって、従来から放射線画像における肺野のみにコントラスト調整を行う方法が考え出されている。この方法によれば、肺野をより多様な色調で表現できるので肺野の視認性が確実に高まる。この方法は、放射線画像における肺野を抜き出すトリミングを実行し、肺野を大きく写し込んだトリミング画像に対してコントラスト調整を実行するというものである。トリミング画像には、暗い被検体の骨部や明るい空気が写り込んでいる部分が排除されているので、これら部分の影響を受けることがない。
従来の肺野のトリミング方法について説明する。従来の方法では、まず、図23に示すように放射線画像にエッジ強調処理を行う。エッジ強調処理とは、空間的な例えば微分処理で実現でき、画像における画素値が極端に変わる場所を濃く現わす画像処理である。このエッジ強調処理を用いれば被検体輪郭を知ることができる。エッジ強調については、特許文献1に詳しい。
従来方法によれば、被検体輪郭に基づいて図24に示すように肺野を含む領域を切り出すトリミング処理がなされる。このときのトリミング処理は、エッジ強調画像に基づいて肺野領域を認識して、放射線画像から肺野がその周辺ごと大まかに切り出される。
続いて、図25に示すようにトリミング画像上から肺野輪郭が探索される。トリミング画像にはほとんど肺野しか写り込んでいないので肺野輪郭を探索するのは比較的容易である。こうして、肺野の視認性の向上が図られる。このように肺野輪郭の認識は2段階で実行される。
探索された肺野輪郭で囲まれた肺野のみについてコントラスト調整を行えば、肺野の真性は確実に向上する。
特開2015−100593号公報
しかしながら、従来の画像処理には、次のような問題がある。すなわち、従来構成によれば肺野輪郭の誤認識が生じ、図24で説明したトリミング画像の生成処理(肺野の認識の一段階目)で失敗してしまう。
エッジ強調画像を利用した従来の画像処理は、被検体像が予想されており、この予想に基づいて肺野の周辺の切り出しを行っている。したがって、従来の方法では、通常の被検体像が写り込んだ放射線画像に対して正常に動作することができる。
しかし、従来構成では、放射線画像に予期しない像が写り込んでいると肺野輪郭の誤認識が生じやすくなる。予期しない像とは、例えば図26の放射線画像に示すような被検体に埋め込まれた心臓ペースメーカの投影像である。心臓ペースメーカは金属を含んでおり、放射線画像に比較的暗く写り込む。心臓ペースメーカは、肺野に重なって写り込むことが普通である。
この様な放射線画像にエッジ強調処理を行うと、図26に示すように心臓ペースメーカの輪郭が強調されてしまう。従来方法では、放射線画像に心臓ペースメーカが写り込んでいると、この部分が被検体輪郭だという誤認が生じ、図27に示すように肺野の一部が途切れたトリミング画像が生成されてしまう。このようなトリミング画像から肺野全体の輪郭を得るのは不可能である。
また、放射線画像にアノテーションが写り込んでいると、放射線画像のトリミングがうまくいかない。アノテーションとは、図28に示すように撮影により得られた放射線画像の上部に合成で付加される例えば「R」などの文字である。このアノテーションは、肺野外に写り込んでいることが普通である。
この様な放射線画像にエッジ強調処理を行うと、図28に示すようにアノテーションの輪郭が強調されてしまう。従来方法では、放射線画像にアノテーションが写り込んでいると、この部分が被検体輪郭だという誤認が生じ、図29に示すように被検体輪郭の外部まで含んだトリミング画像が生成されてしまう。このようなトリミング画像から肺野の輪郭を正確に得るのは難しい。
本発明は、この様な事情に鑑みてなされたものであって、その目的は放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供することにある。
本発明は上述の課題を解決するために次のような構成をとる。
すなわち、本発明に係る画像処理装置は、被検体の輪郭が写り込んだ放射線画像における肺野に相当する部分に輝度調整を施す画像処理装置において、被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルを生成する画素値プロファイル生成手段と、画素配列における被検体の輪郭側である前端に向いた先頭と画素配列における肺野側である後端側に向いた後尾とを有し、画素配列に属する画素が所定数個だけ連続して並んで構成される画素群を設定するとともに、画素群のうちの先頭部に位置する注目画素を設定し、画素群を構成する画素の画素値を平均することで注目画素に係る画素値の移動平均を算出し、以降、画素群を画素配列上で移動させながら次々と注目画素に対応する画素値の移動平均を算出することにより、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルを生成する移動平均プロファイル生成手段と、画素配列における後端から前端に向かう方向から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置に現れる両プロファイルの交点のうち最も画素配列の後端側のものを探索し、当該探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、由来の画素配列が異なる各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものを特定する交点特定手段と、探索された交点に基づいて被検体の輪郭に位置に基づいて肺野の周辺部の位置を認識することにより、放射線画像から周辺部ごと肺野を取り出すトリミングを実行するトリミング手段と、トリミング手段により生成されたトリミング画像に写り込む肺野の輪郭を抽出する肺野輪郭抽出手段を備えることを特徴とするものである。
[作用・効果]本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供することができる。すなわち、本発明の構成では、被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルと、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルとを生成し、画素配列における後端から前端に向かう方向(被検体の肺野側から輪郭側に向かう方向)から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置にある両プロファイルの交点を探索する交点特定手段を備えている。この交点は、被検体の輪郭の位置を示している可能性が高い。
