JPH08321796A - 音響エコーキャンセラ - Google Patents

音響エコーキャンセラ

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JPH08321796A
JPH08321796A JP12776895A JP12776895A JPH08321796A JP H08321796 A JPH08321796 A JP H08321796A JP 12776895 A JP12776895 A JP 12776895A JP 12776895 A JP12776895 A JP 12776895A JP H08321796 A JPH08321796 A JP H08321796A
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JP
Japan
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coefficient
filter
band
acoustic echo
signal
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Pending
Application number
JP12776895A
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English (en)
Inventor
Tetsuya Nakagawa
哲也 中川
吉章 ▲浅▼川
Yoshiaki Asakawa
Yoshinori Miyamoto
宜則 宮本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Publication date
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Pending legal-status Critical Current

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  • Circuit For Audible Band Transducer (AREA)
  • Filters That Use Time-Delay Elements (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】エコー長の長い音響エコーキャンセラの処理量
を削減してDSPやマイクロプロセッサ1個で実現可能
とする。 【構成】帯域分割型音響エコーキャンセラにおいてフィ
ルタ係数の更新を帯域間で交互に行うことにより、フィ
ルタ係数更新処理を間引く。 【効果】DSPなど乗算器を搭載したマイクロプロセッ
サではフィルタリング処理は軽いが、メモリの読み書き
を頻繁に行なう係数更新処理が重く負担となる。そこ
で、係数更新処理を間引くことにより、処理量を大きく
削減でき、実用上必要なエコー長の消去を汎用のDSP1
個で実現できるという効果がある。また、係数更新の間
引き方を制御することにより、処理量削減と収束特性の
トレードオフをとることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、拡声系における双方向
音声通信において通話の障害となる音響エコーを消去す
る音響エコーキャンセラに係り、特にプログラマブルな
マイクロプロセッサやDSP(デジタルシグナルプロセ
ッサ)での実現において好適な低処理量の音響エコーキ
ャンセル方法に関する。
【0002】
【従来の技術】拡声系における双方向音声通信において
は、通話相手側のスピーカから拡声された自分の声が室
内で反射され、自分に帰ってくる音響エコーが通話の障
害となる。そこで、従来より、図1に示すように音響エ
コーキャンセラを用いてこれを防いでいる。図1におい
て、デジタル回線で通話音声101が伝送され、エコー
キャンセル処理もデジタル処理で行われるものとしてい
る。回線から伝送された通話音声101はD/A変換器
102(デジタル/アナログ)で変換され、スピーカ1
03を通して室内に拡声される。拡声音声は室内で反射
してマイクロフォン104で拾われ、A/D変換器10
5(アナログ/デジタル)でデジタルデータに変換され
て再び回線に伝送される。これが音響エコーである。
【0003】音響エコーキャンセラ109では室内の音
響特性をデジタルフィルタ108でモデル化する。すな
わち、伝送されてきた音声に、このデジタルフィルタ1
08でフィルタリング処理をしてモデル化された音響エ
コー107を作成する。図1に示すようにA/D変換を
とおして入力された実際の音響エコー106からこのモ
デル化された音響エコーを引き算することによってエコ
ーキャンセルを実現するわけである。音響特性をモデル
化したデジタルフィルタ108は適応フィルタであり、
そのフィルタ係数は誤差信号110を用いて更新され、
室内音響特性を正しく表すように調整される。
【0004】この適応デジタルフィルタを含む音響エコ
ーキャンセラ109の内部構成と動作を図14を用いて
説明する。ただし、図14では図面を見やすくするため
にフィルタのタップ次数を4としてある。実際のタップ
数は音響エコー長と入力データのサンプリング周期によ
って決まるが、基本構成と動作はタップ長に依存しな
い。図14の音響エコーキャンセラは遅延要素120
5、1206、1207、乗算器1208、1216、
1217、1218、1219、加算器1210、12
13、1214、1215、係数決定部1220、12
21、1222、1223で構成される。また、参考の
ために、この音響エコーキャンセラがおこなう処理の計
算式を図14の下に示す。離散時間nにおける入力サン
プルがx(n)1201、音響エコーがd(n)121
1、モデル化された音響エコーがy(n)1212、誤
差信号がe(n)1209である。離散時間nにおける
4つのフィルタ係数h0(n)、h1(n)、h2
(n)、h3(n)は、それぞれ4つの係数決定部12
20、1221、1222、1223から供給される。
離散時間nにおいて過去の3つの入力サンプルx(n−
1)、x(n−2)、x(n−3)はそれぞれ3つの遅
延要素1205、1206、1207によって保持され
ている。4つの乗算器1216、1217、1218、
1219はそれぞれ対応する4つのフィルタ係数h0
(n)、h1(n)、h2(n)、h3(n)と4つの
入力サンプルx(n)、x(n−1)、x(n−2)、
x(n−3)を掛け合わせ、4つの積を生成する。これ
ら4つの積は加算器1213、1214、1215で加
算され、モデル化された音響エコーがy(n)1212
が計算される。このモデル化された音響エコーy(n)
1212は音響エコーd(n)1211から減算され、
誤差信号e(n)1209が生成される。この誤差信号
e(n)1209は乗算器1208で定数α1210と
掛け合わされてスケールされた誤差データα・e(n)
1228となる。4つの係数決定部1220、122
1、1222、1223は、それぞれ対応する4つの入
力サンプルx(n)、x(n−1)、x(n−2)、x
(n−3)と係数更新用データα・e(n)1228を
用いて離散時間n+1における4つのフィルタ係数h0
(n+1)、h1(n+1)、h2(n+1)、h3
(n+1)を更新する。これら更新されたフィルタ係数
は次の離散時間n+1におけるエコーキャンセル処理に
用いられる。次に図9を用いて上記、係数決定部122
0、1221、1222、1223の構成と動作を説明
する。図9の係数決定部709は乗算器702、加算器
708および遅延素子706で構成される。また、参考
のため図9の下にこの係数決定部がおこなう処理の計算
