JPH08325612A - 微細な鱗片状銅粉及びその製造方法 - Google Patents

微細な鱗片状銅粉及びその製造方法

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JPH08325612A
JPH08325612A JP15532595A JP15532595A JPH08325612A JP H08325612 A JPH08325612 A JP H08325612A JP 15532595 A JP15532595 A JP 15532595A JP 15532595 A JP15532595 A JP 15532595A JP H08325612 A JPH08325612 A JP H08325612A
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copper
powder
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zinc
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JP15532595A
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Akifumi Ito
昭文 伊藤
Yoshinori Kanao
義則 金尾
Masato Ishii
正人 石井
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Mitsui Kinzoku Paints and Chemicals Co Ltd
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Mitsui Mining and Smelting Co Ltd
Mitsui Kinzoku Paints and Chemicals Co Ltd
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  • Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 導電性ペースト用あるいは導電性接着剤用と
して極めて利用価値の高い微細な鱗片状銅粉及びその製
造方法を提供する。 【構成】 銅を含む酸性溶液と亜鉛末スラリーとを混合
し、置換反応を進行させて微細な銅粉を析出せしめ、得
られた銅粉を洗浄後、媒液中にて分散剤の存在下に媒体
ミルで扁平化することを特徴とする。また、本発明によ
る微細な鱗片状銅粉は平均長径が15μm以下で扁平比が
20以下である上記方法により得られたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微細な鱗片状銅粉及びそ
の製造方法に関し、より詳しくは低温硬化型導電性ペー
スト用あるいは導電性接着剤の導電性フィラーとして適
した微細な鱗片状銅粉及びその製造方法に係る。
【0002】
【従来の技術およびその問題点】従来、導電性ペースト
としては、銀粉あるいは銀フレークを主体とする導電性
金属粉体をフェノール樹脂系等の有機樹脂に配合したも
のがある。このペーストは300℃以下の低温で焼成で
きるため、プリント配線基板のスルーホール用、配線用
あるいはクロスオーバー用に使用されている。これら銀
粉あるいは銀フレークを使用する導電性ペーストは導電
性に優れかつ耐酸化性にも優れているが、銀は高価であ
り、また安定した入手が困難でありしかも耐マイグレー
ション性に問題がある。そこで、高価な銀に代えて安価
でかつ導電性に優れた銅粉を金属粉体として使用した銅
ペーストがシールド用等の一部に使用されている。
【0003】従来、銅ペースト用に供される銅粉は平均
粒径5〜10μmの球状、いも状あるいは樹枝状粉である
ため、粒子間の接触面積が少なく、スルーホール用ある
いは配線用としては耐熱変化率が高く問題がある。そこ
で、微細な鱗片状銅粉がこれら問題点を補うものとして
