JPH08325586A - 冷凍機用潤滑油 - Google Patents

冷凍機用潤滑油

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JPH08325586A
JPH08325586A JP13217695A JP13217695A JPH08325586A JP H08325586 A JPH08325586 A JP H08325586A JP 13217695 A JP13217695 A JP 13217695A JP 13217695 A JP13217695 A JP 13217695A JP H08325586 A JPH08325586 A JP H08325586A
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JP
Japan
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group
formula
monovalent
integer
divalent hydrocarbon
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Application number
JP13217695A
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English (en)
Inventor
Yutaka Furukawa
豊 古川
Masami Kodera
真美 小寺
Seisaku Kumai
清作 熊井
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】吸湿性が少なく、潤滑性能に優れ、冷凍機用潤
滑油としての条件を有する化合物を提供する。 【構成】CF3 (CF27 (CH23 −のような1
価の基、および、CH3O(CH2 CH2 O)5 [CH
(CH3 )CH2 O]3 (CH23 −のような1価の
基が、シロキサンのケイ素原子に結合したフルオロシリ
コーン化合物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、新規な冷凍機用潤滑油
に関し、さらに詳しくは、電気冷蔵庫、エアコン用等の
圧縮式冷凍機の冷凍機用潤滑油に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、冷凍機内部では、圧縮機摺動
部における摩擦、磨耗および焼き付け防止等を計る目的
で潤滑油が使用されている。このような潤滑油として
は、ナフテン系鉱物油、パラフィン系鉱物油、アルキル
ベンゼン系合成油、ポリ−α−オレフィン系合成油など
が例示される。
【0003】冷凍機用潤滑油として要求される条件とし
ては、一般の潤滑油と異なり、冷媒との接触を伴うた
め、冷媒に対する安定性に優れること、冷媒への溶解性
が優れていること、熱安定性の良いこと、電気絶縁性の
良いこと、潤滑性に優れること等の条件が挙げられる。
【0004】従来より冷媒としては、ジクロロジフルオ
ロメタン(CFC12)やクロロジフルオロメタン(H
CFC22)等の塩素化フッ素化炭化水素が用いられて
きた。しかし、CFC12はオゾン層を破壊するおそれ
があるため、冷蔵庫やカーエアコンに使用されるCFC
12の使用が規制されることになった。また、これに続
いてルームエアコン等に使用されるHCFC22につい
ても使用が規制される方向に進んでいる。
【0005】そのため、CFC12やHCFC22の代
替品として、オゾン層を破壊することがないフッ素化炭
化水素が候補に挙げられている。代表的な化合物として
は、たとえば1,1,1,2−テトラフルオロエタン
(以下、R134aと記す。)やそれを主成分とする3
種混合溶媒が挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の冷媒であるCF
C12やHCFC22に対しては、ナフテン系鉱物油、
パラフィン系鉱物油、アルキルベンゼン系合成油、ポリ
