JPH08326849A - フライホイール装置 - Google Patents

フライホイール装置

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Publication number
JPH08326849A
JPH08326849A JP13411095A JP13411095A JPH08326849A JP H08326849 A JPH08326849 A JP H08326849A JP 13411095 A JP13411095 A JP 13411095A JP 13411095 A JP13411095 A JP 13411095A JP H08326849 A JPH08326849 A JP H08326849A
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JP
Japan
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outer peripheral
flywheel
heat insulating
facing surface
insulating groove
Prior art date
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Application number
JP13411095A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Yajima
努 矢島
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Nissan Motor Co Ltd
Original Assignee
Nissan Motor Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 フライホイール装置において、フライホイー
ル本体に生じる熱応力の低減をはかる。 【構成】 フライホイール本体2にクラッチフェーシン
グ面20と外周フランジ25の間に位置して凹状に窪む
断熱溝10を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン等に備えられ
るフライホイール装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用エンジン等のクランクシャフト
に連結されるフライホイール装置は、エンジンのトルク
変動を抑制する機能を果たすほか、エンジンの動力を断
続するクラッチの機能を果たすとともに、その外周部に
取付けられたリングギアを介してエンジン始動時にスタ
ータモータからの起動力をクランクシャフトに伝達する
機能を果たしている(実開平2−140056号公報、
参照)。
【0003】従来のフライホイール装置として例えば図
5に示すように、自動車用エンジンのクランクシャフト
1に連結されるフライホイール本体2は、クラッチディ
スクに摺接するクラッチフェーシング面20と、その外
周部に形成されたクラッチカバーに接合する外周フラン
ジ25と、その外周部にリングギア3が圧入されるリン
グギア用嵌合面24とを有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような従来のフラ
イホイール装置にあっては、クラッチの断続時にクラッ
チディスクがクラッチフェーシング面20に摺接する運
転状態では、摩擦熱によりクラッチフェーシング面20
が加熱され、フライホイール本体2の温度分布は図5に
2点鎖線で示すようにクラッチフェーシング面20に近
接する部位が最も高温となり、クラッチフェーシング面
20から離れるのにしたがって次第に低温となる。フラ
イホイール本体2はこの温度分布によりその外周部が前
方に反ろうとして、外周フランジ25に生じる引張方向
の応力が発生し、十分な強度を確保することが難しいと
いう問題点がある。
【0005】本発明は上記の問題点を解消し、フライホ
イール装置において、フライホイール本体に生じる熱応
力の低減をはかることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のフライ
ホイール装置は、出力軸に連結されるフライホイール本
体と、フライホイール本体に形成されたクラッチディス
クに摺接するクラッチフェーシング面と、フライホイー
ル本体の外周部に形成されたクラッチカバーに接合する
