JPH0832307B2 - 触媒組成物 - Google Patents

触媒組成物

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JPH0832307B2
JPH0832307B2 JP5051015A JP5101593A JPH0832307B2 JP H0832307 B2 JPH0832307 B2 JP H0832307B2 JP 5051015 A JP5051015 A JP 5051015A JP 5101593 A JP5101593 A JP 5101593A JP H0832307 B2 JPH0832307 B2 JP H0832307B2
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carbide
catalyst
cubic
tungsten carbide
oxide
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広明 栗田
邦夫 渋木
健三 福田
哲也 亀山
秋弘 本江
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Nihon Koshuha Co Ltd
National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Tungaloy Corp
Original Assignee
Agency of Industrial Science and Technology
Nihon Koshuha Co Ltd
Toshiba Tungaloy Co Ltd
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    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P20/00Technologies relating to chemical industry
    • Y02P20/50Improvements relating to the production of bulk chemicals
    • Y02P20/52Improvements relating to the production of bulk chemicals using catalysts, e.g. selective catalysts

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒素酸化物および有機
化合物の還元ないし水素化に好適な触媒組成物に関し、
さらに詳細には、排気中の窒素酸化物の還元、不飽和炭
化水素の水素化およびケトンの水素化に好適な触媒組成
物に関する。
【0002】
【従来の技術】内燃機関、ボイラーその他の燃焼の際に
発生する排気には、窒素酸化物が含まれ、そのまま放出
されると大気を汚染して、光化学スモッグ、酸性雨、気
管支疾患などの原因となるので、その有効な除去法の開
発が望まれている。とくに、排気中に存在する低濃度の
窒素酸化物を除去するためには、優れた還元用触媒が必
要である。このような窒素酸化物の還元に用いられる触
媒系については数多くの提案があり、その代表的なもの
は、特開昭53−48992号公報、特開昭53−48
994号公報、特開昭53−48995号公報および
開昭53−48996号公報である。
【0003】特開昭53−48992号公報は、耐熱材
料である基体の表面が、周期律表の4a、5aまたは6
a族の金属炭化物で被覆され、該被覆層中またはその表
面に、0.0005重量%以上のルテニウムおよびロジ
ウムの少なくとも一方が添加された窒素酸化物還元用触
媒を開示している。
【0004】特開昭53−48994号公報、特開昭5
3−48995号公報及び特開昭53−48996号公
報は、基体の表面が、周期律表の4a、5aまたは6a
族の1種または2種以上の金属、それらを含む合金、ま
たはそれらの金属酸化物で被覆され、その被覆層の一部
または表面が金属炭化物となった窒素酸化物還元用触媒
を開示している。
【0005】これらの窒素酸化物還元用触媒についての
開示には、いずれも被覆層として炭化タングステンを用
いることが記載されているが、それらはいずれも六方晶
炭化タングステンであるWCを用いたものであり、立方
晶炭化タングステンであるWC1-x(x=0.3〜0.
