JPH08324562A - 多目的二重構造容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 外層容器を硝子素材、内層容器をプラスチッ
ク素材等と、分離かつ嵌装可能な異質素材の容器との組
み付けに係る多目的二重構造容器を提供する。 【解決手段】 外層容器を硝子素材、内層容器をプラス
チック素材の異質素材の成形品、或いは内層容器を充填
物に追随する形態順応型の成形品とし、分離可能で挿脱
自在に嵌合装着した構成とする。また着色硝子素材によ
り紫外線遮蔽、プラスチック素材等により耐アルカリに
弱い充填物の収納に対応した構成とする。 【効果】 異種素材間の補完的な嵌合装着と、硝子素材
では質感、重量感と装飾性、プラスチック素材等では成
形性に優れ耐アルカリに弱い化粧品類の収納に適してい
る。また分離組み付け形態のため、分別が容易で、硝子
素材は回収リサイクルができる等、化粧品等の詰め替え
容器として適している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は多目的二重構造容器に関
し、硝子素材又はプラスチック素材等からなる外層容器
本体と、いずれか一方を異質素材とした内層容器との別
体組み合わせ可能で、取り替え交換ならびに省資源、リ
サイクルに適した多目的二重構造容器に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、たとえば化粧品や香水等の容器で
は、装飾性が希求されることからガラス瓶体が多用され
てきたが、一方、プラスチックボトルも一般に軽量、取
扱い便宜性、或いはガラス瓶体に比し加工精度が良好な
点等から、洗浄剤ほかの収納容器として多く使用されて
きている。また、装飾性や個性的外観を求める化粧品等
の容器では、装飾性向上のためガラス瓶体の外周面に瓶
体の保護を兼ねて装飾の為に装飾金属体を組付けること
等が行われており、本出願人も実公平４−１７４６８号
公報のごとくガラス瓶の肩部に任意形状の金属片を固着
せしめた金属片装着装飾ガラス瓶を提案している。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】従来、プラスチックボ
トルでは素材による着色が行われているが、硝子素材の
成形品とはその属性からも質感と重量感において格差が
あり、また、使用上も正立安定性等で劣る欠点がある。
さらに、近年バイオテクノロジ−技術等を導入した化粧
品などの登場に伴って、内容物によっては特に紫外線に
よる変質防止のため紫外線を遮断すること、或いは夏の
高い外気温に直接影響されず一定の温度保持、又は対ア
ルカリに弱い内容物の保護などが必要となってきてい
る。

【０００４】また、化粧品等の内容物を収納する容器、
瓶体等についてみても、たとえ分別回収がなされても特
にプラスチック素材の焼却処理は炉を傷め易く社会問題
となっている等、近年世界的な潮流として資源節約やリ
サイクル、産業廃棄物処理、製造物責任などの規制の動
きが目立っており、化粧品容器分野も例外ではない。こ
のように、化粧品等の内容物の品質安定保持と併せて、
それを収納する容器についてもコストの他、回収処理、
リサイクル等、数多い対応が要請され、これらに対応で
きる多目的の容器の構成が望まれている。

【０００５】本発明は、上記問題点にかんがみ検討の結
果到達したものであり、本発明は、硝子素材又はプラス
チック素材等からなる外層容器本体と、該容器本体の内
側に分離可能、かつ着脱自在に嵌合装着してなるいずれ
かの一方を異質素材の硝子素材又はプラスチック素材等
の組み付けとしてなる多目的二重構造容器、或いは前記
外層容器本体と内層容器との間に間隙隔壁部を形成した
構成、さらに前記内層容器が、充填内容物に追随し形態
順応性を有するプラスチック素材等からなる樹脂成形品
を装着した構成からなり、着脱自在に嵌合装着してなる
別体組み合わせ可能で、取り替え交換ならびに省資源、
リサイクルに適した多目的二重構造容器を提供すること
を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記の課題を解決する
為、本発明では、硝子素材又はプラスチック素材等から
なる外層容器本体と、該容器本体の内側に分離可能、か
つ着脱自在に嵌合装着してなるいずれかの一方を異質素
材の硝子素材又はプラスチック素材等の組み付けとして
なる多目的二重構造容器、或いは前記外層容器本体と内
層容器との間に間隙隔壁部を形成した構成、さらに前記
内層容器が、充填内容物に追随し形態順応性を有するプ
ラスチック素材等からなる樹脂成形品を装着し、充填物
のあるときには拡張収納し、充填物の増減に追随し、さ
らに無充填時には原形復帰する可撓性、柔軟保形性、屈
曲伸縮性を備えたプラスチック素材等からなる形態順応
型の構成とする。

