JPH08331025A - 適応干渉キャンセル受信機 - Google Patents

適応干渉キャンセル受信機

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JPH08331025A
JPH08331025A JP7138102A JP13810295A JPH08331025A JP H08331025 A JPH08331025 A JP H08331025A JP 7138102 A JP7138102 A JP 7138102A JP 13810295 A JP13810295 A JP 13810295A JP H08331025 A JPH08331025 A JP H08331025A
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Hitoshi Yoshino
仁 吉野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 等レベル干渉信号、未知干渉信号を除去す
る。 【構成】 アンテナ1−1〜1−NB の受信信号をトラ
ンスバーサルフィルタFFF1 〜FFFNBでそれぞれ重
み付けした後合成手段3で合成し、その合成信号から、
推定希望信号、推定干渉信号を誤差推定手段4で差し引
き、その推定誤差から尤度を求め、状態推定手段6で状
態遷移を考慮して希望信号系列、干渉信号系列を推定
し、更に希望信号推定手段8、干渉信号推定手段7−1
〜7−Nで推定希望信号、推定干渉信号を作り、パラメ
ータ制御手段9で前記推定誤差と、推定信号系列とから
推定手段8、7−1〜7−N、フィルタFFF1 〜FF
NBの各タップ係数を更新する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばディジタル移
動通信において近接するゾーンからの同一チャネル干
渉、符号間干渉などの干渉信号による伝送特性の劣化を
補償することを可能とする干渉波除去機能を有する受信
機に適する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル移動通信などの無線通信にお
いては、同一チャネル干渉を避け、かつ周波数を有効に
利用するため、地理的に離れた場所で同じ周波数を繰り
返して使用することが行われている。今日の自動車・携
帯電話では、複数のセル(ゾーン)で構成される小セル
構成のセルラー方式が採用されている。セルラー方式で
は、セル構成法を工夫して、サービスエリア内で互いに
干渉妨害を受けない間隔を保ったセル間で、同じ周波数
を別々の通信に使用し、周波数の有効利用を図ってい
る。しかし、実際にはセルの小型化、3次元化に伴い、
セル構成を工夫することのみでは、同一チャネル干渉を
回避することが困難になりつつある。
【0003】『移動無線において変動する伝送路におけ
る等化方法及び適応等化器』〔特願平4−85765〕
には、移動通信におけるマルチパスフェージングにより
伝送される信号がマルチパス歪みを受けた場合に、この
歪みを補償するため適応等化機能を有する最尤系列推定
器を用いた補償技術が開示されている。この文献では、
高速に変動する無線伝搬路に高速かつ正確に追従する最
尤系列推定に適した伝送路パラメータ推定法が提案さ
れ、等化器では符号間干渉を除去しているが、同一チャ
ネル干渉は、除去していないので信号レベルの高い同一
チャネル干渉条件では、動作しないという欠点があっ
た。まず、従来技術として上記適応等化機能を有する最
尤系列推定を用いた受信機について説明する。図11に
従来の適応等化機能を有する最尤系列推定を用いた受信
機の構成の例を示す。この受信機は受信される希望信号
を推定して出力する希望信号推定手段1よりの希望受信
波推定信号を、端子100に入力されるサンプリングさ
れた受信信号から減算して推定誤差信号を誤差推定手段
3で出力し、この受信信号から希望受信波推定信号が減
算された推定誤差信号の尤度を、状態推定手段4により
最尤系列推定を行って求め、この状態推定手段4の出力
および推定誤差信号にもとづき変換パラメータ制御手段
5により希望信号推定手段1の変換パラメータを制御す
る。
【0004】状態推定手段4は図11に示すように、推
定誤差信号が供給される尤度計算回路401と、その尤
度計算回路401の出力から受信信号の最尤系列推定を
行う最尤系列推定器413と、その最尤系列推定により
推定希望信号系列を発生する信号系列発生回路415と
を備える。また、希望信号推定手段1はトランスバーサ
ルフィルタ101で構成されている。変換パラメータを
制御する変換パラメータ制御手段5は、タップ係数制御
部51で構成され、トランスバーサルフィルタ101の
タップ係数を推定誤差信号および推定希望信号系列に基
づいて設定する。タップ係数制御部51の構成について
は後述する。この図11に示す受信機の動作を信号の流
れを中心にして説明する。
【0005】最尤系列推定器413の内部で信号の遷移
する状態を発生させる。この遷移する状態をもとに信号
系列発生回路415で変調された送信信号系列を生成
し、状態推定手段4の端子4aに出力する。この送信信
号系列は、希望信号推定手段1及びタップ係数制御部5
1で用いられる。希望信号推定手段1は前述のようにト
ランスバーサルフィルタ101で構成されており、この
トランスバーサルフィルタ101のタップ係数は、タッ
プ係数制御部51により、変動する伝送路のインパルス
レスポンスに応じて適応的に変化させることができる。
このトランスバーサルフィルタ101は、状態推定手段
4で生成された送信信号系列を入力として受信推定信号
を出力する。
【0006】誤差推定手段3は、加算回路31で構成さ
れており、入力端子100よりの受信信号から希望信号
推定手段1の出力である希望受信波推定信号を減算して
推定誤差信号を出力する。受信信号に干渉波成分が含ま
れていない場合には、この推定誤差信号は、雑音成分の