4)についての記載はない。用いられている六方晶炭化
タングステンは、窒素酸化物の還元触媒としての触媒能
が弱く、単位重量あたりの触媒効果が低い。
【0006】オレフィンを水素化して飽和炭化水素を得
る水素化反応は、水素化転換反応や水素化分解反応を含
めて、多くの提案がなされている。常圧における水素化
には、白金、ルテニウム、ロジウムなどの白金族金属お
よびその化合物;ラネーニッケルなどの触媒が知られ、
加圧加熱下の水素化には、各種の担持された還元ニッケ
ル触媒などが知られている。しかし、白金族金属は高価
で、資源的にも限界があり、還元ニッケル触媒は反応に
高温高圧を要するなどの問題がある。タングステンもオ
レフィンの水素化反応への触媒効果が知られているが、
その効果は、満足されるものではない。
【0007】ケトンを水素化して第二級アルコールを合
成する水素化反応の触媒としては、白金、ラネーニッケ
ル、けいそう土担持ニッケル、銅−クロム酸化物などの
触媒が知られている。これらのうち、白金は高価であ
り、その他の触媒は、50気圧以上の高圧と高温を必要
とする。
【0008】特開平1−115810号公報は、酸化タ
ングステン粉末またはタングステンカルボニル粉末を水
素および炭化水素とプラズマ中で気相反応させる立方晶
炭化タングステン微粉末の製造法を開示している。しか
し、このようにして得られた立方晶炭化タングステン微
粉末の用途としては、切削工具、耐摩耗工具、または粉
末冶金用の原料粉が挙げられているだけで、触媒として
の用途に関しては、まったく示唆されていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排気
中の低濃度の窒素酸化物を除去するのに有効な、触媒能
の高い還元触媒を提供することである。本発明のもうひ
とつの目的は、オレフィンやケトンのような有機化合物
の水素化を、比較的低圧の温和な条件で実施しうる、か
つ入手が容易な水素化触媒を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上述の課
題を解決するために検討を重ねた結果、特定量の立方晶
炭化タングステンを含有する組成物が、排気中の窒素酸
化物の還元触媒、およびオレフィンやケトンの水素化触
媒として触媒能が高く、上述の目的を満足させることを
見出して、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、立方晶炭化タングス
テン30容量%以上と、Ni、Co 、Fe、Pd、R
h、Ru、Pt、Ir、Os、Cr、Mo、WおよびC
uからなる群より選ばれる金属、または金属の酸化物
もしくは炭化物(立方晶炭化タングステンを除く)の少
なくとも1種とを含むことを特徴とする、排気中の窒素
酸化物の還元用、オレフィンの水素化用、またはケトン
の水素化用の触媒組成物に関する。
【0012】本発明の触媒組成物は、立方晶炭化タング
ステンWC1-x を30容量%以上、好ましくは50容量
%以上含有する。立方晶炭化タングステンの含有量が3
0容量%未満では、十分な触媒効果が得られない。
【0013】本発明に用いられる立方晶炭化タングステ
ンは、たとえば次のようにして合成することができる。
すなわち、高周波プラズマまたは直流プラズマのような
プラズマ発生手段を備えた反応器にタングステン源と炭
化水素とを供給して、気相反応を行う。プラズマガスと
しては、通常、アルゴンを用いる。プラズマ温度は、通
常6,000℃以上、好ましくは7,000〜11,0
00℃である。
【0014】タングステン源としては、タングステンの
ほか、三酸化タングステン、六方晶炭化タングステン、
タングステンカルボニルおよびタングステン酸(H2
4)のようなタングステン化合物が挙げられ、三酸化タ
ングステンが好ましい。またこれらは、粉末として供給
することが好ましい。炭化水素としては、メタン、エタ
ン、プロパン、ブタンのような飽和炭化水素でも、エチ
レン、プロピレン、ブチレン、アセチレンのような不飽
和炭化水素でもよく、これらの混合物でも差支えない。
両者の供給比は、C/W原子比として0.5〜20の範
囲が好ましく、1〜10の範囲がより好ましい。
【0015】このようにプラズマ中で気相反応を行うこ
とにより、立方晶炭化タングステンWC1-x を30容量
