JPH08322878A - 使い捨ておむつ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 使い捨ておむつにおいて軟便が前身頃にまで
流れて泌尿及び性器を汚すことがないようにする。 【構成】 使い捨ておむつ１の吸液性コア４Ａ，４Ｂが
股下域において前後に二分して離間し、その離間部位で
表裏面シート２，３が接合している。離間部位の上面に
はおむつ幅方向に延びるフラップ１１，１２が形成され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は、使い捨ておむつに関
する。

【０００２】

【従来の技術】従来、透液性表面シートと不透液性裏面
シートとの間に吸液性コアが介在する使い捨ておむつは
周知である。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来のおむつで
は、コアが前身頃から股下域を経て後身頃にまで延びて
いる。排泄物は表面シートを透過してコアに吸収される
が、軟便の場合には、おむつの股下域ないしそれよりも
後身頃寄りの部位で排泄されても、表面シート上を流動
して前身頃に達し、泌尿及び性器を汚すことがあるので
衛生上好ましくない。

【０００４】そこでこの発明は、おむつの股下域におい
てコアを前後に二分して互いに離間させ、おむつ幅方向
に延びるフラップをその離間させた部位に形成して軟便
の前身頃方向への流動を防止することを課題にしてい
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】この発明が前記課題を解
決するために手段とするところは、以下のとおりであ
る。

【０００６】この発明においては、透液性表面シートと
不透液性裏面シートとの間に吸液性コアが介在し、前身
頃と後身頃との間に股下域を備えた使い捨ておむつを前
提にしている。

【０００７】かかる前提において、前記コアが股下域で
前後方向に二分して所要の距離だけ離間し、その離間部
位で前記表裏面シートが互いに接合し、かつ、その離間
部位で前記表面シートに接合して前記おむつ幅方向に延
びるフラップが形成されていることがこの発明の特徴で
ある。

【０００８】かかる発明の実施態様の一つにおいて、前
記フラップは、おむつ前後方向に離間する互いに平行な
一対のフラップからなり、そのうちの一方が前記前身頃
寄りにあり、他方が前記後身頃寄りにある。また、他の
一つにおいて、おむつ上面の左右両側部におむつ前後方
向に延び、前記上面からの起立性向を有するバリヤカフ
が形成され、そのバリヤカフがおむつ内方へ傾倒し、該
カフ内側面に前記フラップの一部が接合している。さら
にはまた、前記一方のフラップが前身頃側に傾倒し、前
記他方のフラップが後身頃側に傾倒することにより、各
フラップが前記表面シートとともに、おむつの前後方向
の各々に向かって開口するポケットを形成している。こ
れらの態様において、前記各フラップがおむつ幅方向に
延びるその自由縁に沿って伸長状態の弾性部材を有する
ことがある。

【０００９】

【作用】このように構成した使い捨ておむつでは、股下
域において吸液性コアが前後に二分し、所要の距離だけ
離間しているから、コアの後身頃部分に吸収された体液
は前身頃にまで拡散することがない。離間部位に形成し
たおむつ幅方向に延びるフラップは、例えばおむつ上面
を後身頃から前身頃に向かって流動する軟便を確実に塞
き止めて、それによる泌尿及び性器の汚れを防止するこ
とができる。