式を示す。係数決定部では、まず入力サンプルx(n−
k)701とスケールされた誤差データα・e(n)が
乗算器702で掛け合わされ、係数更新用データα・e
(n)・x(n−k)704が生成される。ここで変数
kは0以上でフィルタタップ数より小さい整数であり、
第何タップ目のフィルタ係数かを示す。また、図14か
ら明らかなように第k番目の係数決定部では離散時間k
だけ過去の入力サンプルx(n−k)が使用される。係
数更新用データα・e(n)・x(n−k)704は1
離散時間前のフィルタ係数hk(n−1)707と加算
器704で加算され、更新されたフィルタ係数hk
(n)705が計算される。
【0005】このように音響エコーキャンセラは原理的
には比較的シンプルであるが実装上はその処理量が問題
となる。つまり、室内の音響エコー長は一般に数百ms
にも達し、これをキャンセルするには数千タップの適応
フィルタが必要となり、大規模な専用ハードウエアが不
可欠となるからである。この処理量の問題を解決するた
めに帯域分割型の音響エコーキャンセラが提案されてい
る。この帯域分割型音響エコーキャンセラの構成を図8
に示す。図8の音響エコーキャンセラは音声の帯域をM
個に分割する例である。ただし、Mは2以上の正の整数
とする。図8の音響エコーキャンセラは、分析フィルタ
607、625、合成フィルタ614、M個の音響エコ
ーキャンセラ617、620、・・・、623から構成
される。伝送されてきた入力音声601は分析フィルタ
625によってM個の帯域の入力音声、618、62
1、・・・、624に分割される。一方、音響エコー6
06も分析フィルタ607によってM個の帯域の入力エ
コー、608、609、・・・、610に分割される。
帯域1の音響エコーキャンセラ617は帯域1の入力音
声618を用いて帯域1の音響エコー608をキャンセ
ルして帯域1の誤差信号611を生成する。これと独立
に、他のM−1個の音響エコーキャンセラ、620、・
・・、623も、それぞれ、対応する帯域の入力音声6
21、・・・、624を用いて、対応する帯域の音響エ
コー、609、・・・、610をキャンセルしてM−1
個の誤差信号、612、・・・、613を生成する。最
後に合成フィルタ614がM個の誤差信号、611、・
・・、613を合成して全帯域誤差信号615を生成す
るわけである。
【0006】上記、帯域分割型の構成を採用すると処理
量をかなり削減することが可能となる。すなわち、M個
の帯域に分割することにより、適応フィルタの処理量を
M分の1にすることができる。従来、帯域2分割を用い
て汎用DSP(デジタルシグナルプロセッサ)22個で
7kHz帯域幅のエコー250msをキャンセルした例
が報告されている。(安川 博、島田 正治、古川
功:”高品質音声通信会議システムのための音響エコー
制御”、信学論(B−I)、vol.J73−B−I
No.4 pp.387−395(1990年4月))
よって、この例から単純計算すると帯域を44分割すれ
ばDSP1個で上記の性能を実現できることになる。し
かし、分割数を増やすと、オーバーヘッドとなる追加さ
れた分析フィルタと合成フィルタの処理量も増加する。
つまり、44分割しても処理量は44分の1にはならな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記に述べたように帯
域分割だけを用いた従来技術では、普通、TV電話で必
要とされる7kHz帯域幅のエコー250msのキャン
セルをDSP1個では実現できない可能性が大きい。ま
た、かりに実現できたとしてもDSPの動作周波数を極
限まで高める必要があると予想される。しかし、消費電
力やコストのことを考えるとDSPの動作周波数を極限
まで上げるのは好ましくなく、できるだけ低く押さえた
方がよい。消費電力は動作周波数に比例して増大し、外
付けメモリなどの周辺部品のコストも動作周波数に比例
して上昇するからである。そのためにも、方式レベルで
処理量をさらに削減することが必要である。また、将来
20kHz帯域のオーデイオ信号の音響エコーを扱う場
合、帯域が3倍になるので方式レベルでのさらなる処理
量の削減が再び課題となる。
【0008】本発明の目的は、上記のような問題点に鑑
み、従来の帯域分割型エコーキャンセラと組み合わせる
ことができ、さらに処理量削減の図れる方法を提案する
ことにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明では音響エコーキャンセラで、処理量が一番
多い適応フィルタ処理に着目する。すなわち、適応フィ
ルタ処理のコアとなる係数更新処理とフィルタリング処
理のうち、係数更新処理は毎入力サンプルごとに行う必
要がないことを利用する。これを帯域分割方式と組み合
わせ、各帯域のフィルタ係数更新を交互に行うことによ
り、処理量の削減をおこなう。
【0010】具体的に、通信回線からの音声信号を出力
した結果該音声信号自身の反響により生じる音響エコー
信号を得て、上記音声信号に基づき生成された疑似エコ
ー信号を上記音響エコー信号から差し引いて上記通信回
線に出力するエコーキャンセル方法において、上記疑似
エコー信号は、上記該音声信号を複数の帯域の信号成分
に分割し、フィルタ系数により特性が定められる複数個
の適応フィルタに該信号成分のそれぞれを通過させて生
成され、上記フィルタ係数の更新規則を上記適応フィル
タごとに異ならせる。
【0011】さらに、上記複数の適応フィルタのフィ
ルタ係数を順次更新する、または上記複数の適応フィ
ルタのフィルタ係数を構成する0次の係数は入力信号毎
に変更しその他の次数の係数は上記複数の適応フィルタ
間で順次更新する、または上記複数の適応フィルタの
うち任意の適応フィルタのフィルタ係数は入力信号毎に
更新しその他の適応フィルタは順次更新する。
【0012】
【作用】上記に述べたように、帯域分割型音響エコーキ
ャンセラにおいて、各帯域のフィルタ係数更新を交互に
行うことにより、フィルタ係数更新処理を間引くことが
でき、全体の処理量を削減できる。
【0013】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するに先だっ
て、本発明がベースとしている帯域分割型エコーキャン
セラについて説明する。この帯域分割型音響エコーキャ
ンセラの一般構成は図8に示してあるが、ここでは詳細
な説明をおこなうために、最も単純な2分割を考える。
図2に入力音声の帯域を低域と広域に2分割する音響エ
コーキャンセラの例を示す。図2の音響エコーキャンセ
ラは、分析フィルタ207、222、合成フィルタ21
4、低域用の音響エコーキャンセラ210、高域用の音
響エコーキャンセラ211から構成される。
【0014】伝送されてきた入力音声201は分析フィ
ルタ222によって低域入力音声218と高域入力音声
221に分割される。一方、音響エコー206も分析フ
ィルタ207によって低域音響エコー208と高域音響
エコー209に分割される。低域用の音響エコーキャン
セラ210は低域入力音声218を用いて低域音響エコ
ー208をキャンセルして低域誤差信号212を生成す
る。これと独立に高域用の音響エコーキャンセラ211
は高域入力音声221を用いて高域音響エコー209を
キャンセルして高域誤差信号213を生成する。最後に
合成フィルタ214が低域誤差信号212と高域誤差信
号213を合成して全域誤差信号215を生成するわけ
である。
【0015】分析フィルタ207と222の構成を図3
に示す。分析フィルタ310はローパスフィルタ30
2、ハイパスフィルタ303およびデシメータ306、
307で構成される。ローパスフィルタ302とハイパ
スフィルタ303の代表的な特性を図5に示す。図5で
は全帯域をπで規格化してあるので、ローパスフィルタ
の特性401とハイパスフィルタの特性402は2分の