%以上、好ましくは50容量%以上含有する粉末が得ら
れる。
【0016】このようにして得られた立方晶炭化タング
ステンを含有する粉末は、副生する六方晶炭化タングス
テン(WC、W2 C)、タングステンおよびカーボンを
含有する。本発明においては、これらを含有したまま
で、得られた粉末や粒状体を触媒に配合することができ
るし、必要に応じて、これらのタングステンや六方晶炭
化タングステンを、さらに追加して配合してもよい。
【0017】本発明の触媒組成物には、使用目的に応じ
て、前述のタングステンや六方晶炭化タングステン以外
の金属、または金属の酸化物もしくは炭化物の少なくと
も1種を添加してもよい。それらは、粉末ないし粒状と
して立方晶炭化タングステンと併用する形で添加しても
よい。また、立方晶炭化タングステンの表面にそれらの
被膜を形成してもよいが、その場合、立方晶炭化タング
ステンが反応系と接触しうるように、被膜を部分的に形
成しなければならない。
【0018】担体の上に立方晶炭化タングステンを含む
組成物の被膜を形成する場合、前述のプラズマ発生手段
を備えた反応器に、さらに担体の予熱手段および急冷手
段を備える。具体的には、たとえば高さ調節装置と水循
環装置を備えた支持台に担体を載置して、該担体をプラ
ズマ炎の尾炎部から適当な位置に置き、プラズマ炎の熱
で1,000℃以上、好ましくは1,300〜1,70
0℃に予熱してから、プラズマ炎中で前述の気相反応を
行うとともに、担体を急冷する。冷却速度は106 〜1
7K/sの範囲が好ましい。
【0019】担体としては、上述のような被膜形成反応
において、プラズマの高熱に耐える耐熱性の炭化物、窒
化物などが好ましい。このような担体としては、炭化ケ
イ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化タンタル、
炭化クロム、炭化モリブデンおよび六方晶炭化タングス
テンのような炭化物;窒化アルミニウム、窒化ケイ素、
窒化チタン、窒化ジルコニウムおよび窒化タンタルのよ
うな窒化物;炭酸化チタンのような炭酸化物、窒酸化チ
タンのような窒酸化物;ならびにこれらの複合体や、こ
れらをベースにしたセラミックス焼結体が例示される。
これらは、緻密質や多孔質の粉体、多孔板など、任意の
形状で用いることができる。
【0020】本発明に用いられる金属は、前述のタング
ステンのほか;ニッケル、コバルト、鉄、パラジウム、
ロジウム、ルテニウム、白金、イリジウム、オスミウム
のような周期律表第8族金属;クロム、モリブデンなど
の周期律表第6族金属および銅;ならびにこれらを含有
する合金が例示され、第8族金属、銅およびタングステ
ンが好ましい。
【0021】本発明に用いられる金属の酸化物として
は、酸化銅、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化鉄、酸
化白金、酸化モリブデン、酸化クロムをはじめ、さきに
金属として列挙した元素の酸化物およびそれらの複合酸
化物が例示され、酸化銅が好ましい。これらを触媒とし
て使用する際には、還元された状態であってもよい。
【0022】本発明に用いられる金属炭化物(他の成分
として用いられる立方晶炭化タングステンを除く)とし
ては、前述の六方晶炭化タングステンのほか、炭化クロ
ム、炭化モリブデンなどが例示される。
【0023】このような、立方晶炭化タングステンと併
用される金属、または金属の酸化物もしくは炭化物の、
本発明の触媒組成中の割合は、できるだけ少ない方が好
ましいが、従来から用いられている触媒物質を併用する
場合はとくに制限されず、たとえば0.1〜10容量%
など、本発明の組成の範囲で任意に選択できる。
【0024】本発明の触媒組成物は、使用条件に応じ
て、排気などの反応系と効果的に接触し、かつ系外に逸
出しないかぎり、任意の形状であることができる。すな
わち、粉末状、粒状、繊維状、層状などでもよく、これ
らを顆粒状に造粒した後、ペレット状に成形したものが
とくに好ましい。さらに、粉体、多孔板状など各種形状
の担体に担持された被膜状でもよい。
【0025】本発明の触媒組成物は、排気中の窒素酸化
物の還元、オレフィンの水素化、およびケトンの水素化
に用いられ、内燃機関やボイラーなどで発生する廃ガス
中に微量ないし少量存在する窒素酸化物の還元にとくに
効果が著しい。
