JPH08327636A - Afmカンチレバー及びその製造方法 - Google Patents

Afmカンチレバー及びその製造方法

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JPH08327636A
JPH08327636A JP15552795A JP15552795A JPH08327636A JP H08327636 A JPH08327636 A JP H08327636A JP 15552795 A JP15552795 A JP 15552795A JP 15552795 A JP15552795 A JP 15552795A JP H08327636 A JPH08327636 A JP H08327636A
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cantilever
probe
afm
substrate
etching
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JP15552795A
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English (en)
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Mamoru Hasegawa
守 長谷川
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種用途に要求されるレバー特性と探針特性
とを共に満足させると共に、片持ち梁を探針部に強固に
接合できるようにしたAFMカンチレバーとその製造方
法を提供する。 【構成】 片持ち梁101 と、該片持ち梁101 の先端に基
部102aの背面を結合して配設した探針部102 と、片持ち
梁101 の基部の探針部102 の配設面とは反対側に設けら
れた支持部104 とでAFMカンチレバー100 を構成す
る。片持ち梁101 及び探針部102 の構成材料を適宜選択
することにより、各種用途のAFMカンチレバーが得ら
れ、また片持ち梁101 と探針部102 を直接接合させるこ
とが可能となるので、両者を強固に接合することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、原子間力顕微鏡(At
omic Force Microscope : AFM)に用いるAFMカン
チレバー及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、導電性試料を原子サイズオーダー
の分解能で観察できる装置として、走査トンネル顕微鏡
(STM:Scanning Tunneling Microscope )が Binni
g と Rohrer らにより発明されてから、原子オーダーの
表面凹凸を観察できる顕微鏡として各方面での利用が進
んでいる。しかしSTMでは、観察できる試料は導電性
のものに限られている。
【0003】そこで、STMにおけるサーボ技術を利用
しながら、STMでは測定し難かった絶縁性の試料を、
原子オーダーの精度で観察することのできる顕微鏡とし
て、原子間力顕微鏡が提案されている(特開昭62−1
30302号,出願人:IBM,発明者:G.ビニッ
ヒ,発明の名称:サンプル表面の像を形成する方法及び
装置,参照)。
【0004】一方、最近SNOM(Scanning Near-fiel
d Optical Microscope)測定が注目されている。これは
STMやAFMと同じく走査型プローブ顕微鏡(Scanni
ng Probe Microscope :SPM)の一種で、光照射され
ている試料近傍で光透過性のある探針を走査することに
よって、極めて分解能の高い光学像を得る測定方法であ
る。そして光透過性を有する窒化シリコン膜製の探針を
持つAFMカンチレバーを、このSNOM測定に適用で
きることが報告されている〔N.F.van Hulst,M.H.P.Moer
s,O.F.J.Moordman,R.G.Tack,F.B.Segerink,B.Bolger :
Near-field optical microscope using aosilicon-nitr
ide probe, Appl.Phys.lett.62,461(1993 )参照〕。
