JPH08330875A - クリップ・ディストーション付与装置 - Google Patents
クリップ・ディストーション付与装置Info
- Publication number
- JPH08330875A JPH08330875A JP7130698A JP13069895A JPH08330875A JP H08330875 A JPH08330875 A JP H08330875A JP 7130698 A JP7130698 A JP 7130698A JP 13069895 A JP13069895 A JP 13069895A JP H08330875 A JPH08330875 A JP H08330875A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- level
- input signal
- clip
- signal
- clipping
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Tone Control, Compression And Expansion, Limiting Amplitude (AREA)
- Amplifiers (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 ダイナミックレンジが広く、低域成分が不足
しない歪みを楽音信号に与える。 【構成】 入力信号の正負側を、しきい値CL(+)お
よびCL(−)でクリップするクリップ回路20と、入
力信号の正側および負側レベルをそれぞれ検出するとと
もに、検出された入力信号の正側および負側レベルの各
々に対応して、しきい値CL(+)およびCL(−)を
生成し、クリップ回路20に供給するクリップレベルコ
ントローラ30とを備える。これにより、入力信号は、
正負側にレベルに応じてそれぞれクリップされる。
しない歪みを楽音信号に与える。 【構成】 入力信号の正負側を、しきい値CL(+)お
よびCL(−)でクリップするクリップ回路20と、入
力信号の正側および負側レベルをそれぞれ検出するとと
もに、検出された入力信号の正側および負側レベルの各
々に対応して、しきい値CL(+)およびCL(−)を
生成し、クリップ回路20に供給するクリップレベルコ
ントローラ30とを備える。これにより、入力信号は、
正負側にレベルに応じてそれぞれクリップされる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えばエレキギター
のエフェクタに用いて好適なクリップ・ディストーショ
ン付与装置に関する。
のエフェクタに用いて好適なクリップ・ディストーショ
ン付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エレキギターなどの楽音信号
を入力し、その振幅をある値(クリップレベル)以上を
カット(クリップ)して波形を歪ませ、これにより音楽
的な効果を与えるクリップ・ディストーション付与装置
が知られている。この種の装置にあっては、入力信号を
クリップするのに、主にダイオードを使用しているた
め、クリップレベルは入力信号に対して固定されたもの
であった。
を入力し、その振幅をある値(クリップレベル)以上を
カット(クリップ)して波形を歪ませ、これにより音楽
的な効果を与えるクリップ・ディストーション付与装置
が知られている。この種の装置にあっては、入力信号を
クリップするのに、主にダイオードを使用しているた
め、クリップレベルは入力信号に対して固定されたもの
であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ように、クリップレベルが固定であると、楽音に付与す
るディストーションとしては、次のように音楽性に乏し
くなるという欠点があった。すなわち、第1に、クリッ
プレベルを超えるレベルが許容されないので、必然的に
ダイナミックレンジは狭くなる。このため、クリップさ
れた信号は楽音として起伏に乏しい、という問題があ
る。また、第2に、聴感的な音の大きさは、物理的な信
号の大きさに対し周波数に依存して異なるが、クリップ
レベルは固定であって周波数には全く依存しない。この
ため、聴感的な音の大きさが同じである場合に、低域の
信号では、図6(a)に示すようにクリップ量が大とな
るが、高域の信号では、同図(b)に示すようにクリッ
プ量が小となる。この結果、低域に係る楽音は、高域に
係る楽音よりも相対的に小となって不足する傾向にあ
り、聴感的にも小さくなって、低域においていわゆる音