−α−オレフィン系合成油等が前述の条件を満足してお
り、支障なく使用できる。しかし、代替品であるHFC
134aやそれを主成分とする3種混合溶媒には、従来
の潤滑油は溶解しないため使用できない問題がある。
【0007】この問題を解決するために、ポリアルキレ
ングリコール系油を潤滑剤として使用することが、USP
4,755,316に提案されている。しかしながら、ポリアル
キレングリコール系油は、吸湿性が高く、水分を含みや
すいため、電気絶縁性が悪化するという問題点があっ
た。これを解決するものとして、特開平6−33659
1に、シリコーンオイルにポリオキシアルキレン基をグ
ラフトさせた潤滑剤が提案されているが、これも吸湿性
が高く、潤滑性に乏しい欠点があった。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来の技術に
おける欠点を解消すべくなされたものであり、冷凍機用
潤滑剤に要求される条件を満足し、吸湿性が少なく、潤
滑性能に優れる冷凍機油用潤滑油を提供する。
【0009】すなわち、本発明は、式(1)〜(3)で
表される基より選ばれる少なくとも1個の1価の基、お
よび式(4)で表される1価の基が、シロキサンのケイ
素原子に結合したフルオロシリコーン化合物からなるこ
とを特徴とする冷凍機用潤滑油を提供する。
【0010】
【化3】 Rf 1−X1 − ・・・(1) Rf 2−X2 −O−X3 − ・・・(2) Rf 3−X4 −O−X5 − ・・・(3) R1 −O−(A−O)p −(Ar)r −R2 − ・・・(4)
【0011】ただし、式(1)〜(3)において、Rf 1
は、1価のポリフルオロ炭化水素基を示し、Rf 2は、エ
ーテル性の酸素原子を含む1価のポリフルオロ炭化水素
基を示し、Rf 3は、1価のポリフルオロ炭化水素基を示
す。X1 、X2 、X3 、X4、およびX5 は、同一であ
っても異なっていてもよく、それぞれ、2価の炭化水素
基を示す。
【0012】式(4)において、R1 は、水素原子、ア
ルキル基、アリール基、またはアリールアルキル基を示
し、R2 は、2価の炭化水素基を示し、Aは、1種以上
の炭素数2〜4のアルキレン基を示し、Arは、アリー
レン基を示す。pは、1〜50の整数を示す。rは、0
または1を示す。
【0013】式(1)〜(3)において、Rf 1は、1価
のポリフルオロ炭化水素基、Rf 2は、エーテル性の酸素
原子を含む1価のポリフルオロ炭化水素基、Rf 3は、1
価のポリフルオロ炭化水素基を示す。本発明における、
1価のポリフルオロ炭化水素基(以下、1価のポリフル
オロ炭化水素基をRf 基とも記す。)は、炭化水素基の
水素原子の2個以上がフッ素原子に置換された基をい
う。炭化水素基としては、脂肪族の炭化水素基が好まし
く、特にアルキル基が好ましい。Rf 基はフッ素原子以
外のハロゲン原子を含んでいてもよい。該ハロゲン原子
としては、塩素原子が好ましい。また、Rf 基の炭素原
子はエーテル性の酸素原子を含んでいてもよい。
【0014】Rf 基のフッ素原子の数は、Rf 基に対応
する同一炭素数の炭化水素基中に存在する未置換水素原
子に対する割合で表現した場合に、60%以上であるも
のが好ましく、特に80%以上が好ましい。さらに、R
f 基は、炭化水素基の水素原子の全てがフッ素原子に置
換されたRf 基(以下、ペルフルオロ炭化水素基と記
す。)が好ましい。
【0015】式(1)におけるRf 1は、1価のポリフル
オロ炭化水素基である。Rf 1の炭素数は1〜18個が好
ましく、特に4〜12個が好ましい。また、Rf 1は直鎖
の構造であっても分岐の構造であってもよいが、直鎖の
構造が好ましい。分岐の構造である場合には、分岐部分
の炭素数が1〜3個程度であり、末端部分に存在してい
る構造が好ましい。Rf 1は、アルキル基の水素原子の2
個以上がフッ素原子に置換されたポリフルオロアルキル
基が好ましい。
【0016】Rf 1の具体例としては、C49 −[CF
3 (CF23 −、(CF32 CFCF2 −,(CF
33 C−等の構造異性の基を含む]、C511−、C