【0005】AFMの構造はSTMに類似しており、走
査型プローブ顕微鏡(SPM)の一つとして位置づけら
れる。AFMでは、自由端に鋭い突起部分(探針部)を
持つカンチレバーを試料に対向・近接して配置し、探針
部の先端の原子と試料原子との間に働く相互作用によ
り、変位する片持ち梁の動きを電気的あるいは光学的に
とらえて測定しつつ、試料をXY方向に走査し、片持ち
梁の探針部との位置関係を相対的に変化させることによ
って、試料の凹凸情報などを原子サイズオーダーで三次
元的にとらえることができるようになっている。
【0006】上述したようなAFM等における走査型プ
ローブ顕微鏡(SPM)用のカンチレバーチップとして
は、T.R.Albrechtらが半導体IC製造プロセスを応用し
て作製することのできる酸化シリコン膜製のカンチレバ
ーを提案して以来〔Thonas R.Albrecht and Calvin F.Q
uate : Atomic resolution imaging of a nonconductor
Atomforce Microscopy, J.Appl.Phy.62(1987)2599参
照〕、ミクロンオーダーの高精度で優れた再現性を持っ
て作製することが可能なっている。また、このようなカ
ンチレバーチップは、バッチプロセスによって作製する
ことができ、低コスト化が実現されている。よって現在
では、半導体IC製造プロセスを応用して作製されるカ
ンチレバーチップが主流となっている。
【0007】AFMの測定方式としては、試料と探針を
1nm程度に近接させて測定する接触方式、5〜10nm離し
て測定する非接触方式、試料表面を探針で軽くたたきな
がら移動させて測定するタッピング方式等がある。これ
らの測定方式のうち、非接触方式及びタッピング方式で
は堅いカンチレバーを用いる必要がある。
【0008】堅いカンチレバーを作製するためには、レ
バー膜を厚くする必要があり、このうよなAFMカンチ
レバーとして、探針部、レバー、支持部をシリコンで一
体に形成するものが広く知られている〔例えば、O.Wolt
er,Th.Bayer, and J.Greschner : Micromachined silic
on sensors for scanning force microscopy, J.Vac.Sc
i.Technol.B9(2),May/April 1991参照〕。
【0009】このシリコン一体形成型のAFMカンチレ
バーは、前述したものとおなじく半導体製造技術を用い
て作製するため、ミクロンオーダーの高精度で非常に再
現性よく作製することができると共に、レバーをシリコ
ン基板で形成するため厚いレバーを作製することが容易
である。また探針部がシリコンで形成されているため、
シリコンに不純物をあらかじめ拡散させておくことによ
り、探針部に導電性を付加させることができるので、S
TM測定や表面修飾、加工も可能である。
【0010】次に、図6を参照しながら、従来より実施
されている半導体IC製造プロセスを応用した窒化シリ
コン膜製AFMカンチレバーの製造方法について説明す
る。まず、図6の(A)に示すように、面方位(10
0)Si基板610 上に窒化シリコン膜パターン601 を設
け、スタート基板620 を形成する。次に図6の(B)に
示すように、この窒化シリコン膜パターン601 を耐エッ
チングマスクとして、Si基板610 にカンチレバーの探針
部の型となる四角錐状のレプリカ穴602 を形成する。こ
の後、図6の(C)に示すように、一旦窒化シリコン膜
パターン601 を除去し、Si基板610 上に新たなカンチレ
バーの母材料となる窒化シリコン膜603 を堆積する。更
に図6の(D)に示すように、この窒化シリコン膜603
をカンチレバーの形状に選択エッチングすることによ
り、カンチレバーパターン605 を形成する。次いで図6
の(E)に示すように、このカンチレバーパターン605
上の所定領域に、カンチレバーの支持部材となるパイレ
ックスガラス604 を陽極接合する。続いて、図6の
(F)に示すように、Si基板610 をエッチングにより除
去し、支持部、レバー部(片持ち梁)及び探針部を備え
たAFMカンチレバー600 が得られる。
【0011】したがって、この製法により製造されるA
FMカンチレバーは、ガラス製の支持部と窒化シリコン
膜で一体形成された探針部及び片持ち梁とにより構成さ