本発明は、放射線画像にアノテーションが写り込んでいたとしても被検体の輪郭を正確に特定できる。交点特定手段が条件に合う交点のうち最も画素配列の後端側にある交点を探索するようにしているからである。被検体の輪郭は、アノテーションよりも画素配列の後端側にあるので、条件に合う交点のうち最も後端側のものが輪郭に係るものであると判断できる。
本発明は、放射線画像に心臓のペースメーカ像が写り込んでいたとしても被検体の輪郭を正確に特定できる。交点特定手段が交点の探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、各画素配列に対応する交点を取得し、各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものを特定するからである。各画素配列には、ペースメーカ像を横切るものと横切らないものとがある。ペースメーカ像を横切る画素配列からは肺野とペースメーカ像との境目の位置に交点が発見され、ペースメーカ像を横切らない画素配列からは、被検体の輪郭の位置に交点が発見される。これら交点には、前端側に位置するものと後端側に位置するものとがある。ペースメーカ像は、被検体の輪郭よりも後端側に位置していることからすると、後端側に位置している交点は肺野とペースメーカ像との境目の位置しているものと考えられる。本発明によれば、各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものが被検体の輪郭の位置を表しているものとして動作するので、肺野とペースメーカ像との境目を被検体の輪郭と誤認することがない。
被検体の輪郭を抽出することができれば、肺野全体を放射線画像から抽出する画像処理を確実に行うことができ、肺野の視認性を確実に向上させることができる。
また、上述の画像処理装置において、トリミング手段は、交点よりも所定幅だけ画素配列の前端側にある放射線画像上の位置を画像切り出しの位置に設定して動作すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の画像処理装置のより望ましい構成を表している。交点は、被検体の輪郭よりも後端側にずれて現れる傾向があるからである。
また、上述の画像処理装置において、移動平均プロファイル生成手段が画素配列の後端から前端に向けて画素群を移動させながら移動平均プロファイルを作成すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の画像処理の寄り望ましい構成を表している。上述のようにすれば、プロファイルのうち比較に必要な部分について優先的にプロファイルの生成を実行することができる。
また、上述の画像処理装置において、交点特定手段が画素値の移動平均が算出される度に交点の探索を繰り返し実行し、移動平均プロファイル生成手段は交点特定手段が交点の探索を終了すると、移動平均プロファイルの作成を終了すればより望ましい。
[作用・効果]上述の構成は、本発明の画像処理の寄り望ましい構成を表している。成就鬱の構成とすれば、移動平均プロファイル生成手段の演算コストを低減することができる。
本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供することができる。すなわち、本発明の構成では、被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルと、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルとを生成し、画素配列における後端から前端に向かう方向(被検体の肺野側から輪郭側に向かう方向)から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置にある両プロファイルの交点を探索する交点特定手段を備えている。
実施例1に係る画像処理装置が行う画像処理について説明する模式図である。 実施例1に係る画像処理装置の構成を説明する機能ブロック図である。 実施例1に係る画素値プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る移動平均プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る移動平均プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る移動平均プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る移動平均プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る移動平均プロファイル生成処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点特定処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点特定処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点特定処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点の特徴について説明する模式図である。 実施例1に係る交点の特徴について説明する模式図である。 実施例1に係る交点特定処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点の特徴について説明する模式図である。 実施例1に係る交点の特徴について説明する模式図である。 実施例1に係る交点特定処理について説明する模式図である。 実施例1に係る交点の特徴について説明する模式図である。 実施例1に係るトリミング処理について説明する模式図である。 実施例1に係るトリミング画像について説明する模式図である。 従来構成の画像処理について説明する模式図である。 従来構成の画像処理について説明する模式図である。 従来構成の画像処理について説明する模式図である。 従来構成の画像処理について説明する模式図である。 従来構成の画像処理について説明する模式図である。 従来構成の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来構成の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来構成の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。 従来構成の画像処理で生じる問題点について説明する模式図である。