【0026】窒素酸化物としては、亜酸化窒素、一酸化
窒素、三酸化二窒素、五酸化四窒素、六酸化四窒素、二
酸化窒素、三酸化二窒素、五酸化二窒素、三酸化窒素お
よび六酸化二窒素などがあり、空気中の窒素または燃料
中に存在する窒素化合物と酸素から高温で生成し、NO
x と総称される。これらはガソリン、ジーゼル燃料また
は航空燃料を用いる内燃機関から、また産業用ボイラー
から発生する排気中に微量ないし少量含有される。
【0027】窒素酸化物の還元は、通常、大気圧または
数気圧(10気圧以下)までの加圧下に、温度200〜
600℃で実施される。
【0028】オレフィンとしては、エチレン、プロピレ
ン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−ペンテ
ン、イソオクテン、ブテンオリゴマーなど、およびそれ
らの混合物が例示される。これらは水素化されて、それ
ぞれ対応する飽和炭化水素を生ずる。
【0029】オレフィンの水素化は、通常、大気圧また
はたとえば30気圧以下の加圧下に、温度100〜50
0℃で実施される。
【0030】ケトンとしては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソプロピルケ
トン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、
ピナコロンなど、およびそれらの混合物が例示される。
これらは水素化されて、それぞれ対応する第二級アルコ
ールを生ずる。
【0031】ケトンの水素化は、通常、大気圧またはた
とえば50気圧以下の加圧下に、温度100〜400℃
で実施される。
【0032】
【発明の効果】本発明によって、内燃機関やボイラーの
排気中に微量ないし少量含有される窒素酸化物を、常圧
の温和な条件で効果的に還元しうる触媒組成物を提供す
ることができる。本発明の触媒組成物を、自動車をはじ
めとする交通機関や工場の内燃機関、ならびに発電所、
工場、建物などのボイラーの排気系の管路に取りつける
ことにより、それらの排気中の窒素酸化物を除去し、こ
れらの排気による公害を防止するのに、きわめて有用で
ある。
【0033】さらに、本発明の触媒組成物は、オレフィ
ンやケトンを、比較的低圧の温和な条件で、収率よく水
素化することができる。この反応により、飽和炭化水素
や第二級アルコールを得ることができるので、イソオク
タンの製造、合成潤滑油の熱安定化、2−プロパノール
の製造などに有用である。
【0034】
【実施例】以下、実施例および比較例によって、本発明
をさらに詳細に説明する。本発明はこれらの実施例によ
って限定されるものではない。
【0035】実施例1:立方晶炭化タングステンの合成 高周波熱プラズマ発生装置を備えた反応器を10-3Torr
の減圧にした後、Arガスを導入して1気圧に保持し
た。全流入速度50リットル/minのArガスを流入させ
るとともに、周波数3MHz 、出力10kWの高周波をかけ
て、反応器上部のプラズマトーチ部分にプラズマを発生
させた。流入速度2,000ml/minのH2ガスを導入す
るとともに、高周波出力を13kWに増加させた。この状
態で、WO3 粉末とCH4 とを、CH4 /WO3 のモル
比10、WO3 粉末の供給速度0.2g/min の条件で反
応器に導入し、プラズマトーチ部分で気相反応させて、
立方晶炭化タングステン(WC1-x)を主成分とする粉末
を得た。これをX線回析によって分析したところ、WC
1-x :95容量%、WC:3容量%、W2 C:1容量
%、W:0.7容量%および残余のカーボンからなって
いた。
【0036】実施例2〜6、比較例1:廃ガス中の窒素
酸化物の還元 実施例1で得られたWC1-x −WC−W2 C−W−C混
合粉に対して、表1に示す組合せと量で各種の金属およ
び酸化第二銅(実施例3の場合)を均一に混合して、そ
れぞれ、顆粒状の触媒組成物を調製した(実施例2〜
5)。ついで、これをプレスにかけて、直径5mm、長さ
5mmの円筒状のペレット状に成形した。
【0037】別に、六方晶炭化タングステンWCをベー
スにして、これに表1に示す量のCuとRhを均一に混
合して、比較のための触媒組成物を調製した(比較例
1)。これを、上述と同様のペレット状に成形した。
【0038】窒素酸化物を含有する自動車排気の模擬的