れる。そして、このように構成されたAFMカンチレバ
ーは、ミクロンオーダーの高精度で非常に再現性よく作
製することができ、しかも探針部が材料的性質として親
水性である窒化シリコン膜で形成されているので、生体
試料に有効な液中でのAFM測定に適している。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記図6で
示した製造方法で作製された、窒化シリコン膜で探針部
及び片持ち梁を一体形成した従来のAFMカンチレバー
は、次のような問題点がある。すなわち、まず、カンチ
レバーの厚さはレプリカ穴形成後に堆積する窒化シリコ
ン膜の堆積膜厚で決定されるが、窒化シリコン膜堆積時
の応力によって発生するクラックや基板のそりを回避す
るため、堆積できる膜厚は1μm程度が限界となる。し
たがって、前述した非接触方式やタッピング方式の測定
に有効な堅いカンチレバーを形成することが困難であ
る。また、探針部が絶縁性の窒化シリコン膜で構成され
るため、STM測定や表面修飾、加工などへの応用が困
難である。
【0013】また、窒化シリコン膜製のAFMカンチレ
バーにおいては、下地基板のエッチング除去後の片持ち
梁の反りを回避するため、用いる窒化シリコン膜の組成
としては、通常の半導体ICに用いられるSiと窒素の含
有比3:4のものより、Si含有比の高いものを使用する
必要がある。このようなSi含有比の高い窒化シリコン膜
は、Siと窒素の含有比3:4のものより硬度が劣ること
が知られている。
【0014】更に、窒化シリコン膜製の探針部及びシリ
コン製の探針部の何れも機械的強度が弱く、このような
カンチレバーを用いての超微細な機械的加工技術への応
用には、従来のAFMカンチレバーは不向きである。こ
のように従来の半導体製造技術を用いて作製するAFM
カンチレバーは、探針部と片持ち梁を同一材料で形成し
ていたため、探針部としての要求特性と片持ち梁として
の要求特性とを同時に満たすことが困難であった。
【0015】探針部に求められる性能と、片持ち梁に求
められる性能を同時に満たす方法としては、探針部と片
持ち梁の構成部材をそれぞれ独立に任意に構成すればよ
いことは容易に考えつくが、数μm〜数十μm程度の探
針を別に用意した片持ち梁に接着することは容易ではな
い。そこで図7の(A)〜(F)に示すように、同一基
板上で片持ち梁706 と探針部705 を順に続けて形成する
ことが考えられる。すなわち、まず図7の(A)に示す
ように、面方位(100)のSi基板710 に片持ち梁を構
成するSiN膜701 を堆積し、更にその表面に探針部形成
時のエッチングストッパーとしてのSiO2 膜702 を形成
する。続いてSi基板710 にレプリカ穴703 をエッチング
により形成する。次にレプリカ穴703 を含む基板表面
に、図7の(B)に示すように、Si3 4 等の探針部の
母材料704 を堆積し、レプリカ穴の部分にマスクパター
ンを形成した後、探針部を除いた周辺部の母材料704 を
エッチングして、図7の(C)に示すように、探針部70
5 を得る。次いで、この表面に片持ち梁の形状にマスク
パターンを形成し、図7の(D)に示すように、片持ち
梁706 を得、熱処理して表面に酸化シリコン膜707 を形
成する。その後、図7の(E)に示すように、片持ち梁
706 の探針部705 とは反対側の一端の表面に、支持部70
8 を接合する。次いで、図7の(F)に示すように、下
地Si基板710 をエッチング除去し、最後に酸化シリコン
膜707 を除去することによって、例えばガラス製の支持
部708 とSiN製の片持ち梁706 とSi3 4 の探針部705
により構成されたAFMカンチレバー700 を得ることが
できる。
【0016】しかしながら、このように構成したAFM
カンチレバーにおいては、片持ち梁706 と探針部705 と
の界面には、探針部形成時のエッチングストッパーとし
てのSiO2 膜702 が形成されているため、基板710 のエ
ッチング時に探針部705 が片持ち梁よりとれてしまう場
合が多く、また、界面にエッチングストッパーとしての
SiO2 膜を形成しない場合には、エッチングにおける選
択性の悪い材料を用いたときに、エッチング終了の判断
がつきにくく、片持ち梁部までエッチングが行われるた
め、片持ち梁の厚さの制御が難しくなるという欠点を有
する。
