JPH08325667A - 粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化制御方法 - Google Patents

粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化制御方法

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JPH08325667A
JPH08325667A JP12845295A JP12845295A JPH08325667A JP H08325667 A JPH08325667 A JP H08325667A JP 12845295 A JP12845295 A JP 12845295A JP 12845295 A JP12845295 A JP 12845295A JP H08325667 A JPH08325667 A JP H08325667A
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JP
Japan
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powder
iron
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iron oxide
sintered compact
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JP12845295A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Sawayama
哲也 澤山
Yoshikazu Seki
義和 関
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粉末冶金法によって鉄系焼結体を製造する際
に、粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化を容易に且つ安定し
て制御することができ、これによって製品寸法精度のば
らつきの少ない焼結体を与えることのできる方法を提供
する。 【構成】 仕上げ還元した鉄粉と、酸化鉄粉を混合して
粉末冶金法によって焼結するに際し、前記酸化鉄粉とし
ては、粒径:45μm以下のものが80重量%を占める
ものを用い、これを混合物中10重量以下(0%を含
む)に抑制して鉄系焼結体の寸法変化を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、粉末冶金法によって鉄
系焼結体を製造する際に、鉄系焼結体の寸法変化を希望
する様に制御する方法に関し、殊に粉末冶金鉄系焼結体
の寸法変化を安定して制御することによって、製品寸法
精度のばらつきの少ない焼結体を与えるとのできる方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】粉末冶金法は圧延,鍛造,鋳造等からな
る従来の製造プロセスを大きく書き換え、原料となる金
属粉末を圧縮成形後焼結して製品とする方法である。従
って粉末冶金法によれば、WやMo等の高融点金属材
料,含油軸受やフィルター等の多孔質材料,超硬合金や
サーメット等の様に、従来の溶製法では製造が困難であ
った部材の製造が可能になる。そればかりか、非切削に
よる材料歩留まりの向上、高い寸法精度等の製造面での
利点、および溶製材で発生しやすい偏析や異方性が少な
いという材料面での利点、等の様に溶製材では得られな
い各種の長所があることから、従来溶製法によって製造
されていた各種部材を粉末冶金法におきかえて製造する
ことも行なわれている。
【0003】現在粉末冶金法によって製造されている焼
結体は自動車用部品として用いられるものが大半であ
り、とりわけ鉄系焼結体が汎用されている。この様な鉄
系焼結体については様々なものが知られており、例えば
強度,耐侯性,耐摩耗性等の向上を図るという目的の下
に、主成分となる鉄粉に対し黒鉛やCu等の微粉末を混
合して焼結したものが知られている。また焼結体の適用
範囲の拡大という観点から、焼結体にはより高い靭性や
強度が要求される様になり、それを達成する手段として
NiやMo等の合金元素を添加して合金化する方法も知
られている。尚焼結体を製造する際には、ステアリン酸
亜鉛等の潤滑剤粉末を配合してから成形、焼結するのが
一般的である。
【0004】上記の様な鉄系焼結体を製造するに当たっ
ては、焼結時の寸法変化はその製品歩留りに大きく影響
を及ぼすことから、焼結時の寸法変化を安定して制御す
ることは重要な課題となっている。即ち、鉄系焼結体の
焼結時には、成形体(圧粉体)のときと比べて寸法が変
化するのであり、実際の操業に際してはこの寸法変化を
見込んで成形体や金型の寸法を規定しているのである
が、見込んだ寸法変化が安定して得られなければ、希望
する寸法の焼結体が得られず、製品歩留りが低下するこ
とになる。
【0005】ところで、鉄系焼結体を還元性雰囲気で焼
結する場合は、原料鉄粉中に含まれる酸素量が多い方が
焼結時に収縮し易いことが知られており(例えば、「S.