嘱望されている。通常、鱗片状の金属粉を得る手段とし
ては、ボールミルあるいはアトライタ等による摩砕しな
がら扁平化する方法が採られ、銀、亜鉛等では微細な鱗
片状粉が得られている。
【0004】しかしながら、銅(銅合金をも含む、以下
同じ)は延伸性が極めて大きいため、ボールミルあるい
はアトライタ等を用いても扁平化はするが、摩砕せずに
大きな鱗片状を呈する。現在一般に入手される銅粉は5
μm以上であり、この銅粉を用いて10μm以下の鱗片
状銅粉を得ることは困難であり、またたとえ極めて強力
に摩砕し、10μm以下の鱗片状銅粉を得ることができ
ても、種々の形状、粒径のものが混在し、所望の微細粉
を得るためには分級が不可欠となり、極めてコスト高と
なる。一方、還元析出法による数μm以下の超微細粉を
扁平化する方法も考えられるが、この還元析出により超
微細粉を得るには極めてコストがかさみ、実用的でな
い。
【0005】本発明は導電性ペースト用あるいは導電性
接着剤用として極めて利用価値の高い微細な鱗片状銅粉
及びその製造方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0006】
【問題点を解決するための手段】本発明方法は、銅を含
む酸性溶液と亜鉛末スラリーとを混合し、置換反応を進
行させて微細な銅粉を析出せしめ、得られた銅粉を洗浄
後、媒液中にて分散剤の存在下に媒体ミルで扁平化する
ことを特徴とする。また、本発明による微細な鱗片状銅
粉は平均長径が15μm以下で扁平比が20以下である上記
方法によるものである。
【0007】
【作用】上記のような本発明では、亜鉛末に銅を含む酸
性溶液を作用させることにより、イオン化傾向の低い亜
鉛末が酸溶液中でイオン化し溶解する。溶解した亜鉛イ
オンは、銅イオンとイオン結合した酸基と結合し、分離
した銅イオンは水の存在下にて還元され、亜鉛末表面に
銅金属として析出し置換反応が起こる。この時水素ガス
が発生する。この置換反応の進行に伴い、銅は樹枝状に
成長し、樹枝状銅粉を形成する。酸性溶媒中に存在する
酸は、亜鉛の溶解を助長し置換反応の進行を促すととも
に置換析出形成された樹枝状銅結晶を部分的に再溶解さ
せ、樹枝状銅表面を崩壊し棒状、粒状化させる。酸の存
在により亜鉛の完全溶解が達成されると共に形状のコン
トロールが可能となる。この置換反応は極めて速く亜鉛
末表面で同時進行するため、亜鉛末が細かくかつ分布が
均一なほど置換析出する銅粉も微細かつ均一なものとな
る。
【0008】上記のようにして得られた銅粉は非常に微
細であるとともに銅金属の特性のため、媒体ミルによる
扁平化においては肥大扁平化が進行するが、分散剤とし
て添加した有機物あるいはコロイダルシリカ及びケイ酸
塩に含まれる酸化シリコン(SiO2)が銅金属表面に吸着
し、介在物として存在することにより、銅粉同志の凝集
が阻止され、銅粉の凝集に起因した肥大扁平化は抑えら
れ、目的とする均一かつ微細な鱗片状銅粉を製造するこ
とが可能となる。
【0009】以下、本発明をより詳細に説明する。 銅を含む酸性溶液:本発明において使用する銅を含む酸
性溶液は、通常の硫酸銅、塩化銅、硝酸銅のいずれか1
種あるいは2種以上を溶解して得られるものであってよ
い。銅金属を硫酸、塩酸あるいは硝酸で溶解したもので
も良い。溶媒としては水を用いるが、種々の水準のもの
を用いることができ、例えば工業用水を用いることもで
きるが、好ましくはイオン交換水または純水である。銅
を含む酸性溶液中に含まれる銅イオンの量は、亜鉛に対
する当量比で 0.1〜2.0、好ましくは0.4〜1.7、より好
ましくは0.8〜1.4とする。銅イオン量が少なければ置換
析出反応が遅くなり、生産性が悪化し、多すぎると置換
反応後の銅イオン残存量が多くなる。この銅イオンを含
む溶液中には、酸が存在することが好ましく、酸量は亜
鉛に対する酸の当量比と亜鉛に対する銅イオンの当量比
の総和で、1.0〜2.0、好ましくは1.1〜1.7、より好まし
くは1.2〜1.4とする。酸量が少ないと置換反応は遅くな
