JPH08330079A - 多電極型放電用電源装置 - Google Patents
多電極型放電用電源装置Info
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- JPH08330079A JPH08330079A JP16137995A JP16137995A JPH08330079A JP H08330079 A JPH08330079 A JP H08330079A JP 16137995 A JP16137995 A JP 16137995A JP 16137995 A JP16137995 A JP 16137995A JP H08330079 A JPH08330079 A JP H08330079A
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】電源の周波数を低くしても、プラズマが等価的
に周波数が高い場合と同等になり、電極に絶縁物が付着
しても、低いガス圧力下でも放電が困難とならず、プラ
ズマ・パラメータの時間変動を小さくする交流放電電源
装置。 【構成】マスター発振器1からの信号を電力分割器2に
より複数個に分割し、移相器3および電力増幅器4を用
いてそれぞれの位相および振幅を設定する。この時、発
振周波数、位相および振幅は制御装置7により統括して
制御・調整する。そして、最終出力を変成器5を通して
得、放電容器内に配置した複数個の電極6にそれぞれ給
電する。変成器5の出力側の一端は全て共通に接続し、
一般的には浮遊電位のままにしておき、放電を電極6間
のみで発生させる。電極6の位相や振幅は同じ値を持つ
場合を含めて任意とし、応用対象に最も適切な位相配列
や振幅の調整を行う。また、電極6の形や配置も任意と
する。
に周波数が高い場合と同等になり、電極に絶縁物が付着
しても、低いガス圧力下でも放電が困難とならず、プラ
ズマ・パラメータの時間変動を小さくする交流放電電源
装置。 【構成】マスター発振器1からの信号を電力分割器2に
より複数個に分割し、移相器3および電力増幅器4を用
いてそれぞれの位相および振幅を設定する。この時、発
振周波数、位相および振幅は制御装置7により統括して
制御・調整する。そして、最終出力を変成器5を通して
得、放電容器内に配置した複数個の電極6にそれぞれ給
電する。変成器5の出力側の一端は全て共通に接続し、
一般的には浮遊電位のままにしておき、放電を電極6間
のみで発生させる。電極6の位相や振幅は同じ値を持つ
場合を含めて任意とし、応用対象に最も適切な位相配列
や振幅の調整を行う。また、電極6の形や配置も任意と
する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電の応用分野におい
て、効果的で安定な放電を効率的に発生させる新しい放
電電源装置に関する。
て、効果的で安定な放電を効率的に発生させる新しい放
電電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に放電方法は、直流・交流放電、
高周波静電結合放電、高周波誘導磁場結合放電およびマ
イクロ波放電の4通りに大別される。以下、放電発生の
条件や電源構成などの観点から、各種放電方式の特徴を
列記する。
高周波静電結合放電、高周波誘導磁場結合放電およびマ
イクロ波放電の4通りに大別される。以下、放電発生の
条件や電源構成などの観点から、各種放電方式の特徴を
列記する。
【0003】直流放電の特徴は、生成されるプラズマの
密度や温度などのプラズマ・パラメータが時間的に一定
なこと、負荷整合が不要で放電電源装置が簡単なことな
どであるが、電極表面に絶縁物などが付着すると放電が
維持できなくなること、低ガス圧力下での放電が難しい
ことなどが欠点である。交流放電の特徴は、周波数が低
いので発振・増幅が容易であること、負荷との整合が簡
単にできることなどである。特に、商用周波数(50H
zあるいは60Hz)の放電電源装置は変圧器のみで簡
単に構成できるので大容量化が容易である。しかし、プ
ラズマ・パラメータが電源周波数で変動すること、直流
の場合と同様に電極に絶縁物などが付着すると放電が維
持できなくなること、低ガス圧力下での放電が難しいこ
となどが欠点である。高周波静電結合放電および高周波
誘導磁場結合放電の共通の特徴は、電極表面に絶縁物層
が存在しても放電は本質的に影響されずに安定に維持さ
れること、比較的低ガス圧力下まで放電が容易であるこ
とである。しかし、プラズマ・パラメータが電源周波数
でかなり未だ変動すること、周波数が高いので発振・増
幅および負荷整合にコストが掛かること、広い領域に一
様なプラズマを発生することが難しいことなどが欠点で
ある。マイクロ波放電の特徴は、周波数が高いので完全
な無電極放電であること、プラズマ・パラメータが直流
放電の場合とほとんど同様に一定なこと、かなりの低ガ
ス圧力下まで放電が容易なことなどである。しかし、周
波数が極めて高いので発振・増幅・電力輸送・負荷整合
などにコストがかなり掛ること、広い領域に一様なプラ
ズマを発生させることが難しいことなどが欠点である。
交流放電の場合および有電極型高周波放電の場合、2つ
の電極間に掛る電圧は正弦波的に変化するので、印加電
圧は一周期の間に必ず一度は零となり、その時放電も一
時的に停止する。従って、放電の結果発生するプラズマ
の寿命が交番する電圧の周期より短い場合、放電も印加
電圧の周波数で大きく変化する。
密度や温度などのプラズマ・パラメータが時間的に一定
なこと、負荷整合が不要で放電電源装置が簡単なことな
どであるが、電極表面に絶縁物などが付着すると放電が
維持できなくなること、低ガス圧力下での放電が難しい
ことなどが欠点である。交流放電の特徴は、周波数が低
いので発振・増幅が容易であること、負荷との整合が簡
単にできることなどである。特に、商用周波数(50H
zあるいは60Hz)の放電電源装置は変圧器のみで簡
単に構成できるので大容量化が容易である。しかし、プ
ラズマ・パラメータが電源周波数で変動すること、直流
の場合と同様に電極に絶縁物などが付着すると放電が維
持できなくなること、低ガス圧力下での放電が難しいこ
となどが欠点である。高周波静電結合放電および高周波
誘導磁場結合放電の共通の特徴は、電極表面に絶縁物層
が存在しても放電は本質的に影響されずに安定に維持さ