続いて、本発明に係る実施例について説明する。本発明に係る画像処理装置は、図1に示すようにX線撮影装置で撮影された被検体の胸部X線画像(元画像P0)を入力すると被検体の肺野のコントラストが調整された画像が出力される構成となっている。
図2は、画像処理装置1が行う画像処理の全体を示した機能ブロック図である。図2によれば、画素値プロファイル生成部11,移動平均プロファイル生成部12,交点特定部13により元画像P0上の肺野の大まかな位置が特定され、トリミング部14により元画像P0から肺野がその周辺領域ごと抜き出されたトリミング画像Tが生成される。肺野輪郭抽出部15は、トリミング画像上の肺野領域を認識して肺野の輪郭を特定する。肺野輝度調整部16は、肺野輪郭内についてコントラストを調整する。この様にして本発明に係る画像処理装置は、元画像P0の肺野のみにコントラストの調整を実行する構成となっている。
画素値プロファイル生成部11は本発明の画素値プロファイル生成手段に相当し、移動平均プロファイル生成部12は本発明の移動平均プロファイル生成手段に相当する。交点特定部13は本発明の交点特定手段に相当し、トリミング部14は本発明のトリミング手段に相当する。肺野輪郭抽出部15は本発明の肺野輪郭抽出手段に相当する。
したがって、本発明における画像処理装置1は、画素値プロファイル生成部11,移動平均プロファイル生成部12,交点特定部13,トリミング部14により肺野の認識の一段階目が実行され、肺野輪郭抽出部15により肺野認識の二段階目が実行される。本発明は、従来構成における肺野認識の一段階目における課題の解決を目指しているので、上述の各部11,12,13,14の構成が本発明の特徴となっている。
すなわち、従来構成では、元画像にエッジ強調処理を施すことにより肺野認識の一段階目を行っていた一方、本発明は、二つのプロファイルを比較することで肺野認識の一段階目を実行する構成となっている。各部11,12,13,14は協働して被検体の肩部にある被検体の輪郭を探し出し、この部分で元画像P0の切り取りを実行することにより、肺野を含んだトリミング画像に元画像P0上の空気が写り込んでいる部分を取り入れさせない。以降、各部11,12,13,14の動作について説明する。
図3は、画素値プロファイル生成部11の動作を示している。画素値プロファイル生成部11は、元画像P0において縦方向に画素が一列に配列した画素配列Aを設定する。この画素配列Aは、被検体の輪郭および肺野を横切って伸びており、上端部は、元画像P0における空気が写り込んでいる部分、中心部は、肺野が写り込んでいる部分である、二つの部分の間は、被検体の肩が写り込んでいる部分となっている。各部分に属する画素は、それぞれ明るさが異なっており、概して空気が写り込んでいる部分が最も明るく、肺野が写り込んでいる部分が次に明るい。そして、肩が写り込んでいる部分が最も暗い。
画素値プロファイル生成部11は、画素配列Aに属する各画素の画素値と、各画素の位置を関連づけたプロファイルを生成する。このプロファイルを画素値プロファイルと呼ぶことにする。画素値プロファイル生成部11は、被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルを生成する。
図4は、移動平均プロファイル生成部12の動作を説明している。移動平均プロファイル生成部12は、画素値プロファイル生成部11が指定した画素配列Aについて画素値プロファイルとは異なる新たなプロファイルを生成する。すなわち、移動平均プロファイル生成部12は、画素配列A上に画素群を設けて、この画素群に属する画素の画素値の平均値と画素群の位置とを関連づけたプロファイルを生成するのである。このプロファイルを移動平均プロファイルと呼ぶことにする。画素群は、画素配列Aに属する画素が所定数個だけ連続的に並んで構成されている。
画素配列Aにおける肩側の端を前端とし、画素配列Aにおける腰側の端を後端とする。元画像P0における被検体像と空気領域との境目(被検体の輪郭)は、画素配列Aの前端側にある。画素群は、画素配列Aの前端側に向いた先頭と画素配列Aの後端側に向いた後尾とを有している。
図5は、画素群の構造の詳細を説明している。図5の例では、画素群は連続して並んだ8個の画素p1〜画素p8から構成される。この画素群の先頭に位置する画素p1は、注目画素と呼ばれる画素であり、元画像P0上における画素群の位置を代表して示す画素となっている。画素群は、元画像P0上においては注目画素の位置に存在しているものとして扱われる。
図6は、移動平均プロファイル生成部12が画素群の平均値を算出している様子を示している。移動平均プロファイル生成部12は、画素群を構成する8個の画素p1〜画素p8の画素値を平均して、平均値Aveを算出する。この平均値Aveは、画素群における画素の平均値を示すわけであるが、画素群の位置は、注目画素を基準にしているので、平均値Aveは、注目画素p1に関連する値であると考えることができる。そこで、この平均値を関数Ave(p1)として表すことができる。
図7は、移動平均プロファイル生成部12が画素配列A上で画素群の位置を変えながら平均値Ave(p1)を算出する様子を示している。この平均値の算出は、図中の矢印が示すように画素配列Aの後端から前端に向かう方向に画素群を動かしながら実行される。この操作により画素配列A上における画素値の移動平均が算出されたことになる。なお、この平均値の算出は、画素配列Aの全てに亘って実行する必要はない。画素配列Aの中心から前端にかけて実行すれば十分である。この区間にこれから見つけようとする被検体の肩部にある被検体の輪郭が確実に含まれているからである。移動平均プロファイル生成部12は、画素配列の後端から前端に向けて画素群を移動させながら移動平均プロファイルを作成する。
図8は、移動平均プロファイル生成部12が画素配列Aに属する画素群に係る平均値と、各画素群の位置を関連づけたプロファイルを生成する様子を示している。このプロファイルを移動平均プロファイルと呼ぶことにする。各画素群の位置とは、具体的には各画素群に対応する各注目画素の位置のことである。
