JPH08325893A - 絵画織 - Google Patents

絵画織

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Publication number
JPH08325893A
JPH08325893A JP15216695A JP15216695A JPH08325893A JP H08325893 A JPH08325893 A JP H08325893A JP 15216695 A JP15216695 A JP 15216695A JP 15216695 A JP15216695 A JP 15216695A JP H08325893 A JPH08325893 A JP H08325893A
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JP
Japan
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weft
yarns
warp
weave
painting
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Application number
JP15216695A
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English (en)
Inventor
Yoshiyasu Aramaki
義康 荒牧
Shinichiro Konaka
進一朗 小仲
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Kawashima Textile Manufacturers Ltd
Original Assignee
Kawashima Textile Manufacturers Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 慣用される自動織機により、点描によって分
解される絵画等の画像の真白な画素は真白に、真黒な画
素は真黒に再現され、その他の画素の色彩も忠実に再現
された絵画織を得る。 【構成】 絵画等の画素を再現する絵画織Aを、織組織
(15)の各接結点を構成する経糸を明度が異なる暗明
2本1組または暗中明3本1組の調整糸(m1 とm2
1 とn2 ・o1 とo2 ………)で構成し、経糸が緯糸
の上を超える接結点(■・□)において1組の調整糸の
中の何れか1本を緯糸(a・b・c………)の上に出
し、他の残りの調整糸を当該緯糸の下に沈め、織組織
(15)において経糸が緯糸の上を超える接結点の数と
緯糸が経糸の上を超える接結点の数との比率を画素の彩
度に応じて変え、且つ、画素の明度に応じて経糸が緯糸
の上を超える接結点での当該経糸を構成する1組の調整
糸を選択して緯糸の上に出し、他の残りの調整糸を当該
緯糸の下に沈めて織成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、点描によって分解され
る絵画等の画像の画素を、織組織の複数個の接結点にお
いて経糸の上を超える緯糸によって再現した絵画織に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】無杼織機は、製織効率の改善を主目的と
して開発され、織機の高速化に伴って生じがちな織疵を
なくし、織物の品質を高めるための改善工夫がなされて
いる。また、点描によって分解される絵画等の複雑な画
像はジャガード装置によって描出されるものであるが、
近時はコンピューターを応用して絵画等の画像処理を行
い、紋紙を要せず、従って紋紙の切替作業を要せず、絵
画等の画像を絵画織に即座に再現し得るダイレクトジャ
ガード、電子ジャガードも開発され、製織仕様の変更に
伴う画像の切替が短時間に行なえるようになって来てい
る。
【0003】このように織機自体は高速化され高品質の
織物が製織し得るように改善されても、製織仕様の変更