れること、比較的低ガス圧力下まで放電が容易であるこ
とである。しかし、プラズマ・パラメータが電源周波数
でかなり未だ変動すること、周波数が高いので発振・増
幅および負荷整合にコストが掛かること、広い領域に一
様なプラズマを発生することが難しいことなどが欠点で
ある。マイクロ波放電の特徴は、周波数が高いので完全
な無電極放電であること、プラズマ・パラメータが直流
放電の場合とほとんど同様に一定なこと、かなりの低ガ
ス圧力下まで放電が容易なことなどである。しかし、周
波数が極めて高いので発振・増幅・電力輸送・負荷整合
などにコストがかなり掛ること、広い領域に一様なプラ
ズマを発生させることが難しいことなどが欠点である。
交流放電の場合および有電極型高周波放電の場合、2つ
の電極間に掛る電圧は正弦波的に変化するので、印加電
圧は一周期の間に必ず一度は零となり、その時放電も一
時的に停止する。従って、放電の結果発生するプラズマ
の寿命が交番する電圧の周期より短い場合、放電も印加
電圧の周波数で大きく変化する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように、電源部の
構成は周波数が低いほど簡単になり、交流・直流電源装
置とすれば、低価格で大容量の放電を発生させることが
容易であるが、電極に絶縁物が付着した時とか、低圧力
下の放電に困難を生じ、また、交流電源装置の場合プラ
ズマ・パラメータが変動するなどの問題点がある。一
方、この欠点をなくすため、周波数を高めた電源装置を
使用すれば、コスト高となり、広い領域での放電に難点
があった。
構成は周波数が低いほど簡単になり、交流・直流電源装
置とすれば、低価格で大容量の放電を発生させることが
容易であるが、電極に絶縁物が付着した時とか、低圧力
下の放電に困難を生じ、また、交流電源装置の場合プラ
ズマ・パラメータが変動するなどの問題点がある。一
方、この欠点をなくすため、周波数を高めた電源装置を
使用すれば、コスト高となり、広い領域での放電に難点
があった。
【0005】本発明は、位相を制御した複数個の交流電
源と複数個の電極を用い、商用電源周波数を含めた低周
波の放電により、発生する放電が等価的に周波数が高い
場合と同等となり、電極に絶縁物が付着しても、また、
低いガス圧力下でも放電が困難とならず、且つ、プラズ
マ・パラメータの時間変動が大変小さい、新しい方式の
交流放電電源装置とすることを目的とする。さらに、電
源の周波数が低いので、本方式は低コストで大容量の放
電が可能となる、実用面における大きな特徴を持つ。
源と複数個の電極を用い、商用電源周波数を含めた低周
波の放電により、発生する放電が等価的に周波数が高い
場合と同等となり、電極に絶縁物が付着しても、また、
低いガス圧力下でも放電が困難とならず、且つ、プラズ
マ・パラメータの時間変動が大変小さい、新しい方式の
交流放電電源装置とすることを目的とする。さらに、電
源の周波数が低いので、本方式は低コストで大容量の放
電が可能となる、実用面における大きな特徴を持つ。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下のように構成した。
めに、本発明は以下のように構成した。
【0007】すなわち、交流電力(矩形波等の非正弦波
を含む)を複数の電力に分割する電力分割手段と、前記
電力分割手段による複数の分割電力の位相を任意に制御
する位相制御手段と、放電容器内に配置した多電極型放
電電極と、前記多電極型放電電極に給電する順序を任意
に設定する給電順序設定手段と、を備え、前記複数の位
相制御電力を前記多電極型放電電極に任意に設定された
順序で給電することを特徴とする位相制御多電極型交流
放電電源装置である。
を含む)を複数の電力に分割する電力分割手段と、前記
電力分割手段による複数の分割電力の位相を任意に制御
する位相制御手段と、放電容器内に配置した多電極型放
電電極と、前記多電極型放電電極に給電する順序を任意
に設定する給電順序設定手段と、を備え、前記複数の位
相制御電力を前記多電極型放電電極に任意に設定された
順序で給電することを特徴とする位相制御多電極型交流
放電電源装置である。
【0008】
【作用】この放電電源装置は、2つ以上の複数の多電極
型放電電極に、位相がそれぞれ異なる複数の位相制御電
力を任意に設定された順序で給電する。これにより、電
極間に電位差が生じ、複数の電極間で放電が発生する。
この放電は全体的に見た場合、どの時刻(瞬間)におい
ても放電を停止させないようにすることを特徴とする。
型放電電極に、位相がそれぞれ異なる複数の位相制御電
力を任意に設定された順序で給電する。これにより、電
極間に電位差が生じ、複数の電極間で放電が発生する。
この放電は全体的に見た場合、どの時刻(瞬間)におい
ても放電を停止させないようにすることを特徴とする。
【0009】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。
て説明する。
【0010】図1に本発明の実施例の位相制御多電極型
交流放電電源装置の構成図を示す。この放電電源装置
は、マスター発振器1の出力を電力分割器2に接続し、
電力分割器2の出力を複数の移相器3に接続する。各移
相器3の出力は電力増幅器4と変成器5を介して電極群
の各電極6に接続する。制御装置7は、マスター発振器
1と、移相器3および電力増幅器4に接続し、それぞれ
の機器を制御する。
交流放電電源装置の構成図を示す。この放電電源装置
は、マスター発振器1の出力を電力分割器2に接続し、
電力分割器2の出力を複数の移相器3に接続する。各移
相器3の出力は電力増幅器4と変成器5を介して電極群
の各電極6に接続する。制御装置7は、マスター発振器
1と、移相器3および電力増幅器4に接続し、それぞれ
の機器を制御する。
【0011】この放電電源装置は以上のような構成で、
マスター発振器1からの信号を電力分割器2により複数
個に分割し、移相器3および電力増幅器4を用いてそれ
ぞれの位相および振幅を設定する。この時、発振周波
数、位相および振幅は制御装置7により統括して制御・
調整する。そして、最終出力を変成器5を通して得、放
電容器内に配置した複数個の電極6にそれぞれ給電す
る。変成器5の出力側の一端は全て共通に接続し、一般
的には浮遊電位のままにしておき、放電を電極6間のみ
で発生させる。しかし、状況に応じ、この共通帰線を放
電容器や大地に接続する。この時、放電は容器壁との間
