JPH08335271A - 画像診断支援装置の画像処理方法 - Google Patents

画像診断支援装置の画像処理方法

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JPH08335271A
JPH08335271A JP8096852A JP9685296A JPH08335271A JP H08335271 A JPH08335271 A JP H08335271A JP 8096852 A JP8096852 A JP 8096852A JP 9685296 A JP9685296 A JP 9685296A JP H08335271 A JPH08335271 A JP H08335271A
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茂彦 桂川
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淳次 杜下
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    • G06T7/0012Biomedical image inspection

Abstract

(57)【要約】 【課題】デジタル化された胸部X線画像において胸郭の
正確な境界の自動検出のための新規で改良された方法の
提供を目的とする。 【解決手段】胸部X線画像から得られた画像で疾患の検
出と特徴付けを行うためのコンピュータ化された方法で
あって、肺上端のエッジ、右及び左の胸郭エッジ、右及
び左半横隔膜のエッジを含む胸郭の境界を決定すべく胸
部X線画像における画像を処理する。関心領域の画素値
のRMS変化を含む組織尺度は相対露出に変換され、画
像の生成に使用されたシステムに存在するシステムノイ
ズ成分を補正する。組織指標と幾何学的パタン指標が生
成される。また、その指標のヒストグラムが生成され、
画像が正常か異常かを分類する学習済みの人工ニューラ
ルネットワークに入力され適用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は胸部画像の自動診断
のためのコンピュータ支援診断技術(computer-aided d
iagnosis :CAD)に関する。
【0002】
【従来の技術】この種のCAD技術、特にデジタル化さ
れた医療画像の自動特徴解析と診断のためのコンピュー
タ支援の方法に関しては、米国特許明細書第4,851,984
号、同4,907,156 号、同4,839,807 号、4,918,534 号、
同5,072,384 号、同5,133,020号、同5,289,374 号、同
5,319,549 号、同5,343,390 号に記載されている。CA
Dの目的は、病変部分を示し、定量的な情報を第2の意
見として提供することによって読影者に注意を促すこと
である。
【0003】1980年代の中頃から、コンピュータ化
された多くの装置が、胸部X線診断、乳房X線診断、血
管造影、骨X線診断のCADのために開発されてきた。
胸部X線診断においては、幾つかのコンピュータ化され
た装置は、塵肺や間質性疾患の検出や分類、また肺結節
の検出、心臓の大きさの測定、気胸の検出に使用されて
きた(米国特許出願第08/174,175号)。しかしながら、
胸部X線診断に対するCADの開発の程度は未だ初期の
段階にある。そのため、X線画像に表れる正常組織のパ
タンおよび異常組織のパタンの画像の特徴を理解するこ
とによって更に装置の性能を向上させる必要がある。
【0004】様々な疾患による異常なパタンの複雑さと
多様性のために、胸部X線画像における間質性浸潤の診
断がX線診断における最も難しい問題のひとつであるこ
とは良く知られている。主観的な評価基準により読影者
が異なれば解釈も異なってしまう。同じ読影者が同じ事
例を異なった日に読影しても、特に異常の程度が微妙な
事例では読影結果が違ってしまうことがある。もしコン
ピュータ化された装置が肺組織に対して定量的な情報を
提供できれば、読影の際の主観的な程度が減少し診断の
確度が向上する。
【0005】1987年からカツラガワらは、2つの尺
度で組織を解析することに基づいて間質性疾患の検出と
特徴づけを行うコンピュータ化された装置を開発してき
た(Med Phys, 15,30,311-319,1988; Med Phys, 16,1,3
8-44,1989; RadioGraphics,10,257-2691990; Med Phys,
20,975-98,1993参照)。すなわち、それは根二乗平均
(Root Mean Square: RMS)とパワースペクトルの第
1のモーメントであり、これらは肺組織の大きさと粗さ
(または微細さ)にそれぞれ対応している。
【0006】間質性疾患の検出と分類に対してCADが
有用である可能性が予備的な結果によって示された。し
かし、得られた結果は、デジタル化された胸部X線画像
で高い光学密度(濃度)では偽陽性の関心領域(region
on interest: ROI)が多く、また低い光学密度で
は、偽陰性のROIが多くなるという傾向を示した。計
算された組織尺度は肺組織だけでなく、スクリーン−フ
ィルムシステムおよびレーザースキャナーに関するノイ
ズ成分を含んでいるにも関わらず、そのような組織尺度
上のノイズ成分の影響は十分に理解されてきていない。
そのため、光学密度の肺組織とその他のノイズ成分とに
よる組織尺度依存性をより深く理解する必要がある。
【0007】過去十年にわたって、胸部X線画像におけ
る様々な異常の分析と検出のためにいろいろなコンピュ
ータ化された方法と技術が開発されてきた。背腹(post
ero-anterior: PA)胸部画像の胸郭の境界と横隔膜の
エッジは、肺領域の位置、形、大きさについて有用な情
報を提供する。またこれらは、胸部X線画像における異
常の自動検出のためのコンピュータ支援診断(CAD)
に必要とされるものである。こういった方法が適正に働
くためには、胸郭の境界と横隔膜のエッジを正確に検出
することが非常に重要である。数多くの研究者が胸部X
線画像の自動化された領域分割のための技術を開発しよ
うと試みてきた。グレーレベルのヒストグラムにしたが
って胸部画像を閾値で分類することにより肺の領域を特
徴づけることは比較的単純なことであるにも関わらず、
肺の境界を見極める精度の低さや縦隔洞の領域を完全に
見失ってしまうことなどから、この取り組みはCAD装
置の発展には役に立たなかった。(SPIE Image Process
ing 1993: 160-170 頁)。この研究では33例の正常な
胸部X線画像が使用された(うち17例が学習用で16
例がテスト用)。彼らの方法の全体の精度はおよそ76
%であった。
【0008】最初にパウェルらによって開発(Med. Phy
s. 1988; 15: 581-587頁)され、後にナカモリらによっ
て改良された胸郭の境界を検出するための別の方法(Me
d. Phys. 1990; 17: 342-350頁;米国特許明細書第5,07
2,384 号)は、プロファイルの第2の導関数からエッジ
を検出することに基づいている。これらの技術を用いる
と、鎖骨の下でのみ胸郭のエッジを検出することができ
る。
【0009】完全な胸郭の境界は、検出された右側およ
び左側胸郭のエッジを多項式でカーブフィッティングす
ることによって見積もられた。したがって、肺の上側で
の胸郭のエッジの一部はしばしば誤りであった。この方
法では、右側と左側の胸郭で選択された短いセグメント
で水平方向のプロファィルの第2の導関数の最小値を与
える位置によって胸郭のエッジが決定された。プロファ
ィルの中にはいくつかのエッジがある可能性があるの
で、第2の導関数での最小のピ−クが胸郭のエッジであ
るとは限らない。この問題は、胸郭の付近の画像のコン
トラストが非常に弱い場合には重要な問題となる。した
がって、第2の導関数の最小のピーク位置を用いること
は、全体的な精度は約75%であり、胸郭のエッジを正
しく検出するには信頼性に乏しいことが分かった。さら
に、胃の中のガス構造の複雑なパタンや左半横隔膜エッ
ジ周辺の心臓のエッジの影響があるため、胸部X線画像
での横隔膜のエッジの検出は困難であり、しばしば不正
確である。通常、胃の中のガスパタンは、形が不規則で
あって、左半横隔膜のエッジに近い位置に存在する。さ
らに、胃の中のガスパタンの光学密度は肺領域の光学密
度と同程度である。このため、単純なエッジ勾配分析法
は、左半横隔膜のエッジを具合良く検出できないと思わ
れる。胸部X線画像における肺領域の輪郭特定の精度を
向上させるためには、左半横隔膜のエッジを正確に検出
するための方法が必要である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的のひとつ
は、デジタル化された胸部X線画像において胸郭の正確
な境界の自動検出のための新規で改良された方法を提供
することである。
【0011】本発明の他の目的は、画像特徴解析と、胸
郭のエッジ検出から得られた目印情報とに基づいて、デ
ジタル化された胸部X線画像における右および左半横隔
膜の自動検出のための新規で改良された方法を提供する
ことである。
【0012】本発明のさらに他の目的は、組織尺度にお
けるスクリーン−フィルムシステムおよびレーザースキ
ャナーに関するノイズ成分の影響を低減することであ
る。
【0013】本発明のさらに他の目的は、真陽性の検出
感度を損なうこと無く、偽陽性の検出を低減することが
可能な間質性肺疾患の自動検出および分類のための優れ
た方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る胸部X線画
像における様々な異常のコンピュータ支援診断での胸郭
の境界と横隔膜のエッジの自動検出のための方法によれ
ば、最初に、胸部X線画像における肺上端の平均位置が
決定される。次に、肺の上部エッジと胸郭のエッジと
が、肺上部の領域と胸郭の領域からそれぞれ選択された
水平方向のプロファイルの第2の導関数の第1、第2の
最小値を比較することによって決定される。最後に、肺
上部のエッジと右と左の胸郭のエッジの滑らかなカーブ
を生成するために三つの多項式関数が独立に適用され
る。次に三つのカーブを単純な重みづけ平均法によって
接続することにより、完全な胸郭の境界が得られる。こ
れらのプロセスによって、中央線、肺上端と肺下部の垂
直位置、右および左肺の角度線、それぞれ対応している
右および左肺の肋骨横隔膜の角度に近い最下部の右およ
び左の胸郭のエッジの位置等の有用な目印情報が得られ
る。
【0015】次に、胸郭の境界を決定する時に得られた
この目印情報を使って、横隔膜のエッジが決定される。
最初に目印情報を取り入れることによって右半横隔膜か
ら選択された垂直方向のプロファイルのエッジ勾配分析
を通して、胸部X線画像において右半横隔膜のエッジが
決定される。次に、手動で測定された中央右と左半横隔
膜の間の関係(“標準ルール”と称する)に基づいて左
半横隔膜のエッジを探すための左開始点を決定するため
に、左半横隔膜の中央に、初期の垂直関心領域(RO
I)が置かれる。中央右および左半横隔膜のエッジは、
それぞれ右および左半横隔膜の中央における横隔膜のエ
ッジと呼ぶ。左開始点は重要であるので、七つのカテゴ
リーが、左横隔膜の中央に初期の垂直ROIの配置を調
べるために用いられる。初期ROIからの最初の左開始
点の精度は、垂直プロファイル、プロファイルの第1の
導関数、第1の導関数の第1の最小値に対する第2の最
小値の比、初期ROIのヒストグラムといった初期RO
Iから得られる画像の特徴に基づいている。あるカテゴ
リーでは、最初の左開始点の他に第2の左開始点を選択
する必要がある。したがって、そういったカテゴリーで
は、2つの左開始点から得られる二組の検出された“左
半横隔膜のエッジ”があることになる。2つのパラメー
タが、誤った左開始点による偽の左半横隔膜のエッジを
取り除くための尺度として使用される。次に、右と左の
半横隔膜のエッジに対して滑らかなカーブを生成するた
めに2つの多項式関数が別々に適用される。最後に、胸
部X線画像における肺領域の完全な輪郭を生成するため
に、右と左の半横隔膜のエッジのカーブが対応する胸郭
のエッジのカーブに接続される。
【0016】本発明によれば、間質性浸潤の自動検出に
用いられる光学画像を形成するために使用されるフィル
ムの勾配(グラーディエント)に光学密度が依存する程
度を低減するための新規で改良された方法もまた提供さ
れる。この方法は、各画素データ値のRMS値に補正係
数を適用してフィルムコントラストの変化を補正するこ
とと、さらに、システムノイズによって生じるRMSの
変化の平均曲線の逆数に伴って変化する補正曲線を適用
し、データのシステムノイズによる変化を補正すること
を含んでいる。
【0017】本発明の発展型において、フィルタリング
技術に基づくフーリエ変換と幾何学的な特徴解析に基づ
く組織解析を用いた自動分類の方法が更に開発されてい
る。肺のパタンのRMS変化とパワースペクトルの第1
のモーメントは組織解析の指標として決定される。一
方、小さな塊状の不透明部分の全面積と直線的な不透明
部分の全長が幾何学的パタン特徴解析における指標とし
て決定される。この自動分類法は、ルールベースによる
決定と人工ニューラルネットワーク(artificialneural
networks: ANNs)を用いている。これらは、間質
性疾患における正常と異常とを区別するために、組織指
標および幾何学的指標の両方を使用する。ルールベース
法によって正常部と異常部とが最初に区別され、続いて
判別が難しい残りの部分の分類にANNが適用される。
このルールベース法にANN法を加えた方法は、ルール
ベース法単独またはANN単独のどちらと較べても分類
能力をより良く改善できる。更に、組織と幾何学的パタ
ン指標を組み合わせた解析は、それぞれの解析に較べて
分類能力をより良く改善できる。その結果、本発明の方
法によれば、デジタル胸部X線画像において間質性疾患
を診断する読影者を補助することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しながら本発明
の実施形態を説明する。本実施形態ではデジタル胸部X
線画像において胸郭の境界と右および左の半横隔膜のエ
ッジとを正確に自動的に検出可能な方法を得るために、
およそ1000例の成人の背腹(PA)胸部X線写真が
使用されている。デジタル胸部X線画像は、それら胸部
X線写真をコニカ社製レーザースキャナー(KFDR−
S)により、0.175mmの画素サイズでデジタイズ
することにより得ている。続いて、全ての胸部X線画像
は“1k×1k”の行列サイズで副標本化される(実効
画素サイズは0.35mm)。胸部画像の階調は10ビ
ットとした。また、DEC社製のVAX3500コンピ
ュータを使用した。このコンピュータは、胸郭境界に印
がつけられた胸部画像を出力し、これら胸部画像を続く
評価のためにセイコー社製ビデオプリンタ(VP350
0)により感熱紙に印刷した。
【0019】胸郭のエッジを検出するためには、肺上端
の平均位置を正確に検出することが重要である。まず、
図1(a),(b)に示すように、上側中央領域にある
胸部画像の幅の半分から得られた垂直プロファイルとそ
の第1の導関数が計算される。垂直プロファイルは、画
像の上端から上側8分の3までの範囲内で得られる。肺
上端位置の候補は、図1(b)に図示されているように
第1の導関数での負の傾きの勾配がゼロと交差する位置
から選ばれる。肺領域の中には、第1の候補は無いと仮
定する。これは、後述するように妥当なものである。言
い換えると、第1の候補は、首の領域または“真”の肺
上端にあるものと考えられる。候補となった位置の所在
を調べるため、次に図2に示すように各候補位置での水
平プロファイルが計算される。水平プロファイルは、胸
部画像上の画素値の分布を示している。水平プロファイ
ルに沿った画素値の標準偏差と最大差は候補の位置を調
べるための尺度として決定される。第1と第2の候補の
位置での標準偏差と最大差の間の関係はそれぞれ図3
(a)および(b)に示されている。図3(a)で標準
偏差が点線によって示された閾値レベルより小さいと
き、第1の候補は正しい肺上端の位置に対応しているよ
うである。この結果は、肺上端の正しい位置での水平プ
ロファイルは首の領域での水平プロファイルよりも均一
(平ら)であるため、標準偏差が小さくなるということ
に対応している。
【0020】もし、第1の候補の標準偏差が閾値レベル
よりも大きい場合は、候補は首の領域にあると考えら
れ、したがって第2の候補を考慮する必要が生じる。し
かしながら、前述の第1の候補が“真”の肺上端に位置
し、しかも閾値レベルよりも大きい標準偏差を有する場
合は、第2の候補は肺領域の内部にあると考えられる。
図3(b)は、肺内部に位置する第2の候補は、大小い
ずれの標準偏差も有し得ることを示している。したがっ
て、肺内部の第2の候補の位置を2つの他の位置、すな
わち“真”の肺上端と首領域、から区別するために、第
2の候補の位置での水平プロファイルと“典型的な”肺
の水平プロファイルの間の相互相関が計算され、2つの
プロファイルの間の類似性を調べるための尺度とされ
る。“典型的な”肺の水平プロファイルは、画像の垂直
レベルが8分の3の位置から求める。この位置は、通
常、成人のPA胸部画像では肺領域の内部となる。肺の