【００１０】

【実施例】この発明に係る使い捨ておむつの詳細を添付
の図面を参照して説明すると、以下のとおりである。

【００１１】図１は、おむつ１の部分破断斜視図であっ
て、おむつ１の前後方向が内方へやや湾曲した状態にあ
る。おむつ１は、透液性表面シート２と、不透液性裏面
シート３と、吸液性コア４とを備え、前身頃６と、後身
頃７と、両身頃６，７間に位置する股下域８とで構成さ
れ、股下域８の左右側縁は弧状に切り欠かれている。お
むつ１上面には、左右両側部において前後方向に延びる
バリヤカフ１０と、股下域８において前後方向に離間し
左右の幅方向に延びる第２，３フラップ１１，１２とが
ある。第２フラップ１１は前身頃６寄りに位置し、第３
フラップ１２は後身頃７寄りに位置している。後身頃７
の左右両側縁部には、テープファスナ１５が取り付けて
ある。後身頃７の端縁部と股下域８の側縁部とには、各
々胴周り方向と脚周り方向の弾性部材１６，１７があっ
て、それらが表裏面シート２，３の少なくともいずれか
一方の内面に伸長状態で接合している。また、バリヤカ
フ１０と第２，３フラップ１１，１２の各縁部には、第
１，２，３弾性部材１８，１９，２０が伸長状態で接合
している。なお、股下域８における脚周り弾性部材１７
を含む左右の側縁部は、着用者の脚周りに密着可能な第
１フラップ９である。

【００１２】図２は、コア４が載置してある裏面シート
３の平面図である。コア４は、各々が互いに対向する先
端中央部が凸出しその先端中央部からそれぞれ前後身頃
の各腰周り方向へ向かって次第に両側縁が傾斜する形状
の前身頃コア４Ａと後身頃コア４Ｂとからなり、それら
コア４Ａ、４Ｂが股下域８において前後方向に距離Ｌだ
け離間した状態で裏面シート３上面に接合している。前
後身頃コア４Ａ、４Ｂは、同形同大でよいが、後身頃コ
ア４Ｂの股下域８に延びる部分２５がおむつ１を前後に
二分する線（図示せず）を越えて前身頃６寄りにあるこ
とがより好ましい。裏面シート３上面の股下域８には、
離間した前後身頃コア４Ａ，４Ｂ間において前後方向に
延びる複数条の第４弾性部材２６が伸長状態で接合して
いる。したがって両コア４Ａ，４Ｂは、互いに接近可能
である。

【００１３】図３，４は、おむつ１の平面図と、そのＩ
Ｖ−ＩＶ線矢視図である。表面シート２は、裏面シート
３と同形同大であり、前後身頃コア４Ａ，４Ｂの周縁か
ら延出する部分でが互いに接合している。バリヤカフ１
０は、矩形の不織布からなるもので、外側縁部１０Ａと
前後両端縁部１０Ｂ，１０Ｃとは表面シート２上面に接
合しているが、内側縁部１０Ｄは接合していない。した
がって、おむつ１が図１のように湾曲すると、第１弾性
部材１８が収縮してバリヤカフ１０が起立し、内側縁部
１０Ｄが表面シート２上面から上方へ離間して表面シー
ト２とともにおむつ１内方に向かって開口するポケット
２８を形成する（図１参照）。第２，３フラップ１１，
１２は、一枚の不織布またはプラスチックフィルムから
なるもので、両フラップ１１，１２間に介在する中間部
２９が表面シート２に接合して第２，３フラップ１１，
１２の基端部１１Ａ，１２Ａを形成している。第２，３
フラップ１１，１２は、それぞれの上端部１１Ｂ，１２
Ｂと基端部１１Ａ，１２Ａとの間において断面Ｚ字型に
折曲してある。第２，３フラップ１１，１２の左右両側
部１１Ｃ，１２Ｃはポケット２８の中にあり、上端部１
１Ｂ，１２Ｂがホットメルト接着剤３５により第１フラ
ップ１０の内側面に接合している。また、第２，３フラ
ップ１１，１２は折曲して表面シート２に当接する部位
がホットメルト接着剤３６により接合している。したが
って、第１フラップ１０が起立すると、第２，３フラッ
プ１１，１２は上端部１１Ｂ，１２Ｂが引き上げられて
前身頃６と後身頃７とに向かって大きく開口する第２，
３ポケット３０，３１を形成することができる（図１参
照）。第２，３フラップ１１，１２の上端部１１Ｂ，１
２Ｂは、伸長状態の第２，３弾性部材１９，２０を有す
るから、引き上げられたときに左右のバリヤカフ１０間
で緊張状態にあり、ポケット３０，３１を確実に開口さ
せておくことができる。第２，３フラップ１１，１２
は、その高さ方向がＺ字型に折曲してあるから、ポケッ
ト３０，３１は特に奥行きの深いものになる。バリヤカ
フ１０や第２，３フラップ１１，１２は、難液透過性ま
たは不透液性であることが好ましく、通気不透液性であ
ることがさらに好ましい。