混合ガスとして、下記の容量比の混合ガスを調製した;
NO:0.1%、CO:1.0%、H2 :0.3%、C
4:200ppm 、C36 :100ppm 、C66
50ppm 、CO2 :10%、H2 O:10%、O2
0.25%および残部:N2
【0039】それぞれの触媒組成物からなるペレット
を、常圧流通式反応器に固定床として仕込み、触媒床入
口のガス温度を100℃、300℃、および500℃に
それぞれ調節して、上記の模擬的混合ガスに3%の空気
を混合した供給ガスを、触媒容積あたり2,000h-1
の空間速度で供給し、120時間循環させた。なお、こ
こで空間速度とは、触媒1リットル当たり1時間に通過
した供給ガスの量を、標準状態(0℃、1気圧)に換算
したリットル数をいう。120時間後のNOの減少率は
表1に示すとおりであり、本発明の触媒は、比較例1の
触媒に比べて、きわめて高い触媒能を示した。
【0040】
【表1】
【0041】実施例7、8、比較例2:シス−2−ブテ
ンの水素化 実施例1で得られたWC1-x −WC−W2 C−W−Cの
混合粉に対して、表2に示すように、それぞれ5容積%
のPt(実施例7)またはPd(実施例8)を均一に混
合して、顆粒状の触媒組成物を調製した。比較のため
に、従来から用いられていた、ゼオライトに5容量%の
Ptを均一に混合した触媒組成物を調製した(比較例
2)。
【0042】これらの触媒混合物をそれぞれ反応器に固
定床として仕込み、ゲージ圧力300Torrの加圧下に、
温度425℃で、シス−2−ブテンおよび水素を触媒容
積あたりの空間速度それぞれ1,500h-1 で反応器に
通し、シス−2−ブテンの水素化を行った。
【0043】反応を2時間続け、生成物をガスクロマト
グラフィーによって分析し、n−ブタンの生成率を求め
た。その結果を表2に示す。
【0044】
【表2】
【0045】実施例9〜12:立方晶炭化タングステン
被覆触媒の調製とシス−2−ブテンの水素化 試料位置の調節による予熱、及び水循環による冷却が可
能な試料台を設けたほかは実施例1で用いたのと同様
の、熱プラズマ発生装置を備えた反応器を用いて、立方
晶炭化タングステン被覆触媒を調製した。すなわち、該
試料台に、細孔径1.0μm 、気孔率30%の多孔質β
−SiC基セラミックス焼結体の基板を載置した。反応
器を10-3Torrの減圧にした後、Arガスを導入して1
気圧に保持した。全流入速度50リットル/minのArガ
スを流入させるとともに、周波数3MHz 、出力10kWの
高周波をかけて、反応器上部のプラズマトーチ部分にプ
ラズマを発生させた。流入速度2,000ml/minのH2
ガスを導入するとともに、高周波出力を13kWに増加さ
せた。この状態で、基板とプラズマ炎の尾炎部との距離
を調節して、該基板をプラズマ炎の熱で1,650℃に
予熱し、ついで該基板を尾炎部に挿入するとともに、W
3 とCH4 を、CH4 /WO3 のモル比8、ならびに
表3に示すWO3 粉末の供給速度および処理時間で、そ
れぞれプラズマトーチ部分の反応器内に導入し、気相反
応によって、基板の外表面に被膜を形成した。断面の顕
微鏡観察によって得た膜厚と、X線回折によって得た組
成比とを表3に示す。
【0046】このようにして得られた、主として立方晶
炭化タングステンからなる被膜を有するβ−SiC基板
を、それぞれ実施例7、8で用いたのと同様な反応器
に、触媒多孔板を装着した。これに、実施例7、8と同
じ条件でシス−2−ブテンおよびH2 を通して水素化を
行った。生成物をガスクロマトグラフィーによって分析
したところ、表3のような結果を得た。
【0047】
【表3】
【0048】表2および表3の結果から、本発明の触媒
組成物は、シス−2−ブテンを水素化してn−ブタンを
生成する反応において、従来のゼオライト−Pt触媒に
比べて、優れた触媒効果を示すことが理解される。
【0049】実施例13〜15、比較例3〜5:アセト
ンの水素化 実施例1における立方晶炭化タングステンを含む粉末の
製造方法において、WO3 粉末の供給速度のみを表4の
ように変えて、立方晶炭化タングステンを主成分とする
3種類の混合粉末を得た。この粉末の電子顕微鏡観察に
よって測定して得た粒径範囲と、X線回折によって得ら
れた組成比とは、表4のとおりであった(実施例13〜