πで対称となっている。つまり、この例では全帯域を同
じ幅の低域と高域とに分割している。このため、図3の
分析フィルタにおいて分割された低域信号304と高域
信号305はそれぞれ、元の信号301のちょうど2分
の1の帯域幅を持つ。よってサンプリング定理に従って
サンプリングの頻度を半分にできる。デシメータ30
6、307がこの処理をおこなう。図6でこのデシメー
タの動作を説明する。図6にはデシメータ502とその
入出力501、503、および具体的な入出力例50
4、505が示してある。この例から明らかなように2
分の1のデシメータ502は入力の偶数番目のサンプル
のみ出力し、データレートは半分となる。
【0016】合成フィルタ214の構成を図4に示す。
合成フィルタ320はエクスパンダ313、314、ロ
ーパスフィルタ317およびハイパスフィルタ318で
構成される。図7でエクスパンダの動作を説明する。図
7にはエクスパンダ507とその入出力506、50
8、および具体的な入出力例509、510が示してあ
る。この例から明らかなように2倍のエクスパンダ50
7は入力のサンプル間に0を挿入してデータレートを2
倍にする。エクスパンドされた低域信号315と高域信
号316はそれぞれ、ローパスフィルタ317とパイパ
スフィルタ318によって補完される。そして、加算器
321で加算されて全帯域信号319となる。ローパス
フィルタ317とパイパスフィルタ318の特性は分析
フィルタ310の特性に応じて決定される。
【0017】低域用および高域用の音響エコーキャンセ
ラ210、211それぞれの構成は図14に示した全帯
域用のものと全く同一である。ただし、2分割の場合デ
ータレートが半分になっているので、タップ数も半分に
なる。例えば全帯域型で実現した時にタップ数が8とな
る1つのフィルタは2分割型で実現するとタップ数4の
2つのフィルタになるわけである。
【0018】以上の準備を踏まえて以下に図15と図1
6を用いて、本発明の第1の実施例を説明する。第1の
実施例は任意分割数の場合に適用できるが、ここでは2
分割と4分割の2つの場合を詳細に説明する。図15は
本発明の第1の実施例を前述の2分割方式で実現したも
のを示している。すなわち、図15は図2における低域
音響エコーキャンセラ210と高域音響エコーキャンセ
ラ211の部分を拡大したものである。従来例において
は低域、高域とも図14に示した、全く同一のエコーキ
ャンセラが用いられていたが、図15の実施例では低
域、高域に対して異なる2種のエコーキャンセラが使用
されている。図15では偶数時間において低域音響エコ
ーキャンセラの係数更新を行ない、奇数時間で高域音響
エコーキャンセラの係数更新を行なう。よって、これら
2種のエコーキャンセラは係数決定部のみ異なり、後は
全く同一である。また、図15でも図14と同様に、図
面を見やすくするためにフィルタのタップ次数を4とし
てあるが、本発明が任意の次数のフィルタに適応できる
のは言うまでもない。続いて、低域音響エコーキャンセ
ラ1312の係数決定部1308、1309、131
0、1311について説明する。これら、4つの係数決
定部モデュールは同一であり、その内部構造を図10に
示す。図10の係数決定部モデュール816は図9の従
来のモデュールと同様に、入力サンプルx(n)801
とスケールされた誤差データα・e(n)806を用い
てフィルタ係数hk(n−1)を更新する。但し、図1
0の係数決定部モデュール816は図の下の式に示した
ように偶数番目の離散時間においてのみ、係数更新を行
なう。図10の係数決定部モデュール816は2分の1
のデシメータ802、807、2倍のエクスパンダ80
3、808、乗算器805、加算器811、そして遅延
素子813、814で構成される。図10では2分の1
のデシメータと2倍のエクスパンダを従属接続したもの
が2箇所802、803および807、808で用いら
れている。図11にこの2分の1のデシメータと2倍の
エクスパンダを従属接続したものの動作を示す。図11
には2分の1のデシメータ902、2倍のエクスパンダ
904、それらの入出力901、905、および中間デ
ータ903、そして代表的な入出力例906、907が
示してある。図11の2分の1のデシメータと2倍のエ
クスパンダを従属接続したものへの入力901は、まず
2分の1のデシメータによって偶数時間成分のみに間引
かれ、時間的には半分に圧縮された離散データ903と
なる。この様子は図6を用いて先に説明した。続いて、
この離散データ903は2倍のエクスパンダ904によ
って隣接するデータ間に0を挿入され、時間的に2倍に
伸張された離散データ905となる。この詳細も図7を
用いて先に説明した。結果的に図11の代表的な入出力
例906、907に示したように、入力サンプルのうち
偶数時間のものは、そのまま出力され、奇数時間のもの
は0に置き換えられることになる。よって図10におい
て入力サンプルx(n)801とスケールされた誤差デ
ータα・e(n)806は係数更新に使われる前に、そ
れぞれ、x1(n)804とδ(n)809に変換さ
れ、両者とも偶数時間では元のデータ値となり、奇数時
間において0となる。この両者を乗算器805で掛け合
わせた結果が係数更新用データδ・x1(n)810で
あるから、当然、この値も偶数時間では元のデータ値と
なり、奇数時間において0となる。すなわち、係数は偶
数時間でのみ更新され、奇数時間では更新されないこと
になる。図10では奇数時間で0を加算するなど無駄な
処理を行なっているが、図10はあくまで係数決定部の
動作を説明するためのものである。実際のソフトウエア
による実装では条件文を用いて偶数時間でのみ係数決定
部が動作するようにすればよく、本発明のための変更に
ともなう、無駄な処理の増加は全くない。この図10の
係数決定部モデュールを用いることによって図15の低
域の音響エコーキャンセラ1312は係数更新を偶数時
間でのみ行なうことになる。続いて図15の高域エコー
キャンセラ1324の係数決定部1320、1321、
1322、1323について説明する。これら、4つの
係数決定部モデュールは同一であり、その内部構造を図
12に示す。図12の係数決定部モデュール1018は
図10の係数決定部モデュールと同様に、入力サンプル
x(n)1001とスケールされた誤差データα・e
(n)1006を用いてフィルタ係数hk(n−1)を
更新する。但し、図12の係数決定部モデュール101
8は図の下の式に示したように奇数番目の離散時間にお
いてのみ、係数更新を行なう。図12の係数決定部モデ
ュール1018は2分の1のデシメータ1003、10
08、2倍のエクスパンダ1004、1009、乗算器
1011、加算器1013、そして遅延素子1002、
1007、1015で構成される。図12の係数決定部
モデュール1018の構成は図10の係数決定部モデュ
ール816に2つの遅延素子1002、1007を追加
したものである。2つの遅延素子の追加以外は全く同一
である。これら2つの遅延素子1002、1007によ
って、入力サンプルx(n)1001とスケールされた
誤差データα・e(n)1006の両者が1離散時間、
遅延される。この1離散時間の遅延によって引き続く、
2分の1のデシメータと2倍のエクスパンダを従属接続
した部分で偶数時間のサンプルは0に置き換えられ、奇
数時間のものは、そのまま出力されることになる。すな
わち、図12において入力サンプルx(n)1001と
スケールされた誤差データα・e(n)1006は係数
更新に使われる前に、それぞれ、x1(n)1005と
δ(n)1010に変換され、両者とも奇数時間では元
のデータ値となり、偶数時間において0となる。この両
者を乗算器1011で掛け合わせた結果が係数更新用デ
ータδ・x1(n)1012であるから、当然、この値
も奇数時間では元のデータ値となり、偶数時間において