内部の候補位置での水平プロファイルは、首の領域内の
それと較べて、より“典型的な”水平の肺のプロファイ
ルに似通っている。したがって、より大きな相互相関値
を示す。図4は、肺内部および首領域の候補の相互相関
値を比較したものである。肺内部の相互相関値が首領域
の相互相関値よりも大きいのは明らかである。したがっ
て、仮に第2の候補の相互相関値が0.58といった閾
値レベルよりも大きければ、これは、現在の第2の候補
が肺の内部にあることを示し、前の第1の候補が“真”
の肺上端であると考えることができる。
【0021】図1(a)によれば、垂直プロファイルに
おいてより大きい画素値を有する候補位置に、“真”の
肺上端が位置付けられることは明らかである。この一般
的な観察に基づき、仮に第2の候補の標準偏差が、図3
(b)に示された閾値レベルよりも小さい場合であって
も、現在の第2の候補位置と前の第1の候補位置の画素
値とが比較され、より大きな画素値を有する候補位置が
“真”の肺上端として選択される。上記の手順は、現在
の候補の標準偏差が図3に示された閾値レベルよりも小
さくなるまで、次に続く候補に対して適用される。
【0022】図5は胸部X線画像において肺上端の位置
を検出するために用いられる方法の個々のステップを示
している。ステップ500 では、胸部画像の上部中央での
垂直プロファイルとその第1の導関数が求められる。次
にステップ502 では、肺上端の第1の候補が第1の導関
数から決定される。ステップ504 では、第1の候補の標
準偏差が閾値と比較され、閾値よりも小さければ、ステ
ップ506 において第1の候補が“真”の肺上端として選
択される。ステップ508 では、第2のあるいはそれに続
く候補が探索され、該候補はステップ510 において標準
偏差と比較される必要がある。もし閾値よりも大きけれ
ば、実際は肺の内部に位置しているかもしれない部分を
誤って肺の上端として検出してしまうことを避けるため
に、第2の候補あるいはそれに続く候補に対して、相互
相関値がステップ512 において計算される。仮に、相互
相関値が図4に示されている閾値よりも大きければ、ス
テップ514 において前の候補が肺上端であったと決定さ
れる。そうでなければ、ステップ508 とステップ510 で
の新たな候補の探索が繰り返される。もし、ステップ51
0 で新たに見つかった候補の標準偏差が閾値よりも小さ
いと判断されれば、ステップ516 において現在と前の候
補の画素値が比較され、ステップ518 では、より大きな
画素値を有する候補が肺上端として決定される。
【0023】120例の胸部X線画像について、図5に
示されたステップに基づいてコンピュータによって決定
された肺上端の位置が、直接フィルム上で測定したもの
と比較された。この比較は、コンピュータによって検出
された肺上端の位置は、実際に測定した位置に極めて近
いことを示した。
【0024】次に肺下端の位置が決定される。
【0025】図6(a)および(b)に示すように、右
肺の中央での垂直プロファイルとその第1の導関数が、
肺下端の位置を決定するために用いられる。一般に右の
横隔膜は、胃のガス、心臓のエッジやその他の複雑な構
造の影響を受けない。右肺の領域と横隔膜の領域との間
の画像のコントラストは通常では高いので、この範囲の
垂直プロファイルは、図6(a)に示されているように
明瞭なエッジを呈する。垂直プロファイルの第1の導関
数は、図6(b)に示されている。胸部画像における肺
下端の位置は、垂直プロファイルの下側半分における第
1の導関数での最小ピーク位置によって決定することが
できる。次に肺の長さが肺上端と肺下端との間の距離と
して決定される。肺角度線や肺上端エッジの開始点とい
った種々の追加的な目印が決定され、以下に述べるよう
に探索範囲が確立される。
【0026】夫々肺の長さの8分の1の幅を有する2つ
の水平プロファイルが、2つの垂直方向の位置で計算さ
れる。すなわち、肺の上から5分の1および中央の位置
である。図7は、上側5分の1での水平プロファイルと
その第2の導関数を示している。これらは、一般に肺の
中央のものと似通っている。胸部画像の中央線は、水平
プロファイルの中央付近で最も大きな画素値を示す部分
に位置していると見なされる。右と左の肺のそれぞれで
2つのレベルに位置している2つの最小画素値を通る直
線を、ここでは、図8に示したように肺角度線と呼ぶ。
右と左のそれぞれの肺で肺角度線が水平線となす角は、
それぞれ右肺角度Arと左肺角度Alと呼ばれる。肺上
端で肺角度線が水平線と交差する点は、図8に示したよ
うに、右と左の肺の各々で肺の上端のエッジを探索する
ための開始点として選択される。
【0027】肺角度は、正しい開始点を決めることがで
き、したがって肺上端のエッジを正確に検出できるよう
に適正な範囲になければならないことに注意が必要であ
る。例えば、右肺角度が小さすぎるか大きすぎるとする
と、開始点はそれぞれ首領域に入ったり、鎖骨の上側に
近づいてしまったりする。どちらの場合も、誤って選ば
れた開始点のために肺上端の検出が失敗してしまう。
【0028】右および左肺角度の適切な範囲を見出すた
めに、100例について肺角度の分布が調べられた。肺
角度が適切であるかまたは適切でないかは、それらの肺
角度によって得られた肺上端のエッジを検出した結果が
正しいか誤っているかに基づいて主観的に判断された。
【0029】図9は、この100例の右および左肺につ
いて適切な角度と適切でない角度の分布を示したもので
ある。適切な右および左肺角度の大部分は、図9におい
て上側と下側の境界が実線で示されているようにある範
囲に制限されている。各肺に対する肺角度の上側と下側
の境界は、平均肺角度から計算されたものである。した
がって、最初に得られた肺角度線が、適切な範囲からは
ずれた角度であったとすると、その肺角度線は、平均肺
角度の標準偏差の±1.5倍で規定されている。これら
の値は、各肺における全ての正しい肺角度から計算され
たものである。したがって、最初に得られた肺角度にな
るように回転される。右および左肺に対する平均肺角度
はそれぞれ76.1゜と103.9゜であった。これら
の角度の和が丁度180゜になることは驚くべき一致で
ある。このことは、胸部画像において中央線に対して2
つの肺がほぼ対称であることを意味している。
【0030】肺上端のエッジの探索範囲は、図8に示さ
れているように各肺において内側と外側の制限によって
定義される。これらの制限は、肺の上側5分の1の位置
での水平プロファイルから導かれたものである。内側の
制限は、各肺での水平プロファイルにおいて、中央線と
最小画素値のピークの間の中点で定義される。外側の制
限は、各肺での水平プロファイルにおいて外側にあっ
て、最小の画像値と中央線の画素値の平均画素値を持っ
ている位置で定義される。
【0031】各肺において、胸郭のエッジを検出するた
めの開始点と探索範囲もまた図8に示されている。胸郭
のエッジは各肺の中央から探し始める。図7に示されて
いるものと同様の水平プロファイルとその第2の導関数
は、開始点の水平位置を決定するために使用される。第
2の導関数を計算するための距離の増分は50画素であ
る。第2の導関数を計算するためにこのように大きな増
分を使用する目的は、心臓の影や肺動脈、肋骨によるエ
ッジといった肺領域における望ましくない構造の影響を
避けるためである。
【0032】胸郭のエッジに対する開始点を決定するた
めに、肺領域におけるその他の目印情報もまた使用され
る。例えば、中央線の位置、肺角度線、各肺における肺
上端を探索するための外側の制限の位置などである。各
肺における肺角度線の外側に位置している第2の導関数
の最小ピークは一般にその肺の胸郭の内側のエッジに非
常に近いということがわかった。したがって、各肺にお
ける最小ピークは、その肺における胸郭のエッジを探索
するための開始点の水平位置の近似位置として用いられ
る。
【0033】第2の導関数を計算するために50画素よ
りも大きい増分が使われた場合、片側あるいは両側の肺
における胸郭のエッジを検出するための開始点を正しく
検出できなかったのは、全検査例のうち約10%であっ
た。これらの例は、一般に肺中央における胸郭のエッジ
付近では、比較的低い画像コントラストを含んでいた。
したがって、第2の導関数を計算するにあたって、50
画素の増分を使用することは、肺中央における胸郭の
“真の”エッジを見落とすことになり得る。これら全例
に対して、距離の増分を50画素から25画素に減らす
と、第2の導関数を再度計算して決定された胸郭のエッ
ジの開始点は、肺中央における胸郭の“真の”エッジに
非常に近くなることがわかった。さらにまた、各肺にお
ける検出された胸郭のエッジの開始点とその肺の肺上端
のエッジを探索するための外側の制限位置の間の距離が
検出された胸郭のエッジの開始点が正しいか否かを決め
る有用な尺度となり得ることが分かった。この距離が、
ある長さ、例えば100画素よりも大きければ、大きな
増分が用いられたために、検出された胸郭のエッジの開
始点は正しくないということになる。したがって、この
場合は、距離の増分を25画素まで小さくするべきであ
る。
【0034】胸郭のエッジの探索範囲の上限は、肺の上
側5分の1と決定された。下限は、肺の下端から肺の長
さの15%下側の位置であった。
【0035】肺上端および胸郭のエッジは、エッジを横
切る矩形ROI(長さ80画素、幅30画素)から得ら
れたプロファイルを解析することによって検出された。
各肺の肺上端を決定するために、矩形ROIは肺上部の
胸郭の領域上で垂直方向に配置される。しかしながら、
胸郭のエッジを検出するためには、同じ矩形ROIが水
平方向で使用される。肺上端と胸郭のエッジの検出は、
常に、それぞれの開始点から始まり、対応する探索範囲
内に限定される。隣接した肺上端のエッジを検出するた
めに、前に決定された肺上端の位置が次のROIの中心
として用いられる。このROIは、前の位置から水平方
向に30画素シフトしている。同様に、前に決定された
胸郭のエッジの水平位置が次のROIの中心として用い
られる。このROIは、隣接した胸郭のエッジを検出す
るために前の領域位置から垂直方向に30画素シフトし
ている。
【0036】2つの探索ROIにおけるプロファイルお
よび第2の導関数の2例が図10に示されている。第2
の導関数の計算のために使用された距離の増分は3画素
である。肺上端のエッジあるいは胸郭のエッジの位置を
探索ROIを使って特定するために、第2の導関数にお
ける第1の最小ピークを用いることは、常に正しいとは
限らないことが分かった。第1の最小ピークは、肋骨や
装置といった他のエッジパタンに起因するものとなり得
る。したがって、第2の導関数における第2の最小ピー
クも考慮しなければならない。図11は、20例の胸部
画像から得られた第1と第2の最小ピークの絶対値の間
の関係を示したものである。第2の最小ピークに対する
第1の最小ピークの比は、肺上端または胸郭のエッジを
正しく決定するための尺度として使用された。図11
で、第2の最小ピークに対する第1の最小ピークの比
が、点線で示された1.8といった所定の閾値よりも大
きければ、第1の最小ピークの位置は、ROIの中で肺
上端のエッジまたは胸郭のエッジの位置に対応している
ことに注意が必要である。そうでない場合については、
肺上端のエッジまたは胸郭のエッジの第2のピーク位置
によって、正しく検出を行うことができる。
【0037】次に、胸部X線画像において、如何にして
胸郭の境界の領域を抽出するかについて述べる。検出さ
れたエッジは、三つのセクション、すなわち肺上部セク
ション、右および左胸郭セクションにグループ分けされ
る。肺上部セクションは両方の肺で決定された全ての肺
上端エッジを含み、更に、各肺において肺上端のエッジ
に最も近い三つの検出された上側の胸郭のエッジも含ん
でいる。右および左の胸郭セクションの各々は、それぞ
れの肺で検出された全ての胸郭のエッジを含んでいる。
各エッジセクションについて、全ての検出されたエッジ
の位置に対して滑らかな曲線をフィッティングするため
に4次の多項式が適用される。
【0038】本方法により、肺上端のエッジのための滑
らかな曲線の二つの終端は、各肺における右および左の
胸郭のエッジの滑らかな曲線の各々と重複する。これら
2つの重複領域での滑らかな接続を達成するために、単
純加重平均法が適用される。かくして、胸部X線画像に
おける完全な胸郭の境界が得られる。重複領域の上端か
ら下端に向かう接続がなされるに従って、肺上端のエッ
ジ曲線に対する重みづけファクターは、上端から下端ま
での距離に比例して1から0に減らされる。一方、胸郭
のエッジの曲線に対する重みづけファクタ−は、0から
1に増やされる。
【0039】このコンピュータにより自動化された方法
がデジタル胸部画像における胸郭境界を検出する際に示
す結果の正確さを調べるために、主観的評価が用いられ
た。3人の読影者と二人の物理学者がこの評価テストに
参加した。5点評価がこのテストに使用された。すなわ
ち非常に正確なものに5点、中程度に正確なものに4
点、かろうじて正確であるものに3点、中程度に不正確
なものに2点、非常に不正確なものに1点が与えられ
た。コンピュータ出力の胸郭境界が、胸部画像における
真の胸郭の境界に殆ど完全に対応する場合は、“非常に
正確”とされた。これら2つが明らかに異なっている場
合は、“非常に不正確”とされた。評価者らは、一貫し
た評価尺度が求められた。各々の結果の比較に時間制限
は設けられなかった。3つの評価者グループ(1つの評
価者グループが3人の読影者および2人の物理学者の全
5人からなる)による、各評価点数についての対象例の
平均数の分布は次のことを示す。すなわち、対象例の大
多数が発明者らのコンピュータ出力の非常に正確な結果
を示す。高得点(4点及び5点)の組を一緒にまとめる
と、中程度から非常に正確である平均点数を有する対象
例の数は、5人の評価者全員、3人の読影者、二人の物
理学者でそれぞれ96.7%、97.3%、95.0%
であった。全例のうち、約1%が1点又は2点に分類さ
れた。これらは、胸部画像において胸郭のエッジおよび
肺の境界の検出に完全に失敗したものと分類された。こ
れらのうち80%は、肺領域に含まれる種々の比較的大
きな装置(24mm以上)によるものであり、残りは胸
部画像における肺上端または胸郭のエッジを誤って検出
したことが原因である。
【0040】上述したように、胸部画像の上側中央領域
での垂直プロファイルの第1の導関数を計算するために
用いられる(画素における)距離の増分は、肺上端の位
置の正確な決定に強く影響する。本発明の方法では、肺
上端の第1の候補は、“真の”肺上端の位置か、あるい
は首領域内のいずれかに存在すると仮定している。不適
切な距離の増分が使用された場合、この仮定は妥当では
ない。例えば、大きな増分(10画素以上)が使用され
ると、肺上端位置の第1の候補は、スキップされ、“真
の”肺上端は、肺領域の内側に誤って位置付けされ得
る。一方、増分が5画素より小さいと仮定すると、首の
骨、喉、下顎等の首領域にある種々の構造によって肺上
端の検出を誤ってしまうことがある。したがって、第1
の候補が肺領域の内側に位置づけされることなく、その
一方で首領域の種々の構造の影響が最小となるように増
分として5画素が用いられる。
【0041】次に背腹(PA)胸部画像における横隔膜
のエッジの検出について述べる。まず、大まかに、胸部
画像における右半横隔膜のエッジがエッジ勾配分析によ
って決定される。次に、初期の垂直ROIが、手動で測
定された右半横隔膜のエッジ中央と左半横隔膜のエッジ
中央との間の関係(“標準ルール”)に基づいて左半横
隔膜のエッジ探索のための左開始点を決定するために、
左半横隔膜の中央に置かれる。初期ROIの配置と初期
ROIを含む最初の左開始点の正確さを評価するために
7種のカテゴリーが使用された。いくつかのカテゴリー
に対しては、最初の左開始点の他に、第2の左開始点を
選ぶ必要がある。したがって、それらのカテゴリーで
は、2つの左開始点による二組の“左半横隔膜のエッ
ジ”が存在することになる。誤った左開始点による偽の
左半横隔膜のエッジを取り除くために、2つの領域パラ
メータが尺度として使用される。左と右の半横隔膜のエ
ッジに対してそれぞれ滑らかな曲線を与えるために2つ
の多項式関数が別々に適用される。最後に、胸部画像に
おいて肺領域の完全な輪郭を描くために右及び左半横隔
膜のエッジのカーブは、対応している胸郭のエッジのカ
ーブに接続される。発明者等の方法に従って、全部で3
00例のX線画像がレーザースキャナーによって、行列
サイズ“1000×1000”、階調10ビットでデジ
タル化され解析された。その結果、右及び左の半横隔膜
のエッジの検出についての正確さは、およそ97%と9
0%であった。
【0042】次に、横隔膜エッジの決定のための方法に
ついて詳細に述べる。先ず最初に、右および左の横隔膜
の中央での開始点の決定のための方法について述べる。
【0043】胸部画像における右半横隔膜の領域は、一
般に胃のガスパタンや心臓のエッジ等の複雑なパタンの
影響を受けない。通常、右下側の肺領域と右半横隔膜の
領域の間では画像コントラストは高い。したがって、胸
部画像において右半横隔膜上のプロファイルは、明瞭な
エッジパタンを示す。したがって、開始点と探索範囲と
が適切に選択されれば、右半横隔膜上で選択されたプロ
ファイルの第1の導関数からエッジ勾配分析によって右
半横隔膜のエッジを検出することは難しいことではな