みとなる。推定誤差信号は状態推定手段4の尤度計算回
路401に入力され尤度信号に変換される。
【0007】尤度計算回路401には推定誤差を2乗す
る2乗回路を用いることができる。尤度信号は最尤系列
推定器413に入力される。ここで尤度計算回路401
として2乗回路を用いると、尤度信号すなわち2乗回路
の出力の大きさが最小になると尤度が最大になることに
なる。これにより尤度信号は最尤系列推定器413に入
力されて送信信号系列の推定が行われる。
【0008】次に図11の各構成ブロックごとにその機
能を説明する。まず、状態推定手段4について説明す
る。最尤系列推定器413は、受信信号の遷移する状態
に対応した状態系列候補を順次発生させ出力する。次に
信号系列発生回路415で、この候補により変調された
送信信号系列を生成し、希望信号推定手段1へ出力す
る。この候補に対応する推定誤差信号を状態推定手段4
の入力端子4iより入力し、尤度計算回路401で尤度
信号に変換する。ここで得られた尤度信号を用いて尤度
が高くなる系列を選択し、これを受信信号系列(すなわ
ち希望信号系列)として信号判定を行う。受信信号系列
の候補を順次出力する機能は、カウンタ機能を有する集
積回路で容易に実現できる。最尤系列推定器413は入
力端子100から入力される受信信号サンプル値が保持
されている間に、すべての受信信号系列の候補について
尤度が高くなる系列の探索を行う。しかし、信号系列が
長くなると可能性のある信号系列候補の数は指数関数的
に増大するので、実際には、ビタビアルゴリズムを用い
て探索する信号系列候補の数を適宜減らし演算量を少な
くする。
【0009】図11の例では希望信号推定手段1として
は、トランスバーサルフィルタ101をもちいる。状態
推定手段4の出力はこのトンラスバーサルフィルタ10
1に入力され、受信波の推定信号となる。トランスバー
サルフィルタ101のタップ係数は、タップ係数制御部
51によって制御される。タップ係数制御部51は、図
12に示すように構成されており、タップ係数記憶回路
511、タップ係数切り替えスイッチ512、タップ係
数更新回路513から構成される。
【0010】タップ係数記憶回路511は、各状態に対
応するタップ係数の組(タップ係数ベクトル)を記憶す
る回路である。タップ係数切り替えスイッチ512は、
各状態に対応したタップ係数ベクトルをタップ係数記憶
回路511から選択し、トランスバーサルフィルタ10
1へ出力する。タップ係数更新回路513は、最尤系列
推定器413での各状態ごとの最尤系列推定が終了した
時点で、タップ係数記憶回路511に記憶されている各
状態に対応する複数の組のタップ係数ベクトルをそれぞ
れ更新する。このタップ係数の更新は、状態推定手段4
から出力された信号系列と誤差推定手段3の出力である
推定誤差信号を用いて行われる。この更新はRLSアル
ゴリズムやLMS(最小自乗平均法)アルゴリズムなど
の適応アルゴリズムを用いて推定誤差信号が小さくなる
ように各状態に対応するタップ係数ベクトルごとに行わ
れる。したがって、更新されたタップ係数ベクトルは、
現時点での伝送路インパルスレスポンスを反映させたも
のとなるので、移動無線通信のようにフェージングによ
り伝送路が高速に変動するような場合に伝送路への追従
性が向上するので良好な受信特性を得ることが出来る。
【0011】また、前記文献では、受信信号のサンプリ
ングクロックのタイミングオフセットによる受信特性劣
化を克服するための技術として図13に示すように希望
信号推定手段で用いられるトランスバーサルフィルタ
(34−41 と34−42 )に分数間隔形トランスバー
サルフィルタを用いた最尤系列推定形適応等化器も提案
している。
【0012】つまり図11においては入力端子100の
入力は、受信信号がそのシンボル周期Tごとにサンプリ
ングされたディジタル信号であったが、図13では2ブ
ランチのダイバーシチィ受信であり、かつ、サンプリン
グ回路34−21 ,34−2 2 でそれぞれシンボル周期
Tの整数分の1の周期サンプリングされてディジタル信
号とされる。相関器34−31 ,34−32 にて、送信
信号に含まれる既知信号によりブランチごとの伝送路の
インパルスレスポンスを推定して、これに応じてトラン
スバーサルフィルタ34−41 ,34−42 の各フィル
タ係数を設定する。このサンプリング回路34−21
34−22 の出力からトランスバーサルフィルタ34−
1 ,34−42 よりの推定受信信号との差をとり、そ
の推定誤差信号を2乗し、その2乗値に応じたメトリッ
ク値をメトリック回路34−71,34−72 でそれぞ
れ演算し、その各メトリック値を加算して、ビタビアル
ゴリズム回路34−12へ供給する。ビタビアルゴリズ
ム回路34−12からの可能な状態遷移に符号系列を信
号発生回路34−14に入力し、これら信号系列により
受信信号と対応し変調波を変調波再生回路34−15で
再生してトランスバーサルフィルタ34−41 ,34−
2 へ供給する。このようにいわゆるオーバーサンプリ
ングによりサンプリングクロックのタイミングオフセッ
トによる受信特性の劣化を克服できる。
【0013】希望波と干渉波の送信シンボル候補と、こ
れら2つの信号に対応する伝送路パラメータからレプリ
カを生成し、これらのレプリカを受信信号から減算した
誤差信号の2乗に−1を乗積した値を対数尤度(Log
Likelihood)として用い、符号間干渉が発
生する条件で、希望波およびチャネル間干渉波の信号を
最尤系列推定器により判定する受信機が、すでにいくつ
か提案されている。
【0014】例えば、W.Van Ettenは、最尤
系列推定器としてビタビアルゴリズムを用いた受信機を
提案し検討している(W.Van Etten,“Ma
ximum Likelihood Rceiver
for MultipleChannel Trans
mission Systems”IEEE Tran
saction on Communication
