JPH0832400A - 弾性表面波共振子、その製造方法、及び弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波共振子、その製造方法、及び弾性表面波フィルタ

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JPH0832400A
JPH0832400A JP16852394A JP16852394A JPH0832400A JP H0832400 A JPH0832400 A JP H0832400A JP 16852394 A JP16852394 A JP 16852394A JP 16852394 A JP16852394 A JP 16852394A JP H0832400 A JPH0832400 A JP H0832400A
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ウー・ホク・ホア
Shigeyuki Morimoto
茂行 森本
Masakatsu Kasagi
昌克 笠置
Nobuyoshi Sakamoto
信義 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 スプリアスのない高周波の弾性表面波を共振
する。 【構成】 入力端子2に数MHz以上の高周波信号が入
力されると電気的に入力端子2と接続するトランスデュ
ーサ21の電極指に高周波電圧がかかり、隣接する出力
端子3と電気的に接続するトランスデューサ21の電極
指に誘導的に高周波電圧が発生するが、位相的に遅れて
いるため両端子2,3間に電位差が生じる結果となる。
これによって、トランスデューサ21下の圧電基板1の
表面が歪み、入力信号と同じ周波数の弾性表面波が励振
する。トランスデューサ21上には絶縁膜22を介して
厚膜23が形成されているので、この弾性表面波のスプ
リアスの原因となるレーリー波の発生は抑制され、ラブ
波だけが支配的になる。しかも、トランスデューサ4の
膜厚は従来と同様に膜厚は、0.1μmであり、この膜
厚であれば、高周波を励振することができる。すなわ
ち、スプリアスのない高周波が励振する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、弾性表面波(Surface
Acoustic Wave 、以下、SAWという)フィルタ等に用
いられる弾性表面波共振子及びその製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来、このような分野の技術としては、
例えば、次のような文献に記載されるものがあった。 文献1;電子通信学会超音波研究会技術報告書、US8
2−35、1982、清水洋、水沼康之著、“高結合
(K2 =0.3)のラブ波型弾性表面波圧電基板”、P
7−14 文献2;昭和61年度電子通信学会総合全国大会、昭6
1年、森下繁文、江畑泰男、佐藤弘明著、“VCO用P
SAW共振子のスプリアス抑圧について”、P1−10
3 弾性表面波共振子を用いたフィルタ(以下、弾性表面波
フィルタと呼ぶ)は、小型、軽量、無調整という特長を
もち、その製造プロセスには半導体デバイスの製造に用
いられるフォトリソグラフィ技術を利用できるため、量
産性にも優れている。そのため弾性表面波フィルタは、
TV中間周波数用フィルタ、放送機器用フィルタ、ある
いは自動車携帯電話装置の高周波用フィルタなどに広く
用いられている。そのため、高性能弾性表面波フィルタ
を得るためにいろいろな努力がなされている。例えば、
挿入損失を抑えるために機械結合係数の大きい圧電基板
の選択と電極構成の最適化、高耐電力にするために電極
材料の選択と実装の工夫などが挙げられる。弾性表面波
フィルタには、電気信号を弾性表面波に変換するすだれ
状トランスデューサ(以下、トランスデューサと呼ぶ)
は、多電極構造(Interdigitated Interdigital Transd
ucer構造、以下IIDT構造と呼ぶ)で構成されていた
が、より一層の低損失化が要求されるためトランスデュ
ーサ構成の見直しが必要になってくる。しかし、トラン
スデューサ構造の見直しによる低損失化はシュレーショ
ン結果によるとほぼ限界に達している。そのために、共
振子で構成される帯域フィルタの古典的な構成方法で注
目されるようになってきている。共振子には、弾性表面