り、得られる銅粉粒径は小さくなる。総和が1.0以下で
は亜鉛が残存するようになり、逆に酸量が多くなると置
換析出した銅粉が再溶解し、銅イオン残存量が増加す
る。総和が3.0以上では銅、亜鉛ともにイオン化し、目
的とする銅粉が得られなくなる。
【0010】亜鉛末スラリー:本発明に使用される亜鉛
末としては、通常の蒸留法、アトマイズ法、機械的粉砕
法等から得られる亜鉛末であり、その形状は球状、粒状
またはフレーク状等である。またV型ミキサー等を用い
て球状と粒状またはフレーク状のものとを混合して使用
することができる。亜鉛末の粒径は平均粒径が100μm
以下、好ましくは30μm以下、より好ましくは10μm以
下とする。粒径が大きくなると、スラリー中での分散不
良が生じ、置換反応が十分に進行することなく、亜鉛末
の残存が生じる。亜鉛末のスラリー化には水を用いる
が、種々の水準のものを用いることができ、例えば工業
用水、市水を用いることができるが、好ましくはイオン
交換水または純水である。亜鉛末のスラリー濃度は特に
限定されるものではないが、亜鉛末の形状、粒径によ
り、亜鉛末が十分に分散する濃度に適宜選択変更するよ
うにする。
【0011】分散剤:本発明で使用される分散剤は、置
換析出して得られた銅粉の扁平化において、銅粉の凝集
を抑制することにより大きな鱗片状銅粉の生成を防止
し、また鱗片状銅粉が凝集して大きな鱗片状銅粉となる
ことを防止する。具体的には、例えば脂肪酸アミン誘導
体、不飽和脂肪酸、コロイダルシリカ及びケイ酸塩、及
びこれらの組合せが挙げられる。分散剤は置換析出して
得られた銅粉を表面処理する方法、扁平化、特にアルコ
ール媒液中に添加する方法あるいは併用する方法で存在
させることができる。分散剤の使用量は銅粉重量の0.01
〜5wt%、好ましくは0.05〜3.0wt%、より好ましくは0.1
〜1.0wt%とする。使用量が少ないと肥大化が進み、目的
とする粒径の鱗片状銅粉を得ることが困難となる。逆に
多すぎると扁平化が抑えられ、所望の鱗片状銅粉を得る
ことができない。
【0012】媒体ミルの媒体:本発明に使用する媒体ミ
ルは縦型、横型の回転式媒体ミル及びボールミル、振動
ミル等であり、特に限定されるものではない。使用する
媒体としては種々の材質のボールを用いることができ、
例えばアルミナ、ジルコニア等を用いることができる
が、好ましくは比重が小さいガラスビーズである。ガラ
スビーズの粒径は平均粒径で5mm以下、好ましくは0.5
〜2.0mmとする。粒径が小さすぎると銅粉に与えられる
衝撃力が小さく、扁平化が進まない。逆に粒径が多きす
ぎると微細な銅粉が扁平化すること無く残存するように
なる。
【0013】製造方法:本発明に係る微細な鱗片状銅粉
の製造方法は、銅イオンを含む酸性溶液と亜鉛末スラリ
ーとを混合し、置換反応を行なわせしめ、微細な銅粉を
析出して得た後、得られた銅粉を媒体中で分散剤の存在
下で媒体ミルを用い、扁平化して微細な鱗片状とするこ
とからなる。
【0014】以下、本発明方法を図1に示した製造工程
図を参照して説明する。本発明において、銅を含む酸性
溶液と亜鉛末スラリーとを混合して置換反応を行なわせ
しめるには、酸溶液中に亜鉛末スラリーを混合する方
法、亜鉛末スラリーに酸性溶液を混合する方法あるいは
同時に混合する方法のいずれでも良いが、置換反応を亜
鉛末及び置換析出した銅粉が十分に液中に分散した状態
で完了することが必要であり、好ましくは図示したよう
に亜鉛末が十分分散しているスラリー中に酸性溶液を添
加混合していく方法が望ましい。置換反応条件(反応温
度、反応時間等)は所望の置換析出した銅粉の特性に応
じて適宜選択変更することができる。撹拌条件は槽の形
状、容量に応じて適宜選択変更するが、亜鉛末及び置換
析出した銅粉が沈降することなく分散するようにするこ
とが必要である。置換析出して得られた銅粉の洗浄は水
を用いるが、種々の水準のものが使用でき、例えばイオ
ン交換水、純水を挙げられるが、好ましくは市水を用い
る。洗浄は洗浄液PHが5以上になるまで十分に行ない