s,February1976)。しかしながら、この
受信機では、伝送路インパルスレスポンスの値が既知で
あるとしている。伝送路パラメータを推定し、かつ最尤
系列推定器を用いた受信機の提案が、Howard
E.Nichols,Arithur A.Giord
anoおよびJhon G.Proakisによって行
われている。彼らの提案では、伝送路パラメータ推定に
おいて、一定時間固定遅延させた受信信号サンプルと同
一時間遅延して出力される最尤系列推定器でのシンボル
判定推定値を用いて、適応アルゴリズムにより伝送路パ
ラメータの推定及び更新を行っている。これは、伝送路
の時間変動が比較的緩やかである場合に良好に動作す
る。しかし、移動通信伝搬路においては、希望波と干渉
波の振幅と位相が高速に変動するため、Howard
E.Nichols,等が提案した一定時間遅延させた
受信信号サンプルの推定値では現時点の推定値ではない
ので、伝送特性が大幅に劣化する。
【0015】A.P.Clark,J.D.Harve
y,J.P.Driscollは、最尤系列推定を用い
た適応最尤受信器で問題となる固定遅延による伝送路パ
ラメータの推定劣化を克服する方法としてNear−M
aximum−Likelihood detecti
onを提案し、最尤系列推定に基ずく適応等化器の特性
を改善している(A.P.Clark,J.D.Har
vey and J.P.Driscoll,“Nea
r−maximum−likelihooddetec
tion processes for distor
ted digital signals”,Radi
o&Electronics Engineer vo
l.48,No.6,pp.301−309)。また、
さらにA.P.Clarkは、Near−maximu
m−likelihood detectionを用い
て、同一周波数チャネルを用いて2信号を伝送するFD
M(Frequency Division Mult
iplexing)方式を提案している(U.S.Pa
tent 4,862,483)。しかし、A.P.C
larkらの提案するNear−maximum−li
kelihooddetectionは、メモリに保存
する送信信号系列候補(First Vector)お
よびそれらに対応する伝送路パラメータの組(ベクト
ル)が多く、また、拡張された受信信号系列候補(Se
cond Vector)を尤度の大きい順に、順次選
択し、新たな送信信号系列候補(First Vect
or)としている。このため、最も尤度の大きい送信信
号系列候補(First Vector)の尤度が、他
の送信信号系列候補(First Vector)の尤
度より著しく大きい場合には、拡張された受信信号系列
の候補(SecondVector)の尤度の順位は、
First Vectorの尤度で決まってしまうの
で、他のFirst Vectorが選ばれる可能性は
ほとんどなくなり、最尤検波とはならない。
【0016】一方、『干渉波除去方法およびそれを使っ
た受信機と通信システム』〔PCT/JP94/000
59〕では、前記『移動無線において変動する伝送路に
おける等化方法及び適応等化器〔特願平4−8576
5〕』で開示された最尤系列推定に適した伝送路パラメ
ータ推定法を最尤系列推定器を用いた干渉キャンセラに
適用し、希望波と干渉波の振幅と位相が独立して高速に
変動する移動伝搬路のフェージングの性質を利用し希望
波と干渉波の分離を効率的に行うとともに、高速に変動
する希望波と干渉波の伝送路パラメータの推定を正確に
行えるようにした技術が開示されている。図14を用い
て簡単に説明する。受信すると推定される希望信号の状
態遷移に対応した希望信号系列候補と、他局からの干渉
信号の状態遷移に対応した干渉信号系列候補とを状態推
定手段6にて生成する。次に、その希望信号系列候補か
ら希望信号推定手段8により推定受信希望信号を、干渉
信号系列候補から干渉信号推定手段71 〜7k によりそ
れぞれ推定受信干渉信号を生成する。こうして得られた
推定受信希望信号と推定受信干渉信号を誤差推定手段4
により受信信号から減算して推定誤差信号を算出する。
状態推定手段6はそれぞれの候補に対して得られた推定
誤差信号に基づいて希望信号系列および干渉信号系列を
推定する。変換パラメータ制御手段9は、推定された希
望信号系列および干渉信号系列と推定誤差信号とに基づ
いて適応アルゴリズムにより希望信号推定手段8および
干渉信号推定手段71 〜7k の伝送路パラメータを制御
する。
【0017】送信された正しい希望信号系列と干渉信号
系列の組と同じ信号系列候補の組に対しては、この推定
誤差信号は干渉信号成分が除去されているので、雑音成
分のみとなる。このようにして得られた推定誤差信号を
用いて状態推定手段6で尤度を計算し希望信号および干
渉信号を推定する。したがって、受信信号の最尤推定に
おいては干渉信号の影響が除去されているため、受信信
号に干渉信号が含まれている場合でも干渉信号による受
信性能の劣化を防止することができ、良好な受信性能を
得ることができる。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】ところで、『移動無線
において変動する伝送路における等化方法及び適応等化
器』〔特願平4−85765〕では、状態推定手段にお
いて他局からの干渉信号系列候補を考慮しておらず、他
局からの干渉信号に対応する推定受信干渉信号(干渉信
号レプリカ)を生成することができない。そのため、他
局からの干渉に対して受信特性が大きく劣化する。ま
た、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信
システム』〔PCT/JP94/00059〕では、
『移動無線において変動する伝送路における等化方法及
び適応等化器』〔特願平4−85765〕の欠点を解決
するため、予想される他局からの干渉信号に対しても状