移動平均プロファイル生成部12は、画素群のうちの先頭部に位置する注目画素を設定し、画素群を構成する画素の画素値を平均することで注目画素に係る画素値の移動平均を算出し、以降、画素群を画素配列上で移動させながら次々と注目画素に対応する画素値の移動平均を算出することにより、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示す移動平均プロファイルを生成する。
<交点特定部13について>
各生成部11,12が生成した画素値プロファイルおよび移動平均プロファイルは、交点特定部13に送出される。交点特定部13は、各プロファイルの交点を探索する構成となっている。この交点は、元画像P0に写り込む被検体の輪郭の位置を表したものとなっているので、この点について説明する。
図9は、画素配列A上の画素の配列の構成を具体的に示している。画素配列Aは、空気が写り込んだ空気領域と被検体の肺野が写り込んだ肺野領域と、空気領域と肺野領域との間にある被検体の肩部が写り込んだ中間領域の3つの領域を有している。空気領域は、被検体が写り込んでいないので画素配列A上で最も明るい。肺野領域は、虚ろな被検体の肺が写り込んでいるので画素配列A上で次に明るい。中間領域は、被検体の鎖骨や筋肉などが写り込んでいるので最も暗い。交点特定部13の動作の目的は空気領域と中間領域との境目を見つけることにある。
図10は、注目画素の位置によって各プロファイルの大小関係がどのように変遷するかを示している。図10において注目画素は星印で示し、画素群は太枠で示すことにする。画素群の幅は、中間領域の幅よりも長くなるように設定がなされている。したがって、中間領域の全域を含む位置にある画素群は、中間領域の隣の領域にはみ出すことになる。
まずは、図10の上段に示すように、画素群のほとんどが肺野領域に位置し、先頭が中間領域に位置している状態を考える。このとき、注目画素は暗い中間領域に位置しているので画素値は低い。一方、移動平均は高くなる。画素群を構成する画素のほとんどは明るい肺野領域に位置しているからである。従って、図10上段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも小さくなる。
以降、画素群を画素配列Aの前端に向けて移動させながら移動平均の算出を続けてみる。しばらくすると、図10中段に示すように注目画素が中間領域の端部にさしかかる。このとき、注目画素は暗い中間領域に位置しているので画素値は低い。一方、移動平均は、次第に低下するものの依然として高いままである。中間領域よりも幅広の画素群は後尾部が中間領域からはみ出して明るい肺野領域に位置しているからである。従って、図10中段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも小さいままである。
更に移動平均の算出を続けていくと、図10下段に示すように注目画素が空気領域に達する。このととき、注目画素の画素値は急に高くなる。一方、移動平均はあまり変わらない。画素群を構成する画素のほとんどは暗い中間領域に位置しているからである。従って、図10下段の場合、注目画素の画素値は、移動平均よりも大きくなる。
したがって、空気領域と中間領域との境目を見つけるには、注目画素の画素値と移動平均との大小関係が逆転する位置を発見すればよいということになる。この位置が画素配列A上のどこに来るのかは、2つのプロファイルを比較すればわかる。すなわち、画素値プロファイルと移動平均プロファイルを重ね合わせたときに現れるプロファイルの交点が空気領域と中間領域との境目になるはずである。画素値プロファイルは、画素配列Aの位置と注目画素の画素値とが関連したものに他ならないからである。
図11は、この考えに基づいて実際の画素値プロファイルと実際の移動平均プロファイルとを重ね合わせた状態を示している。図11において画素値プロファイルは、実線、移動平均プロファイルは破線で表されている。図11における符号aが問題の交点である。
図11を見れば分かるように、交点aは、厳密には中間領域に位置してしまっている。つまり、実際は図10の説明そのままにはならない。図12は、この様な現象が生じる理由について説明している。図12は、被検体の肩部についてX線撮影を行っている様子を示している。X線は、左側から右側に向けて被検体に照射され被検体の肩部を通過して検出器で検出される。被検体は腹側が左に向いており背側が右に向いている。被検体の肩部は先端が肉薄となっているので、得られたX線画像は、下側から上側に行くほど明るくなるグラデーションがかかったような画像となる。つまり図11で示す画素配列Aの中間領域における空気領域との境目の周辺は、空気領域に向かうに従って次第に明るくなる。実際の元画像P0を扱う上でこの点が図10で説明した単純なモデルとは違のである。したがって、交点aは、空気領域と中間領域の境目そのものではなく、わずかに中間領域の方にずれた位置に現れるのである。
本発明の構成はこの様な事情を鑑みて、図13に示すように、交点aよりも所定の距離Dだけ空気領域の方向にずれた位置を空気領域と中間領域の境目と認定するように構成されている。この様な認定は後述のトリミング部14が実行するので詳細は後述のものとする。
ところで、図11を見ると、画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの交点は、2つあることに気がつく。1つは、交点aであり、空気領域と中間領域の境目付近に現れる。もう1つは中間領域と肺野領域の境目付近に現れる交点である。この2つの交点を正確に区別しないと、目的の空気領域と中間領域の境目を正確に知ることができないということになる。
本発明の交点特定部13は、被検体の内部から空気領域に向かう方向(図11における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている交点のみを探索する構成となっている。このような交点は、図10で説明した原理に合致する空気領域と中間領域の境目付近に現れる交点となる。交点特定部13は、この様な原理に基づいて中間領域と肺野領域の境目と空気領域と中間領域の境目とを区別している。
<交点とペースメーカ像との関係>
上述の交点特定部13の動作は、X線画像における空気領域と中間領域の境目を発見する構成としては十分なものである。しかしながら、X線画像に心臓ペースメーカが写り込んでいると、交点特定部13で探索した交点が空気領域と中間領域の境目付近に現れないことが起こりうる。この様な現象が起こる理由について説明する。
ペースメーカ像は、図14に示すように、肺野に囲まれる位置に写り込む。従って、ペースメーカ像の上部も下部も肺野となる。このペースメーカ像を貫くように画素配列Bが設定された場合について考えてみる。