乾燥することなく溶媒で適正なスラリー濃度に調整し、
媒体ミルに供用する。
【0015】本発明における扁平化のための媒体ミル条
件(媒液中の銅粉濃度、ガラスビーズ量、回転数等)
は、所望の微細な鱗片状銅粉の粒径、扁平率に応じて適
宜選択変更することができる。得られた微細な鱗片状銅
粉の乾燥は濾別後、そのまま不活性な雰囲気中での乾燥
機で溶媒を揮発又は揮発性溶媒であるアセトン等で洗浄
後、蒸発させる。
【0016】本発明により得られた微細な鱗片状銅粉は
種々の用途に用いることができ、導電性ペースト、導電
性接着剤等の導電フィラーとして好適に使用できるもの
である。
【0017】
【発明の効果】以上のような本発明によれば、次のよう
な効果を得ることができる。 (a)従来、形状及び粒径等により困難であった銀ペー
ストに代わる銅ペーストの提供が可能となり、銀ペース
トの問題点であるコスト、マイグレーションを解決する
ことができる。 (b)従来実施されているヒドラジン還元法に比較し、
産業上よく使用される安価な原材料を使用しかつ簡単な
設備で微細な銅粉を経済的にかつ安全に得ることができ
る。 (c)従来の銅粉の鱗片状化は摩砕、扁平化する方法で
あるため、微細な鱗片状とすることが困難であり、かつ
例え得られたとしても分級を必要とし、製造コストが極
めて高価となるのに対し、本発明方法では安価な方法で
得られた微細な銅粉を使用しかつ分級の必要性がなく、
非常に経済的に微細な鱗片状銅粉を製造することができ
る。 (d)使用する原材料がすべて安価でかつ工程がシンプ
ルであり、工業的価値の極めて高い方法が得られる。
【0018】以下、実施例を示す。ここで、実施例1〜
実施例5、比較例1〜比較例3は微細な銅粉を得るまで
の工程を示し、実施例6〜実施例9、比較例4〜比較例
7は得られた銅粉を処理して得た微細な鱗片状銅粉を用
いて導電性ペーストを調製し、各種試験に供した例を示
す。
【実施例1】硫酸銅(二価)五水和物(和光工業(株)
試薬:99.5%)763gを純水で溶解し、97% H2SO4 1
24gを加え、純水で液量4リットルの銅イオン含有酸性
溶液を調製した。亜鉛末(三井金属塗料化学製、LS−
2.平均粒径3.5μm以下)250gを純水中に200rpmで撹
拌しながら分散させ、液量5リットルの亜鉛末スラリー
を得た。亜鉛スラリーを撹拌しながら、この亜鉛スラリ
ー中に先に調製した銅イオン含有酸性溶液を4分間で混
合した。液温は50〜70℃とし、約10分間撹拌を継続し
た。次いで、濾過し、市水で洗浄濾液のPHが5以上に
なるまで洗浄した後、メタノールで洗浄し、メタノール
を自然蒸発により乾燥させた。銅粉収量は191.5g、収
率は98.5%であり、品位は、Cu:97.5%,Zn:1.8%
であった。電子顕微鏡による観察によれば平均粒径が<
2μmの粒状粉であった。
【0019】
【実施例2】硫酸銅(二価)五水和物1017g、97% H2
SO4は無添加とすること以外は実施例1と同様にして
銅粉を得た。その結果、銅粉収量は230.3g、収率は93
%であり、品位は、Cu:98.4%,Zn:0.8%であっ
た。電子顕微鏡による観察によれば平均粒径が<2μm
の粒状粉であった。
【0020】
【実施例3】硫酸銅(二価)五水和物539g、97% H2
SO4 219g、亜鉛末(三井金属塗料化学製、LS−
6,平均粒径6.1〜7.0μm)を用いること以外は実施例
1と同様にして銅粉を得た。その結果、銅粉収率は98.5
%であった。電子顕微鏡による観察によれば長径が<5
μmの樹枝状粉であった。
【0021】
【実施例4】硫酸銅(二価)五水和物539g、97% H2
SO4 292g、亜鉛末(三井金属鉱業製、MA−Z−
B,粒度分布45μm以下)を用いること以外は実施例1
と同様にして銅粉を得た。その結果、銅粉収率は97.5%
であった。電子顕微鏡による観察によれば長径が<2μ
mの樹枝状及び棒状の混合粉であった。
【0022】
【実施例5】塩化銅(二価)二水和物(和光工業製、試