に伴って画像の色調を変えるには経糸や緯糸の切替作業
を要し、また、その使用する糸条は、試験染めする等し
て数週間も前から用意しておかなければならないので、
製織仕様の変更に伴う経糸や緯糸の準備に多大な時間と
労力を要している。勿論、色彩の網膜上での融合現象を
利用した印刷分野における色彩表現法にならい、白、
黒、赤、黄、青の5色の極細糸条を用意し、それらの色
糸の織組織点として絵画織表面に出来る接結点の組み合
わせ方によって所要の色彩を表現する方法が考えられ
る。然るに、布目として絵画織表面に現われる糸条の接
結点を印刷の網点の如く細かくするには太さが数ミクロ
ンの極細糸条が必要となるが、そのような極細糸条は実
際上織物に使用されていないので、かかる方法は実際問
題として画像表現の細かいものには不向きである。
【0004】その点を考慮して赤(R)、橙(YR)、
黄(Y)、黄緑(GY)、緑(G)、青緑(BG)、青
(B)、青紫(PB)、紫(P)、赤紫(RP)の各色
を明度と彩度によって6段階に変えた合計60色の色糸
が織り込まれて絵画織表面に現われる接結点の組み合わ
せ方により所要の色彩を表現することを試みたが、その
ような方法は手織織機において手作業で色糸を選択しつ
つ製織する場合は可能であるが、自動織機では仕掛ける
色糸に限度があるので実際上不可能である。
【0005】そこで本案発明者等は、自動織機において
数十色の色糸を選択的に織り込めるようにし、それら多
数の色糸の絵画織表面に現われる接結点の組み合わせ方
によって所要の絵画等の色彩を絵画織表面に表現するこ
ととし、そうすることによって各絵画毎に色糸を染色し
て用意することなく、標準化された数十色の色糸によっ
て所要の絵画等の色彩を絵画織表面に自由に表現し得る
ようにし、且つ、製織仕様が変わる場合にその都度緯糸
の切替作業を行なう必要がなく、その変更された製織仕
様に基づく多彩な絵画織を即座に製織し得るようにし、
製織仕様の変更に伴う時間的ロスをなくし、需要に応じ
た多彩な絵画織を適時提供し得る織機を考案し、特開平
6−346341に開示している。この織機は、経糸開
口の一端にセットされた緯糸の先端をレピアの先端で把
持して経糸開口へと挿入して織り込む無杼織機であり、
複数個の緯糸の各先端を経糸開口の一端にセットする複
数個のセット治具と、それら複数個のセット治具をレピ
アの走行方向に交叉する2つの各方向に往復駆動する駆
動装置を具備している。
【0006】従って、その織機を用いて絵画等の画像を
絵画織に再現するには、絵画等を縦横に細分した画像の
横一列の各微細な画素の色彩に応じた色糸を、セット治
具にセットされた60種類にも及ぶ多数の緯糸から選択
して織り込めばよいことになるが、その場合、絵画等の
画像に表われる色彩を忠実に再現するには、セット治具
の数を遙かに超える多数の色糸が必要となる場合も生
じ、その際仮に、セット治具を限りなく増やして必要と
する数多くの色糸を用意し得るようにしても、画像の横
一列の画素の色彩がそれぞれ異なる場合には、その異な
る余りにも多くの色糸を、その画像の横一列に該当する
絵画織の横一列に織り込まなければならず、そのように
すると、絵画織の特定の横一列の裏面に浮き出る色糸の
数が他の箇所に比して著しく多くなって膨れ上がった畝
が出来、その結果、厚みが揃った平滑な絵画織が得られ
なくなる。
【0007】このため、細分された画素に合わせて絵画
織の横列に織り込まれる色糸の数を一定限度に抑え、そ
の限られた数種の色糸の色彩を経糸の色彩と組み合わせ
て、絵画等の画像の色彩を忠実に絵画織に再現すること
が望まれる。この点に関し特公平6−60454(特開
平1−68541)では、点描によって分解される絵画
等の画像の画素を、織組織の複数個の接結点において経
糸の上を超える緯糸によって再現した絵画織において、
絵画等の画像色彩の濃淡による微細な美的表情の豊かさ
を絵画織に再現するために、織組織内の経糸が緯糸の上
を超える接結点(以下、経点と言う。)の数(多少)を