ヤセが生じるという問題がある。特に、ギターなどの楽
音には、低域成分が豊富なので、この問題が顕著に現わ
れる。
ように、クリップレベルが固定であると、楽音に付与す
るディストーションとしては、次のように音楽性に乏し
くなるという欠点があった。すなわち、第1に、クリッ
プレベルを超えるレベルが許容されないので、必然的に
ダイナミックレンジは狭くなる。このため、クリップさ
れた信号は楽音として起伏に乏しい、という問題があ
る。また、第2に、聴感的な音の大きさは、物理的な信
号の大きさに対し周波数に依存して異なるが、クリップ
レベルは固定であって周波数には全く依存しない。この
ため、聴感的な音の大きさが同じである場合に、低域の
信号では、図6(a)に示すようにクリップ量が大とな
るが、高域の信号では、同図(b)に示すようにクリッ
プ量が小となる。この結果、低域に係る楽音は、高域に
係る楽音よりも相対的に小となって不足する傾向にあ
り、聴感的にも小さくなって、低域においていわゆる音
ヤセが生じるという問題がある。特に、ギターなどの楽
音には、低域成分が豊富なので、この問題が顕著に現わ
れる。
【0004】この発明は、上述した問題に鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、音楽性に富んだ歪
みを付与することが可能なクリップ・ディストーション
付与装置を提供することにある。
たもので、その目的とするところは、音楽性に富んだ歪
みを付与することが可能なクリップ・ディストーション
付与装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した課
題を解決するために、請求項1に記載の発明にあって
は、入力信号をクリップレベルにクリップするクリップ
手段と、前記入力信号に対応して前記クリップレベルを
制御するクリップレベル制御手段とを具備することを特
徴としている。請求項2に記載の発明にあっては、請求
項1に記載の発明において、前記クリップレベル制御手
段は、前記入力信号のレベルを検出するとともに、検出
された入力信号のレベルに対応して前記クリップレベル
を制御することを特徴としている。請求項3に記載の発
明によれば、前記クリップ手段は、前記入力信号を、正
側および負側のクリップレベルでそれぞれ別々にクリッ
プし、前記クリップレベル制御手段は、前記入力信号の
正側および負側レベルをそれぞれ検出するとともに、検
出された入力信号の正側および負側レベルの各々に対応
して、前記正側および負側のクリップレベルをそれぞれ
制御することを特徴としている。
題を解決するために、請求項1に記載の発明にあって
は、入力信号をクリップレベルにクリップするクリップ
手段と、前記入力信号に対応して前記クリップレベルを
制御するクリップレベル制御手段とを具備することを特
徴としている。請求項2に記載の発明にあっては、請求
項1に記載の発明において、前記クリップレベル制御手
段は、前記入力信号のレベルを検出するとともに、検出
された入力信号のレベルに対応して前記クリップレベル
を制御することを特徴としている。請求項3に記載の発
明によれば、前記クリップ手段は、前記入力信号を、正
側および負側のクリップレベルでそれぞれ別々にクリッ
プし、前記クリップレベル制御手段は、前記入力信号の
正側および負側レベルをそれぞれ検出するとともに、検
出された入力信号の正側および負側レベルの各々に対応
して、前記正側および負側のクリップレベルをそれぞれ
制御することを特徴としている。
【0006】
【作用】請求項1に記載の発明によれば、クリップ手段
により入力信号がクリップレベルにクリップされ、その
クリップレベルは、クリップレベル制御手段により入力
信号に対応して制御される。したがって、入力信号が、
それ自体に対応するクリップレベルにクリップされるこ
ととなる。請求項2に記載の発明によれば、入力信号の
レベルが、入力信号のレベルそれ自体に対応してクリッ
プされる。請求項3に記載の発明によれば、入力信号
は、正側および負側レベルのそれぞれ対応してクリップ
される。したがって、入力信号は、ゼロ電位に対して非
対称にクリップされる。
により入力信号がクリップレベルにクリップされ、その
クリップレベルは、クリップレベル制御手段により入力
信号に対応して制御される。したがって、入力信号が、
それ自体に対応するクリップレベルにクリップされるこ
ととなる。請求項2に記載の発明によれば、入力信号の
レベルが、入力信号のレベルそれ自体に対応してクリッ
プされる。請求項3に記載の発明によれば、入力信号