い。
【0044】胸部画像において、右半横隔膜のエッジを
探索するための右開始点を決定するために、初期垂直R
OIが右半横隔膜のエッジの中央に置かれる。図12
は、右開始点を決定するための右半横隔膜の中央で初期
ROIを選択する方法を図示したものである。初期RO
Iの長さと幅は、それぞれ200画素(70.0mm)
と20画素(7.0mm)である。初期ROIの中央
は、胸部画像における胸郭のエッジを検出する際に得ら
れた目印情報に基づいて決定される。初期ROI中央の
垂直座標(y) は、肺下端の垂直位置に選ばれる。初
期ROI中央の水平座標(x)は、右肺角度線と肺下端
を通る水平線との交点を中央線側に30画素(10.5
mm)シフトさせた位置に選ばれる。肺角度線は、右お
よび左肺のそれぞれで2つの垂直位置にある2つの最小
画素値を通る直線である。この2つの垂直位置は、図1
2に示されているように肺の上から5分の1と中央に対
応する。胸部画像の中央線は、画像の中央の垂直レベル
から計算された水平プロファイルの中央付近で最も大き
な画素値に位置していると考えられる。
【0045】図13(a),(b)は、それぞれ、右半
横隔膜の中央での初期垂直ROIから計算された垂直プ
ロファイルとその第1の導関数を示している。図13
(a)から、右半横隔膜の領域は、胃のガスや心臓のエ
ッジの影響を受けず、右下側の肺領域と右横隔膜の領域
との間の画像のコントラストは一般に高いため、初期R
OIにおける垂直プロファイルが明瞭なエッジパタン
(すなわちステップエッジパタン)を示していることが
明らかである。垂直プロファイルの第1の導関数は、図
13(b)に示されている。ROIを含んでいる右横隔
膜のエッジは、エッジ検出理論に基づいて第1の導関数
における最小の位置によって特定することができる(ジ
ョーン(Johne) 著、“デジタル画像処理:概念、アルゴ
リスムと科学的な応用”Springer-Verlag 1991年参
照)。このようにして検出された初期ROI内部の右半
横隔膜のエッジは、右開始点として参照され、右開始点
の両側に位置する右半横隔膜エッジのさらなる探索のた
めのガイドとして使用される。この右開始点はまた、以
下で詳細に述べるように、左半横隔膜の中央で初期垂直
ROIを選択するために重要な量となる右半横隔膜のエ
ッジ中央とも呼ばれる。
【0046】左開始点を決定するために、左半横隔膜の
中央で初期垂直ROIを選択することは、右半横隔膜の
中央における場合ほど単純なことではない。何故なら、
左半横隔膜における複雑な胃のガスパタンの存在および
心臓エッジの影響は、数多くの胸部画像で非常に共通的
であるからである。さらに、左半横隔膜のエッジの垂直
レベルは一般に右半横隔膜のものとは異なっている。し
たがって、目印情報のみを用いることは、左半横隔膜の
中央において適切な初期垂直ROIを選択するには不十
分である。
【0047】そこで、これらの困難を克服するために、
図14(a)に示してあるように、データベースにおけ
る各例に対して右および左の半横隔膜のエッジから画像
の下端までの距離(画素)が手動で測定された。この測
定の目的は、先だって検出された右半横隔膜のエッジの
中央(すなわち右開始点)に基づいて左の半横隔膜の中
央で上側および下側の初期ROIを選択するための“標
準ルール”を確率することである。図14(a)におい
ては、右および左半横隔膜のエッジ中央の垂直位置が、
データベースの胸部画像の大部分に対し相関することに
注意が必要である。データベース内のおよそ95%は、
図14(b)にて点線で示された制限範囲によりカバー
される右および左半横隔膜のエッジの中央を有してい
る。
【0048】300例のうち44例は、図14(a)に
て実線で示される45゜対角線の上側に位置していた。
これらの対象例について対角線に対する平均距離と標準
偏差とは、それぞれ、22.86画素(8.0mm)、
29.14画素(10.2mm)であった。かくして、
対角線の上側の上限は、平均距離に標準偏差を加えるこ
とによって決定される。一方、215例は、45゜の対
角線の下側に位置していた。これらの対象例について対
角線に対する平均距離と標準偏差とは、それぞれ33.
71画素(11.8mm)、28.57画素(10.0
0mm)であった。かくして、対角線の下側の下限は、
平均距離に標準偏差の2倍を加えることによって決定さ
れる。45゜の対角線の上側の対象例では、左半横隔膜
は右半横隔膜よりも高いレベルを有することに注意が必
要である。しかしながら、45゜の対角線よりも下側に
ある対象例では、左半横隔膜のレベルは右半横隔膜のエ
ッジのレベルよりも低い。
【0049】左半横隔膜の中央で左開始点を決定するた
めに、20画素の幅を有する初期垂直ROIが左半横隔
膜の中央に配置された。初期ROIの原点の水平座標
(x)として、右および左の肺角度線と肺下端を通る水
平線との交点が選択された。初期ROIの原点の垂直座
標(y)は、右開始点の座標と同じ位置に決められた。
図14(b)は、左半横隔膜の中央で初期ROIの上側
および下側を選択する方法を図示している。初期ROI
の上側レベルは原点から74画素上であった。一方、初
期ROIの下側レベルは原点から128画素下であっ
た。図14(a)において、上限より上の例では、本方
法により選択された初期ROIは、左半横隔膜の領域に
位置付けされるが、下限よりも下側に位置している例で
は、初期ROIは左下の肺領域に位置付けされることを
指摘する必要がある。いずれの場合においても、初期R
OIは、所望の左半横隔膜エッジ中央(すなわち左半横
隔膜のエッジを探索するための左開始点)を捕らえるこ
とはできなかった。
【0050】いったん初期ROIが決定されると、図1
5(a),(b)に示されるように、左半横隔膜上の初
期垂直ROIから垂直プロファイルとその第1の導関数
とが計算される。初期ROI内の第1の左開始点は、図
15(b)に示される第1の導関数における第1の最小
値の位置に規定される。図15(b)に示されるプロフ
ァイルの第1の導関数における第1、第2の最小値に対
応して、当該プロファイルには、2つの主要なエッジが
存在することに注意が必要である。プロファイル中で横
隔膜のエッジでないエッジは、複雑な胃ガス構造または
心臓のエッジであると考えられる。このような非横隔膜
エッジのパタンが十分に強い場合、第1の導関数におけ
る第1の最小値は、非横隔膜エッジに対応している可能
性が非常に大きい。したがって、左の半横隔膜のエッジ
を探索するガイドとして第1の左開始点のみを用いるこ
とは頼りない。初期ROIにおける非横隔膜エッジパタ
ンの影響を評価するために、発明者等は、初期ROIか
ら計算されたプロファイルの第1の導関数において、第
1の最小値に対する第2の最小値の比を尺度として定義
した。
【0051】図16(a)は、100例につき、定義さ
れた比と、第1の最小値に対する第2の最小値の相対的
な位置との関係を示している。一方、図16(b)は、
第1の最小値の絶対値と第2の最小値の絶対値との間の
関係を示している。初期垂直ROIの配置と、定義され
た比に基づく第1の左開始点の正確さとを評価するため
に7つのカテゴリーを使用可能であることが分かった。
表1は、左半横隔膜領域の中央での初期ROI配置と、
左半横隔膜エッジ探索のためのROI内部における第1
の左開始点との分類に代わるROIの正/否と左開始点
の正/否との分類に使用された7つのカテゴリーをまと
めたものである。第1の左開始点は、ROIでの垂直プ
ロファイルの第1の導関数の第1の最小値として定義さ
れる。
【0052】
【表1】
【0053】※比は、左半横隔膜領域の中央での初期垂
直ROIにおける垂直プロファイルの第1の導関数の、
第1の最小値に対する第2の最小値の割合として定義さ
れる。
【0054】※※左半横隔膜のエッジを探索するための
第1の左開始点。
【0055】カテゴリーA1の対象例については、左半
横隔膜の中央での初期ROIの配置は適正である。更
に、中央左半横隔膜エッジは、初期ROI中において支
配的なエッジパタンである。第1の導関数における第1
の最小値に対する第2の最小値の比は、一般に、予め選
択された評価基準、例えば、図16(a)において点線
で示されように、0.55と同じ値かそれよりも小さい
値である。
【0056】言い換えると、これらの対象例では、左開
始点の決定の際の胃ガスおよび心臓エッジの影響は存在
しないか、少なくとも重要とされない。したがって、左
半横隔膜のエッジ実体の探索のための唯一の左開始点と
して、第1の左開始点を用いるのは適切である。
【0057】左半横隔膜の中央での初期ROIの配置が
適切であっても、カテゴリーA2,LG,NG,Cの例
においては、比は、予め決められた評価基準(比>0.
55) より大である。胃ガスの複雑な構造が初期ROI
で主要な構造となっている例は、カテゴリーA2,L
G,NGに分類される。カテゴリーCの例では、心臓エ
ッジの影響が左開始点の検出に強く影響していることを
示している。言い換えると、これらのカテゴリーの例で
は、初期ROIにおける2つの主要なエッジパタンのう
ちのいずれかは、胃ガス構造か心臓エッジに起因する。
したがって、左半横隔膜エッジを探索するための唯一の
開始点として第1の左開始点のみを用いることは適切で
ない。したがって、第1の導関数において第2の最小値
に対応する第2の開始点を考慮する必要がある。カテゴ
リーA2の例と、カテゴリーLGもしくはNGの例との
相違点は、カテゴリーA2の例にとっては第1の左開始
点は適正であって、一方、カテゴリーLGもしくはNG
の例にとってはそれが適正でないという点である。カテ
ゴリーLGは、左半横隔膜のエッジ上に非常に複雑かつ
大きな胃のガスパタンを有するものを表す。
【0058】カテゴリーNGは、左横隔膜のエッジに近
い、比較的単純で狭い形の胃のガスを有する例を表して
いる。
【0059】初期垂直ROIは、該初期ROIの配置が
左半横隔膜の領域で下過ぎるか、左下肺領域で高すぎる
場合には、所望の中央左半横隔膜エッジを捕らえられな
かった。前者と後者の状況に対応して初期ROIが配置
されている例は、それぞれカテゴリーDとカテゴリーL
に分類される。初期ROIの画素値は、カテゴリーDま
たはカテゴリーLの例については、比較的一様(すなわ
ち、支配的なエッジパタンが無い)であるので、図16
(a)に示されているように、比は、一般に大となる
が、その一方で、図16(b)に示されているように、
第1の導関数における第1と第2の最小値の絶対値はい
ずれも非常に小となる。
【0060】中央左半横隔膜エッジを再度捕らえるため
に、カテゴリーDおよびカテゴリーLでは、初期ROI
は、上方または下方にそれぞれシフトされる。したがっ
て、カテゴリーDとカテゴリーLとを区別するために、
図17(a),(b),(c)に示されているような、
右および左半横隔膜の中央に配置された初期ROIから
ヒストグラムが出力され、比較される。右中央の半横隔
膜のエッジに重複して配置された初期ROIからのヒス
トグラム(図17(a))は、一般に2つの大きなピー
クを有している。これら2つのピークは、それぞれ、肺
の下側領域と横隔膜の領域における画素値を表してい
る。ヒストグラムの最も右側のピークは、ヒストグラム
の第1のピークとして定義される。図17(b)、
(c)において、カテゴリーDまたはカテゴリーLのヒ
ストグラムは、それぞれ左半横隔膜の領域または左下の
肺領域の位置する初期ROI内の画素値に対応する唯一
のピークしか有さないことに注意が必要である。カテゴ
リーDおよびLは、図18に示されているように、右お
よび左の半横隔膜の中央での初期ROIによるヒストグ
ラムの第1のピークでの画素値を閾値(図18での斜
線)と比較することにより分離され得ることがわかっ
た。カテゴリーDおよびLの例は、初期ROIの適切な
シフトおよび適正なカテゴリーD又はLの一体化の後、
再度、A1,A2,C,NG,LGのカテゴリーに分類
され得る。
【0061】図19は、本発明の画像特徴解析法によ
る、胸部画像で左半横隔膜のエッジを検出する方法のフ
ロチャートを示している。ステップ1900では、左半横隔
膜の中央での初期垂直ROIの配置は、図14(b)に
示されているような“標準ルール”と同様に、画像の中
で胸郭のエッジから得られた目印情報に基づいて決定さ
れる。ステップ1902では、初期ROIからの垂直プロフ
ァイルと第1の導関数が求められ、続いて、第1の最小
値に対する第2の最小値の比が計算される。ステップ19
04では、この比は、図16(a)に関しては、0.55
と定められている閾値と比較される。比が閾値と同じか
閾値よりも小さかったと場合、ステップ1906においてそ
の対象例は、カテゴリーA1に分類され、ステップ1908
において第1の開始点は、左半横隔膜エッジを更に探索
するための唯一の左開始点として決定される。このよう
にしてカテゴリーA1の例に対して、左半横隔膜エッジ
を検出する過程は、右半横隔膜のエッジを検出する過程
と同様なものであり、したがって単純である。ステップ
1904では、比が閾値よりも大きい場合、ステップ1910に
おいて、勾配、すなわち、ROIにおける垂直プロファ
イルの第1の導関数での第1、第2の最小値の絶対値が
小さいか否かを調べるためにチェックされる。もし勾配
が小さい、すなわち、第1の導関数での第1、第2の最
小値の絶対値が、例えばそれぞれ、2.61、1.72
よりも小さいとすると、ステップ1912では、この対象例
はカテゴリーDまたはLに属していると結論付けられ
る。図18について上で述べたようにヒストグラムのピ
ークに閾値を適用することによって、中央左半横隔膜エ
ッジを適切に再度捕らえるために、ステップ1914では、
初期ROIをシフトさせるためにカテゴリーDまたはL
のどちらを適用するかが決定される。垂直方向の(画素
数での)シフト量は、例えば、左の初期ROIの長さの
3分の1である。左の初期ROIの長さは、202(7
4+128=202画素) 画素である。続いて、ステッ
プ1904および1910が繰り返される。もしステップ1910に
おいて小さな勾配が検出されない場合、ステップ1916に
おいて対象例は、カテゴリーA2,NG,LGまたはC
に分類される。A2,NG,LGまたはCといったカテ
ゴリーでは、2つの左開始点は、左半横隔膜エッジを探
索するための初期ROIから選択される。これら2つの
左開始点は、初期ROIにおける垂直プロファイルの第
1の導関数での第1、第2の最小値の位置に対応する。
2つの左開始点によってステップ1918では二組の左半横
隔膜エッジが検出される。さらに、後で詳細に述べるよ
うに、2組のうち正しい左半横隔膜のエッジの組を特定
するステップ1920においては、2つの尺度に基づく特徴
解析が適用される。
【0062】横隔膜のエッジを探索する手順は、右およ
び左の半横隔膜で同様である。横隔膜のエッジの検出
は、常に特定の開始点から始まり、対応する探索範囲に
限定される。中央線に近いこの探索範囲の終端は、横隔
膜エッジ探索のための内側限界と称され、右および左の
胸郭に近い探索範囲の終端は外側限界と称される。右お
よび左の半横隔膜エッジの探索範囲に関する内側および
外側の限界は、図12に図示されている。内側限界は、
中央線と、対応する開始点との中間点に決定される。一
方、右および左の外側限界は、それぞれ、右および左の
最も低い胸郭エッジの水平位置から選択される。
【0063】横隔膜のエッジを探索するために、垂直方
向の探索ROIが使用される。この探索ROIは、一般
に開始点を決定するための初期ROIよりも短い。この
探索ROIの幅は20画素である。隣接した横隔膜のエ
ッジを検出するために、前に決定された横隔膜のエッジ
の垂直位置が次の探索ROIの中央として用いられる。
これは、前の位置から水平方向に30画素シフトしてい
る。次に再び、ROIから計算された垂直プロファイル
の第1の導関数での最小値の位置によって、探索ROI
内の横隔膜のエッジが検出される。垂直探索ROIの長
さは、探索範囲の内側で60画素であり、探索範囲内の
外側で100画素である。外側の探索範囲では、長い探
索ROIが外側の範囲で横隔膜のエッジをとらえるため
のROIとして必要とされた。なぜなら、横隔膜のマー
ジンと探索ROIの垂直軸との間の角度は、探索ROI
が胸郭のエッジ側にシフトするにつれて狭くなるからで
ある。
【0064】図20〜図23は、カテゴリーCとLGの
例についての右および左半横隔膜エッジの検出例を示し
ている。どちらのカテゴリーでも、2つの開始点に起因
する2組の“左半横隔膜エッジ”が検出された。正しい
左半横隔膜エッジは、プラス記号により印が付されてい
る。両画像における丸印は、心臓エッジおよび胃ガス構
造の影響のために、不正に検出された左半横隔膜エッジ
を示している。図19のステップ1920では、カテゴリー
A2,LG,NG,Cの例について二組の検出された左
半横隔膜エッジのうち、正しいエッジを特定するため
に、2つのパラメータが尺度として用いられた。これら
2つのパラメータは、対応する開始点からの検出された
エッジの各組に対する多項式フィットから得られる。第
1のパラメータは、検出されたエッジの各組に対して線
形フィット(1次の多項式フィッティング)を行って得
られる直線の勾配である。心臓の境界に沿って検出され
たエッジは、図21に示されているように、傾きの大き
な直線になることが明らかである。左半横隔膜に沿った
エッジにフィッティングされた直線の勾配は、通常0.