【0017】本発明は、従来の半導体製造技術を用いて
作製するAFMカンチレバーにおける上記問題点を解消
するためになされたもので、各種の用途、使用方法にお
のおの要求されるレバー特性と探針特性とを共に満足さ
せることの可能なAFMカンチレバー及びその製造方法
を提供することを目的とする。そのために請求項1記載
の発明は、片持ち梁と探針部を個別に接合性よく構成す
ることが可能なAFMカンチレバーを提供することを目
的としている。請求項2記載の発明は、あらゆる測定に
対応でき容易に構成可能なAFMカンチレバーを提供す
ることを目的とする。請求項3記載の発明は、請求項1
又は2記載のAFMカンチレバーにおいて、特殊な装置
を要せず、基板片面からの加工で容易に形成可能なAF
Mカンチレバーを提供することを目的とする。請求項4
記載の発明は、請求項1〜3記載のAFMカンチレバー
を簡単に制御性よく製造する方法を提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段及び作用】上記問題点を解
決するため、請求項1記載の発明は、片持ち梁の支持部
と、該支持部より延びるように配置された片持ち梁と、
該片持ち梁の自由端であって、該片持ち梁に対して前記
支持部と反対側である裏面側に突出させて設けた探針部
とを備えたAFMカンチレバーにおいて、前記探針部は
その背面を片持ち梁に結合して構成するものである。
【0019】このように片持ち梁に対して探針部をその
背面で接合させることにより、SiO2 膜等の薄膜を介在
させずに両者を直接結合させることが可能となり、強固
に固着させることができる。また、片持ち梁と探針部を
それぞれ別個の部材で容易に構成することが可能とな
り、用途、使用方法に応じて、探針部及び片持ち梁にそ
れぞれ要求される特性を持たせることができる。例え
ば、片持ち梁形成部材としてSiを用いると堅いレバー特
性が得られ、窒化シリコン膜を用いると柔らかいレバー
特性が得られる。そして各片持ち梁に対して光透過性、
親水性、導電性、硬質性等の各種特性をもつ探針部を、
用途に応じて形成することが可能となる。また、背面側
から複数部材の堆積で探針部を構成することにより、芯
材をもつ構造とすることができ、柔軟性をもつ部材で探
針部を構成することも可能となる。
【0020】請求項2記載の発明は、請求項1記載のA
FMカンチレバーにおける片持ち梁と探針部とを、別個
の材料で構成するものである。これにより、片持ち梁は
片持ち梁に適したSiN等を用い、探針部にSi3 4 等の
光透過性部材を用いると、SNOM測定にも対応可能な
AFMカンチレバーが得られるなど、目的に応じた部材
を片持ち梁と探針部にそれぞれ別個に選択することによ
って、あらゆる測定に対応できるAFMカンチレバーを
実現することができる。
【0021】請求項3記載の発明は、請求項1又は2記
載のAFMカンチレバーにおける片持ち梁の支持部を、
片持ち梁に対して探針部と反対側である表面に接合され
た部材で構成するものである。これにより、特殊な装置
を要せず、基板片面からの加工で請求項1又は2記載の
AFMカンチレバーを容易に形成することができる。
【0022】請求項4記載の発明は、基板の表面にエッ
チング処理により探針部用のレプリカ穴を形成する工程
と、前記レプリカ穴を含む基板上に探針部の母材料を堆
積させる工程と、前記探針部の母材料を所定の形状にエ
ッチングして探針部を形成する工程と、形成された前記
探針部及び基板上に片持ち梁の母材料を堆積する工程
と、前記片持ち梁の母材料を加工して基板表面に片持ち
梁パターンを形成する工程と、前記片持ち梁パターンの
一端表面に片持ち梁の支持部を接合する工程と、前記基
板表面に形成された片持ち梁パターンを片持ち梁の厚さ
分残して、基板を裏面よりエッチング除去する工程とで
AFMカンチレバーの製造方法を構成するものである。
これにより、請求項1〜3記載のAFMカンチレバーを
容易に制御性よく製造することができる。
【0023】
【実施例】次に実施例について説明する。図1の(A)
は、本発明に係るAFMカンチレバーの第1実施例を示
す全体斜視図で、図1の(B)はその断面図である。こ
の実施例のAFMカンチレバー100 は片持ち梁101 と、
該片持ち梁101 の先端に設けられた探針部102 と、該片
持ち梁101 の基部に設けられた支持部103 より構成され