613−、C817−、C1021−、C1225−、C15
31−、(CF32 CFCs2s−(ここで、sは1
〜15の整数を示す。)、HCt2t−(ここで、tは
1〜18の整数を示す。)等が挙げられる。
【0017】また、式(1)〜(4)におけるX1 〜X
5 は、それぞれ2価の炭化水素基を示す。該2価の炭化
水素基としては、特に限定されないが、2価の飽和炭化
水素基が好ましく、直鎖の2価の飽和炭化水素基が好ま
しい。このうち、式(1)のX1 は、−(CH2p
(ここで、pは1〜10の整数、好ましくは2〜4の整
数である。)で表されるアルキレン基が好ましい。
【0018】式(1)で表される1価の基は、一般式
(5)で表される1価の基である場合が好ましい。ただ
し、式(5)において、nは1〜18の整数を示し、好
ましくは4〜12の整数である。X1 は2価の炭化水素
基を示す。
【0019】
【化4】Cn2n+1−X1 − ・・・(5)
【0020】式(5)で表される1価の基の具体例を以
下に挙げるが、これらに限定されない。
【0021】
【化5】C49 −(CH22 − C511−(CH22 − C49 −(CH23 − C49 −(CH24 − C613−(CH22 − C817−(CH22 − C1021−(CH22
【0022】また、(2)式のRf 2は、エーテル性の酸
素原子を含むRf 基である。エーテル性の酸素原子を含
むRf 基とは、炭素原子の一部がエーテル性の酸素原子
に置換された炭化水素基中の水素原子の2個以上がフッ
素原子に置換された基である。
【0023】Rf 2は、ポリフルオロアルキル基の炭素原
子の1個以上が酸素原子に置換された基が好ましく、オ
キシポリフルオロアルキレン部分を含む基が好ましい。
さらにRf 2は、オキシペルフルオロアルキレン部分を含
む基が好ましい。さらにRf 2としては、オキシペルフル
オロアルキレン部分を含み、かつ、末端がペルフルオロ
アルキル基である基が好ましい。該オキシペルフルオロ
アルキレンとしては、オキシペルフルオロメチレン、オ
キシペルフルオロエチレン、オキシペルフルオロプロピ
レン、オキシペルフルオロブチレン等が挙げられる。
【0024】Rf 2は、下式で表される基である場合が好
ましい。ただし、下式において、mは1〜10の整数を
示す。
【0025】
【化6】 F[CF(CF3 )CF2 O]m CF(CF3 )−
【0026】Rf 2の具体例を以下に挙げるが、これらに
限定されない。また、下式において、uは1〜10の整
数を示し、vは1〜11の整数を示し、wは1〜11の
整数を示す。
【0027】
【化7】 F(CF(CF3 )CF2 O)u CF(CF3 )− F(CF2 CF2 CF2 O)v CF2 CF2 − F(CF2 CF2 O)w CF2 CF2
【0028】また、式(2)のX2 およびX3 は、同一
であっても異なっていてもよく、それぞれ2価の炭化水
素基を示し、それぞれが、−(CH2q −(ここで、
qは1〜10の整数、好ましくは1〜4の整数であ
る。)で表されるアルキレン基であるのが好ましい。
【0029】式(2)は、式(6)で表される1価の基
である場合が好ましい。ただし、mは1〜10の整数を
示し、0〜5の整数が好ましく、X2 およびX3 は、同
一であっても異なっていてもよく、それぞれ、2価の炭
化水素基を示す。
【0030】
【化8】 F[CF(CF3)CF2O]mCF(CF3)-X2-O-X3- ・・・(6)
【0031】式(6)で表される1価の基の具体例を以
下に挙げるが、これらに限定されない。
【0032】
【化9】 F[CF(CF3 )CF2 O]2 CF(CF3 )CH2 O(CH23 − F[CF(CF3 )CF2 O]4 CF(CF3 )CH2 O(CH23 − F(CF2 CF2 CF2 O)2 CF2 CF2 CH2 O(CH23
【0033】式(3)のRf 3は、Rf 1と同様の、1価の
ポリフルオロ炭化水素基であり、Rf 3の好ましい構造に
ついてもRf 1と同様である。また、式(3)のX4 およ
びX5 は、同一であっても異なっていてもよく、それぞ