35よりも小さいことがわかった。
【0065】図24は、50枚の画像から、正しく検出
された左半横隔膜エッジおよび不正に検出されたものに
ついてフィッティングにより得られた直線の傾きの関係
を示している。時計回りにA,B,C,Dの印が付され
た四つの領域は、図24において、0.35という勾配
のカットオフ値を用いることで特定することができる。
これらの例の大部分(50例中48例)は、領域Aと
D、すなわち正しい左半横隔膜エッジからの勾配が0.
35よりも小さい領域に位置することに注意が必要であ
る。領域AとCの例は、一組のエッジの勾配は、0.3
5よりも大きく、もう一組は、この評価基準よりも小さ
い。したがって、0.35よりも小さい勾配を持ってい
るエッジの組が、所要の左半横隔膜エッジとして選択さ
れた。なぜなら、大きな勾配を持っているエッジの組
は、心臓エッジのひとつである可能性が高いからであ
る。しかしながら、領域BとDとでは、検出された両方
のエッジの組の勾配が同時に小さいか大きい場合があ
り、これらの場合、二組の左半横隔膜のエッジが正しい
か不正をか区別するには、勾配を評価基準とすることは
十分なことではない。したがって、左半横隔膜のエッジ
の正しい組を決定するために、領域BおよびDの例につ
いては、第2の尺度が必要であった。
【0066】図20及び図22に図示されているよう
に、第2のパラメータは、検出されたエッジから、これ
らのエッジに3次のカーブフィッティングを行った結果
のカーブへの垂直距離の標準偏差であった。図22で
は、検出された2組のいずれも、勾配は、0.35より
も小さかったが、胃ガスの構造を含むエッジの組は、大
きな標準偏差を示す。胃ガスのパタンは形が不規則であ
るため、ガス構造の部分に広がっているエッジは、具合
良く3次多項式にフィッティングできない。しかしなが
ら、左半横隔膜の、マージン(すなわち正しい左半横隔
膜のエッジの組)に沿って位置する検出されたエッジの
組は、3次の多項式に好適にフィッティングすることが
でき、比較的小さい標準偏差を示す。
【0067】図25は、先の50例についての、正しい
左半横隔膜エッジの組と、左半横隔膜エッジではないも
のの組との間の標準偏差の関係を示している。同図は、
正しい左半横隔膜エッジの組は、左半横隔膜のエッジで
ないものよりも小さな標準偏差を有することを示してい
る。図24において領域BおよびD内に存在する例は、
図25では、円によって示されている。図25において
は、一例を除く全ての例(27例中6例)は、対角線よ
りも上に位置することに注意が必要である。したがっ
て、図24において領域BおよびD内の例については、
標準偏差が小さい方のエッジの組が正しい左半横隔膜の
エッジとして選ばれる。
【0068】図26は、取り除く2つの開始点による2
つの検出されたエッジの組のうち、正しい左半横隔膜エ
ッジの組の特定のために用いられる方法を示している。
図26のステップ2400では、検出された左半横隔膜エッ
ジの組から得られた勾配と標準偏差とが決定され、ステ
ップ2402では、勾配は図24から得られた閾値、すなわ
ち0.35と比較される。もし、いずれの勾配も閾値よ
りも共に大きいか小さい場合、ステップ2404では、標準
偏差が小さい方が正しいエッジとして選択される。も
し、ステップ2402において、両方が閾値よりも大きくも
小さくもない場合、ステップ2406において、小さい勾配
を持っている組が正しい左半横隔膜エッジの組として選
択される。
【0069】検出された右および左半横隔膜エッジを、
平滑曲線に別々にフィットさせるために三次の多項式が
使用される。胸部画像で完全な肺の境界を得るために、
胸郭のエッジの平滑曲線と、右および左肺の横隔膜のエ
ッジの交点とは、胸部画像で対応する肋骨横隔膜角周辺
で決定される。交点を越えるこれらカバーの部分は、取
り除かれる。
【0070】胸部画像における肺領域の完全な輪郭を取
り出した例が図21および図23に示されている。研究
に用いたデータベースの全例について、コンピュータ化
された方法のみが右および左の半横隔膜のエッジの検出
にあたり、それぞれ97%と90%の精度を達成するこ
とができた。正しく左半横隔膜のエッジを検出すること
が困難な場合の主な理由は、左半横隔膜の中央での初期
ROIの配置が不適切であることと、非常に複雑な構造
を有する大きな胃ガスの影響があることである。手短に
言えば、図16においてカテゴリーLGに分類されるひ
とつの例は、およそ0.3の比を有している。データベ
ースの全例の内約3%が、この問題を有していることが
分かった。より小さい評価基準、例えば0.25を選択
することによって、これらの例を改善することは可能で
ある。しかしながら、これにより、本来カテゴリーA1
に分類される多くの例がカテゴリーA2と見なされ、し
たがって、これらの例について左半横隔膜のエッジ検出
の複雑さ、および計算時間が増加してしまう。
【0071】発明者等によって開発された、間質性浸潤
の自動検出と特徴付けのためのコンピュータ化された方
法の能力を、肺組織構造のフーリエ変換に基づき向上さ
せるため、発明者等は、使用フィルムの勾配(グラディ
エント)およびレーザースキャナに関するシステムノイ
ズの光学密度の依存性を研究した。
【0072】コンピュータ化された方法は、IBM社
(イリノイ州シカゴ)製RISC/6000シリーズ
パワーステーション560を用いて開発され、結果はC
RTモニタに表示され、ビデオプリンタ(モデルVP3
500、セイコー社製、東京、日本)または、レーザー
プリンタ(KFDR−P、コニカ社製、東京、日本)を
使ってプリントされた。使用されたデータベースは、2
00例の背腹胸部X線画像からなり、それらは、100
例の正常例と100例の異常例とを含んでいる。全ての
胸部X線画像は、Lanex Medium/OCスク
リーンフィルムシステム(イーストマンコダック社製、
ニューヨーク州ロチェスター)を使って、グリッド1
2:1、125kvの条件で撮影された。正常例は、経
験豊富な4人の胸部X線画像読影者の同意によって選ば
れた。同時に、間質性浸潤を持つ異常例は臨床データに
基づいて選択され、胸部X線画像で指示された。20の
異常例に対しては、CT相関を用いることができ、18
例が組織学的に疾患を有していることが確かめられた。
【0073】発明者らによってなされたコンピュータ化
された間質性疾患の検出と特徴付けの研究において、胸
部X線画像は、上記レーザースキャナを使用し、画素サ
イズを0.175mm、階調を10ビットとしてデジタ
ル化し、“2000×2000”マトリクスのデジタル
画像が得られた。まず最初に、肺上端と横隔膜とを有す
る胸郭の境界がプロファイルの解析によって決定され
る。続いて、非常に多数(300〜500)の、“32
×32”の行列サイズを有する関心領域(ROI)が、
隣接する肺領域において自動的に選択される。このRO
Iの選択方法は、勾配重みづけエッジ配向ヒストグラム
解析に基づいており(Med. Phs, 20,975-982,1993 )、
シャープなリブエッジを有する不要なROIを取り除く
ことができる。肺と胸部壁の肉眼解剖学的な構造によっ
て引き起こされる不均一な背景傾向が、各ROIに対し
て二次元表面フィッティング技術を用いて補正される。
最後にRMS変化値Rとパワースペクトルの第1のモー
メントMとが、各ROIに対して次式(1)、(2)に
て定義されているように、デジタル画像の二次元フーリ
エ変換によって決定される。
【0074】
【数1】
【0075】ここで、F(u,v)は、ROIでの背景
補正がなされたフーリエ変換であり、V(u,v)は、
人間の観察者による視覚系の応答である(Med. Phys. 1
5(3)、pp.311-319,1988 )。視覚系の応答は、残留して
いる補正されていない背景のような望ましくない成分を
抑圧するバンドパスフィルターとして用いられる。この
研究では、各ROIについて、平均光学密度に対して、
組織尺度がプロットされ、光学密度依存性が調べられ
た。
【0076】分類の目的で、我々のデータベース内の正
常な肺から得られた各組織尺度の平均と標準偏差とを用
いて、2つの組織尺度は独立して正規化される。正規化
された組織指標は、後で述べるように、疾患のパタンを
区別するために使用される。更に、2つの正規化された
組織尺度を組み合わせることによって組織指標が単一の
全体指標として決定される。組織指標は、予め決められ
た閾値レベルに基づいて、個々のROIを正常または異
常に分類するために使用される。孤立している異常なR
OIは、シャープなリブエッジを持っている可能性が高
いので、これらの孤立した異常なROIは、後の解析か
ら取り除かれる。我々の以前の研究結果によると、孤立
したROIを取り除くことによって、正常例と異常例を
区別する能力が向上する。
【0077】最後に、異常なROIは、正規化された組
織尺度に基づいて、3つの異なったパタン、すなわち、
小さな塊状、網状、網状の塊パタンに分類される。小さ
な塊状パタンは、正常な肺に較べて、大きなRMS変化
と、高い周波数成分を持っており、網状パタンは低い周
波数成分を持っており、そのRMS変化は、正常な肺の
ものに較べて、僅かに大きく、網状の塊パタンは、正常
な肺に較べて大きなRMS変化と低い周波数成分を持っ
ていると一般に言われている。コンピュータを用いた解
析の結果を図示するために、4つの異なった記号を用い
る。“+”、四角、白丸、六角形であり、それぞれ正
常、小さな塊状、網状、網状の塊パタンに対応してい
る。それぞれの記号の3つの異なった大きさは、組織指
標の大きさに比例する浸潤の程度を示したものである。
【0078】図27(a),(b)は、光学密度のRM
S変化とスペクトルの第1のモーメントに対する依存性
をそれぞれ示している。いずれの組織尺度も画素を単位
として計算された。簡単のために、全例のうち1%のみ
がプロットされている。100例についてのROIの合
計は40,000にものぼるからである。異常例に対す
るRMS変化は、正常例のものに較べて僅かに大であっ
た。一方、異常例のパワースペクトルの第1のモーメン
トは、正常なものに較べて僅かに低くなる傾向を示し
た。図27(a)で計算されたRMS変化は、光学密度
に対して非常に強い依存性を示すことに注意が必要であ
る。光学密度が大きくなればなるほどRMS変化も大き
くなる。しかしながら、パワースペクトルの第1のモー
メントには、明らかな光学密度依存性は無かった。した
がって、光学密度のRMS変化依存性についてのみが研
究された。
【0079】図28は、この研究で使用されたOCフィ
ルムの勾配曲線を示している。この勾配曲線は、4つの
独立した尺度から見積もられた“平均”特性から決定さ
れたものである。この勾配曲線は、様々な平均光学密度
でのフィルムのコントラストの大きさを示している。こ
のフィルムコントラストのために、フィルムに表れる肺
組織の大きさは、低濃度では小さい勾配によって抑圧さ
れ、高い濃度ではおよそ2.5まで強調される。この影
響を補正するために、各ROIの全ての画素値は、RM
S値の計算に先立って、相対露出(ΔE/E)に変換さ
れる必要がある。相対露出でのRMS値は、次式(3)
の近似式を使って計算された。
【0080】 RMS( ΔE/Eav) = RMSp /G・C・(log e) …(3) ここで、RMSp 、G、Cは、それぞれ、画素値を単位
とするRMS変化、使用されたフィルムの勾配、レーザ
ースキャナの特性曲線の勾配である。log eは、自然対
数から底を10とする対数への変換ファクターである。
この近似式は、ΔE/Eav が小さい場合のみ(通常、それ
は間質性浸潤の例である)に使用することができる。実
際、(3)式を用いて計算したRMS変化は、ROIの
全ての画素での相対露出に変換された画素値から決定さ
れたRMS変化と、2%以内で一致している。図29
は、勾配補正後の正常及び異常例について相対露出を単
位としたRMS変化に対する光学密度依存性を示してい
る。画素値を単位としたRMS変化に対する光学密度の
依存性(図27)がフィルムのグラーディエントのみに
影響されるとすれば、補正後の相対露出を単位とするR
MS変化の分布は、光学密度には依存しないはずであ
る。しかしながら、図29の結果は、比較的光学密度が
高いか或いは低い領域でのRMS変化は、正常例および
異常例とも、中間的な光学密度でのものよりも大きいこ
とを示している。相対露出を単位とする肺の組織尺度は
光学密度に依存しないことに注意を向けるべきである。
したがって、図29で観察されたRMS変化の光学密度
依存性は、X線画像の斑点、およびレーザースキャナ使
用によるデジタル化に伴うノイズ成分によるものと考え
られる。このノイズ成分は以下では、“システムノイ
ズ”と呼ぶ。この考えに基づいて、発明者等は、フィル
ムの勾配を補正した後、システムノイズを補正すること
を試みた。まず最初に、全データの10%を用いて正常
例に対するRMS変化の平均分布(実線)が求められた
(図30)。更に残りうち10%のデータが調べられた
が、もはや、RMS変化の平均分布に大きな違いは無か
った。図30において実線で示されているように、平均
分布は、光学密度が比較的低いかまたは高いところで
は、中間的な光学密度のところに較べて、非常に大きか
ったことは明らかである。図31は、RMS変化の平均
曲線の逆数によって決定されたシステムノイズの補正曲
線を示している。RMS変化は、相対露出に関して正確
に計測されたRMS変化が乗算される補正曲線を使用す
るために補正された。
【0081】図32は、システムノイズの影響が補正さ
れた後の正常例および異常例について、光学密度と、補
正されたRMS変化との間の関係を示している。全デー
タのうちのおよそ1%がグラフに示されているが、正常
例、異常例ともに明らかな光学密度依存性は見られな
い。
【0082】高い光学密度に多くの偽陽性を有する正常
なROIに、そのような正常例について肺組織のコンピ
ュータ化された解析への効果を調べるために、補正技術
が適用された。補正なしの場合は、結果として多くの偽
陽性のROIを含んでいたが、勾配補正によって、大部
分の偽陽性のROIは取り除かれた。更に、肺領域の上
側と下側にある残りの偽陽性のROIの殆どは、システ
ムノイズ補正によって取り除かれる。左肺において、異
常なROIの数の割合は、補正無しの場合と、2つの補
正を行った場合とでそれぞれ62%から10%と2%と
に減少した。また、補正が行われなかった場合に、低い
光学密度で多くの偽陽性ROIを持つ異常例について
も、補正技術が適用された。緩く分散している間質性浸
潤が存在したが、如何なる補正も行わない場合、平均光
学密度が0.75である下側の隣接している肺領域に
は、わずか数個の異常ROIが存在するのみであった。
しかしながら、低い光学密度の領域で生じる偽陽性のR
OIの大部分は、勾配補正を行うことによって真陽性の
ROIに変わった。更に、1.0よりもやや大きい光学
密度を有する残りの偽陽性のROIは、システムノイズ
補正によって真陽性に変えられた。この中間的な光学密
度で得られた改善結果については後述する。右肺におけ
る異常なROIの数の割合は、補正無しの場合と、2つ
の補正を行った場合とでそれぞれ29%,42%,53
%であった。従ってこの結果は、コンピュータ化された
解析の結果と読影者の解釈の間の対応とが、勾配補正と
システムノイズ補正を用いることにより改善されたこと
を示している。
【0083】補正なしの正常例のうち、1例当たりの異
常なROIの平均数は、勾配補正とシステムノイズ補正
とを用いることにより、およそ33%にまで減少した。
すなわち、補正なしでは46の異常ROIがあり、勾配
補正とシステムノイズ補正とを用いた場合、異常ROI
は31になる。一方、補正なしの異常例の1例当たりの
異常なROIの平均数と、勾配補正とシステムノイズ補
正とを用いた場合の数は、それぞれ197と188であ
った。これらの結果は、これらの補正技術が“真陽性”
の異常ROIの数に大きな変化を与えることなく偽陽性
のROIを減少させることに対する効果を示している。
最後に、コンピュータ化された装置の全体的な能力がレ
シーバーオペレーティング特性(Receiver operating c
haracteristics; ROC)曲線を用いて評価された。R
OC曲線を得るために、発明者等は、閾値評価基準のひ
とつを変化させた。すなわち、正常および異常な肺を全
体的に分類するために用いられる異常ROIの相対的な
数である(Med.Phys vol.20 pp.975-982 1993; supra参
照)。図33は、補正なしの場合、勾配補正を行う場
合、勾配補正およびシステムノイズ補正を行う場合のそ
れぞれについて得られたROC曲線を示している。補正
なしの場合、勾配補正を行う場合、勾配補正およびシス
テムノイズ補正を行う場合における感度90%での特性
値は、それぞれ81%、86%、89%であった。この
ようにして、図33に示された結果は、フーリエ解析技
術に基づく間質性浸潤のコンピュータ解析において、勾
配補正およびシステムノイズ補正の有効性を明確に示し
ている。
【0084】上で述べたことから明らかなように、間質
性疾患の検出と特徴付けのためのコンピュータ化された
我々の装置の能力を向上させるために、発明者等は、光
学密度のRMS変化依存性を研究した。我々の研究の初
期の段階において、勾配補正が試みられたにも関わらず
(Med.Phys., vol.15(3),311-319 1988, supra)、その
当時は、明らかで有用な効果は認められなかった。これ
は恐らく、補正に使用されたH&D曲線が2つの異なっ