0となる。すなわち、係数は奇数時間でのみ更新され、
偶数時間では更新されないことになる。この図12の係
数決定部モデュールを用いることによって図15の高域
の音響エコーキャンセラ1324は係数更新を奇数時間
でのみ行なうことになる。よって、図15において適応
フィルタの係数更新は低域の音響エコーキャンセラでは
偶数時間に行われ、高域の音響エコーキャンセラでは奇
数時間に行われることになり、係数更新の処理量を半分
に削減できる。本実施例は容易に任意分割数の帯域分割
型エコーキャンセラに拡張できる。この任意分割数への
拡張には一般化された係数決定部が必要となる。この一
般化された係数決定部を図13を用いて説明する。この
係数決定部は2つの正の整数のパラメータP、Qを持
つ。本係数決定部はP離散時間ごとに係数更新を行う。
すなわち、係数更新をP分の1に間引くが、この時、P
ー1通りの間引き方があり、これをQで指定するわけで
ある。よってQは離散時刻nをPで割った時の余りとな
り、0≦Q<Pの範囲の整数となる。図13の係数決定
部1120は2Q個の遅延素子1102、・・・110
3、1108、・・・、1109、P分の1のデシメー
タ1104、1110、P倍のエクスパンダ1105、
1111、乗算器1113、加算器1115そして遅延
素子1117で構成される。まず、Q=0の場合を考え
る。この時、入力サンプルx(n)1101とスケール
された誤差データα・e(n)1107は係数更新に使
われる前に、それぞれ、x1(n)1106とδ(n)
1112に変換され、両者とも離散時間nがPの倍数の
時には元のデータ値となり、その他の離散時間において
0となる。この両者を乗算器1113で掛け合わせた結
果が係数更新用データδ・x1(n)1114であるか
ら、当然、この値も離散時間nがPの倍数の時には元の
データ値となり、その他の離散時間において0となる。
すなわち、係数は離散時間nがPの倍数の時のみ更新さ
れ、その他の離散時間では更新されないことになる。ま
た、Q≠0の場合、x1(n)1106とδ(n)11
12の両者とも離散時間nがPの倍数+Qの時には元の
データ値となり、その他の離散時間において0となる。
この両者を乗算器1113で掛け合わせた結果が係数更
新用データδ・x1(n)1114であるから、当然、
この値も離散時間nがPの倍数+Qの時には元のデータ
値となり、その他の離散時間において0となる。すなわ
ち、係数は離散時間nがPの倍数+Qの時のみ更新さ
れ、その他の離散時間では更新されないことになる。こ
の係数更新の場合分けの様子を図13の下に式で示して
ある。この一般化された係数決定部モデュール1120
を以下でCUM(P、Q)と呼ぶことにする。ひとつの
Pが与えられた時、P個のCUM(P、Q)(Q=0、
・・・、P−1)は交互に係数更新を実行するわけであ
る。P=1、Q=0としたCUM(1、0)は図9に示
した従来例の係数決定部モデュールに対応する。また、
P=2、Q=0としたCUM(2、0)が図10の係数
決定部と等価となり、P=2、Q=1としたCUM
(2、1)が図12の係数決定部と等価となる。CUM
(2、0)とCUM(2、1)はそれぞれ、偶数時間と
奇数時間に交互に係数を更新する。
【0019】図16は本発明の第1の実施例を帯域4分
割に適用した例である。本例のエコーキャンセラの全体
構成は図8において分割数M=4としたものである。図
16は、この場合の音響エコーキャンセラの部分を拡大
したものに対応する。図16においてもフィルタのタッ
プ数は4となっているが、これも図面を見易くするため
である。本例も任意のフィルタタップ数に適用できるこ
とは言うまでもない。図16は4つの帯域に対応する4
つの音響エコーキャンセラ1412、1424、143
6、1448で構成される。帯域1の音響エコーキャン
セラ1412は帯域1のモデル化された音響エコー14
06を計算して帯域1の音響エコー1407から減算し
て帯域1の誤差信号1405を生成する。帯域2の音響
エコーキャンセラ1424は帯域2のモデル化された音
響エコー1418を計算して帯域2の音響エコー141
9から減算して帯域2の誤差信号1417を生成する。
帯域3の音響エコーキャンセラ1436は帯域3のモデ
ル化された音響エコー1430を計算して帯域3の音響
エコー1431から減算して帯域3の誤差信号1429
を生成する。帯域4の音響エコーキャンセラ1448は
帯域4のモデル化された音響エコー1442を計算して
帯域4の音響エコー1443から減算して帯域4の誤差
信号1441を生成する。これら4つの音響エコーキャ
ンセラは係数決定部以外は全く同一であり、図14に示
した構成を持つ。次に図13に示した一般化された係数
決定部モデュールを用いて図16の係数決定部の構成を
説明する。この時は、分割数に合わせて4つの係数決定
部モデュールCUM(4、0)、CUM(4、1)、C
UM(4、2)、CUM(4、3)を使用する。これら
4つの係数決定部モデュールは先に説明したように、そ
れぞれ離散時間、4の倍数+Q(Q=0、1、2、3)
で交互に係数更新を行う。例えば、CUM(4、0)は
離散時間0、4、8、・・・、で、CUM(4、1)は
離散時間1、5、9、・・・で、CUM(4、2)は離
散時間2、6、10、・・・で、そしてCUM(4、
3)は離散時間3、7、11、・・・で係数更新を行
う。図16の帯域1の音響エコーキャンセラ1412で
は4つの同じタイプの係数決定部モデュールCUM
(4、0)1408、1409、1410、1411を
使用する。図16の帯域2の音響エコーキャンセラ14
24では4つの同じタイプの係数決定部モデュールCU
M(4、1)1420、1421、1422、1423
を使用する。図16の帯域3の音響エコーキャンセラ1
436では4つの同じタイプの係数決定部モデュールC
UM(4、2)1432、1433、1434、143
5を使用する。図16の帯域4の音響エコーキャンセラ
1448では4つの同じタイプの係数決定部モデュール
CUM(4、3)1444、1445、1446、14
47を使用する。よって図16の構成では4つのエコー
キャンセラは、それぞれ対応する4種類の係数決定部モ
デュールCUM(4、Q)(Q=0、1、2、3)を用
いて離散時間、4の倍数+Qで交互に係数更新を行う。
これに伴い、係数更新の処理量を4分の1に削減でき
る。以上、説明してきた本発明の第1の実施例の特性と
効果を図21、図22で説明する。図21は本実施例を
使用した場合の適応フィルタの収束特性を示している。
図21の縦軸は音響エコーをキャンセルした時の平均二
乗誤差MSE(Mean Square Error)
であり、横軸はフィルタリングと係数更新を含む適応処
理の回数である。図21では−40dBのエコー抑圧量
を得るのにフィルタ係数更新を間引かない場合(M=
1)、フィルタリングを含む適応処理がL回(Lは正の
整数)必要となっている。この場合、フィルタ係数更新
を2分の1、4分の1に間引くと、これに対応してフィ
ルタリングを含む適応処理が2L回、4L回必要となっ
てくる。しかし、図22に示すように係数更新にともな
う処理量は間引き数に反比例するかたちで削減すること
が可能となる。図22の縦軸は間引きしない場合(M=
1)の係数更新にともなう処理量を1とした時の相対的
な処理量を示し、横軸は間引き率を示す。図22から、
相対処理量は間引き率Mに反比例するかたちで減少する
ことがわかる。図16の例におけるフィルタリングを含
む適応処理全体での処理量削減効果を図23に示す。図
16の例では係数更新処理量を4分の1にできることを
前に説明したが、この図からフィルタリングを含んだ全
体処理においても50%の処理量削減効果があることが
わかる。ただし、図23においてフィルタリング処理と
係数更新処理の処理量の比を1対2とした。この比は代