ている。探針部102 は、片持ち梁101 の上面にその基部
102aが埋め込まれ、基部102aの背面が片持ち梁101 に接
合した状態で結合されている。片持ち梁101の構成材料
には、窒化シリコンが適しているが、その他の部材でも
成膜により片持ち梁が形成できるものであれば用いるこ
とができる。探針部102 の形成材料には、用途に応じて
光透過性、導電性、硬質性等の各種特性を有する部材を
適宜選択できる。そして、支持部103 にはガラス,Si等
を用いることができる。
【0024】探針部102 の形成部材として、光透過性の
ある窒化シリコン膜,酸化シリコン膜,ITO,SnO2
等を用いることにより、SNOM測定やそのスペクトル
測定が可能となる。なお、この場合に用いる窒化シリコ
ン膜としては、Siと窒素との含有比が3:4である膜組
成のものを使用した方が、従来のAFMカンチレバーに
使用されている低応力化した窒化シリコン膜よりも適し
ている。これは低応力化した窒化シリコン膜では、Siの
含有比が多いため、波長400 nm以下でSiによる光吸収に
起因する光透過性の低下が見られるからである。また、
この場合、探針部の背面に形成した部材に開口を設ける
ことは言うまでもない。
【0025】一方、探針部102 の形成部材として導電性
材料を用いれば、AFM測定のみならずSTM測定、あ
るいはSTMを用いた原子、分子操作等の表面修飾や加
工にも適用可能である。導電性材料としては各種金属を
用いることができるが、特にMo,W等の高融点金属及び
そのシリサイドを使用することにより、探針部の形成部
材の成膜後も高温熱処理することが可能となり、作製上
の制約が少ない。また前述のITO,SnO2 等の透明電
極材料を用いることにより、AFM、SNOM、STM
測定を全て行うことが可能となる。更にまた、探針部の
形成部材として、SiCやDLC(Diamond Like Carbon
)等の硬質材料を用いることにより、被加工体表面を
走査して削る等の超微細な機械的加工技術も可能とな
る。
【0026】次に、上記第1実施例のAFMカンチレバ
ーの製造方法を図2の(A)〜(G)に示す製造工程図
に基づいて説明する。まず面方位(100)のSi基板21
0 に酸化シリコン膜等から成る保護膜203 を形成し、こ
れに探針形成部(図示せず)を開口する。続いてSi基板
210 にレプリカ穴212 をエッチングにより形成して図2
の(A)の状態の構成を得る。エッチングにはドライエ
ッチング、ウェットエッチングともに使用可能である。
次にレプリカ穴212 を含む図2の(A)に示す基板表面
に、図2の(B)に示すようにSi3 4 等の探針形成部
材(母材料)222 を堆積し、レプリカ穴の部分にマスク
パターンを形成した後、探針部を除いた周辺部の探針形
成部材222 をエッチングして、図2の(C)に示すよう
に探針部202 を得る。このとき、Si基板210 の表面に形
成した酸化シリコン膜からなる保護膜203 をエッチング
のストッパーに用いると、エッチングの制御が容易であ
る。次に、表面の酸化シリコン膜をエッチングにより除
去した探針部202 及びSi基板210 の表面に、図2の
(D)に示すように片持ち梁を構成するSiN等からなる
膜(母材料)211 を堆積する。次いで、この表面に片持
ち梁の形状にマスクパターンを形成し、エッチングして
基板210 を露出させ、図2の(E)に示すように、片持
ち梁パターン206 を形成し、熱処理して表面に酸化シリ
コン膜205 を形成する。
【0027】その後、図2の(F)に示すように、片持
ち梁パターン206 の探針部202 が結合している側とは逆
側の一端の表面に、支持部204 を接合する。この支持部
204の接合方法としては、例えば予め片面に溝を形成し
たパイレックスガラス(例えばコーニング♯7740)を陽
極接合したり、あるいは適当な支持部材を接着剤等を用
いて接合する方法が用いられる。その後、図2の(G)
に示すように、水酸化テトラメチルアンモニウム(TM
AH)水溶液等のアルカリ水溶液により、下地Si基板21
0 をエッチング除去し、最後にフッ化水素酸水溶液によ
り酸化シリコン膜205 を除去することによって、例えば
ガラス製の支持部204 とSiN製の片持ち梁201 とSi3
4 製の探針部202 により構成された本発明に係るAFM
カンチレバー200 を得ることができる。
