JPH08325133A

JPH08325133A - 洗浄保湿剤

Info

Publication number: JPH08325133A
Application number: JP15226295A
Authority: JP
Inventors: Masaru Takatani; 勝高谷; Masakatsu Yamamoto; 正勝山本
Original assignee: TOKUYASU KK
Current assignee: TOKUYASU KK
Priority date: 1995-05-26
Filing date: 1995-05-26
Publication date: 1996-12-10

Abstract

(57)【要約】【目的】軽くて携帯に便利なだけでなく、個別包装を
必要とせず使用頻度に合わせた使い切りが可能でありし
かも高い保湿効果を有する洗浄保湿剤を提供する。【構成】アルギン酸塩を主体として、水と混合し乾燥
固化する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】この発明は洗浄保湿剤に関する。

【産業上の利用分野】

【０００２】

【従来の技術】たとえば、化粧品や洗顔料などに用いら
れる保湿剤には、アロエやアボガドなどの植物エキス、
海藻類から抽出されるアルギン酸類あるいはコラーゲン
類が知られているが、これらの保湿剤は、液状またはゲ
ル状を呈している場合が多い。また、前記保湿剤は、適
宜の石鹸類よりなるクレンジングフォームやウォッシュ
フォームなどに添加されて用いられる場合もある。

【０００３】これらの保湿剤は液状、ゲル状という形態
から、瓶またはチューブなどに充填されていることが多
い。そのため、頻度の多少に合わせた使用量の目安が分
かりにくい上、携帯用として用いる場合、前記瓶または
チューブのままでは重く嵩張るため利便性に欠けるとい
う問題がある。また、一回分づつを個別包装すると、製
造者側では製造コストなどが割高となる問題があり、一
方、消費者側においては使用後の包装材や空容器がゴミ
として生じ、環境保護の面から見ても好ましいものでは
なかった。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような問
題に鑑み提案されたものであって、軽くて携帯に便利な
だけでなく、個別包装を必要とせず使用頻度に合わせた
使い切りが可能でありしかも高い保湿効果を有する洗浄
保湿剤を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】すなわち、この発明は、
アルギン酸塩を主体として、水と混合し乾燥固化してな
ることを特徴とする保湿洗浄剤に係る。

【０００６】図１にこの発明の洗浄保湿剤の一例を示
す。図示されるように、この洗浄保湿剤１０は、海藻な
どに豊富に含まれるアルギン酸塩を主体としており、こ
のアルギン酸塩を水と混合して乾燥し所望の形状に固化
することにより得られる。なお、本実施例ではアルギン
酸を含む海藻細片１１が洗浄保湿材１０内に添加され一
体に乾燥固化されるとともに、携帯に便利な小判型に成
形されている。

【０００７】前記洗浄保湿剤１０の形状は特に限定され
ず、図１に示すような小判型のほか、棒状や板状とし
て、使用時に適量を割って用いることもできる。また、
ペレット状や薄板状などでもよい。特にペレット状や薄
板状とすれば小分けして携帯しやすく、旅行などに大変
便利である。一方、大型に成形すれば、石鹸のように洗
面所などに置いて用いることもできる。

【０００８】この発明に用いられるアルギン酸塩として
特に限定はないが、アルギン酸のアルカリ金属塩は水溶
性を有しており好適である。特にはアルギン酸ナトリウ
ムが安価で一般的である。このアルギン酸塩は、水に徐
々に溶けて高粘度の液体を形成し、水分と結合した状態
で皮膚に付着してしっとり感を与える。

【０００９】前記アルギン酸塩に適当量の水分を添加し
て攪拌することにより、前記アルギン酸塩を水に溶解さ
せてどろどろした粘調な液体とする。前記アルギン酸塩
と水との混合割合について特に限定はないが、アルギン
酸塩が水に完全に溶けた状態とするとその後の乾燥およ
び固化が困難となるため、前記アルギン酸塩の使用量に
応じて増減される。本実施例では、水１００部に対して
アルギン酸塩１５部の割合で混合されている。

【００１０】このアルギン酸塩水溶液から水分を除去
し、型枠などに流し込むなどして所望の形状にまとめ
る。その際、前記工程を効率的に行なうため、凝固剤と
して前記アルギン酸塩の水溶液に適当な塩類を添加する
ことが望ましい。それによって、前記水溶液がゲル化し
てゼリー状に固まり成形しやすくなる。前記塩類として
は、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、酒石酸カル
シウムなど、人体に無害で低刺激性のものが用いられ
る。