増減変化させることとしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】確かに特公平6−60
454によると、経点の織組織内に占める割合を変えて
濃淡を変えることが出来、その濃淡を変え得る範囲にお
いて、緯糸に使用する色糸の種類(色数)を少なくする
ことが出来る。然るに特公平6−60454において、
その使用する経糸が黒色であれば、真黒な画素を絵画織
に忠実に再現し得ても、真白な画素を忠実に再現するこ
とは出来ない。それとは逆に、使用する経糸が白色であ
れば、真白な画素を絵画織に忠実に再現し得ても、真黒
の画素ではそれを忠実に再現することは出来ない。何故
なら、経点(経糸が緯糸の上を超える接結点)なしの織
組織はあり得ないのであるから、真黒の経糸は真白であ
るべき画素に経点としての複数個の黒点をつくることに
なり、それとは逆に、真白の経糸は真黒であるべき画素
に経点としての複数個の黒点をつくることになるからで
ある。
【0009】
【発明の目的】そこで本発明は、点描によって分解され
る絵画等の画像の画素が真白の場合には、その画素の真
白な色彩を絵画織に忠実に再現出来ると共に、画素が真
黒の場合でも、その真黒な色彩を絵画織に忠実に再現出
来るようにすることを第1の目的とする。本発明の第2
の目的は、緯糸に使用する色糸によって表現される色彩
の彩度を経糸によって変化させ、そうすることによって
画素の色彩を絵画織に忠実に再現し、そうすることによ
って緯糸として使用する色糸の種類を少なくし、慣用さ
れる自動織機により絵画等の画像を忠実に絵画織に再現
し得るようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち本発明の第1の特徴
は、点描によって分解される絵画等の画像の画素を、織
組織の複数個の接結点において経糸の上を超える緯糸に
よって再現した絵画織において、織組織の各接結点を構
成する経糸が、明度が異なる暗・明の2段階の2本また
は暗・中・明の3段階の3本を1組とする調整糸によっ
て構成され、経糸が緯糸の上を超える接結点において、
2本1組または3本1組の調整糸の中から選択された1
本以上の調整糸が緯糸の上を超え、選択されずに残った
残余の調整糸が当該緯糸の下に潜っており、その経糸が
緯糸の上を超える接結点において緯糸の上を超える調整
糸の選択により、画素の明度に応じた濃淡が織物上に再
現されており、且つ、織組織において、経糸が緯糸の上
を超える接結点の数と、緯糸が経糸の上を超える接結点
の数との比率が、画素の彩度に応じて変化していること
にある。本発明の第2の特徴は、上記第1の特徴に加
え、上記の調整糸を黒色糸1本と白色糸1本の2本1組
としたことにある。本発明の第3の特徴は、上記第1の
特徴に加え、上記の調整糸を黒色糸1本と灰色糸1本と
白色糸1本の3本1組としたことにある。
【0011】
【実施例】本発明は、画素の色彩の濃淡を織組織中の経
点の多少によらず、織組織の各接結点を構成する経糸を
明度が異なる暗・明の2段階の2本または暗・中・明の
3段階の3本を1組とする調整糸によって構成し、各経
点において2本1組または3本1組の調整糸の中の少な
くとも1本が緯糸の上を超え、そのとき選択されない残
余の調整糸を当該緯糸の下に沈ませることとし、その緯
糸の上を超えて織組織の経点に現れる2本1組または3
本1組の暗・明または暗・中・明と明度の異なる調整糸
の比率によって画素の色彩の濃淡を絵画織に再現する限
り、特公平6−60454に開示される工程に準じて実
施することが出来る。
【0012】即ち本発明は、(1) 画像処理コンピュ
ーターに写真、印刷物、絵画、版画、書碩、デザイン
画、意匠図等の画像(原画)をスキャナー等を用いてデ
ジタル入力するデジタル入力工程と、(2) デジタル
入力された画像をコンピューター画面上で点描(点状の
画素)に分析して画像処理し、そのデジタル画像たる画
素に基づいて最終の織上がりの織物柄の色と形を整える
画像編集工程と、(3)デジタル入力された画像(点状
の画素)の色と経糸及び緯糸の色とを対応させると共
