JPH08329942A - アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 - Google Patents

アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法

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JPH08329942A
JPH08329942A JP7132346A JP13234695A JPH08329942A JP H08329942 A JPH08329942 A JP H08329942A JP 7132346 A JP7132346 A JP 7132346A JP 13234695 A JP13234695 A JP 13234695A JP H08329942 A JPH08329942 A JP H08329942A
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幹朗 田所
Akifumi Yamawaki
章史 山脇
Yoshitaka Baba
良貴 馬場
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 過放電後の充放電サイクル特性を向上させる
ことのできるアルカリ蓄電池用ニッケル正極活物質の製
造方法を提供することを目的とする。 【構成】 水酸化ニッケルを主成分とする粒子と、少な
くともコバルトを含む粒子とを機械的に乾式混合し、メ
カノケミカル反応により前記水酸化ニッケルを主成分と
する粒子表面の一部あるいは全部を少なくともコバルト
を含む粒子で物理的に被覆した後、前記被覆した粒子を
アルカリ水溶液共存下で加熱することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水酸化ニッケル活物質
を主成分とするアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法
に関係する。
【0002】
【従来の技術】近年、ワープロ、携帯電話、パソコン、
ビデオカメラなどに代表されるポータブル電子機器は、
益々小型化、軽量化される傾向がある。そして、これら
電子機器に使用される電池についても、その利便性を更
に向上させるために、一層高性能なものが要請されてい
る。
【0003】従来、アルカリ蓄電池に使用される正極と
しては、ニッケル粉末を主成分とするスラリーをパンチ
ングメタル等に塗着した後、焼結させて得た基板に、活
物質を含浸させて使用する所謂焼結式ニッケル正極が知
られている。しかし、この方式の電極は、基板を高多孔
度とした場合には強度が弱く、ニッケル粉末の脱落が生
じるために、実用上基板の多孔度を80%とするのが限
界であり、また、パンチングメタル等の芯体を必要とす
ることから活物質の充填密度が小さく、高エネルギー密
度を図る上では不利であるという欠点を有している。
【0004】更に、焼結基板の細孔は10μm以下と小
さく、活物質の充填方法は、繁雑な工程を必要とする溶
液含浸法や電着含浸法に限定される欠点がある。
【0005】これらの欠点を改良する試みとして、例え
ば芯体を持たない多孔度約95%の発泡ニッケル等の金
属多孔体に水酸化ニッケル活物質粉末を結着剤とともに
直接充填する非焼結式ニッケル正極が提案されている。
【0006】このような非焼結式ニッケル正極の活物質
の一つである水酸化ニッケルの利用率を向上させる手段
として、水酸化ニッケル粒子表面を水酸化コバルトなど
で被覆する方法が提案されている。このような被覆方法
として、特開平6−187984号公報には、正極活物
質の主構成材料である水酸化ニッケル母粒子の表面の一
部もしくは全部を、メカノケミカル反応によって金属、
金属酸化物あるいは炭素のうちの少なくとも一種からな
る子粒子材料で被覆処理することが開示されている。
【0007】ここで、表面を水酸化コバルトで被覆され
た水酸化ニッケル活物質を密閉型アルカリ蓄電池の正極
として使用すると、水酸化コバルトは初回充電時に酸化