にも発生する。ここで、それぞれの電極6の位相や振幅
は同じ値を持つ場合を含めて任意とし、応用対象に最も
適切な位相配列や振幅の調整を行う。また、電極6の形
や配置も任意とし、応用対象に適切なものにする。
マスター発振器1からの信号を電力分割器2により複数
個に分割し、移相器3および電力増幅器4を用いてそれ
ぞれの位相および振幅を設定する。この時、発振周波
数、位相および振幅は制御装置7により統括して制御・
調整する。そして、最終出力を変成器5を通して得、放
電容器内に配置した複数個の電極6にそれぞれ給電す
る。変成器5の出力側の一端は全て共通に接続し、一般
的には浮遊電位のままにしておき、放電を電極6間のみ
で発生させる。しかし、状況に応じ、この共通帰線を放
電容器や大地に接続する。この時、放電は容器壁との間
にも発生する。ここで、それぞれの電極6の位相や振幅
は同じ値を持つ場合を含めて任意とし、応用対象に最も
適切な位相配列や振幅の調整を行う。また、電極6の形
や配置も任意とし、応用対象に適切なものにする。
【0012】ある瞬間における放電は、全ての電極の中
で一番高いか、あるいは同じ程度の電位を持つ電極のみ
に正の電流が流れ、他の全ての電極に負の電流が流れ
る。従って、任意の電極の放電電流波形が正弦波から著
しく歪み、印加周波数より高い周波数を持つ高調波電流
が多く流れる。その結果、周波数が等価的に高くなった
場合の放電となり、電極などに絶縁物が付着しても放電
が困難になりにくい。また、複数の電極を放電領域を囲
むようにして配置すると、正電流が流れている電極の
内、1本、あるいはその程度に少ない本数だけが陽極と
なり、残りの電極が全て陰極になるので、一種のホロー
陰極放電と類似の放電となる。従って、電子が負のポテ
ンシャル壁で閉じ込められ、電子による電離が盛んにな
る。その結果、低いガス圧力下でも効率的な放電が可能
となる。更に、一周期の間のどの瞬間においても何れか
の電極間で必ず放電が発生するので、プラズマが連続的
に生成される。ガス圧力を低くして、電極周辺の放電領
域を広くすると、それぞれの電極の放電領域が重なり合
い、複数の電極で囲まれた領域全体が放電する。ガス圧
力の低下に伴い、電極周辺で生成されたプラズマは再結
合などにより消滅する前に、充分広い領域に拡散する。
その結果、電極で囲まれた領域内のプラズマ・パラメー
タの変動は、低周波の放電にも拘らず、大変小さくな
る。
で一番高いか、あるいは同じ程度の電位を持つ電極のみ
に正の電流が流れ、他の全ての電極に負の電流が流れ
る。従って、任意の電極の放電電流波形が正弦波から著
しく歪み、印加周波数より高い周波数を持つ高調波電流
が多く流れる。その結果、周波数が等価的に高くなった
場合の放電となり、電極などに絶縁物が付着しても放電
が困難になりにくい。また、複数の電極を放電領域を囲
むようにして配置すると、正電流が流れている電極の
内、1本、あるいはその程度に少ない本数だけが陽極と
なり、残りの電極が全て陰極になるので、一種のホロー
陰極放電と類似の放電となる。従って、電子が負のポテ
ンシャル壁で閉じ込められ、電子による電離が盛んにな
る。その結果、低いガス圧力下でも効率的な放電が可能
となる。更に、一周期の間のどの瞬間においても何れか
の電極間で必ず放電が発生するので、プラズマが連続的
に生成される。ガス圧力を低くして、電極周辺の放電領
域を広くすると、それぞれの電極の放電領域が重なり合
い、複数の電極で囲まれた領域全体が放電する。ガス圧
力の低下に伴い、電極周辺で生成されたプラズマは再結
合などにより消滅する前に、充分広い領域に拡散する。
その結果、電極で囲まれた領域内のプラズマ・パラメー
タの変動は、低周波の放電にも拘らず、大変小さくな
る。
【0013】この放電電源装置の簡単な一例として、図
2に示す、電力を4分割し、全ての出力の振幅が同じ
で、且つ、位相が4分の1周期づつずれるように制御し
た交流電源8を、互いに直交する2組の平行平板電極対
9に給電する放電電源装置の実施例について説明する。
この放電電源装置の位相は電極に付けた番号と同じ順番
に変化し(遅れ)、電極の電位はこの方向に伝わる進行
波となる。
2に示す、電力を4分割し、全ての出力の振幅が同じ
で、且つ、位相が4分の1周期づつずれるように制御し
た交流電源8を、互いに直交する2組の平行平板電極対
9に給電する放電電源装置の実施例について説明する。
この放電電源装置の位相は電極に付けた番号と同じ順番
に変化し(遅れ)、電極の電位はこの方向に伝わる進行
波となる。
【0014】図3に、この放電電源装置のモデル化した
放電特性を示す。図3のaは4本の電極の基準電位から
の電位差(放電電圧)V、bはそれぞれの電極に流れる
放電電流I、cはそれぞれの電極における瞬時電力(電
圧×電流)P並びに全ての電極にわたる総和瞬時電力の
時間変化である。
放電特性を示す。図3のaは4本の電極の基準電位から
の電位差(放電電圧)V、bはそれぞれの電極に流れる
放電電流I、cはそれぞれの電極における瞬時電力(電
圧×電流)P並びに全ての電極にわたる総和瞬時電力の
時間変化である。
【0015】図3のaおよびbにおいて、(ア)隣り合
う電極電位の位相が4分の1周期、すなわち、90°づ
つずれていること、(イ)放電はその瞬間に4本の中で
一番高い電位を持つ電極を陽極に、その他の電極を陰極
にした放電となること、および(ウ)放電は一部オーバ
ラップさせながら位相のずれ(90°)に対応した時間
(4分の1周期)の後に隣の電極へと連続して移動(回
転)することが示されている。図3のcにおいて、
(ア)それぞれの電極における瞬時電力は、正の放電電
流が流れている時に大きなピークを持ち、また、負の電
流が流れている時にもう一つの小さなピークを持つこ
と、(イ)それぞれの変動の周波数は印加周波数の2倍
であること、(ウ)全電極にわたる総和瞬時電力の変動
率(変動の大きさ/平均値)が大変小さくなること、お
よび(エ)その変動成分は印加周波数の4倍の周波数で
脈動することが示されている。図4に、一周期を電極数
で割った値で位相を均等配列制御した場合における、放
電の結果生ずるプラズマの密度変動の分割数nに対する
変化を示す。但し、プラズマの拡散距離が電極間距離と
同程度であるとする。ここで、n=2の場合は、通常の
2電極間の非平衡(片側電極が接地)あるいは平衡交流
放電に対応し、n=4の場合は図2に示す放電電源装置
