JPH08321354A - 嵌合コネクタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 作業性を低下させることなく節度感を得易く
して嵌合不良を起こさないようにする。 【構成】 雄側コネクタ１０の側に形成する係合突起１
３を角柱状として天井面を平面に形成しつつ、雌側コネ
クタ２０の側に形成する先端鉤状の可撓性アーム２３に
はこの係合突起１３よりも高い斜め斜面を形成してお
き、雄側コネクタ１０と雌側コネクタ２０の嵌合時に可
撓性アーム２３は容易に係合突起１３に乗り上がるもの
のその天井面を摺動する際に撓められた状態を蓄え、乗
り越えるときに一気に復帰して節度感を得られるように
している。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、嵌合コネクタに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の嵌合コネクタとして、図
４〜図６に示すものが知られている。雄側コネクタ１
は、筒状のフード部２を有しており、当該フード部２外
周面に楔形の係合突起３を形成されている。一方、雌側
コネクタ４は、同フード部２に挿入可能な端子収容部５
と、同端子収容部５の中程外周面より突出されて前方に
延設された鉤状の可撓性アーム６とを有しており、同可
撓性アーム６は端子収容部５をフード部２内に挿入した
ときに同フード部２の外周面に沿って摺動するとともに
奥側位置では上記係合突起３に乗り上がって係合可能と
なっている。

【０００３】可撓性アーム６は、当初、図５に示すよう
に楔形となった係合突起３の斜め斜面に突き当たり、同
斜面に沿って撓みながら乗り越える。係合突起３の斜め
斜面に沿って撓むようになっているため、比較的小さな
力で乗り越えられる。一方、端子金具の数が多いような
場合には、図６に示すように、可撓性アーム６の先端と
係合突起３の正面とを互いに対面する垂直な壁面とし、
押し込む力を蓄えておいて沢山の端子金具同士による嵌
合抵抗に打ち勝って一気に係合突起を乗り越えつつ嵌合
せしめる構造も知られている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】上述した従来の嵌合コ
ネクタにおいては、次のような課題があった。前者のも
のにおいては、楔形とした係合突起３を乗り越えるとき
に可撓性アーム６が復帰する際の節度感が小さく、節度
感を得られないまま嵌合されることになる。従って、節
度感を感じないことから確実に嵌合されないこともあ
る。後者のものにおいては、一気に押し込むようになっ
ているため、嵌合不良は生じにくいが、押し込む力が大
きくなり、作業性が低下する。

【０００５】本発明は、上記課題に鑑みてなされたもの
で、作業性を低下させることなく節度感を得易くして嵌
合不良を起こさないようにすることが可能な嵌合コネク
タの提供を目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項１に係る発明は、一方のコネクタハウジング
には係合突起を形成するとともに他方のコネクタハウジ
ングには同係合突起を乗り越えて係合する先端が鉤状と
なった可撓性アームを形成し、互いに正面を対面させて
係合せしめる嵌合コネクタであって、上記係合突起を断
面略角柱状として天井面を平面状にするとともに、上記
可撓性アームの先端を同係合突起よりも高い斜め斜面と
した構成としてある。

【０００７】

【作用】上記のように構成した請求項１に係る発明にお
いては、断面角柱状の係合突起の正面は略垂直な壁面と
なっている一方、可撓性アームの先端はこの係合突起よ
りも高い斜面となっているので、小さな力で係合突起に
乗り上がるものの、係合突起の上面は平面となっている
ので、押し込まれつつその角度を維持することになり、
この間に力を蓄える。そして、係合突起の長さだけ前進
すると蓄えられていた力が一気に復帰し、節度感を発生
させる。

【０００８】

【発明の効果】以上説明したように本発明は、小さな力
で乗り越えつつ節度感を発揮させることが可能な嵌合コ
ネクタを提供することができる。

【０００９】

【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。図１は、本発明の一実施例に係る嵌合コネクタの
断面図である。同図において、雄側コネクタ１０は雄側
端子金具１１を囲い込む筒状のフード部１２を有してお
り、当該フード部１２における上壁面の外周面に上に角
形突起形状の係合突起１３を形成してある。この係合突
起１３は概ね断面が角柱状となっているので、天井面は
フード部１２の外周面と平行となるとともに、当該フー
ド部１２の突出方向に対して長さＬの摺動面を形成して
いる。