薬:99.5%)567g、35% HCl 631g、亜鉛末(三井
金属鉱業製、フレーク状亜鉛末、MA−ZF,粒度分布
45μm以下)を用いること以外は実施例1と同様にして
銅粉を得た。その結果、銅粉収率は98.5%であった。電
子顕微鏡による観察によれば平均粒径が<3μmの棒状
及び粒状の混合粉であった。
【0023】
【比較例1】硫酸銅950g、97% H2SO4は無添加とす
ること以外は実施例1と同様にして銅粉を得た。電子顕
微鏡による観察によれば、亜鉛と樹枝状銅粉との混合物
が得られた。
【0024】
【比較例2】亜鉛末(三井金属鉱業製、MA−Z10、粒
度分布0.7〜1.2mm)250gを用いたこと以外は実施例1
と同様にして銅粉を得た。これにより亜鉛末は完全に反
応せず、表面が局部的に反応し亜鉛末の大半が残留し
た。
【0025】
【比較例3】硫酸銅359g、97% H2SO4 1162gとす
ること以外は実施例1と同様にして銅粉を得た。生成し
た銅粉の大部分が再溶解し、銅粉がほとんど得られなか
った。得られた僅かの銅粉を電子顕微鏡により観察した
ところ、平均粒径<3μmの粒状粉であった。
【0026】以上の結果をまとめて表1に示す。
【0027】
【表1】
【0028】
【実施例6】実施例1で得られた銅粉をメタノール溶液
で235g/lとし、撹拌機で十分撹拌しながら脂肪酸ア
ミン誘導体を0.5%添加し、撹拌を継続し、15分間分
散させた後、オレイン酸0.3%を添加し、更に5分間処
理した。得られた銅粉スラリーを媒体ミルで0.8〜1.0mm
φのガラスビーズを用い、2時間処理した結果、扁平化
した銅粉が得られた。得られた銅粉は電子顕微鏡で観察
したところ、長径が10μm以下、平均長径5μm、扁平
比10〜15の鱗片状銅粉であった。これにより得られた鱗
片状銅粉及びバインダー樹脂、添加剤を以下の割合で配
合し、2-(2-メトキシエトキシ)エタノールにより導電
性ペーストを調製した。 銅粉量 72重量部 レゾール型フェノール樹脂 17重量部 不飽和脂肪酸グリシジルエステル 1.6重量部 N-N−ジグリシジル-O-トルイジン 2.4重量部 トリエタノールアミン 1.5重量部 ソルビタントリオレエート 0.1重量部
【0029】得られたペーストをスクリーン印刷機で紙
フェノール基板上に塗布した。このペーストを空気中、
160℃で30分間乾燥し、回路基板を形成した。塗膜の抵
抗値は、1.0×(1/104)Ω・cmであり、良好な導電性を示
した。このようにして作製した回路基板を純水中に浸漬
し、2時間煮沸した。試験後の抵抗値を試験前の抵抗値
に対する変化率として求めたところ、−8%と良好であ
った。
【0030】
【実施例7】脂肪酸アミン誘導体を0.8%とし、オレイ
ン酸を添加しないこと以外は実施例6と同様に処理して
銅粉を得た。得られた銅粉は電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、長径が15μm以下、平均長径が約8μm、扁平比5
〜10の鱗片状銅粉であった。この銅粉のペースト評価は
実施例6と同様にして試験した。その結果を表2に示
す。
【0031】
【実施例8】処理の対象とする銅粉を実施例3で得られ
たものとし、分散剤として脂肪酸アミン誘導体を0.1
%、オレイン酸をコロイダルシリカ0.5%としたこと以
外は実施例6と同様にして処理した。得られた銅粉は電
子顕微鏡で観察したところ、長径が10μm以下、平均長
径が約5μm、扁平比5〜15の鱗片状銅粉であった。こ
の銅粉のペースト評価は実施例6と同様にして試験し
た。その結果を表2に示す。
【0032】
【実施例9】処理の対象とする銅粉を実施例4で得られ
たものとし、脂肪酸アミン誘導体を添加せず、オレイン
酸添加量を0.5%としたこと以外は実施例6と同様にし
て処理した。得られた銅粉は電子顕微鏡で観察したとこ
ろ、長径が15μm以下、平均長径が約10μm、扁平比10
〜20の鱗片状銅粉であった。この銅粉のペースト評価は
実施例6と同様にして試験した。その結果を表2に示
す。