に、そのデジタル画像(点状の画素)の色彩(色相・彩
度・明度)に応じた平、綾、朱子、変化組織などの織組
織を作成して当て嵌め、適宜フロッピーデイスクに変換
して格納する織データ設定工程と、(4) 画素毎に設
定した織データ(織組織)よってジャガード等の経糸選
択装置を駆動し、電算機付紋織機等により絵画織を製織
する製織工程によって実施し得る。その織データ設定工
程では、下記の通り画素の色彩に応じた100色前後の
織パターン、即ち、平、綾、朱子、変化組織などの織組
織を予め作成しておき、この織パターンの中から上記し
た点状の画素に最適の織パターンを選択して当て嵌め、
製織工程では、画素の再現に不要となる経糸や緯糸は絵
画織の裏側に浮き織とする。
【0013】図1〜図3は、8枚朱子をベースとして画
素の色彩を織物に再現する織組織を図示するものであ
り、そこでは織組織の各接結点における経糸は、真黒な
1本の黒糸と真白な1本の白糸との2本1組の調整糸に
よって構成されている。まず、図1について説明する
と、そこには8枚朱子をベースとし、経点(経糸が緯糸
の上を超える接結点)の数と、その経点に黒糸が黒点と
なって現われる数と白糸が白点となって現われる数が異
なる7×9=63個の織組織を横に7個、従に9個並べ
て図示されている。それらの織組織において黒点となる
経点は■印で表され、白点となる経点は□で表され、緯
点(経糸が緯糸の下に潜り、緯糸が表に現われる接結
点)はドットを付した枡目によって表されている。
【0014】図1の右端の9個の織組織(11・12・
13・14・15・16・17・18・19)は表朱子
であり、その右上の表朱子11では白糸が経点の全てを
構成し、その下側の織組織(12・13・14・15・
16・17・18・19)では、順次下側の織組織にな
るにつれて白点□が少なくなり、白点□に代わって経点
を構成する黒点■の数が増え、左下の表朱子19では黒
糸が経点の全てを構成している。従って、これら9個の
織組織(11・12・13・14・15・16・17・
18・19)で表現される画素の中で、右上の織組織
(11)による画素は最も明度の高い明色になり、右下
の織組織(19)による画素は最も明度の低い暗色にな
り、その間の7個の織組織(12・13・14・15・
16・17・18)による画素は漸次織組織が下側にな
るにつれて暗色になると共に彩度も変化し、その中間の
白点□と黒点■の数が半々となる織組織(15)による
画素は灰色味が付加されて彩度が最も低い低彩色とな
る。
【0015】図1の左端の9個の織組織は裏朱子であ
り、上記右端の9個の織組織(11・12・13・14
・15・16・17・18・19)と同様に、左上の裏
朱子71では白糸が経点の全てを構成し、順次下側の織
組織になるにつれて白点□が少なくなり、白点□に代わ
って経点を構成する黒点■の数が増え、左下の裏朱子7
9では黒糸が経点の全てを構成している。
【0016】図1の最上段の7個の織組織(11・21
・31・41・51・61・71)では、右端の織組織
(11)から左側に行くにつれて経点□の数が増え、左
端の織組織(71)は経点□が最も多い裏朱子となって
いる。このことは最上段の織組織の下に続く各段(横
列)の各7個の織組織でも同様であり、最下段の7個の
織組織(19・29・39・49・59・69・79)
では、右端の織組織(19)から左側に行くにつれて経
点■の数が増え、左端の織組織(79)は経点■が最も
多い裏朱子となっている。又、右端の縦列の織組織(1
1〜19)と左端の縦列の織組織(71〜79)の間に
配置された5列の各縦列の9個の織組織では、それぞれ
右端の縦列の織組織(11〜19)と左端の縦列の織組
織(71〜79)と同様に経点の数(白点□と黒点■の
合計数)と変わらず、それぞれ下側の織組織になるにつ
れて白点□の数が減り、黒点■の数が増え、最下段の織
組織の経点は全て黒点■となっている。このような図1
の各横段の左右隣合う織組織間の経点(□・■)の数の
変化、および、各縦列の上下隣合う織組織間の白点□と
黒点■の比率の変化は、それぞれ比例して変化してお