【０００７】

【発明の実施の形態】本発明においては、硝子素材又は
プラスチック素材などからなる外層容器本体と、該容器
本体の内側に分離可能、かつ着脱自在に嵌合装着してな
るいずれかの一方を異質素材の硝子素材又はプラスチッ
ク素材等の組み付けとしてなる多目的二重構造容器の構
成、或いは前記外層容器本体と内層容器との間に間隙隔
壁部を形成した構成、さらに前記内層容器が、充填内容
物に追随し形態順応性を有するプラスチック素材等から
なる樹脂成形品を装着し、充填物のあるときには該充填
物の収納嵩張り形態に追随し形態順応性を時には原形復
帰する可撓性や柔軟保形性や屈曲伸縮性を備えたプラス
チック素材等からなる構成とする。上記のような構成に
おいて、下記のごとき作用効果を発揮する。 （１）外層容器本体に硝子素材を採択するとき、例えば
化粧品容器類で要求される外観視認での装飾美感上も、
硝子素材の持つ質感ならびに重量感を顕現可能である。
また、硝子瓶体が使用上も正立安定性を備えており、併
せて硝子素材による紫外線遮断効果を発揮し得るように
働く。 （２）内層容器にプラスチック素材を採択するとき、成
形性に優れ、また、特に化粧品等の対アルカリに弱い充
填物の収納で、品質劣化を防止、品質維持する収納、保
存に適している。また、可撓性、耐圧縮性等を有するプ
ラスチック素材等による形態順応性を備えた内層容器、
或いは袋体のごとき構成とするとき、内容物が充填当初
より使用されて、残量に見合った容積形態で追随し、内
容物が少なくなると容積が絞り込まれた形態に移行し、
使用時に逆にして残った内容物を取り出すときも、収納
物は縮小形態に移行して溜まっており、かつ内壁面も漸
次減少し、取り出し時の壁面付着ロスを抑制し、取り出
しの簡易、能率化を図り得るように働く。 （３）本発明に係る容器では、異質素材、かつ分離形態
の外層及び内層容器の組み付けからなる構成であり、た
とえば外層容器本体が硝子素材、内層容器がプラスチッ
ク材料等の場合、一般に後者は成形性が良好で、さらに
表面摩擦力等を備え、硝子瓶体の硬性に対し、相互に補
完機能を発揮し組み付け装着できるように働く。また、
プラスチック材料等よりなる内層容器を所望により着色
し、透明感と無着色の外層容器を透視し、前記内層容器
の着色を視認できるように働く。 （４）また、必要により外層容器本体と内層容器の間に
は、間隙隔壁部を形成した構成とする。これにより該間
隙隔壁部の中空温度は外気接触で緩衝機能を発揮し、特
に温度上昇或いはそれに起因して品質劣化や低下を起こ
し易い内容物の品質劣化等の防止或いは抑制するように
働く。さらに、紫外線の影響を受けやすい内容物、或い
は紫外線遮断が好ましい場合には、所望により硝子原料
中に金属酸化物又は無機塩を加え高温溶融した着色硝子
を成形するか、或いは紫外線吸収剤等を含有する塗膜層
を設けることができ、変質し易い内容物の変質を防止す
るように働く。 （５）それぞれ分離組み付けの構成である為、分別し回
収リサイクルが容易であり、硝子素材は、回収リサイク
ルが可能である。また、プラスチック素材等の内層容器
では、外層の硝子容器の内側への挿脱操作が簡便であ
り、詰め替え容器として挿脱自在して使用できるように
働く。