の放電に対応する。複数の電極で囲まれた領域で生成さ
れるプラズマの密度変動は総和瞬時電力と同様な時間変
化を行い、その変動率は位相配列された電極数の増加と
共に小さくなる。低周波放電にも拘らず、高周波放電の
場合と同等な変動の小さなプラズマが生成される。
う電極電位の位相が4分の1周期、すなわち、90°づ
つずれていること、(イ)放電はその瞬間に4本の中で
一番高い電位を持つ電極を陽極に、その他の電極を陰極
にした放電となること、および(ウ)放電は一部オーバ
ラップさせながら位相のずれ(90°)に対応した時間
(4分の1周期)の後に隣の電極へと連続して移動(回
転)することが示されている。図3のcにおいて、
(ア)それぞれの電極における瞬時電力は、正の放電電
流が流れている時に大きなピークを持ち、また、負の電
流が流れている時にもう一つの小さなピークを持つこ
と、(イ)それぞれの変動の周波数は印加周波数の2倍
であること、(ウ)全電極にわたる総和瞬時電力の変動
率(変動の大きさ/平均値)が大変小さくなること、お
よび(エ)その変動成分は印加周波数の4倍の周波数で
脈動することが示されている。図4に、一周期を電極数
で割った値で位相を均等配列制御した場合における、放
電の結果生ずるプラズマの密度変動の分割数nに対する
変化を示す。但し、プラズマの拡散距離が電極間距離と
同程度であるとする。ここで、n=2の場合は、通常の
2電極間の非平衡(片側電極が接地)あるいは平衡交流
放電に対応し、n=4の場合は図2に示す放電電源装置
の放電に対応する。複数の電極で囲まれた領域で生成さ
れるプラズマの密度変動は総和瞬時電力と同様な時間変
化を行い、その変動率は位相配列された電極数の増加と
共に小さくなる。低周波放電にも拘らず、高周波放電の
場合と同等な変動の小さなプラズマが生成される。
【0016】位相制御多電極型交流放電電源装置は低周
波放電用なので電源部は低周波コンポーネントで構成さ
れる。従って、パーソナル・コンピュータとマルチ・チ
ャンネル(多出力)のD/A変換器を用いれば、低周波
の任意の周期および波形を持つ信号を同時に複数個発生
させることができ、また、それぞれの位相および振幅を
同時に調整・制御できる。
波放電用なので電源部は低周波コンポーネントで構成さ
れる。従って、パーソナル・コンピュータとマルチ・チ
ャンネル(多出力)のD/A変換器を用いれば、低周波
の任意の周期および波形を持つ信号を同時に複数個発生
させることができ、また、それぞれの位相および振幅を
同時に調整・制御できる。
【0017】次に、このパーソナル・コンピュータとD
/A変換器を用いた、電源周波数が低周波(1,000
Hz未満)で、商用電源(50Hzあるいは60Hz)
以外の放電電源装置の実施例について説明する。図5
に、この放電電源装置の構成図を示す。この放電電源装
置は、パーソナル・コンピュータ10とマルチ・チャン
ネルD/Aコンバータ11を光分離インタフェースを介
してデジタル・バスラインで接続する。これにより、制
御系と電力系信号との干渉を防ぐ。マルチ・チャンネル
D/Aコンバータ11の各チャンネル出力は緩衝増幅器
12に接続し、それを更に、低周波電力増幅器13に接
続する。14は出力変成器で、放電電極側をアース端子
から直流的に浮かせたいとき、低周波電力増幅器13の
後段に接続する。
/A変換器を用いた、電源周波数が低周波(1,000
Hz未満)で、商用電源(50Hzあるいは60Hz)
以外の放電電源装置の実施例について説明する。図5
に、この放電電源装置の構成図を示す。この放電電源装
置は、パーソナル・コンピュータ10とマルチ・チャン
ネルD/Aコンバータ11を光分離インタフェースを介
してデジタル・バスラインで接続する。これにより、制
御系と電力系信号との干渉を防ぐ。マルチ・チャンネル
D/Aコンバータ11の各チャンネル出力は緩衝増幅器
12に接続し、それを更に、低周波電力増幅器13に接
続する。14は出力変成器で、放電電極側をアース端子
から直流的に浮かせたいとき、低周波電力増幅器13の
後段に接続する。
【0018】この放電電源装置は以上のような構成で、
パーソナル・コンピュータ10が位相調整した複数のデ
ジタル信号をマルチ・チャンネルD/Aコンバータ11
によりそれぞれアナログの交流信号に変換して各チャン
ネルに出力する。マルチ・チャンネルD/Aコンバータ
11が出力する交流信号は、緩衝増幅器12により信号
発生側と、給電側との干渉を防止し、低周波電力増幅器
13により放電に必要なレベルまで電力を増幅する。
パーソナル・コンピュータ10が位相調整した複数のデ
ジタル信号をマルチ・チャンネルD/Aコンバータ11
によりそれぞれアナログの交流信号に変換して各チャン
ネルに出力する。マルチ・チャンネルD/Aコンバータ
11が出力する交流信号は、緩衝増幅器12により信号
発生側と、給電側との干渉を防止し、低周波電力増幅器
13により放電に必要なレベルまで電力を増幅する。
【0019】出力変成器14は電源側の出力インピーダ
ンスと放電の負荷としてのインピーダンスを整合し、ま
た、放電側の共通帰線を増幅器側のグランド電位と独立
に保つ。この共通帰線は、必要に応じグランドに接続す
る。
ンスと放電の負荷としてのインピーダンスを整合し、ま
た、放電側の共通帰線を増幅器側のグランド電位と独立
に保つ。この共通帰線は、必要に応じグランドに接続す
る。
【0020】図1の位相制御多電極型交流放電電源装置
において、マスター発振器1の周波数が特殊な値を持つ
例として、周波数が零、すなわち、直流の場合がある。
この場合は、直流信号をいくつかに分岐し、それぞれに
オン、オフで位相を制御できるスイッチング装置を取り
付け、パルス状放電電圧として、パルス電力増幅器など
を通して複数の電極に給電する。
において、マスター発振器1の周波数が特殊な値を持つ
例として、周波数が零、すなわち、直流の場合がある。
この場合は、直流信号をいくつかに分岐し、それぞれに
オン、オフで位相を制御できるスイッチング装置を取り
付け、パルス状放電電圧として、パルス電力増幅器など
を通して複数の電極に給電する。
【0021】次に、このパルス状放電電圧源の一例とし
て、複数個のスイッチイング回路を用いて位相制御され
たパルス電圧出力セットを得る放電電源装置の実施例に
ついて説明する。図6に、この放電電源装置の構成図を
示す。この放電電源装置は、直流電源15を複数の高耐