表的なDSPにおける値である。以上、図21、図2
2、図23で説明したように本発明の第1の実施例を用
いれば適応フィルタの収束特性を若干、犠牲にすること
により、処理量を大幅に削減できるという大きな効果が
ある。
【0020】次に図17を用いて、本発明の第2の実施
例を説明する。本実施例は第1の実施例において適応フ
ィルタの収束特性が劣化してしまうという問題点を解決
するものである。図17は本発明の第2の実施例を帯域
4分割に適用した例である。本例のエコーキャンセラの
全体構成は図8において分割数M=4としたものであ
る。図17は、この場合の音響エコーキャンセラの部分
を拡大したものに対応し、係数決定部を除いて図16と
全く同一の構成となっている。また、図17のエコーキ
ャンセラ部の動作も係数更新の仕方を除いて図16と全
く同じである。図17においても図16と同様、フィル
タのタップ数は4となっているが、これも図面を見易く
するためである。本例も任意のフィルタタップ数に適用
できることは言うまでもない。以下、図16と異なる部
分を中心に述べる。図17は4つの帯域に対応する4つ
の音響エコーキャンセラ1501、1506、151
1、1516で構成される。図17の帯域1の音響エコ
ーキャンセラ1501では2種類の係数決定モデュール
を使用する。すなわち、第0番目の係数決定部としてC
UM(1、0)1505を用い、第1番目から第3番目
の3つの係数決定部として3つのCUM(4、0)15
02、1503、1504を使用する。これにより、第
0番目の係数決定部CUM(1、0)1505は、毎離
散時間に係数更新を行い、残り3つの係数決定部CUM
(4、0)1502、1503、1504は、4の倍数
の離散時間に係数更新を実行する。図17の帯域2の音
響エコーキャンセラ1506でも2種類の係数決定モデ
ュールを使用する。すなわち、第0番目の係数決定部と
してCUM(1、0)1510を用い、第1番目から第
3番目の3つの係数決定部として3つのCUM(4、
1)1507、1508、1509を使用する。これに
より、第0番目の係数決定部CUM(1、0)1510
は、毎離散時間に係数更新を行い、残り3つの係数決定
部CUM(4、1)1507、1508、1509は、
4の倍数+1の離散時間に係数更新を実行する。図17
の帯域3の音響エコーキャンセラ1511でも2種類の
係数決定モデュールを使用する。すなわち、第0番目の
係数決定部としてCUM(1、0)1515を用い、第
1番目から第3番目の3つの係数決定部として3つのC
UM(4、2)1512、1513、1514を使用す
る。これにより、第0番目の係数決定部CUM(1、
0)1515は、毎離散時間に係数更新を行い、残り3
つの係数決定部CUM(4、2)1512、1513、
1514は、4の倍数+2の離散時間に係数更新を実行
する。図17の帯域4の音響エコーキャンセラ1516
でも2種類の係数決定モデュールを使用する。すなわ
ち、第0番目の係数決定部としてCUM(1、0)15
20を用い、第1番目から第3番目の3つの係数決定部
として3つのCUM(4、3)1517、1518、1
519を使用する。これにより、第0番目の係数決定部
CUM(1、0)1520は、毎離散時間に係数更新を
行い、残り3つの係数決定部CUM(4、3)151
7、1518、1519は、4の倍数+3の離散時間に
係数更新を実行する。以上の説明から明らかなように図
17の実施例においては4つのエコーキャンセラの第0
番目の係数決定部1505、1510、1515、15
20は4つとも毎離散時間に係数更新を実行する。ま
た、4つ帯域の4つのエコーキャンセラ1501、15
06、1511、1516は第1番目から第3番目の3
つの係数決定部での係数更新を帯域ごとに交互に行うこ
とになる。すなわち、図17の実施例と図16の実施例
の違いは4つのエコーキャンセラの第0番目の係数更新
を4分の1に間引くか、全く間引かないかにある。図1
7の4つのエコーキャンセラのいずれにおいても第0番
目から第3番目までの4つの係数決定部のフィルタ係数
は指数関数的に減衰している。第0番目のフィルタ係数
が一番大きく、以下番号が大きくなるに従ってフィルタ
係数は指数関数的に小さくなっていく。つまり、図17
の実施例ではエネルギーの大きなフィルタ係数の更新は
毎離散時間おこない、エネルギーの小さな3つのフィル
タ係数の更新は4分の1の頻度に間引いている。図17
の例はタップ数が4つしかないが、先にも述べたように
本実施例は任意のタップ数に適用可能である。任意タッ
プ数の場合も全体の前半4分の1のフィルタ係数を毎離
散時間更新し、後半4分の3のフィルタ係数を4分の1
に間引きして更新することで図17と同等の効果を得る
ことができる。このように、エネルギーの大きなフィル
タ係数の更新は間引かないようにして適応フィルタの初
期収束特性を大きく改善できる。これを図19と図20
を用いて説明する。図19の縦軸は音響エコーをキャン
セルした時の平均二乗誤差MSE(Mean Squa
reError)であり、横軸はフィルタリングと係数
更新を含む適応処理の回数である。図19のε0の曲線
は間引きなしの場合の収束特性を示している。図19の
ε1の曲線は全体の前半4分の1のフィルタ係数を毎離
散時間更新し、後半4分の3のフィルタ係数更新を間引
いたものである。すなわち、前半4分の1のフィルタ係
数が平均二乗誤差MSEにおよぼす影響を示している。
図19からε1の曲線は平均二乗誤差MSEがー15dB
となるまでは間引きなしの場合と同等の初期特性を持つ
ことがわかる。これはエネルギーの大きなフィルタ係数
の更新を毎離散時間おこなったことによる効果である。
図19のε2の曲線は、全体の前半2分の1のフィルタ
係数を毎離散時間更新し、後半2分の1のフィルタ係数
更新を間引いたものである。図19のε3の曲線は、全
体の前半4分の3のフィルタ係数を毎離散時間更新し、
後半4分の1のフィルタ係数更新を間引いたものであ
る。毎離散時間、更新するフィルタ係数の比率を増やす
に従って収束特性は間引きなしの場合に近づいていく様
子が見られる。図20は図19の4つの曲線ε0、ε
1、ε2、ε3において後半のフィルタ係数更新の間引
き率を変えた場合の処理量の変化を示している。図20
の縦軸は間引きしない場合(M=1)の係数更新にとも
なう処理量を1とした時の相対的な処理量を示し、横軸
は間引き率を示す。図20から、相対処理量は間引き率
Mに反比例するかたちで減少することがわかる。ただ
し、本実施例では前半部のフィルタ係数更新を間引かな
いので、この分の処理量が間引き率に依存しない定数と
して図20に加算されていて処理量削減効果は図22に
比べて若干小さくなる。図17の例におけるフィルタリ
ングを含む適応処理全体での処理量削減効果を図24に
示す。図17の例では係数更新処理量を約2.3分の1
にできるが、この図からフィルタリングを含んだ全体処
理においても37.5%の処理量削減効果があることが
わかる。ただし、図24においてフィルタリング処理と
係数更新処理の処理量の比を1対2とした。この比は代
表的なDSPにおける値である。以上、図19、図2
0、図24で説明したように本発明の第2の実施例を用
いれば適応フィルタの初期収束特性を犠牲にすることな
く、処理量を大幅に削減できるという大きな効果があ
る。
【0021】次に図18を用いて、本発明の第3の実施
例を説明する。本実施例は第1の実施例において適応フ
ィルタの収束特性が劣化してしまうという問題点を第2
の実施例と異なる方法で解決するものである。図18は
本発明の第3の実施例を帯域4分割に適用した例であ
る。本例のエコーキャンセラの全体構成は図8において
分割数M=4としたものである。図18は、この場合の
音響エコーキャンセラの部分を拡大したものに対応し、