【０００８】

【実施例】以下、本発明の一実施例を図面により説明す
る。図１は本発明に係る多目的二重構造容器の側断面説
明図、図２は図１のＡ−Ａ線断面図、図３は蓋体を嵌装
した外観正面図であり、図１〜図３において、１は本発
明の多目的二重構造容器であって、２は外層容器本体で
硝子素材より成形によって形成されている。該外層容器
本体で内容物によっては紫外線遮断を必要とするとき
は、硝子原料中にセリウム、クロム等の金属酸化物或い
は無機塩等を加え高温溶融した黒色、濃いコバルト色、
濃いマンガン紫色の如きいわゆる黒色着色硝子、或いは
グリ−ンスモ−ク（クロム・銅・ニッケル）、茶（セレ
ン・鉄・硫黄）等から選ばれた着色硝子より瓶体を成形
するか、又は熱硬化型、二液反応型もしくは紫外線硬化
型等の塗料に紫外線吸収剤、艶消剤及び着色剤等を含有
する塗膜層を形成することができる。３は内層容器でプ
ラスチック素材よりなり、該外層容器本体２とは頸部７
の下部に連設した嵌合係止部８で外層容器本体２の開口
端縁部９と当接しプラスチック成形品の弾性変形回復力
を利用した嵌め込み形態として前記嵌合係止部８で挿脱
自在に装着される構成となっている。また、外層容器本
体２と内層容器３は前記嵌合係止部８での当接部分を除
き、両者の間には少なくとも間隙隔壁部６が形成され、
外気の変動に対し内装容器３の内容物をほぼ一定に保持
する隔壁中空による緩衝機能を備えた構成となってい
る。４は蓋体であり、ネジ螺合部１０は該蓋体４と一体
成形されたものであっても別々のものであってもよい。
５は中栓である。

【０００９】前記内層容器３は、プラスチック素材等の
成形品の為、その柔軟保形性や弾性回復力、或いは可撓
性、耐圧縮性や形態順応性、及び表面摩擦力等により形
状固定状態の硬い硝子素材成形品とは良好な密着嵌め込
みを確保できるが、プラスチック素材等は、通常汎用の
樹脂素材による成形品を適宜採択できる。一般にプラス
チック素材容器は対アルカリに弱い内容物の保護に適し
ており、また内容物によっては、たとえばポリプロピレ
ン樹脂或いは密封用ではポリエチレンテレフタレ−ト樹
脂よりなる延伸ブロ−成形品が、強度、耐衝撃性、ガス
バリア性、衛生性等の容器性能の点から望ましい。

【００１０】図４は、本発明の一実施例を示す右半面縦
断面図、図５は蓋体を嵌装した外観正面図である。図４
は例えばクリ−ム製品等に供される広口短胴形態の容器
であって、硝子素材よりなる外層容器本体２の開口端縁
部９の端部およびに内側周壁部１１に当接せしめ、プラ
スチック素材よりなる内層容器３が嵌め込み状態として
挿脱自在に嵌合装着されており、前記外層容器本体２と
の当接部分を除き、外層容器本体２と内層容器３との間
には間隙隔壁部６が形成された構成となっている。ま
た、上記のごとく外層容器本体２の開口端縁部９の端部
および内側周壁部１１に内層容器３の開口部１２を当接
せしめた構成のほか、ネジ螺合の構成とすることもでき
る。図４の構成において、たとえば間隙隔壁部６の中空
部の温度膨張、並びに外層容器本体２へ内層容器３をス
ム−ズに嵌挿するため、間隙隔壁部６の中空部の空気が
妨げになる場合は、内層容器３の内容物のシ−リングに
支障がない適宜箇所に空気抜きのための小孔を設けた構
成とすることができる。

【００１１】図６は、本発明の一実施例を示す縦断面図
である。図６では、外層容器本体２は硝子素材よりな
り、該容器本体２の開口端縁部９の頂面外側には硬質樹
脂素材を用いた係合部材１３によって引っ掛け状に係止
され、前記係合部材１３と連接して柔軟保形性、弾性回
復力を備えたプラスチック素材を用いた内層容器３が嵌
挿装着された構成となっている。

【００１２】図６においては、プラスチック素材を用い
た内層容器３には、内容物が所定量充填された状態であ
り、この場合には該内層容器３は許容限度まで拡張状態
で、内側周壁部１１に沿った内容物が充填、収納形態に
追随し形態順応性を発揮できる構成となっている。ま
た、この構成では、図６に示すように該間隙隔壁部６の
形成を省略した構成とすることができる。

【００１３】一方、図７は充填された収納物が使用され
て漸次減量移行し、充填物が少ないか、無い空状態の一
実施例を示す縦断面図である。該内層容器３は略上端開
口コップ型で内層容器３の原形回帰状態を示しており、
充填物の縮小ないし空状態に移行する段階では、充填物
は貯溜容積に応じて内層容器３の形態に追随し、該内層
容器３の内壁面１４への付着部分は漸次減少し、取り出
し時のロスも少なく、また、充填物が特に粘着性等のよ
うな場合、早く取り出しができ、操作も簡便な構成とす
ることができる。