外周フランジと、フライホイール本体の外周部に外周フ
ランジを挟んでクラッチフェーシング面と反対側から圧
入されるリングギアと、を備えるフライホイール装置に
おいて、前記フライホイール本体にクラッチフェーシン
グ面と外周フランジの間に位置して凹状に窪む断熱溝を
形成する。
【0007】請求項2に記載のフライホイール装置は、
請求項1に記載の発明において、前記断熱溝の深さをそ
の一部がリングギアに対して回転軸方向に重合するよう
に設定する。
【0008】請求項3に記載のフライホイール装置は、
請求項1または2に記載の発明において、前記断熱溝の
断面形をその内奥部から開口部にかけて次第に拡がる楔
形に形成し、断熱溝を回転軸に対して傾斜角度θ2をも
って傾斜する内周壁部と回転軸に対して傾斜角度θ1
もって傾斜する外周壁部によって画成し、クラッチフェ
ーシング面に連接する内周壁部の傾斜角度θ2を外周壁
部の傾斜角度θ1に比べて大きく形成する。
【0009】請求項4に記載のフライホイール装置は、
請求項1から3のいずれか一つに記載の発明において、
前記断熱溝をフライホイール本体の全周に渡って環状に
形成する。
【0010】請求項5に記載のフライホイール装置は、
請求項1から4のいずれか一つに記載の発明において、
前記外周フランジにクラッチカバーを締結するボルトが
螺合するネジ穴を形成し、断熱溝をクラッチフェーシン
グ面とネジ穴の間に位置する部位を含む角度範囲に限定
して形成する。
【0011】請求項6に記載のフライホイール装置は、
請求項5に記載の発明において、前記断熱溝をその径方
向の開口幅が両端部で大きく変化するように形成する。
【0012】
【作用】請求項1に記載のフライホイール装置におい
て、クラッチの断続時にクラッチディスクがクラッチフ
ェーシング面に摺接する運転状態では、摩擦熱によりク
ラッチフェーシング面が加熱され、フライホイール本体
の温度がクラッチフェーシング面から遠ざかるのにした
がって次第に低くなる。フライホイール本体はこの温度
分布によりその外周部がクラッチフェーシング面と反対
側に反ろうとし、フライホイール本体の外周部に形成さ
れた外周フランジに引張方向の応力が生じる。
【0013】断熱溝は、フライホイール本体のクラッチ
フェーシング面と外周フランジの間に位置して凹状に窪
む構造により、クラッチフェーシング面に受ける熱が外
周フランジに伝わる伝熱経路を長くして、外周フランジ
の温度上昇が抑えられ、外周フランジに生じる引張応力
が低減される。
【0014】断熱溝は、クラッチフェーシング面の熱を
逃がす放熱面積を増やし、フライホイール本体の温度上
昇が抑えられ、外周フランジに生じる引張応力が低減さ
れる。
【0015】断熱溝は、フライホイール本体の断面を、
クラッチフェーシング面と外周フランジの間で削減する
構造により、外周フランジが前方に反ろうとする変形が
断熱溝に連接する部位によって吸収され、外周フランジ
に生じる引張応力が低減される。
【0016】以上のように、断熱溝を介して外周フラン
ジに生じる引張応力が低減されることにより、外周フラ
ンジに亀裂等が発生することを防止できる。
【0017】請求項2に記載のフライホイール装置にお
いて、断熱溝がリングギアに重合するように深く形成さ
れる構造により、クラッチフェーシング面に受ける熱が
外周フランジに伝わる伝熱経路を長くするとともに、断
熱溝の底壁部が拡がろうとする変形が、リングギアによ
るフライホイール本体に対する締め付け荷重によって抑
えられ、フライホイール本体の断熱溝の近傍に生じる応
力の低減がはかれる。
【0018】請求項3に記載のフライホイール装置にお
いて、断熱溝を画成する内周壁部の傾斜角度θ2 を、外
周壁部の傾斜角度θ1 に比べて大きく形成することによ
り、クラッチフェーシング面に連接する内周壁部の面積
が外周壁部の面積より大きくなる。したがって、クラッ
チフェーシング面の熱を逃がす内周壁部の放熱面積が増
え、フライホイール本体の温度上昇が抑えられる。これ
により、外周フランジが前方に反ろうとする変形が抑え
られ、外周フランジに生じる引張方向の応力が低減され
る。
【0019】請求項4に記載のフライホイール装置にお
いて、断熱溝がフライホイール本体の全周に渡って形成
される構造により、外周フランジが前方に反ろうとする
変形が断熱溝に連接する部位によって吸収される効果を
高められ、外周フランジに生じる引張方向の応力が全周
に渡って低減される。
【0020】請求項5に記載のフライホイール装置にお
いて、断熱溝は、クラッチフェーシング面に受ける熱が