は、正側および負側レベルのそれぞれ対応してクリップ
される。したがって、入力信号は、ゼロ電位に対して非
対称にクリップされる。
【0007】
【実施例】以下、この発明に一実施例について図面を参
照して説明する。 1:実施例の構成 図1は、この実施例であるディストーション付与装置の
構成を示すブロック図である。この図において、符号1
0は増幅器であり、エレキギターなどの楽音信号のよう
に、ディストーションを付与すべき入力信号を所定のゲ
インで増幅する。符号20はクリップ回路であり、入力
信号を、正側にあってはしきい値CL(+)にクリップ
する一方、負側にあってはしきい値CL(−)にクリッ
プする。これらにしきい値には、次のような関係があ
る。 CL(+)≧a>0>b≧CL(−) なお、クリップ回路20の詳細構成については後述す
る。
照して説明する。 1:実施例の構成 図1は、この実施例であるディストーション付与装置の
構成を示すブロック図である。この図において、符号1
0は増幅器であり、エレキギターなどの楽音信号のよう
に、ディストーションを付与すべき入力信号を所定のゲ
インで増幅する。符号20はクリップ回路であり、入力
信号を、正側にあってはしきい値CL(+)にクリップ
する一方、負側にあってはしきい値CL(−)にクリッ
プする。これらにしきい値には、次のような関係があ
る。 CL(+)≧a>0>b≧CL(−) なお、クリップ回路20の詳細構成については後述す
る。
【0008】また、符号30はクリップレベルコントロ
ーラであり、増幅器10により増幅された入力信号の正
側レベルおよび負側レベルに対応した信号を、しきい値
CL(+)、CL(−)としてクリップ回路20に供給
する。具体的には、クリップレベルコントローラ30
は、例えば、入力信号を、正側部分および負側部分でそ
れぞれ半波整流し、その各々の出力をしきい値CL
(+)、CL(−)とする。なお、入力信号のレベルが
ゼロであれば、本来的に、しきい値CL(+)、CL
(−)もそれぞれゼロとなるが、この実施例では、入力
信号の正負レベルが所定値以下となった場合でも、しき
い値CL(+)を下限値aとし、しきい値CL(−)を
上限値bとして、ある程度の値が確保されるようになっ
ている。また、この下限値a、上限値bおよび所定値
は、それぞれユーザにより設定可能としても良い。次
に、符号40は増幅器であり、クリップ回路20の出力
信号を所定のゲインで増幅し、このディストーション付
与装置の出力信号として出力する。
ーラであり、増幅器10により増幅された入力信号の正
側レベルおよび負側レベルに対応した信号を、しきい値
CL(+)、CL(−)としてクリップ回路20に供給
する。具体的には、クリップレベルコントローラ30
は、例えば、入力信号を、正側部分および負側部分でそ
れぞれ半波整流し、その各々の出力をしきい値CL
(+)、CL(−)とする。なお、入力信号のレベルが
ゼロであれば、本来的に、しきい値CL(+)、CL
(−)もそれぞれゼロとなるが、この実施例では、入力
信号の正負レベルが所定値以下となった場合でも、しき
い値CL(+)を下限値aとし、しきい値CL(−)を
上限値bとして、ある程度の値が確保されるようになっ
ている。また、この下限値a、上限値bおよび所定値
は、それぞれユーザにより設定可能としても良い。次
に、符号40は増幅器であり、クリップ回路20の出力
信号を所定のゲインで増幅し、このディストーション付
与装置の出力信号として出力する。
【0009】1−1:クリップ回路の構成 ここで、グリップ回路20の構成について図2を参照し
て説明する。この図において、符号21はA/Dコンバ
ータであり、増幅器10により増幅された入力信号をデ
ィジタル信号に変換する。符号22はコンパレータであ
り、符号23はセレクタである。コンパレータ22は、
その入力端Aに供給されているディジタル入力信号のレ
ベルと、入力端Bに供給されているしきい値CL(+)
のレベルとを比較し、前者が後者以上であるならばレベ
ルが「1」の信号を、そうでなければ「0」の信号を、
出力信号T1としてセレクタ23の選択制御入力端SE
Lに供給する。セレクタ23は、その入力端Aに供給さ
れているディジタル入力信号と、入力端Bに供給されて
いるしきい値CL(+)とを、選択制御入力端SELに
供給された信号T1のレベルに応じて選択して出力する
ものであり、信号T1のレベルが「1」であるならば入
力端Bを選択するようになっている。
て説明する。この図において、符号21はA/Dコンバ
ータであり、増幅器10により増幅された入力信号をデ
