JPH0832690B2 - ピペリジンの合成方法 - Google Patents

ピペリジンの合成方法

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JPH0832690B2
JPH0832690B2 JP62112090A JP11209087A JPH0832690B2 JP H0832690 B2 JPH0832690 B2 JP H0832690B2 JP 62112090 A JP62112090 A JP 62112090A JP 11209087 A JP11209087 A JP 11209087A JP H0832690 B2 JPH0832690 B2 JP H0832690B2
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piperidine
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pyridine
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Description

【発明の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 本発明はピペリジンの合成方法に関する. ピペリジンは、ゴム薬品、染料、医薬、エポキシ硬化
剤等の原料として有用な物質で,無色でアンモニア臭の
ある沸点106℃の液体で,水,アルコールなどと任意に
混合する. 〈従来技術及びその問題点〉 ピペリジンの工業的合成技術としては、ピリジンを白
金、ルテニウム、パラジウム、ニッケル等の接触還元反
応触媒を用いて水素添加するか,アルコールとナトリウ
ムで還元する方法が知られている。
一般に水素添加反応において発生するエネルギーは、
大きいものであるが、ピリジンの水素添加反応によるピ
ペリジンの合成における発生エネルギーも例外ではなく
大きなものである. これは不飽和化合物が水素と化合して不飽和結合を失
う際に遊離する熱エネルギーであり,G.B.Kistiakowsky
らにより正確に測定されている. 具体的にはJ.Am.Chem.Soc,57p1789〜1791(1935)に
よれば−ΔHr=47.68kcal/molであり、非常に大きな発
熱反応であることがわかる. 発熱量がこのように大きいため、一般に水素添加反応
のための設備は、高圧設備としてだけでなく、強力な除
熱能力を有する設備でなくてはならず、当然のことなが
ら,その設備は高価で複雑なものとなる。
水素添加反応のための設備のような高圧設備は、その
機能上、単純な構造の方が望ましく、そのため、除熱能
力に大きく影響する伝熱面積は、相対的に小さなものと
なり易い。
比較的除熱能力の小さい設備を用いて、水素添加のよ
うな反応を行なわせる場合、水素添加される原料を溶媒
で希釈して、単位体積当たりに発生する熱量を小さくす
ることは、よく行なわれることである。
この場合、選定される反応溶媒が適切なものであるこ
とが、生成物の収率、品質等に影響を与えることは明ら
かである。
ピリジンから水素添加反応によってピペリジンを合成
する場合に用いる反応溶媒は、その使用目的から、熱容
量が大きく、また,ピリジン、ピペリジンとの分離性が
良く、また、反応性のない化合物が望ましい。
熱容量が大きく、反応性のない反応溶媒としてこの反
応の場合、水があるが、水はピリジン、ピペリジンの両
方とも任意に溶解するので,反応後これを分離するため
には蒸溜操作を必要とする. ところで,水は蒸発潜熱が大きく、ピリジン、ピペリ
ジンから蒸留操作によって分離しようとする場合、多大
なエネルギーを必要とし、熱経済的に問題がある。
また,水はピペリジンと沸点が近接しており蒸留操作
によって分離するには不都合である. 水の他に比較的熱容量が大きく、蒸発潜熱が小さい反
応溶媒として適当な化合物としてはアルコール、例えば
メタノール、イソプロピルアルコール等がある。
これらメタノール、イソプロピルアルコール等は、ピ
リジン、ピペリジンとの反応性も乏しく、水素添加反応
溶媒としてある程度条件に適ったものである。
しかし、ピリジンの水素添加反応においては、ニッケ
ル、ルテニウム、白金等の接触還元反応触媒を用いるの
で、安価で分離の容易なメタノールを反応溶媒として用
いた場合、N−メチルピペリジンが少量副生する。
副生するN−メチルピペリジンの量は反応時間により
0.1wt%から0.5wt%程度まで変化する. この副生するN−メチルピペリジンはピリジンと沸点
が接近しているので、蒸留操作でN−メチルピペリジン
を分離して、高純度のピペリジンを得ることは困難にな
る。
同様にイソプロピルアルコールを用いた場合には、N
−イソプロピルピペリジンが少量副生する。
N−イソプロピルピペリジンとピペリジンの蒸留操作
による分離はN−メチルピペリジンとピペリジンの分離
と比較して容易であるが,副生物の存在は、ピリジンの
使用率を悪化させ、必然的に収益性を悪化させる。
〈発明が解決しようとする問題点〉 ピリジンからピペリジンを水素添加反応を用いて合成
しようとする場合、反応溶媒としてメタノールを用いる
と、前にも述べたように、N−メチルピペリジンが副生
し、問題となる。
反応は、次式に従って起こる。
即ち、N−メチルピペリジンは、水素添加反応によっ
て生成したピペリジンにメタノールが脱水をともなう水
素移動反応を起すことによって生じるものであり、メタ
ノールを反応溶媒として使用する限り、N−メチルピペ
リジンの少量の生成は防ぐことができない。
また、この反応は使用する全てのアルコール類によっ
て起こり得る。
このような状況に鑑み,本発明者はピリジンからピペ
リジンを水素添加反応によって得る場合に使用できる反
応溶媒について、鋭意検討した結果、ピペリジンを反応
溶媒として用いることにより、副反応を防止し、高圧反
応器の除熱能力を補償することが可能であり、更に、反
応溶媒を分離する必要がなくなるという利点を見い出