れ、2価の炭化水素基を示し、それぞれが、−(CH
2r −(rは1〜10の整数、好ましくは1〜4の整
数である。)で表されるアルキレン基であるのが好まし
い。
【0034】さらに式(3)は、式(7)で表される構
造が好ましい。ただし、kは1〜18の整数を示し、好
ましくは4〜12の整数であり、X4 およびX5 は、同
一であっても異なっていてもよく、上記と同じ意味を表
す。
【0035】
【化10】 Ck2k+1−X4 −O−X5 − ・・・(7)
【0036】式(7)の具体例を挙げるが、これらに限
定されない。 C49 −(CH22 −O−(CH23 − C613−(CH22 −O−(CH23 − C817−(CH22 −O−(CH23
【0037】また、式(4)で表される1価の基におい
て、R1 は、水素原子、アルキル基、アリール基、また
はアリールアルキル基を示す。R1 がアルキル基の場合
には、炭素数1〜10程度のアルキル基が好ましく、直
鎖状であっても、分岐状であってもよい。たとえば、メ
チル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル
基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基等
が挙げられる。アリール基としては、フェニル基、トリ
ル基、ビフェニリル基、ナフチル基等が挙げられる。ま
た、アリールアルキル基としては、ベンジル基、2−フ
ェニルエチル基、1−メチル−2−フェニルエチル基等
が挙げられる。R1 としては、アルキル基が好ましい。
【0038】また、R2 は2価の炭化水素基を示し、特
に、アルキレン基が好ましく、さらに−(CH2a
(ここで、aは1〜6の整数を示す。)で表されるアル
キレン基が好ましい。
【0039】Aは、1種以上の炭素数2〜4のアルキレ
ン基を示す。アルキレン基としては、直鎖または分岐の
アルキレン基が好ましい。アルキレン基の炭素数は1〜
5程度が好ましく、特にメチレン基、エチレン基、プロ
ピレン基(トリメチレン基または1−メチルエチレン
基)が好ましい。Aは2種以上であるのが好ましく、特
にエチレン基および1−メチルエチレン基が好ましい。
Aが2種以上の場合、異なるアルキレン基の連なり方は
ブロック状またはランダム状のいずれであってもよい。
また、pは1〜50の整数を示し、1〜10の整数が好
ましい。
【0040】また、Arはアリーレン基を示す。アリー
レン基としては、1,4−フェニレン基、1−エチレン
−4−フェニレン基等が挙げられる。rは0または1を
示す。
【0041】式(4)で表される1価の基としては、下
式(8)で表される1価の基が好ましい。ここで、R3
は、炭素数1〜10のアルキル基を示す。bは1〜50
の整数を示し、cは0〜50の整数を示し、1≦b+c
≦50であり、aは1〜6の整数を示す。Arは、アリ
ーレン基を示し、rは0または1を示す。
【0042】
【化11】 R3-O-(CH2CH2O)p[CH(CH3)CH2O]q-(Ar)r-(CH2)a- ・・(8)
【0043】式(4)で表される1価の基の具体例を以
下に挙げるがこれらに限定されない。ただし、Phは、
1,4−フェニレン基を示す。
【0044】
【化12】CH3O[CH(CH3)CH2O]8(CH2)3- CH3O(CH2CH2O)8(CH2)3- CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3(CH2)3- CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3CH2-Ph-(CH2)3-
【0045】本発明におけるフルオロシリコーン化合物
は、上記式(1)〜(3)から選ばれる少なくとも1個
の1価の基、好ましくは式(5)〜(7)から選ばれる
少なくとも1個の1価の基、および、式(4)で表され
る1価の基、好ましくは、式(8)で表される1価の基
が、シロキサンのケイ素原子に結合しているフルオロシ
リコーン化合物である。
【0046】フルオロシリコーン化合物は、シリコーン