されて導電性の高いオキシ水酸化コバルトになる。
【0008】しかし、充電開始時は導電性の低い水酸化
コバルトの状態であるため、平面電極の場合には電流密
度分布に偏りが生じ、表面の水酸化コバルトからオキシ
水酸化コバルトへの酸化反応(高次化)が均一に進行し
ないため、表面コバルトの機能が充分に発揮されず、未
コート品に比較してある程度利用率は向上するが充分で
はなかった。導電性の高い金属コバルトを出発物質とし
ても、金属コバルトがオキシ水酸化コバルトに変化する
際に、水酸化コバルトを経由するため同様の現象が生じ
る。さらに、過放電時には高次化していない水酸化コバ
ルト中のコバルトが母粒子である水酸化ニッケル中に移
動、拡散しやすくなるために表面コバルト濃度が減少
し、利用率の低下に伴い、過放電後の充放電サイクル特
性が低下するという問題点があった。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記問題点
に鑑みてなされたものであり、過放電後の充放電サイク
ル特性を向上させることのできるアルカリ蓄電池用正極
活物質の製造方法を提供しようとすることを本発明の課
題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ蓄電池
用正極活物質の製造方法は、水酸化ニッケルを主成分と
する粒子と、少なくともコバルトを含む粒子とを機械的
に乾式混合し、メカノケミカル反応により前記水酸化ニ
ッケルを主成分とする粒子表面の一部あるいは全部を少
なくともコバルトを含む粒子で物理的に被覆した後、前
記被覆した粒子をアルカリ水溶液共存下で加熱すること
を特徴とする。
【0011】また、本発明のアルカリ蓄電池用正極活物
質の製造方法は、水酸化ニッケルを主成分とする粒子
と、少なくともコバルトを含む粒子とを高温アルカリ水
溶液により機械的に湿式混合し、メカノケミカル反応に
より前記水酸化ニッケルを主成分とする粒子表面の一部
あるいは全部を少なくともコバルトを含む粒子で物理的
に被覆することを特徴とする。
【0012】本発明でのメカノケミカル反応とは、物質
に圧縮、せん断、摩擦、延伸などの手段により加えられ
る機械的エネルギーがその物質の化学的変化をもたらす
反応をいう。
【0013】
【作用】メカノケミカル反応によって、正極材料である
水酸化ニッケル粒子の表面の一部あるいは全部を少なく
ともコバルトを含む粒子で被覆することにより、水酸化
ニッケル粒子と少なくともコバルトを含む粒子との結合
力が極めて強くなる。
【0014】また、電池に組み込む前に、水酸化ニッケ
ル粒子表面に被覆されたコバルト化合物をアルカリ水溶
液共存下で加熱すれば、表面のコバルト化合物が導電性
の高いオキシ水酸化コバルトに効率良く高次化されるた
めに利用率が向上する。
【0015】また、高次化していない水酸化コバルトが
ほとんど存在せず、高次化したオキシ水酸化コバルト
は、放電時に水酸化コバルトに変化し難いためコバルト
が水酸化ニッケル中へ拡散しにくい。従って、過放電後
の充放電サイクル特性の低下を防止することができる。
【0016】さらに、表面被覆層中にコバルト化合物と
ともに亜鉛化合物、カドミウム化合物、ニッケル化合物
が同時に存在すると、これらはアルカリ水溶液共存下で
の加熱時にコバルト化合物と接している境界部分で部分
的に固溶し、活物質表面に添加されたコバルトが水酸化
ニッケル中に拡散しにくくなるため過放電後の充放電サ
イクル特性の低下を効果的に防止することができる。
【0017】
【実施例】
(実施例1) [水酸化ニッケル活物質の作製]モル比でニッケル1に
対して、亜鉛0.02、コバルト0.05となるように
硫酸ニッケル、硫酸亜鉛、硫酸コバルトの混合水溶液を
撹拌しながら、アンモニア水及び水酸化ナトリウム水溶
液を徐々に添加し、反応時のPHが11になるようにア
ンモニア水及び水酸化ナトリウム水溶液の添加量を制御
し、水酸化ニッケルを析出させた。次に、この析出物を
採取し、水洗、乾燥して水酸化ニッケル粒子を作製し
た。
【0018】次に内容積1リットルの容量のステンレス