態推定手段においてその干渉信号系列候補を考慮し、他
局からの干渉信号に対応する推定受信干渉信号(干渉信
号レプリカ)を生成しているので、あらかじめ予見され
る干渉信号に対しては、すぐれた干渉除去効果がある。
しかし、予め予想できない干渉信号に対しては推定受信
干渉信号を生成することが困難となり受信特性が劣化す
る欠点があった。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1の発明は、希望信号推定手段と1つ以上
の干渉信号推定手段を有し、これら希望信号推定手段お
よび干渉信号推定手段でそれぞれ生成された希望信号お
よび1つ以上の干渉信号の受信推定信号(レプリカ)
を、誤差推定手段において受信信号から減算して誤差信
号を算出し、前記誤差信号より計算される尤度信号によ
り希望信号および1つ以上の干渉信号の状態遷移を考慮
した状態推定手段により受信された希望信号および干渉
信号の信号系列を推定し、推定された信号系列に基づい
て送信された信号を復号し出力する干渉キャンセル受信
機において、複数の受信アンテナ、これらのアンテナに
対応する複数の受信信号重み付け手段および各受信信号
重み付け手段の出力を合成する合成手段を設け、各受信
アンテナで受信された受信信号を前記受信信号重み付け
手段で重み付けを行い、合成手段において合成して得ら
れる合成受信信号を前記誤差推定手段に入力される受信
信号として用いる。
【0020】請求項2の発明は請求項1の発明におい
て、前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する
入力受信信号をT(ただし、Tは入力受信信号のシンボ
ル時間)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の
遅延信号を出力する遅延手段と、前記受信入力信号と、
各遅延信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗
ずる乗算手段と、タップ係数を乗算された前記受信入力
信号および各遅延信号を合成する合成手段とから構成さ
れることを特徴とする。
【0021】請求項3の発明は請求項1の発明において
前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、対応する入力
受信信号をT/n(ただし、Tは入力受信信号のシンボ
ル時間、nは2以上の整数値)単位で遅延して互いに異
なる遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、
前記受信入力信号と各遅延信号に対し、それぞれに対応
するタップ係数を乗ずる乗算手段と、タップ係数を乗算
された前記受信入力信号および各遅延信号を合成する合
成手段から構成されることを特徴とする。
【0022】請求項4の発明は請求項1の発明において
前記受信信号重み付け手段のそれぞれは、前記受信入力
信号に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗
算手段から構成されることを特徴とする。請求項5の発
明は請求項1乃至4の発明において、前記受信信号重み
付け手段のタップ係数は、変換パラメータ制御手段によ
り、誤差推定手段の出力する誤差信号と、状態推定手段
の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用
いて、希望信号推定手段および干渉信号推定手段で用い
られるタップ係数とともに、推定更新されることを特徴
とする。
【0023】請求項6の発明は請求項5の発明におい
て、合成された受信信号から希望信号の推定値(レプリ
カ)および干渉信号の推定値(レプリカ)を減算する前
記誤差推定手段において、各推定値を減算する加算器の
出力誤差信号を1つづつ順次選択する誤差信号選択スイ
ッチを設け、当該誤差信号選択スイッチの出力誤差信号
を用いて、変換パラメータ制御手段により受信信号重み
付け手段のタップ係数および希望信号推定手段のタップ
係数、誤差推定手段において誤差信号選択スイッチで選
択されている加算器よりも状態推定手段側にある加算器
に対応する干渉信号推定手段を除く干渉信号推定手段の
タップ係数を推定更新し、つぎに、推定更新した受信信
号重み付け手段のタップ係数を固定した状態で、希望信
号推定手段およびすべての干渉信号推定手段のタップ係
数を、状態推定手段の出力する希望信号および干渉信号
の信号系列候補と、希望信号推定手段の出力する希望信
号の推定値とすべての干渉信号推定手段の出力する各干
渉信号の推定値を合成された受信信号から減算して得ら
れる誤差信号を用いて、変換パラメータ制御手段によ
り、推定更新することを特徴とする。
【0024】請求項7の発明は請求項6の発明におい
て、誤差推定手段に、加算器と推定手段との接続を切り
替える推定信号切り替え手段を設け、当該誤差推定手段
の切り替えにより加算器における推定値の減算順序を入
れ替えて誤差信号選択スイッチの出力する誤差信号に含
まれる干渉信号成分の構成を変化させ、その結果得られ
る受信信号重み付け手段のタップ係数の更新値を変化さ
せて最適な受信信号重み付け手段のタップ係数を比較選
択することを特徴とする。つまりこの場合は最初に希望
信号の推定値の減算を行うことなく、干渉信号推定値の
減算を行い、その後、希望信号推定値の減算を行っても
よい。この場合は、希望信号レベルが少し低下するが、
干渉信号との間にレベル差が生じ、希望信号を干渉信号
から分離することができる。
【0025】請求項8の発明は請求項1の発明の受信機
から、状態推定手段で希望信号の状態のみを考慮し、干
渉信号推定手段をなくし、複数アンテナ、受信信号重み
付け手段、合成手段により、アンテナ数より1つ少ない
数の方向における指向特性をゼロ(ヌル)として、符号
間干渉のみを除去する構成を特徴とする。請求項9の発
明は請求項5乃至8の何れかの発明で変換パラメータ制