【0028】本実施例では、Si基板上に形成した探針部
の上から片持ち梁を形成する製造方法であることから、
探針部はその背面部分で片持ち梁と接合され、両者の界
面には他の膜が存在しない。この特徴によって、探針部
に片持ち梁の部材と接合性の良い部材を用いたAFMカ
ンチレバーを形成する場合に有効である。
【0029】次に、本発明に係るAFMカンチレバーの
第2実施例について、図3に示す横断面図を用いて説明
する。この実施例は、探針部302 を、探針形成部材を薄
く製膜して形成した表層部302aと、片持ち梁301 の形成
部材で形成した芯部302bとからなる二重構造に構成した
こを特徴としている。この実施例によるAFMカンチレ
バー300 では、厚膜の製膜が難しい部材で構成する探針
部や、薄膜コーティングされた探針部の一括形成が可能
となる。なお、図3において、304 は支持部を示してい
る。
【0030】本実施例によるAFMカンチレバーの製造
方法としては、第1実施例の製造方法における図2の
(B)に示した製造工程において、探針形成部材を薄く
製膜する以外の工程は第1実施例と全く同じ工程の製造
方法が用いられる。
【0031】次に、本発明に係るAFMカンチレバーの
第3実施例について、図4に示す横断面図を用いて説明
する。この実施例は、探針部402 を、第1の探針形成部
材を薄く製膜して形成した表層部402aと、第2の探針形
成部材で形成した芯部402bとからなる二重構造に構成し
たことを特徴としている。本実施例によるAFMカンチ
レバー400 では、二重構造とした探針部402 の芯部402b
も片持ち梁401 とは別個の部材で形成されているので、
多様な測定に対応できるAFMカンチレバーが実現可能
となる。なお、図4において、404 は支持部を示してい
る。
【0032】次に、上記第3実施例によるAFMカンチ
レバーの製造方法を、図5の(A)〜(E)に示す製造
工程図に基づいて説明する。まず面方位(100)のSi
基板510 に酸化シリコン膜等から成る保護膜503 を形成
し、これに探針形成部(図示せず)を開口する。続いて
Si基板510 にレプリカ穴512 をエッチングにより形成し
て図5の(A)に示す状態の構成を得る。エッチングに
はドライエッチング、ウェットエッチングともに使用可
能である。次にレプリカ穴512 を含む図5の(A)に示
す基板表面に、図5の(B)に示すようにAl等の第1の
探針形成部材(母材料)522 を堆積し、次いで図5の
(C)に示すように、その上からSiN等の探針部の芯部
を形成する第2の探針形成部材(母材料)532 を堆積す
る。続いてレプリカ穴の部分にマスクパターンを形成し
た後、探針部を除いた周辺部の第1及び第2の探針形成
部材522 及び532 をエッチングして、図5の(D)に示
すように探針部502 を得る。このとき、Si基板510 の表
面の酸化シリコン膜からなる保護膜503 をエッチングの
ストッパーに用いると、エッチングの制御が容易であ
る。次に、図5の(E)に示すように所望のパターンに
形成された探針部502 の表面に片持ち梁を構成するSiN
等からなる膜(母材料)511 を堆積する。以下、図2の
(E)〜(G)に示した第1実施例の工程と同様の手順
により、図4に示す構造の探針部表面に導電性を有する
AFMカンチレバーを得ることができる。
【0033】
【発明の効果】以上実施例に基づいて説明したように、
請求項1記載の発明によれば、片持ち梁を探針部の背面
側に形成する構成としているので、探針部の形成部材を
片持ち梁とは別個に選択可能となる。したがって、探針
部は用途に応じた部材を選択することができ、さまざま
な測定に応用可能なAFMカンチレバーを提供すること
が可能となる。また、片持ち梁の厚さの制御が容易で、
しかも探針部と片持ち梁が直接接触し、接合強さを十分
に確保することができる。更に、探針部を薄膜の表層部
と、片持ち梁を構成する部材で形成した芯部とからなる
二重構造とすることによって、比較的柔軟な部材や厚膜
の形成が困難な部材でも、容易に探針部を形成すること
が可能となる。請求項2記載の発明によれば、片持ち梁
には片持ち梁に適したSiN等を用い、探針部にはSi3
4 等の光透過性材料を用いることにより、SNOM測定
にも対応可能なAFMカンチレバーが得られる等、目的
に応じた材料を片持ち梁と探針部にそれぞれ別個に選択