Masuhara and S.Kawai,Advances in Powder Metallurg
y」,vol.14,P37,1991 )、こうしたことから鉄粉中の酸
素含有量を適切に調整することによって、焼結体の寸法
変化を制御することも考えられる。しかしながら、目標
とする酸素量を有する鉄粉を適切に製造することや、種
々の酸素量を有する鉄粉を確保しておくことは、実際問
題として工業上困難である。即ち、鉄粉は各種アトマイ
ズ法や還元法によって製造されるが、いずれの方法を採
用しても、各種の目標酸素量を有する鉄粉を製造する為
の条件を設定することは非常に難しく、また希望する酸
素量を有する各種鉄粉が製造できたとしても、その各種
酸素量を維持しつつ鉄粉を保守・管理することは煩雑若
しくは困難である。
【0006】また特開平3−142342号には、金属
粉の性状から焼結寸法変化を予測する方法について提案
されている。この技術は、金属粉粒子断面の形状を画像
処理によって二次元的に定量測定して形状係数を求め、
該形状係数と焼結寸法変化との相関関係から焼結寸法を
予測するものである。しかしながら、この技術において
は、手順が煩雑になるという問題があり、また希望する
粉体特性を有する粉末が得られにくいという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこうした情況
のもとになされたものであって、その目的は、粉末冶金
法によって鉄系焼結体を製造する際に、粉末冶金鉄系焼
結体の寸法変化を容易に且つ安定して制御することがで
き、これによって製品寸法精度のばらつきの少ない焼結
体を与えるとのできる方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
のできた本発明とは、仕上げ還元した鉄粉と、酸化鉄粉
を混合して粉末冶金法によって焼結するに際し、前記酸
化鉄粉としては、粒径:45μm以下のものが80重量
%以上を占めるものを用い、これを混合物中10重量%
以下(0%を含む)に抑制して鉄系焼結体の寸法変化を
制御する点に要旨を有するものである。
【0009】
【作用】本発明者らは、粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化
を容易に且つ安定して制御する為の手段について様々な
角度から検討した。その結果、元来酸素量の多い酸化鉄
粉末の微細粉末を、仕上げ還元した鉄粉に対して少量混
合すれば、焼結時の寸法変化率を希望する様に調節でき
ることを見出し(後記図1参照)、本発明を完成した。
尚本発明で用いる「仕上げ還元した鉄粉」とは、その製
造方法の如何に拘らず(例えば、前述したアトマイズ法
や還元法)、得られた粉末を更に還元して酸素含有量を
0.5%以下に低減したものを言う。
【0010】本発明で用いる酸化鉄粉としては、粒径:
45μm以下のものが80重量%以上を占めるものであ
る必要がある。これは、還元は外から進行するので、こ
れよりも粒径の粗い粉末を多く含む(20重量%超)粉
末を用いた場合には、還元性雰囲気での焼結とはいえ、
中心部まで酸素が十分に還元されず、酸素が焼結体中に
残ってしまい(後記図2参照)、強度等の悪化を招くこ
とになるからである。尚酸化鉄粉の種類については、特
に限定されるものではなく、例えば鉄鉱石やミルスケー
ル等を用いることができ、これらは30%程度の酸素を
含有している。
【0011】上記酸化鉄粉は、混合物(仕上げ還元した
鉄粉と酸化鉄粉との混合物)中に10重量%以下(0%
を含む)に抑制して混合する必要がある。これは、10
重量%よりも多くなると、粒度の細かい粉末を用いて
も、酸素が焼結中に還元されないからである(後記図3
参照)。
【0012】本発明は上記の如く、仕上げ還元した鉄粉
と酸化鉄粉との混合割合を規定したものであり、これに
よって本発明の目的が達成されるものであるが、実際の
成形、焼結に当たっては、通常実施されている様に、C
u,Ni,Mo,黒鉛等の物性改善成分粉末やステアリ
ン酸亜鉛等の潤滑剤粉末を配合しても良いことは勿論で
ある。但し、これらに粉末を配合するに当たっては、焼
結体の寸法変化に影響を与えるものもあるので、焼結体
の寸法変化を制御する際に配合成分による寸法変化率を
も考慮に入れる必要がある。例えば、CuやMoを配合
した場合には、焼結体の寸法が膨張することが知られて
いる。またNiや黒鉛は、焼結体の寸法を収縮させる方
向に作用させる成分である。
【0013】以下本発明を実施例によって更に詳細に説