【００１０】本実施例においては、断面が角柱状となっ
ているが、正面側については必ずしも垂直な壁面となっ
ている必要はなく、天井面が所定長さにわたって平面状
に形成されていればよい。ただし、角柱状である場合に
は天井面の長さが最も長くとれるという効果がある。一
方、雌側コネクタ２０は、雄側コネクタ１０のフード部
１２に挿入可能な略筒状の端子収容部２１と、同端子収
容部２１における長さ方向の中程にて連結される二重の
筒状に形成された外筒部２２とを備え、この外筒部２２
の一部にシーソー型の可撓性アーム２３を形成されてい
る。同可撓性アーム２３は先端を鉤状に形成されるとと
もに上記係合突起１３に向かって延設されており、図２
に拡大して示すように鉤状部分２３ａの正面側は先端に
向かうにつれて上記端子収容部２１から離れる方向の斜
め斜面となっている。そして、同鉤状部分２３ａにおけ
る斜め斜面の先端は少なくとも上記係合突起１３よりも
高くしてある。

【００１１】本実施例においては、雌側コネクタ２０が
外筒部２２を備えた二重の筒型となっているが、少なく
とも可撓性アーム２３を備えていれば良く、必ずしも外
筒部２２を備えている必要はない。また、可撓性アーム
２３はシーソー型である必要もなく、先端の鉤状部分２
３ａが係合突起１３よりも高い斜め斜面を備えていれば
よい。なお、端子収容部２１の先端にはキャップ状のリ
テーナ２４を覆蓋させて内部に収容される雌側端子金具
２５を二重係止させるとともに、同端子収容部２１の奥
側の外周面にはリング状のゴムシール２６を装着して雄
側コネクタ１０のフード部１２内周面との間に水密面を
形成している。

【００１２】次に、上記構成からなる本実施例の動作を
説明する。雌側コネクタ２０の端子収容部２１を雄側コ
ネクタ１０のフード部１２内に挿入していくと、同フー
ド部１２は雌側コネクタ２０の外筒部２２と端子収容部
２１との間の隙間に挿入され、可撓性アーム２３はフー
ド部１２の外周面上に摺動しながら係合突起１３に向か
って前進する。可撓性アーム２３における鉤状部分２３
ａが係合突起１３に当接したとき、当該鉤状部分２３ａ
に形成されている斜め斜面の方が同係合突起１３よりも
高い設定となっているので、容易に乗り上がる。

【００１３】乗り上がるにつれてシーソー型の可撓性ア
ーム２３は撓められていき、鉤状部分２３ａが係合突起
１３の天井面に乗り上がったときに最も撓められる。従
来のものであれば、楔形の係合突起となっているので、
乗り上がるとともにすぐさま乗り越えてしまい、撓めら
れた状態を蓄えることがなかった。しかし、係合突起１
３は略角柱状で天井面が平面となっているため、図３に
示すように、可撓性アーム２３が長さＬだけ前進する間
は最も撓められた状態を継続する。

【００１４】この間に可撓性アーム２３は撓められた状
態を蓄え、長さＬだけ進んで係合突起１３の奥側の垂直
面を越えたときに一気に復帰する。すると、作業者はは
っきりと可撓性アーム２３が復帰して嵌合が行われた節
度感を感じることができる。このように、雄側コネクタ
１０の側に形成する係合突起１３を角柱状として天井面
を平面に形成しつつ、雌側コネクタ２０の側に形成する
先端鉤状の可撓性アーム２３にはこの係合突起１３より
も高い斜め斜面を形成しておき、雄側コネクタ１０と雌
側コネクタ２０の嵌合時に可撓性アーム２３は容易に係
合突起１３に乗り上がるもののその天井面を摺動する際
に撓められた状態を蓄え、乗り越えるときに一気に復帰
して節度感を得られるようにしている。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る嵌合コネクタの断面図
である。

【図２】嵌合コネクタの要部拡大断面図である。

【図３】可撓性アームが係合突起を乗り越える状態を示
す概略図である。

【図４】従来の嵌合コネクタの断面図である。

【図５】同嵌合コネクタの要部拡大断面図である。

【図６】他の従来例に係る可撓性アームと係合突起の形
状を示す断面図である。

【符号の説明】

１０…雄側コネクタ １３…係合突起 ２０…雌側コネクタ ２３…可撓性アーム ２３ａ…鉤状部分

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 一方のコネクタハウジングには係合突起
   を形成するとともに他方のコネクタハウジングには同係
   合突起を乗り越えて係合する先端が鉤状となった可撓性
   アームを形成し、互いに正面を対面させて係合せしめる
   嵌合コネクタであって、 上記係合突起を断面略角柱状として天井面を平面状にす
   るとともに、上記可撓性アームの先端を同係合突起より
   も高い斜め斜面としたことを特徴とする嵌合コネクタ。