波共振子を用いると、共振器型弾性表面波フィルタが得
られる。
【0003】図2は、従来の弾性表面波共振子の平面図
である。図2に示すように、この弾性表面波共振子は、
弾性表面波を発生する圧電基板1を有している。圧電基
板1上には、アルミニウム薄膜の下敷きを介して金のボ
ンディングパッドで構成され、電気信号が入力される入
力端子2が形成されている。入力端子2は、アルミニウ
ム薄膜の下敷きによってすだれ状のアルミニウムの電極
指4aと接続されている。入力端子2の反対側の圧電基
板1上には、アルミニウム薄膜の下敷きを介して入力端
子2と同様に金のボンディングパッドで構成された出力
端子3が形成されている。出力端子3は、アルミニウム
薄膜の下敷きによって電極指4a間に同様のすだれ状の
アルミニウムの電極指4bと接続されている。電極指4
aおよび4bはトランスデューサ4を構成する。トラン
スデューサ4の外側には、弾性表面波を反射するアルミ
ニウムの反射器5が形成されている。反射器5には、ア
ルミニウムパターンによってアース線用金のボンディン
グパッド6と接続されている。次に、図2の弾性表面波
共振子の動作を説明する。入力端子2に高周波信号が入
力されると電気的に入力端子2と接続する電極指4aに
高周波電圧がかかり、隣接する出力端子3と電気的に接
続する電極指4bに誘導的に高周波電圧が発生するが、
位相的に遅れているため両端子2,3間に電位差が生じ
る結果となる。これによって、電極指4a,4bの下の
圧電基板1の表面が歪み、弾性表面波が励振され、電極
指4a,4bと垂直に圧電基板1の表面を左右に伝搬す
るが、電極指周期に波長が等しい弾性表面波だけが強く
励振する。伝搬した弾性表面波は、反射器5によって反
射されてトランスデューサ4に戻ってくる弾性表面波は
あらたに励振した波と合成し定在波を発生させる。ここ
で、励振した弾性表面波(SAW)は電気信号に変換さ
れ、出力端子3より出力される。出力端子3が開放され
る場合、負荷で終端される場合、そしてアースされる場
合において入力端子2からみた系全体のインピーダンス
が異なるが、いずれの場合においても弾性表面波が励振
し、共振子の振るまいをし、よく知られている水晶共振
子と似たインピーダンス特性が得られる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
弾性表面波共振子においては、次のような課題があっ
た。トランスデューサ4は多少の添加金属が添加されて
も(例えば、銅、マグネシウム等)主にアルミニウム
(Al)の薄膜で作成されるのが一般的である。圧電基
板1として利用されるの多電極構造弾性表面波フィルタ
と同様に機械結合係数の大きいLiTaO3 やLiNb
3 である。まれに、使用目的によって水晶基板が使わ
れる場合もある。しかし、このようにつくられた弾性表
面波共振子のインピーダンス特性にはスプリアスが発生
し、これを用いて弾性表面波フィルタを構成するとフィ
ルタの伝送特性にスプリアスができて良好な特性が得ら
れない。使用帯域以外にスプリアスが発生しても問題は
ないが、ほどんどの場合使用帯域内に発生するので問題
である。
【0005】次に、このスプリアスについて説明する。
図3は、スミスチャートを用いて表した図2の弾性表面
波共振子のインピーダンス特性の一例を示す図である。
図3に示すように、この弾性表面波共振子のインピーダ
ンス特性には、ループ状のスプリアス11が発生する。
図4は、その共振子を用いて構成した共振器型弾性表面
波フィルタの挿入損失特性の一例を示す図である。図4
に示すよう挿入損失特性にスプリアス12が現れてい
る。図5は、図2の弾性表面波共振子の等価回路であ
る。図5に示す等価回路は、直列に接続されたインダク
タL、キャパシタc1 、及び抵抗rに対して、並列に接
続されたキャパシタC0 によって構成される回路であ
る。一般的には、キャパシタC0 の容量の方がキャパシ
タc1 の容量より数倍大きい。この図に示す等価回路で
表される弾性表面波共振子のインピーダンス特性には、
スプリアスが発生しない。
【0006】しかし、Al薄膜のトランスデューサとL
iTaO3 やLiNbO3 などの圧電基板とにより構成
された共振子は、一般的にこの等価回路で表しきれず、
主共振周波数の他に別の共振周波数をもっているため、
その別の共振周波数はスプリアスの形で現れる。前記文
献1によれば、物理的にはそのスプリアスの正体は弾性