【００１４】本発明において、内層容器３では、容器が
形態固定型のプラスチック素材などからなる場合、一般
にプラスチックの成形材料、積層品、注形品、板状製品
等に使用されており、また成形材料としても、ポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、メタクリル系樹
脂、ポリアミド樹脂、ポリカ−ボネ−ト、ポリエ−テ
ル、ポリアセタ−ル系樹脂、フッ素系樹脂のように僅か
な可塑剤もしくは安定剤を添加したペレット状のもの、
若しくはポリエチレンテレフタレ−ト樹脂のペレット状
のもの、或いはフェノ−ル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹
脂のように、基材を加えて混練後、粉砕した粉末状のも
の、或いはシリコ−ン系樹脂等を用いるもの等があり、
これら成形に供することのできる材料より選ばれた一種
又は二種以上を使用することができる。

【００１５】さらに、成形材料を用いて成形品をつくる
場合、主として圧縮成形、トランスファ−成形、射出成
形または射出圧縮成形、押出成形、吹込成形、真空成形
または真空圧成形、或いはスラッシュ法やディップ成形
法を用いて成形することができる。以上のように本発明
の一実施例を示したが、本発明は上記実施例に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない変更等は、
本発明の範囲に含まれる。

【００１６】

【発明の効果】本発明は以上のような構成からなり、下
記のような効果を奏する。 （１）異種素材を組付けた二重構造の簡素な構成なが
ら、外層容器を硝子素材とするとき、硝子瓶の質感と重
量感並びに正立安定性、さらに紫外線遮断では成分配合
或いは着色硝子原料をもって対応できる。また、内層容
器をプラスチック素材等とするとき、その柔軟弾力性、
表面摩擦力等により外層容器との硬軟異種素材による嵌
装が図られると共に、プラスチック素材が対アルカリに
弱い内容物の保護、品質維持に適している。 （２）内層容器を、可撓性、弾性回復性や形態順応性を
備えたプラスチック素材等により成形し、充填物の貯溜
程度に応じその形態を追随せしめた構成として、内容物
の貯溜保持、集約安定性、さらに無駄な内壁付着を抑制
し、取り出し易く操作を迅速、簡便とする。 （３）外層容器をプラスチック素材としたとき、着色状
態により紫外線遮断の内容物の品質保持が図られ、加工
精度も良好である。さらに、内層容器を硝子素材とする
とき、外部衝撃は外層容器で緩衝される共に、軽量感の
補完など硝子製品の重量感等の特徴を付与でき、異種素
材のもつ固有の属性をそれぞれ発揮する。 （４）多目的の対応が集約された異種素材の二重構造容
器で、かつ互いに分離組み付け形態である為、使用後の
分別処理が可能である。また、硝子素材成形物は回収リ
サイクルが可能で、近年のリタ−ナブル方式に沿ってお
り、たとえば化粧品などの詰め替え容器等としても有用
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明に係る多目的二重構造容器の側断面説明
図である。

【図２】図１のＡ−Ａ線断面図である。

【図３】蓋体を嵌装した外観正面である。

【図４】本発明の一実施例を示す右半面縦断面説明図で
ある。

【図５】蓋体を嵌装した外観正面図である。

【図６】本発明の他実施例を示す充填時の縦断面説明図
である。

【図７】本発明の他実施例を示す無充填時の縦断面説明
図である。

【符号の説明】

１ 多目的二重構造容器 ２ 外層容器本体 ３ 内層容器 ４ 蓋体 ５ 中栓 ６ 間隙隔壁部 ７ 頸部 ８ 嵌合係止部 ９ 開口端縁部 １０ ネジ螺合部 １１ 内側周壁部 １２ 開口部 １３ 係合部材 １４ 内壁面

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 硝子素材又はプラスチック素材等からな
   る外層容器本体と、該容器本体の内側に分離可能、かつ
   着脱自在に嵌合装着してなるいずれかの一方を異質素材
   の硝子素材又はプラスチック素材等の組み付けとしてな
   る多目的二重構造容器。
2. 【請求項２】 前記外層容器本体と内層容器との間に間
   隙隔壁部が形成されてなる請求項１記載の多目的二重構
   造容器。
3. 【請求項３】 前記内層容器が、充填内容物に追随し形
   態順応性を有するプラスチック素材等からなる樹脂成形
   品を装着したものである請求項１記載の多目的二重構造
   容器。