ィジタル信号に変換する。符号22はコンパレータであ
り、符号23はセレクタである。コンパレータ22は、
その入力端Aに供給されているディジタル入力信号のレ
ベルと、入力端Bに供給されているしきい値CL(+)
のレベルとを比較し、前者が後者以上であるならばレベ
ルが「1」の信号を、そうでなければ「0」の信号を、
出力信号T1としてセレクタ23の選択制御入力端SE
Lに供給する。セレクタ23は、その入力端Aに供給さ
れているディジタル入力信号と、入力端Bに供給されて
いるしきい値CL(+)とを、選択制御入力端SELに
供給された信号T1のレベルに応じて選択して出力する
ものであり、信号T1のレベルが「1」であるならば入
力端Bを選択するようになっている。
【0010】次に、符号24はコンパレータであり、符
号25はセレクタである。コンパレータ24は、その入
力端Aに供給されているセレクタ23の出力レベルと、
入力端Bに供給されているしきい値CL(−)のレベル
とを比較し、前者が後者以下であるならばレベルが
「1」の信号を、そうでなければ「0」の信号を、出力
信号T2としてセレクタ25の選択制御入力端SELに
供給する。セレクタ25は、その入力端Aに供給されて
いるセレクタ23の出力と、入力端Bに供給されている
しきい値CL(−)とを、選択制御入力端SELに供給
された信号T2のレベルに応じて選択して出力するもの
であり、信号T2のレベルが「1」であるならば入力端
Bを選択するようになっている。そして、符号26はD
/Aコンバータであり、セレクタ25の出力信号をアナ
ログに変換して図1における増幅器40に供給する。
号25はセレクタである。コンパレータ24は、その入
力端Aに供給されているセレクタ23の出力レベルと、
入力端Bに供給されているしきい値CL(−)のレベル
とを比較し、前者が後者以下であるならばレベルが
「1」の信号を、そうでなければ「0」の信号を、出力
信号T2としてセレクタ25の選択制御入力端SELに
供給する。セレクタ25は、その入力端Aに供給されて
いるセレクタ23の出力と、入力端Bに供給されている
しきい値CL(−)とを、選択制御入力端SELに供給
された信号T2のレベルに応じて選択して出力するもの
であり、信号T2のレベルが「1」であるならば入力端
Bを選択するようになっている。そして、符号26はD
/Aコンバータであり、セレクタ25の出力信号をアナ
ログに変換して図1における増幅器40に供給する。
【0011】2:実施例の動作 次に、上述した実施例の動作について説明する。この実
施例に、エレキギター等の楽音信号が入力されると、こ
の入力信号は、増幅器10によって後段回路で処理する
のに十分なレベルまで増幅され、クリップ回路20およ
びクリップレベルコントローラ30に供給される。クリ
ップレベルコントーラ30は、増幅された入力信号の正
負レベルに応じて、しきい値CL(+)およびCL
(−)を生成して、クリップ回路20に供給する。な
お、この際、入力信号の正負レベルがそれぞれ所定値以
下であっても、しきい値CL(+)およびCL(−)
は、ゼロとはならずに、それぞれ、下限値aおよび上限
値bとなる。クリップ回路20では、次に説明するよう
に、入力信号のレベルが、正側にあってはしきい値CL
(+)に、また、負側にあってはしきい値CL(−)に
それぞれ制限され、この信号が増幅器40により増幅さ
れて、このディストーション付与装置の出力信号として
出力される。
施例に、エレキギター等の楽音信号が入力されると、こ
の入力信号は、増幅器10によって後段回路で処理する
のに十分なレベルまで増幅され、クリップ回路20およ
びクリップレベルコントローラ30に供給される。クリ
ップレベルコントーラ30は、増幅された入力信号の正
負レベルに応じて、しきい値CL(+)およびCL
(−)を生成して、クリップ回路20に供給する。な
お、この際、入力信号の正負レベルがそれぞれ所定値以
下であっても、しきい値CL(+)およびCL(−)
は、ゼロとはならずに、それぞれ、下限値aおよび上限
値bとなる。クリップ回路20では、次に説明するよう
に、入力信号のレベルが、正側にあってはしきい値CL
(+)に、また、負側にあってはしきい値CL(−)に
それぞれ制限され、この信号が増幅器40により増幅さ
れて、このディストーション付与装置の出力信号として
出力される。
【0012】2−1:クリップ回路の動作 ここで、クリップ回路20の動作について説明する。ま
ず、増幅器10により増幅された入力信号は、図2にお
けるA/D変換器21によりディジタル信号に変換され
て、コンパレータ22によって、そのレベルとしきい値