表面波の一種であるレーリー(Rayleigh) 波が引き起こ
したものであることが明らかにされている。従来、前記
文献2によれば、Alトランスデューサを重み付けをす
ることによってこのようなスプリアス特性を抑制できる
ことがあることが記載されている。しかし、Alトラン
スデューサを重み付けしてスプリアス特性を抑制する方
法は、相当な膜厚(前記文献2によると0.5μm程
度)を必要とするため、1μm前後またはそれ以下の幅
の微細なAl電極指を必要とする高周波弾性表面波共振
子(1GHz前後、またはそれ以上)には向かない。
【0007】この問題を解決するためにトラスデューサ
の材料をAlまたはAlを主材料とする合金の代わりに
Auを使用することも考えられる。Auの密度は、Al
の約7倍であるので膜厚0.1μmのAuは膜厚0.7
μmのAlに相当する。したがって、膜厚0.1μmの
Auのトランスデューサを作れば、スプリアスのない高
周波弾性表面波共振子が作れることになる。しかし、ト
ランスデューサの膜厚を高精度につくることが非常に困
難である。通常、このようなトランスデューサは蒸着に
より作ることが一般的であるが、現在、市場に出回って
いる蒸着機の中で最も高性能なものでも所望の膜厚の約
±10nmの精度でしか作ることができない。すなわ
ち、トランスデューサはAuで作られる場合、実験結果
によると膜厚誤差1nmあたりに約1.4MHzの周波
数変動があるのでAuのトランスデューサには中心周波
数から約±14.0MHzの周波数変動が生じる結果と
なる。ところが、この弾性表面波共振子を用いて構成し
た弾性表面波フィルタの帯域幅は、およそ25.0MH
z〜30.0MHzなので、このような広い周波数変動
幅は帯域フィルタにとって致命傷である。これは、弾性
表面波共振子及びこれを用いて構成した弾性表面波フィ
ルタの量産化を阻む障害となる。
【0008】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、前記課題
を解決するために、電気信号を入力し、弾性表面波を圧
電基板に発生する弾性表面波共振子において、前記圧電
基板上に所望の共振周波数の前記弾性表面波を励起する
膜厚のアルミニウムまたはアルミニウムを主材料とする
合金からなるすだれ状トランスデューサと、前記トラン
スデューサ上に絶縁膜と、前記絶縁膜上にスプリアスの
発生を抑制する膜厚の金属の厚膜とを、備えている。第
2の発明は、第1の発明の金属の厚膜がアルミニウム、
アルミニウムを主材料とする合金、シリコン、シリコン
を主材料とする合金、チタン、またはチタンを主材料と
する合金からなる。第3の発明は、電気信号を入力し、
弾性表面波を圧電基板に発生する弾性表面波共振子の製
造方法において、以下の工程を順に施す。すなわち、前
記圧電基板上にアルミニウムまたはアルミニウム合金を
主材料とするすだれ状のトランスデューサを形成する工
程と、前記トランスデューサ上に絶縁膜を形成する工程
と、前記絶縁膜上にアルミニウム、アルミニウムを主材
料、シリコン、シリコンを主材料とする合金、チタン、
またはチタンを主材料とする合金の厚膜を形成する工程
と、前記厚膜及び絶縁膜をパターニングする工程とを、
順に施す。第4の発明は、n段が直列に接続された第1
の発明の弾性表面波共振子と、前段の前記弾性表面波共
振子と次段の前記弾性表面波共振子との間に、梯子の階
段状にそれぞれ設けられた第1の発明の弾性表面波共振
子とを、備えている。
【0009】
【作用】第1の本発明によれば、以上のように弾性表面
波共振子を構成したので、トランスデューサに高周波信
号を入力すると、この電位差がトランスデューサの電極
指間に発生し、この電位差によって圧電基板が歪み弾性
表面波を発生する。ところが、高周波の弾性表面波を励
起しようとするとトランスデューサを薄膜にしなければ
ならず、それだとスプリアスが発生する。そこで、トラ
ンスデューサ上の絶縁膜上の金属の厚膜よるトランスデ
ューサ下の圧電基板への荷重によって、スプリアスの発
生を抑制する。従って、前記課題を解決できるのであ
る。
【0010】
【実施例】図1(a)〜(c)の構成 図1は、本発明の実施例を示す弾性表面波共振子の図で
あり、同図(a)は平面図、同図(b)は同図(a)の
A−A断面図であり、同図(c)は同図(b)の拡大図
であり、図2の弾性表面波共振子の要素と同様の要素に