図15は、画素配列B上の画素の配列の構成を具体的に示している。画素配列Bは、図9と同じように空気が写り込んだ空気領域と被検体の肺野が写り込んだ肺野領域と、空気領域と肺野領域との間にある被検体の肩部が写り込んだ中間領域を有している。図9と異なる点は、肺野領域にペースメーカ像に係るペースメーカ領域が挿入されていることにある。画素配列B上の各領域を暗い順に並べると、ペースメーカ領域、中間領域、肺野領域、空気領域となる。肺野領域は、ペースメーカ領域によって分断される。分断された肺野領域のうち、中間領域に近い側の領域断片を肺野領域L1と呼び、中間領域に遠い側の領域断片を肺野領域L2と呼ぶことにする。
図16は、画素配列Bに関する画素値プロファイルと移動平均プロファイルとを重ねて表示している。このとき注目すべきは、肺野領域L1と、ペースメーカ領域との境目である。ペースメーカ領域における画素値プロファイルは、移動平均プロファイルよりも低い。画素値プロファイルは、暗いペースメーカ領域を示す低い値を示す一方、移動平均プロファイルは、明るい肺野領域L2に引きずられて高い値をとる。ところが、肺野領域L1における画素値プロファイルは、移動平均プロファイルよりも高い。画素値プロファイルは、明るい肺野領域L1を示す高い値を示す一方、移動平均プロファイルは、暗いペースメーカ領域に引きずられて低い値をとる。したがって、肺野領域L1と、ペースメーカ領域との境目においては画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの間での逆転が生じる。
被検体の内部から空気領域に向かう方向(図16における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている。したがって、交点bは、交点特定部13が有している探索の条件を全て満たしてしまう。
この様な事情から、X線画像にペースメーカ像が写り込んでいると、交点特定部13が肺野領域L1とペースメーカ領域との境目付近にある交点bを探索してきてしまう可能性がある。そこで、本発明によれば、位置の異なる複数の画素配列のそれぞれについて交点の探索を行い、これら交点のうち最も被検体の頭部側(空気領域側)に位置するものを空気領域と中間領域の境目付近にある交点と認定することにより、この様な誤認が生じないような構成になっている。
図17は、交点特定部13が複数の交点から最終的に一つの交点を選出する様子を説明している。互いに平行な画素配列Aと画素配列Bとについて、交点の探索を行い、画素配列Aについては交点a,画素配列Bについては交点bが発見されたとする。交点特定部13は、交点a,bのうち、空気領域に近い側の交点aが最終的な探索結果であるものと認識し、交点bは、発見しなかったものとして処理する。交点特定部13は、当該探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、由来の画素配列が異なる各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものを特定する。
この様な動作を行うことにより、交点特定部13は、肺野領域L1とペースメーカ領域との境目を空気領域と中間領域との境目と誤認してしまうことがない。肺野領域L1とペースメーカ領域との境目は、空気領域と中間領域との境目と比較して空気領域から遠い位置に現れるはずであり、交点特定部13により選出の対象とならないからである。
<交点とアノテーション像との関係>
続いて、交点とアノテーションとの関係について説明する。アノテーションとは、図28の文字「R」のような、X線画像の空気領域に挿入される図形である。このアノテーションの付近において画素値プロファイルと移動平均プロファイルとの間で逆転が生じることが起こりえる。従って、アノテーション像がX線画像に写り込んでいるとアノテーション像と空気領域との境目で、図16で説明したように両プロファイルの交点が発生し、この交点が空気領域と中間領域との境目で発生する交点と区別がつかなくなるのではないかと思われる。
この点、本発明によれば、ある画素配列Aについて、被検体の内部から空気領域に向かう方向(図11における矢印参照)に2つのプロファイルを比較したとき、移動平均プロファイルを下回っていた画素値プロファイルが追い抜いて移動平均プロファイルを上回るようになるプロファイルの逆転が生じている交点が複数ある場合、交点特定部13は、これらの交点のうち肺野領域に近い側の交点が画素配列Aについての探索結果であるものと認識し、その他の交点は発見しなかったものとして処理するようにしている。
図18の例でいえば、交点a1の方が交点a2よりも肺野領域に近いので、交点特定部13は、交点a2が画素配列Aに係る交点であると認定する。この様な動作を行うことにより、交点特定部13は、空気領域とアノテーションとの境目を空気領域と中間領域との境目と誤認してしまうことがない。空気領域とアノテーションとの境目は、空気領域と中間領域との境目と比較して肺野領域から遠い位置に現れるはずであり、交点特定部13の認識の対象とならないからである。交点特定部13は、画素配列における後端から前端に向かう方向から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置に現れる両プロファイルの交点が同じ画素配列上に現れる場合、最も画素配列の後端側の交点を探索する。
交点特定部13の実際の動作としては、両プロファイルの比較を画素配列Aの後端から前端に向けて(肺野領域から空気領域に向かう方向に)逐次行い、初めて見つかった交点を探索結果と認定し、この時点で探索を切り上げる構成とすることができる。したがって、図18に示す交点a1が実際に交点特定部13により発見されるとは限らない。この構成の場合、交点特定部13は、交点a1の存在すら認識せずに、動作を終了することになる。
交点特定部13は、この様な探索条件に基づいて交点aを特定し、画素配列Aにおける交点aの位置情報をトリミング部14に送出する。
<トリミング部14の動作>
トリミング部14は、送出された交点aの位置情報に基づいて画像のトリミングを実行するときの位置を決定する。すなわち、トリミング部14は、図13に示すように、交点aの位置から中間領域から空気領域に向かう方向に所定の距離Dだけ移動した位置をトリミング位置に設定する。トリミング部14は、交点よりも所定幅だけ画素配列の前端側にある放射線画像上の位置を画像切り出しの位置に設定して動作する。