外周フランジのネジ穴の近傍に伝わる伝熱経路を長くし
て、ネジ穴の近傍の温度を低く保ち、引張方向の応力が
集中することを抑えられる。
【0021】断熱溝をクラッチフェーシング面と各ネジ
穴の間に位置する部位を含む角度範囲に限定して形成す
る構造により、フライホイール本体の全周に渡って環状
に形成された断熱溝に比べてフライホイール本体の剛性
低下を抑えられるとともに、フライホイール本体の慣性
質量の設定自由度を拡げることができる。
【0022】請求項6に記載のフライホイール装置にお
いて、断熱溝の径方向の開口幅が両端部で大きく形成さ
れる構造により、断熱溝の径方向の開口幅が一定に形成
される構造に比べて隣り合う断熱溝の間隔を拡大し、フ
ライホイール本体の剛性の低下を抑えられるとともに、
フライホイール本体の慣性質量の設定自由度を拡げるこ
とができる。
【0023】
【実施例】以下、本発明の実施例を添付図面に基づいて
説明する。
【0024】図1に示すように、自動車用エンジンに備
えられるフライホイール装置装置は、エンジンのクラン
クシャフト(出力軸)1に固定的に結合されるフライホ
イール本体2を備える。円盤状をしたフライホイール本
体2はその内周部にクランクシャフト1の外周に嵌合す
るボス部21を有し、ボス部21のまわりに形成された
複数のボルト穴22を貫通してクランクシャフトに螺合
する各ボルト(図示せず)を介して締結される。
【0025】フライホイール本体2は、その前面27が
環状に窪んで形成され、エンジンの部品との干渉を避け
るようになっている。
【0026】フライホイール本体2は、その後面26に
図示しないクラッチディスクに摺接するクラッチフェー
シング面20を有する。クラッチフェーシング面20
は、エンジンと反対側に配置されるクラッチディスクに
対峙する円盤状に形成されている。
【0027】フライホイール本体2は、その後面26に
図示しないクラッチカバーが取付けられる。フライホイ
ール本体2の外周部には、クラッチカバーに接合する外
周フランジ25が形成される。外周フランジ25には複
数のネジ穴23が形成される。クラッチカバーは各ネジ
穴23に螺合するボルトを介してフライホイール本体2
に締結される。
【0028】クラッチディスクはクラッチカバーに介装
される図示しないスプリングを介してクラッチフェーシ
ング面20に押付られ、トランスミッションのドライブ
シャフトに動力を伝達する。運転者によってクラッチペ
ダルが踏み込まれると、スプリングの付勢力に打ち勝っ
てクラッチディスクがクラッチフェーシング面20から
離され、トランスミッションのドライブシャフトに動力
を伝達しなくなる。
【0029】フライホイール本体2は、外周部に取付け
られたリングギア3を介してエンジン始動時に図示しな
いスタータモータからの起動力をクランクシャフト1に
伝達する。
【0030】フライホイール本体2の外周部には直円筒
面状をしたリングギア用嵌合面24が外周フランジ25
の前方に並んで形成される。環状をしたリングギア3は
外周フランジ25を挟んでクラッチフェーシング面20
と反対側からリングギア用嵌合面24に圧入される。
【0031】ところで、フライホイール本体2はクラッ
チフェーシング面20に受ける摩擦熱による熱応力と、
リングギア3の圧入時に働く締め付け荷重により、フラ
イホイール本体2の外周部が前方に反ろうとするため、
外周フランジ25に引張応力が生じ、フライホイール本
体2はこの引張応力に対する十分な強度を確保する必要
がある。
【0032】本発明はこれに対処して、フライホイール
本体2の後面26に、クラッチフェーシング面20と外
周フランジ25の間に位置して凹状に窪む断熱溝10を
形成する。
【0033】本実施例では、断熱溝10はフライホイー
ル本体2の全周に渡って環状に形成される。断熱溝10
はクラッチフェーシング面20の外側に数mmの間隔を
もって配置され、クラッチディスクと干渉しないように
なっている。
【0034】断熱溝10は、互いに平行に対峙する直線
状断面をもつ外周壁部11と内周壁部12、およびに外
周壁部11と内周壁部12を円弧状断面をもって結ぶ底
壁部13とによって構成される。
【0035】断熱溝10の深さは断熱溝10の内奥部が
リングギア3に対して回転軸方向について距離Lを持っ
て重合するように設定される。すなわち、外周フランジ
25とリングギア用嵌合面24が回転軸方向に並んで形
成されるフライホイール本体2に対して、リングギア3
の深さは外周フランジ25の幅より大きく設定され、リ