は同一の符号を付してある。図1(b)及び(c)に示
すように、圧電基板1上にアルミニウムまたはアルミニ
ウムを主材料とする合金からなる膜厚が0.15μm程
度のトランスデューサ21が形成されている。このトラ
ンスデューサ21上にはSiO2 などからなる絶縁膜2
2が形成され、さらにその上にはアルミニウムまたはア
ルミニウム合金から構成され、スプリアスを抑制する膜
厚(例えば、0.8μm程度)の厚膜23が形成されて
いる。トランスデューサ21には、アルミニウムまたは
アルミニウム合金からなる下敷きを介して金のボンディ
ングパッドから構成される入力端子2または出力端子3
に接続されている。厚膜23の外側には、アルミニウム
またはアルミニウム合金からなる下敷きを介してアース
用の金のボンディングパッド6が接続されている。
【0011】次に、図1の弾性表面波共振子の動作を説
明する。入力端子2に高周波信号が入力されると電気的
に入力端子2と接続するトランスデューサ21の電極指
に高周波電圧がかかり、隣接する出力端子3と電気的に
接続するトランスデューサ21の電極指に誘導的に高周
波電圧が発生するが、位相的に遅れているため両端子
2,3間に電位差が生じる結果となる。これによって、
トランスデューサ21下の圧電基板1の表面が歪み、弾
性表面波が励振する。トランスデューサ21上には絶縁
膜22を介して厚膜23が形成されているので、この弾
性表面波のスプリアスの原因となるレーリー波の発生は
抑制され、ラブ波だけが支配的になる。しかも、トラン
スデューサ4の膜厚は従来と同様に膜厚は、0.1μm
でありながらスプリアスのない弾性表面波共振子が得ら
れる。 [実験結果]本発明の実施例の弾性表面波共振子の実験
結果を以下に示す。 圧電基板1:36°Y−Xcut LiTaO3 トランスデューサ21の材料:Al トランスデューサ21の膜厚:約0.15μm 中心周波数:約800MHz トランスデューサ21上の絶縁膜22の膜厚:約0.2
μm 絶縁膜22上のAlの厚膜23の膜厚:約0.8μm 図6は、この弾性表面波共振子のインピーダンス特性を
示す図である。図6に示すように、この弾性表面波共振
子では、トランスデューサ21上の絶縁膜22上にAl
の厚膜23を形成したので、スプリアスが発生しない。
図7は、本実施例の利点を説明するための図であり、同
図(a)は本発明の弾性波共振子、同図(b)は、同図
(a)と同様のインピーダンス特性を有する従来の弾性
波共振子である。
【0012】図に示すように本発明の実施例の弾性表面
波共振子は、図6(b)の弾性表面波共振子の1ミクロ
ン程度の膜厚のトランスデューサ61とほぼ同様のスプ
リアスのないインピーダンス特性を持ち、しかも中心周
波数800MHzと高周波の共振子である。しかしなが
ら、トランスデューサ21の上に0.8μmものAlの
厚膜23を設けることによってトランスデューサ21の
励振する弾性表面波の伝搬速度が遅くなり、インピーダ
ンス特性、伝送特性等全体が周波数の低域に移動する。
しかし、トランスデューサ21の電極指のピッチをこれ
に合わせて細くすればインピーダンス特性を所望の高周
波帯域に保つことができるので問題は起こらない。以上
のように、本実施例の弾性表面波共振子では以下
(a),(b)の利点がある。 (a) トランスデューサ21は、高周波を励振する膜
厚のアルミニウムまたはアルミニウム合金で構成し、こ
のトランスデューサ21の上に絶縁体22を介してスプ
リアスの発生を抑制するだけの膜厚の厚膜23を形成し
たので、スプリアスのない高周波を励振できるという利
点がある。 (b) 弾性表面波共振子のトランスデューサ21の電
極指は、絶縁膜22で被膜されているため酸類、湿気や
腐食性のガスの影響を受けにくいという利点もある。図1(a)〜(c)の製造方法 図8(a)〜(h)は、図1(a)〜(c)に示す弾性
表面波共振子の製造方法を示す工程図である。この弾性
表面波共振子は、図8(a)〜(h)の製造工程に従
い、次のようにして製造される。
【0013】(1) 図8(a)の工程 36°Y−Xcut LiTaO3 などの圧電基板51上
に、0.1μmの膜厚のAlまたはAl合金を蒸着し、
その後フォトリソグラフィによりAlまたはAl合金を
線幅1.2μm程度にパターニングし、トランスデュー
サ52を形成する。 (2) 図9(b)の工程 化学気相成長法あるいはスパッタ法によりSiO2 、Z
nOまたはSi3 4のような絶縁材料を用いて膜厚