し、本発明を完成させた. 〈発明の構成〉 すなわち,本発明は 「(1)ピリジンに水素添加してピペリジンを合成する
方法において、連続反応装置にピリジンとピペリジンを
同時に、または段階的にピリジンとピペリジンを供給し
ながら水素加圧することを特徴とするピペリジンの合成
方法。」 および 「(2)ピリジンに水素添加してピペリジンを合成する
方法において、バッチ反応装置にピリジンとピペリジン
を同時に、またはピリジンとピペリジンを順次仕込んだ
後、水素加圧するか、または水素加圧しながらピリジン
とピペリジンを同時に、またはピリジンとピペリジンを
順次仕込むことを特徴とするピペリジンの合成方法。」
である。
本発明のポイントは、ピリジンからピペリジンを水素
添加によって、工業的に合成しようとする場合に目的製
品であるピペリジンそのものを反応溶媒として用いるこ
とにある。
反応生成物がピペリジンであり,反応溶媒もピペリジ
ンであるということは当然のことながら,連続的な製造
の場合は具体的には反応の最初は一定量のピペリジンを
共存させることが必要であるが,その後は生成したピペ
リジンを一部循環することにより本発明を実施すること
が可能である. バッチ式の場合は反応容器に出発原料であるピリジン
と反応溶媒であるピペリジンを混合し,前記したような
白金,ルテニウム,パラジウム,ニッケルのような触媒
を共存させて反応を進行させる. 反応溶媒となるピペリジンとピリジンとの混合比率は
1/2〜2/1,好ましくは1/1程度である. 反応溶媒となるピペリジンの量が上記の比率より大き
くなると除熱能力という点では充分であるが,製造能力
の点で不利となる. 反対に反応溶媒となるピペリジンの量が上記の比率よ
り小さくなると除熱能力が小さくなるのでこのましくな
い. 連続的な製造の場合は反応により生成したピペリジン
を上記の比率になるように一部循環すれば良い. 使用する触媒の量は出発原料であるピリジンと反応溶
媒であるピペリジンとの合計量に対して0.1〜1wt%,好
ましくは0.3wt%程度である. 使用する触媒の量が0.1wt%未満では反応速度が遅
く,逆に1wt%を以上使用することは触媒の無駄となる
ので,好ましくない. 反応温度は120〜200℃,好ましくは160℃程度であ
る. 反応温度が120℃未満では反応速度が遅く,逆に200℃
以上にすることは副反応などが起る要因となるので,好
ましくない. 反応圧力は50〜100kg/cm2,好ましくは80kg/cm2程度
である. 反応圧力が50kg/cm2未満では反応速度が遅く,逆に10
0kg/cm2以上にすることは副反応などをともなうので好
ましくなく,また,設備の耐圧性の度合いを向上させね
ばならなくなり,設備経済性において不利となるので好
ましくない. 反応時間は上記の条件下,30分程度で充分であり,原
料であるピリジンから目的生成物であるピペリジンへの
転化率実質100%を達成することができる. 連続的な製造の場合に行なう生成物であるピペリジン
の一部循環は触媒を除去した後の製品ピペリジンでも良
いし,触媒を含有した反応粗液のどちらでも良い. 以下、実施例に基づいて、本発明を更に詳しく説明す
るが、本発明が、以下に述べる実施例に限定されるもの
で無いことは当然のことである。
〈実施例−1〉 1のオートクレーブにピペリジン150g,ピリジン150
gを注入して混合し、更に5%Ru/Cを9g添加し、反応温
度160℃,ゲージ圧力で80kg/cm2の水素圧力を印加し
た. 反応時間30分のところで反応を停止し,触媒(5%Ru
/C)を濾過で分離した後、ガスクロマトグラフィーで分
析した結果,ピリジンのピペリジンへの転化率は実質的
に100%であった。
水素添加反応後の反応粗液は、 分析結果を表−1に示す。
ガスクロマトグラフィー分析はFID分析で行い、水分
の分析は、カールフィッシャー法で行った。
〈実施例−2〉 1のオートクレーブにピリジン150gとピペリジン15
0gを注入し、更にRa−Niを33g添加し実施例−1と同じ
条件でおこなった。
反応時間は、1.5時間である。
触媒を濾別した後のガスクロマトグラフィーによる反
応粗液の分析結果を表−2に示す。
〈比較例−1〉 1のオートクレーブにメタノール150gとピリジン15
0gを混合し、更に、5%Pd/Cを9gを添加し,実施例−1
と同じ条件でおこなった。
反応時間は約40分である。
触媒を濾別した後の反応粗液のガスクロマトグラフィ
ーによる分析結果を表−3に示す。
〈比較例−2〉 1のオートクレーブにイソプロピルアルコール150g
にピリジン150gを混合した他は、実施例−1と同じであ
る。
反応時間は約30分である。
触媒を濾別した後の反応粗液のガスクロマトグラフィ
ーによる濾過後の分析結果を表−4に示す。
〈参考例−1〉 1のオートクレーブにメタノール150gにピリジン15
0gを混合した他は実施例−1と同じである。
30分毎にサンプリングを実施し、触媒を濾別した後,
サンプリング液のガスクロマトグラフィーによる分析を
行った。
結果を表−5に示す。
ここで、N−メチルピペリジンの含有割合は、時間に
比例して、増加しており、前記した(1)(2)式で示
した仮説を裏づけている。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピリジンに水素添加してピペリジンを合成
    する方法において、連続反応装置にピリジンとピペリジ
    ンを同時に、または段階的にピリジンとピペリジンを供
    給しながら水素加圧することを特徴とするピペリジンの
    合成方法。
  2. 【請求項2】ピリジンに水素添加してピペリジンを合成
    する方法において、バッチ反応装置にピリジンとピペリ
    ジンを同時に、またはピリジンとピペリジンを順次仕込
    んだ後、水素加圧するか、または水素加圧しながらピリ
    ジンとピペリジンを同時に、またはピリジンとピペリジ
    ンを順次仕込むことを特徴とするピペリジンの合成方
    法。
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