化合物の基本単位であるシロキサン(SiO)2/2 単位
が2個以上連なった構造を基本骨格とする化合物であ
り、シロキサンの連なる構造は、直鎖状、分岐状、また
は環状構造に連なるいずれかの構造であるのが好ましい
が、分岐が多すぎるとフルオロシリコーン化合物が固体
になるおそれがあるため、直鎖状の構造が好ましい。そ
して、該シロキサンのケイ素原子に、上記の式(1)〜
(3)から選ばれる少なくとも1個の1価の基、および
式(4)で表される1価の基が結合した化合物である。
本発明におけるシリコーン化合物においては、入手しや
すさの点から、式(1)で表される1価の基を有する化
合物が好ましい。
【0047】フルオロシリコーン化合物中に存在する式
(1)〜(3)で表される1価の基の数は、フルオロシ
リコーン化合物中に含まれるフッ素原子含有量に換算し
て5〜90重量%となるような数が好ましい。フルオロ
シリコーン化合物中のフッ素原子含有量が少なすぎる場
合には、潤滑性能が低下したり、吸湿性となるおそれが
ある。一方、フッ素原子の含有量を必要以上に多くする
ことは、経済的でない。
【0048】また、フルオロシリコーン化合物中に式
(1)〜(3)より選ばれる1価の基が2個以上存在す
る場合には、該1価の基は同一であっても異なっていて
もよく、合成しやすさ等の点から同一であるのが好まし
い。
【0049】また、式(4)で表される1価の基の量
は、冷凍機の冷媒の極性の程度によって溶解できる範囲
内で適宜変更するのが好ましい。ただし、式(4)で表
される1価の基の含有量が多すぎると、電気特性が低下
するため、溶解する程度であって多すぎない程度、好ま
しくは、溶解する最少の含有量とするのが好ましい。た
とえば、R134aの場合には、フルオロシリコーン化
合物中に15〜25重量%程度を含ませるのが好まし
い。
【0050】さらに、本発明のフルオロシリコーン化合
物のシロキサンのケイ素原子には、式(1)〜(4)で
表される基以外の基が結合していてもよい。式(1)〜
(4)で表される基以外の基としては、メチル基、エチ
ル基、プロピル基、ブチル基、オクチル基、デシル等の
1価のアルキル基、フェニル基、フェニルエチル基、フ
ェニルプロピル基などの1価の芳香族炭化水素基が好ま
しく、特にメチル基が好ましい。
【0051】フルオロシリコーン化合物の分子量は、特
に制限されるものではないが、冷凍機用潤滑油として
は、40℃における粘度が40〜80cs程度のものが
望まれるので、それを満足するように分子量を選択する
ことが望ましい。
【0052】本発明のフルオロシリコーン化合物は、下
式で表される構造が好ましい。ただし、下式においてR
11〜R34は、同一であっても異なっていてもよく、それ
ぞれ、1価の有機基を示し、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、オクチル基、デシル基等の1価のア
ルキル基、フェニル基、フェニルエチル基、フェニルプ
ロピル基などの1価の芳香族炭化水素基が好ましい。ま
た、同一分子内の該1価の有機基は、同一であるのが好
ましく、メチル基が好ましい。
【0053】また、下式においてRf 11 〜Rf 14 は上記
の式(1)〜(3)で表される1価の基から選ばれる基
であり、上記の式(5)〜(7)で表される1価の基か
ら選ばれるのが好ましい。また、同一分子中の該1価の
基は、同じ基であるのが好ましい。X11〜X14は、式
(4)で表される1価の基であり、式(8)で表される
基が好ましい。
【0054】
【化13】
【0055】
【化14】
【0056】
【化15】
【0057】フルオロシリコーン化合物の上記式による
表現は、Si原子に結合した2つの置換基の異なる(Si
O)2/2単位が、ブロック状またはランダム状に連なるい
ずれの構造であってもよいことを表す。なお、以下のシ
リコーン化合物の表現においても同様である。
【0058】本発明のフルオロシリコーン化合物は、公
知の方法で合成できる。たとえば、対応する環状シロキ
サンを酸やアルカリで開環重合する方法や、対応するジ
クロロシラン類を加水分解後、酸もしくはアルカリで縮