係数決定部を除いて図16と全く同一の構成となってい
る。また、図18のエコーキャンセラ部の動作も係数更
新の仕方を除いて図16と全く同じである。図18にお
いても図16、図17と同様、フィルタのタップ数は4
となっているが、これも図面を見易くするためである。
本例も任意のフィルタタップ数に適用できることは言う
までもない。以下、図16と異なる部分を中心に述べ
る。図18は4つの帯域に対応する4つの音響エコーキ
ャンセラ1601、1606、1611、1616で構
成される。図18の帯域1の音響エコーキャンセラ16
01では1種類の係数決定モデュールを使用する。すな
わち、第0番目から第3番目の4つの係数決定部として
4つのCUM(1、0)1602、1603、160
4、1605を使用する。これら4つの係数決定部CU
M(1、0)1602、1603、1604、1605
は、毎離散時間に係数更新を実行する。図18の帯域2
の音響エコーキャンセラ1606でも1種類の係数決定
モデュールを使用する。すなわち、第0番目から第3番
目の4つの係数決定部として4つのCUM(3、0)1
607、1608、1609、1610を使用する。こ
れにより、これら4つの係数決定部CUM(3、0)1
607、1608、1609、1610は、3の倍数の
離散時間に係数更新を実行する。図18の帯域3の音響
エコーキャンセラ1611でも1種類の係数決定モデュ
ールを使用する。すなわち、第0番目から第3番目の4
つの係数決定部として4つのCUM(3、1)161
2、1613、1614、1615を使用する。これに
より、これら4つの係数決定部CUM(3、1)161
2、1613、1614、1615は、3の倍数+1の
離散時間に係数更新を実行する。図18の帯域4の音響
エコーキャンセラ1616でも1種類の係数決定モデュ
ールを使用する。すなわち、第0番目から第3番目の4
つの係数決定部として4つのCUM(3、2)161
7、1618、1619、1620を使用する。これに
より、これら4つの係数決定部CUM(3、2)161
7、1618、1619、1620は、3の倍数+2の
離散時間に係数更新を実行する。以上の説明から明らか
なように図18の実施例においては帯域1の音響エコー
キャンセラ1601は毎離散時間に係数更新を実行す
る。また、残り3つ帯域の3つのエコーキャンセラ16
06、1611、1616は係数更新を帯域ごとに交互
に行うことになる。すなわち、図18の実施例において
は帯域1のエコーキャンセラの係数更新を全く間引かな
いところに図16の実施例との相違がある。図18の帯
域1は一番の低周波数成分を含んでいるが、音響エコー
も一般に低周波数領域にエネルギーが集中している。よ
って図18の実施例ではエネルギーの大きなフィルタ係
数の更新は毎離散時間おこない、エネルギーの小さなフ
ィルタ係数の更新は3分の1の頻度に間引いていること
に対応する。このように、図17の実施例と同様にエネ
ルギーの大きなフィルタ係数の更新は間引かないように
して適応フィルタの初期収束特性を大きく改善できる。
図18の例におけるフィルタリングを含む適応処理全体
での処理量削減効果を図25に示す。この図からフィル
タリングを含んだ全体処理において25%の処理量削減
効果があることがわかる。ただし、図24においてフィ
ルタリング処理と係数更新処理の処理量の比を1対2と
した。この比は代表的なDSPにおける値である。以
上、図18、図25で説明したように本発明の第3の実
施例を用いれば適応フィルタの初期収束特性を犠牲にす
ることなく、処理量を大幅に削減できるという大きな効
果がある。
【0022】
【発明の効果】以上、詳細に説明してきたように本発明
によれば、帯域分割型の音響エコーキャンセラにおいて
係数更新を帯域間で交互に行うことにより、処理量を大
きく削減できる。DSPなど乗算器を搭載したマイクロ
プロセッサではフィルタリング処理は軽いが、メモリの
読み書きを頻繁に行なう係数更新処理が重く負担とな
る。そこで係数更新処理を間引くことにより、全体の処
理量を大きく削減でき、実用上必要なエコー長の消去を
汎用のDSP1個で実現できるという効果がある。また、
係数更新の間引き方を制御することにより、処理量削減
と収束特性のトレードオフをとることができるという利
点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の音響エコーキャンセラの構成図。
【図2】従来の帯域2分割型音響エコーキャンセラの構
成図。
【図3】帯域2分割用分析フィルタの構成図。
【図4】帯域2分割用合成フィルタの構成図。
【図5】図3の帯域2分割用分析フィルタの特性を示す
図。
【図6】2分の1デシメータの説明図。
【図7】2倍エクスパンダの説明図。
【図8】従来の帯域M分割型音響エコーキャンセラの構
成図。
【図9】従来の係数決定部の構成図。
【図10】本発明に用いる係数決定部の構成の一例を示
す図。
【図11】2分の1デシメータと2倍エクスパンダを接
続した場合の動作説明図。
【図12】本発明に用いる係数決定部の構成の一例を示
す図。
【図13】本発明に用いる係数決定部を一般化した構成
図。
【図14】従来の音響エコーキャンセラの適応フィルタ
部の構成の一例を示す図。
【図15】本発明の第1の実施例の適応フィルタ部の構
成の一例を示す図。
【図16】本発明の第1の実施例の適応フィルタ部の構
成の一例を示す図。
【図17】本発明の第2の実施例の適応フィルタ部の構
成の一例を示す図。
【図18】本発明の第3の実施例の適応フィルタ部の構
成の一例を示す図。
【図19】本発明の第2の実施例の収束特性を示す図。
【図20】本発明の第2の実施例のフィルタ係数更新の
処理量削減効果を示す図。
【図21】本発明の第1の実施例の収束特性を示す図。
【図22】本発明の第1の実施例のフィルタ係数更新の
処理量削減効果を示す図。
【図23】本発明の第1の実施例の全体の処理量削減効
果を示す図。
【図24】本発明の第2の実施例の全体の処理量削減効
果を示す図。
【図25】本発明の第3の実施例の全体の処理量削減効
果を示す図。
【符号の説明】
101…遠端話者入力、102…DAコンバータ、10
3…スピーカ、104…マイクロフォン、105…AD
コンバータ、106…音響エコー信号、107…疑似エ
コー信号、108…適応フィルタ、109…音響エコー
キャンセラ、110…出力信号、111…加算器、20
1…遠端話者入力、202…DAコンバータ、203…
スピーカ、204…マイクロフォン、205…ADコン
バータ、206…音響エコー信号、207…分析フィル
タ、208…低域音響エコー信号、209…高域音響エ
コー信号、210…低域音響エコーキャンセラ、211
…高域音響エコーキャンセラ、212…低域誤差信号、
213…高域誤差信号、214…合成フィルタ、215
…出力信号、216…低域疑似エコー信号、217…低
域適応フィルタ、218…低域入力信号、219…高域
疑似エコー信号、220…高域適応フィルタ、221…
高域入力信号、222…分析フィルタ、223…加算
器、224…加算器、301…入力信号、302…ロー
パスフィルタ、303…ハイパスフィルタ、304…低
域入力信号、305…高域入力信号、306…2分の1
デシメータ、307…2分の1デシメータ、308…ダ
ウンサンプリングされた低域入力信号、309…ダウン
サンプリングされた高域入力信号、310…分析フィル
タ、311…低域誤差信号、312…高域誤差信号、3
13…2倍エクスパンダ、314…2倍エクスパンダ、
315…アップサンプリングされた低域誤差信号、31
6…アップサンプリングされた高域誤差信号、317…
ローパスフィルタ、318…ハイパスフィルタ、319
…出力信号、320…合成フィルタ、321…加算器、
401…2分割分析フィルタのローパスフィルタ特性、