たタイプのフィルムの平均から得られたものであったた
めである。一方、今回の研究では、一種類の特定のフィ
ルム(OCフィルム)のみが使用さている。厳密に言え
ば、画素値から相対露出への変換は、臨床で用いられる
X線画像と同じ処理条件におけるレーザースキャナの特
性曲線およびH&D曲線に基づいていなければならな
い。しかしながら、各胸部X線画像毎に決定されたH&
D曲線を使用することは、ここでは目下のところ現実的
ではない。しかし、個々のX線画像に基づく、フィルム
勾配の影響補正の効果は、コンピュータ化された装置の
全体的な能力を向上させるものと思われる。
【0085】コンピュータ化された装置の能力は、勾配
補正によって特性値で5%向上した。勾配補正の利点に
は、高光学密度での偽陽性ROIの数と低光学密度での
偽陰性ROIの数とを減少させるということが含まれて
いる。一方、高光学密度での真陽性ROIの数と低い光
学密度での真陰性ROIの数を減少させてしまうという
欠点がある。改善された正常例(12例)の全ては、高
光学密度(およそODは2.0である)での異常ROI
の数の減少によることがわかった。一方、補正を行わな
かった7つの真陰性の例は、低光学密度での異常ROI
の数の増加により、偽陽性に変わってしまった。
【0086】勾配補正を行った後の光学密度のRMS変
化依存性はシステムノイズに帰属させることができる。
図31に示されているように、システムノイズは、中間
的な光学密度(ODが1.2〜1.8)に較べて、低い
または高い光学密度のどちらにおいても大きなRMS変
化を与える。このシステムノイズは、レーザースキャナ
とスクリーンフィルムシステムに関係したいくつかのノ
イズ源の組み合わせによると考えることができる。(1)
高光学密度での低い信号対雑音比(S/N比)によるレ
ーザースキャナの電気ノイズの増加、(2) 高光学密度で
のフィルムの粒子性の増加、(3) 低光学密度での量子ム
ラの増加、(4) 低光学密度でのレーザースキャナの量子
化ノイズの増加、(5) 非常に低光学密度での干渉による
アーチファクト(モアレパタン)などがそれらのノイズ
に含まれている。システムノイズの存在を確かめるため
に、同じスクリーンシステム(Lanex medium/OC システ
ム)を使って、120KVpの露光で異なったレベルで
均一に照射された異なった光学密度のフィルムサンプル
が用意された。フィルムサンプルはデジタル化され、肺
の組織を含まない(胸部画像ではない)これらのフィル
ムのRMS変化が計算された。相対露光を単位とするフ
ィルムサンプルのRMS変化は、図30に示されている
傾向と同様に、低光学密度、又は高光学密度において大
きなRMS変化を示した。しかしながら、ノイズフィル
ムサンプルのRMS変化は、臨床的な(肺組織とシステ
ムノイズを含んでいる)胸部X線画像によって計算され
たものよりわずかに小さかった。ノイズフィルムサンプ
ルを使ったこの結果は、胸部X線画像から得られた結果
に一致していることが分かった。
【0087】システムノイズ補正は、勾配補正に較べ
て、特性値を3%さらに向上させた。性能改善の理由の
ひとつは、低光学密度における偽陽性ROIの数が減っ
たことにある。別の理由は、勾配補正のみの場合で得ら
れる結果に較べて、中間的な光学密度(1.1〜1.
9)での異常ROIの数が増えたためと思われる。中間
的な光学密度(1.2〜1.7)を持っている異常な例
のひとつで、この異常例は、肋骨横隔膜角の領域を除い
て、相対的に、間質性浸潤を示していると解釈される。
左肺にあるROIの全数に対する異常ROIの数の比
は、補正なしの場合、勾配補正を行った場合、勾配補正
およびシステムノイズ補正を行った場合について、それ
ぞれ24%、19%、41%であった。肋骨横隔膜角の
領域(ODが2.0)に存在する偽陽性のROIの数
は、勾配補正を行うことによって減少した。したがっ
て、コンピュータ出力と読影者の解釈との間の対応は、
システムノイズ補正をフィルムの勾配補正とともに用い
ることによって大きく改善された。
【0088】他方、勾配補正を行った4つの真陰性の例
は、中間的な光学密度にて異常ROIが増加したことに
より偽陽性に変わってしまった。システムノイズ補正に
おける中間的な光学密度での異常ROIの増加理由は、
研究対象のデータベースの全ての正常例から得られたR
MS変化の平均値が変わったことに関係している。シス
テムノイズ補正は、中間的な光学密度よりも、低光学密
度或いは高光学密度の方がRMS変化をより減少させる
ため、勾配補正とシステムノイズ補正を行った100の
正常例から求められる平均RMS変化は減少した。この
ようにして、異常例に対する個々のROIのRMS変化
と正常例の平均RMS変化との間の区別は、補正が十分
に行われない濃度、すなわち、中間的な光学密度にて改
善された。
【0089】パワースペクトルの第1のモーメントに対
するシステムノイズ補正は、RMS変化に対して用いら
れたものと同じ方法を用いて試みられたが、コンピュー
タ化された装置の能力は、改善されなかった。これは、
パワースペクトルの第1のモーメントが、RMS変化に
較べて、システムノイズによって受ける影響が少ないた
めである。
【0090】仮に勾配補正、そして勾配補正およびシス
テムノイズ補正がなされるとしても、6個の正常例およ
び7個の異常例は、それぞれ、偽陽性および偽陰性とし
て残る。一方、偽陰性と分類された異常例は、他の例に
較べて低いコントラストを示す傾向があった。実際、7
つの偽陰性例のうち5つが肺に重なった大きな胸の影を
含んでいた。偽陽性と偽陰性が生じる正確な原因は分か
っていないが、偽陰性が生じる理由のひとつは、柔らか
い組織による大きな散乱に関連しているように思われ
る。したがって、肺組織のコンピュータ化された解析に
ついて散乱の効果がさらに検討すべき点として残ってい
る。
【0091】まとめると、デジタル胸部X線画像での肺
組織の解析について、RMS変化とパワースペクトルの
第1のモーメントの両方に対する光学密度の依存性が検
討された。画素値を単位とするRMS変化は、ROIの
平均光学密度へ強い依存性を示した。一方、パワースペ
クトルの第1のモーメントに対しては明確な依存性を示
さなかった。フィルム勾配とシステムノイズの影響に対
する補正は、間質性浸潤の検出のためのコンピュータ化
された装置の能力を改善するのに有効である。感度(9
0%)を損なうこと無く、特性値は81%から89%に
向上した。
【0092】上で述べたように、発明者等は、フィルタ
リング技術に基づいた幾何学的パタン特徴解析と同様
に、フーリエ変換に基づく組織解析を行うことによっ
て、デジタル胸部X線画像で間質性疾患の検出と特徴付
けを行うためのコンピュータ化された装置を開発してき
た。組織解析にあたって、肺パタンのRMS変化とパワ
ースペクトルの第1のモーメントは、組織指標として決
定される。幾何学的パタン特徴解析では、小さくまとま
っている不透明部分の全面積と、線状の不透明部分の全
長が幾何学的パタンの尺度として決定される。組織尺度
は、肺組織の全体的な特徴を表すことができ、以前に報
告されているように(Med.Phys. 16,38-44(1989)参
照)、正常な肺と間質性疾患を持っている異常な肺を区
別するにあたって非常に有用であった。他方、幾何学的
パタンの尺度は、個々の不透明部分の形と大きさに関連
した特徴を表す指標になる。したがって、組織尺度と幾
何学的パタン尺度との組み合わせは、正常な肺と間質性
疾患を持っている異常な肺との区別を改善する可能性を
有する。
【0093】発明者等は、ルールベース法を使った組織
解析に基づいた分類能力について以前に報告を行った
(Med.Phys. 16,38-44(1989),supra参照)。これは、閾
値よりも大きな組織尺度を持つ関心領域(ROI)の数
を使用している。人工ニューラルネットワーク(Artifi
cial Nural Networks;ANNs)は、近年多くの領域で強力
な分類ツールとして使用されてきている。(番号 08/05
3,345; Radiology,177,857-860(1990); Invest.Radio
l.,25, 1012-1016(1990); Med.Phys. 19,555-560,1992;
Radiology 187,81-87(1993)参照)。
【0094】以下に述べるように、本発明は、ルールベ
ース法にANN法を加え、組織尺度と幾何学的パタンの
尺度を組み合わせた解析を用いて、正常な肺と間質性疾
患を持っている異常な肺を区別するための自動化された
分類装置を含んでいる。さらに、発明者等は、ルールベ
ース法単独、ANN法単独、ルールベース法にANN法
を加えた場合の分類能力を比較した。それについても以
下に述べる。
【0095】さらに、分類方法を確立するために、OC
フィルムとLanexaミディアムスクリーン(イース
トマンコダック社製、ロチェスター、ニューヨーク)に
露光された200例の従来の背腹(PA)胸部X線画像
からなるデータベースを作成した。このデータベース
は、100例の正常な肺と100例の間質性疾患を持っ
ている異常な肺を含んでいる。正常例は、4人の経験豊
富な胸部X線画像読影者によって、明らかにX線画像が
正常であって、臨床的に見て疑わしい心肺疾患がないと
臨床データが示しているもののなかから選択された。軽
微なものから重篤なものまでを含む間質性疾患を持って
いる異常例は、X線診断の所見と臨床データ、胸部X線
画像読影者による判断に基づいて選択された。データベ
ース中の全ての胸部X線画像は、画素サイズを0.17
5mmとし、1024階調でレーザースキャナによって
量子化された。
【0096】組織解析の全体像について以下に述べる。
“32×32”のマトリクスサイズを持つおよそ200
から500のROIが、各胸部画像について肺隣接領域
の中で自動的に選択される(Med.Phys. 20,975-982(199
3)参照)。各ROIでの不均一な背景の傾向は、下にあ
る肺組織のパタンを明らかにするために補正される。次
に肺組織のパワースペクトルがフーリエ変換から求めら
れ、人間の観察者の視覚系応答によってフィルタリング
される。最後に、相対露出を単位とするRMS変化Rと
パワースペクトルの第1のモーメントMとが、それぞれ
肺組織の大きさおよび粗さに対応する組織尺度として決
定される。このRとMは、次式(4)、(5)のように
定義される。
【0097】
【数2】
【0098】ここでG、C、V(u,v)、F(u,
v)は、それぞれ、使用フィルムの勾配(グラーディエ
ント)、レーザースキャナの特性曲線の傾き、人間の観
察者の視覚系応答、肺組織のフーリエ変換に対応してい
る。log eは、自然対数から常用対数への変換ファクタ
ーである。我々のデータベースに含まれる正常および異
常な肺について得られた2つの組織尺度の分布が図34
(a)に示されている。簡単のために、全データのうち
5%のみがプロットされている。というのは、100の
正常例と100の異常例でROIの全数は75,000
にものぼるからである。
【0099】幾何学的パタン特徴解析において、“12
8×128”のマトリクスサイズを持つおよそ40のR
OIが、肺の隣接領域中で自動的に選択される。胸部画
像において間質性浸潤は、基本的に小さな塊、または線
状の不透明部分で構成されていることが知られている。
したがって、間質性浸潤の小さな塊状又は線状の不透明
部分は、2つの処理画像から独立して特定される。2つ
の処理画像のうちのひとつは、多値閾値分類技術を用い
ることによって、またもう一つは線強調フィルターを使
用することによって得られる。最後に、各ROIで、小
さな塊状の不透明部分の全面積Aと線状の不透明部分L
の全長Lとが幾何学的パタンの尺度として決定される。
正常および異常な肺に対する2つの幾何学的パタンの分
布が図34(b)に示されている。簡単のために、全デ
ータのおよそ50%のみがプロットされている。
【0100】一般に、平均と標準偏差に基づく尺度の正
規化は、異なったタイプの尺度を定量的に評価する際に
有用である。したがって、続くコンピュータ化された分
類のために、与えられた胸部X線画像から得られた組織
尺度と幾何学的パタンの尺度は、データベースに含まれ
ているこれらの尺度の平均と標準偏差によって次式
(6)〜(9)に示すように正規化される。
【0101】RN =(R−Rav)/σR …(6) MN =(M−Mav)/σM …(7) AN =(A−Aav)/σA …(8) LN =(L−Lav)/σL …(9) ここで、RN 、MN 、AN 、LN は、それぞれ、正規化
されたRMS変化、正規化されたパワースペクトルの第
1のモーメント、小さな塊状の不透明部分の正規化され
た全面積、線状の不透明部分の正規化された全長であ
る。Rav、Mav、Aav、Lavは、正常な肺に対するこれ
らの尺度平均値であり、σR 、σM 、σA、σL は、正
常な肺に対するこれらの尺度の標準偏差である。
【0102】データベース内の正常及び異常な肺に対す
る正規化された組織尺度の分布が図35(a)に示され
ている。正常な肺についての分布は、原点周辺に集まっ
ている。一方、異常な肺についての分布は、左上にシフ
トしている。しかしながら、2つの分布は、かなり重複
している。なぜなら、異常な肺での肺組織は、間質性浸
潤が配全体に広がらない限り、いくらかの正常な領域を
含んでいるからである。
【0103】正常及び異常な肺に対する正規化された幾
何学的パタン尺度の分布が図35(b)に示されてい
る。正常な肺に対する分布は、先と同様に原点周辺に集
まっているが、一方、異常な肺についての分布は、右上
にシフトしている。また2つの分布は、かなり重複して
いる。これら重複は、これら分布のみに基づく分類法
が、正常な肺と間質性疾患を持っている異常な肺とを区
別する際には全く効果的でないことを示している。
【0104】図35(a),(b)に示されているよう
に、異常な肺についての正規化された組織と幾何学的パ
タンの尺度は、広く分布している。しかしながら、小さ
な塊状、網状や網状の塊パタンのような間質性浸潤の典
型的な異常パタンは、明確な特徴で見分けることができ
る。組織解析において、小さな塊状のパタンは、低いパ
ワースペクトルの第1のモーメントを持っており、網状
のパタンは、大きなRMS値を持っており、網状の塊パ
タンは、大きなRMS値と低いパワースペクトルの第1
のモーメントを持っている。幾何学的パタンの特徴解析
において、小さい塊状のパタンでは、小さな塊状の不透
明な部分の全面積が大きく、網状のパタンでは、線状の
不透明な部分の全長が大きく、網状の塊パタンでは、小
さな塊状の不透明な部分の全面積が大きくかつ線状の不
透明な部分の全長が大きい。したがって、コンピュータ
化された分類を用いるために、単一組織指標Tおよび単
一幾何学的パタン指標Gが、2つの正規化された組織尺
度と2つの正規化された幾何学的尺度からそれぞれ決定
される。
【0105】単一組織指標(図36)は次式(10)〜
(13)に示すように定義される。
【0106】
【数3】
【0107】単一幾何学的パタン指標は次式(14)〜
(17)に示すように定義される。
【0108】
【数4】
【0109】図36に示されているように、これらの単
一組織指標および単一幾何学的パタン指標は、基本的に
は、正常な肺に対する平均値からの距離に対応してい
る。ルールベース法単独、ANN法単独、ルールベース
法+ANN法による分類では、単一組織指標及び/又は
単一幾何学的パタン指標が適用される。
【0110】ルールベース法については、閾値よりも大
きい単一指標を含み、異常の疑いがあるROIの数が決
定される。次に、胸部画像で選択された全てのROIの
数に対する異常ROIの数の比が閾値よりも大きけれ
ば、その胸部画像は、間質性疾患を持っている異常なも
のと分類される。組織尺度または幾何学的パタンの尺度
が使用されるルールベース法においては、組織指標また
は幾何学的パタン指標は、単一指標として使用される。
組織尺度と幾何学的パタン尺度との組み合わせが使用さ
れるルールベース法においては、異常な肺は、論理OR
演算により分類される。すなわち、もし、胸部画像が組
織尺度または幾何学的パタン尺度のどちらかで異常と分
類され得ることがあれば、胸部画像は、最終的に異常に
分類される。
【0111】発明者等は、また、正常な肺と間質性疾患
を持っている異常な肺を分類するための人工ニューラル
ネットワーク(ANN)を使用した。実際には、バック
プロパゲーションアルゴリズム(Simon Haykin著“ニュ
ーラルネットワーク概論”McMillan College Publishin
g Co. 1994参照)を用いた3層の正帰還ネットワークが
使用された。このANNの構造は、3つの隠しユニット
と分類の結果を表示(0=正常、1=異常)するひとつ
の出力ユニットを含んでいる。ANNへの入力データ
は、単一組織指標のヒストグラムかまたは、幾何学的パ
タン指標のヒストグラムから選択される。組織指標を用
いるANNでは、単一組織指標のヒストグラムは、図3
7に示されているように各胸部画像に対して決定され
る。次に、図36でX1 〜X5 で表されているANNへ
の5つの入力値がヒストグラムの上側からそれぞれ1
0,30,50,70,90%の位置の単一組織指標か
ら選択される。幾何学的パタン尺度を用いるANNにつ
いては、同様にして、5つの単一幾何学的パタン指標が
ANNへの入力データとして選択される。さらに、組織
尺度と幾何学的パタン尺度の組み合わせを使用するAN
Nでは、4つの単一組織指標(ヒストグラムの上側2