ングギア用嵌合面24に重合するようになっている。
【0036】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0037】クラッチの断続時にクラッチディスクがク
ラッチフェーシング面20に摺接する運転状態では、摩
擦熱によりクラッチフェーシング面20が加熱され、フ
ライホイール本体2の温度分布は図1に2点鎖線で示す
ようにクラッチフェーシング面20に近接する部位が最
も高温となり、クラッチフェーシング面20から離れる
のにしたがって次第に低温となる。こうした温度分布を
持つフライホイール本体2は熱膨張によりその外周部が
前方に反ろうとし、外周フランジ25に引張方向の応力
が生じる。
【0038】断熱溝10は、フライホイール本体2の後
面26に、クラッチフェーシング面20と外周フランジ
25の間に位置して凹状に窪む構造により、クラッチフ
ェーシング面20に受ける熱が外周フランジ25に伝わ
る伝熱経路を長くして、外周フランジ25の温度上昇が
抑えられる。これにより、外周フランジ25が前方に反
ろうとする変形が抑えられ、外周フランジ25に生じる
引張方向の応力が低減される。
【0039】断熱溝10は、クラッチフェーシング面2
0の熱を逃がす放熱面積を増やし、フライホイール本体
2の温度上昇が抑えられる。これにより、外周フランジ
25が前方に反ろうとする変形が抑えられ、外周フラン
ジ25に生じる引張方向の応力が低減される。
【0040】断熱溝10は、フライホイール本体2の断
面を、クラッチフェーシング面20と外周フランジ25
の間で削減する構造により、外周フランジ25が前方に
反ろうとする変形が断熱溝10に連接する部位によって
吸収され、外周フランジ25に生じる引張方向の応力が
低減される。
【0041】断熱溝10がフライホイール本体1の全周
に渡って形成されているため、外周フランジ25が前方
に反ろうとする変形が断熱溝10に連接する部位によっ
て吸収される効果を高められ、外周フランジ25に生じ
る引張方向の応力が全周に渡って低減される。
【0042】以上のように、断熱溝10を介して外周フ
ランジ25の外周部が前方に反ろうとする変形が抑えら
れ、外周フランジ25に生じる引張方向の応力が低減さ
れることにより、応力が集中する各ネジ穴23の近傍に
亀裂等が発生することを防止できる。
【0043】断熱溝10はリングギア3に重合するよう
に深く形成される構造により、クラッチフェーシング面
20に受ける熱が外周フランジ25に伝わる伝熱経路を
長くするとともに、断熱溝10の底壁部13が拡がろう
とする変形が、リングギア3によるリングギア用嵌合面
24に対する締め付け荷重によって抑えられ、底壁部1
3の近傍に位置する部位の応力が低減される。
【0044】次に、図2に示す実施例について説明す
る。なお、図1等との対応部分には同一符号を付す。
【0045】この実施例では、断熱溝10がその内奥部
から開口部にかけて次第に拡がる楔形をした断面形に形
成される。
【0046】断熱溝10は、互いに傾斜して対峙する直
線状断面をもつ外周壁部11と内周壁部12、およびに
外周壁部11と内周壁部12を円弧状断面をもって結ぶ
底壁部13とによって構成される。
【0047】内周壁部12の回転軸に対する傾斜角度θ
2 は、外周壁部11の回転軸に対する傾斜角度θ1 に比
べて大きく形成する。
【0048】これにより、クラッチフェーシング面20
に連接する内周壁部12の面積が外周壁部11の面積よ
り大きくなる。したがって、クラッチフェーシング面2
0の熱を逃がす内周壁部12の放熱面積が増え、フライ
ホイール本体2の温度上昇が抑えられる。これにより、
外周フランジ25が前方に反ろうとする変形が抑えら
れ、外周フランジ25に生じる引張方向の応力が低減さ
れる。
【0049】また、断熱溝10がその内奥部から開口部
にかけて次第に拡がる楔形をした断面形を持つことによ
り、フライホイール本体2の鋳造時に鋳型を容易に抜く
ことができ、生産性を高められる。
【0050】次に、図3に示す実施例について説明す
る。なお、図1等との対応部分には同一符号を付す。
【0051】複数の断熱溝10をクラッチフェーシング
面20と各ネジ穴23の間に位置する部位を含む角度範
囲に限定して形成する。
【0052】本実施例では断熱溝10の径方向の開口幅
は一定に形成される。
【0053】図おいて線分Mは隣合う断熱溝10の内周
端と外周端を結ぶ線分である。線分Lが、ネジ穴23と
外周フランジ25の外周端29の間より径方向について