【0033】
【比較例4】脂肪酸アミン誘導体添加量を5.0%とし、
オレイン酸をコロイダルシリカ2%としたこと以外は実
施例6と同様に処理して銅粉を得た。得られた銅粉は電
子顕微鏡での観察によれば、粒状物が多く残存するもの
であった。得られた銅粉を用いたペースト評価は実施例
6と同様にして試験した。その結果を表2に示す。
【0034】
【比較例5】処理の対象とする銅粉を実施例3で得られ
たものとし、分散剤としての脂肪酸アミン誘導体を添加
しないこと以外は実施例6と同様にして処理した。得ら
れた銅粉は電子顕微鏡で観察したところ、肥大化した長
径が5〜25μm、平均長径が約18μm、扁平比10〜25の
鱗片状銅粉であった。この銅粉のペースト評価は実施例
6と同様にして試験した。その結果を表2に示す。
【0035】
【比較例6】使用する銅粉として電解銅粉(三井金属鉱
業製、DP−2)としたこと以外は実施例6と同様に処
理した。得られた銅粉は電子顕微鏡で観察したところ、
長径が5〜25μm、平均長径が約15μm、扁平比10〜25
の鱗片状銅粉であった。この銅粉のペースト評価は実施
例6と同様にして試験した。その結果を表2に示す。
【0036】
【比較例7】使用する銅粉としてアトマイズ粉(日本ア
トマイズ製、SF-CuM8−9)としたこと以外は実施例6
と同様に処理した。得られた銅粉は電子顕微鏡で観察し
たところ、長径が8〜20μm、平均長径が約15μm、扁
平比10〜20の鱗片状銅粉であった。この銅粉のペースト
評価は実施例6と同様にして試験した。その結果を表2
に示す。
【0037】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法の工程説明図である。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 銅を含む酸性溶液と亜鉛末スラリーとを
    混合し、置換反応を進行させて微細な銅粉を析出せし
    め、得られた銅粉を洗浄後、媒液中にて分散剤の存在下
    に媒体ミルで扁平化することを特徴とする微細な鱗片状
    銅粉の製造方法。
  2. 【請求項2】 銅を含む酸性溶液中の亜鉛に対する銅イ
    オンの当量比が 0.1〜2.0である請求項1記載の微細な
    鱗片状銅粉の製造方法。
  3. 【請求項3】 銅を含む酸性溶液中の酸量を亜鉛に対す
    る酸の当量比と亜鉛に対する銅イオンの当量比の総和
    で、1.0〜2.0である請求項1又は2記載の微細な鱗片状
    銅粉の製造方法。
  4. 【請求項4】 酸性溶液が硫酸、塩酸及び硝酸から選ば
    れるいずれか1種又は2種以上の溶液である請求項1〜
    3のいずれかに記載の微細な鱗片状銅粉の製造方法。
  5. 【請求項5】 亜鉛末の平均粒径が100μm以下である
    請求項1〜4のいずれかに記載の微細な鱗片状銅粉の製
    造方法。
  6. 【請求項6】 分散剤が脂肪酸アミン誘導体、脂肪酸及
    びコロイダルシリカ及びケイ酸塩から選ばれるいずれか
    1種又は2種以上のものである請求項1〜5のいずれか
    に記載の微細な鱗片状銅粉の製造方法。
  7. 【請求項7】 分散剤の使用量が銅粉重量の0.01〜5wt
    %である請求項1〜6のいずれかに記載の微細な鱗片状
    銅粉の製造方法。
  8. 【請求項8】 媒体ミルで使用する媒体が5mm以下のガ
    ラスビーズである請求項1〜7のいずれかに記載の微細
    な鱗片状銅粉の製造方法。
  9. 【請求項9】 平均長径が15μm以下で扁平比(長径/
    厚み)が20以下である請求項1〜8のいずれかに記載
    の方法により得られた微細な鱗片状銅粉。
JP15532595A 1995-05-30 1995-05-30 微細な鱗片状銅粉及びその製造方法 Pending JPH08325612A (ja)

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