御手段は、誤差推定手段の出力する誤差信号と、状態推
定手段の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候
補を用いて、タップ係数を更新するRLS適応アルゴリ
ズムを用いることを特徴とする。
【0026】請求項10の発明は請求項5乃至8の何れ
かの発明で、前記変換パラメータ制御手段は、誤差推定
手段の出力する誤差信号と、状態推定手段の出力する希
望信号および干渉信号の信号系列候補を用いて、タップ
係数を更新するLMS適応アルゴリズムを用いることを
特徴とする。
【0027】
【作用】上記のように、この発明では、複数のアンテナ
からの受信信号を受信信号重み付け手段により重み付け
を行い合成することで、干渉信号推定手段において予め
予想できない干渉信号に対しても、その干渉信号の到来
方向特性が向上する。また、演算量を削減するため干渉
信号推定手段が少ない、もしくはない場合においても他
局からの干渉信号を低減し受信特性の劣化を防ぐことが
可能である。
【0028】
【実施例】
実施例1 以下、この発明の実施例の詳細を図面に基づいて説明す
る。図1はこの発明の第1の実施例を示す。この実施例
の特徴とする点は、従来の構成に対し、複数の受信アン
テナ1−1〜1−NB からの受信信号y1 (i)〜yNB
(i)に重み付けを行う受信信号重み付け手段2と、重
み付けされた受信信号を合成する手段3、および重み付
け手段2の重み付け複素タップ係数を推定更新する変換
パラメータ制御手段9を有する点である。NB 本の受信
アンテナ1−1〜1−NB で受信された受信信号y
1 (i)〜yNB(i)は、受信信号重み付け手段2にお
いてそれぞれ重み付けされ合成される。
【0029】受信信号重み付け手段2は受信信号y
1 (i)〜yNB(i)に対し、例えば各トランスバーサ
ルフィルタFFF1〜FFFNBでそれぞれ構成される。
このトランスバーサルフィルタの構成例を図2(a)に
示す。同図に、第jアンテナ(j=1,2,…,NB
に接続されているトランスバーサルフィルタFFFj
構成を示している。図2(a)は、対応する入力受信信
号をT(ただし、Tはこの入力受信信号のシンボル時
間)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延
信号を出力する遅延手段201−1〜201−mと、前
記入力受信信号と各遅延信号に対して、それぞれに対応
する複素タップ係数hfj0〜hfjmを乗ずる乗算手
段202−0〜202−mと、これら複素タップ係数を
乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成す
る合成手段203とで構成される。また、図2(b)
は、対応する入力受信信号を、T/n(ただし、Tは前
記入力受信信号のシンボル時間、nは2以上の整数値で
例えばn=2)単位で遅延して互いに異なる遅延時間の
複数の遅延信号を出力する遅延手段201−l〜201
−mと、前記入力受信信号と各遅延信号に対して、それ
ぞれに対応する複素タップ係数hfj0〜hfjmを乗
ずる乗算手段202−0〜202−mと、これら複素タ
ップ係数を乗算された前記受信入力信号および各遅延信
号を合成する合成手段203とで構成された例である。
【0030】各トランスバーサルフィルタFFF1 〜F
FFNBの出力はさらに合成手段3により合成される。合
成手段3の出力は、合成受信信号yc (i)として誤差
指定手段4に入力される。入力された合成受信信号yc
(i)は、誤差推定手段4において、希望信号推定手段
8および干渉信号推定手段7−1〜7−NI よりそれぞ
れ出力される希望信号の推定値(希望信号レプリカ)と
干渉信号の推定値(干渉信号レプリカ)が減算されて誤
差信号として出力される。状態推定手段5は希望信号の
遷移する複数の状態に対応して、送信したと推定される
希望信号系列候補を発生させて希望信号推定手段8に出
力するとともに、各干渉信号が遷移する複数の状態に対
応して複数の干渉信号系列候補をそれぞれ発生させて干
渉信号推定手段7−1〜7−NI にそれぞれ供給する。
これらの希望信号系列候補および干渉信号系列候補に対
応して得られる推定誤差信号εから、尤度計算手段5に
より尤度を計算し状態推定手段6は得られた尤度を用い
て合成受信信号yc (i)に含まれる希望信号系列と干
渉信号系列の推定を行い系列判定結果を出力する。変換
パラメータ推定部9は推定誤差信号および希望信号系列
候補、干渉信号系列候補から、適応アルゴリズムによ
り、受信信号重み付け手段2の重み付け係数、希望信号
推定手段8および干渉信号推定手段7−1〜7−NI
変換パラメータすなわち伝送路のインパルスレスポンス
係数を制御する。
【0031】この発明では、従来の干渉信号推定手段7
−1〜7−NI の出力(干渉信号レプリカ信号)を用い
て除去することができない他の干渉信号が存在する場合
において、複数のアンテナ1−1〜1−NB および受信
信号重み付け手段2および合成手段3により、前記他干
渉信号到来方向に対しアンテナ指向特性にヌル点を設け
て、前記他干渉信号を抑圧除去することができ、受信特
性が向上する。また、従来の干渉信号推定手段7−1〜
7−NI の出力(干渉信号レプリカ信号)を用いて干渉
信号を除去する場合には、干渉信号の信号系列候補を推
定する必要があったが、この発明では、干渉信号の到来
する方向に対して、アンテナの指向特性にヌルを向けて
干渉を抑圧除去するので、信号系列候補の推定が不要で
ある。したがって、干渉信号が希望信号と異なる変調方
式である場合に対しても、その干渉信号に対応する干渉
信号推定手段を特別に用意しなくても干渉除去すること
が可能である。また、図1の入力信号重み付け手段2に
図2(b)のT/n間隔の遅延した複素タップを用いる
ことにより、受信信号のタイミングクロックずれによる
受信特性の劣化を抑えることができる。
【0032】図3は、受信アンテナ数NBが2、干渉信