り、中央の縦列の織組織(41〜45〜49)では緯点
と経点の数が同数となる平織組織となっている。図2
は、図1に図示する7×9=63個の織組織の中の上下
左右の各角部に配置した織組織(11・19・71・7
9)と、それらの中間の織組織(15・45・75・4
1・49)を抜粋し拡大して示すものである。
【0017】図1に示す7×9=63個の織組織は、経
点の数(白点□と黒点■)が上記のように異なっている
ので、それら63個の全ての織組織の緯点が、色相と彩
度と明度を同じくする同一緯糸によって構成される場合
において、(1) 緯点が最も多く、経点が最も少な
く、而も、経点の全てが白点□となる図1・図2の右上
の織組織(11)によって再現される画素は、明度と彩
度が最も高いものとなり、(2) 緯点が最も少なく、
経点が最も多く、而も、経点の全てが黒点■となる図1
・図2の左下の織組織(79)による画素は、明度が最
も低いものとなり、(3) 経点と緯点が同数となり、
且つ、その経点の黒点■と白点□が同数となる図1・図
2の中央の織組織(45)による画素は、彩度が最も低
いものとなる。
【0018】このように色相と彩度と明度が同じの一種
類の緯糸を使用する場合であっても、その一種類だけの
緯糸によって織成される画素の色彩は、織組織に占める
緯点と黒点■と白点□の数によって彩度と明度が変化し
た極めて多彩なものとなる。従って本案によると、仮に
製織過程において使用し得る緯糸の数が12色程度に限
定された従来一般の電子ジャカードを装備した織機(電
算機付紋織機)を使用して絵画等の画像を織物に再現し
ようとする場合においても、その画素に対応する織組織
に占める緯点と黒点■と白点□の数(比率)を変えるこ
とによって、使用する12色の緯糸固有の色彩を超えた
豊富な色彩によって絵画等の画像を織物に再現すること
が出来るようになる。そして経糸として使用する調整糸
に、図1と図2に図示する白糸と黒糸に加えて、それら
白糸の明度と黒糸の明度の中間の明度の調整糸である灰
色の色糸(灰糸)を使用する場合には、画素の色彩を自
由に表現し得る領域が更に広くなることになる。
【0019】ここに本案において、経糸を構成する調整
糸の数を明度の異なる3種以下と限定する理由は、上記
の如く3種の調整糸によって画素の色彩を十分自由に表
現し得る一方、経糸を構成する調整糸の種類(数)が増
えると筬打が困難になって織密度を高密にし難くなり、
又、経点を形成せず緯糸と接結しない経糸の一部の調整
糸が柄絵画織の裏面に長く浮き出し、それに異物が引っ
掛かって組織崩れを起こし、絵画織の組織構造が不安定
になるからである。
【0020】図3は、図1と図2の左端の中段の織組織
(15)によって表現される画素が形成する絵画織の一
部分の構造を図示するものであり、織組織(15)であ
る8枚朱子は、1本の白糸と1本の黒糸との合計2本の
調整糸を1組とする8組・合計16本の調整糸(m1
2 ・n1 とn2 ・o1 とo2 ・p1 とp2 ・q1 とq
2 ・r1 とr2 ・s1 とs2 ・t1 とt2 )の各組間に
8本の緯糸(a・b・c・d・e・f・g・h)を順次
打ち込む過程において、最初の緯糸aを打ち込む第1織
段においては白黒2本を1組とする経糸pの中の黒糸p
2 が緯糸aの上を超えて経点apを完成し、第2の緯糸
bを打ち込む第2織段においては白黒2本を1組とする
経糸sの中の白糸s1 が緯糸bの上を超えて経点bsを
完成し、第3の緯糸cを打ち込む第2織段においては白
黒2本を1組とする経糸nの中の白糸n1 が緯糸cの上
を超えて経点cnを完成し、第4の緯糸dを打ち込む第
2織段においては白黒2本を1組とする経糸qの中の黒
糸q2 が緯糸dの上を超えて経点dqを完成し、第5の
緯糸eを打ち込む第2織段においては白黒2本を1組と
する経糸tの中の黒糸p2 が緯糸eの上を超えて経点e
tを完成し、第6の緯糸fを打ち込む第2織段において
は白黒2本を1組とする経糸oの中の白糸p1 が緯糸f
の上を超えて経点foを完成し、第7の緯糸gを打ち込
