JPH08328389A - 液体現像転写方法、それに用いる転写紙及びその製造方法 - Google Patents

液体現像転写方法、それに用いる転写紙及びその製造方法

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JPH08328389A JP15395195A JP15395195A JPH08328389A JP H08328389 A JPH08328389 A JP H08328389A JP 15395195 A JP15395195 A JP 15395195A JP 15395195 A JP15395195 A JP 15395195A JP H08328389 A JPH08328389 A JP H08328389A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 液体現像転写法における転写画質の向上が図
られる方法を提供する。 【構成】 液体現像転写法において、転写紙としてブリ
ストー法吸収係数が2.0ml/m2・ms1/2以下で王
研式平滑度が150秒以上のものを使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】電子写真法により形成した静電潜
像を液体現像し、転写紙に転写する方法、また、転写紙
及びその転写紙が非塗工紙の場合の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法のうち液体現像により可視化
する方式は、液体現像剤中のトナー粒子の微小粒子径に
由来して、解像度が高く透明感のある画像が得られるこ
とから、複写用のみならずカラープルーファーやオンデ
マンドプリンターのような印刷関連分野においても実用
化が検討されつつある。しかしながら、常法によって感
光体等に形成した静電潜像を液体現像して可視像とし、
紙に静電転写した場合には、転写紙によっては転写が十
分でない場合があった。
【0003】そうしたことから、特公昭50−1064
9号には、感光体−転写紙間の液体(液体現像剤キャリ
ア液)の存在下における電気泳動現象を利用するととも
に、その電気泳動現象を妨げない程度の吸油性(吸油係
数αが5×10-2cm/sec以下)の転写紙を用いる
ようにし、それによって転写効率を高めるようにした液
体現像転写方法が開示されている。ここにいう「吸油係
数」とは転写紙表面に液体現像剤キャリア液を一滴落
し、これが転写し裏面側に直径1cmの大きさにしみ広
がるまでの時間secを転写紙の厚さcmで除した値で
ある。そして、ここでの吸油性を低くする手段として
は、 1.叩解度を強くする、 2.透気度を低くする、 3.組織間あるいは表面にレジン等の充填剤を入れる、 4.繊維原料として針葉樹等を高い比率で入れる、 等の方法が有効であるとしている。
【0004】また、特公昭50−10650号には前記
吸油性の高いだけの紙では、画像の定着性が不充分であ
り、このため、吸油係数αが1.0×10-2cm/se
c以下で、かつベック平滑度150秒以下の転写紙を用
いることが提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、いくつ
かの非塗工紙について特公昭50−10650号に示さ
れる平滑度及び特公昭50−10649号に示される吸
油係数αと転写画質との関係を調ベたところ、平滑度及
び吸油係数αが先の公報に示された範囲では、画像の均
一性が劣ったり、画像濃度が十分でなかったり、一般の
印刷物に比べて見劣りのするものであった。そこで、本
発明の目的はこのような不都合を解消し、液体現像転写
法における転写画質の向上、特に画像濃度及び均一性の
向上が図られ、更にはこの液体現像転写法での使用に効
果的な転写紙を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは転写工程に
おける転写紙の特性値と転写画質の関係を解明し、転写
紙の吸油性、特に液体と転写紙が接触してから極く短時
間での吸収特性及び転写紙の平滑度と転写画質との間に
関係があることを見い出した。すなわち、特公昭50−
10649号、特公昭50−10650号に示されるよ
うに単に吸油度を低くし適度な粗さ(平滑度150秒以
下)を与えるだけでは十分な転写画質は得られず、液体
と転写紙とが接触してから極く短時間での吸収を少なく
し、かつ転写紙がきわめて高い平滑度を有することが必
須の条件であることを見い出した。本発明はこれに基づ
いてなされたものである。
【0007】本発明によれば、(1)静電潜像を液体現
像し転写紙に静電転写する方法において、ブリストー法
吸収係数が2.0ml/m2・ms1/2以下である転写紙
を用いることを特徴とする液体現像転写方法、(2)静
電潜像を液体現像し転写紙に静電転写する方法に使用す
る転写紙において、ブリストー法吸収係数が2.0ml
/m2・ms1/2以下であることを特徴とする液体現像静
電転写用転写紙、及び(3)転写紙の製造方法におい
て、キャレンダー加工によってブリストー法吸収係数を
2.0ml/m2・ms1/2以下とし、かつ王研式平滑度
を150秒以上にすることを特徴とする液体現像静電転
写用転写紙の製造方法、が提供される。
【0008】なお、本発明において「ブリストー法吸収
係数」とは、J.TAPPI紙パルプ試験方法NO.5
1の液体吸収試験方法に示される吸収係数であって、本
発明では液体現像剤の担体液を使用したものとして吸収
係数を定義する。ここでブリストー法による吸収係数の
求め方を記述すれば下記のとおりである。 既知量の液体を添加したヘッドボックスを、任意の一
定速度で移動している試験片に接触させ、スリットを通
して紙面に液を完全に吸収させる。このとき、吸収時間
Tはスリット幅と試験片の移動速度から、下式で示され
る接触時間で定義される。 また、液体の転移量Vは、ヘッドボックスへの液体添
加量をXμl、紙面に転移し終わるまでに液体が残した
転移跡の長さ(トレース長)をAmmとすると、 で表される。 吸収時間と液体の転移量より、極く短時間での紙及び
板紙の吸収特性を知ることができる。吸収時間の平方根