号推定手段7で考慮する他局からの干渉信号の数が1つ
ある場合の構成を示し、図1と対応する部分に同一符号
を付けて重複説明は省略する。 実施例2 図4は、図1の構成と誤差推定手段の構成が異なり、ま
た、入力信号重み付け手段2の重み付け係数を制御する
方法が異なる場合の例であり、図1と対応する部分に同
一符号を付けてある。図4では誤差推定手段4中の加算
器4−1〜4−NI の出力信号を取り出し選択出力する
誤差信号選択スイッチ10をもつ。図4の誤差推定手段
4では、出力端子401より出力され尤度計算回路5で
用いられる誤差信号の他に、選択スイッチ10の出力端
子402より出力される誤差信号を生成する。出力端子
402より出力される誤差信号は、変換パラメータ推定
手段9に加えられる。この誤差信号は入力信号重み付け
手段2の各トランスバーサルフィルタの複素タップ係数
と、出力端子402の誤差信号生成に際して誤差推定手
段4においてすでに減算除去されている干渉信号の推定
値(干渉信号のレプリカ)を生成する干渉信号推定手段
の複素タップ係数を更新するために用いられる。
【0033】誤差選択スイッチ10に入力される各誤差
信号には、当該加算器以降の加算器で減算される干渉信
号成分が減算されないままで残留している。変換パラメ
ータ制御手段9は、誤差選択スイッチ10で選択された
誤差が最小になるように入力信号重み付け手段2の複素
タップ係数および希望信号推定手段8の複素タップ係
数、減算される干渉信号に対応する干渉信号推定手段の
複素タップ係数を更新する。したがって、合成受信信号
c (n)に含まれる誤差推定手段で除去されていない
干渉信号成分の到来方向に対してはアンテナの指向特性
でヌル点が向けられ、これらの干渉信号成分は抑圧され
る。したがって、等レベルの干渉信号が到来する場合に
おいても、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機
と通信システム』〔PCT/JP94/00059〕で
開示されている干渉キャンセラの欠点である等レベルの
干渉信号が存在する場合の特性劣化を、入力信号重み付
け手段2および合成手段3によるアンテナ指向性のヌル
点制御により、回避することができる。
【0034】図5は、図4の実施例で受信アンテナ数を
2本とし、入力信号重み付け手段2の各トランスバーサ
ルフィルタの複素タップ数を1とした場合の例である。
また、同図では干渉信号推定手段7−1で考慮する干渉
信号の数を1としている。つぎに、図5を用いて入力信
号重み付け手段2の複素タップ係数、希望信号推定手段
8のトランスバーサルフィルタTVFDの各複素タップ
係数および干渉信号推定手段7−1のトランスバーサル
フィルタTVFI1の複素タップ係数の更新方法につい
て具体的例を挙げて説明する。ここでは、希望信号と干
渉信号の受信信号レベルが等レベルの場合を取り上げて
説明する。ここで、希望信号と干渉信号の受信信号レベ
ルが等レベルの場合は、従来の干渉キャンセル受信機例
えば『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信
システム』〔PCT/JP94/00059〕で開示さ
れている干渉キャンセル受信機では、著しい特性劣化を
生じることが知られている。まず、誤差信号選択スイッ
チ10を101 に切り替えて加算器401の出力をタッ
プ係数制御のための誤差信号として選択する。希望信号
推定手段8の生成する希望受信信号の推定値(希望信号
のレプリカ)をすでに加算器401で減算しているの
で、この誤差信号には、希望信号成分は除去されてお
り、干渉信号成分を主成分として伝送路の推定誤差、熱
雑音成分などが含まれている。この誤差信号と状態推定
手段6が出力する希望信号系列候補を用いて、入力信号
重み付け手段2の複素タップ係数および希望信号推定手
段8のトランスバーサルフィルタTVFDの複素タップ
係数を更新する。このとき、トランスバーサルフィルタ
TVFDの現在の時刻に相当する位置の複素タップ係数
または、入力信号重み付け手段2のいずれかの複素タッ
プ係数(例えば図5でhf1)を1.0(実部のみ)と
することができる。つぎに、更新された入力信号重み付
け手段2の複素タップ係数を固定したまま、誤差信号選
択スイッチ10を102 側にし、加算器402の出力す
る誤差信号と状態推定手段6の出力する希望信号系列候
補と干渉信号系列候補を用いて、トランスバーサルフィ
ルタTVFI1とTVFDの複素タップ係数の更新をす
る。このとき、すでに更新された入力信号重み付け手段
2のタップ係数による重み付けにより、干渉信号成分の
到来方向にヌル点が向けられ干渉信号成分がある程度抑
圧されているので、状態推定手段6における希望信号と
干渉信号の分離識別ができ干渉信号を除去することがで
きる。
【0035】実施例3 図6は、前記図4の構成と誤差推定手段4に、推定信号
切り替え手段11を更に設けた点で異なる。推定信号切
り替え手段11を設けることで、干渉信号推定手段71
〜7N1よりの各推定干渉信号を、誤差推定手段4内の直
列に接続された加算器4−1〜4−N1 の任意の何れに
も切り替え供給することができるようにされる。これに
より誤差信号選択スイッチ10を切り替えて得られる誤
差信号に含まれる干渉信号成分の成分を変化させること
ができる。推定信号切り替え手段11により、変換パラ
メータ制御手段4でタップ係数更新に用いられる誤差信
号に含まれる干渉信号成分の構成を変化させることがで
き、特定の干渉信号に対して、入力信号重み付け手段2
により、ヌル点を向けて抑圧することができる。すなわ
ち、『干渉波除去方法およびそれを使った受信機と通信
システム』〔PCT/JP94/00059〕で開示さ
れている干渉キャンセラの欠点である等レベルの干渉信
号が存在する場合の特性劣化を回避する上で有効であ
る。
【0036】図7は、図6の構成において受信アンテナ
数を2、干渉信号推定手段で考慮する干渉信号の数を2