製ポットに、上記水酸化ニッケル粒子95重量部とコバ
ルト粒子5重量部、または水酸化コバルト粒子5重量部
の割合で1kgとした活物質粒子と、ステンレス製ボール
1kgとを投入し、内部を不活性ガスで置換した後密閉し
た。このポットを回転数1500rpmで1時間回転させ
ることにより、コバルト粒子で表面が被覆された水酸化
ニッケル活物質A1または水酸化コバルト粒子で表面が
被覆された水酸化ニッケル活物質A2を作製した。 [アルカリ熱処理]次に、前記活物質A1、A2に25
重量%の水酸化ナトリウム水溶液を滴下して水酸化ナト
リウム水溶液含浸ニッケル活物質粒子とし、この活物質
粒子を80℃の加熱空気中で3時間加熱した。次にこの
活物質を水洗、乾燥し、本発明活物質B1、B2を作製
した。 [電極の作製]前記のように作製した各活物質100重
量部とヒドロキシプロピルセルロースの0.2重量%水
溶液50重量部とを混合し、活物質スラリーを作製し
た。この活物質スラリーを、厚み約1.6mm、多孔度9
5%の発泡ニッケルに充填して、乾燥後、圧延して厚み
約0.6mmのニッケル正極を作製した。 [試験セルの作製] 開放型簡易セルの作製 前記正極と、この正極よりも充分大きな容量を持つ公知
の焼結式カドミウム極を不織布からなるセパレータを介
してアクリル板により挟んで、加圧された状態で約25
重量%の水酸化カリウム水溶液中に浸漬し、開放型簡易
セルを作製した。 密閉型電池の作製 市販の金属元素をMmNi3.4Co0.8Al0.2Mn0.6
なるように秤量し、高周波溶解炉にて溶解した後、この
溶湯を鋳型に流し込み水素吸蔵合金インゴットを作製し
た。次にこのインゴットをあらかじめ粗粉砕した後、不
活性ガス雰囲気中で平均粒径が150μm程度になるま
で機械的に粉砕を行った。
【0019】この合金粉末に結着剤としてのポリエチレ
ンオキサイド及び適量の水を加えて混合してスラリーと
した。このスラリーをパンチングメタルから成る集電体
の両面に塗布、乾燥後、プレスして厚み約0.4mmの負
極を作製した。
【0020】前記正極と水素吸蔵合金からなる負極とを
不織布からなるセパレータを介して巻回し、電極群を作
製した。この電極群を電池缶に挿入し、7〜8.5規定
のKOH水溶液を2.0g注入した後、すぐに開口部を
密閉し、公称容量1200mAhのニッケル−水素蓄電
池を作製した。 [電池の試験条件] 単位活物質量当りの放電容量の測定 前記のように作製した開放型簡易セルを用いて、120
mAの電流値で24時間充電し、400mAの電流値で
電池電圧が1.0Vに達するまで放電して放電容量を測
定した。そして、単位活物質量当りの放電容量を求め、
その結果を下記表1に示す。 過放電特性の測定 前記のように作製した密閉型電池を用いて、120mA
の電流値で16時間充電し、次いで240mAの電流値
で1.0Vに達するまで放電するというサイクルを3サ
イクル繰り返し、電池を活性化した。
【0021】1200mAの電流値で充電を行い、充
電電圧が最大値を示してからの電圧降下量(−ΔV)が
10mVに達した時点で充電を止め、1時間休止する。
【0022】1200mAの電流値で放電を行い、電
池電圧が1.0Vに達した時点で放電を終了し、放電容
量Xを測定する。
【0023】前記放電終了後、更に60mAで16時
間強制的に放電する。
【0024】前記〜の工程を6回繰り返す。
【0025】この時初回サイクルにおける放電容量X1
と最終サイクルにおける放電容量X6との比(X6/X
1)を求め、この値を過放電特性とし、その結果を下記
表1に示す。
【0026】尚、上記の測定結果は、活物質A1の値を
100とした指標で示す。
【0027】
【表1】
【0028】表1から明らかなように、本発明の活物質
B1及びB2は、アルカリ熱処理していない比較活物質
A1及びA2よりも単位活物質容量が優れており、特
に、過放電特性が顕著に優れていることがわかる。アル
カリ熱処理により、さらに電気容量及び過放電特性が向
上したのは、アルカリ熱処理により導電性に優れた2価
を超える高次コバルト化合物になること、高次化してい
ない水酸化コバルトがほとんど存在しないために活物質