CL(+)のレベルとの大小が判断される。ここで、ク
リップ回路20の入力信号と、コンパレータ22の判断
結果たる信号T1との関係を図3に示す。この図に示す
ように、破線で示されるクリップ回路20の入力信号の
レベルがしきい値CL(+)のレベル以上になると、信
号T1のレベルは「1」となる。これによりセレクタ2
2では、入力端Bが選択されるので、入力信号の波形レ
ベルは、正側にあってはしきい値CL(+)にクリップ
される。一方、入力信号のレベルがしきい値CL(+)
のレベル以下であれば、信号T1のレベルは「0」とな
る。これにより、セレクタ22では、入力端Aが選択さ
れるので、入力信号は、何ら制限されることなくそのま
ま出力される。
ず、増幅器10により増幅された入力信号は、図2にお
けるA/D変換器21によりディジタル信号に変換され
て、コンパレータ22によって、そのレベルとしきい値
CL(+)のレベルとの大小が判断される。ここで、ク
リップ回路20の入力信号と、コンパレータ22の判断
結果たる信号T1との関係を図3に示す。この図に示す
ように、破線で示されるクリップ回路20の入力信号の
レベルがしきい値CL(+)のレベル以上になると、信
号T1のレベルは「1」となる。これによりセレクタ2
2では、入力端Bが選択されるので、入力信号の波形レ
ベルは、正側にあってはしきい値CL(+)にクリップ
される。一方、入力信号のレベルがしきい値CL(+)
のレベル以下であれば、信号T1のレベルは「0」とな
る。これにより、セレクタ22では、入力端Aが選択さ
れるので、入力信号は、何ら制限されることなくそのま
ま出力される。
【0013】次に、セレクタ23の出力信号はコンパレ
ータ24に供給され、そのレベルとしきい値CL(−)
のレベルとの大小が判断される。ここで、セレクタ23
の出力信号と、コンパレータ24の判断結果たる信号T
2との関係を図3に示す。この図に示すように、破線で
示されるセレクタ23の出力レベルがしきい値CL
(−)のレベル以下になると、信号T2のレベルは
「1」となる。これによりセレクタ25では、入力端B
が選択されるので、入力信号の波形レベルは、負側にあ
ってはしきい値CL(−)にクリップされる。一方、入
力信号のレベルがしきい値CL(−)のレベル以上であ
れば、信号T2のレベルは「0」となる。これにより、
セレクタ25では、入力端Aが選択されるので、セレク
タ23の出力が何ら制限されることなくそのまま出力さ
れる。なお、図3においては、しきい値CL(+)およ
びCL(−)は、入力信号のレベルが若干変動している
にもかかわらず一定であるが、これは説明の便宜のため
であり、実際には、入力信号の正負レベルに応じてそれ
ぞれ変動する。
ータ24に供給され、そのレベルとしきい値CL(−)
のレベルとの大小が判断される。ここで、セレクタ23
の出力信号と、コンパレータ24の判断結果たる信号T
2との関係を図3に示す。この図に示すように、破線で
示されるセレクタ23の出力レベルがしきい値CL
(−)のレベル以下になると、信号T2のレベルは
「1」となる。これによりセレクタ25では、入力端B
が選択されるので、入力信号の波形レベルは、負側にあ
ってはしきい値CL(−)にクリップされる。一方、入
力信号のレベルがしきい値CL(−)のレベル以上であ
れば、信号T2のレベルは「0」となる。これにより、
セレクタ25では、入力端Aが選択されるので、セレク
タ23の出力が何ら制限されることなくそのまま出力さ
れる。なお、図3においては、しきい値CL(+)およ
びCL(−)は、入力信号のレベルが若干変動している
にもかかわらず一定であるが、これは説明の便宜のため
であり、実際には、入力信号の正負レベルに応じてそれ
ぞれ変動する。
【0014】このようにして、クリップ回路20では、
入力信号のレベルが、正側にあってはしきい値CL
(+)に、また、負側にあってはしきい値CL(−)
に、それぞれクリップされることとなる。
入力信号のレベルが、正側にあってはしきい値CL
(+)に、また、負側にあってはしきい値CL(−)
に、それぞれクリップされることとなる。
【0015】3:実施例の効果 かかる実施例において、無信号を入力したとき(入力信
号レベルがゼロのとき)に、クリップレベルを規定する
しきい値CL(+)およびCL(−)は、図4(a)に
示すように、それぞれ下限値aおよび上限値bとなる。
これは、ゼロから急激に立ち上がるような信号が入力さ
れた場合、クリップレベルコントローラ30が、これに
対応するしきい値CL(+)およびCL(−)を直ちに
は出力できないからであり、かかる入力信号のクリップ