波とした場合の具体例である。同図において希望信号と
干渉信号推定手段7−1に対応する干渉信号のレベルが
等しい場合を取り上げる。推定信号切り替え手段11に
おいてスイッチの接続状態が点線で示すように端子A−
a,B−b,C−cであるとすると、誤差スイッチ10
を101 にして前述の入力信号重み付け手段2および合
成手段3による干渉信号推定手段7−1に対応する干渉
信号希望信号へのアンテナ指向性のヌル点制御により前
記干渉信号の信号レベルを下げる必要がある。このとき
誤差信号の出力には干渉信号推定手段7−2に対応する
干渉信号成分も含まれているので、この干渉信号に対し
ても干渉信号抑圧をするように動作してしまう。すなわ
ち、ヌル点制御による干渉信号の抑圧を必要としない干
渉信号に対してもヌル点を形成してしまい、受信特性の
劣化が生じる。そこで、推定信号切り替え手段11にお
いてスイッチの接続状態が実線で示すように端子A−
b,B−a,C−cと切り替え、誤差信号選択スイッチ
10を102 に切り替えることにより、この発明の入力
信号重み付け手段2および合成手段3を用いて干渉信号
を抑圧除去できる干渉信号を任意に選択することができ
る。
【0037】図6において、推定信号切替手段11は希
望信号推定手段8も含めて切り替え可能としてもよい。
つまり誤差推定手段4において、例えばある干渉信号推
定値の減算をまず行い、その後に希望信号推定値の減算
を行ってもよい。このようにすると、希望信号のレベル
が若干低下するが、従来技術における等レベルの干渉信
号が存在する場合の特性劣化を回避することができる。
図6、図7において入力信号重み付け手段2は図5と同
様に1タップのものとしてもよい。
【0038】実施例4 図8は入力信号重み付け手段2においてトランスバーサ
ルフィルタの複素タップ数が1つの場合である。この場
合、入力信号重み付け手段2においては遅延手段を持た
ない構成となっている。図9は、干渉信号推定手段を持
たない構成である。この場合干渉信号の除去は、この発
明の入力信号重み付け手段2および合成手段3を用いて
動作するアンテナ指向性のヌル点制御による効果のみに
よる。図9において入力信号重み付け手段2は図1と同
様にトランスバーサルフィルタで構成してもよい。その
場合の単位遅延手段の遅延量はT又はT/nの何れでも
よい。
【0039】図10は、受信アンテナが1本の場合であ
る。また、入力信号重み付け手段2では、T/n時間毎
の遅延手段(nは2以上の整数、図10ではn=2の例
を示す)を用いた2タップのトランスバーサルフィルタ
を用いた構成を示す。この構成では、アンテナ指向性の
ヌル点制御による干渉信号抑圧除去効果は得られない
が、状態推定手段6中の最尤系列推定器(MLSE)で
問題となるサンプリングクロックのタイミングずれによ
る受信特性の劣化を改善できる。
【0040】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、従来か
らの干渉キャンセラの欠点であった他局からの等レベル
の干渉信号による受信特性の劣化を回避することが可能
となる。また、信号処理量も少なくてすみ低消費電力化
がはかれる。また、干渉キャンセラ側で未知の干渉信号
が到来した場合においても干渉抑圧除去効果があり、従
来より優れた受信特性を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1の発明によるアレーアンテナ合成形干
渉キャンセル受信機の構成例を表すブロック図。
【図2】図1で用いられる受信信号重み付け手段2の構
成例を表す図。
【図3】請求項1の発明をより具体的に示すブロック
図。
【図4】請求項6の発明の実施例の構成を表すブロック
図。
【図5】請求項6の発明のより具体化した例を表すブロ
ック図。
【図6】請求項7の発明の1実施例を表すブロック図。
【図7】請求項7の発明のより具体的な実施例を表すブ
ロック図。
【図8】請求項4の発明の実施例を表すブロック図。
【図9】請求項8の発明の実施例を示すブロック図。
【図10】請求項8の発明の他の実施例を示すブロック
図。
【図11】従来の最尤系列推定回路を用いた受信機の構
成を表すブロック図。
【図12】図11中のタップ係数制御部51の具体的構
成を表す図。
【図13】トランスバーサルフィルタに分数間隔形トラ
ンスバーサルフィルタを用いたダイバーシチィ受信の従
来技術を示すブロック図。
【図14】従来の非線形干渉キャンセラの構成を表すブ
ロック図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04L 1/06 H04L 1/06 27/22 27/22 Z

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 希望信号推定手段と1つ以上の干渉信号
    推定手段を有し、これら希望信号および干渉信号推定手
    段で生成された希望信号および1つ以上の干渉信号の受
    信推定信号(レプリカ)を、誤差推定手段において受信
    信号から減算して誤差信号を算出し、前記誤差信号より
    計算される尤度信号により希望信号および1つ以上の干
    渉信号の状態遷移を考慮した状態推定手段により受信さ
    れた希望信号および干渉信号の信号系列を推定し、推定
    された信号系列に基づいて送信された信号を復号して出
    力する適応干渉キャンセル受信機において、 複数の受信アンテナと、 これら受信アンテナと対応してそれぞれ設けられ、その
    受信信号に対して重み付けを行う受信信号重み付け手段
    と、 前記各受信信号重み付け手段の各出力を合成して前記誤
    差推定手段へ受信信号として供給する合成手段とを具備
    することを特徴とする適応干渉キャンセル受信機。
  2. 【請求項2】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれ
    は、対応する入力受信信号をT(ただし、Tは前記入力
    受信信号のシンボル時間)単位で遅延して互いに異なる
    遅延時間の複数の遅延信号を出力する遅延手段と、前記
    受信入力信号と、各遅延信号に対し、それぞれに対応す
    るタップ係数を乗ずる乗算手段と、これらタップ係数を
    乗算された前記受信入力信号および各遅延信号を合成し
    て出力する合成手段とから構成される請求項1記載の適
    応干渉キャンセル受信機。
  3. 【請求項3】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれ
    は、対応する入力受信信号をT/n(ただし、Tは前記
    入力受信信号のシンボル時間、nは2以上の整数値)単
    位で遅延して互いに異なる遅延時間の複数の遅延信号を
    出力する遅延手段と、前記受信入力信号と、各遅延信号
    に対し、それぞれに対応するタップ係数を乗ずる乗算手
    段と、これらタップ係数を乗算された前記受信入力信号
    および各遅延信号を合成して出力する合成手段とから構
    成される請求項1記載の適応干渉キャンセル受信機。
  4. 【請求項4】 前記受信信号重み付け手段のそれぞれ
    は、前記受信入力信号に対し、それぞれに対応するタッ
    プ係数を乗じて出力する乗算手段から構成される請求項
    1記載の適応干渉キャンセル受信機。
  5. 【請求項5】 前記誤差推定手段からの誤差信号と、前
    記状態推定手段からの希望信号および干渉信号の各信号
    系列候補とを用いて、前記希望信号推定手段および前記
    干渉信号推定手段で用いられるタップ係数とともに、前
    記受信信号重み付け手段のタップ係数を推定更新する変
    換パラメータ制御手段を有することを特徴とする請求項
    1乃至4の何れかに記載の適応干渉キャンセル受信機。
  6. 【請求項6】 合成された受信信号から希望信号の推定
    値(レプリカ)および干渉信号の推定値(レプリカ)を
    減算する前記誤差推定手段に、前記各推定値を減算する
    加算器の出力誤差信号を選択する誤差信号選択スイッチ
    が設けられ、 前記変換パラメータ制御手段は、前記誤差信号選択スイ
    ッチの出力誤差信号と、その出力誤差信号が取出された
    加算器よりも前記状態推定手段側にある加算器に対応す
    る(干渉信号)推定手段を除く干渉信号推定手段のタッ
    プ係数と前記受信信号重み付け手段のタップ係数および
    前記選択スイッチが接続された希望信号推定手段のタッ
    プ係数とを推定更新し、つぎに、推定更新した前記受信
    信号重み付け手段のタップ係数を固定した状態で、前記
    希望信号推定手段およびすべての干渉信号推定手段のタ
    ップ係数を、前記状態推定手段からの希望信号および干
    渉信号の信号系列候補と、希望信号推定手段からの希望
    信号の推定値と、すべての干渉信号推定手段からの各干
    渉信号の推定値を合成された受信信号から減算して得ら
    れる誤差信号とを用いて、推定更新する手段であること
    を特徴とする請求項5記載の適応干渉キャンセル受信
    機。
  7. 【請求項7】 前記誤差推定手段に、その誤差推定手段
    の各加算器と希望信号推定手段、干渉信号推定手段との
    接続を入れ替えることができる推定信号切り替え手段が
    設けられ、この推定信号切り替え手段の切り替えで前記
    誤差信号選択スイッチの出力する誤差信号に含まれる干
    渉信号成分の構成を変化させ、その結果得られる前記受
    信信号重み付け手段のタップ係数の更新値を変化させて
    最適な受信信号重み付け手段のタップ係数を比較選択す
    ることを特徴とする請求項6記載の適応干渉キャンセル
    受信機。
  8. 【請求項8】 希望信号推定手段で生成された希望信号
    を、誤差推定手段において受信信号から減算して誤差信
    号を算出し、前記誤差信号より計算される尤度信号によ
    り希望信号の状態遷移を考慮した状態推定手段により受
    信された希望信号の信号系列を推定し、推定された信号
    系列に基づいて送信された信号を復号して出力する適応
    干渉キャンセル受信機において、 複数の受信アンテナと、 これら受信アンテナとそれぞれ対応して設けられ、その
    受信信号に対して重み付けを行う受信信号重み付け手段
    と、 前記各受信信号重み付け手段の各出力を合成して前記誤
    差推定手段へ受信信号として供給する合成手段とを具備
    することを特徴とする適応干渉キャンセル受信機。
  9. 【請求項9】 前記変換パラメータ制御手段は、前記誤
    差推定手段の出力する誤差信号と、前記状態推定手段の
    出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補とを用
    いて、RLS適応アルゴリズムを用いてタップ係数を更
    新する手段であることを特徴とする請求項5乃至8の何
    れかに記載の適応干渉キャンセル受信機。
  10. 【請求項10】 前記変換パラメータ制御手段は、前記
    誤差推定手段の出力する誤差信号と、前記状態推定手段
    の出力する希望信号および干渉信号の信号系列候補を用
    いて、LMS適応アルゴリズムを用いてタップ係数の更
    新をすることを特徴とする請求項5乃至8の何れかに記
    載の適応干渉キャンセル受信機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20010041565A (ko) * 1998-03-12 2001-05-25 볼리스 도날드 엠. 고정 간섭 장치의 적응 소거
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