15)。これをプレスにより、直径5mm、長さ5mmのペ
レット状に成形した。
【0050】比較のために、表4のように、市販のWC
粉末とW2 C粉末を混合したもの(比較例3)、ならび
にW2 C粉末(比較例4)およびW粉末(比較例5)を
用いて、同様に直径5mm、長さ5mmのペレット状に成形
した。
【0051】このようにして得られたペレット状触媒を
固定床して反応器に仕込み、ゲージ圧力400Torrの加
圧下に、温度160℃で、アセトンおよび水素を触媒容
積あたりの空間速度それぞれ1,800h-1 で反応器に
通し、アセトンの水素化を行った。
【0052】反応を2時間続け、生成物をガスクロマト
グラフィーによって分析し、2−プロパノールの生成率
を求めた。その結果を表4に示す。
【0053】
【表4】
【0054】実施例16〜25 実施例2において、添加成分2のRhの代わりにPt
(実施例16)、Pd(実施例17)、Ir(実施例1
8)、Ru(実施例19)、Os(実施例20)、Co
(実施例21)、Ni(実施例22)、Fe(実施例2
3)、Cr(実施例24)またはMo(実施例25)を
それぞれ用いた以外は実施例2と同様にし て、顆粒状の
触媒組成物を調製し、同様にペレット状に成形した。そ
れぞれのペレットを用いて、実施例2と同一の条件で、
同様の混合ガスを通し、120時間後のNOの減少率を
求めたところ、温度300℃において、いずれも約40
〜55%の範囲の減少率を示した。
【0055】実施例26〜33 実施例3において、添加成分1のCuOの代わりにNi
O(実施例26)、CoO(実施例27)、FeO(実
施例28)、Fe 3 4 (実施例29)、Cr 2 3
(実施例30)、Cr 3 2 (実施例31)、Cr 23
7 (実施例32)またはMo 2 C(実施例33)をそれ
ぞれ用いた以外は実施例3と同様の方法で得られたそれ
ぞれのペレットを用いて、実施例3と同一の条件で、同
様の混合ガスを通し、120時間後のNOの減少率を求
めたところ、温度500℃において、いずれも約45〜
60%の範囲の減少率を示した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B01D 53/94 C07C 5/03 9546−4H 9/10 9546−4H 29/145 9155−4H 31/10 9155−4H // C07B 61/00 300 (72)発明者 渋木 邦夫 神奈川県川崎市幸区塚越1丁目7番地 東 芝タンガロイ株式会社内 (72)発明者 福田 健三 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 亀山 哲也 茨城県つくば市東1丁目1番地 工業技術 院物質工学工業技術研究所内 (72)発明者 本江 秋弘 茨城県つくば市観音台1丁目5の1番地 審査官 富永 正史

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 立方晶炭化タングステン30容量%以上
    と、Ni、Co、Fe、Pd、Rh、Ru、Pt、I
    r、Os、Cr、Mo、WおよびCuからなる群より選
    ばれる金属、または金属の酸化物もしくは炭化物(立
    方晶炭化タングステンを除く)の少なくとも1種とを含
    むことを特徴とする排気中の窒素酸化物の還元用触媒組
    成物。
  2. 【請求項2】 立方晶炭化タングステン30容量%以上
    と、Ni、Co、Fe、Pd、Rh、Ru、Pt、I
    r、Os、Cr、Mo、WおよびCuからなる群より選
    ばれる金属、または金属の酸化物もしくは炭化物(立
    方晶炭化タングステンを除く)の少なくとも1種とを含
    むことを特徴とするオレフィンの水素化用触媒組成物。
  3. 【請求項3】 立方晶炭化タングステン30容量%以上
    と、Ni、Co、Fe、Pd、Rh、Ru、Pt、I
    r、Os、Cr、Mo、WおよびCuからなる群より選
    ばれる金属、または金属の酸化物もしくは炭化物(立
    方晶炭化タングステンを除く)の少なくとも1種とを含
    むことを特徴とするケトンの水素化用触媒組成物。
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