圧のスイッチイング回路16に接続し、各スイッチイン
グ回路16の後段には、パルス電力増幅器17とパルス
出力変成器18をそれぞれ接続する。また、各スイッチ
イング回路16およびパルス電力増幅器17には制御装
置19を接続して、それぞれを制御する。パルス出力変
成器18の出力側の共通帰線はグランドに落とすが、必
要に応じて浮かせてもよい。
て、複数個のスイッチイング回路を用いて位相制御され
たパルス電圧出力セットを得る放電電源装置の実施例に
ついて説明する。図6に、この放電電源装置の構成図を
示す。この放電電源装置は、直流電源15を複数の高耐
圧のスイッチイング回路16に接続し、各スイッチイン
グ回路16の後段には、パルス電力増幅器17とパルス
出力変成器18をそれぞれ接続する。また、各スイッチ
イング回路16およびパルス電力増幅器17には制御装
置19を接続して、それぞれを制御する。パルス出力変
成器18の出力側の共通帰線はグランドに落とすが、必
要に応じて浮かせてもよい。
【0022】この放電電源装置は以上のような構成で、
直流電源15の直流をスイッチイング回路16により低
周波の方形波電圧源に変換し、パルス電力増幅器17に
より振幅を設定する。この時、発振周波数、位相および
振幅は制御装置19により統括して制御・調整する。各
スイッチイング回路16の出力は、パルス電力増幅器1
7とパルス出力変成器18を通して各分割電極へ給電す
る。
直流電源15の直流をスイッチイング回路16により低
周波の方形波電圧源に変換し、パルス電力増幅器17に
より振幅を設定する。この時、発振周波数、位相および
振幅は制御装置19により統括して制御・調整する。各
スイッチイング回路16の出力は、パルス電力増幅器1
7とパルス出力変成器18を通して各分割電極へ給電す
る。
【0023】次に、このパルス状放電電圧源のその他の
例として、複数個のインバータを用いて位相制御された
パルス電圧出力セットを得る放電電源装置の実施例につ
いて説明する。図7に、この放電電源装置の構成図を示
す。この放電電源装置は、商用周波数の単相あるいは三
相の交流電圧源20を整流器21に接続し、整流器21
の出力を複数の高耐圧のパワートランジスタやゲートタ
ーンオフサイリスタなどから成るユニットインバータ2
2に接続する。各ユニットインバータ22の後段には低
周波変成器23を接続し、更に、各ユニットインバータ
22には発振位相制御装置24を接続する。低周波変成
器23の出力側の共通帰線はグランドに落とすが、必要
に応じて浮かせてもよい。
例として、複数個のインバータを用いて位相制御された
パルス電圧出力セットを得る放電電源装置の実施例につ
いて説明する。図7に、この放電電源装置の構成図を示
す。この放電電源装置は、商用周波数の単相あるいは三
相の交流電圧源20を整流器21に接続し、整流器21
の出力を複数の高耐圧のパワートランジスタやゲートタ
ーンオフサイリスタなどから成るユニットインバータ2
2に接続する。各ユニットインバータ22の後段には低
周波変成器23を接続し、更に、各ユニットインバータ
22には発振位相制御装置24を接続する。低周波変成
器23の出力側の共通帰線はグランドに落とすが、必要
に応じて浮かせてもよい。
【0024】この放電電源装置は以上のような構成で、
交流電圧源20の単相あるいは三相交流を整流器21で
直流に変換した後、ユニットインバータ22により低周
波の方形波電圧源に変換する。この時、発振位相制御装
置24から各ユニットインバータ22に制御信号を送
り、発振周波数およびその位相を調整する。各ユニット
インバータ22の出力は、低周波変成器23を通して各
分割電極へ給電する。
交流電圧源20の単相あるいは三相交流を整流器21で
直流に変換した後、ユニットインバータ22により低周
波の方形波電圧源に変換する。この時、発振位相制御装
置24から各ユニットインバータ22に制御信号を送
り、発振周波数およびその位相を調整する。各ユニット
インバータ22の出力は、低周波変成器23を通して各
分割電極へ給電する。
【0025】周波数が商用電源周波数の場合は、三相交
流商用入力電源から複数の商用電源トランスのみを用い
て位相を調整・制御する放電電源装置ができる。この放
電電源装置の位相調整は一般的に均等配列され、その値
はトランスの結線で固定される。
流商用入力電源から複数の商用電源トランスのみを用い
て位相を調整・制御する放電電源装置ができる。この放
電電源装置の位相調整は一般的に均等配列され、その値
はトランスの結線で固定される。
【0026】位相制御された多出力交流電源が接続され
る電極群の具体的な形状や配置については、適用すべき
対象側の要求により定まるが、ここでは、一般的な形状
や配置について説明する。図8および図9に一般的な電
極構成を示す。図8の電極群は、平板状の電極25を円
周配置したものであり、図9の電極群は、同じ平板状の
電極25を直線配置したものである。
る電極群の具体的な形状や配置については、適用すべき
対象側の要求により定まるが、ここでは、一般的な形状
や配置について説明する。図8および図9に一般的な電
極構成を示す。図8の電極群は、平板状の電極25を円
周配置したものであり、図9の電極群は、同じ平板状の
電極25を直線配置したものである。
【0027】多出力交流電源をどのように位相制御(調
整・配列)し、且つ、複数の電極にどのように給電する
かは、適用すべき対象側の要求により定まる。電極配置
および給電の特殊な場合として、例えば、本発明の放電
電源装置を応用し、それぞれの電極そのものをターゲッ
トにして異なる材料から成る複合膜層をスパッタ・デポ
ジションさせる時、異種材料の電極をあらかじめ装置内
に配置しておき、必要に応じて給電する必要がある。図
10に、複数種類の電極材料から成る電極25を1組に
して繰り返し配置し、また、給電のオン・オフ制御も含
めて一周期の間に一巡するように位相制御した給電図を
示す。また、この場合、同種の電極材料を1組とし、異
種の電極材料の複数組を配置してもよい。ここで、UA
、UB ・・はオン・オフの時分割を表す関数で制御装
置の方で設定される。UA のみがオンの時は、A種の電
極材料にのみ位相制御された電源が通電され、この場合
は一方向進行波として給電される。電源の出力数より全
電極数が多い場合には、同じ電源出力を位置の異なる複
数の電極に給電する。図11および図12に、連続的に