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
【0014】
【実施例】水アトマイズ法によって得られた鉄粉を更に
仕上げ還元した鉄粉(酸素含有量:0.1重量%)と、
酸化鉄粉としてミルスケール(酸素含有量:30重量
%)を用い、これらの混合比率と、粒径:45μm以下
の酸化鉄粉の比率を変えて、成形、焼結し、得られた焼
結体の寸法変化率を調査した。尚焼結に当たっては、成
形の際に2重量%のCu、0.9重量%の黒鉛および
0.8重量%(いずれも混合物に対する%)のステアリ
ン酸亜鉛を配合した。また成形体(圧粉体)は、64φ
−20φ(mm)のリング状とし、成形圧力は5トン/
cm2 とし、これを75%H2 −25%N2 雰囲気中、
1130℃で30分焼結した。得られた各種焼結体にお
ける寸法変化率(成形体を基準とした寸法変化率)を、
焼結後の酸素量および炭素量と共に下記表1に示す。
【0015】
【表1】
【0016】この結果から、次の様に考察できる。まず
図1は、上記表1の結果から(No.1〜5)、酸化鉄粉
の混合比率と寸法変化率の関係を示したものである。図
1から明らかな様に、酸化鉄粉の混合比率と寸法変化率
には負の比例関係があることがわかる。
【0017】図2は、上記表1の結果から(No.4,
6,7)、粒径:45μm以下の酸化鉄粉が該酸化鉄粉
中に占める比率と、焼結後の酸素量の関係を示したもの
である。図2から明らかな様に、上記比率が80重量%
未満になると、焼結後の酸素量が大幅に増加しており
(酸素が焼結体中に残ってしまい)、焼結体の強度等の
悪化を招くことが予想される。
【0018】図3は、上記表1の結果から(No.1〜
5)、酸化鉄粉の混合比率と焼結後の酸素量の関係を示
したものである。図3から明らかな様に、酸化鉄粉の混
合比率が10重量%を超えると、焼結後の酸素量が大幅
に増加していることがわかる。
【0019】
【発明の効果】本発明は以上の様に構成されており、粉
末冶金鉄系焼結体の寸法変化を容易に且つ安定して制御
することができる様になり、これによって製品寸法精度
のばらつきの少ない焼結体を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】酸化鉄粉の混合比率と寸法変化率の関係を示す
グラフである。
【図2】粒径:45μm以下の酸化鉄粉が該酸化鉄粉中
に占める比率と、焼結後の酸素量の関係を示すグラフで
ある。
【図3】酸化鉄粉の混合比率と焼結後の酸素量の関係を
示すグラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 仕上げ還元した鉄粉と、酸化鉄粉を混合
    して粉末冶金法によって焼結するに際し、前記酸化鉄粉
    としては、粒径:45μm以下のものが80重量%以上
    を占めるものを用い、これを混合物中10重量%以下
    (0%を含む)に抑制して鉄系焼結体の寸法変化を制御
    することを特徴とする粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化制
    御方法。
JP12845295A 1995-05-26 1995-05-26 粉末冶金鉄系焼結体の寸法変化制御方法 Withdrawn JPH08325667A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010150920A1 (ja) 2009-06-26 2010-12-29 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用鉄基混合粉末
US8603212B2 (en) 2009-05-28 2013-12-10 Jfe Steel Corporation Iron-based mixed powder for powder metallurgy

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8603212B2 (en) 2009-05-28 2013-12-10 Jfe Steel Corporation Iron-based mixed powder for powder metallurgy
WO2010150920A1 (ja) 2009-06-26 2010-12-29 Jfeスチール株式会社 粉末冶金用鉄基混合粉末

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