外側に位置するように、断熱溝10の周方向の長さが設
定される。
【0054】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0055】外周フランジ25のネジ穴23と外周端2
9の間に位置する部位は、熱応力が集中する。
【0056】各断熱溝10は、フライホイール本体2の
後面26に、クラッチフェーシング面20と各ネジ穴2
3の間に位置して凹状に窪む構造により、クラッチフェ
ーシング面20に受ける熱が外周フランジ25のネジ穴
23の近傍に伝わる伝熱経路を長くして、外周フランジ
25のネジ穴23の近傍の温度上昇が抑えられる。
【0057】クラッチフェーシング面20から最短伝熱
経路となる線分Mがネジ穴23と外周フランジ25の外
周端29の間より径方向について外側に位置する構造に
より、図3に2点鎖線で温度分布を示すように、ネジ穴
23の近傍の温度上昇が抑えられ、ネジ穴23の近傍に
生じる引張方向の応力を低減することができる。
【0058】各断熱溝10をクラッチフェーシング面2
0と各ネジ穴23の間に位置する部位を含む角度範囲に
限定して形成する構造により、前記実施例に比べてフラ
イホイール本体2の剛性の低下を抑えられるとともに、
フライホイール本体2の慣性質量の設定自由度を拡げる
ことができる。
【0059】次に、図4に示す実施例について説明す
る。なお、図1等との対応部分には同一符号を付す。
【0060】複数の断熱溝10をクラッチフェーシング
面20と各ネジ穴23の間に位置する部位を含む角度範
囲に限定して形成する。
【0061】本実施例では各断熱溝10の径方向の開口
幅は両端部で大きく形成される。断熱溝10の内周壁部
12は回転軸を中心とする円弧状に湾曲して形成され
る。断熱溝10の外周壁部11はクラッチカバーを締結
するボルトの座面と重合しないように湾曲して形成され
る。
【0062】図おいて線分Mは隣合う断熱溝10の内周
端と外周端を結ぶ線分である。線分Lが、ネジ穴23と
外周フランジ25の外周端29の間より径方向について
外側に位置するように、断熱溝10の周方向の長さが設
定される。
【0063】以上のように構成され、次に作用について
説明する。
【0064】各断熱溝10は、フライホイール本体2の
後面26に、クラッチフェーシング面20と各ネジ穴2
3の間に位置して凹状に窪む構造により、クラッチフェ
ーシング面20に受ける熱が外周フランジ25のネジ穴
23の近傍に伝わる伝熱経路を長くして、外周フランジ
25のネジ穴23の近傍の温度上昇が抑えられる。
【0065】クラッチフェーシング面20から最短伝熱
経路となる線分Mがネジ穴23と外周フランジ25の外
周端29の間より径方向について外側に位置する構造に
より、ネジ穴23の近傍の温度上昇が抑えられ、引張方
向の応力を低減することができる。
【0066】各断熱溝10の径方向の開口幅は両端部で
大きく形成される構造により、前記実施例に比べて隣り
合う断熱溝10の間隔を拡大し、フライホイール本体2
の剛性の低下を抑えられるとともに、フライホイール本
体2の慣性質量の設定自由度を拡げることができる。
【0067】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載のフ
ライホイール装置は、フライホイール本体にクラッチフ
ェーシング面と外周フランジの間に位置して凹状に窪む
断熱溝を形成する構造により、断熱溝はクラッチフェー
シング面に受ける熱が外周フランジに伝わる伝熱経路を
長くして、外周フランジの温度上昇が抑えられ、外周フ
ランジに生じる引張応力が低減され、外周フランジに亀
裂等が発生することを防止できる。
【0068】請求項2に記載のフライホイール装置は、
断熱溝がリングギアに重合するように深く形成される構
造により、クラッチフェーシング面に受ける熱が外周フ
ランジに伝わる伝熱経路を長くするとともに、断熱溝の
底壁部が拡がろうとする変形が、リングギアによるフラ
イホイール本体に対する締め付け荷重によって抑えら
れ、フライホイール本体の断熱溝の近傍に生じる応力の
低減がはかれ、十分な強度が確保される。
【0069】請求項3に記載のフライホイール装置は、
断熱溝を画成する内周壁部の傾斜角度θ2 を、外周壁部
の傾斜角度θ1 に比べて大きく形成することにより、ク
ラッチフェーシング面の熱を逃がす内周壁部の放熱面積
を大きくし、フライホイール本体の温度上昇が抑えら
れ、フライホイール本体に生じる熱応力の低減がはかれ
る。
【0070】請求項4に記載のフライホイール装置は、