することによって、あらゆる測定に対応できるAFMカ
ンチレバーを提供することが可能となる。請求項3記載
の発明によれば、特殊な装置を要せず、基板片面からの
加工で、請求項1又は2記載のAFMカンチレバーが形
成可能となる。請求項4記載の発明によれば、請求項1
〜3記載のAFMカンチレバーを、簡単に制御性よく作
成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るAFMカンチレバーの第1実施例
を示す斜視図と横断面図である。
【図2】図1に示した第1実施例のAFMカンチレバー
の製造方法を説明するための製造工程図である。
【図3】本発明の第2実施例を示す横断面図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す横断面図である。
【図5】図4に示した第3実施例のAFMカンチレバー
の製造方法を説明するための製造工程図である。
【図6】従来のAFMカンチレバーの製造方法を説明す
るための製造工程図である。
【図7】従来の他のAFMカンチレバーの製造方法を説
明するための製造工程図である。
【符号の説明】
100,200,300,400, AFMカンチレバー 101,201,301,401 片持ち梁 102,202,302,402,502 探針部 102a 基部 302a 表層部 302b 芯部 402a 表層部 402b 芯部 203,503 保護膜 104,204,304,404 支持部 205 酸化シリコン膜 206 片持ち梁パターン 210,510 Si基板 211,511 膜(母材料) 212,512 レプリカ穴 222 探針形成部材 522 第1の探針形成部材 523 第2の探針形成部材

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 片持ち梁の支持部と、該支持部より延び
    るように配置された片持ち梁と、該片持ち梁の自由端で
    あって、該片持ち梁に対して前記支持部と反対側である
    裏面側に突出させて設けた探針部とを備えたAFMカン
    チレバーにおいて、前記探針部はその背面を片持ち梁に
    結合していることを特徴とするAFMカンチレバー。
  2. 【請求項2】 前記片持ち梁と探針部とは、それぞれ別
    個の材料で構成されていることを特徴とする請求項1記
    載のAFMカンチレバー。
  3. 【請求項3】 前記片持ち梁の支持部は、前記片持ち梁
    に対して前記探針部と反対側である表面に接合された部
    材で構成されていることを特徴とする請求項1又は2記
    載のAFMカンチレバー。
  4. 【請求項4】 基板の表面にエッチング処理により探針
    部用のレプリカ穴を形成する工程と、前記レプリカ穴を
    含む基板上に探針部の母材料を堆積させる工程と、前記
    探針部の母材料を所定の形状にエッチングして探針部を
    形成する工程と、形成された前記探針部及び基板上に片
    持ち梁の母材料を堆積する工程と、前記片持ち梁の母材
    料を加工して基板表面に片持ち梁パターンを形成する工
    程と、前記片持ち梁パターンの一端表面に片持ち梁の支
    持部を接合する工程と、前記基板表面に形成された片持
    ち梁パターンを片持ち梁の厚さ分残して、基板を裏面よ
    りエッチング除去する工程とを有することを特徴とする
    AFMカンチレバーの製造方法。
JP15552795A 1995-05-31 1995-05-31 Afmカンチレバー及びその製造方法 Withdrawn JPH08327636A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005529754A (ja) * 2002-01-15 2005-10-06 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション 微細構造
JP2009525473A (ja) * 2006-02-01 2009-07-09 ナノスカレ システムズ、ナノス ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ミニチュアばね要素とその製造方法

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