表面へ添加したコバルトが水酸化ニッケル粒子内へ拡散
されにくく、過放電後においてもコバルトの添加効果が
発揮されるためであると考えられる。
【0029】(実施例2)この実施例2では、表面被覆
物質について検討を行った。
【0030】ここで用いた活物質は、前記実施例1の
[活物質の作製]に準じて、用意した。即ち、下記表2
に示す割合で混合した以外は、上記実施例1と同様にし
て本発明活物質B3〜B8を作製した。
【0031】
【表2】
【0032】次に、前記実施例1と同様にして開放型簡
易セル及び密閉型電池を作製し、前記電池の試験条件と
同様の条件にて、単位活物質容量及び過放電特性を測定
し、その結果を表3に示す。
【0033】尚、上記の測定結果は、活物質A1の値を
100とした指標で示す。
【0034】
【表3】
【0035】表3から明らかなように、表面被覆物質を
コバルト化合物と、カドミウム化合物、亜鉛化合物及び
ニッケル化合物の群から選ばれた少なくとも1つとの2
成分系にしてアルカリ熱処理を施せば、過放電特性が飛
躍的に向上することがわかる。
【0036】これは、表面被覆層中にコバルト化合物と
ともに亜鉛化合物、カドミウム化合物またはニッケル化
合物が同時に存在したためであり、これらはアルカリ熱
処理時にコバルト化合物と接している境界部分で部分的
に固溶し、活物質表面に添加されたコバルトが水酸化ニ
ッケル中により拡散しにくくなるため、オキシ水酸化コ
バルトによる活物質表面の導電性向上効果が過放電後に
おいても十分発揮されるためであると考えられる。
【0037】(実施例3)この実施例3では、実施例1
とは異なる製法について検討を行った。
【0038】各活物質は、前記実施例1及び実施例2の
活物質B1〜B8と同様の活物質組成とした。
【0039】具体的な製法としては、内容積1リットル
の容量のステンレスポットに実施例1及び2と同様の割
合で粒子を1kg、及びステンレス製ボール1kgを投入
し、さらに粒子が湿潤する程度に25重量%の水酸化ナ
トリウム水溶液を投入した後、密閉した。尚、内部は空
気であるが、酸素ガスで一部または全部を置換しても良
い。このポットを回転数1500rpm、80℃で2時
間回転させることにより、表面が少なくともコバルトを
含む粒子で被覆され、アルカリ水溶液の存在化で熱処理
された本発明水酸化ニッケル活物質C1〜C8を作製し
た。
【0040】次に、前記実施例1と同様にして開放型簡
易セル及び密閉型電池を作製し、前記電池の試験条件と
同様の条件にて、単位活物質容量及び過放電特性を測定
し、その結果を表4に示す。
【0041】尚、上記の測定結果は、活物質A1の値を
100とした指標で示す。
【0042】
【表4】
【0043】表4より、明らかなように実施例1と同程
度の効果が得られることがわかる。
【0044】(実施例4)この実施例4では、全粒子の
重量に対する活物質表面を被覆する際に使用するコバル
ト化合物の重量比率と、電池特性について検討を行っ
た。
【0045】各活物質は、前記実施例1の[活物質の作
製]に準じて、用意した。即ち、活物質表面被覆時の水
酸化コバルトの使用量を調整することにより、全粒子の
重量に対する水酸化コバルトの重量比率を変化させてい
る。
【0046】具体的な各水酸化コバルトの重量比率とし
ては、0重量%、0.1重量%、0.5重量%、1.0
重量%、3.0重量%、5.0重量%、10.0重量
%、15.0重量%、20.0重量%、25.0重量%
とし、それぞれ活物質D1、D2、D3、D4、D5、
D6、D7、D8、D9、D10と称する。
【0047】次に、前記実施例1と同様にして開放型簡
易セルを作製し、前記電池の試験条件と同様の条件に
て、単位活物質容量を測定し、その結果を表5に示す。
【0048】尚、水酸化コバルトの重量比率が10.0
重量%、即ちD7の値を100とした指標で示す。
【0049】
【表5】
【0050】表5より、明らかなように水酸化コバルト
が1重量%未満となったとき、及び水酸化コバルトが1
5重量%を越えたときに活物質容量が大きく低下した。
【0051】この理由は1重量%未満ではコバルト化合