0.15μm〜0.2μmの絶縁膜53を形成する。 (3) 図8(c)の工程 絶縁膜53上に蒸着あるいはスパッタ法によりAlまた
はAl合金で膜厚0.9μm程度の厚膜54を形成す
る。 (4) 図8(d)の工程 レジスト55を全面に塗布する。 (5) 図8(e)の工程 露光用のマスク56を用いて露光を行う。57は露光用
の光線である。 (6) 図8(f)の工程 現像してエッチング用レジストパターン58を形成す
る。 (7) 図8(g)の工程 レジストパターン58をエッチングマスクとしてドライ
エッチングまたはウェットエッチングにより厚膜54、
絶縁膜53を順次エッチング除去する。 (8) 図8(h)の工程 レジストパターン58を除去する。 その後、従来と同様に入出力端子、アース線用等の金の
ボンディングパットを形成する。以上の工程を経て図1
(a)〜(c)に示される弾性表面波共振子が製造され
る。
【0014】このようにした製造された弾性表面波共振
子のAlトラスデューサの成膜誤差は、およそ±10n
mである。Alの場合では、周波数変動は膜厚誤差1n
mあたりに約0.2MHzで、Auに比べておよそ7分
の1以下である。従って、この弾性表面波共振子の周波
数変動は±2.0MHzである。この周波数変動幅は、
従来、量産されている弾性表面波装置、例えば、多電極
構造弾性表面波フィルタの歩留まりによる周波数変動と
ほぼ同じである。この程度の周波数変動であれば、本発
明の弾性表面波共振子を用いて弾性表面波フィルタを構
成するときに、例えば、Alトランスデューサの膜厚を
厚めにしておき、その後でエッチングして膜厚を調節す
る等を行なうことにより周波数の変動の補正が可能な範
囲である。よって、本発明のAlトランスデューサの成
膜の歩留まりによる周波数変動は、Auの場合と比べて
小さいから問題にならない。図1の弾性表面波共振子を用いた弾性表面波フィルタの
構成 図9は、本発明の実施例を示す弾性表面波共振子を用い
た梯子型の弾性表面波フィルタの構成図である。図9に
示すように、この弾性表面波フィルタは、直列に接続さ
れたn段の弾性表面波共振子100−1,…,100−
n、及び梯子の階段状に構成されたn段の弾性表面波共
振子110−1,…,110−nを有している。弾性表
面波共振子100−i、110−i(i=1,…,n)
は、図1の弾性表面波共振子と同様の構成である。直列
に接続された各弾性表面波共振子100−iは、それぞ
れ同じ共振周波数fr1と反共振周波数fa1を有し、梯子
の階段状に接続された各弾性表面波共振子110−i
は、それぞれ同じ共振周波数fr2と反共振周波数fa2
有し、かつfa2とfr1とが等しくなるようにこれらの各
弾性表面波共振子100−i,101−iを構成してい
る。
【0015】図10は、図9の弾性表面波フィルタの挿
入損失特性を示す図である。図10から明らかなように
図9に示す弾性表面波では伝送特性の通過帯域にはスプ
リアスが存在しない。なお、本発明は上記実施例に限定
されず、種々の変形が可能である。その変形例として
は、例えば次のようなものがある。 (1) 本発明のトランスデューサ21は、アルミニウ
ムまたはアルミニウムを主材料とする合金からなる電極
指線幅の約4%〜15%程度の膜厚、絶縁膜22は、ト
ランスデューサ21の膜厚の1.5倍〜2.0倍程度の
膜厚、厚膜23は、アルミニウムまたはアルミニウムを
主材料とする合金からなり、電極指線幅の約40%〜1
00%の膜厚であれば、インピーダンスにスプリアスが
発生しない。 (2) 図1中の厚膜23は、スプリアスの発生を抑制
できる材料であれば、アルミニウムまたはアルミニウム
を主材料とする合金以外の、例えば、アルミニウムと密
度が近く、しかも量産可能な厚膜材料であるシリコン、
シリコンを主材料とする合金、チタン、またはチタンを
主材料とする合金でもよい。 (3) 図1の弾性表面波共振子に図2と同様の反射器
5を設けてもよい。 (4) この弾性表面波フィルタは、例えば、自動車電
話、携帯電話等の帯域フィルタとして使用することがで
きる。
【0016】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、第1〜2の
発明によれば、電気信号を入力し、弾性表面波を圧電基
板に発生する弾性表面波共振子において、トランスデュ
ーサ上に絶縁膜を介して、アルミニムまたはアルミニウ