【００１４】このように構成したおむつ１では、前身頃
６または後身頃７に排泄された体液や軟便が表面シート
２の上を流動して反対側の身頃へ広がるのを第２，３フ
ラップ１１，１２で防止し、それらが吸液性コアのなか
で拡散して反対側の身頃へ広がることを、二分した前後
身頃コア４Ａ，４Ｂによって防止することができる。し
たがって、軟便が前身頃にまで流れて泌尿及び性器を汚
すという問題を解消することができる。かかるおむつ１
では、その構造を簡単にするために、股下域８のフラッ
プを一つだけにすることができる。その時には、第２フ
ラップ１１よりも後身頃７に向かって開口する第３フラ
ップ１２を採用し、特に軟便の流れを防止することが好
ましい。また、さらに構造を簡単にするために、バリヤ
カフ１０を省いてこの発明を実施することもできる。

【００１５】この発明において、バリヤカフ１０には、
第２，３フラップ１１，１２と同様な素材を使用するこ
とができる。表面シート２や裏面シート３、コア４には
当該技術分野で公知の素材を使用することができる。各
部材を接合するには、ホットメルト接着剤等を使用する
接着技術の他に、熱溶融性素材に対する融着技術を利用
することができる。

【００１６】

【発明の効果】この発明に係るおむつでは、吸液性コア
が股下域において前後に二分して離間し、その離間した
部位のおむつ上面には左右に延びるフラップが形成され
ているから、前身頃または後身頃の排泄物が反対側の身
頃にまで流れるのを防止できる。したがって、軟便が流
れて泌尿及び性器を汚すということがない。かかるフラ
ップを、おむつ上面の左右両側部に形成してあるバリヤ
カフの内側面に接合すると、フラップの形成するポケッ
トが特に大きく開口し、流動する軟便等の捕捉が容易に
なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】おむつの部分破断斜視図

【図２】裏面シートと吸液性コアの平面図

【図３】おむつの平面図

【図４】図３のＩＶ−ＩＶ線断面図

【符号の説明】 １ おむつ ２ 表面シート ３ 裏面シート ４，４Ａ，４Ｂ コア ６ 前身頃 ７ 後身頃 ８ 股下域 １０ バリヤカフ １１，１２ 第２，３フラップ １９，２０ 第２，３弾性部材 ３０，３１ ポケット

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】透液性表面シートと不透液性裏面シートと
   の間に吸液性コアが介在し、前身頃と後身頃との間に股
   下域を備えた使い捨ておむつであって、 前記股下域において、前記コアが前後方向に二分して所
   要の距離だけ離間し、その離間部位で前記表裏面シート
   が互いに接合し、かつその離間部位で前記表面シートに
   接合して前記おむつ幅方向に延びるフラップが形成され
   ていることを特徴とする前記おむつ。
2. 【請求項２】前記フラップは、おむつの前後方向に離間
   する互いに平行な一対のフラップからなり、そのうちの
   一方が前記前身頃寄りにあり、他方が前記後身頃寄りに
   ある請求項１記載のおむつ。
3. 【請求項３】前記おむつ上面の左右両側部におむつ前後
   方向に延び、前記上面からの起立性向を有するバリヤカ
   フが形成され、該バリヤカフが前記おむつ内方へ傾倒し
   て該カフの内側面に前記フラップの一部が接合している
   請求項１または２記載のおむつ。
4. 【請求項４】前記一方のフラップが前身頃側に傾倒し、
   前記他方のフラップが後身頃側に傾倒することにより、
   各フラップが前記表面シートとともに、前記おむつの前
   後方向の各々に向かって開口するポケットを形成してい
   る請求項２または３記載のおむつ。
5. 【請求項５】前記各フラップが前記おむつ幅方向に延び
   るその自由縁に沿って伸長状態の弾性部材を有する請求
   項１〜４のいずれかに記載のおむつ。