レベルがゼロとなって立ち上がり時において一瞬無音と
なるのを防止するためである。
号レベルがゼロのとき)に、クリップレベルを規定する
しきい値CL(+)およびCL(−)は、図4(a)に
示すように、それぞれ下限値aおよび上限値bとなる。
これは、ゼロから急激に立ち上がるような信号が入力さ
れた場合、クリップレベルコントローラ30が、これに
対応するしきい値CL(+)およびCL(−)を直ちに
は出力できないからであり、かかる入力信号のクリップ
レベルがゼロとなって立ち上がり時において一瞬無音と
なるのを防止するためである。
【0016】また、しきい値CL(+)およびCL
(−)は、小信号あるいは大信号を入力したときには、
それぞれ図4(b)あるいは(c)に示すように、かか
る入力信号の振幅に応じてそれぞれ設定される。したが
って、クリップレベルが入力信号のレベルに応じて設定
される結果、従来に比べてダイナミックレンジを改善す
ることができるのである。
(−)は、小信号あるいは大信号を入力したときには、
それぞれ図4(b)あるいは(c)に示すように、かか
る入力信号の振幅に応じてそれぞれ設定される。したが
って、クリップレベルが入力信号のレベルに応じて設定
される結果、従来に比べてダイナミックレンジを改善す
ることができるのである。
【0017】このことは、また、入力信号におけるクリ
ップ量が入力信号の振幅に対して略一定であることを意
味している。このため、聴感上の音の大きさが同一であ
る低域楽音と高域楽音とをクリップした場合、クリップ
レベルが固定である従来の場合と比べて、高域では細か
な変化のカット量を、低域ではクリップ量を、それぞれ
小とすることができる。したがって、音抜けが悪くなる
ことや、音ヤセを防止することができるのである。
ップ量が入力信号の振幅に対して略一定であることを意
味している。このため、聴感上の音の大きさが同一であ
る低域楽音と高域楽音とをクリップした場合、クリップ
レベルが固定である従来の場合と比べて、高域では細か
な変化のカット量を、低域ではクリップ量を、それぞれ
小とすることができる。したがって、音抜けが悪くなる
ことや、音ヤセを防止することができるのである。
【0018】4:変形例 なお、実施例にあっては次のような変形例が可能であ
る。 上述した実施例にあっては、しきい値CL(+)、
CL(−)が入力信号の正負側レベルに応じてそれぞれ
別々に定まるようにしたが、両しきい値に、 CL(+)=−k・CL(−) なる関係を持たせ、入力信号を全波整流した信号によ
り、両しきい値を制御するようにしても良い。この場
合、kはユーザにより設定可能な係数である。かかる構
成において、最も単純なのは、k=1として、両しきい
値をゼロ電位に対して対称とする構成である。
る。 上述した実施例にあっては、しきい値CL(+)、
CL(−)が入力信号の正負側レベルに応じてそれぞれ
別々に定まるようにしたが、両しきい値に、 CL(+)=−k・CL(−) なる関係を持たせ、入力信号を全波整流した信号によ
り、両しきい値を制御するようにしても良い。この場
合、kはユーザにより設定可能な係数である。かかる構
成において、最も単純なのは、k=1として、両しきい
値をゼロ電位に対して対称とする構成である。
【0019】 また、上述した実施例において、クリ
ップレベルコントローラ30は、入力信号のレベルに応
じてしきい値を生成するようにしたが、入力信号の周波
数に応じてしきい値を生成するようにしても良い。この
場合、しきい値を、 CL(+)=−CL(−) として、入力信号の周波数が低ければ、しきい値CL
(+)を高くするように構成する。かかる構成において
も音ヤセを防止できる。
ップレベルコントローラ30は、入力信号のレベルに応
じてしきい値を生成するようにしたが、入力信号の周波
数に応じてしきい値を生成するようにしても良い。この
場合、しきい値を、 CL(+)=−CL(−) として、入力信号の周波数が低ければ、しきい値CL
(+)を高くするように構成する。かかる構成において
も音ヤセを防止できる。
【0020】 また、実施例にあっては、クリップ回
路20を、ディジタルで処理するため上述の構成とした
が、簡略化するならば、オペアンプで構成し、その正負
側電源電圧を、それぞれしきい値CL(+)およびCL
(−)にしたがって変動させれば、精度は良くないが同
等の効果が得られる。
路20を、ディジタルで処理するため上述の構成とした
が、簡略化するならば、オペアンプで構成し、その正負
側電源電圧を、それぞれしきい値CL(+)およびCL