【００１１】加えて、前記アルギン酸塩の水溶液には、
その凝固を妨げない程度に他の添加剤、たとえば他の保
湿剤成分や界面活性剤または抗菌および殺菌剤、香料、
顔料などを加えることができる。また、アルギン酸を豊
富に含む天然海藻の細片を添加したり、どくだみやヨモ
ギ、アロエなどの薬草や各種ハーブ類のエキスなどを添
加、混合することも好ましい。

【００１２】前記アルギン酸塩のゲルから水分を除去す
る方法としては特に限定はないが、公知のフリーズドラ
イ法が好適である。このアルギン酸塩のゲルを適宜の真
空装置を有する冷凍室内で凍結させ、そのまま真空状態
とすることにより、ゲル内の水分を直接昇華させて乾燥
させる。得られた固形物は、アルギン酸塩の粒子が互い
につながって三次元の網状となった多孔質体を構成して
いる。この方法によれば、乾燥に加熱を必要としないの
で、熱に対して不安定なアルギン酸塩（変性温度約５０
℃）の組織を破壊するおそれがなく都合がよい。

【００１３】この洗浄保湿剤は、乾燥固化後粉砕して粉
末状とし、公知の石鹸類などからなるクレンジングフォ
ームやウォッシュクリームなどに添加してもよい。

【００１４】

【作用】この発明の洗浄保湿剤を、使用前に水またはぬ
るま湯などに浸しておくことにより、保湿剤表面のアル
ギン酸塩が水分を吸収して再びゲル状となる。そのよう
な状態の洗浄保湿剤を、両手のひらでこすりあわせるこ
とにより、前記ゲル状となったアルギン酸塩を適量手の
ひらに付着させる。そして、顔や首および手足などをマ
ッサージすれば、前記成分が皮膚内に浸透ししっとりと
した潤いを与え、しかも使用後は皮膚がすべすべとした
滑らかな感触となる。このアルギン酸塩は海藻類などに
含まれる天然成分であり、皮膚などに与える刺激も少な
い。

【００１５】また、前記ゲル状の洗浄保湿剤をそのまま
皮膚にこすりつければ、アルギン酸塩の有する保湿効果
のみならず有効なマッサージ効果および洗浄効果を得る
ことができる。さらに、皮膚に付着可能なアルギン酸塩
は、ゲル状になった保湿剤表面部分だけなので、適量の
使い切りが可能である。

【００１６】使用後は、風通しのよい所に置いておけば
再び乾燥するので軽くて携帯に便利である上、容器や個
別包装などの必要もなく、包装材や空容器など発生する
ゴミを減らしコスト的にも環境的にも極めて有効であ
る。

【００１７】

【実施例】以下の材料を攪拌混合してどろどろのアルギ
ン酸塩水溶液を得る。水１５０部アルギン酸ナトリウム（紀文製）２２．５部続いて前記アルギン酸塩の水溶液に、海藻細片５部クエン酸カルシウム（片山化学製）２部抗菌剤「アモルデン」（大和化学製）１部を加えてさらに攪拌してゲル状とした後、小判型の型枠
内に流し込んで凍結乾燥し固化した。本例ではゲルを約
−２０℃で凍結し、真空状態を維持しながら０℃〜５℃
程度まで冷凍室内の温度を上昇させることにより、ゲル
内の水分を除去した。

【００１８】得られた洗浄保湿剤は、アルギン酸塩が凝
集して軽石状に固化している。その洗浄保湿剤を使用前
にぬるま湯に浸して、顔や首などをマッサージしたとこ
ろ、アルギン酸の保湿効果により、皮膚がしっとりし柔
らかな感触となった。しかも、この洗浄保湿剤は、常時
は乾燥した状態であるので軽くて携帯に便利である。ま
た、使用時には水分を吸ってゲル化した表面のアルギン
酸塩だけが手のひらにつくので、適量を使い切ることが
できた。さらに、洗浄保湿剤内に分散している海藻細片
により、皮膚に心地好いマッサージ効果および洗浄効果
を与えることができた。

【００１９】

【発明の効果】以上図示し説明したように、この発明の
洗浄保湿剤によれば、アルギン酸の高い保湿効果は言う
までもなく、軽くてしかも常時は乾燥しているので瓶や
チューブなどの容器類を必要としない。そのため、携帯
に便利であるだけでなく、個別包装の必要もないのでゴ
ミなど環境面の問題も解消することができる。しかも、
使用時に水に浸し、ゲル化した保湿剤表面のアルギン酸
塩を皮膚に付着させるものであるから、適当量の使い切
りが可能となり、極めて有用である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の洗浄保湿剤の一例を示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

１０洗浄保湿剤１１海藻細片

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アルギン酸塩を主体として、水と混合し
乾燥固化してなることを特徴とする洗浄保湿剤。