402…2分割分析フィルタのハイパスフィルタ特性、
501…入力信号、502…2分の1デシメータ、50
3…出力信号、504…入力信号例、505…出力信号
例、506…入力信号、507…2倍エクスパンダ、5
08…出力信号、509…入力信号例、510…出力信
号例、601…遠端話者入力、602…DAコンバー
タ、603…スピーカ、604…マイクロフォン、60
5…ADコンバータ、606…音響エコー、607…分
析フィルタ、608…帯域1の音響エコー信号、609
…帯域2の音響エコー信号、610…帯域Mの音響エコ
ー信号、611…帯域1の誤差信号、612…帯域2の
誤差信号、613…帯域Mの誤差信号、614…合成フ
ィルタ、615…出力信号、616…帯域1の疑似エコ
ー信号、617…帯域1の適応フィルタ、618…帯域
1の入力信号、619…帯域2の疑似エコー信号、62
0…帯域2の適応フィルタ、621…帯域2の入力信
号、622…帯域Mの疑似エコー信号、623…帯域Mの
適応フィルタ、624…帯域Mの入力信号、625…分
析フィルタ、701…入力サンプル、702…乗算器、
703…スケールされた誤差信号サンプル、704…係
数更新用データ、705…離散時間nのフィルタ係数、
706…遅延素子、707…離散時間n−1のフィルタ
係数、708…加算器、709…従来の係数決定部モデ
ュール、801…入力サンプル、802…2分の1デシ
メータ、803…2倍エクスパンダ、804…間引かれ
た入力サンプル、805…乗算器、806…スケールさ
れた誤差信号、807…2分の1デシメータ、808…
2倍エクスパンダ、809…間引かれ、スケールされた
誤差信号、810…係数更新用データ、811…加算
器、812…離散時間nのフィルタ係数、813…遅延
素子、815…離散時間n−1のフィルタ係数、816
…偶数時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、901…入力サンプル、902…2分の1デシメー
タ、903…中間データ、904…2倍エクスパンダ、
905…出力サンプル、906…入力サンプル例、90
7…出力サンプル例、1001…入力サンプル、100
2…遅延素子、1003…P分の1デシメータ、100
4…P倍エクスパンダ、1005…間引かれた入力サン
プル、1006…スケールされた誤差信号、1007…
遅延素子、1008…P分の1デシメータ、1009…P
倍エクスパンダ、1010…間引かれ、スケールされた
誤差信号、1011…乗算器、1012…係数更新用デ
ータ、1013…加算器、1014…離散時間nのフィ
ルタ係数、1015…遅延素子、1017…離散時間n
−1のフィルタ係数、1018…奇数時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1101…入力サンプ
ル、1102…遅延素子、1103…遅延素子、110
4…2分の1デシメータ、1105…2倍エクスパン
ダ、1106…間引かれた入力サンプル、1107…ス
ケールされた誤差信号、1108…遅延素子、1109
…遅延素子、1110…2分の1デシメータ、1111
…2倍エクスパンダ、1112…間引かれ、スケールさ
れた誤差信号、1113…乗算器、1114…係数更新
用データ、1115…加算器、1116…離散時間nの
フィルタ係数、1117…遅延素子、1119…離散時
間nー1のフィルタ係数、1120…Pの倍数+Qの離散
時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、12
01…時刻nの入力サンプル、1202…時刻n−1の入
力サンプル、1203…時刻n−2の入力サンプル、1
204…時刻n−3の入力サンプル、1205…遅延素
子、1206…遅延素子、1207…遅延素子、120
8…乗算器、1209…時刻nの誤差信号サンプル、1
210…加算器、1211…時刻nの音響エコー信号、
1212…時刻nの疑似エコー信号、1213…加算
器、1214…加算器、1215…加算器、1216…
乗算器、1217…乗算器、1218…乗算器、121
9…乗算器、1220…従来の係数決定部モデュール、
1221…従来の係数決定部モデュール、1222…従
来の係数決定部モデュール、1223…従来の係数決定
部モデュール、1224…第3番目のフィルタ係数、1
225…第2番目のフィルタ係数、1226…第1番目
のフィルタ係数、1227…第0番目のフィルタ係数、
1228…定数、1301…低域の時刻nの入力サンプ
ル、1302…低域の時刻n−1の入力サンプル、13
03…低域の時刻n−2の入力サンプル、1304…低
域の時刻n−3の入力サンプル、1305…低域の誤差
信号、1306…低域の疑似エコー信号、1307…低
域の音響エコー信号、1308…偶数時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1309…偶数時間に
フィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1310…
偶数時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、
1311…偶数時間にフィルタ更新を行う係数決定部モ
デュール、1312…低域の音響エコーキャンセラ、1
313…高域の時刻nの入力サンプル、1314…高域
の時刻n−1の入力サンプル、1315…高域の時刻n−
2の入力サンプル、1316…高域の時刻n−3の入力
サンプル、1317…高域の誤差信号、1318…高域
の疑似エコー信号、1319…高域の音響エコー信号、
1320…奇数時間にフィルタ更新を行う係数決定部モ
デュール、1321…奇数時間にフィルタ更新を行う係
数決定部モデュール、1322…奇数時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1323…奇数時間に
フィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1324…
高域の音響エコーキャンセラ、1401…帯域1の時刻
nの入力サンプル、1402…帯域1の時刻n−1の入力
サンプル、1403…帯域1の時刻n−2の入力サンプ
ル、1404…帯域1の時刻n−3の入力サンプル、1
405…帯域1の誤差信号、1406…帯域1の疑似エ
コー信号、1407…帯域1の音響エコー信号、140
8…4の倍数の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定
部モデュール、1409…4の倍数の離散時間にフィル
タ更新を行う係数決定部モデュール、1410…4の倍
数の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1411…4の倍数の離散時間にフィルタ更新を行
う係数決定部モデュール、1412…帯域1の音響エコ
ーキャンセラ、1413…帯域2の時刻nの入力サンプ
ル、1414…帯域2の時刻n−1の入力サンプル、1
415…帯域2の時刻n−2の入力サンプル、1416
…帯域2の時刻n−3の入力サンプル、1417…帯域
2の誤差信号、1418…帯域2の疑似エコー信号、1
419…帯域2の音響エコー信号、1420…4の倍数
+1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュ
ール、1421…4の倍数+1の離散時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1422…4の倍数+
1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1423…4の倍数+1の離散時間にフィルタ更新
を行う係数決定部モデュール、1424…帯域2の音響