(−)にしたがって変動させれば、精度は良くないが同
等の効果が得られる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したこの発明によれば、次のよ
うな効果がある。入力信号のレベルは、入力信号それ自
体に対応するクリップレベルにクリップされるので、デ
ィストーションは入力信号に対応して変化することとな
る。したがって、ディストーションを音楽性に富ませる
ことが可能となる(請求項1)。入力信号のレベルが、
入力信号のレベル自体に対応するクリップレベルでクリ
ップされる。したがって、クリップされる割合を、入力
レベルに対しコントロールすることができるので、ダイ
ナミックレンジの拡大を図ることが可能となるととも
に、低域成分の不足や、音ヤセを防止することが可能と
なる(請求項2)。入力信号を、ゼロ電位に対して非対
称にクリップすることができるので、ディストーション
としての表現力をより広げることが可能となり、さら
に、ディストーションを真空管による歪みに近似させる
ことも可能となる(請求項3)。
うな効果がある。入力信号のレベルは、入力信号それ自
体に対応するクリップレベルにクリップされるので、デ
ィストーションは入力信号に対応して変化することとな
る。したがって、ディストーションを音楽性に富ませる
ことが可能となる(請求項1)。入力信号のレベルが、
入力信号のレベル自体に対応するクリップレベルでクリ
ップされる。したがって、クリップされる割合を、入力
レベルに対しコントロールすることができるので、ダイ
ナミックレンジの拡大を図ることが可能となるととも
に、低域成分の不足や、音ヤセを防止することが可能と
なる(請求項2)。入力信号を、ゼロ電位に対して非対
称にクリップすることができるので、ディストーション
としての表現力をより広げることが可能となり、さら
に、ディストーションを真空管による歪みに近似させる
ことも可能となる(請求項3)。
【図1】 この発明による実施例の構成を示すブロック
図である。
図である。
【図2】 同実施例におけるクリップ回路の構成を示す
ブロック図である。
ブロック図である。
【図3】 同クリップ回路の動作を説明するための図で
ある。
ある。
【図4】 (a)〜(c)は、それぞれ同クリップ回路
の動作を説明するための図である。
の動作を説明するための図である。
【図5】 (a)および(b)は、それぞれ同クリップ
回路の動作を説明するための図である。
回路の動作を説明するための図である。
【図6】 (a)および(b)は、それぞれ従来のディ
ストーション付与装置の入出力特性を示す図である。
ストーション付与装置の入出力特性を示す図である。
20……クリップ回路(クリップ手段)、 30……クリップレベルコントローラ(クリップレベル
制御手段)
制御手段)
Claims (3)
- 【請求項1】 入力信号をクリップレベルにクリップす
るクリップ手段と、 前記入力信号に対応して前記クリップレベルを制御する
クリップレベル制御手段とを具備することを特徴とする
クリップ・ディストーション付与装置。 - 【請求項2】 前記クリップレベル制御手段は、前記入
力信号のレベルを検出するとともに、検出された入力信
号のレベルに対応して前記クリップレベルを制御するこ
とを特徴とする請求項1記載のクリップ・ディストーシ
ョン付与装置。 - 【請求項3】 前記クリップ手段は、前記入力信号を、
正側および負側のクリップレベルでそれぞれ別々にクリ
ップし、 前記クリップレベル制御手段は、前記入力信号の正側お
よび負側レベルをそれぞれ検出するとともに、検出され
た入力信号の正側および負側レベルの各々に対応して、
前記正側および負側のクリップレベルをそれぞれ制御す
ることを特徴とする請求項2記載のクリップ・ディスト
ーション付与装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7130698A JPH08330875A (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | クリップ・ディストーション付与装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7130698A JPH08330875A (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | クリップ・ディストーション付与装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08330875A true JPH08330875A (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=15040488