0,40,60,80%)と3つの単一幾何学的パタン
指標(上側20,50,80%)がANNへの入力とし
て選択される。
【0112】ルールベース法にANN法を加えた分類方
法の全体は図38に示されている。まずステップ3600で
は、ステップ3602における“明らかに正常な肺”の特
定、そしてステップ3606における“明らかに異常な肺”
の特定するために、ルールベース法が実行される。次
に、ステップ3606では、ルールベース法によって明らか
な例と分類された残りの胸部画像をステップ3608で分類
するためにANNが適用される。
【0113】組織尺度と胸部画像パタンの尺度に基づい
ているルールベース法にANN法を加えた方法について
は、胸部画像におけるROIの総数に対する異常ROI
の数の比が、学習用データセットの全ての異常例から得
ることができる最小の“異常”比以下であれば、胸部画
像は、“明らかに”正常であると分類される。しかし、
この比が、学習用データセットの全ての正常例から得る
ことができる最大の“正常”比以上であれば、胸部画像
は、“明らかに”異常であると分類される。明らかな例
を分類するために使用される最小と最大の比は、この後
議論するように、学習用のデータセットから決定され
る。
【0114】組織尺度と胸部画像パタン尺度の解析の組
み合わせを用いるルールベース法+ANN法では、明ら
かな例は、論理AND演算によって特定される。すなわ
ち組織尺度と幾何学的パタン尺度の両方を用いる初期の
ルールベース法によって胸部画像を明らかに正常と分類
されれば、胸部画像は、明らかに正常であると分類され
る。明らかに異常な例も同様にして分類される。
【0115】種々の方法の分類能力を比較するために、
100の正常例と間質性疾患を持つ100の異常例を含
むデータベースが、乱数を用いて2つのグループに分割
された。一方は学習用データセットであり、50の正常
例と50の異常例を含んでいる。他方は、テスト用デー
タセットであり、これも50の正常例と50の異常例を
含んでいる。10組の異なる学習及びテスト用のデータ
が準備された。
【0116】ルールベース法の分類に対しては、組織及
び/又は幾何学的パタン指標は、与えられた学習データ
セットに対して、最良の分類能力が得られるように決定
された。ルールベース法+ANN法では、異常例の全て
について、ROIの全数に対する異常なROIの数の最
小の比と、全ての正常例に対する異常なROIの最大比
もまた学習用データセットから得られる。ANNの内部
パラメータは、学習用データセットでの100回以上の
学習の繰り返しから決定された。
【0117】分類能力は、ROC解析によって評価され
た(Invest.Radiol.21,720-733(1986) 参照)。ルール
ベース法を用いた分類に対して、ROC曲線は、ROI
の総数に対する異常ROIの数の比で表した閾値レベル
を変えることによって得られる。ANN法を用いた分類
に対しては、ROC曲線は、ANN出力で表した閾値レ
ベルを変化させることによって得られる。最後に、それ
ぞれの方法についての平均分類能力が、10組の異なっ
た学習ないしテスト用データセットの使用によって決定
される。ROC曲線の間の統計的有意差は、各テストデ
ータセットのAZ値(ROC曲線下の面積)に添付され
た2組の試験を行うことによって決定される。
【0118】図39〜図41は、ルールベース法単独、
ANN法単独、ルールベース+ANN法とともに組織尺
度を用いる分類法のために得られたROC曲線を示して
いる。ルールベース+ANN法の0.958というAZ
値は、ルールベース法単独(p<0.05)の0.94
7、そしてANN法単独(p<0.20)の0.957
よりも大きい。幾何学的パタンに基づいた様々な分類方
法から得られたROC曲線が図40に示されている。ル
ールベース+ANN法の0.943というAZ値は、ル
ールベース法単独(p<0.05)の0.937、そし
てANN法単独(p<0.50)の0.941よりも大
きい。さらに、組織尺度と幾何学的パタン尺度を組み合
わせた解析のROC曲線が図41に示されている。ルー
ルベース+ANN法の0.966というAZ値は、ルー
ルベース法単独(p<0.05)の0.959、そして
ANN法単独(p<0.10)の0.965よりも大き
い。ルールベース+ANN法は、単独のルールベース法
或いはANN法よりも常に改善された分類能力を示し、
ANN法単独で得られる分類能力は、ルールベース法単
独で得られるものより高いことに注意が必要である。こ
れらの結果は、明らかな(簡単な)例がルールベース法
によって最初に除かれ、残りの不明確な(難しい)例の
みがANN法によって分類されれば、分類の全体的な能
力が向上することを示している。これはおそらく、AN
Nの学習の際に簡単な例を含んでいる全ての例よりも、
難しい例のみがより効果的であるために、改善された能
力を与えるためであろう。
【0119】表2は、正常な肺と、間質性疾患を持って
いる異常な肺を区別する様々な分類装置の、特性値0.
900における感度によって表された分類能力をまとめ
たものである。
【0120】
【表2】
【0121】組織尺度を用いた場合に得られる感度が幾
何学的パタン尺度を用いたものよりも高い感度を示して
いるにも関わらず、組み合わせの解析方法は、全ての分
類方法において別々の解析方法に較べて改善された感度
を示すことができる。これらの結果は、組織解析と幾何
学的特徴解析とは互いに補い合うことが可能であること
を示している。組織と幾何学的パタン尺度の組み合わせ
を用いたルールベース+ANN法の分類は、最高の能力
を示していることに注意が必要である。
【0122】組織と幾何学的パタン尺度の組み合わせの
解析がルールベース法を使った分類に使用される場合、
他の論理演算を適用することができる。
【0123】発明者等は、ルールベース法単独について
は、論理的AND演算を用いることを試みた。すなわ
ち、胸部画像が、組織尺度と幾何学的パタン尺度の両方
を用いたルールベース法によって異常と分類することが
できれば、胸部画像は、異常と分類される。ROC曲線
から得られたAZ値は、0.947であり、特性値0.
900での感度は9.858であった。この結果は、ル
ールベース法単独における、尺度の組み合わせ解析に対
する論理AND演算は、分類能力を改善させることがで
きない、ということを意味している。幾何学的パタン尺
度から得られる感度は組織尺度から得られたものよりも
かなり低いからである。
【0124】さらに、発明者等は、ルールベース+AN
N法にて明らかな例の分類に対する論理OR演算につい
て検討した。胸部画像が、組織尺度と幾何学的パタン尺
度のどちらかを用いたルールベース法によって明らかに
正常と分類することができれば、胸部画像は、明らかに
正常と分類される。肺は、論理OR演算によって明らか
に異常とも分類される。AZ値は、0.954であり、
感度は、0.97であった。この結果は、明らかな例を
特定するための論理OR演算は、ルールベース法にAN
N法を加えた全体の分類能力を向上させないということ
を示している。これは、全体の分類能力が、ルールベー
ス法における論理OR演算のために、誤って明らかな例
として分類されてしまういくつかの偽陽性と偽陰性によ
って影響を受けてしまうことが原因である。したがっ
て、ルールベース+ANN法が使用された場合には、最
初のルールベース法において、注意深く、正しく明らか
な例を特定し残りの難しい例をANN法を使って分類す
ることが非常に重要である。なお本発明は上述した実施
形態に限定されず、種々変形して実施可能である。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、デ
ジタル化された胸部X線画像において胸郭の正確な境界
の自動検出のための新規で改良された方法を提供でき
る。また、画像特徴解析と、胸郭のエッジ検出から得ら
れた目印情報とに基づいて、デジタル化された胸部X線
画像における右および左半横隔膜の自動検出のための新
規で改良された方法を提供できる。さらに、組織尺度に
おけるスクリーン−フィルムシステムおよびレーザース
キャナーに関するノイズ成分の影響を低減する方法を提
供できる。さらにまた、真陽性の検出感度を損なうこと
無く、偽陽性の検出を低減することが可能な間質性疾患
の自動検出および分類のための優れた方法を提供でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】画像の中で、負の傾きを有する線(左から始ま
る)がゼロと交わる位置で選ばれた肺の上端と考えられ
る第1、第2の候補を持つ胸部X線画像の中央上部の領
域において画像幅の2分の1から得られた垂直プロファ
イルとその第1の導関数を示す図。
【図2】プロファイルに沿った画素値の標準偏差と最大
差の計算に用いられ、正しい肺の上端、肺の内部、首の
領域内に対応する3つの候補の位置における水平プロフ
ァイルの比較を示したグラフ。
【図3】肺の上端の第1、第2の候補の位置での水平方
向のプロファイルに沿った画素値の標準偏差と最大差と
の間の関係を示したグラフ。
【図4】肺内部と首領域における候補の相互相関値の比
較を示したグラフ。
【図5】胸部X線画像で肺の上端の位置を検出するため
に自動化されたコンピュータ装置の動作を示すフローチ
ャート。
【図6】右肺の中央において画像の幅の12分の1から
得られた垂直方向のプロファイルと、その第1の導関数
を示すグラフ。
【図7】肺の上側5分の1の垂直レベルにおける水平方
向のプロファイルと、第2の導関数を示すグラフ。
【図8】肺の角度線、開始点、肺の上端のエッジと胸郭
のエッジを探索するための探索領域を含む目印情報と肺
領域のその他の目印情報を示す図。
【図9】100例の胸部X線画像から得られた右肺の角
度Arと、左肺の角度Alの分布を示す図。
【図10】2つの探索ROIにおける2つのプロファイ
ルと、その第2の導関数を示すグラフ。
【図11】探索ROI(20画像)のプロファイルの第
2の導関数における第1、第2の最小ピーク値の間の関
係を示したグラフ。
【図12】右および左半横隔膜エッジ検出のための初期
垂直ROI、開始点および探索範囲の位置、胸郭のエッ
ジ検出から得られた胸部X線画像の他の目印情報等を示
す図。
【図13】右の半横隔膜中央にある垂直方向のプロファ
イルと、初期垂直ROIから計算されたその第1の導関
数を示すグラフ。
【図14】右および左半横隔膜中央から画像の底までの
距離と、検出された右半横隔膜エッジ中央に基づいた左
半横隔膜中央の初期垂直ROIの上側と下側のレベルで
選択されたものを示しているグラフ。
【図15】左半横隔膜中央の垂直方向のプロファイル
と、初期垂直ROIから計算された第1の導関数を示す
グラフ。
【図16】左半横隔膜中央の初期垂直ROIから得られ
たプロファイルの第1の導関数において第1の最小値に
対する第2の最小値の割合で示される比、第1の最小値
に対する第2の最小値の相対的な位置関係、第2の最小
値と第1の最小値の絶対値の関係を示したグラフ。
【図17】右半横隔膜中央の初期垂直ROIと、肺の左
下側の領域内に位置する初期垂直ROI(カテゴリーL
のケース)と、左半横隔膜領域の初期垂直ROI(カテ
ゴリーDのケース)のヒストグラムを示すグラフ。
【図18】右半横隔膜中央の初期垂直ROIのヒストグ
ラムの第1のピークでの画素値と胸部X線画像(肺の左
下側の領域(カテゴリ−L)または左半横隔膜の領域
(カテゴリーD))の左側の初期垂直ROIのヒストグ
ラムの第1のピークでの画素値との関係を示したグラ
フ。
【図19】本発明による左半横隔膜エッジ決定のための
コンピュータ化された方法を示すフローチャート。
【図20】カテゴリーCの場合における左半横隔膜のエ
ッジ検出例を示すX線写真。
【図21】カテゴリーCの場合における左半横隔膜の全
ての輪郭を抽出した場合を示すX線写真。
【図22】カテゴリーA2、LGおよびNGの場合の左
半横隔膜のエッジ検出例を示すX線写真。
【図23】カテゴリーA2、LGおよびNGの場合の左
半横隔膜の全ての輪郭を抽出した場合を示すX線写真。
【図24】検出された左半横隔膜のエッジの正しいもの
と不正なものとの組の全体の傾きの関係を示す図。
【図25】検出された左半横隔膜のエッジの正しいもの
と不正なものとの組の標準偏差の関係を示す図。
【図26】検出された2組の左半横隔膜のエッジのうち
の正しい1組の半横隔膜エッジを特定するために使用さ
れる方法を示すフローチャート。
【図27】RMSの変化と、画素値で計算されたパワー
スペクトルの第1のモーメントの光学密度依存性を示す
グラフ。
【図28】OCフィルムの勾配曲線を示すグラフ。
【図29】相対露出におけるRMS変化の光学密度依存
性を示すグラフ。
【図30】相対露出における正常例のRMS変化の光学
密度依存性を示したグラフ。
【図31】システムノイズに対する補正曲線を示したグ
ラフ。
【図32】相対露出におけるRMS変化の光学密度依存
性を示したグラフ。
【図33】いかなる補正も行っていない場合(点線)と
勾配補正を行った場合(破線)と勾配補正とシステム補
正を行った場合(実線)のROC曲線を比較したグラ
フ。
【図34】発明者等のデータベース中の100例の正常
な肺と100例の間質性疾患を有する異常な肺から得ら
れた組織尺度と、幾何学的パタン尺度の分布を示したグ
ラフ。
【図35】データベース内の正常及び異常な肺に対する
正規化された組織尺度の分布を示す図。
【図36】組織指標(左)と幾何学的パタン指標(右)
の定義を示す図。
【図37】間質性浸潤を有する胸部X線画像から得られ
た組織指標のヒストグラムを示すグラフ。
【図38】本発明によるルールベース+ANN法の全体
を示すフローチャート図。
【図39】組織尺度、幾何学的パタン尺度、組織尺度お
よび幾何学的パタン尺度の組み合わせを用いた種々の分
類方法から得られたROC曲線を示す図。
【図40】幾何学的パタンに基づいた様々な分類方法か
ら得られたROC曲線を示す図。
【図41】組織尺度と幾何学的パタン尺度を組み合わせ
たROC曲線を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 シン・ウェイ・シュー アメリカ合衆国、イリノイ州 60637、シ カゴ、ナンバー2、イースト・フィフティ ーセブンス・ストリート 847 (72)発明者 桂川 茂彦 岩手県盛岡市湯沢南2丁目17番地8号 (72)発明者 杜下 淳次 京都府船井郡園部町横田淵の端64番地の2

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】画像の垂直プロファイルを求めるステップ
    と、 前記垂直プロファイルに基づいて、肺上端の候補点を求
    めるステップと、 前記候補点の水平プロファイルを求めるステップと、 前記水平プロファイル内のばらつきの度合を表す係数を
    求めるステップと、 前記係数に基づいて、前記候補点を肺上端として決定す
    るか否かを判断するステップと、 を備えたことを特徴とする画像診断支援装置の画像処理
    方法。
  2. 【請求項2】(a)画像の上側中央の領域において垂直
    プロファイルおよびその第1の導関数を得るステップ
    と、 (b)第1の導関数における負の傾きのゼロ交差に基づ
    いて肺上端の候補を特定するステップと、 (c)画像の上端に最も近い第1の特定候補の水平プロ
    ファイルの標準偏差が所定の閾値よりも小さい場合に、
    当該候補を前記肺上端として選択するステップと、 (d)前記標準偏差が前記所定の閾値よりも大きい場合
    に、前記特定された候補以外の他の候補を評価するステ
    ップと、 (e)前記他の候補の標準偏差が所定の閾値より小であ
    るか否かを評価し、もし小の場合は、前記他の候補と前
    記特定された候補のうちから、前記肺上端として大きい
    画素値を有する候補を選択し、もし小でない場合は、第
    2の候補の位置での水平プロファイルと所定のプロファ
    イルとの間の相互相関を評価し、該相互相関値が所定の
    相互相関閾値より小であるときに前記肺上端として前の
    候補を選択するステップと、 (f)前記相互相関値が前記所定の相互相関閾値よりも
    大の場合はさらに他の候補を選択し、前記ステップ
    (e)を繰り返すステップとから構成され、 肺上端を決定する画像診断支援装置の画像処理方法。
  3. 【請求項3】(a)右及び左の肺角度線を決定するステ
    ップと、 (b)右及び左の探索範囲と、肺上端エッジの探索開始
    のための右及び左肺上端探索開始点とを確立するステッ
    プと、 (c)探索ROIを前記探索開始点に各々配置するステ
    ップと、 (d)前記各々の探索ROIにおいて垂直プロファイル
    および第2の導関数を決定するステップと、 (e)前記ステップ(d)により決定された第2の導関
    数において第1、第2の最小値の絶対値の位置を決定す
    るステップと、 (f)第1の最小ピークの位置の絶対値の第2の最小ピ
    ークの位置の絶対値に対する比が、予め決められた閾値
    よりも大きいときに、各ROIで、第1の最小ピーク位
    置を肺上端のエッジとして選択し、そうでなければ、前
    記比が予め決められた閾値よりも小さいときに、各RO
    Iにおいて前記第2の最小ピーク位置を肺上端のエッジ
    として選択するステップと、 (g)右及び左の探索ROIを、探索範囲内において所
    定量だけ横方向にずらして再配置するステップと、 (h)右及び左の探索範囲全体で、肺上端のエッジを検