断熱溝がフライホイール本体の全周に渡って形成される
構造により、外周フランジが前方に反ろうとする変形が
断熱溝に連接する部位によって吸収される効果を高めら
れ、外周フランジに生じる引張方向の応力が全周に渡っ
て低減され、十分な強度が確保される。
【0071】請求項5に記載のフライホイール装置は、
断熱溝をクラッチフェーシング面と各ネジ穴の間に位置
する部位を含む角度範囲に限定して形成する構造によ
り、フライホイール本体の全周に渡って環状に形成され
た断熱溝に比べてフライホイール本体の剛性低下を抑え
られるとともに、フライホイール本体の慣性質量の設定
自由度を拡げることができる。
【0072】請求項6に記載のフライホイール装置は、
断熱溝の径方向の開口幅が両端部で大きく形成される構
造により、断熱溝の径方向の開口幅が一定に形成される
構造に比べて隣り合う断熱溝の間隔を拡大し、フライホ
イール本体の剛性の低下を抑えられるとともに、フライ
ホイール本体の慣性質量の設定自由度を拡げることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示すフライホイール本体等の
断面図。
【図2】他の実施例を示すフライホイール本体等の断面
図。
【図3】さらに他の実施例を示すフライホイール本体の
正面図。
【図4】さらに他の実施例を示すフライホイール本体の
正面図。
【図5】従来例を示すフライホイール本体等の断面図。
【符号の説明】
1 クランクシャフト 2 フライホイール本体 3 リングギア 10 断熱溝 11 外周壁部 12 内周壁部 13 底壁部 20 クラッチフェーシング面 23 ネジ穴 24 リングギア用嵌合面 25 外周フランジ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】出力軸に連結されるフライホイール本体
    と、 フライホイール本体に形成されたクラッチディスクに摺
    接するクラッチフェーシング面と、 フライホイール本体の外周部に形成されたクラッチカバ
    ーに接合する外周フランジと、 フライホイール本体の外周部に外周フランジを挟んでク
    ラッチフェーシング面と反対側から圧入されるリングギ
    アと、 を備えるフライホイール装置において、 前記フライホイール本体にクラッチフェーシング面と外
    周フランジの間に位置して凹状に窪む断熱溝を形成した
    ことを特徴とするフライホイール装置。
  2. 【請求項2】前記断熱溝の深さをその一部がリングギア
    に対して回転軸方向に重合するように設定したことを特
    徴とする請求項1に記載のフライホイール装置。
  3. 【請求項3】前記断熱溝の断面形をその内奥部から開口
    部にかけて次第に拡がる楔形に形成し、 断熱溝を回転軸に対して傾斜角度θ2をもって傾斜する
    内周壁部と回転軸に対して傾斜角度θ1をもって傾斜す
    る外周壁部によって画成し、 クラッチフェーシング面に連接する内周壁部の傾斜角度
    θ2を外周壁部の傾斜角度θ1に比べて大きく形成したこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のフライホイー
    ル装置。
  4. 【請求項4】前記断熱溝をフライホイール本体の全周に
    渡って環状に形成したことを特徴とする請求項1から3
    のいずれか一つに記載のフライホイール装置。
  5. 【請求項5】前記外周フランジにクラッチカバーを締結
    するボルトが螺合するネジ穴を形成し、 断熱溝をクラッチフェーシング面とネジ穴の間に位置す
    る部位を含む角度範囲に限定して形成したことを特徴と
    する請求項1から4のいずれか一つに記載のフライホイ
    ール装置。
  6. 【請求項6】前記断熱溝をその径方向の開口幅が両端部
    で大きく変化するように形成したことを特徴とする請求
    項5に記載のフライホイール装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013065559A1 (ja) * 2011-10-31 2013-05-10 アイシン精機株式会社 クラッチ装置
WO2014069439A1 (ja) * 2012-10-30 2014-05-08 三菱重工業株式会社 インペラ及びこれを備えた回転機械

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