エコーキャンセラ、1425…帯域3の時刻nの入力サ
ンプル、1426…帯域3の時刻n−1の入力サンプ
ル、1427…帯域3の時刻n−2の入力サンプル、1
428…帯域3の時刻n−3の入力サンプル、1429
…帯域3の誤差信号、1430…帯域3の疑似エコー信
号、1431…帯域3の音響エコー信号、1432…4
の倍数+2の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部
モデュール、1433…4の倍数+2の離散時間にフィ
ルタ更新を行う係数決定部モデュール、1434…4の
倍数+2の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モ
デュール、1435…4の倍数+1の離散時間にフィル
タ更新を行う係数決定部モデュール、1436…帯域3
の音響エコーキャンセラ、1437…帯域4の時刻nの
入力サンプル、1438…帯域4の時刻n−1の入力サ
ンプル、1439…帯域4の時刻n−2の入力サンプ
ル、1440…帯域4の時刻nー3の入力サンプル、1
441…帯域4の誤差信号、1442…帯域4の疑似エ
コー信号、1443…帯域4の音響エコー信号、144
4…4の倍数+3の離散時間にフィルタ更新を行う係数
決定部モデュール、1445…4の倍数+3の離散時間
にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1446
…4の倍数+3の離散時間にフィルタ更新を行う係数決
定部モデュール、1447…4の倍数+3の離散時間に
フィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1448…
帯域4の音響エコーキャンセラ、1501…帯域1の音
響エコーキャンセラ、1502…4の倍数の離散時間に
フィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1503…
4の倍数の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モ
デュール、1504…4の倍数の離散時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1505…毎離散時間
にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1506
…帯域2の音響エコーキャンセラ、1507…4の倍数
+1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュ
ール、1508…4の倍数+1の離散時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1509…4の倍数+
1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1510…毎離散時間にフィルタ更新を行う係数決
定部モデュール、1511…帯域3の音響エコーキャン
セラ、1512…4の倍数+2の離散時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1513…4の倍数+
2の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1514…4の倍数+2の離散時間にフィルタ更新
を行う係数決定部モデュール、1515…毎離散時間に
フィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1516…
帯域4の音響エコーキャンセラ、1517…4の倍数+
3の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1518…4の倍数+3の離散時間にフィルタ更新
を行う係数決定部モデュール、1519…4の倍数+3
の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1520…毎離散時間にフィルタ更新を行う係数決
定部モデュール、1601…帯域1の音響エコーキャン
セラ、1602…毎離散時間にフィルタ更新を行う係数
決定部モデュール、1603…毎離散時間にフィルタ更
新を行う係数決定部モデュール、1604…毎離散時間
にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1605
…毎離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1606…帯域2の音響エコーキャンセラ、160
7…3の倍数の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定
部モデュール、1608…3の倍数の離散時間にフィル
タ更新を行う係数決定部モデュール、1609…3の倍
数の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュー
ル、1610…3の倍数の離散時間にフィルタ更新を行
う係数決定部モデュール、1611…帯域3の音響エコ
ーキャンセラ、1612…3の倍数+1の離散時間にフ
ィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1613…3
の倍数+1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部
モデュール、1614…3の倍数+1の離散時間にフィ
ルタ更新を行う係数決定部モデュール、1615…3の
倍数+1の離散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モ
デュール、1616…帯域4の音響エコーキャンセラ、
1617…3の倍数+2の離散時間にフィルタ更新を行
う係数決定部モデュール、1618…3の倍数+2の離
散時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール、1
619…3の倍数+2の離散時間にフィルタ更新を行う
係数決定部モデュール、1620…3の倍数+2の離散
時間にフィルタ更新を行う係数決定部モデュール

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通信回線からの音声信号を出力した結果該
    音声信号自身の反響により生じる音響エコー信号を得
    て、上記音声信号に基づき生成された疑似エコー信号を
    上記音響エコー信号から差し引いて上記通信回線に出力
    するエコーキャンセル方法において、 上記疑似エコー信号は、上記該音声信号を複数の帯域の
    信号成分に分割し、フィルタ系数により特性が定められ
    る複数個の適応フィルタに該信号成分のそれぞれを通過
    させて生成され、上記フィルタ係数の更新規則を上記適
    応フィルタごとに異ならせることを特徴とするエコーキ
    ャンセル方法。
  2. 【請求項2】上記複数の適応フィルタのフィルタ係数を
    順次更新していくことを特徴とする請求項1のエコーキ
    ャンセル方法。
  3. 【請求項3】上記複数の適応フィルタのフィルタ係数を
    構成する0次の係数は、入力信号毎に変更され、その他
    の次数の係数は、上記複数の適応フィルタ間で順次更新
    していくことを特徴とする請求項1に記載のエコーキャ
    ンセル方法。
  4. 【請求項4】上記複数の適応フィルタのうち任意の適応
    フィルタのフィルタ係数は入力信号毎に更新され、その
    他の適応フィルタは順次更新される請求項1に記載のエ
    コーキャンセル方法。
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