    出するために、前記ステップ(d)〜ステップ(g)を
    繰り返すステップとから構成され、 右及び左肺の上端エッジを検出する請求項2に記載の方
    法。
  4. 【請求項4】前記ステップ(a)は、2つの垂直位置か
    ら求められた2つの水平プロファイルにおける右及び左
    肺の最小画素値の位置に基づいて前記右及び左肺角度線
    を決定し、 前記ステップ(b)は、右及び左肺角度線と肺上端との
    交点に基づいて前記右及び左肺上端の探索開始点を確立
    し、 前記ステップ(g)は、前記ステップ(f)により検出
    された肺上端のエッジの垂直方向の中央に前記右及び左
    の探索ROIを再配置する請求項3に記載の方法。
  5. 【請求項5】(a)所定の垂直位置における水平プロフ
    ァイルおよびその第2の導関数を決定するステップと、 (b)上端および下端の探索範囲と、右及び左の胸郭の
    エッジの探索開始のための右及び左胸郭エッジ探索開始
    点とを確立するステップと、 (c)前記胸郭エッジ探索開始点に胸郭エッジ探索RO
    Iを各々配置するステップと、 (d)前記各々の胸郭エッジ探索ROIにおいて水平プ
    ロファイルおよびその第2の導関数を決定するステップ
    と、 (e)前記ステップ(d)により決定された第2の導関
    数において第1、第2の最小値の位置の絶対値を決定す
    るステップと、 (f)第2の最小ピーク位置の絶対値に対する第1の最
    小ピーク位置の絶対値の比が、所定の閾値よりも大きい
    場合は、各ROIにおいて第1の最小ピーク位置を胸郭
    エッジとして選択し、そうでなければ、前記比が所定の
    閾値よりも小さい場合は、各ROIにおいて前記第2の
    最小ピーク位置を胸郭エッジとして選択するステップ
    と、 (g)前記右及び左の探索ROIを、探索範囲内におい
    て所定量だけ縦方向にずらして再配置するステップと、 (h)上端及び下端の探索範囲全体で、胸郭エッジを検
    出するために前記ステップ(d)〜ステップ(g)を繰
    り返すステップとから構成され、 右及び左胸郭エッジを検出する請求項3に記載の方法。
  6. 【請求項6】前記ステップ(b)は、右及び左の肺角度
    線の各々の外側に位置する第2の導関数の最小ピーク位
    置に基づいて右及び左の胸郭エッジの探索開始点を決定
    し、 前記ステップ(g)は、前記ステップ(f)により検出
    された胸郭のエッジの中央に前記右及び左の探索ROI
    を再配置する請求項5に記載の方法。
  7. 【請求項7】滑らかな肺上端エッジを生成するために、
    検出された肺上端エッジおよび選択された上側胸郭エッ
    ジに多項式関数を適用するステップと、 滑らかな右及び左の胸郭エッジを生成するために、検出
    され選択された右側胸郭エッジおよび検出され選択され
    た左側の胸郭エッジに多項式関数を適用するステップ
    と、 滑らかな肺上端エッジ、滑らかな右及び左の胸郭エッジ
    およびこれらの滑らかな接続によって定義された胸郭境
    界を生成するために、滑らかな肺上端のエッジと滑らか
    な右及び左の胸郭エッジとの間の滑らかな接続を達成す
    べく肺上端エッジと右及び左胸郭エッジとの重複エッジ
    に加重平均を適用するステップとから構成される請求項
    5に記載の方法。
  8. 【請求項8】右肺の中央を通過する垂直プロファイルお
    よびその第1の導関数を得て、垂直プロファイルの下側
    半分において得られた第1の導関数の最小ピーク位置を
    肺下端として特定するステップから構成される請求項7
    に記載の方法。
  9. 【請求項9】(a)右半横隔膜エッジ探索のために、右
    の内側および外側の探索限界を決定するステップと、 (b)肺下端の垂直レベルと、肺下端と右肺角度線との
    交点に関連して決定された水平位置とに、初期探索RO
    Iを位置付けるステップと、 (c)探索ROIにおける垂直プロファイルおよびその
    第1の導関数を決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)により決定された第1の導関
    数における最小値の位置をROIにおける右半横隔膜エ
    ッジとして決定するステップと、 (e)初期探索ROIの一方の側および初期探索ROI
    の他の側の水平方向に、探索ROIを所定量だけシフト
    し、右の内側および外側の探索限界の間で、右半横隔膜
    エッジの完全な組が検出されるまで前記ステップ(c)
    〜ステップ(e)を繰り返すステップと、 (f)滑らかで完全な右半横隔膜エッジを得るために、
    右半横隔膜エッジの完全な組に多項式関数をフィッティ
    ングするステップとから構成され、 右半横隔膜エッジを検出する請求項8に記載の方法。
  10. 【請求項10】(a)左半横隔膜エッジ探索のために、
    左の内側および外側の探索限界を決定するステップと、 (b)前記画像上の選択された位置に、左半横隔膜エッ
    ジ初期探索ROIを位置付けるステップと、 (c)探索ROIにおける垂直プロファイルおよびその
    第1の導関数を決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)により決定された第1の導関
    数において第1、第2の最小値を検出し、第1の最小値
    に対する第2の最小値の比を決定するステップと、 (e)探索ROI中において左半横隔膜エッジとなる第
    1の最小値の位置を決定し、前記ステップで決定された
    第1の最小値に対する第2の最小値の比が所定量よりも
    小さい場合に探索開始点を決定し、シフトROIにより
    探索開始点の一方の側および他方の側の水平方向に探索
    ROIを所定量だけ反復シフトし、左の内側および外側
    の水平探索限界の間で、完全な左半横隔膜エッジが検出
    されるまで、各シフトROIにより得られる垂直プロフ
    ァイルの第1の導関数の第1の最小値の位置となる半横
    隔膜エッジを決定するステップと、 (f)前記ステップ(e)で、第1の最小値に対する第
    2の最小値の比が前記所定量よりも大きいとき、前記ス
    テップ(e)で決定された第1の導関数の第1、第2の
    最小値の絶対値が所定の絶対値の量よりも小さいかどう
    かを決定し、もしそうであるならば、右及び左の半横隔
    膜のエッジの初期探索ROIのヒストグラムを決定し、
    決定されたヒストグラムの第1のピークの画素値を比較
    し、もし右の横隔膜のヒストグラムの第1のピークの画
    素値が左横隔膜のヒストグラムの第1のピークの画素値
    よりも所定値だけ大きければ、探索ROIを垂直方向に
    下側にシフトし、もし右の横隔膜のヒストグラムの第1
    のピークの画素値が左横隔膜のヒストグラムの第1のピ
    ークの画素値よりも所定値だけ小さければ、探索ROI
    を垂直方向に上側にシフトし、前記ステップ(e)を繰
    り返すステップと、 (g)前記ステップ(e)で、第1の最小に対する第2
    の最小値の比が前記所定量より大きく、前記ステップ
    (f)で、第1および第2の最小値の絶対値が前記所定
    の絶対値の量よりも大きいとき、左の横隔膜のエッジの
    候補を決定するために探索開始点の候補となりうる第1
    および第2の最小の位置を決定し、探索開始点の候補に
    開始ROIを配置し、探索開始点の候補に配置された開
    始ROIの垂直プロファイルと垂直プロファイルのそれ
    ぞれの第1の導関数を決定し第1の導関数の最小の位置
    での探索ROIの候補でそれぞれの左半横隔膜エッジの
    候補を特定し、開始ROIを所定量だけ探索開始点の候
    補の両側にシフトし、シフトされたROIのそれぞれに
    対して、左半横隔膜のエッジの完全な組の第1と第2の
    候補が検出されるまで、シフトされたROIで得られた
    垂直プロファイルの第1の導関数の最小に基づいて、左
    半横隔膜のエッジを決定するステップと、 (h)前記ステップ(g)で決定された左半横隔膜エッ
    ジの完全な組の第1、第2の候補の傾きおよび標準偏差
    を決定し、前記完全な組の両方が、所定の傾きよりも大
    きいかあるいは小さい傾きを持っているとき、小さい方
    の傾きを持っている完全な組を左半横隔膜エッジと決定
    し、前記完全な組の両方が、所定の傾きよりも大きいか
    小さい傾きを持っていないとき、左半横隔膜エッジを、
    小さい標準偏差を持っている左半横隔膜エッジの完全な
    組の第1、第2の候補と決定するステップと、 (i)滑らかで完全な左半横隔膜エッジを得るために、
    決定された左半横隔膜エッジに多項式関数をフッティン
    グするステップとから構成され、 左半横隔膜エッジを検出する請求項9に記載の方法。
  11. 【請求項11】前記ステップ(b)は、肺下端と右及び
    左の肺角度線を所定量だけ画像の中心線にシフトさせた
    線との交点に初期探索ROIを位置付けし、 前記ステップ(e)およびステップ(g)は、前のRO
    Iにおいて検出されたエッジの垂直位置に対し垂直方向
    の中央に来るように探索ROIをシフトする請求項9又
    は請求項10に記載の方法。
  12. 【請求項12】胸郭の境界内の領域から得られたデータ
    値を相対露出に補正するステップから構成される請求項
    10に記載の方法。
  13. 【請求項13】前記ステップは、ROIの画素値RMS
    をRMSp とし、使用フィルムの勾配をGとし、レーザ
    ースキャナの特性曲線の傾きをCとし、log eを自然対
    数から常用対数への変換ファクターとするとき、RMS
    ( ΔE/Eav)=RMSp /G・C・(log e)なる関係に
    基づいて、ROI内の画素データ値のRMS変化を、相
    対露出に変換するステップから構成される請求項12に
    記載の方法。
  14. 【請求項14】X線画像をデジタル画素データ値に変換
    するために使用されたシステムに存在するシステムノイ
    ズに起因して、RMS変化の平均分布が逆数の関係に変
    換された画素データ値のRMS変化を補正するステップ
    から構成される請求項12に記載の方法。
  15. 【請求項15】(a)画像のROIにおいて補正され変
    換されたRMS変化の少なくとも一部に基づいて組織指
    標を決定するステップと、 (b)組織指標のヒストグラムを決定するステップと、 (c)前記ステップ(b)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有しバックプロ
    パゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネットワ
    ークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへの
    入力として適用するステップと、 (d)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される請求項14に記載の方法。
  16. 【請求項16】(a)画像のROIにおける所定の幾何
    学的パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定
    するステップと、 (b)幾何学的パタンのヒストグラムを決定するステッ
    プと、 (c)前記ステップ(b)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (d)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとと
    から構成される請求項14に記載の方法。
  17. 【請求項17】(a)画像のROIにおける補正され、
    変換されたRMS変化に少なくとも部分的に基づいて組
    織指標を決定するステップと、 (b)画像のROIにおける所定の幾何学的パタン尺度
    に基づいて、幾何学的パタン指標を決定するステップ
    と、 (c)組織指標と幾何学的パタン指標のヒストグラムを
    決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (e)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される請求項14に記載の方法。
  18. 【請求項18】(a)画像のROIにおける補正され、
    変換されたRMS変化に少なくとも部分的に基づいて組
    織指標を決定するステップと、 (b)潜在的な異常ROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい組織指標を含んでいるROIの数を決
    定するステップと、 (c)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (b)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定された前記第1の所定
    の比よりも大きく、前記第2の所定の比よりも小さい比
    を持つ画像について、補正され変換されたRMS変化に
    基づいて組織指標を決定するステップと、 (e)組織指標のヒストグラムを決定するステップと、 (f)前記ステップ(e)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として、適用するステップと、 (g)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとを
    更に、含んでいる請求項14に記載の方法。
  19. 【請求項19】(a)画像のROIにおける所定の幾何
    学的パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定
    するステップと、 (b)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい幾何学的パタン指標を含んでいるRO
    Iの数を決定するステップと、 (c)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (b)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定された前記第1の所定
    の比よりも大きく、前記第2の所定の比よりも小さい比
    を持つ画像について、幾何学的パタン指標のヒストグラ
    ムを決定するステップと、 (e)前記ステップ(d)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (h)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される請求項14に記載の方法。
  20. 【請求項20】(a)画像のROIにおいて補正され変
    換されたRMS変化の少なくとも一部分に基づいて組織
    指標を決定するステップと、 (b)前記画像中の前記ROIにおける所定の幾何学的
    パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定する
    ステップと、 (c)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい組織指標を含んでいるROIの数を決
    定するステップと、 (d)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい幾何学的パタン指標を含んでいるRO
    Iの数を決定するステップと、 (e)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (c)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (f)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (d)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (g)前記ステップ(e)およびステップ(f)の少な
    くとも一方で決定された前記第1の所定の比よりも大き
    く、前記第2の所定の比よりも小さい比を持つ画像につ
    いて、組織指標および幾何学的パタン指標の少なくとも
    一方のヒストグラムを決定するステップと、 (h)前記ステップ(g)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (i)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される請求項14に記載の方法。
  21. 【請求項21】前記ステップ(g)は、前記組織指標と
    前記幾何学的パタン指標の両方のヒストグラムを決定
    し、 前記ステップ(h)は、前記ヒストグラムの両方の値を
    前記人工ニューラルネットワークへの入力として適用す