む第2織段においては白黒2本を1組とする経糸rの中
の白糸p1 が緯糸gの上を超えて経点grを完成し、第
8の緯糸hを打ち込む第2織段においては白黒2本を1
組とする経糸mの中の黒糸p2 が緯糸hの上を超えて経
点hmを完成している。図3の中のAは、このようにし
て各織段毎に1本の緯糸(a・b・c・d・e・f・g
・h)を順次打ち込んで織成された絵画織の一部画素に
対応する箇所の構造を示す斜視図である。
【0021】ところで絵画等を再現した絵画織では、色
彩の異なる多数の緯糸(慣用織機を使用する場合は黒糸
と白糸を含む概して12種類の色糸)が用意され、各織
段(a・b・c・d・e・f・g・h)においては画素
の色彩に応じた1種または数種の色糸、例えば、第1織
段においては異色5種類の色糸(a1 ・a2 ・a3 ・a
4 ・a5 )が選択されて打ち込まれ、その打ち込まれた
各色糸(a1 ・a2 ・a3 ・a4 ・a5 )は互いに重複
することなく少なくとも何れか1本の経糸(m・n・o
・p・q・r・s・t)の上を超えて絵画織の表面に緯
糸の色彩に応じた画点を形成するものであるから、その
絵画織の構造は必ずしもAとして図示する通りにはなら
ず、その構造は図3の斜視図Bおよび断面図Cに示され
るようになる。
【0022】従って、8枚朱子織組織(15)によって
表現される画素の色彩は、その8枚朱子織組織(15)
の緯点に現われるそれら多数の緯糸(a1 ・a2 ・a3
・a4 ・a5 )の色彩と経点(ap・bs・cn・dq
・et・fo・gr・hm)に現われる2本1組の何れ
か1本の調整糸による白点□と黒点■とが融合一体化し
た色彩となる。そして画素が黒色である場合は、8枚朱
子織組織(15)の各織段には黒色の緯糸を打ち込むと
共に、経点の全てを黒点■とすると、その真黒な画素は
そのまま真黒に絵画織に再現され、画素が白色である場
合は、8枚朱子織組織(15)の各織段には白色の緯糸
を打ち込むと共に、経点の全てを白点□とすることによ
り、その真白な画素はそのまま真白に絵画織に再現され
ることになる。
【0023】尚、本発明において「2本1組または3本
1組の調整糸の中から選択された1本以上の調整糸が緯
糸の上を超え」とは、1組の全部、即ち、2本1組の場
合には2本の調整糸が、又、3本1組の場合には3本の
調整糸が緯糸の上を超えることがあってもよいと言うこ
とを意味し、図1〜図3に図示する実施例では本案を理
解し易くするために経点において緯糸の上を超える調整
糸を1本にしているだけであり、経点において緯糸の上
を超える調整糸は1本でなければならないと言うことを
意味せず、従って本発明において「選択されずに残った
残余の調整糸が当該緯糸の下に潜る」とは、経点におい
て2本1組または3本1組の調整糸の何れもが緯糸の下
に潜らないこともあり得ると言うことをも意味してい
る。そのように1組の全部の調整糸を緯糸の上に浮かせ
ることは、例えば図1〜3に図示する織組織(15・4
5・75)の如く、織組織内の白点□の数と黒点■の数
を同数とし、画素に斑なく灰色味を付与して彩度を和ら
げたい場合に推奨される。このことは、例えば図4が、
図1と図2において白点□の数と黒点■の数が同数とな
る織組織(15)の全ての経点において1組の全部の調
整糸を緯糸の上に浮かせた場合を図示しているので、図
3と図4を対比した場合に容易に理解されよう。
【0024】尚又、本発明の実施において、調整糸が緯
糸の上を超えることなく絵画織の裏面に浮き出て余りに
も長く連続する場合には、その一部を前後する何れかの
織組織において強制的に緯糸の上の浮かせることになる
が、そのような経点が本来必要としない織組織内に1点
程度生じるとしても、その織組織内に強制的に出来る1
点程度に経点によって画素の色彩が大きく左右されるよ
うなことはあり得ないことである。しかし、そのような
強制的な経点は、その経糸に隣合う経糸に本来必要とさ
れる経点に隣合わせに設定すればよいと言うことは言う
までもないことである。そして又、上記実施例では、本
案の理解を助けるために引用した特公平6−60545