図19は、設定されたトリミング位置に基づいて実際に元画像P0のトリミング処理が実行される様子を示している。トリミング部14は、画素配列A上のトリミング位置を通過する分割ラインを認識し、この分割ラインを境に画素配列Aにおける空気領域が切り捨てられるように元画像P0のトリミングを実行する。ちなみに分割ラインは画素配列Aに直交する。
図20は、トリミング動作を元画像P0の上下左右について行った結果を示している。このときのトリミング動作は、図3ないし図19で説明した本発明に係る方法で行ってもよいし、従来通りの方法で行ってもよい。図20に係る画像は、トリミング動作が完了した状態の画像であり、トリミング画像Tと呼ぶことにする。トリミング部14は、探索された交点に基づいて被検体の輪郭に位置に基づいて肺野の周辺部の位置を認識することにより、放射線画像から周辺部ごと肺野を取り出すトリミングを実行する。
トリミング画像Tは、肺野輪郭抽出部15に送出される。肺野輪郭抽出部15は、図25で説明したようにトリミング画像T内に写り込む肺野の輪郭を抽出する。肺野輪郭抽出部15は、トリミング部14により生成されたトリミング画像Tに写り込む肺野の輪郭を抽出する。肺野の輪郭を示すデータは、肺野輝度調整部16に送出される。肺野輝度調整部16は、図25で説明したようにトリミング画像T上の肺野のみについて輝度調整を実行する。この動作により、肺野は、濃淡が確実に強調され視認性が改善される。
以上のように、本発明によれば、放射線画像に写り込む肺野の位置を確実に認識することにより、肺野の視認性を確実に向上できる画像処理装置を提供することができる。すなわち、本発明の構成では、被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルと、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルとを生成し、画素配列における後端から前端に向かう方向(被検体の肺野側から輪郭側に向かう方向)から画素値プロファイルが移動平均プロファイルを追い抜いている位置にある両プロファイルの交点を探索する交点特定部13を備えている。この交点は、被検体の輪郭の位置を示している可能性が高い。
本発明は、放射線画像にアノテーションが写り込んでいたとしても被検体の輪郭を正確に特定できる。交点特定部13が条件に合う交点のうち最も画素配列の後端側にある交点を探索するようにしているからである。被検体の輪郭は、アノテーションよりも画素配列の後端側にあるので、条件に合う交点のうち最も後端側のものが輪郭に係るものであると判断できる。
本発明は、放射線画像に心臓のペースメーカ像が写り込んでいたとしても被検体の輪郭を正確に特定できる。交点特定部13が交点の探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、各画素配列に対応する交点を取得し、各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものを特定するからである。各画素配列には、ペースメーカ像を横切るものと横切らないものとがある。ペースメーカ像を横切る画素配列からは肺野とペースメーカ像との境目の位置に交点が発見され、ペースメーカ像を横切らない画素配列からは、被検体の輪郭の位置に交点が発見される。これら交点には、前端側に位置するものと後端側に位置するものとがある。ペースメーカ像は、被検体の輪郭よりも後端側に位置していることからすると、後端側に位置している交点は肺野とペースメーカ像との境目の位置しているものと考えられる。本発明によれば、各交点のうち最も画素配列の前端側にあるものが被検体の輪郭の位置を表しているものとして動作するので、肺野とペースメーカ像との境目を被検体の輪郭と誤認することがない。
被検体の輪郭を抽出することができれば、肺野全体を放射線画像から抽出する画像処理を確実に行うことができ、肺野の視認性を確実に向上させることができる。
本発明は、上述の実施例に限られず下記のように変形実施することができる。
(1)上述の実施例によれば、移動平均プロファイル生成部12は、画素配列Aの全域について移動平均プロファイルを生成するような説明であったが、本発明はこの構成に限られない。画素配列Aの後端側については移動平均プロファイルを生成する必要はない。画素群の全域が肺野領域に属する位置から移動平均プロファイルの生成を開始すれば十分である。また、画素群が中間領域と肺野領域とに跨がる位置から移動平均プロファイルの生成を開始するようにしてもよい。この様な動作をすることにより、移動平均プロファイル生成部12の演算コストを軽減することができる。
(2)上述の実施例によれば、移動平均プロファイル生成部12は、画素配列Aの全域について移動平均プロファイルを生成するような説明であったが、本発明はこの構成に限られない。画素配列Aの前端側については移動平均プロファイルを生成する必要はない。図21は、このときの移動平均プロファイル生成部12の動作を説明している。移動平均プロファイル生成部12は、被検体の内部から空気領域に向かう矢印の方向に画素群を移動させながら移動平均の算出を実行し、算出された移動平均は逐次的に交点特定部13に送出される。交点特定部13が交点aを探索すると、移動平均プロファイル生成部12にフィードバックを与え、移動平均の算出を中止させる。この様な動作をすることにより、移動平均プロファイル生成部12の演算コストを軽減することができる。本変形例の交点特定部13は、画素値の移動平均が算出される度に交点の探索を繰り返し実行し、移動平均プロファイル生成部12は交点特定部13が交点の探索を終了すると、移動平均プロファイルの作成を終了する。
(3)本発明に係る画像処理装置は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)を、ネットワーク又は各種記憶媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(またはCPUやMPU等)がプログラムを読み出して実行する処理である。
(4)本発明に係る画像処理装置は、放射線撮影装置に搭載することができる。
11 画素値プロファイル生成部(画素値プロファイル生成手段)
12 移動平均プロファイル生成部(移動平均プロファイル生成手段)
13 交点特定部(交点特定手段)
14 トリミング部(トリミング手段)
15 肺野輪郭抽出部(肺野輪郭抽出手段)