供給される帯状基材26へ本発明の放電電源装置を応用
した電極配置の模式図を示す。図11の放電装置は、円
筒状冷却ロール27の周りに電極25を円周状に配列し
たものである。帯状基材26は繰出ロール28と巻取ロ
ール29の回転により電極25列の内側を移動する。一
方、図12の放電装置は、電極25を直線状に配列した
ものである。帯状基材26は繰出ロール28と巻取ロー
ル29の回転により、ガイドロール30に案内されて電
極25列の上側を移動する。
整・配列)し、且つ、複数の電極にどのように給電する
かは、適用すべき対象側の要求により定まる。電極配置
および給電の特殊な場合として、例えば、本発明の放電
電源装置を応用し、それぞれの電極そのものをターゲッ
トにして異なる材料から成る複合膜層をスパッタ・デポ
ジションさせる時、異種材料の電極をあらかじめ装置内
に配置しておき、必要に応じて給電する必要がある。図
10に、複数種類の電極材料から成る電極25を1組に
して繰り返し配置し、また、給電のオン・オフ制御も含
めて一周期の間に一巡するように位相制御した給電図を
示す。また、この場合、同種の電極材料を1組とし、異
種の電極材料の複数組を配置してもよい。ここで、UA
、UB ・・はオン・オフの時分割を表す関数で制御装
置の方で設定される。UA のみがオンの時は、A種の電
極材料にのみ位相制御された電源が通電され、この場合
は一方向進行波として給電される。電源の出力数より全
電極数が多い場合には、同じ電源出力を位置の異なる複
数の電極に給電する。図11および図12に、連続的に
供給される帯状基材26へ本発明の放電電源装置を応用
した電極配置の模式図を示す。図11の放電装置は、円
筒状冷却ロール27の周りに電極25を円周状に配列し
たものである。帯状基材26は繰出ロール28と巻取ロ
ール29の回転により電極25列の内側を移動する。一
方、図12の放電装置は、電極25を直線状に配列した
ものである。帯状基材26は繰出ロール28と巻取ロー
ル29の回転により、ガイドロール30に案内されて電
極25列の上側を移動する。
【0028】次に、マグネトロン放電形態を、位相制御
多出力多電極放電装置における電極群の各々に適用する
例について説明する。図13および図14に、マルチ・
プレーナ型マグネトロン放電装置の正面図と中央断面図
を示す。この装置は、図8の平板電極25を円周配置し
た位相制御多電極放電装置において、それぞれの平板電
極25の後に磁石31を取り付けている。これにより、
それぞれの平板電極の周りに生ずる電界の中に、装置中
心に向かう平板表面に垂直な成分が生ずるので、電子は
電極の表面でE×Bドリフト運動を行い、マグネトロン
放電が個々の平板電極25で生ずる。従って、図13お
よび図14の放電装置は、個々の電極の放電位相は異な
るが、マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置とな
る。但し、磁石装着に当たっては、それぞれの電極が放
電により加熱されても内部の磁石の温度がキュリー温度
以下に保たれるように冷却を施すものとする。キュリー
温度以上に磁石が加熱されると磁場は消滅する。
多出力多電極放電装置における電極群の各々に適用する
例について説明する。図13および図14に、マルチ・
プレーナ型マグネトロン放電装置の正面図と中央断面図
を示す。この装置は、図8の平板電極25を円周配置し
た位相制御多電極放電装置において、それぞれの平板電
極25の後に磁石31を取り付けている。これにより、
それぞれの平板電極の周りに生ずる電界の中に、装置中
心に向かう平板表面に垂直な成分が生ずるので、電子は
電極の表面でE×Bドリフト運動を行い、マグネトロン
放電が個々の平板電極25で生ずる。従って、図13お
よび図14の放電装置は、個々の電極の放電位相は異な
るが、マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置とな
る。但し、磁石装着に当たっては、それぞれの電極が放
電により加熱されても内部の磁石の温度がキュリー温度
以下に保たれるように冷却を施すものとする。キュリー
温度以上に磁石が加熱されると磁場は消滅する。
【0029】
【発明の効果】従来、交流放電の場合、2つの電極間に
掛る電圧は正弦波的に変化するので、印加電圧は一周期
の間に必ず一度は零となり、その時放電も一時的に停止
する。従って、放電の結果発生するプラズマの寿命が交
番する電圧の周期より短い場合、プラズマも印加電圧の
周波数で大きく変化する。本発明の放電電源装置は以上
のような構成で、複数の位相配列交流電源を複数の放電
電極に接続し、各電極間の位相が異なる位相配列交流を
給電する。これにより、電極間に電位差が生じ、複数の
電極間で同時に放電が発生する。従って、本発明の放電
電源装置による放電は、位相の遅れる方向に電極間を移
動し、全体として放電の消える位相が無くなり、放電が
安定する。また、電源の周波数を低くしても、生成され
るプラズマが等価的に周波数が高い場合と同等になり、
電極に絶縁物が付着しても、また、低いガス圧力下でも
放電が困難とならず、且つ、プラズマ・パラメータの時
間変動を小さくすることができ、低コストで大容量の放
電が可能となる。
掛る電圧は正弦波的に変化するので、印加電圧は一周期
の間に必ず一度は零となり、その時放電も一時的に停止
する。従って、放電の結果発生するプラズマの寿命が交
番する電圧の周期より短い場合、プラズマも印加電圧の
周波数で大きく変化する。本発明の放電電源装置は以上
のような構成で、複数の位相配列交流電源を複数の放電
電極に接続し、各電極間の位相が異なる位相配列交流を
給電する。これにより、電極間に電位差が生じ、複数の
電極間で同時に放電が発生する。従って、本発明の放電
電源装置による放電は、位相の遅れる方向に電極間を移
動し、全体として放電の消える位相が無くなり、放電が
安定する。また、電源の周波数を低くしても、生成され
るプラズマが等価的に周波数が高い場合と同等になり、
電極に絶縁物が付着しても、また、低いガス圧力下でも
放電が困難とならず、且つ、プラズマ・パラメータの時
間変動を小さくすることができ、低コストで大容量の放
電が可能となる。
【図1】本発明の実施例の位相制御多電極型交流放電電
源装置の構成図である。
源装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例のモデル放電電源装置の構成図