    る請求項20に記載の方法。
  22. 【請求項22】(a)所定の垂直位置における水平プロ
    ファイルおよびその第2の導関数を決定するステップ
    と、 (b)上端および下端の探索範囲と、右及び左の胸郭の
    エッジの探索開始のための右及び左胸郭エッジ探索開始
    点とを確立するステップと、 (c)前記胸郭エッジ探索開始点に胸郭エッジ探索RO
    Iを各々配置するステップと、 (d)前記各々の胸郭エッジ探索ROIにおいて水平プ
    ロファイルおよびその第2の導関数を決定するステップ
    と、 (e)前記ステップ(d)により決定された第2の導関
    数において第1、第2の最小値の位置の絶対値を決定す
    るステップと、 (f)第2の最小ピーク位置の絶対値に対する第1の最
    小ピーク位置の絶対値の比が、所定の閾値よりも大きい
    場合は、各ROIにおいて第1の最小ピーク位置を胸郭
    エッジとして選択し、そうでなければ、前記比が所定の
    閾値よりも小さい場合は、各ROIにおいて前記第2の
    最小ピーク位置を胸郭エッジとして選択するステップ
    と、 (g)前記右及び左の探索ROIを、探索範囲内におい
    て所定量だけ縦方向にずらして再配置するステップと、 (h)上端及び下端の探索範囲全体で、胸郭エッジを検
    出するために前記ステップ(d)〜ステップ(g)を繰
    り返すステップとから構成される画像診断支援装置の画
    像処理方法。
  23. 【請求項23】右及び左の肺角度線を検出するステップ
    をさらに具備し、 前記ステップ(b)は、右及び左の胸郭のエッジの探索
    開始点を、右及び左の肺角度線の各々の外側に位置する
    第2の導関数の最小ピークの位置に基づいて決定し、 前記ステップ(g)は、右及び左の探索ROIを前記ス
    テップ(f)において検出された胸郭エッジにてセンタ
    ーリングする請求項22に記載の方法。
  24. 【請求項24】滑らかな肺上端エッジを生成するため
    に、検出された肺上端エッジおよび選択された上側胸郭
    エッジに多項式関数を適用するステップと、 滑らかな右及び左の胸郭エッジを生成するために、検出
    され選択された右側胸郭エッジおよび検出され選択され
    た左側の胸郭エッジに多項式関数を適用するステップ
    と、 滑らかな肺上端エッジ、滑らかな右及び左の胸郭エッジ
    およびこれらの滑らかな接続によって定義された胸郭境
    界を生成するために、滑らかな肺上端のエッジと滑らか
    な右及び左の胸郭エッジとの間の滑らかな接続を達成す
    べく肺上端エッジと右及び左胸郭エッジとの重複エッジ
    に加重平均を適用するステップとから構成される請求項
    22に記載の方法。
  25. 【請求項25】右肺の中心を通る垂直プロファイルおよ
    びその第1の導関数を取得し、垂直プロファイルの下側
    半分の第1の導関数における最小ピークの位置を肺下端
    として特定するステップと、 (a)右半横隔膜エッジ探索のために、右の内側および
    外側の探索限界を決定するステップと、 (b)肺下端の垂直レベルと、肺下端と右肺角度線との
    交点に関連して決定された水平位置とに、初期探索RO
    Iを位置付けるステップと、 (c)探索ROIにおける垂直プロファイルおよびその
    第1の導関数を決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)により決定された第1の導関
    数における最小値の位置をROIにおける右半横隔膜エ
    ッジとして決定するステップと、 (e)初期探索ROIの一方の側および初期探索ROI
    の他の側の水平方向に、探索ROIを所定量だけシフト
    し、右の内側および外側の探索限界の間で、右半横隔膜
    エッジの完全な組が検出されるまで前記ステップ(c)
    〜ステップ(e)を繰り返すステップと、 (f)滑らかで完全な右半横隔膜エッジを得るために、
    右半横隔膜エッジの完全な組に多項式関数をフィッティ
    ングするステップとから構成され、 右半横隔膜エッジを検出する画像診断支援装置の画像処
    理方法。
  26. 【請求項26】(a)左半横隔膜エッジ探索のために、
    左の内側および外側の探索限界を決定するステップと、 (b)前記画像上の選択された位置に、左半横隔膜エッ
    ジ初期探索ROIを位置付けるステップと、 (c)探索ROIにおける垂直プロファイルおよびその
    第1の導関数を決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)により決定された第1の導関
    数において第1、第2の最小値を検出し、第1の最小値
    に対する第2の最小値の比を決定するステップと、 (e)探索ROI中において左半横隔膜エッジとなる第
    1の最小値の位置を決定し、前記ステップで決定された
    第1の最小値に対する第2の最小値の比が所定量よりも
    小さい場合に探索開始点を決定し、シフトROIにより
    探索開始点の一方の側および他方の側の水平方向に探索
    ROIを所定量だけ反復シフトし、左の内側および外側
    の水平探索限界の間で、完全な左半横隔膜エッジが検出
    されるまで、各シフトROIにより得られる垂直プロフ
    ァイルの第1の導関数の第1の最小値の位置となる半横
    隔膜エッジを決定するステップと、 (f)前記ステップ(e)で、第1の最小値に対する第
    2の最小値の比が前記所定量よりも大きいとき、前記ス
    テップ(e)で決定された第1の導関数の第1、第2の
    最小値の絶対値が所定の絶対値の量よりも小さいかどう
    かを決定し、もしそうであるならば、右及び左の半横隔
    膜のエッジの初期探索ROIのヒストグラムを決定し、
    決定されたヒストグラムの第1のピークの画素値を比較
    し、もし右の横隔膜のヒストグラムの第1のピークの画
    素値が左横隔膜のヒストグラムの第1のピークの画素値
    よりも所定値だけ大きければ、探索ROIを垂直方向に
    下側にシフトし、もし右の横隔膜のヒストグラムの第1
    のピークの画素値が左横隔膜のヒストグラムの第1のピ
    ークの画素値よりも所定値だけ小さければ、探索ROI
    を垂直方向に上側にシフトし、前記ステップ(e)を繰
    り返すステップと、 (g)前記ステップ(e)で、第1の最小に対する第2
    の最小値の比が前記所定量より大きく、前記ステップ
    (f)で、第1および第2の最小値の絶対値が前記所定
    の絶対値の量よりも大きいとき、左の横隔膜のエッジの
    候補を決定するために探索開始点の候補となりうる第1
    および第2の最小の位置を決定し、探索開始点の候補に
    開始ROIを配置し、探索開始点の候補に配置された開
    始ROIの垂直プロファイルと垂直プロファイルのそれ
    ぞれの第1の導関数を決定し第1の導関数の最小の位置
    での探索ROIの候補でそれぞれの左半横隔膜エッジの
    候補を特定し、開始ROIを所定量だけ探索開始点の候
    補の両側にシフトし、シフトされたROIのそれぞれに
    対して、左半横隔膜のエッジの完全な組の第1と第2の
    候補が検出されるまで、シフトされたROIで得られた
    垂直プロファイルの第1の導関数の最小に基づいて、左
    半横隔膜のエッジを決定するステップと、 (h)前記ステップ(g)で決定された左半横隔膜エッ
    ジの完全な組の第1、第2の候補の傾きおよび標準偏差
    を決定し、前記完全な組の両方が、所定の傾きよりも大
    きいかあるいは小さい傾きを持っているとき、小さい方
    の傾きを持っている完全な組を左半横隔膜エッジと決定
    し、前記完全な組の両方が、所定の傾きよりも大きいか
    小さい傾きを持っていないとき、左半横隔膜エッジを、
    小さい標準偏差を持っている左半横隔膜エッジの完全な
    組の第1、第2の候補と決定するステップと、 (i)滑らかで完全な左半横隔膜エッジを得るために、
    決定された左半横隔膜エッジに多項式関数をフッティン
    グするステップとから構成され、 左半横隔膜エッジを検出する請求項25に記載の方法。
  27. 【請求項27】前記ステップ(b)は、肺下端と右及び
    左の肺角度線を所定量だけ画像の中心線にシフトさせた
    線との交点に初期探索ROIを位置付けし、 前記ステップ(e)およびステップ(g)は、前のRO
    Iにおいて検出されたエッジの垂直位置に対し垂直方向
    の中央に来るように探索ROIをシフトする請求項25
    又は請求項26に記載の方法。
  28. 【請求項28】胸郭の境界内の領域から得られたデータ
    値を相対露出に補正するステップから構成される画像診
    断支援装置の画像処理方法。
  29. 【請求項29】前記ステップは、ROIの画素値RMS
    をRMSp とし、使用フィルムの勾配をGとし、レーザ
    ースキャナの特性曲線の傾きをCとし、log eを自然対
    数から常用対数への変換ファクターとするとき、RMS
    ( ΔE/Eav)=RMSp /G・C・(log e)なる関係に
    基づいて、ROI内の画素データ値のRMS変化を、相
    対露出に変換するステップから構成される請求項28に
    記載の方法。
  30. 【請求項30】X線画像をデジタル画素データ値に変換
    するために使用されたシステムに存在するシステムノイ
    ズに起因して、RMS変化の平均分布が逆数の関係に変
    換された画素データ値のRMS変化を補正するステップ
    から構成される請求項28に記載の方法。
  31. 【請求項31】X線画像をデジタル画素データ値に変換
    するために使用されたシステムに存在するシステムノイ
    ズに起因して、RMS変化の平均分布が逆数の関係に変
    換された画素データ値のRMS変化を補正するステップ
    から構成される請求項29に記載の方法。
  32. 【請求項32】(a)画像のROIにおいて補正され変
    換されたRMS変化の少なくとも一部に基づいて組織指
    標を決定するステップと、 (b)組織指標のヒストグラムを決定するステップと、 (c)前記ステップ(b)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有しバックプロ
    パゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネットワ
    ークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへの
    入力として適用するステップと、 (d)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  33. 【請求項33】(a)画像のROIにおける所定の幾何
    学的パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定
    するステップと、 (b)幾何学的パタンのヒストグラムを決定するステッ
    プと、 (c)前記ステップ(b)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (d)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  34. 【請求項34】(a)画像のROIにおける補正され、
    変換されたRMS変化に少なくとも部分的に基づいて組
    織指標を決定するステップと、 (b)画像のROIにおける所定の幾何学的パタン尺度
    に基づいて、幾何学的パタン指標を決定するステップ
    と、 (c)組織指標と幾何学的パタン指標のヒストグラムを
    決定するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (e)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  35. 【請求項35】(a)画像のROIにおける補正され、
    変換されたRMS変化に少なくとも部分的に基づいて組
    織指標を決定するステップと、 (b)潜在的な異常ROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい組織指標を含んでいるROIの数を決
    定するステップと、 (c)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (b)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定された前記第1の所定
    の比よりも大きく、前記第2の所定の比よりも小さい比
    を持つ画像について、補正され変換されたRMS変化に
    基づいて組織指標を決定するステップと、 (e)組織指標のヒストグラムを決定するステップと、 (f)前記ステップ(e)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として、適用するステップと、 (g)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  36. 【請求項36】(a)画像のROIにおける所定の幾何
    学的パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定
    するステップと、 (b)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい幾何学的パタン指標を含んでいるRO
    Iの数を決定するステップと、 (c)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (b)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (d)前記ステップ(c)で決定された前記第1の所定
    の比よりも大きく、前記第2の所定の比よりも小さい比
    を持つ画像について、幾何学的パタン指標のヒストグラ
    ムを決定するステップと、 (e)前記ステップ(d)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (f)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  37. 【請求項37】(a)画像のROIにおいて補正され変
    換されたRMS変化の少なくとも一部分に基づいて組織
    指標を決定するステップと、 (b)前記画像中の前記ROIにおける所定の幾何学的
    パタン尺度に基づいて、幾何学的パタン指標を決定する
    ステップと、 (c)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい組織指標を含んでいるROIの数を決
    定するステップと、 (d)潜在的異常のROIを特定するための所定の閾値
    指標よりも大きい幾何学的パタン指標を含んでいるRO
    Iの数を決定するステップと、 (e)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (c)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (f)画像の中のROIの総数に対する、前記ステップ
    (d)で決定されたROIの数の比を決定し、もし、決
    定された比が、異常な画像の学習用の組で検出された異
    常なROIの最小の比に対応する第1の所定の比よりも
    小さければ、画像を正常と分類し、もし、決定された比
    が、正常な画像の学習用の組で検出された異常なROI
    の最大の比に対応する第2の所定の比よりも大きけれ
    ば、画像を異常と分類するステップと、 (g)前記ステップ(e)およびステップ(f)の少な
    くとも一方で決定された前記第1の所定の比よりも大き
    く、前記第2の所定の比よりも小さい比を持つ画像につ
    いて、組織指標および幾何学的パタン指標の少なくとも
    一方のヒストグラムを決定するステップと、 (h)前記ステップ(g)で決定されたヒストグラムの
    上側の所定の領域の値を、複数の入力を有し、バックプ
    ロパゲーションアルゴリズムによる多層の正帰還ネット
    ワークを含む学習済みの人工ニューラルネットワークへ
    の入力として適用するステップと、 (i)前記人工ニューラルネットワークの出力に基づい
    て、前記画像を正常または異常に分類するステップとか
    ら構成される画像診断支援装置の画像処理方法。
  38. 【請求項38】前記ステップ(g)は、前記組織指標と
    前記幾何学的パタン指標の両方のヒストグラムを決定
    し、 前記ステップ(h)は、前記ヒストグラムの両方の値を
    前記人工ニューラルネットワークへの入力として適用す
    る請求項37に記載の画像診断支援装置の画像処理方
    法。
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