Claims (6)

  1. 被検体の輪郭が写り込んだ放射線画像における肺野に相当する部分に輝度調整を施す画像処理装置において、
    被検体の輪郭および肺野を横切る画素配列における各画素の位置と対応する画素値との関連性を示すプロファイルである画素値プロファイルを生成する画素値プロファイル生成手段と、
    前記画素配列における被検体の輪郭側である前端に向いた先頭と前記画素配列における肺野側である後端側に向いた後尾とを有し、前記画素配列に属する画素が所定数個だけ連続して並んで構成される画素群を設定するとともに、前記画素群のうちの先頭部に位置する注目画素を設定し、前記画素群を構成する画素の画素値を平均することで前記注目画素に係る画素値の移動平均を算出し、以降、前記画素群を画素配列上で移動させながら次々と前記注目画素に対応する画素値の移動平均を算出することにより、各注目画素の位置と対応する画素値の移動平均との関連性を示すプロファイルである移動平均プロファイルを生成する移動平均プロファイル生成手段と、
    前記画素配列における後端から前端に向かう方向から前記画素値プロファイルが前記移動平均プロファイルを追い抜いている位置に現れる両プロファイルの交点のうち最も前記画素配列の後端側のものを探索し、当該探索動作を互いに平行となっている複数の画素配列について実行することにより、由来の画素配列が異なる各交点のうち最も前記画素配列の前端側にあるものを特定する交点特定手段と、
    探索された交点に基づいて被検体の輪郭に位置に基づいて肺野の周辺部の位置を認識することにより、放射線画像から周辺部ごと肺野を取り出すトリミングを実行するトリミング手段と、
    前記トリミング手段により生成されたトリミング画像に写り込む肺野の輪郭を抽出する肺野輪郭抽出手段を備えることを特徴とする画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の画像処理装置において、
    前記トリミング手段は、交点よりも所定幅だけ前記画素配列の前端側にある放射線画像上の位置を画像切り出しの位置に設定して動作することを特徴とする画像処理装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の画像処理装置において、
    前記移動平均プロファイル生成手段が前記画素配列の後端から前端に向けて前記画素群を移動させながら前記移動平均プロファイルを作成することを特徴とする画像処理装置。
  4. 請求項3に記載の画像処理装置において、
    前記交点特定手段が画素値の移動平均が算出される度に交点の探索を繰り返し実行し、
    前記移動平均プロファイル生成手段は前記交点特定手段が交点の探索を終了すると、前記移動平均プロファイルの作成を終了することを特徴とする画像処理装置。
  5. コンピュータに請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置の各手段として機能させるプログラム。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の画像処理装置を備えることを特徴とする放射線撮影装置。
JP2015184250A 2015-09-17 2015-09-17 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置 Active JP6536316B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015184250A JP6536316B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015184250A JP6536316B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2017056039A true JP2017056039A (ja) 2017-03-23
JP6536316B2 JP6536316B2 (ja) 2019-07-03