である。
である。
【図3】本発明の実施例のモデル放電電源装置の放電特
性図である。
性図である。
【図4】位相配列分割数によるプラズマの密度変動の変
化図である。
化図である。
【図5】本発明の実施例のパーソナル・コンピュータと
D/A変換器を用いた放電電源装置の構成図である。
D/A変換器を用いた放電電源装置の構成図である。
【図6】本発明の実施例の複数個のスイッチイング回路
を用いた放電電源装置の構成図である。
を用いた放電電源装置の構成図である。
【図7】本発明の実施例の複数個のインバータを用いた
放電電源装置の構成図である。
放電電源装置の構成図である。
【図8】円周配置電極の構成図である。
【図9】直線配置電極の構成図である。
【図10】異種電極材料への時分割給電の模式図であ
る。
る。
【図11】円筒状冷却ローラーの周りに電極を配置した
放電装置の模式図である。
放電装置の模式図である。
【図12】直線状に電極を配置した放電装置の模式図で
ある。
ある。
【図13】マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置の
正面図である。
正面図である。
【図14】マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置の
中央断面図である。
中央断面図である。
1 マスター発振器 2 電力分割器 3 移相器 4 電力増幅器 5 変成器 6 電極 7 制御装置 8 交流電源 9 平行平板電極対 10 パーソナル・コンピュータ 11 マルチ・チャンネルD/Aコンバータ 12 緩衝増幅器 13 低周波電力増幅器 14 出力変成器 15 直流電源 16 スイッチイング回路 17 パルス電力増幅器 18 パルス出力変成器 19 制御装置 20 単相あるいは三相の交流電圧源 21 整流器 22 ユニットインバータ 23 低周波変成器 24 発振位相制御装置 25 電極 26 帯状基材 27 冷却ロール 28 繰出ロール 29 巻取ロール 30 ガイドロール 31 磁石
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年7月14日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0028
【補正方法】変更
【補正内容】
【0028】次に、マグネトロン放電形態を、位相制御
多出力多電極放電装置における電極群の各々に適用する
例について説明する。図13および図14に、マルチ・
プレーナ型マグネトロン放電装置の正面図と部分概略斜
視図を示す。この装置は、図8の平板電極25を円周配
置した位相制御多電極放電装置において、それぞれの平
板電極25の後に磁石31を取り付け、さらに磁石31
の後には磁気遮蔽板32を取り付けている。これによ
り、それぞれの平板電極の周りに生ずる電界の中に、装
置中心に向かう平板表面に垂直な成分が生ずるので、電
子は電極の表面でE×Bドリフト運動を行い、マグネト
ロン放電が個々の平板電極25で生ずる。従って、図1
3および図14の放電装置は、個々の電極の放電位相は
異なるが、マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置と
なる。但し、磁石装着に当たっては、それぞれの電極が
放電により加熱されても内部の磁石の温度がキュリー温
度以下に保たれるように冷却を施すものとする。キュリ
ー温度以上に磁石が加熱されると磁場は消滅する。
多出力多電極放電装置における電極群の各々に適用する
例について説明する。図13および図14に、マルチ・
プレーナ型マグネトロン放電装置の正面図と部分概略斜
視図を示す。この装置は、図8の平板電極25を円周配
置した位相制御多電極放電装置において、それぞれの平
板電極25の後に磁石31を取り付け、さらに磁石31
の後には磁気遮蔽板32を取り付けている。これによ
り、それぞれの平板電極の周りに生ずる電界の中に、装
置中心に向かう平板表面に垂直な成分が生ずるので、電
子は電極の表面でE×Bドリフト運動を行い、マグネト
ロン放電が個々の平板電極25で生ずる。従って、図1
3および図14の放電装置は、個々の電極の放電位相は
異なるが、マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置と
なる。但し、磁石装着に当たっては、それぞれの電極が
放電により加熱されても内部の磁石の温度がキュリー温
度以下に保たれるように冷却を施すものとする。キュリ
ー温度以上に磁石が加熱されると磁場は消滅する。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の位相制御多電極型交流放電電
源装置の構成図である。
源装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例のモデル放電電源装置の構成図
である。
である。
【図3】本発明の実施例のモデル放電電源装置の放電特
性図である。
性図である。
【図4】位相配列分割数によるプラズマの密度変動の変
化図である。
化図である。
【図5】本発明の実施例のパーソナル・コンピュータと
D/A変換器を用いた放電電源装置の構成図である。
D/A変換器を用いた放電電源装置の構成図である。
【図6】本発明の実施例の複数個のスイッチイング回路
を用いた放電電源装置の構成図である。
を用いた放電電源装置の構成図である。
【図7】本発明の実施例の複数個のインバータを用いた
放電電源装置の構成図である。
放電電源装置の構成図である。
【図8】円周配置電極の構成図である。
【図9】直線配置電極の構成図である。
【図10】異種電極材料への時分割給電の模式図であ
る。
る。
【図11】円筒状冷却ローラーの周りに電極を配置した
放電装置の模式図である。
放電装置の模式図である。
【図12】直線状に電極を配置した放電装置の模式図で
ある。
ある。
【図13】マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置の
正面図である。
正面図である。
【図14】マルチ・プレーナ型マグネトロン放電装置の
部分概略斜視図である。
部分概略斜視図である。