ムを主材料とする合金等からなる金属の厚膜を備えてい
るので、スプリアスの発生を抑制することができる。第
3の発明によれば、電気信号を入力し、弾性表面波を発
生する弾性表面波共振子の製造方法において、トランス
デューサ上に絶縁膜を形成する工程と、絶縁膜上にアル
ミニウム、アルミニウムを主材料とする合金、シリコ
ン、シリコンを主材料とする合金、チタン、またはチタ
ンを主材料とする合金の厚膜を形成する工程と、厚膜及
び絶縁膜をパターニングする工程とを、順に施すように
している。よって、スプリアスのない弾性表面波共振子
を良好な歩留まりで量産することができる。第4の発明
によれば、第1の発明の弾性表面波共振子を用いて弾性
表面波フィルタを構成したので、スプリアスのない高周
波フィルタを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す弾性表面波共振子の構成
図である。
【図2】従来の弾性表面波共振子の構成図である。
【図3】図2のインピーダンス特性を示す図である。
【図4】図2の弾性表面波共振子で構成した弾性表面波
フィルタの挿入損失特性を示す図である。
【図5】図2の弾性表面波共振子の等価回路である。
【図6】図1の弾性表面波共振子のインピーダンス特性
を示す図である。
【図7】本発明の実施例の利点を説明するための図であ
る。
【図8】本発明の実施例の図1の弾性表面波共振子の製
造方法を示す工程図である。
【図9】図1の弾性表面波共振子を用いた弾性表面波フ
ィルタの回路図である。
【図10】図9の弾性表面波フィルタの挿入損失特性を
示す図である。
【符号の説明】
1,51 圧電基板 2 入力端子 3 出力端子 6 アース用
ボンディングパッド 21,52 トランス
デューサ 22,53 絶縁膜 23,54 厚膜 100−i,110−i(i=1,…,n) 弾性表面
波共振子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 坂本 信義 東京都港区虎ノ門1丁目7番12号 沖電気 工業株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電気信号を入力し、弾性表面波を圧電基
    板に発生する弾性表面波共振子において、 前記圧電基板上に所望の共振周波数の前記弾性表面波を
    励起する膜厚のアルミニウムまたはアルミニウムを主材
    料とする合金からなるすだれ状のトランスデューサと、 前記トランスデューサ上に絶縁膜と、 前記絶縁膜上にスプリアスの発生を抑制する膜厚の金属
    の厚膜とを、 備えたことを特徴とする弾性表面波共振子。
  2. 【請求項2】 前記金属の厚膜がアルミニウム、アルミ
    ニウムを主材料とする合金、シリコン、シリコンを主材
    料とする合金、チタン、またはチタンを主材料とする合
    金からなることを特徴とする請求項1記載の弾性表面波
    共振子。
  3. 【請求項3】 電気信号を入力し、弾性表面波を圧電基
    板に発生する弾性表面波共振子の製造方法において、 前記圧電基板上にアルミニウムまたはアルミニウム合金
    を主材料とするすだれ状のトランスデューサを形成する
    工程と、 前記トランスデューサ上に絶縁膜を形成する工程と、 前記絶縁膜上にアルミニウム、アルミニウムを主材料と
    する合金、シリコン、シリコンを主材料とする合金、チ
    タン、またはチタンを主材料とする合金の厚膜を形成す
    る工程と、 前記厚膜及び絶縁膜をパターニングする工程とを、 順に施すことを特徴とする弾性表面波共振子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 n段が直列に接続された請求項1記載の
    弾性表面波共振子と、 前段の前記弾性表面波共振子と次段の前記弾性表面波共
    振子との間に、梯子の階段状にそれぞれ設けられた請求
    項1記載の弾性表面波共振子とを、 備えたことを特徴とする弾性表面波フィルタ。
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CN113595525A (zh) * 2021-07-22 2021-11-02 中国电子科技集团公司第二十六研究所 一种射频声表面波滤波器

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