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP7130698A Pending JPH08330875A (ja) | 1995-05-29 | 1995-05-29 | クリップ・ディストーション付与装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08330875A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524999A (ja) * | 2006-01-26 | 2009-07-02 | ディー2オーディオ コーポレイション | 過電流保護のためのシステム及び方法 |
-
1995
- 1995-05-29 JP JP7130698A patent/JPH08330875A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009524999A (ja) * | 2006-01-26 | 2009-07-02 | ディー2オーディオ コーポレイション | 過電流保護のためのシステム及び方法 |
USRE44525E1 (en) | 2006-01-26 | 2013-10-08 | D2Audio Corporation | Systems and methods for over-current protection |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4484508A (en) | Electroacoustic musical instrument with controlled fade-out | |
JPH10242780A (ja) | オーディオ機器のひずみを自動的に制限するための方法およびこの方法を実施するための回路装置 | |
US7003126B2 (en) | Dynamic range analog to digital converter suitable for hearing aid applications | |
US20020126861A1 (en) | Audio expander | |
US4881047A (en) | Automatic gain expansion system | |
JP2979119B2 (ja) | 自動ダイナミック・レンジ制御回路 | |
JPH08330875A (ja) | クリップ・ディストーション付与装置 | |
JP2000197181A (ja) | 音響装置 | |
JPH04365210A (ja) | 車載音響再生装置 | |
JPS5947318B2 (ja) | 電子楽器の楽音制御装置 | |
US5502768A (en) | Reverberator | |
US6748092B1 (en) | Hearing aid with improved percentile estimator | |
US20220189444A1 (en) | Note stabilization and transition boost in automatic pitch correction system | |
JP3117742B2 (ja) | 電子楽器のミューティング装置 | |
JPH05259784A (ja) | 音響装置 | |
JPS5921240B2 (ja) | 周波数特性自動制御装置 | |
KR970003147Y1 (ko) | 스피커 반응속도 결정회로 | |
JP2573935Y2 (ja) | 効果付加装置 | |
KR910000521Y1 (ko) | 음향기기의 자동청감 보정회로 | |
JPH04301894A (ja) | 電子楽器のミューティング回路 | |
KR910003567Y1 (ko) | 전자악기의 서스테인 (Sustain) 레벨 조정회로 | |
JPH11352968A (ja) | 効果付加装置 | |
JPH11352967A (ja) | 効果付加装置 | |
JPH0590858A (ja) | 特性可変装置 | |
KR940005611Y1 (ko) | 티브이와 음성인식 시스템간 음성출력 자동조절회로 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040319 |