【符号の説明】 1 マスター発振器 2 電力分割器 3 移相器 4 電力増幅器 5 変成器 6 電極 7 制御装置 8 交流電源 9 平行平板電極対 10 パーソナル・コンピュータ 11 マルチ・チャンネルD/Aコンバータ 12 緩衝増幅器 13 低周波電力増幅器 14 出力変成器 15 直流電源 16 スイッチイング回路 17 パルス電力増幅器 18 パルス出力変成器 19 制御装置 20 単相あるいは三相の交流電圧源 21 整流器 22 ユニットインバータ 23 低周波変成器 24 発振位相制御装置 25 電極 26 帯状基材 27 冷却ロール 28 繰出ロール 29 巻取ロール 30 ガイドロール 31 磁石
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図13
【補正方法】変更
【補正内容】
【図13】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図14
【補正方法】変更
【補正内容】
【図14】
Claims (1)
- 【請求項1】交流電力を複数の電力に分割する電力分割
手段と、 前記電力分割手段による複数の分割電力の位相を任意に
制御する位相制御手段と、 放電室内に配置した多電極型放電電極と、 前記多電極型放電電極に給電する順序を任意に設定する
給電順序設定手段と、を備え、 前記複数の位相制御電力を前記多電極型放電電極に任意
に設定された順序で給電することを特徴とする位相制御
多電極型交流放電電源装置。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16137995A JPH08330079A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 多電極型放電用電源装置 |
EP96916315A EP0831679B1 (en) | 1995-06-05 | 1996-06-05 | Power supply for multielectrode discharge |
PCT/JP1996/001521 WO1996039794A1 (fr) | 1995-06-05 | 1996-06-05 | Alimentation servant a une decharge par electrodes multiples |
US08/952,968 US5932116A (en) | 1995-06-05 | 1996-06-05 | Power supply for multi-electrode discharge |
DE69637696T DE69637696D1 (de) | 1995-06-05 | 1996-06-05 | Leistungsversorgung für multielektroden-entladung |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16137995A JPH08330079A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 多電極型放電用電源装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08330079A true JPH08330079A (ja) | 1996-12-13 |
Family
ID=15733980
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16137995A Withdrawn JPH08330079A (ja) | 1995-06-05 | 1995-06-05 | 多電極型放電用電源装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH08330079A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002535825A (ja) * | 1999-01-20 | 2002-10-22 | エヌ・ケー・ティー リサーチ センター アクティーゼルスカブ | プラズマ励起方法及びその使用 |
JP2006304560A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Tateyama Machine Kk | 多相交流電源 |
JP2006302783A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Tateyama Machine Kk | 多相交流プラズマ発生装置 |
JP2007193996A (ja) * | 2006-01-17 | 2007-08-02 | Tateyama Machine Kk | 多相交流プラズマ発生方法と装置 |
WO2009123258A1 (ja) | 2008-04-02 | 2009-10-08 | 富山県 | 紫外線発生装置及びそれを用いた照明装置 |
JP2014176239A (ja) * | 2013-03-11 | 2014-09-22 | Toyama Prefecture | プラズマ放電用多相交流電源 |
-
1995
- 1995-06-05 JP JP16137995A patent/JPH08330079A/ja not_active Withdrawn
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002535825A (ja) * | 1999-01-20 | 2002-10-22 | エヌ・ケー・ティー リサーチ センター アクティーゼルスカブ | プラズマ励起方法及びその使用 |
JP2006304560A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Tateyama Machine Kk | 多相交流電源 |
JP2006302783A (ja) * | 2005-04-22 | 2006-11-02 | Tateyama Machine Kk | 多相交流プラズマ発生装置 |
JP4711258B2 (ja) * | 2005-04-22 | 2011-06-29 | 立山マシン株式会社 | 多相交流電源 |
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