に対して、転移量をブロットすると、一般には図1の吸
収曲線及び等式が得られる。 V=Vr+Ka√(T−Tw) V:転移量(ml/
2) Vr:粗さ指数(ml/m2) Ka:吸収係数(ml/m2・ms1/2) T:吸収時間(ms) Tw:ぬれ時間(ms) ここで粗さ指数Vrは液体の浸透には全く無関係であ
り、表面の凹凸等によるものである。吸収係数Kaは吸
収の速さを表す指標であり、液体と紙の接触角、紙表面
の毛管半径、液体の粘度及び表面張力に関係する。ぬれ
時間Twは、液体と紙の接触角が大きいときに観察され
るもので、液体が紙繊維の表面をぬらしてから吸収が始
まるまでの時間である。
【0009】以下に本発明をさらに詳細に説明する。本
発明におけるブリストー法吸収係数は、転写紙の液体吸
収性を特性値化した点においては特公昭50−1064
9号、特公昭50−10650号の吸油係数αと類似性
のある特性値であるが、吸油係数αが液体の吸収挙動を
紙の表面から裏面にしみこみ一定の面積に広がる時の時
間から求めるように、長い時間における吸収挙動をとら
えた特性であるのに対して、ブリストー法吸収係数は短
時間における挙動を示し、時間的尺度において大きな差
異がある。液体現像転写法においては、液体現像剤が転
写紙に接触してから転写工程が実質的に完了するまでの
転写時間は概ね100msec前後である。ところが、
非塗工紙の吸油係数αを算出する際の吸収時間は概ね1
0秒前後であり、転写時間の100msecと2オーダ
ー異なる。この時間的尺度の差異が吸油係数αと転写画
質の相関性を不十分にすると考えられ。
【0010】一方、ブリストー法では、液体と転写紙の
接触時間を1msec〜10秒程度の範囲の中で接触時
間を変えて転移量を測定し、吸収時間の平方根に対して
転移量をプロットして吸収曲線を得る。吸収曲線の形状
は吸収時間100msec前後では直線性が認められ、
その傾きからブリストー法吸収係数を求めることができ
る。吸収時間が更に長くなると、直線性は認められなく
なり、傾きは次第に緩やかになる。このことからも、長
い時間における吸収挙動をとらえた特性は転写工程にお
ける液の吸収挙動と異なることが理解できる。
【0011】本発明の課題を達成するには、ブリストー
法吸収係数は2.0ml/m2・ms1/2以下にすること
が必要である。2.0ml/m2・ms1/2を越えると転
写時間の途中で液体現像剤の担体液が吸収されてしま
い、転写が不十分になる。ブリストー法吸収係数を2.
0ml/m2・ms1/2以下にするには特公昭50−10
649号に示される前記の4つの手段から特に適切な手
段を選択することで達成できる。但し、前記の4つの手
段は必要条件ではあるけれども、十分条件ではなく、こ
の点においては未だ解明は十分ではない。
【0012】また、本発明は転写紙の王研式平滑度を1
50秒以上にすることを必須の条件とする。特公昭50
−10650号では液体現像転写紙の要件として吸油度
が低いことと適度な表面粗さがあることを不可欠の条件
とし、表面粗さとしてはベック法表示で150秒以下で
あることが必要としている。しかしながら、平滑度が低
いと転写紙表面の凹部を液体現像剤の担体液が満たす結
果、転写に必要な担体液が不足することになり、転写画
質が低下する。
【0013】転写紙の平滑度を150秒以上にするには
キャレンダー加工が有効な製法でなる。キャレンダー加
工による高平滑化は転写紙のブリストー法吸収係数を
2.0ml/m2・ms1/2以下にする手段としても有効
であって、転写紙の自由度が高い(前記の4つの手段を
選択することによる制約がない)点でも実用的な手段と
いえる。
【0014】
【実施例】次に実施例により本発明を具体的に説明す
る。転写紙として用いた用紙を表1に非塗工紙、表2に
非塗工紙をキャレンダー処理したもの、のそれぞれの物
性を示す。
【0015】
【表1】
【0016】
【表2】
【0017】実施例1〜6、比較例1〜4 リコー社製の液体現像転写機リコーFT400iを改造
して、感光体、現像ローラー、リバースローラーを図2
に示したような構成にし、表3にあげた条件で複写を行
なった。
【0018】
【表3】
【0019】複写画像の品質は表4のとおりであった。
【表4】 (注 ◎は極めて良好、○は良好、×は不良を表わ
す。)
【0020】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、トナー
の転写性が改善され画像濃度が高くなっただけでなく、
画像品質も向上したものとなる。請求項3の発明によれ
ば、吸収係数が2.0ml/m2・ms1/2以下かつ王研
式平滑度150秒以上にするには、非塗工紙にキャレン
ダー処理を行なうのが効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ブリストー法吸収係数を求めるための説明図。
【図2】液体現像転写方式を実施するのに適した装置の
概略図を示した図。
【符号の説明】
1 感光体 2 現像ローラー 3 リバースローラー 4 液体現像剤

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像を液体現像し転写紙に静電転写
    する方法において、ブリストー法吸収係数が2.0ml
    /m2・ms1/2以下であり、かつ王研式平滑度が150
    秒以上である転写紙を用いることを特徴とする液体現像
    転写方法。
  2. 【請求項2】 静電潜像を液体現像し転写紙に静電転写
    する方法に使用する転写紙において、ブリストー法吸収
    係数が2.0ml/m2・ms1/2以下であり、かつ王研
    式平滑度が150秒以上である転写紙を用いることを特
    徴とする液体現像静電転写用転写紙。
  3. 【請求項3】 転写紙の製造方法において、キャレンダ
    ー加工によってブリストー法吸収係数を2.0ml/m
    2・ms1/2以下とし、かつ王研式平滑度を150秒以上
    にすることを特徴とする液体現像静電転写用転写紙の製
    造方法。
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