Family

ID=58388990

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015184250A Active JP6536316B2 (ja) 2015-09-17 2015-09-17 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6536316B2 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05252444A (ja) * 1992-03-05 1993-09-28 Fujitsu Ltd 放射線画像処理方法
JPH08331385A (ja) * 1995-05-31 1996-12-13 Konica Corp 放射線画像処理方法
JPH08335271A (ja) * 1995-04-25 1996-12-17 Arch Dev Corp 画像診断支援装置の画像処理方法
JP2001511374A (ja) * 1997-07-25 2001-08-14 アーチ・デベロップメント・コーポレーション 側面胸部放射線像の肺領域を分割する方法とシステム
JP2007082808A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Canon Inc 医用画像データ処理装置及び医用画像データ処理方法
JP2007300966A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Hitachi Medical Corp 画像処理装置
US20090220174A1 (en) * 2008-02-29 2009-09-03 Fujifilm Corporation Chest image rotation apparatus, method and recording-medium stored therein program
JP2010246705A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05252444A (ja) * 1992-03-05 1993-09-28 Fujitsu Ltd 放射線画像処理方法
JPH08335271A (ja) * 1995-04-25 1996-12-17 Arch Dev Corp 画像診断支援装置の画像処理方法
JPH08331385A (ja) * 1995-05-31 1996-12-13 Konica Corp 放射線画像処理方法
JP2001511374A (ja) * 1997-07-25 2001-08-14 アーチ・デベロップメント・コーポレーション 側面胸部放射線像の肺領域を分割する方法とシステム
JP2007082808A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Canon Inc 医用画像データ処理装置及び医用画像データ処理方法
JP2007300966A (ja) * 2006-05-08 2007-11-22 Hitachi Medical Corp 画像処理装置
US20090220174A1 (en) * 2008-02-29 2009-09-03 Fujifilm Corporation Chest image rotation apparatus, method and recording-medium stored therein program
JP2009201872A (ja) * 2008-02-29 2009-09-10 Fujifilm Corp 胸部画像回転装置および方法並びにプログラム
JP2010246705A (ja) * 2009-04-15 2010-11-04 Konica Minolta Medical & Graphic Inc 画像処理装置、画像処理方法及びプログラム

Also Published As

Publication number Publication date
JP6536316B2 (ja) 2019-07-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110599508B (zh) 基于人工智能的脊柱影像处理方法及相关设备
US10109053B2 (en) Apparatus and method for detecting error in lesion contour, apparatus and method for correcting error in lesion contour, and apparatus for inspecting error in lesion contour
KR100629550B1 (ko) 다중스케일 가변영역분할 홍채인식 방법 및 시스템
JP4921858B2 (ja) 画像処理装置および画像処理プログラム
US20070206844A1 (en) Method and apparatus for breast border detection
WO2015066618A1 (en) Context based algorithmic framework for identifying and classifying embedded images of follicle units
US9117291B2 (en) Image processing apparatus, image processing method, and non-transitory storage medium
CN111899244B (zh) 图像分割、网络模型的训练方法及装置,及电子设备
JP6188452B2 (ja) 画像処理装置、画像処理方法、及びプログラム
WO2017061106A1 (ja) 情報処理装置、画像処理システム、画像処理方法及びプログラム記録媒体
JP2016195755A (ja) 医用画像処理装置、医用画像処理方法及び医用イメージング装置
CN111047519B (zh) 用于调整图像观感的方法
CN116030042B (zh) 一种针对医生目诊的诊断装置、方法、设备及存储介质
US10521907B2 (en) Image processing apparatus, program, and radiation image capturing apparatus
JP7225978B2 (ja) 能動学習方法及び能動学習装置
US10685258B2 (en) Image processing apparatus, program, and radiographic imaging apparatus
CN109727254B (zh) 人体扫描图像处理方法、设备及计算机可读存储介质
US10307124B2 (en) Image display device, method, and program for determining common regions in images
JP6536316B2 (ja) 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置
JP6657893B2 (ja) 画像処理装置、プログラムおよび放射線撮影装置
CN114913185A (zh) 肺ct图像的纹理分割方法及系统
JP5383486B2 (ja) 脳出血部位セグメンテーションする装置の作動方法および装置
US11587227B2 (en) System for detecting contrast in medical scans
US10803564B2 (en) Image processing apparatus, program, and radiation imaging apparatus
CN105405140A (zh) 基于初始素描图的胃部ct图像淋巴结检测系统

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180131

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20181114

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20181120

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190117

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190507

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190520

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6536316

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151