物の量が不足し、良好な導電性ネットワークを形成でき
ないためと考えられる。他方、15重量%を越えた場
合、活物質粒子中の水酸化ニッケル含有量が相対的に減
少することに起因するマイナス効果(エネルギー密度の
低下)が、導電性向上効果を上回るためと考えられる。
【0052】この結果から、コバルト化合物量は全粒子
に対して1〜15重量%の範囲とすることが好ましいこ
とが分かる。
【0053】尚、実施例3の製法においても、同様の結
果が得られたことを確認した。
【0054】(実施例5)この実施例5では、アルカリ
熱処理時の加熱温度と、電池特性について検討を行っ
た。各活物質は、前記実施例1の[活物質の作製]に準
じて用意した。即ち、実施例1の活物質B2と同様の活
物質組成で、加熱温度のみを変化させて活物質を作製し
た。
【0055】具体的なアルカリ熱処理時の加熱温度とし
ては、30℃、40℃、60℃、80℃、100℃、1
20℃とし、それぞれ活物質E1、E2、E3、E4、
E5、E6と称する。
【0056】次に、前記実施例1と同様にして開放型簡
易セルを作製し、前記電池の試験条件と同様の条件に
て、単位活物質容量を測定し、その結果を表6に示す。
【0057】尚、アルカリ熱処理時の加熱温度が80
℃、即ちE4の値を100とした指標で示す。
【0058】
【表6】
【0059】表6より、明らかなように加熱温度が40
℃未満、及び100℃を超えると、活物質容量の低下が
大きくなる。従って、アルカリ熱処理における加熱温度
は40℃以上100℃以下の範囲で行うのが好ましい。
【0060】ここで、40℃〜100℃の加熱温度で良
好な結果が得られたのは、この範囲の温度であると、コ
バルトの高次化が円滑に進むこと、及び高次化コバルト
化合物の生成に際し、表面被覆層のミクロ構造が熱作用
により乱され、適度な孔隙を有する被覆層が形成された
ためと考えられる。適度な孔隙を有する被覆層である
と、被覆層が水酸化ニッケル粒子と電解液との接触を障
害しないので、電気化学的反応が円滑に行い得るからで
ある。
【0061】これに対し、加熱温度が低くなると、アル
カリ溶液に対する水酸化コバルトの溶解度が低下し、ま
た被覆層に対する熱的作用が減少する。他方、加熱温度
が100℃を越えると、熱的作用が水酸化ニッケル粒子
自体に悪影響を及ぼしたためであると考えられる。
【0062】尚、実施例3の製法においても、同様の結
果が得られたことを確認した。
【0063】(実施例6)この実施例6では、アルカリ
濃度と、電池特性について検討を行った。各活物質は、
前記実施例1の[活物質の作製]に準じて用意した。即
ち、実施例1の活物質B2と同様の活物質組成で、アル
カリ濃度のみを変化させて活物質を作製した。
【0064】具体的なアルカリ濃度としては、12重量
%、15重量%、25重量%、35重量%、40重量
%、45重量%とし、それぞれ活物質G1、G2、G
3、G4、G5、G6と称する。
【0065】次に、前記実施例1と同様にして開放型簡
易セルを作製し、前記電池の試験条件と同様の条件に
て、単位活物質容量を測定し、その結果を表7に示す。
【0066】尚、アルカリ濃度が25重量%、即ちG3
の値を100とした指標で示す。
【0067】
【表7】
【0068】表7より、明らかなようにアルカリ濃度が
15重量%未満、及び45重量%を超えると、活物質容
量の低下が大きくなる。この理由はアルカリ濃度が15
重量%未満であると、アルカリ溶液に対する水酸化コバ
ルトの溶解度が低下するために、水酸化コバルトの高次
化反応が円滑に進行しなく、他方、アルカリ濃度が40
重量%を超えると、溶液粘度が著しく高まるために、ア
ルカリが被覆層に浸透し難くなる結果、高次化反応が不
均一になるためではないかと考えられる。
【0069】以上のことから、アルカリ水溶液共存下と
する際に、添加するアルカリ濃度は15重量%以上40
重量%以下の範囲で行うのが好ましい。
【0070】尚、実施例3の製法においても、同様の結
果が得られたことを確認した。
【0071】
【発明の効果】以上の如く本発明の製造方法によれば、
表面コバルトの水酸化ニッケル粒子中への拡散を効果的