重合することにより合成できる。さらにはH−Si基を
有するシリコーンオイルに対応する末端オレフィン類を
付加する方法も採用できる。
【0059】上記フルオロシリコーン化合物は冷凍機用
潤滑油として用いる。その場合、フルオロシリコーン化
合物は単独でも用いてもよく、必要に応じて、他の化合
物を含ませて用いてもよい。他の化合物としては、潤滑
向上剤等の添加剤が挙げられる。
【0060】
【実施例】以下に、本発明を具体例を挙げて説明する
が、これらに限定されない。
【0061】[合成例1]撹拌器、温度計を備えた20
0ccの4つ口フラスコを、充分に窒素置換し、下式
(11)で表される化合物を100g加えて、つぎに、
温度を90℃に昇温した後、滴下ロートから式(12)
で表される化合物の34.7gと、H2PtCl6・6H2Oの1%
イソプロパノール溶液30mgを混合したものを滴下し
た。
【0062】さらに、C8F17CH2CH=CH2の51.3g とH2PtCl
6・6H2Oの1%イソプロパノール溶液30mgを混合した
ものを滴下した。4時間反応後、赤外分光法によりH−
Siピークが消失したことを確認した。活性炭を1g入
れ、さらに2時間撹拌し、ろ過した。得られた生成物を
核磁気共鳴スペクトル法、赤外分光法により分析した結
果、式(13)で表される化合物が生成していることを
確認した。生成物はオイル状であった。ただし、式(1
3)のX15は、CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3(CH2)3
である。
【0063】
【化16】
【0064】
【化17】 CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3CH2CH=CH2 ・・(12)
【0065】
【化18】
【0066】[合成例2]合成例1のC8F17CH2CH=CH2
代わりに、56.3gのC8F17C2H4OCH2CH=CH2 を用いて、式
(14)で示すフルオロシリコーン化合物を得た。得ら
れたフルオロシリコーン化合物は、オイル状であった。
ただし、式(14)のX16は、CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)
CH2O]3(CH2)3−を示す。
【0067】
【化19】
【0068】[合成例3]合成例1のC8F17CH2CH=CH2
代わりに、86.8gのF[CF(CF3)CF2O]2CF(CF3)CH2OCH2CH=
CH2 を用いて式(15)で示すフルオロシリコーン化合
物を得た。得られたフルオロシリコーン化合物は、オイ
ル状であった。ただし、式(15)のX17は、CH3O(CH2
CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3(CH2)3−を示し、Rf 15 は、F[CF
(CF3)CF2O]2CF(CF3)CH2O(CH2)3−を示す。
【0069】
【化20】
【0070】[比較合成例]合成例1のC8F17CH2CH=CH2
の代わりに、86.8gのCH3O(CH2CH2O)5[(CH(CH3)CH2O]3C
H2CH=CH2を用いて下式(16)で表されるフッ素を含ま
ないシリコーン化合物を得た。得られたシリコーン化合
物はオイル状であった。ただし、式(16)のX18は、
CH3O(CH2CH2O)5[CH(CH3)CH2O]3(CH2)3−を示す。
【0071】
【化21】
【0072】[実施例1〜3]合成例1〜3で合成した
フルオロシリコーン化合物を用いて、冷媒に対する溶解
性、シェル四球試験による潤滑性、吸湿性を評価した。
結果を表1に示す。
【0073】[比較例1〜2]比較合成例1で合成した
シリコーン化合物、従来使用されていたスニソ油を用い
て、実施例1〜3と同様に評価した。結果を表1に示
す。
【0074】[冷媒に対する溶解性の評価方法]冷媒と
して、ジフルオロメタン(R32):ペンタフルオロエ
タン(R125):R134a=23/25/52(重
量比)の混合物を用意した。この冷媒の1.5gに、合
成例1〜3、比較合成例で合成した化合物、またはスニ