に図示される実施例に対応させて8枚朱子織組織をもっ
てベース織組織としているが、そのベース織組織には8
枚朱子に限らず、それよりも接結点の数の少ない5〜7
枚朱子や綾組織(斜紋)、或いは接結点の数が8枚朱子
よりも多い朱子や変化組織を採用することも出来ること
は前記の通りである。
【0025】
【発明の効果】上記の通り本発明によると、異色数種の
緯糸(a1 ・a2 ・a3 ・a4 ・a5……… )の緯点
が集まって構成される画素の色彩は、その画素に現われ
る経点の黒点■と白点□の数(比率)によって明度と彩
度が変化した多種多様なものとなり、その結果、緯糸に
使用する色糸の種類(数)が12種類(数)程度に限定
される通常の自動織機によっても、点描によって分解さ
れる絵画等の画像の真白な画素は真白に、真黒な画素は
真黒に再現され、その他の画素の色彩も忠実に再現され
た絵画織を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本案実施例の絵画織に適用される織組織の配列
図である。
【図2】図1に示す配列図中の一部織組織の拡大図であ
る。
【図3】図1と図2の配列図中の一部の織組織と、その
織組織によって構成される絵画織の一部構造との関係図
である。
【図4】図1と図2の配列図中の一部の織組織と、その
織組織によって構成される絵画織の一部構造との関係図
である。
【符号の説明】
11、12、13、14・15・16・17・18・1
9・21・29・31・39・41・45・49・51
・59・61・69・71・75・79…………織組織 a・b・c・d・e・f・g・h………緯糸 m・n・o・p・q・r・s・t………経糸 m1 ・n1 ・o1 ・p1 ・q1 ・r1 ・s1 ・t1 ……
…調整糸(白糸) m2 ・n2 ・o2 ・p2 ・q2 ・r2 ・s2 ・t2 ……
…調整糸(黒糸) ap・bs・cn・dq・et・fo・gr・hm……
…接結点(黒点・白点) A・B・C…………絵画織の一部分

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(1) 点描によって分解される絵画等の
    画像の画素を、織組織の複数個の接結点において経糸の
    上を超える緯糸によって再現した絵画織において、
    (2) 織組織の各接結点を構成する経糸が、明度が異
    なる暗・明の2段階の2本または暗・中・明の3段階の
    3本を1組とする調整糸によって構成され、(3) 経
    糸が緯糸の上を超える接結点において、2本1組または
    3本1組の調整糸の中から選択された1本以上の調整糸
    が緯糸の上を超え、選択されずに残った残余の調整糸が
    当該緯糸の下に潜っており、(4) その経糸が緯糸の
    上を超える接結点において緯糸の上を超える調整糸の選
    択により、画素の明度に応じた濃淡が織物上に再現され
    ており、且つ、(5) 織組織において、経糸が緯糸の
    上を超える接結点の数と、緯糸が経糸の上を超える接結
    点の数との比率が、画素の彩度に応じて変化しているこ
    とを特徴とする絵画織。
  2. 【請求項2】 前掲請求項1に記載の調整糸が、黒色糸
    1本と白色糸1本の2本1組になっていることを特徴と
    する前掲請求項1に記載の絵画織。
  3. 【請求項3】 前掲請求項1に記載の調整糸が、黒色糸
    1本と灰色糸1本と白色糸1本の3本1組になっている
    ことを特徴とする前掲請求項1に記載の絵画織。
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JP2011137260A (ja) * 2009-12-28 2011-07-14 Maruyama Towel:Kk 織物の製織方法、織物の生産方法、織物の製織のためのコンピュータプログラム及び織物の製織装置

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