に抑制することができるので、過放電後の充放電サイク
ル特性を向上させることができ、その工業的価値は極め
て大きい。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年6月15日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項4
【補正方法】変更
【補正内容】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水酸化ニッケルを主成分とする粒子と、
    少なくともコバルトを含む粒子とを機械的に乾式混合
    し、メカノケミカル反応により前記水酸化ニッケルを主
    成分とする粒子表面の一部あるいは全部を少なくともコ
    バルトを含む粒子で物理的に被覆した後、前記被覆した
    粒子をアルカリ水溶液共存下で加熱することを特徴とす
    るアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  2. 【請求項2】 水酸化ニッケルを主成分とする粒子と、
    少なくともコバルトを含む粒子とを高温アルカリ水溶液
    により機械的に湿式混合し、メカノケミカル反応により
    前記水酸化ニッケルを主成分とする粒子表面の一部ある
    いは全部を少なくともコバルトを含む粒子で物理的に被
    覆することを特徴とするアルカリ蓄電池用正極活物質の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水酸化ニッケルを主成分とする粒子
    を被覆する粒子材料はコバルトとともに、カドミウム、
    亜鉛、ニッケルの群から選択された少なくとも1種以上
    を含有することを特徴とする請求項1ないし2記載のア
    ルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記コバルトの含有率は、全粒子に対し
    て1重量%以上15重量%以下であることを特徴とする
    請求項1ないし2記載のアルカり蓄電池用正極活物質の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 前記アルカリ水溶液共存下での加熱時の
    温度は40℃以上100℃以下であることを特徴とする
    請求項1記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造方
    法。
  6. 【請求項6】 前記アルカリ水溶液共存下とする際に、
    添加するアルカリ濃度は15重量%以上40重量%以下
    であることを特徴とする請求項1記載のアルカリ蓄電池
    用正極活物質の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記アルカリ水溶液共存下での湿式混合
    時の温度は40℃以上100℃以下であることを特徴と
    する請求項2記載のアルカリ蓄電池用正極活物質の製造
    方法。
  8. 【請求項8】 前記アルカリ水溶液共存下での湿式混合
    時の前記水溶液のアルカリ濃度は15重量%以上40重
    量%以下であることを特徴とする請求項2記載のアルカ
    リ蓄電池用正極活物質の製造方法。
JP13234695A 1995-05-30 1995-05-30 アルカリ蓄電池用正極活物質の製造方法 Expired - Fee Related JP3454606B2 (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN1050231C (zh) * 1997-05-22 2000-03-08 南开大学 可充电碱性电池表面改性的正极活性材料
JP2001357845A (ja) * 2000-06-16 2001-12-26 Canon Inc ニッケル系二次電池及び該二次電池の製造方法

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