ソ油を0.2g加えて、撹拌し、−20℃〜50℃まで
10℃きざみで昇温した。目視により、化合物が溶解し
ているか否かを判定した。
【0075】[シェル四球試験による潤滑性の評価方
法]ASTM−D4172−88に記載されるシェル四
球試験にしたがって実施した。すなわち、上記で合成し
たフルオロシリコーン化合物と4つの球を入れた容器
に、下記の試験条件で荷重をかけながら一定時間回転さ
せて容器の内壁を摩耗させ、摩耗痕の直径を測定し、平
均値を求めた。平均値が大きい方が、潤滑性に劣ること
を示す。 試験条件:回転数 1,500rpm、時間 60秒、
負荷 100kg
【0076】[吸湿性の評価方法]合成例1〜3、比較
合成例で合成した化合物、またはスニソ油を、30℃、
相対湿度70%の条件下に20時間放置した。放置前と
放置後のサンプルの水分量を、カールフィッシャー法に
より定量した。
【0077】
【表1】
【0078】
【発明の効果】本発明のフルオロシリコーン化合物は、
これから広く使われる代替冷媒への溶解性に優れた実用
的な冷凍機用潤滑油である。また、潤滑性、吸湿性にお
いても、現在用いられている潤滑油よりも優れたもので
ある。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)〜(3)で表される基より選ばれ
    る少なくとも1個の1価の基、および式(4)で表され
    る1価の基が、シロキサンのケイ素原子に結合したフル
    オロシリコーン化合物からなることを特徴とする冷凍機
    用潤滑油。 【化1】 Rf 1−X1 − ・・・(1) Rf 2−X2 −O−X3 − ・・・(2) Rf 3−X4 −O−X5 − ・・・(3) R1 −O−(A−O)p −(Ar)r −R2 − ・・・(4) ただし、式(1)〜(3)において、Rf 1は、1価のポ
    リフルオロ炭化水素基を示し、Rf 2は、エーテル性の酸
    素原子を含む1価のポリフルオロ炭化水素基を示し、R
    f 3は、1価のポリフルオロ炭化水素基を示す。X1 、X
    2 、X3 、X4、およびX5 は、同一であっても異なっ
    ていてもよく、それぞれ、2価の炭化水素基を示す。式
    (4)において、R1 は、水素原子、アルキル基、アリ
    ール基、またはアリールアルキル基を示し、R2 は、2
    価の炭化水素基を示し、Aは、1種以上の炭素数2〜4
    のアルキレン基を示し、Arは、アリーレン基を示す。
    pは、1〜50の整数を示す。rは、0または1を示
    す。
  2. 【請求項2】式(1)〜(3)で表される基より選ばれ
    る少なくとも1個の1価の基が、式(5)〜(7)で表
    される基より選ばれる少なくとも1個の1価の基である
    請求項1の冷凍機用潤滑油。 【化2】 Cn2n+1−X1 − ・・・(5) F[CF(CF3)CF2O]mCF(CF3)-X2-O-X3- ・・・(6) Ck2k+1−X4 −O−X5 − ・・・(7) ただし、式(5)において、nは1〜18の整数を示
    し、X1 は2価の炭化水素基を示す。式(6)におい
    て、mは0〜10の整数を示し、X2 およびX3 は、同
    一であっても異なっていてもよく、それぞれ、2価の炭
    化水素基を示す。式(7)において、kは1〜18の整
    数を示し、X4 およびX5 は、同一であっても異なって
    いてもよく、それぞれ、2価の炭化水素基を示す。
  3. 【請求項3】X1 〜X5 が、同一であっても異なってい
    てもよく、それぞれ、炭素数1〜10の2価の炭化水素
    基である請求項1または2の冷凍機用潤滑油。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102766499A (zh) * 2011-05-02 2012-11-07 旭硝子株式会社 烃致冷剂用润滑油基油

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